JP6736835B2 - ガンマブチロラクトンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はコハク酸及び/又はその誘導体(以下両者をまとめて「コハク酸類」と記すことがある)から選ばれるいずれか1以上の化合物を水素化してガンマブチロラクトン(以下「GBL」と記すことがある)を製造する方法に関する。詳しくはコハク酸類を水素化してGBLを製造する際に、水素化反応混合物中に特定の含窒素化合物を特定の濃度存在させるGBLの製造方法に関するものである。
本発明の対象となるコハク酸類としては、コハク酸の他に、無水コハク酸及びコハク酸エステルなどが例示できる。
GBLは工業用溶剤や洗浄剤、高分子化学品の反応中間体として有用であり、また電子材料製造時の溶剤や電解液として広く用いられているN−メチルピロリドン(以下「NMP」と記すことがある。)や水溶性高分子として用途の広いポリビニルピロリドンの原料としても用いられている。
GBLは工業的には石油化学系の製品である無水マレイン酸またはこれを部分水素化した無水コハク酸の水素化反応や、1,4−ブタンジオールの脱水素反応等によって製造されている。例えば、ルテニウム系触媒存在下、無水コハク酸等のコハク酸誘導体を水素化してGBLを得る方法が知られている(特許文献1)。
近年の石油資源価格の高騰や環境への配慮等の観点から、石油資源に代わる原料としてバイオマスの使用が注目され、これに含まれる糖類の発酵によってジカルボン酸及びその誘導体を製造する方法(以下、このようなバイオマスを原料として発酵法によりコハク酸類を製造する方法を「バイオ法」と略記する)が検討されている(例えば特許文献2)。バイオ法で得られたコハク酸類には、バイオマス中に存在したり、発酵工程で混入したり、又はコハク酸類の精製工程で十分除去できずに残留したりした含窒素化合物が含まれることがある(例えば特許文献3、4)。
このため、コハク酸類を原料とするGBL製造プロセスでは、上記のような原料中の不純物により反応活性が低下することがあり、目的生成物であるGBLの収率が不安定となるという問題点がある。
特開昭64−25771号公報 特開2010−100617号公報 米国特許出願公開第2012/0238722号明細書 国際公開(WO)第2013/033649号
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものである。即ち、本発明の課題は、コハク酸類の水素化によるガンマブチロラクトン(GBL)の製造方法において、GBLを高い収率で安定して製造する方法を提供することであり、特に触媒を用いた水素化反応において、触媒活性の低下を防止することでGBL収率の変動(低下)を抑制することである。本発明方法を用いることにより、GBLを高い収率で安定して得ることができる工業的に有利なプロセスが提供される。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、原料中の含窒素化合物が、水素化触媒の活性及び安定性に大きく影響を及ぼし、ひいてはGBLの収率に大きく影響することを見出した。
即ち、水素化反応における反応混合物中の前記含窒素化合物の濃度を所定の範囲内とすることで、高い収率でGBLを得ることができ、しかも水素化触媒である金属触媒の劣化も防止できることを見出して、本発明を完成した。
即ち、本発明の要旨は、
[1]コハク酸及び/又はその誘導体(以下両者をまとめて「コハク酸類」と記すことがある)を水素化することによりガンマブチロラクトンを製造する方法において、前記水素化反応時の反応混合物に含まれる含窒素化合物の合計含有量が窒素原子換算で1質量ppm以上、5000質量ppm未満であることを特徴とするガンマブチロラクトンの製造方法、
[2]コハク酸及び/又はその誘導体(以下両者をまとめて「コハク酸類」と記すことがある)を水素化することによりガンマブチロラクトンを製造する方法において、前記水素化反応時の反応混合物に含まれる一般式(1)で示される分子量1000以下の含窒素化合物の合計含有量が窒素原子換算で1質量ppm以上、5000質量ppm未満であることを特徴とする上記1に記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
Figure 0006736835
(式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていてもよい。R及びRは、互いに結合して環を形成していてもよい。また、R〜Rは同一でも異なっていてもよい。但し、R〜Rの炭素原子数の合計は50以下である。またR〜Rが全て水素原子である場合は除く。)
[3]前記水素化反応時の反応混合物中の上記含窒素化合物の合計含有量が窒素原子換算で5質量ppm以上、3000質量ppm未満であることを特徴とする上記1又は2のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[4]前記含窒素化合物の分子量が200以下である事を特徴とする上記1〜3のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[5]前記水素化反応を周期律表の第8〜11族に属する遷移金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[6]前記含窒素化合物の常温(25℃)での蒸気圧が1×10−10Pa以上、1000Pa以下であることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[7]前記水素化反応をルテニウム又は銅を含む触媒を用いて行うことを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[8]前記水素化反応を第3級有機リン系化合物を配位子として有するルテニウム錯体を触媒として用いて行うことを特徴とする上記1〜7のいずれかに記載のガンマブチロラク
トンの製造方法、
[9]前記コハク酸類がバイオマス原料を用いて発酵法により製造されたものであることを特徴とする上記1〜8のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
[10]前記コハク酸類がコハク酸であり、前記含窒素化合物がコハク酸ジアミド、コハク酸モノアミド、コハク酸イミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、かつ前記水素化反応に使用する触媒が第3級有機リン系化合物を配位子として有するルテニウム錯体であることを特徴とする上記1〜9のいずれかに記載のガンマブチロラクトンの製造方法、
