JPH07121926B2 - ラクトン類の製造方法 - Google Patents

ラクトン類の製造方法

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JPH07121926B2
JPH07121926B2 JP1249346A JP24934689A JPH07121926B2 JP H07121926 B2 JPH07121926 B2 JP H07121926B2 JP 1249346 A JP1249346 A JP 1249346A JP 24934689 A JP24934689 A JP 24934689A JP H07121926 B2 JPH07121926 B2 JP H07121926B2
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acid
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千尋 宮沢
和成 高橋
広志 亀尾
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Mitsubishi Kasei Corp
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/584Recycling of catalysts

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラクトン類の製造方法に関するものである。詳
しくは、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又は
ジカルボン酸エステルを液相で水素化することによりラ
クトン類を製造する方法の改良に関するものである。
(従来の技術) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボ
ン酸エステルを水素化してラクトン類を製造する方法は
古くから検討されており、これまでに多数の提案がなさ
れている。例えば触媒として、ニッケル系触媒(特公昭
43-6947号公報)、コバルト系触媒(特開昭51-95057号
公報)、銅−クロム系触媒(特公昭38-20119号公報)、
銅−亜鉛系触媒(特公昭42-14463号公報)等を使用し
て、固定床又は懸濁液相により水素化反応を行なう方法
が知られている。
一方、均一系のルテニウム系触媒を使用して上記の水素
化反応を行なう方法も知られ、例えば米国特許3957827
号には、[RuXn(PR1R2R3)xLy]型のルテニウム系触媒
を使用し40〜400psiの加圧下で水素化してラクトン類を
製造する方法が記載され、また米国特許4485246号に
は、同様の触媒による水素化反応を有機アミンの存在下
で行なうことが記載されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記のニッケル系触媒、コバルト系触
媒、銅−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒等の固体触媒を
使用する従来の方法は、反応条件が数十気圧以上の苛酷
な条件の採用は避けられないという問題があった。一
方、上記均一系のルテニウム系触媒を使用する方法は、
比較的温和な条件下で水素化反応が進行するという特徴
がある半面、触媒活性がやや低水準であるうえ、触媒寿
命が短かく、またハロゲンを使用しているため反応装置
の腐蝕が生ずるという問題がある。
そこで本出願人は、先に触媒としてルテニウム、有機ホ
スフィン及びpka値が2より小さい酸の共役塩基を含有
するルテニウム系触媒を使用し、液相で水素化する方法
を提案した(特開平1-25771号公報)。この方法では、
高活性なルテニウム触媒を使用するので、温和な条件下
で良好に水素化反応を行うことができるが、ジカルボン
酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボン酸エステ
ルを原料として水素化反応を継続すると、反応帯域中に
原料の分解あるいは重縮合等による高沸点副生物が生成
し、触媒も僅かではあるが失活する。
一定容量の反応系において、高沸点副生物の蓄積を防止
して水素化反応を長期間安定して継続するには、一般に
高沸点副生物の生成量又は触媒の失活量見合いで、反応
後の触媒液の一部又は全部を系外へ抜き出して新鮮な液
と交換する方法が採られるが、抜き出した触媒液中に
は、溶媒及びラクトン類等の有効成分が含まれており、
これらの有効活用が工業的実施上の大きな課題である。
本発明は、ルテニウム触媒を作用する方法における上述
の問題点を解決し、溶媒及び触媒を効率よく利用するこ
とにより、工業的有利にラクトン類を製造することを目
的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は上記の目的を達成するために検討した結
果、ルテニウム触媒を使用してジカルボン酸、ジカルボ
ン酸無水物及び/又はジカルボン酸エステルを液相で連
続的に水素化してラクトン類を製造する場合に、水素化
反応後の生成液からラクトン類を分離して得られる触媒
液を、特定範囲の温度条件下で蒸留して溶媒を分離し、
分離した溶媒を水素化反応に循環使用することにより、
触媒の失活を阻止して工業的有利にラクトン類を製造で
きることを見出し本発明を達成した。即ち本発明の要旨
は、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカ
ルボン酸エステルをルテニウム触媒の存在下に溶媒を用
いて液相で水素化することによりラクトン類を製造する
方法において、水素化反応後の触媒液から溶媒を蒸留分
離し、分離した溶媒を水素化反応に循環使用し、かつ溶
媒を蒸留分離する際の蒸留塔の塔底温度を140〜240℃に
保持することを特徴とするラクトン類の製造方法に存す
る。
本発明を詳細に説明するに、本発明における原料物質と
しては、炭素数3〜7の飽和又は不飽和のジカルボン
酸、それ等の無水物、もしくはそれ等のジカルボン酸の
エステルが挙げられ、エステルとしては低級アルキルエ
ステルが好ましい。具体的には例えば、マレイン酸、フ
