JPH089607B2 - フタライド類の製造法 - Google Patents

フタライド類の製造法

Info

Publication number
JPH089607B2
JPH089607B2 JP63275885A JP27588588A JPH089607B2 JP H089607 B2 JPH089607 B2 JP H089607B2 JP 63275885 A JP63275885 A JP 63275885A JP 27588588 A JP27588588 A JP 27588588A JP H089607 B2 JPH089607 B2 JP H089607B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
ruthenium
reaction
catalyst
phthalide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63275885A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02121976A (ja
Inventor
善則 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP63275885A priority Critical patent/JPH089607B2/ja
Publication of JPH02121976A publication Critical patent/JPH02121976A/ja
Publication of JPH089607B2 publication Critical patent/JPH089607B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Furan Compounds (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は芳香族オルソジカルボン酸もしくはその無水
物を水素化してフタライド類を製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
フタライド類はナフタレンあるいはアントラセン誘導
体合成の重要な中間体であり、又フタライドイソキノリ
ンアルカロイド類合成の原料としても利用されている。
フタライド類を製造する方法として大別して以下の4つ
の方法が知られている。
(i)オルソーリチオーベンジルアルコールとCO2との
反応(例えばHung.T.V.Aust.J.Chem.34 383(′81)) (ii)安息香酸のクロルメチル化反応(例えばBhattach
arjee D.J.Heterocycle Chem.17 315(′80)) (iii)芳香族オルトジカルボン酸類例えば 無水フタル酸誘導体の還元反応(例えばTaub.D.Teter
ahedron 24 2443(′68)) (iv)芳香族オルトジカルボン酸類例えば 無水フタル酸誘導体の水素化反応 しかしながら(i)(ii)(iii)の方法では高価な
原料あるいは試薬を使用せざるを得ないという問題点に
加えて、フタライド類を単離するために煩雑な操作をし
なければならないという欠点があった。(iv)の方法即
ち無水フタル酸誘導体等の芳香族ジカルボン酸類を水素
化する方法としては例えばニッケル系触媒を用いて液相
懸濁相で水素化反応によりフタライド類を製造する方法
が知られている。
(例えば、Kalenda A.Ann.584 87(′53))。
しかしながらこの様な不均一触媒を用いる系では一般
に反応条件が苛酷にならざるを得ず100kg/m2以上の水素
圧が必要とされる。
一方、均一系のルテニウム触媒を使用して上記の水素
化反応を行なうフタライド類の製造法も知られており、
例えば米国特許第3957827号には、〔RuXn(PR1 R2 R3)xL
y〕型の触媒を使用して40〜400psiの条件で水素化反応
を行なうことが記載され、また米国特許第4485246号に
は同様の触媒による水素化反応を有機アミンの存在下に
行なうこと、更には米国特許第4485245号には〔RumXn(S
nCl2)(MR3)nLy〕型の触媒を用いて水素化反応を行なう
ことが記載されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし上記の均一系のルテニウム触媒を使用する従来
の方法には比較的温和な条件下で水素化反応が進行する
という特徴のある半面、触媒活性はやや低水準にあるば
かりか、触媒寿命は著しく短く、又ハロゲンを使用して
いるため反応装置の腐食が生ずるという致命的な問題点
があった。
本発明は、上記の従来の問題点をすべて解決して、無
水フタル酸等の芳香族オルソジカルボン酸、もしくはそ
の無水物を従来になく工業的有利に水素化しうるフタラ
イド類の製造法の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、かゝる目的を達成すべく鋭意検討した結
果、芳香族オルソジカルボン酸、もしくはその無水物を
水素化してフタライド類を製造する方法において、触媒
として、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2よりも小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒を用いると水素化触媒活性
が増加するばかりでなく、触媒の活性安定性向上に効果
があることを見い出し、本発明に到達したものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で原料として用いられる芳香族オルソジカルボ
ン酸もしくはその無水物としては代表的には例えば下記
一般式(I)及び(II)で表わされるものが挙げられ
る。
(式中Rはアルキル基、アリール基、水酸基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、アミノ基、アミド基あるいはエス
テル基を示し、mは1〜3の数を示す)芳香核に非還元
性の置換基を導入した化合物であっても好適に相当する
フタライド類に変換される。特に3−置換芳香族オルソ
ジカルボン酸あるいは3−置換芳香族ジカルボン酸無水
物を用いた場合、立体障害の少ないカルボニル基が選択
的に水素化される(下記式(III))。
これら芳香族オルソジカルボン酸もしくはその無水物の
具体例としては、フタル酸、メチルフタル酸、エチルフ