に存する。
本発明方法によれば、コハク酸類の水素化によってGBLを製造する際に、反応混合物中の含窒素化合物の種類とその濃度を制御することにより、水素化触媒として用いられる金属触媒の劣化が防止でき、GBLを高い収率で、長期間安定的に製造することが可能となる、工業的に極めて有利なプロセスが提供される。
1.反応原料
1−1.コハク酸類
本発明のGBLの製造方法に使用する原料コハク酸類としては、コハク酸類に相当するそれぞれの化合物を単独で用いてもよく、また、その2種以上を任意の量比、組み合わせて用いてもよい。
コハク酸類として、コハク酸エステルを用いる場合は、炭素数1〜4の直鎖ジアルキルエステルが好ましく、特にジメチルエステルやジエチルエステルが入手のしやすさや反応成績等の点で好ましい。
また、コハク酸類として、コハク酸の塩(酸性エステル塩を含む)も使用することができる。このようなコハク酸の塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等のコハク酸塩や酸性コハク酸エステル塩が例示でき、中でも反応性の点で、コハク酸ジアンモニウム塩や酸性コハク酸エステルアンモニウム塩が好ましい。
1−2.コハク酸類の製造方法
本発明で使用するコハク酸類の製造方法としては、石油などの化石燃料を原料とする方法(以下、「石化法」と称することがある)あるいはバイオマス資源から発酵工程を経て製造する方法(以下、「バイオ法」と称することがある)が挙げられ、中でもバイオ法で製造されたコハク酸類が好適に用いられる。バイオ法で製造されたコハク酸類は含窒素化合物を含み、これらの合計濃度を制御することで工業的に有利なGBLの製造方法を提供できるからである。
石化法によるコハク酸の製造方法としては、例えば、石油を蒸留及び/又は抽出によって分留したものや、接触分解(例えば、流動接触分解、熱分解または水素化分解など)により処理された炭化水素分解物を原料とする方法がある。工業的なコハク酸原料としてはC4、C5、C6留分が挙げられ、これらのコハク酸原料から、直接コハク酸類を製造したり、中間体を経由してコハク酸類を製造したりすることができる。具体的には、ベンゼンやブタンを酸化して無水マレイン酸やマレイン酸エステルを製造した上で、これらを水素化してコハク酸類を製造する方法が例示できる。
バイオ法によるコハク酸製造方法において、好適に用いることができるバイオマス資源としては、例えば、木材、稲わら、籾殻、米ぬか、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、おから、コーンコブ、タピオカカス、バガス、植物油カス、芋、そ
ば、大豆、油脂、古紙、製紙残渣等の植物由来の資源、水産物残渣、家畜排泄物等の動物由来の資源、下水汚泥、食品廃棄物等の混合資源が挙げられ、中でも植物資源が好ましい。
また植物資源の中でも、木材、稲わら、籾殻、古米、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシ、芋、油脂、古紙、製紙残渣が好ましく、とうもろこし、サトウキビ、キャッサバ、サゴヤシが特に好ましい。
上記のようなバイオマス資源から誘導される炭素源としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース;アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等のペントース;マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、澱粉、セルロース等の2糖・多糖類;酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノクチン酸、アラキジン酸、エイコセン酸、アラキドン酸、ベヘニン酸、エルカ酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、セラコレン酸等の脂肪酸;グリセリン、マンニトール、キシリトール、リビトール等のポリアルコール類等の発酵性糖質が挙げられ、これらの中でも、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、ソルボース、タガトース等のヘキソース;アラビノース、キシロース、リボース、キシルロース、リブロース等のペントース;マルトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、澱粉、セルロース等の2糖・多糖類が好ましく、これらのうちグルコース、マルトース、フルクトース、スクロース、ラクトース、トレハロース、セルロースが好ましい。
上記の各種炭素源から、例えばコリネ型細菌、バチルス属細菌、リゾビウム属細菌、マイコバクテリウム属細菌、等を用いた微生物変換による発酵法でコハク酸類を得ることができる。このような微生物としては、コリネ型細菌が好ましい。
発酵法による微生物変換の際の反応温度や圧力その他の反応条件は、選択される菌体、カビなど微生物の活性に依存し、目的に応じて適宜選択すればよい。
2.含窒素化合物
2−1.含窒素化合物の種類
本発明で使用する含窒素化合物は少なくとも、下記一般式(1)で示される分子量1000以下のアミド化合物又は2,3,5,6−テトラメチルピラジンのいずれかである。
Figure 0006736835
(式(1)中、R 及びは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていてもよい。また、R 及びは同一でも異なっていてもよい。但し、R 及びの炭素原子数の合計は50以下である。またR 及びが全て水素原子である場合は除く。 はアルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていてもよい。

−C≡N (3)
(式中、R は式(1)中のR と同義である。)

−N=C=O (4)
(式中、R は式(1)中のR と同義である。)
上記アルキル基とは、鎖状(直鎖又は分岐)アルキル基又は環状アルキル基であり、鎖
状アルキル基の場合は、通常、その炭素原子数は1〜20であり、1〜12であるのが好ましい。具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、へキシル基、オクチル基、デシル基などが挙げられる。また、環状アルキル基の場合の炭素原子数は、通常3〜20であり、好ましくは4〜11である。具体例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。アルキル基が有していてもよい置換基としては、本発明の効果を著しく阻害しないものであれば特に限定されないが、例えば、アリール基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アリーロキシ基、アルキルアリーロキシ基、アミノ基、アミノアルキル基、リン酸基、ホスホノ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、スルフィド基などが挙げられ、その式量は通常200程度以下のものが用いられる。