マール酸、コハク酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、
マレイン酸ジメチル、フマール酸ジエチル、コハク酸−
ジ−n−ブチル等が使用される。
本発明に使用されるルテニウム触媒としては、例えば
(イ)ルテニウム、(ロ)有機ホスフィン及び(ハ)pK
aが2より小さい酸の共役塩基を含有するルテニウム系
触媒が挙げられ、場合によりこれに更に(ニ)中性配位
子を含有させた触媒が好適に使用される。
本発明は、前記の原料物質を上記ルテニウム触媒の存在
下に液相で水素化してラクトン類を製造する場合に、水
素化反応生成液からラクトン類を分離して得られる触媒
液から溶媒を蒸留分離し、分離した溶媒を水素化反応に
循環使用し、かつ溶媒を蒸留分離する際の蒸留塔の塔底
温度を140〜240℃に保持することを骨子とするものであ
り、これにより触媒の失活を阻止すると共に、溶媒を効
率よく利用し、水素化反応を長期間安定して継続しラク
トン類を工業的に製造することができる。
本発明の方法により水素化反応を行うには、反応容器
に、前記の原料物質、触媒成分及び溶媒を導入しこれに
水素を導入する。水素は窒素あるいは二酸化炭素等の反
応に不活性なガスで希釈されたものであってもよい。反
応温度は通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃であ
る。反応系内の水素分圧は特に限られないが、工業的実
施上は通常0.1〜100kg/cm2、好ましくは1〜100kg/c
m2、更に好ましくは10〜50kg/cm2である。反応は回分方
式及び連続方式の何れも実施することができ、回分方式
の場合の所要反応時間は通常1〜20時間である。
本発明においては、上記の水素化反応後の生成液から、
まず蒸留、抽出等により目的とするラクトン類及び水を
分離し、得られる触媒を含有する溶媒溶液(触媒液)の
所要量を抜き出して特定の温度条件下で蒸留処理し、溶
媒を回収して水素化反応に循環使用するものである。触
媒液の抜き出し量は、通常触媒液中の高沸点副生物の生
成量又は触媒の失活量見合いで決定されるが、更に多量
を抜き出してもよい。
抜き出した触媒液から蒸留により溶媒を分離する場合、
蒸留塔の塔底温度を140〜240℃とすることが必須の条件
である。塔底温度が240℃よりも高いと、蒸留により回
収した溶媒を水素化反応に循環使用した場合に、ルテニ
ウム触媒が失活する。その理由は詳らかではないが、高
沸点副生物が著しく高温で処理されることにより触媒毒
が生成するものと推測される。また、塔底温度が140℃
よりも低い場合には、生成液中の高沸点副生物が分解さ
れずに蓄積して、ラクトン類の収率及び溶媒の回収率が
低下する。溶媒蒸留の好ましい塔底温度は150〜240℃で
あり、とくに好ましいのは160〜230℃である。
なお、溶媒蒸留における塔頂圧力は特に臨界的でなく、
塔底温度を140〜240℃に保持できる0.01mmHg〜常圧の範
囲から選ばれる。また溶媒蒸留における還流比、段数及
び塔底帯留時間等も臨界的でなく、例えば夫々0.01〜10
0、単蒸留〜100段及び数時間〜数十時間の範囲から選定
される。蒸留は回分又は流通方式の何れでもよく、蒸留
形式として、水蒸気蒸留、薄膜蒸留等を採用することも
できる。
蒸留により回収した溶媒は、反応工程に直接循環しても
よいが、回収した溶媒中にはクラトン類が含まれている
ので、例えば触媒液循環方式の場合は、水素化反応生成
液からラクトン類を分離する工程に循環するのが有利で
ある。
本発明を更に具体的に説明するに、本発明に使用される
前示(イ)ルテニウム、(ロ)有機ホスフィン及び
(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役塩基を含有し更に
場合により中性配位子を含有していてもよいルテニウム
触媒の詳細は次の通りである。
(イ)ルテニウム: ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム化
合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合物
としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化
物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体
的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、
二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウ
ム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウ
ム、トリス(アセチルアセトン)ルテニウム、ヘキサク
ロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニ
ウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シク
ロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモト
リカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニル
ホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n−ブ
チルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカ
ルボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニ
ルテトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテ
ニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリ
ルテニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられ
る。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使
用量は、反応溶液1リットル中のルテニウムとしては0.