タル酸、フェニルフタル酸、ジメチルフタル酸、トリメ
チルフタル酸、ヒドロキシフタル酸、メトキシフタル
酸、ジメトキシフタル酸、クロルフタル酸、ブロムフタ
ル酸、アミノフタル酸、メトキシカルボニルフタル酸又
はこれらフタル酸類の酸無水物が挙げられる。
本発明の方法に用いる触媒は、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2より小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒であり、好ましくは、かか
るルテニウム系触媒が更に中性配位子を含有したもの
である。
ここで、ルテニウムとしては、その供給形態におい
て金属ルテニウム及びルテニウム化合物のいずれもが使
用可能である。ルテニウム化合物としては、ルテニウム
の酸化物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩あるいは錯化
合物等が使用される。具体的には、二酸化ルテニウム、
四酸化ルテニウム、二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウ
ム、臭化ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウ
ム、酢酸ルテニウム、トリス(アセチルアセトン)ルテ
ニウム、ヘキサクロロルテニウム酸ナトリウム、テトラ
カルボニルルテニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニル
ルテニウム、シクロペンタジェニルジカルボニルルテニ
ウム、ジブロモトリカルボニルルテニウム、クロロトリ
ス(トリフェニルホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビ
ス(トリ−n−ブチルホスフィン)トリカルボニルルテ
ニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム、テトラヒド
リドデカカルボニルテトラルテニウム、オクタデカカル
ボニルヘキサルテニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボ
ニルヒドリドトリルテニウム酸テトラフェニルホスホニ
ウム等が挙げられる。
これらの金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使用
量は、反応液中の濃度が反応溶液1リットル中のルテニ
ウムとして0.0001〜100モル、好ましくは0.001〜10モル
となる量である。
本発明の方法においては、ルテニウムとともに有
機ホスフィンの使用が必要であって、このものはルテニ
ウムの電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を
安定化するのに寄与するものと考えられる。かかる有機
ホスフィンの具体例としては、トリ−n−ブチルホスフ
ィン、トリオクチルホスフィン、ジメチル−n−オクチ
ルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、トリシク
ロヘキシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィ
ン類、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフ
ィン類、ジメチルフェニルホスフィン等のアルキルアリ
ールホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)エタン等の多官能性ホスフィン類等が挙げられる。
これらの有機ホスフィンの使用量は、ルテニウム1モ
ルに対して、0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルの
範囲である。また、これらの有機ホスフィンは、それ自
体単独で又はルテニウムとの複合体の形で、反応系に供
給することが可能である。
また、本発明の水素化反応主触媒を構成するルテニウ
ムに対する付加的な促進剤としてpKaが2より小さい
酸の共役塩基を用いることによって、主構成成分である
ルテニウムの長所を生かして比較的温和な条件下で水素
化反応を進行させることができる他、とくに水素化触媒
活性の向上、活性安定性及び目的生成物の選択性の向上
をはかることができる。
pKaが2よりも小さい酸の共役塩基としては触媒調製
中又は反応系中においてかかる共役塩基を生成するもの
であればよく、その供給形態としてはpKaが2より小さ
いブレンステッド酸あるいはかかる酸の各種の塩等が用
いられる。具体的には硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素
酸、ヘキサフルオロ燐酸、フルオロスルホン酸等の無機
酸類、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢
酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ドデシル
スルホン酸、オクタデシルスルホン酸、トリフルオロメ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンス
ルホン酸、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体等の有機酸類等のブレンステッド酸もしくはこれら
の酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、銀塩等が挙げられる。
又、これらの酸の共役塩基が反応系で生成すると考え
られる酸誘導体の形で添加してもさしつかえない。例え
ば酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル、酸アミド等の
形で反応系に添加しても同様の効果が期待される。
これら酸あるいはその塩の使用量は、ルテニウムに対
して0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜100モルの範囲で
ある。
本発明のルテニウム系触媒は、更に中性配位子を含
有することができる。
かかる中性配位子として水素、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ブタジ
ェン、シクロペンタジェン、シクロオクタジェン、ノル
ボナジエン等のオレフィン類;一酸化炭素、ジエチルエ
ーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、シク
ロヘキサノン、プロピオン酸、カプロン酸、酪酸、安息
香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、安息香酸ベンジル、ス
テアリン酸ベンジル、バレロラクトン等の含酸素化合
物;酸化窒素、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベ
ンゾニトリル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチルア
ミン、アニリン、トルイジン、トリエチルアミン、ピロ
ール、ピリジン、N−メチルホルムアミド、アセトアミ
ド、1,1,3,3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリド
ン、カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合物;
二硫化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフェノー
ル、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チオ
フェン、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシ
ド等の含硫黄化合物;トリブチルホスフィンオキシド、
エチルジフェニルホスフィンオキシド、トリフェニルホ
スフィンオキシド、ジエチルフェニルホスフィネート、
ジフェニルエチルホスフィネート、ジフェニルメチルホ
スホネート、0,0−ジメチルメチルホスホノチオレー
ト、トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェー
ト、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機ホス
フィン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明は、反応原料、反応生成物、反応溶媒等が同時
に中性配位子として作用する場合も含包するものであ
る。
本発明の方法に使用されるルテニウム系触媒はあらか
じめ合成、単離して使用してもよいし(例えば、J.Orga
nometal.Chem.77 C−31(′74))、又その前駆体をそ
れぞれ単独に反応系に添加して反応系内でルテニウム系
触媒を調製して使用してもよい。
本発明のルテニウム系触媒の合成法としては、例え
ば、シクロオクタジェンジクロロルテニウム、ジクロロ
トリストリフェニルホスフィンルテニウム等のハロゲン
含有ルテニウム化合物にM+Y-(Mはアルカリ金属、アル
カリ土類金属、IB属の金属、又はオニウム陽イオンを示
し、YはpKaが2よりも小さい酸の共役塩基を示す)の
様な塩で処理することによって合成することができる
(例えばInorg.Chem.17 1965(′78)式(IV)参照)。
(式中、Xは塩素、臭素等のハロゲンを示し、Lは有機
ホスフィンあるいは中性配位子(ただし有機ホスフィン
を1つ以上含む)を示す。M、Yは前記定義と同じ意味
を示す。) 又、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム、ヒドリドクロロトリストリフェニルホ
スフィン)ルテニウム等のルテニウムヒドリド化合物、
あるいは水素化反応条件下でルテニウムヒドリド化合物
を生成するルテニウム化合物にpKaが2よりも小さいブ
レンステッド酸あるいはその塩(アンモニウム塩、ホス
ホニウム塩、スルホニウム塩あるいはオキソニウム塩等
のオニウム塩化合物)を添加する方法(例えばJ.Chem.S
oc.Dalton Trans.370(′75)。式V参照) RuH2L4+M′Y〔RuHL4+Y-+M′H ……(V) (式中L、Yは前記定義と同じ意味を示し、M′はプロ
トン、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、オ
キソニウムイオン等のオニウム陽イオンを示す。)、ま
たはトリフェニルカルベニウムイオンあるいはトロピリ
ウムイオンの様な安定なカルベニウムイオンの塩(対ア
ニオンはpKaが2より小さい酸の共役塩基)で処理する
方法(例えばInorg.Chem.17 1965(′78)、式(VI)参
照)。
RuH2L4+Ph3C+Y-〔RuHL4+Y-+Ph3CH ……(VI) (式中L、Yは前記定義と同じ意味を示す。)等によっ
て触媒を調製することができる。
本発明の方法は、溶媒の不存在下に、すなわち反応原
料そのものを溶媒として実施することもできるが、反応
原料以外の溶媒を使用することもできる。このような溶
媒としては例えば、ジエチルエーテル、アニソール、テ
トラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、アセトフェノン等のケトン類、メタノール、
エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、フ
ェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール
等のアルコール類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルイ
ル酸等のカルボン酸類、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、
安息香酸ベンジル等のエステル類、ベンゼン、トルエ
ン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、
n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素、ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化合物、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン等のカルボン酸アミド、ヘキサメチルリン酸トリ
アミド、N,N,N′,N′−テトラエチルスルファミド等の
その他のアミド類、N,N′−ジメチルイミダゾリドン、
N,N,N,N−テトラメチル尿素等の尿素類、ジメチルスル
ホン、テトラメチレンスルホン等のスルホン類、ジメチ
ルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等のスルホキ