上記アルケニル基とは、鎖状(直鎖又は分岐)アルケニル基又は環状アルケニル基であり、鎖状アルケニル基の場合は、通常、その炭素原子数は2〜20であり、好ましくは2〜12である。具体例としては、エテニル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等などが挙げられる。また、環状アルキル基の場合の炭素原子数は通常3〜20であり、好ましくは4〜11であり、具体例としては、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。アルケニル基が有していてもよい置換基としては、上記アルキル基において例示した置換基と同様のものを、本発明の効果を著しく阻害しない限り用いることができる。
上記アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、メシチル基、ナフチル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、イソキサゾリル基、イソチアゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チエニル基、チオフェニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピラゾリル基、ピロリル基、ピラニル基、フリル基、フラザニル基、イミダゾリジニル基、イソキノリル基、イソインドリル基、インドリル基、キノリル基、ピリドチアゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ベンゾフラニル基、イミダゾピリジニル基、トリアゾピリジニル基、プリニル基等が挙げられ、その炭素数は通常5〜20、好ましくは5〜12で、酸素、窒素、イオウ等を含有するヘテロアリール基を含む。
アリール基が有していてもよい置換基としては、本発明の効果を著しく阻害しない限り特に限定されないが、例えば炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜10のアリーロキシ基、炭素数7〜12のアルキルアリール基、炭素数7〜12のアルキルアリーロキシ基、炭素数7〜12のアリールアルキル基、炭素数7〜12のアリールアルコキシ基、ヒドロキシ基、などが挙げられる。また、この置換基中に酸素、窒素、イオウ、リンなどのヘテロ原子が含まれていてもよい。
上記アルコキシ基のアルキル基部分の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、などが挙げられる。アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、上記アルキル基において例示した置換基と同様のものが、本発明の効果を著しく阻害しない限り用いることができる。
上記アミノ基としては、通常、炭素原子数0〜20であり、好ましくは0〜12である
。その具体例としては、アミノ基(−NH2)、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アニリノ基、トルイジノ基、アニシジノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基などが挙げられる。アミノ基が有していてもよい置換基としては、上記アルキル基において例示した置換基と同様のものが、本発明の効果を著しく阻害しない限り用いることができる。
上記アルキルチオ基のアルキル基部分の炭素原子数は、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。アルキルチオ基の具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基などが挙げられる。アルキルチオ基が有していてもよい置換基としては、上記アルキル基において例示した置換基と同様のものが、本発明の効果を著しく阻害しない限り用いることができる。
上記アリールチオ基のアリール基部分の炭素原子数は、通常6〜20であり、好ましくは6〜12である。アリールチオ基の具体例としては、フェニルチオ基、トリルチオ基などが挙げられる。アリールチオ基が有していてもよい置換基としては、上記アルキル基において例示した置換基と同様のものが、本発明の効果を著しく阻害しない限り用いることができる。
上記アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を置換基として有する場合、アルキル基又はアリール基の炭素原子数は通常、0〜20であり、好ましくは0〜12である。
なお、アルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基を置換基として有する場合、式(1)の化合物は全体として、アルキルアミド又はアリールアミドになる。以下、アミド化合物として説明を行う。
アミド化合物中のアミド基は一般的に共鳴構造を有し、窒素原子上の不対電子は隣接するカルボニル基によって非局在化するので、アミド類は一般的に安定で、コハク酸類の水素化が行われるような比較的高い温度条件下でも安定に存在することができる。また、1級アミド及び2級アミドは分子間で強い水素結合を形成するため沸点が高く、高温下でもあまり揮発しないので、反応混合物中の窒素化合物濃度の制御が容易となる。
なお、上記窒素原子の置換基として、2個のアルキルカルボニル基及び/又はアリールカルボニル基を有する場合、式(1)の化合物は、イミド化合物となるが、ここでの説明は、イミド化合物を含めてのものとする。
アミド化合物及びイミド化合物の場合、式(1)の窒素原子に対するアルキルカルボニル基又はアリールカルボニル基以外の置換基の数は1又は2となるが、残る置換基としては、上記R〜Rに用いられるものが特に制限なく用いられる。好ましい置換基は、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基である。
