JPH07121927B2 - ラクトン類の製造法 - Google Patents

ラクトン類の製造法

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JPH07121927B2
JPH07121927B2 JP1274998A JP27499889A JPH07121927B2 JP H07121927 B2 JPH07121927 B2 JP H07121927B2 JP 1274998 A JP1274998 A JP 1274998A JP 27499889 A JP27499889 A JP 27499889A JP H07121927 B2 JPH07121927 B2 JP H07121927B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラクトン類の製造法に関するものである。詳し
くは、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボ
ン酸エステルを液相で水素化して得られるラクトン類を
含有する反応生成物から、高純度のラクトン類を製造す
る方法の改良に関するものである。
(従来の技術) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸エ
ステル、あるいはこれ等の混合物を水素化してラクトン
類を製造する方法は古くから検討され、これまでに多数
提案されている。例えば触媒としてニッケル系触媒(特
公昭43-6947号公報)、コバルト系触媒(特開昭51-9505
7号公報)、銅−クロム系触媒(特公昭38-20119号公
報)、銅−亜鉛系触媒(特公昭42-14463号公報)等を使
用して、固定床又は懸濁液相により水素化反応を行なう
方法が知られている。
一方、均一系のルテニウム系触媒を使用して上記の水素
化反応を行なう方法も知られ、例えば米国特許3957827
号には、[RuXn(PR1R2R3)xLy]型のルテニウム系触媒
を使用し40〜400psiの加圧下で水素化してラクトン類を
製造する方法が記載され、また、米国特許4485246号に
は、同様の触媒による水素化反応を有機アミンの存在下
で行なうことが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のニッケル系触媒、コバルト系触
媒、銅−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒等の固体触媒を
使用する従来の方法は、反応条件が数十気圧以上の苛酷
な条件の採用は避けられないという問題点があった。一
方、上記均一系のルテニウム系触媒を使用する方法は、
比較的温和な条件下で水素化反応が進行するという特徴
がある半面、触媒活性がやや低水準であるうえ、触媒寿
命が短かく、またハロゲンを使用しているため反応装置
の腐蝕が生ずるという問題がある。
そこで本出願人は、先に触媒としてルテニウム、有機ホ
スフィン及びpKa値が2より小さい酸の共役塩基を含有
するルテニウム触媒を使用し、液相で水素化する方法を
提案した(特開平1-25771号公報)。
この方法では高活性なルテニウム触媒を使用するので、
温和な条件下で効率良くラクトン類を製造することがで
きるが、水素化反応生成物からラクトン類を蒸留して分
離する際に、触媒活性が低下したり、溶媒が着色した
り、あるいは原料や溶媒の分解による副生物がラクトン
類に混入して純度が低下する等の問題があり、これらの
問題を解決することが工業的にラクトン類を製造する場
合の大きな課題であった。
本発明は、ルテニウム触媒してラクトン類を工業的に製
造する方法における上述の問題点を解決し、高純度のラ
クトン類を工業的有利に製造することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記の目的を達成するために検討した結
果、水素化反応生成物からラクトン類を蒸留により分離
精製する場合に生じる上記の問題は、主として蒸留塔の
塔底温度が高過ぎることに起因するが、単に塔底温度を
下げるために塔頂の圧力を下げると、塔頂の沸点が低く
なり過ぎるため、塔頂部コンデンサーの冷却に冷凍機を
要するなど工業的実施上のコスト負担が過大となり著し
く不利であることが判明した。
上記の知見に基づいて更に検討の結果、水素化反応生成
物からラクトン類を蒸留分離する際に、特定割合の溶媒
をラクトン類と共に留出させ、かつその後の精製処理工
程を適切に組合わせることにより、触媒活性の低下、溶
媒の着色、ラクトン類純度の低下等の問題を生ずること
なく、工業的有利にラクトン類を製造し得ることを見出
し本発明を達成した。即ち本発明の要旨は、ジカルボン
酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸エステルをル
テニウム触媒の存在下に溶媒を用いて液相で水素化して
得られらたラクトン類を含有する反応生成物を、 (A)第1蒸留塔へ供給して塔頂からラクトン類、水及
び留出液に対し3〜50重量%の溶媒を留出させ、該留出
液を第2蒸留塔へ供給すると共に、第1蒸留塔の塔底か
ら未反応原料、残余の溶媒及び触媒を含む缶出液を導出
してその少なくとも一部を水素化工程へ循環し、 (B)第2蒸留塔の塔頂から水を主成分とする軽沸点物
質を留出分離すると共に、第2蒸留塔の塔底からラクト
ン類及び溶媒を主成分とする缶出液を導出してこれを第
3蒸留塔へ供給し、 (C)第3蒸留塔の塔頂からラクトン類を留出させて採
取すると共に、第3蒸留塔と塔底から溶媒を主成分とす
る缶出液を導出することを特徴とするラクトン類の製造
法に存する。
本発明を詳細に説明するに、本発明におけるラクトン類
の原料物質としては、炭素数3〜7の飽和又は不飽和の
ジカルボン酸、それ等の無水物、又はそれ等のジカルボ
ン酸のエステル、あるいはこれ等の混合物が挙げられ、
エステルとしては低級アルキルエステルが好ましい。具
体的には例えば、マレイン酸、フマール酸、コハク酸、
無水マレイン酸、無水コハク酸、マレイン酸ジメチル、