シド類、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトン等の
ラクトン類、テトラグライム(テトラエチレングリコー
ルジメチルエーテル)、18−クラウン−6等のポリエー
テル類、アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の
炭酸エステル類等である。
本発明の方法により水素化反応を行うためには、反応
容器に反応原料と触媒成分並びに所望により溶媒を装入
し、これに水素を導入すればよい。水素は、窒素や二酸
化炭素等の反応に不活性なガスで希釈されたものであっ
てもよい。
反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜200℃
である。反応系内の水素分圧は、通常0.1〜100kg/cm2
好ましくは1〜10kg/cm2である。もちろん、さらに低い
圧力又は高い圧力下で実施することも不可能ではない
が、工業的に有利ではない。
反応は、回分方式および連続方式のいずれで実施する
こともできる。回分方式の場合の所要反応時間は通常1
〜20hrsである。
反応生成液からは、蒸留、抽出等の通常の分離精製手
段により、目的物であるラクトン類を回収することがで
きる。また、蒸留残渣は、触媒成分として反応系に循環
することができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが本発
明の要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるもの
ではない。
実施例1 70mlのスピナー攪拌オートクレーブにルテニウムアセ
チルアセトナート20mg(0.05mmol)、トリオクチルホス
フィン0.2ml(0.5mmol)、p−トルエンスルホン酸76mg
(0.4mmol)及び無水フタル酸4gとテトラエチレングリ
コールジメチルエーテル16mlを仕込み、オートクレーブ
内を不活性ガスで置換後、室温で水素を50KG圧入し、オ
ートクレーブを200℃に昇温し3時間反応を行った。反
応後、オートクレーブを開け、生成物をガスクロマトグ
ラフィーにより定量した。その結果フタライドの収率は
91%であった。
実施例2 実施例1において溶媒として用いたテトラエチレング
リコールジメチルエーテルの代りにジオキサンを用いて
同様の反応を行った。
反応後溶媒をエバポレーターで留去し、残渣をエーテ
ル−ジクロルメタンで再結晶し白色の固体としてフタラ
イドを収得した。フタライドの収率は84%であった。
比較例1 実施例2において用いたp−トルエンスルホン酸を用
いなかった以外、実施例2と同様の反応を行った結果、
フタライドの収率は61%であった。
実施例3 実施例2で用いた無水フタル酸の代りにフタル酸4gを
用いた以外実施例2と同様の反応を行った結果、フタラ
イドの収率は65%であった。
実施例4 実施例2で用いた無水フタル酸の代りに4−クロル−
無水フタル酸4gを用いた以外、実施例2と同様の反応を
行った結果、4−クロルフタライドの収率は90%であっ
た。脱クロル化生成物であるフタライドは痕跡量副生し
ていた。
実施例5 70mlのスピナー攪拌オートクレーブにルテニウムアセ
チルアセトナート20mg(0.05mmol)、トリオクチルホス
フィン0.2ml(0.5mmol)、p−トルエンスルホン酸76mg
(0.4mmol)及び3−ヒドロキシ無水フタル酸4gとジオ
キサン16mlを仕込み、オートクレーブ内を不活性ガスで
置換後、室温で水素を50KG圧入しオートクレーブを200
℃に昇温して3時間反応を行った。
反応後、オートクレーブを開け溶媒を留去後、残渣を
エーテル−ジクロルメタンで再結晶して白色の固体を2.
4g(収率60%)を得た。元素分析の結果からヒドロキシ
−フタライドであることが確認された。
元素分析値;計算値C; 64.0、H; 4.0 分析値C; 63.9、H; 3.9 又、′Hnmrの測定の結果から3−ヒドロキシフタライ
ドであることが判明した。
′Hnmrスペクトル CH2 5.32ppm(S) Ar−H 7.18ppm(d)、 7.30ppm(d)、 7.40ppm(t) J=7.6Hz 実施例6 実施例2で用いた水素圧50KGの代りに水素圧20KGで反
応した以外実施例2と同様の反応を行った結果、フタラ
イドの収率は67%であった。
〔発明の効果〕
本発明によれば芳香族オルソジカルボン酸またはその
無水物を水素化してフタライド類を製造するのにあた
り、本発明のルテニウム、有機ホスフィン及び酸解離定
数pKaが2より小さい酸の共役塩基を触媒として均一液
相で反応を行うことにより従来法に比してより安価に温
和な条件で収率良く目的とするフタライド類を得ること
ができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒の存在下に、芳香族オルソジカルボン
    酸もしくはその無水物を水素化してフタライド類を製造
    する方法において、触媒として、 ルテニウム 有機ホスフィン pKaが2よりも小さい酸の共役塩基 を含有するルテニウム系触媒を用いることを特徴とする
    フタライド類の製造法。
  2. 【請求項2】ルテニウム系触媒が更に 中性配位子 を含有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    のフタライド類の製造法。
JP63275885A 1988-10-31 1988-10-31 フタライド類の製造法 Expired - Lifetime JPH089607B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63275885A JPH089607B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 フタライド類の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63275885A JPH089607B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 フタライド類の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02121976A JPH02121976A (ja) 1990-05-09
JPH089607B2 true JPH089607B2 (ja) 1996-01-31