また、本発明の反応混合物中に含まれる含窒素化合物は、上記式(1)で示される含窒素化合物(第1の含窒素化合物)のR〜Rのいずれか1つの基が炭化水素基、即ちアルキル基、アルケニル基及びアリール基のいずれかである場合、この基から水素原子を1個除いた二価の炭化水素基が、第2の上記式(1)で示される含窒素化合物のR〜Rのいずれか1つの基として共有される形で、2つの含窒素化合物が結合して第3の含窒素化合物を形成していてもよい。この場合、前記置換基を有する第1及び第2の含窒素化合物は相互に同一でも異なっていてもよく、また上記第3の含窒素化合物は、単一の含窒素化合物として前記の分子量その他の置換基に関する条件が適用され、全ての置換基Rの(Rは第1及び第2の含窒素化合物が有する置換基、即ち2つの化合物に関するR〜Rの全てを総称するものとする)炭素原子数の合計は50以下であり、Rnの全てが水
素原子である場合は除かれる。
なお、このように2つの式(1)で示される含窒素化合物がその置換基を共有する形で結合した場合も含めて、「式(1)で示される含窒素化合物」と総称するものとする。
イミン化合物としては、式(2):
C=N−R(2)
(式中、R〜Rは式(1)中のR〜Rと同義である。)
で表されるものである。これらの中でピリジン環を有する化合物、ピラゾール環を有する化合物、ピラジン環を有する化合物が好ましい。
ニトリル化合物としては、式(3):
−C≡N (3)
(式中、Rは式(1)中のRと同義である。)
で表されるものである。
イソシアネート化合物としては、式(4):
−N=C=O (4)
(式中、Rは式(1)中のRと同義である。)
で表されるものである。
2−2.含窒素化合物の具体例
上記式(1)の含窒素化合物は、分子量が1000以下であることが必要である。分子量が1000を超えて大きいものは、一般に立体障害が大きく、水素化触媒との相互作用が極度に弱くなるため、本発明の効果が十分得られない。より好ましい分子量は、500以下、更に好ましくは300以下、特に好ましくは200以下である。
上記式(1)の含窒素化合物の具体例としては、例えば、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、コハク酸モノアミド、コハク酸ジアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸モノアミド、リンゴ酸ジアミド、リンゴ酸モノアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド等の鎖状骨格のアミド類、ベンズアミド等の芳香族アミド類、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、2−ピペリドン、N−メチルピペリドン等の環状アミド類、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド等のイミド類が挙げられる。
これらの中でも好ましい化合物は、コハク酸ジアミド、コハク酸モノアミド、フマル酸ジアミド、フマル酸モノアミド、リンゴ酸ジアミド、リンゴ酸モノアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、コハク酸イミド、N−メチルコハク酸イミド等のアミド類である。
式(2)の含窒素化合物の具体例としては、例えば、イミダゾール、オキサゾール、ピリジン、ピラゾール、ピリミジン、1−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、メチルピリジン、メチルピリミジン、メチルピラジン、2,3,5,6−テトラメチルピ
ラジン、3,6−ジメチルピリダジン、テトラメチルピラゾール、3,6−ジメチルピリダジン等が挙げられる。
式(3)の含窒素化合物の具体例としては、例えば、アセトニトリル、アクリロニトリル、プロピオニトリル、グリコロニトリル、ブチロニトリル、シアノブタジエン、スクシノニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
式(4)の含窒素化合物の具体例としては、例えば、イソシアン酸メチル、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、tert−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、o−トルイルイソシアネート、p−トルイルイソシアネート、m−トルイルイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト−3,3’−
ジメチルビフェニル、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアン酸メチレンジフェニル、1,3−ビス(2−イソシアナト−2−プロピル)ベンゼン、1,5−ジイソシアナトナフタレン、m−キシリレンジイソシアネート、イソシアン酸3,4−ジクロロフェニル等が挙げられる。
2−3.窒素化合物の特性と反応への効果
本発明において高い収率でGBLを得ることができる理由は明らかではないが、次のように推定される。
一般の窒素化合物は塩基性が強く、コハク酸類よりも強固に水素化触媒に配位して水素化触媒上でのコハク酸類の水素化が阻害するとともに、錯体触媒においては、酸−塩基結合によって酸性の配位子を中和し、やはり水素化触媒の活性を低下させることが多い。
ところが、本発明方法に用いる特定の含窒素化合物は、上記特定の構造を有することで、塩基性が緩和されるため、中性〜弱塩基性となっていて、水素化触媒への配位力も錯体触媒の酸性配位子の中和効果も温和なものとなるので、こうした欠点がカバーされ、むしろ触媒活性の安定化に寄与していると考えられる。
本発明において用いる窒素化合物としては、上記特定の構造、分子量等を有しているものであり、中でもその常温における蒸気圧が、1×10−10Pa以上、より好ましくは1×10−9Pa以上のものが好ましい。含窒素化合物の常温での蒸気圧が1×10−10Pa未満では、含窒素化合物が揮発しにくくなるためGBLや溶媒の蒸発を阻害し、GBLの精製が困難になる。また、含窒素化合物の常圧での蒸気圧の上限は1000Pa以下が好ましく、より好ましくは500Pa以下である。含窒素化合物の常温における蒸気圧が高すぎると、水素化反応中に含窒素化合物が揮発してしまい、含窒素化合物による水素化触媒の安定化効果が不十分となることがある。
また、本発明において用いる窒素化合物の沸点は、常圧下で100℃以上、より好ましくは150℃以上であることが好ましい。沸点が100℃未満のように低くなると、蒸気圧に関して説明したことと同様、水素化反応中に含窒素化合物が揮発しやすくなる。なお、含窒素化合物の沸点の上限値は特に限定されず、例えば700℃以下、好ましくは600℃以下で、当該含窒素化合物の分解温度以下で用いることが一般的である。沸点が高すぎると、上記の蒸気圧が低すぎた場合と同様、GBLや溶媒の蒸発を阻害し、GBLの精製が困難になることがある。