0001〜100ミリモル、好ましくは0.001〜10ミリモルであ
る。
(ロ)有機ホスフィン: 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウムの
電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定化
するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィンの
具体例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ
−n−ブチルホスフィン、ジメチル−n−オクチルホス
フィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキ
シルホスフィンのようなトリシクロアルキルホスフィン
類、トリフェニルホスフィンのようなトリアリールホス
フィン類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキ
ルアリールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホス
フィノ)エタンのような多官能性ホスフィン類が挙げら
れる。有機ホスフィンの使用量は通常、ルテニウム1モ
ルに対して、0.1〜1000モル程度、好ましくは1〜100モ
ルである。また、有機ホスフィンは、それ自体単独で、
あるいはルテニウム触媒との複合体の形で、反応系に供
給することができる。
(ハ)pKa値が2より小さい酸の共役塩基: pKa値が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム触媒
の付加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系中
において、pKa値が2より小さい酸の共役塩基を生成す
るものであればよく、その供給形態としては、pKa値が
2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩等が用
いられる。具体的には例えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜
硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフル
オロ燐酸、タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング
ステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ酸、フル
オロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、あ
るいはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が
挙げられる。また、これ等の酸の共役塩基が反応系で生
成すると考えられる酸誘導体、例えば酸ハロゲン化物、
酸無水物、エステル、酸アミド等の形で添加しても同様
の効果が得られる。これ等の酸又はその塩の使用量は、
ルテニウム1モルに対して0.01〜1000モル、好ましくは
0.1〜100モル、更に好ましくは0.5〜20モルの範囲であ
る。
上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分の外に、場合によ
り含有することができる(ニ)中性配位子としては、水
素、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ブタジエン、シクロペンタジエン、シ
クロオクタジエン、ノルボナジエン等のオレフィン類、
一酸化炭素、ジエチルエーテル、アニソール、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、アセトン、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、シクロヘキサノン、プロピオン酸、カ
プロン酸、酪酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、
安息香酸ベンジル、ステアリン酸ベンジル等の含酸素化
合物、酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニトリル、
ベンゾニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチル
アミン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、ピ
ロール、ピリジン、N−メチルホルムアミド、アセトア
ミド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリ
ドン、カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合
物、二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフェノ
ール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チ
オフェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキ
シド等の含硫黄化合物、トリブチルホスフィンオキシ
ド、エチルジフェニルホスフィンオキシド、トリフェニ
ルホスフィンオキシド、ジエチルフェニルホスフィネー
ト、ジフェニルメチルホスフィネート、ジフェニルエチ
ルホスフィネート、o,o−ジメチルメチルホスホノチオ
レート、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフ
ェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機