Family

ID=17561794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63275885A Expired - Lifetime JPH089607B2 (ja) 1988-10-31 1988-10-31 フタライド類の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH089607B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013068947A2 (fr) 2011-11-10 2013-05-16 Moteurs Leroy-Somer Machine a commutation de flux

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100457067B1 (ko) * 2002-04-23 2004-11-12 애경유화 주식회사 복합금속산화물 촉매 및 이의 제조 방법, 및 이를이용하여 프탈산에스테르로부터 프탈라이드를 제조하는 방법
GB0210143D0 (en) 2002-05-02 2002-06-12 Davy Process Techn Ltd Process
GB0325384D0 (en) 2003-10-30 2003-12-03 Davy Process Techn Ltd Process
GB0325526D0 (en) 2003-10-31 2003-12-03 Davy Process Techn Ltd Process
CN114349725B (zh) * 2022-02-24 2024-05-07 大连大学 一种合成3,3-二取代苯酞的方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013068947A2 (fr) 2011-11-10 2013-05-16 Moteurs Leroy-Somer Machine a commutation de flux

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02121976A (ja) 1990-05-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hayashi et al. Palladium-catalyzed asymmetric intramolecular allylation forming optically active vinylcyclopropane and vinyldihydrofurans
KR20080077201A (ko) 에틸렌성 불포화 화합물의 카르보닐화
US4892955A (en) Method for producing a lactone
US6166264A (en) Oxidation catalyst system and method of oxidation with the same
JPH0778054B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JPH089607B2 (ja) フタライド類の製造法
KR20010043496A (ko) 에스테르 또는 락톤의 제조방법
EP0395038B1 (en) Preparation of adipic acid from lactones
JP3882462B2 (ja) アリル化合物の製造方法
US6914152B2 (en) Method for producing biphenyl and its derivatives
EP0050445B1 (en) Telomerization of butadiene and carbon dioxide
US4730080A (en) Process for the preparation of diesters of alkanedioic acids
JP2516815B2 (ja) ラクトン類の製造法
US5169981A (en) Synthesis of alpha-substituted alkadienes
US20070149828A1 (en) Process for the preparation of vinyl ether compounds
JP2785967B2 (ja) ラクトン類の製造方法
JPH02235880A (ja) ラクトン類の製法
JP2548590B2 (ja) 共役ジエンの選択的酸化カルボニル化方法
JP2022156346A (ja) ラクトン類の製造方法
JP2516836B2 (ja) ラクトン類の製造法
JPH02207081A (ja) ラクトン類の製造方法
JPH04217636A (ja) 1,4−ブタンジオールの製造法
JPS6114139B2 (ja)
JP3941400B2 (ja) 新規な脱水素触媒及びそれを用いるカルボニル化合物の製造方法
JPH02200680A (ja) γ―ブチロラクトンの製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090131

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090131

Year of fee payment: 13