なお、複数の含窒素化合物を使用する場合は、少なくともその1つが上記沸点範囲を満たすものであることが好ましい。
代表的な含窒素化合物の常圧での沸点及び常温での蒸気圧を表1に示す。
Figure 0006736835
2−4.窒素化合物の濃度とその制御方法
本発明の製造方法における反応混合物中の含窒素化合物の窒素原子換算の含有量は1質量ppm以上、5000質量ppm未満である。前記含窒素化合物の窒素原子換算の含有量は好ましくは5質量ppm以上、3000質量ppm未満、より好ましくは10質量ppm以上、1000質量ppm未満である。
この濃度が高すぎると、含窒素化合物が水素化触媒に配位して水素化触媒上でのコハク酸類の水素化が阻害したり、錯体触媒の酸性配位子を中和して水素化触媒の活性を低下させたりして、水素化触媒を劣化させ、GBLの収率が低下することがある。
一方、含窒素化合物濃度が過度に低いと、触媒金属の配位座の多くが空になり、活性点が露出して触媒が劣化しやすくなり、また、特にバイオ法で得られたコハク酸類を用いる場合は、含窒素化合物の濃度を低くするために、例えば活性炭処理やイオン交換処理等の精製工程を要することとなるので経済的にも有利ではない。
通常、バイオ法により得られたコハク酸類には、バイオマス中に存在したり、発酵工程で混入したり、又はコハク酸類の精製工程で除去できずに残留したりした含窒素化合物が含まれている。これらの含窒素化合物は、そのまま本発明方法における含窒素化合物として使用できるが、その含有量によっては、含窒素化合物の含有量を低減することが必要になることがある。そのための方法としては、蒸留、ろ過、晶析などの一般的な精製方法が適用できる。
なお、石化法により製造されたコハク酸類は、一般に純度が非常に高いため、必要に応じて、上述の特定の含窒素化合物を所定量原料コハク酸類の中に添加すればよい。
上記の含窒素化合物が所定の範囲内の量存在することで、GBL収率を維持しつつ、水素化触媒である金属触媒の劣化を防止できるので、金属触媒を用いるGBLの製造方法において、高い収率で安定した連続運転が可能となる。
この含窒素化合物濃度は、ガスクロマトグラフィーや、これと質量分析計と組み合わせたGC−MS分析計、あるいは燃焼・化学減圧発光法を用いた窒素量分析計等を用いて測定することができる。
反応混合物中の含窒素化合物の濃度が上記範囲を超える場合は、例えば、後述(4.)の連続プロセスを例にとれば、
i)循環工程で高沸点成分を系外へ多く排出する、
ii)循環液中の含窒素化合物を蒸留や陽イオン交換樹脂により分離する、
iii)より低濃度の含窒素化合物を含むコハク酸類を原料として使用する、
iv)精製済みのラクトン類や溶媒を加えて反応系を希釈する、
等の方法を用いることで、所定の濃度範囲内に復帰させることができる。
一方、上記濃度が本願で規定する濃度範囲を下回った場合は、同様に(4.)の連続プロセスを例にとれば、
i)循環工程における高沸点成分の系外への排出量を少なくする、
ii)反応系に含窒素化合物を添加する、
iii)より高濃度の含窒素化合物を含むコハク酸類を原料として使用する、
iv)溶媒を留去して反応系を濃縮する、
等の方法を用いればよい。
3.水素化反応
3−1.触媒
コハク酸類の水素化に用いることができる水素化触媒としては、周期律表の第8〜11族に属する遷移金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含むものが好ましい。第8〜11族遷移金属としては、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金などが挙げられ、触媒活性の面でルテニウム、銅、パラジウムが好ましく、特に触媒活性が高い銅、ルテニウムが好ましい。触媒の形態としては、固体触媒でも錯体触媒でもよいが、より高品質のGBLを得るためには錯体触媒の方が好ましい。
3−2.固体触媒
固体触媒としては、上記の金属を含む化合物をそのまま使用してもよく、また金属を担体に担持させて用いてもよい。
担体を使用する場合、担体としては、炭素、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、チタニア、チタニア−アルミナ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムが好ましく、これらを組み合わせたものでもよい。担体の形状は、粉末、顆粒、ペレットなど、特に限定されない。担体を使用することで、原料コハク酸類中の臭気成分・着色成分や有機不純物を同時に吸着除去できて効率的であり好ましい。金属の担持量は、通常、担体の0.1〜10重量%である。
このような担持触媒は、金属成分として上記周期律表の第8〜11族の金属、例えば銅、パラジウム、プラチナ、イリジウム、ロジウム、ニッケル、レニウム、ルテニウム等の少なくとも1種を使用し、担体としてアルミナ、シリカ、炭素、チタニア等を、各金属成分と任意に組み合わせたものを、使用条件や強度を考慮して選定すればよい。
好ましい担持触媒としては、例えば、アルミナ担持酸化銅、シリカ担持酸化銅、炭素担持ルテニウム、アルミナ担持ルテニウム、炭素担持パラジウム、アルミナ担持パラジウム、チタニア担持パラジウム、炭素担持プラチナ、アルミナ担持プラチナ、炭素担持ロジウム、及びアルミナ担持ロジウム等が挙げられる。
3−3.錯体触媒
錯体触媒は、触媒金属とこれに配位する配位子から形成される。
以下、錯体触媒として金属成分としてルテニウムを用いた錯体触媒を例として説明する。
金属成分の原料としては、金属ルテニウム及びルテニウム化合物のいずれもが使用でき
る。
ルテニウム化合物としては酸化物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩あるいは錯化合物等を用いることができ、例えば二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、沃化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム等のルテニウム酸化物、ルテニウム水酸化物やルテニウム塩類、ヘキサクロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニウム酸ジカリウム、オクタデカカルボニルヘキサルテニウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテニウム酸テトラフェニルホスフォニウム等のルテニウム酸の塩類、ペンタカルボニルルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、シクロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモトリカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ヒドリドルテニウム、テトラ(トリフェニルホスフィン) ジヒドリドルテニウム、テトラ(トリメチルホス