フマール酸ジエチル、コハク酸−ジ−n−ブチル等が使
用される。
また、ルテニウム触媒としては、例えば(イ)ルテニウ
ム、(ロ)有機ホスフィン及び(ハ)pKaが2より小さ
い酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒が挙げら
れ、場合によりこれに更に(ニ)中性配位子を含有させ
た触媒が好適に使用される。
本発明の処理の対象とするラクトン類を含有する反応生
成物を得るには、反応容器に、前記の原料物質、触媒成
分及び溶媒を導入して、更に水素を導入する。水素は窒
素あるいは二酸化炭素等の反応に不活性なガスで希釈さ
れたものであってもよい。反応温度は通常50〜250℃、
好ましくは100〜200℃である。反応系内の水素分圧は特
に限られないが、工業的実施上は通常0.1〜100kg/cm2
特に好ましくは10〜50kg/cm2である。反応は回分方式及
び連続方式の何れも実施することができ、回分方式の場
合の所要反応時間は通常1〜20時間である。
本発明は、上記の水素化反応により得られるラクトン類
を含有する反応生成物から、前記(A)、(B)及び
(C)の工程によりラクトン類を分離することを骨子と
するものであり、これにより触媒活性の低下や溶媒の着
色がなく、高純度のラクトン類を収率よく得ることがで
きる。
本発明方法を更に具体的に説明するに、本発明において
は、ラクトン類、溶媒、触媒、未反応原料及び水等を含
有する反応生成物を先ず、 (A)第1蒸留塔へ供給して塔頂からラクトン類、水及
び留出液の3〜50重量%に相当する量の溶媒を留出さ
せ、この留出液を第2蒸留塔へ供給すると共に、第1蒸
留塔の塔底から未反応原料、残余の溶媒及び触媒を含む
缶出液を導出して水素化工程へ循環するものである。
第1蒸留塔の塔頂から留出液の3〜50重量%の溶媒を留
出させるには、蒸留塔の段数及び還流比等を適切に設定
して蒸留を行なえばよく、このような処理により、第1
蒸留塔の塔底温度は170℃以下に保持される。
蒸留塔の段数及び還流比等の操作条件は、予め蒸留塔の
段数及び還流比等を種々に設定して蒸留を行ない、夫々
の留出液中の溶媒量を分析し、留出した溶媒量の全溶媒
に対する重量%を求め、その値に基づいて適切に設定さ
れる。
ラクトン類、溶媒、触媒、未反応原料及び水等を含有す
る反応生成物を蒸留することにより、ラクトン類を溶媒
及び触媒から分離する場合、一般に例えば30段以上の多
段数の蒸留塔を用い、大きい還流比が必要であるが、多
段数の蒸留塔では、塔内の圧力差が大きいために塔底圧
力が上昇して著しく高温度となり、このため触媒活性の
低下や溶媒の分解が生起する。また還流比を大きくする
と、エネルギーのロスが大きく経済的でない。
本発明においては前記のように、第1蒸留塔として段数
が比較的少ないものを使用し、還流比を比較的小さくし
て、塔頂からラクトン類及び水と共に、留出液の3〜50
重量%の溶媒が留出するように蒸留条件を選定すもので
あり、これにより蒸留塔の塔底温度の著しい上昇を防止
して、触媒活性の低下や溶媒及び原料の分解等を回避す
ると共に、留出させた溶媒は後続する工程により回収し
て循環使用するものである。
一方、第1蒸留塔の塔底からは未反応原料、残余の溶媒
及び触媒を含む缶出液を導出して水素化工程へ循環して
再使用する。なお缶出液は全量を水素化工程へ循環する
要はなく、必要に応じて一部を系外に抜出すこともでき
る。(A)工程で第1蒸留塔の塔頂から第2蒸留塔へ供
給したラクトン類、水及び溶媒からなる留出物は次い
で、 (B)第2蒸留塔で蒸留して、塔頂から水を主成分とす
る軽沸点物質を留出分離して系外に排出する。一方、第
2蒸留塔の塔底からはラクトン類及び溶媒を主成分とす
る缶出液を導出してこれを第3蒸留塔へ供給する。第2
蒸留塔における塔底温度は、第1蒸留塔におけると同様
に170℃程度以下に保持するのが、触媒活性の低下及び
溶媒の着色を防止し、高純度のラクトン類を得る上で望
ましい。(B)工程で第2蒸留塔の塔底から第3蒸留塔
へ供給したラクトン類及び溶媒を主成分とする缶出液は
次いで、 (C)第3蒸留塔で蒸留して、塔頂から目的とするラク
トン類を留出させて採取する。一方、第3蒸留塔の塔底
から導出した、溶媒を主成分とする缶出液は、そのまま
水素化反応に循環してもよく、また第1蒸留塔又は第2
蒸留塔へ循環することもできる。あるいはまた、缶出液
に触媒成分を添加して触媒液として再使用することもで
きる。第3蒸留塔における塔底温度は、第1蒸留塔及び
第2蒸留塔におけると同様に、170℃程度以下に保持す
るのが、触媒活性の低下及び溶媒の着色を防止し、高純
度のラクトン類を得る上で望ましい。
なお、本発明における前示(イ)ルテニウム、(ロ)有
機ホスフィン及び(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役
塩基を含有し、更に場合により中性配位子を含有してい
てもよいルテニウム触媒の具体例は以下の通りである。
(イ)ルテニウム: ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム化
合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合物
としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化
物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体
的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、
二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウ
ム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウ
ム、トリス(アセチルアセトン)ルテニウム、ヘキサク
ロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニ
ウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シク
ロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモト
リカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−ブ
チルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニ
ルテトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテ
ニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリ
ルテニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられ
る。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使
用量は、反応溶液1リットル中のルテニウムとして0.00
01〜100ミリモル、好ましくは0.001〜10ミリモルであ
る。
(ロ)有機ホスフィン: 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウムの
電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定化
するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィンの
具体例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ
−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキ
シルホスフィンのようなトリシクロアルキルホスフィン
類、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホス
フィン類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキ
ルアリールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタンのような多官能性ホスフィン類が挙げら
れる。有機ホスフィンの使用量は通常、ルテニウム1モ
ルに対して、0.1〜1000モル程度、好ましくは1〜100モ
ルである。また、有機ホスフィンは、それ自体単独で、
あるいはルテニウム触媒との複合体の形で、反応系に供
給することができる。
(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役塩基: pKa値が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム触媒
の付加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系中
において、pKa値が2より小さい酸の共役塩基を生成す
るものであればよく、その供給形態としては、pKa値が
2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩等が用
いられる。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜
硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフル
オロ燐酸、タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング
ステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ酸、フル
オロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、あ
るいはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が
挙げられる。また、これ等の酸の共役塩基が反応系で生
成すると考えられる酸誘導体、例えば酸ハロゲン化物、
酸無水物、エステル、酸アミド等の形で添加しても同様
の効果が得られる。これ等の酸又はその塩の使用量は、
ルテニウム1モルに対して0.01〜1000モル、好ましくは
0.1〜100モル、更に好ましくは0.5〜20モルの範囲であ
る。
上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分の外に、場合によ
り含有することができる(ニ)中性配位子としては、水
素、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ブタジエン、シクロペンタジエン、シ
クロオクタジエン、ノルボナジエン等のオレフィン類、
一酸化炭素、ジエチルエーテル、アニソール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、プロピオン酸、カ
プロン酸、酪酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、
安息香酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル等の含酸素化
合物、酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチル
アミン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、ピ
ロール、ピリジン、N−メチルホルムアミド、アセトア
ミド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリ
ドン、カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合
物、二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフェノ
ール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チ
オフェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキ
シド等の含硫黄化合物、トリブチルホスフィンオキシ
ド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、トリフェニ
ルホスフィンオキシド、ジエチルフェニルホスフィネー
ト、ジフェニルメチルホスフィネート、ジフェニルエチ
ルホスフィネート、o,o−ジメチルメチルホスホノチオ
レート、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機
ホスフィン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明の溶媒としては、前記原料物質自体を使用するこ
ともできるが、原料物質以外に例えば次に列挙する溶媒
を使用することができる。
ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレング
リコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類;アセトン、メチルエチルケトン、アセトフェノン等
のケトン類;メタノール、エタノール、 n−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール等のアルコール類;フェノ
ール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルイル酸等のカ
ルボン酸類;酢酸メチル、酢酸n−ブチル、安息香酸ベ
ンジル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、エチルベ
ンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、
n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジ
クロロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等の
ハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベンゼン等
のニトロ化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のカ
ルボン酸アミド;ヘキサメチルリン酸トリアミド、N,N,
N',N'−テトラエチルスルファミド等のその他のアミド
類;N,N'−ジメチルイミダゾリドン、N,N,N,N−テトラメ
チル尿素等の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチレ
ンスルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホキシド等のスルホキシド類;γ−ブチロ
ラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;トリグ
ライム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、
テトラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエ
ーテル)、18−クラウン−6等のポリエーテル類、アセ
トニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチル
カーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル
類。
(実施例) 以下本発明を実施例及び比較例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
実施例1 触媒液の調製: 0.039重量%のルテニウムアセチルアセトナート、0.37
重量%のトリオクチルホスフィン及び0.16重量%のp−
トルエンスルホン酸をトリエチレングリコールジメチル
エーテル(トリグライム、溶媒)に溶解し、200℃で2
時間加熱処理して触媒液を調製した。
水素化反応: 第1図に示す流通型反応設備を使用して水素化反応を実
施した。第1図において、1は反応器、2は触媒液容
器、3は圧縮機、4は原料容器、5は冷却器、6は気液
分離器、7は第1蒸留塔、8は第2蒸留塔、9は第3蒸
留塔である。
上記方法で調製した触媒液を触媒液容器2から2500g/hr
の流量で反応器1(10 1加圧釜)へ供給し、水素ガスを
圧縮機3より8Nm3/hrの流で反応器1に供給し、反応器
1の圧力を40kg/cm2G、温度を205℃に保持した。一方、
無水コハク酸80重量%及びγ−ブチロラクトン20重量%
からなる原料液を、原料容器4から200g/hrの流量で連
続的に反応器1に供給して水素化反応を行った。
反応生成液は冷却器5で130℃に冷却し、気液分離器6
において常圧下気液分離してガス成分は100Nl/hrをパー
ジし、残部は圧縮機3へ循環した。
反応生成液を、後記条件の第1蒸留塔7に供給し、塔頂
からγ−ブチロラクトン、水及びトリグライム(溶媒)
を留出させた。一方塔底からは未反応原料、残余の溶媒
及び触媒を含む缶出液を導出して反応器1へ循環した。
なお塔底温度は、若干生成した高沸点成分のため137℃
から149℃に上昇し、塔頂温度は80℃であった。
第1蒸留塔7の塔頂からの留出液は、後記条件の第2蒸
留塔8に供給し、塔頂から水を主成分とする軽沸点物質
を留出させた。一方、第2蒸留塔の塔底からγ−ブチロ
ラクトン及び溶媒を主成分とする缶出液を導出してこれ
を後記条件の第3蒸留塔へ供給した。
第3蒸留塔の塔頂から精製γ−ブチロラクトンを留出さ
せて採取した。第3蒸留塔の塔底から溶媒を主成分と
し、若干量の高沸点成分を含む缶出液を導出した。
なお、第1、第2及び第3蒸留塔の条件は夫々次の通り
であった。
上記条件における各蒸留塔の塔頂温度の保持は工業的実
施上容易であり、また冷凍設備は不要であった。