ホスフィン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明の方法は、特に溶媒を使用せず、原料物質自体を
溶媒として実施することができるが、原料物質以外に他
の溶媒を使用することもできる。
このような溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ア
ニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
エチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、アセトフェノン等のケトン類;メタノー
ル、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のア
ルコール類;フェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、トルイル酸等のカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸n
−ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類;ベンゼ
ン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族
炭化水素;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン
等の脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエタ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメ
タン、ニトロベンゼン等のニトロ化炭化水素;N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−
メチルピロリドン等のカルボン酸アミド;ヘキサメチル
リン酸トリアミド、N,N,N',N'−テトラエチルスルファ
ミド等のその他のアミド類;N,N'−ジメチルイミダゾリ
ドン、N,N,N,N−テトラメチル尿素等の尿素類;ジメチ
ルスルホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類;
ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のス
ルホキシド類;γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクト
ン等のラクトン類;トリグライム(トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル)、テトラグライム(テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル)、18−クラウン−6
等のポリエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル
等のニトリル類;ジメチルカーボネート、エチレンカー
ボネート等の炭酸エステル類が挙げられる。
(実施例) 以下本発明を実施例及び比較例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
実施例1 触媒液の調製: 0.056重量%のルテニウムアセチルアセトナート、0.51
重量%のトリオクチルホスフィン及び0.22重量%のp−
トルエンスルホン酸を4000mlのトリエチレングリコール
ジメチルエーテル(トリグライム)に溶解し、200℃で
2時間加熱処理して触媒液を調製した。
水素化反応: 第1図に示す流通型反応設備を使用して水素化反応を実
施した。第1図において、1は反応器、2は新触媒液容
器、3は圧縮機、4は原料容器、5は冷却器、6は気液
分離器、7は蒸留塔、8は触媒液容器、9は抜き出し触
媒液容器である。
上記方法で調製した新触媒液を新触媒液容器2から500m
l/hrの流量で反応器1(200ml加圧釜)に供給し、水素
ガスを圧縮機3より800Nl/hrの流量で反応器1に供給
し、反応器1の圧力を40/kg/cm2G、温度を205℃に保持
した。一方、無水コハク酸80重量%及びγ−ブチロラク
トン20重量%からなる原料液を、原料容器4から100g/h
rの流量で連続的に反応器1に供給して水素化反応を行
なった。
反応生成液は冷却器5で60℃に冷却し、気液分離器6に
おいて常圧下気液分離して廃ガスをパージした。反応生
成液を蒸留塔7にフィードして塔頂から生成γ−ブチロ
ラクトン及び水を蒸留分離し、触媒液は塔底から触媒液
容器8に導入し反応器1に循環した。
反応開始から1日後に、蒸留塔底から抜出した触媒液の
一部を28ml/hrの流量で、抜き出し触媒液容器9に導入
して保持すると共に、新触媒液容器2から新触媒液を28
ml/hrの流量で反応器1に補給した。このような方法に
より4日間連続して反応を行なったところ、2日目以降
安定した反応成績を示した。ガスクロマトグラフィー及
びゲルパーミエイションクロマイトグラフィー(GPC)
により原料、生成液及び高沸点副生物の量を求めた。2
日目以降の反応成績は平均して次の通りであった。
無水コハク酸転化率 :99.2% γ−ブチロラクトン収率 :92.2% 高沸点副生物生成率 : 7.0% また、蒸留塔底から抜き出し触媒液容器9に導入した触
媒液の組成は次の通りであった。
無水コハク酸及びコハク酸 : 1.7重量% γ−ブチロラクトン : 3.1重量% トリグライム :75.2重量% 高沸点副生物 :20.0重量% 抜き出し触媒液容器9に導入した上記触媒液400gを、3
段の蒸留塔を用い、還流比1.0、塔底温度180℃で一定に
なるように、塔頂圧力を200〜30mmHgまで変化させて回