フィン) ジヒドリドルテニウム、ビス(トリ−n −ブチルホスフィン) トリカルボニ
ルルテニウム、テトラヒドリドドデカカルボニルテトラルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニウム等のルテニウム錯体、等が挙げられ、中でも純度が高いものを容易に入手できる塩化ルテニウム、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、酢酸ルテニウムが好ましく用いられる。
本発明方法に用いるルテニウム錯体触媒の配位子としては、リン配位子が好ましい。リン配位子としては、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン等のアリール基を有するものも使用することができるが、トリアルキルホスフィン、中でもリン原子が1級アルキル基と結合したトリアルキルホスフィン又はその分解物が好ましい。このアルキル基は他の置換基を有していてもよい。
このようなトリアルキルホスフィンのアルキル基の炭素数は、1〜12程度が好ましく、また3つのアルキル置換基は全て同一である必要はなく、その全てが同じでも異なっていてもよく、またその2つが同じで1つが異なっていても構わない。
配位子を形成するホスフィンの例としては、トリデカニルホスフィン、トリノニルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリヘプチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリメチルホスフィン、ジメチルオクチルホスフィン、ジオクチルメチルホスフィン、ジメチルヘプチルホスフィン、ジヘプチルメチルホスフィン、ジメチルヘキシルホスフィン、ジヘキシルメチルホスフィン、ジメチルシクロヘキシルホスフィン、ジシクロヘキシルメチルホスフィン、ジメチルペンチルホスフィン、ジペンチルメチルホスフィン、ジメチルブチルホスフィン、ジブチルメチルホスフィン、トリヘプチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリペンチルホスフィン、トリベンジルホスフィン、1、1、2、2−ジメチルホスフィノエタン、1、1、2、2−ジメチルホスフィノプロパン、1、1、2、2−ジメチルホスフィノブタン、1、1、2、2−ジオクチルホスフィノエタン、1、1、2、2−ジオクチルホスフィノプロパン、1、1、2、2−ジオクチルホスフィノブタン、1、1、2、2−ジヘキシルホスフィノエタン、1、1、2、2−ジヘキシルホスフィノプロパン、1、1、2、2−ジヘキシルホスフィノブタン、1、1、2、2−ジブチルホスフィノエタン、1、1、2、2−ジブチルホスフィノプロパン、1、1、2、2−ジブチルホスフィノブタン、1、1−ジホスフィナン、1、4−ジメチル−1、4−ジホスファン、1、3−ジメチルホスフォリナン、1、4− ジメチルホスフォリナン、8−メチル−8−ホスフィノビシクロオクタン、
4−メチル−4−ホスファテトラシクロオクタン、1−メチルホスフォラン、1−メチルホスフォナン等のホスフィン類が挙げられ、その形状も、単座配位子、複座配位子、環状配位子のいずれも用いられる。
また、リン配位子としては前記のホスフィンのみならず、例えば、ホスファイト、ホス
フィネート、ホスフィンオキシド、アミノホスフィン、ホスフィン酸なども使用できる。
これらリン配位子の使用量は、ルテニウム金属1モルに対して、0. 1〜1000モ
ル、好ましくは1〜100モルの範囲である。
また、上記コハク酸水素化用のルテニウム錯体触媒はpKaが2より小さい酸の共役塩基を用いて、カチオン性錯体の形で反応に用いることが、活性の向上、触媒の安定化など幾つかの点において好ましい。このようなpKaが2よりも小さい酸の共役塩基としては触媒調整時または反応系中においてこのような共役塩基を形成するものであればよく、例えばpKaが2より小さいブレンステッド酸あるいはその各種の塩などが用いられる。
このような目的で用いることができる酸やその塩としては、硝酸、過塩素酸、ホウフッ化水素酸、ヘキサフルオロリン酸、フルオロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ドデシルスルホン酸、オクタデシルスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素酸、スルホン化スチレン−ジビニルベンゼン共重合体等の有機酸等のブレンステッド酸もしくはこれらの酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、銀塩等が挙げられる。
また、上記の酸の共役塩基が反応系で生成すると考えられる酸誘導体の形で添加しても構わない。例えば酸ハロゲン化物、酸無水物、エステル等の形で反応系に添加しても同様の効果が期待される。
これらの酸あるいはその塩の使用量は、ルテニウム金属に対して1000モル以下、好ましくは100モル以下である。10モル以下が特に好ましい。
3−4.溶媒
本発明方法によるガンマブチロラクトンの製造は、反応原料及び反応生成混合物を溶媒として実施できるが、種々の溶媒を、反応の目的や進行を阻害しない範囲で使用することもできる。
このような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、アニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類;メタノール、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トルイル酸などのカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸ブチル、安息香酸ベンジルなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;カプロラクトン等のラクトン類;テトラグライム、トリグライム等のポリエーテル類;ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類等が挙げられ、好ましくはエーテル類、ポリエーテル類、及びラクトン類である。