上記の方法により800時間の連続運転を行ない、776〜80
0時間に得られた第1蒸留塔及び第3蒸留塔の塔頂から
の留出液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、夫々の組成は表1の通りであった。
表1における第3蒸留塔の留出液組成に示されるよう
に、該留出液中のジエチレングリコールモノメチルエー
テル(原料の分解生成物)の濃度は極めて小さく、着色
は殆んどなく、また触媒活性の低下も認められなかっ
た。
実施例2 実施例1において、第1蒸留塔の加熱蒸気量を増して、
塔頂からの留出率を約1.5倍にした以外は、実施例1と
全く同様にして170時間の連続運転を行ない、150〜170
時間に得られた第1蒸留塔及び第3蒸留塔の塔頂からの
留出液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、夫々の組成は表2の通りであった。
なお、第1蒸留塔の塔底温度は、170時間運転後には138
℃から144℃に上昇したが、その他には実施例1との相
違は認められなかった。
実施例3 実施例1の触媒液の調製において、トリグライムの代り
に、γ−ブチロラクトンを使用した以外は、実施例1と
ほぼ同様にして168時間の連続運転を行ない、144〜168
時間に得られた第1蒸留塔及び第3蒸留塔の塔頂からの
留出液を、ガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、夫々の組成は表3の通りであった。
なお、第1、第2及び第3蒸留塔における塔頂温度は夫
々89℃、46℃及び70℃であり、また塔底温度は夫々115
℃(168時間後は124℃)、127℃及び111℃であった。
比較例1 実施例1における第1蒸留塔の還流比(1.0)を、4.0と
した以外は、実施例1と全く同様にして72時間の連続運
転を行ない、72時間後に得られた第1蒸留塔及び第3蒸
留塔の塔頂からの留出液を、ガスクロマトグラフィーに
より分析したところ、夫々の組成は表4の通りであっ
た。
なお、第1蒸留塔の塔底温度は、72時間運転後には137
℃から142℃に上昇した。また、第3蒸留塔の塔底液は7
2時間抜き出さなかった。
表4における第3蒸留塔の留出液組成に示されるよう
に、該留出液中のジエチレングリコールモノメチルエー
テル(溶媒の分解生成物)の濃度が高く、著しい着色が
認められた。
比較例2 実施例1における第1蒸留塔の理論段数を60段とした以
外は、実施例1と全く同様にして72時間の連続運転を行
ない、72時間後に得られた第1蒸留塔及び第3蒸留塔の
塔頂からの留出液を、ガスクロマトグラフィーにより分
析したところ、夫々の組成は表5の通りであった。
なお、第1蒸留塔の塔底温度は、72時間運転後には172
℃から178℃に上昇した。また、72時間運転後の触媒活
性は1/5に低下した。
表5における第3蒸留塔の留出液組成に示されるよう
に、該留出液中のジエチレングリコールモノメチルエー
テルの濃度が高く、着色もかなり認められた。
比較例3 実施例1の方法において、気液分離器6でガス成分を分
離した反応生成液を、第1蒸留塔7を経由せずに、第2
蒸留塔8に供給(第1図の点線経路)して、塔頂から水
を主成分とする軽沸点物質を留出させ、塔底からγ−ブ
チロラクトン及び溶媒を主成分とする缶出液を導出して
第3蒸留塔へ供給した。第3蒸留塔の塔頂からγ−ブチ
ロラクトンを留出させて採取し、塔底から溶媒を主成分
とする缶出液を抜き出して反応器1へ循環させた。
上記の方法により72時間の連続運転を行ない、得られた
第3蒸留塔の塔頂からの留出液を、ガスクロマトグラフ
ィーにより分析したところ、その組成は次の通りであ
り、コハク酸の分解が生起して生成水がγ−ブチロラク
トン中に混入し、大幅な純度の低下が認められた。
γ‐BL 98.52重量% DEGME 0.04重量% 水分 1.02重量% なお163時間運転後に、第2蒸留塔の塔底温度は138℃か
ら145℃に上昇した。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ルテニウム触媒を使用してジカル
ボン酸、ジカルボン酸無水物又はジカルボン酸エステル
を液相で水素化することにより得られる水素化反応生成
物からラクトン類を蒸留分離する際に、特定割合の溶媒
をラクトン類と共に留出させ、かつ精製処理工程を適切
に組合わせることにより、触媒活性の低下、溶媒の着
色、ラクトン類純度の低下等の問題を生ずることなく、
工業的有利にラクトン類を製造することができ、その実
用上の価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用される流通型反応設備の工
程図を示す。 図中1は反応器、2は触媒液容器、3は圧縮機、4は原
料容器、5は冷却器、6は気液分離器、7は第1蒸留
塔、8は第2蒸留塔、9は第3蒸留塔である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物又はジ
    カルボン酸エステルをルテニウム触媒の存在下に溶媒を
    用いて液相を水素化して得られたラクトン類を含有する
    反応生成物を、 (A)第1蒸留塔へ供給して塔頂からラクトン類、水及
    び留出液に対し3〜50重量%の溶媒を留出させ、該留出
    液を第2蒸留塔へ供給すると共に、第1蒸留塔の塔底か
    ら未反応原料、残余の溶媒及び触媒を含む缶出液を導出
    してその少なくとも一部を水素化工程へ循環し、 (B)第2蒸留塔の塔頂から水を主成分とする軽沸点物
    質を留出分離すると共に、第2蒸留塔の塔底からラクト
    ン類及び溶媒を主成分とする缶出液を導出してこれを第
    3蒸留塔へ供給し、 (C)第3蒸留塔の塔頂からラクトン類を留出させて採
    取すると共に、第3蒸留塔の塔底から溶媒を主成分とす
    る缶出液を導出することを特徴とするラクトン類の製造
    法。
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