分蒸留し留出液を回収した。留出液(回収溶媒)と蒸留
釜残を分析した結果、抜出し触媒液中の含有量基準で次
の通りであった。
トリグライム回収率 : 99.3% γ−ブチロラクトン回収率 :203.8% 高沸点副生物分解率 : 16 % 上記留出液(回収溶媒)30mlと、前記触媒液の調製法に
より調製した新触媒液30mlとをSUS製加圧釜に仕込み、
更に無水コハク酸6gを添加して窒素ガスで置換した後、
水素ガスを導入して温度210℃、圧力40kg/cm2Gで2時間
水素化反応を行なった。反応液をガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、無水コハク酸の転化率は92.5
%であり、γ−ブチロラクトン収率は86.0%であった。
また触媒の失活は全く認められなかった。
なお参考のため、上記の留出液(回収溶媒)の代りに、
新しいトリグライム30mlを使用した以外は、上記と全く
同様にして無水コハク酸の水素化反応を実施し、反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、無水
コハク酸の転化率は92.0%であり、γ−ブチロラクトン
収率は85.7%であった。
即ち、蒸留塔底からの抜出し触媒液を、本発明方法によ
る温度条件下で蒸留処理した留出液(回収溶媒)を水素
化反応の溶媒に使用した場合、新しい溶媒(トリグライ
ム)を使用した場合に比し、何等遜色が認められなかっ
た。
実施例2 実施例1の方法において、蒸留塔底から抜き出し触媒液
容器9に導入した触媒液400gを、3段の蒸留塔を用い、
還流比1.0、塔底温度220℃で一定になるように、塔頂圧
力を600〜60mmHgまで変化させて回分蒸留して留出液を
回収した。留出液(回収溶媒)と蒸留釜残を分析した結
果、抜出し触媒液中の含有量基準で次の通りであった。
トリグライム回収率 : 99.5% γ−ブチロラクトン回収率 :369.7% 高沸点副生物分解率 : 41.8% 上記留出液(回収溶媒)30mlと、前記触媒液の調製法に
より調製した新触媒液30mlとを使用し、実施例1におけ
ると全く同様にして無水コハク酸の水素化反応を実施
し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、無水コハク酸の転化率は91.8%であり、γ−ブチ
ロラクトン収率は85.2%であり、触媒の失活は全く認め
られなかった。
比較例1 実施例1の方法において、蒸留塔底から抜き出し触媒液
容器9に導入した触媒液400gを、3段の蒸留塔を用い、
塔底温度255℃で一定になるように、塔頂圧力を760〜10
0mmHgまで変化させて回分蒸留して留出液を回収した。
留出液(回収溶媒)と蒸留釜残を分析した結果、抜出し
触媒液中の含有量基準で次の通りであった。
トリグライム回収率 : 99.9% γ−ブチロラクトン回収率 :430.3% 高沸点副生物分解率 : 51.2% 上記留出液(回収溶媒)30mlと、前記触媒液の調製法に
より調製した新触媒液30mlとを使用し、実施例1におけ
ると全く同様にして無水コハク酸の水素化反応を実施
し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、無水コハク酸の転化率は75.9%であり、γ−ブチ
ロラクトン収率は68.3%であり、触媒活性の大幅な低下
が認められた。
比較例2 実施例1の方法において、蒸留塔底から抜き出し触媒液
容器9に導入した触媒液400gを、3段の蒸留塔を用い、
塔底温度128℃で一定になるように、塔頂圧力を10〜0.1
mmHgまで変化させて回分蒸留して留出液を回収した。留
出液(回収溶媒)と蒸留釜残を分析した結果、抜出し触
媒液中の含有量基準で次の通りで、溶媒及びラクトンの
回収が不良であった。
トリグライム回収率 : 87.6% γ−ブチロラクトン回収率 :120.1% 高沸点副生物分解率 : 3.6% 上記留出液(回収溶媒)30mlと、前記触媒液の調製法に
より調製した新触媒液30mlとを使用し、実施例1におけ
ると全く同様にして無水コハク酸の水素化反応を実施
し、反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したと
ころ、無水コハク酸の転化率は91.8%であり、γ−ブチ
ロラクトン収率は85.2%であり、触媒の失活は事実上な
かった。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ルテニウム触媒を使用してジカル
ボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボン酸エ
ステルを液相で水素化することによりラクトン類を製造
する場合に、触媒を含む溶媒溶液を特定範囲の温度条件
下で蒸留して溶媒を回収し、水素化反応に循環使用する
ことにより、触媒の失活を阻止し、溶媒の有効利用及び
ラクトン類の収率向上に寄与し工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用される流通型反応設備の工
程図を示す。 図中1は反応器、2は新触媒液容器、3は圧縮機、4は
原料容器、5は冷却器、6は気液分離器、7は蒸留塔、
8は触媒液容器、9は抜き出し触媒液容器である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/
    又はジカルボン酸エステルをルテニウム触媒の存在下に
    溶媒を用いて液相で水素化することによりラクトン類を
    製造する方法において、水素化反応後の触媒液から溶媒
    を蒸留分離し、分離した溶媒を水素化反応に循環使用
    し、かつ溶媒を蒸留分離する際の蒸留塔の塔底温度を14
    0〜240℃に保持することを特徴とするラクトン類の製造
    方法。
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