3−5.反応条件
本発明方法で実施される水素化反応は連続、回分いずれの方式も用いることができる。反応温度は、通常50〜250℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは150〜220℃である。反応系内の水素分圧は特に限られないが、工業的には通常0.01〜10MPa・G(ゲージ圧)であり、好ましくは0.03〜5MPa・Gである。
反応生成液からは、蒸留、抽出等の通常の分離手段により目的生成物であるGBLが分離できる。
反応系内の水分含量は0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜 1質量%である。水分が多すぎるとコハク酸とその無水物との平衡がコハク酸側に
移るため、コハク酸無水物濃度が低くなってGBLの生成速度が低下する傾向となる。一
方、水分が少なすぎるとルテニウム触媒の対アニオンとなるコハク酸濃度が低下し、触媒のカチオン性が低下するため、触媒の水素化反応活性が低下する傾向となる。
反応系から水分を除去する方法としては、ガスストリッピング法などを用いることができ、反応プロセスによっては蒸留による水分留去や、脱水剤を添加してもよい。ガスストリッピング用のガスとして水素を用いると、反応液中の水分の除去と同時にコハク酸類のGBL化も行うことができて効率的である。
4.本発明方法を適用した工業的プロセスの例
本発明は、水素化工程、精製工程、循環工程からなる連続反応プロセスに好適に適用しうる。この場合、本発明方法で規定される含窒素化合物の含有量(濃度)の範囲を安定に維持するために、含窒素化合物を含む循環液の一部を系外へ排出し、一部を反応系に循環することにより、反応混合物中の含窒素化合物の濃度を制御することができる。
本発明の反応方法で得られたGBLは、反応終了後に抽出、蒸留、晶析などの一般的な精製方法を行うことにより高純度の精製GBLを得ることができる。またより高度な精製を要する場合は、イオン交換樹脂による精製を更に行ってもよい。
本発明方法においては、上記の循環工程によって、製品GBLを分離した後の水素化触媒を含む残液(以下「触媒液」と呼ぶことがある。)を反応工程に循環することが好ましい。
循環させる成分としては、触媒、未反応コハク酸類媒等の有効成分以外に、反応工程に悪影響を及ぼさない限り、溶媒その他の成分を含んでいてもよいが、目的生成物よりも高沸点の成分を循環させることが好ましい。
例えば、水素化反応工程後に蒸留塔でGBLと分離された、触媒を含む高沸点成分の少なくとも一部を、反応工程へ循環する場合、反応原料中に含まれていた含窒素化合物も高沸点成分として触媒に随伴して循環し、プロセス内に蓄積することとなる。このため、反応混合物中の含窒素化合物の濃度を本発明で規定する濃度範囲内とするためには、通常、前記含窒素化合物を含む高沸点成分の一部を系外へ排出(パージ)することが必要となる。
こうした高沸点成分の系外へのパージ方法は特に制限はなく、例えば、高沸点成分が蓄積した上記触媒液を、精製工程における高沸点成分含有液として、その一部を系外にパージしてもよい。
以下、実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
1.原材料
コハク酸、コハク酸ジアミド、コハク酸モノアミド:試薬特級(和光純薬工業(株)製)
トリグライム:試薬一級(和光純薬工業(株)製、試薬一級)
トリオクチルホスフィン:((株)ワコーケミカル製)
トリス(アセチルアセトナト)ルテニウム:(エヌイーケムキャット(株))
2.分析方法
[ガスクロマトグラフィー分析]
ガスクロマトグラフィー分析装置((株)島津製作所製GC−17A型)にて、Agilent社製DB−1カラム(無極性)を用い、GBLを分析した。
[誘導結合プラズマ発光分析(ICP−OES)]
ICP発光分光計(サーモサイエンティフィック社製iCAP6500Duo、ペルチ
ェ冷却有機溶媒導入システム)にて、有機溶媒直接導入法によりRu分析を行った。
[吸光度分析]
試料を10mm石英セルに入れ、分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジーズ製UV−2000型)にて波長315nmの吸光度を測定した。
3.実施例、比較例
<参考例1>
内容量100mlのオートクレーブ(材質:SUS316)中に、コハク酸を5.9g(11.8質量%)、トリオクチルホスフィンを配位子として有するルテニウム錯体をトリグライムに溶解したものを5.0g(Ru:400質量ppm)、及び溶媒としてトリグライムを39.1g仕込んだ。反応混合物中の窒素化合物濃度は1質量ppm未満であった。
磁気回転撹拌子をオートクレーブ内に投入後、系内を水素で十分置換した。マグネチックスターラーを用いて撹拌しながら昇温し、オートクレーブ内温が205℃となったところで内圧が0.9MPa・G(ゲージ圧)となるよう水素を圧入した。このときを反応開始時とし、その後2時間水素化反応を行った。
反応終了後、得られた反応生成液の一部を採取し、ガスクロマトグラフィーにより分析した結果、ガンマブチロラクトンの収率は29.6%であった。反応結果を表2に示す。
<実施例1>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、コハク酸ジアミド0.2540g(窒素原子含有量:1223質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。
ガンマブチロラクトン収率は30.0%であった。反応結果を表2に示す。
<実施例2>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、コハク酸ジアミドを0.2505g(窒素原子含有量:1211質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。反応結果を表2に示す。
<実施例3>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、2,3,5,6−テトラメチルピラジンを0.1g(窒素原子含有量:412質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。反応結果を表2に示す。
<比較例1>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、コハク酸ジアミドを2.5041g(窒素原子含有量:12112質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。反応結果を表2に示す。
<比較例2>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、コハク酸モノアミドを2.5015g(窒素原子含有量:5986質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。反応結果を表2に示す。
<比較例3>
上記参考例1の原料に加えて、オートクレーブ中に、2,3,5,6−テトラメチルピラジンを1.5g(窒素原子含有量:6176質量ppm)を仕込んだこと以外は実施例1と同様にして水素化反応を実施し、得られた反応生成液の分析を行った。反応結果を表2に示す。
Figure 0006736835
<実施例4>
トリオクチルホスフィンを配位子として有するルテニウム錯体をトリグライムに溶解したものを0.25g(Ru2000質量ppm)に、コハク酸ジアミドを0.8mg(窒素原子含有量:19質量ppm)と溶媒トリグライムを9.75g混合した溶液を調製した。これらの溶液を大気中、100mLガラス製バイアルにて開放状態で72時間保管したところ、保管前は淡黄色だった溶液が、淡赤色に変色していた。得られた溶液の315nmでの吸光度の変化量は0.23であった。
<実施例5>
コハク酸ジアミドの使用量を3.0mg(窒素原子含有量:72質量ppm)とした以外は、実施例4と同様にして大気中で保管したところ、淡赤色に変色していた。吸光度の測定結果を表3に示す。この変色した触媒45gとコハク酸5gを混合して水素化原料を調製した。上記以外は参考例1と同様にして水素化反応を3時間実施し、反応終了後、得られた反応生成液を参考例1と同様に分析した結果、ガンマブチロラクトンの収率は24.0%であった。反応結果を表3に示す。
<比較例4>
コハク酸ジアミドを添加しなかったこと(系内の窒素原子含有量:1質量ppm未満)以外は、実施例4と同様にして大気中で保管したところ、赤色に変色していた。吸光度の測定結果を表3に示す。この変色した触媒45gとコハク酸5gを混合して水素化原料を調製した。上記以外は参考例1と同様にして水素化反応を3時間実施し、反応終了後、得られた反応生成液を参考例1と同様に分析した結果、ガンマブチロラクトンの収率は18.0%であった。反応結果を表3に示す。
Figure 0006736835
4.結果の評価
(1)表2に示された実施例1、2、3と比較例1、2、3を対比すると、水素化反応時の含窒素化合物濃度を本願所定の範囲内とした実施例においては、GBL収率が参考例(含窒素化合物を含まない原料)と同レベルの収率となっている一方、この濃度が本願範囲を超える比較例1、2、3では収率が著しく低下していることが判る。
(2)表3の実施例5では、含窒素化合物を添加することによって波長315nmでの吸光度の変化の程度が小さくなり、高いGBL収率となっている。一方、比較例4ではこの濃度が本願で規定する範囲未満であるためか、触媒の安定性が低下して、波長315nmでの吸光度が大きく変化しており、低いGBL収率であった。
上記の結果より、本発明の効果は明らかである。
工業用溶剤や洗浄剤、高分子化学品の反応中間体として有用なガンマブチロラクトンをコハク酸類を触媒存在下で水素化して製造する方法を用いる際に、触媒の劣化を低減できて効率よく安定生産が可能となる。本発明方法は、環境負荷の小さいバイオ法を採用する場合に、特に有効である。

Claims (8)

  1. コハク酸及び/又はその誘導体(以下両者をまとめて「コハク酸類」と記すことがある)を水素化することによりガンマブチロラクトンを製造する方法において、前記水素化反応時の反応混合物に含まれる含窒素化合物の合計含有量が窒素原子換算で70質量ppm以上、1500質量ppm未満であり、かつ該含窒素化合物が少なくとも、中性〜弱塩基性の下記一般式(1)で示される分子量1000以下のアミド化合物又は2,3,5,6−テトラメチルピラジンのいずれかであることを特徴とするガンマブチロラクトンの製造方法。
    Figure 0006736835
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよく、該置換基中にはヘテロ原子が含まれていてもよい。また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。但し、R及びRの炭素原子数の合計は50以下である。またR及びRが全て水素原子である場合は除く。Rはアルキルカルボニル基、又はアリールカルボニル基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。)
  2. 前記含窒素化合物の分子量が200以下である事を特徴とする請求項1に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  3. 前記水素化反応を周期律表の第8〜11族に属する遷移金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  4. 前記含窒素化合物の常温(25℃)での蒸気圧が1×10−10Pa以上、1000Pa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  5. 前記水素化反応をルテニウム又は銅を含む触媒を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  6. 前記水素化反応を第3級有機リン系化合物を配位子として有するルテニウム錯体を触媒として用いて行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  7. 前記コハク酸類がバイオマス原料を用いて発酵法により製造されたものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
  8. 前記コハク酸類がコハク酸であり、前記含窒素化合物がコハク酸ジアミド、コハク酸モノアミド、コハク酸イミドからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であり、かつ前記水素化反応に使用する触媒が第3級有機リン系化合物を配位子として有するルテニウム錯体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガンマブチロラクトンの製造方法。
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