JP2908055B2 - 1,4−ブタンジオ−ルの製造法 - Google Patents

1,4−ブタンジオ−ルの製造法

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JP2908055B2 JP3078170A JP7817091A JP2908055B2 JP 2908055 B2 JP2908055 B2 JP 2908055B2 JP 3078170 A JP3078170 A JP 3078170A JP 7817091 A JP7817091 A JP 7817091A JP 2908055 B2 JP2908055 B2 JP 2908055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,4-ブタンジオ−ルの製
造法に関するものである。詳しくは、無水コハク酸、コ
ハク酸又はγ-ブチロラクトンから1,4-ブタンジオ−ル
を製造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4-ブタンジオ−ルはポリブチレンテフ
タレ−トやポリウレタン等の製造用原料として有用であ
り、従来無水コハク酸、コハク酸又はγ-ブチロラクト
ンを水素化して1,4-ブタンジオ−ルを製造する方法につ
いて多数の提案がなされている。例えば銅−クロム系触
媒(特開昭50-20995号公報、特開昭62-155231号公報)、
銅−亜鉛系触媒(米国特許第4048196号明細書、特開平2-
25434号公報)、銅−モリブデン系触媒(特開昭54-32191
号公報)、ニッケル系触媒(米国特許第3370067号明細書)
及びルテニウム酸化物系触媒(特開昭57-109736号公報)
等の固体触媒を使用して、固定床又は懸濁相により水素
化反応を行なう方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような触媒を使用する従来の方法は、反応条件が苛酷で
ある上、活性及び選択性の点で充分満足し得る水準にあ
るとは言い難いものであった。そこで本発明者等はさき
に、ルテニウム及び有機ホスフィンを含有するルテニウ
ム系触媒を使用し、液相において水素化する方法を提案
した(特開平1-290640号公報)。この方法によれば、温和
な条件下で水素化反応を行なうことができるが、反応活
性の点でなお充分満足し得るものでなく、一層の改良が
望まれていた。またこの方法で活性促進剤としてアンモ
ニウムヘキサフルオロホスフェ−トを添加すると活性の
向上が認められるものの、反応器材質の腐食や、反応系
に存在する水による活性促進剤の変質等の問題があっ
た。本発明は、上記従来法による問題点を解決し、温和
な条件下において、無水コハク酸、コハク酸又はγ-ブ
チロラクトンを水素化することにより、優れた収率で効
率よく1,4-ブタンジオ−ルを製造する方法を提供するこ
とを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、無水コハク酸、
コハク酸又はγ-ブチロラクトンを液相において水素化
して1,4-ブタンジオ−ルを製造する際に、特定の成分か
らなるルテニウム系触媒を使用するときは、極めて温和
な条件下で収率よく目的物が得られることを見い出し、
本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、無水
コハク酸、コハク酸又はγ-ブチロラクトンを触媒の存
在下で水素化することにより1,4-ブタンジオ−ルを製造
する方法において、触媒としてルテニウム、有機ホスフ
ィン及び請求項1における式(1)で表されるリン化合物
からなるルテニウム系触媒を使用し、液相で水素化反応
を行なうことを特徴とする1,4-ブタンジオ−ルの製造法
に存する。
【0005】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
原料物質である無水コハク酸、コハク酸又はγ-ブチロ
ラクトンは、夫々単独であるいは混合物として用いられ
る。中でも好ましいのは、γ-ブチロラクトン単独、又
はγ-ブチロラクトンと無水コハク酸の混合物である。
なお、無水コハク酸を原料とした場合は、これが水素化
されてγ-ブチロラクトンが生成する際に、副生する水
により無水コハク酸の一部が反応系でコハク酸になって
いるものと考えられる。
【0006】本発明においては、以下に示す(イ)、(ロ)
及び(ハ)からなる触媒成分を使用するものである。 (イ) ルテニウム:本発明におけるルテニウム系触媒を
構成するルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテ
ニウム化合物の何れも使用することができる。ルテニウ
ム化合物としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化
物、水酸化物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用
され、具体的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ル
テニウム、二水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化
ルテニウム、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸
ルテニウム、ルテニウムアセチルアセトナ−ト、ヘキサ
クロロルテニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテ
ニウム酸ジカリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シ
クロペンタジエニルジカルボニルルテニウム、ジブロモ
トリカルボニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニ
ルホスフィン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリ-n-ブチ
ルホスフィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカル
ボニルトリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニル
テトラルテニウム、オクタデカカルボニルヘキサルテニ
ウム酸ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリル
テニウム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられ
る。これ等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使
用量は、通常反応溶液1リットル中のルテニウムとして
0.0001〜100ミリモル程度、好ましくは0.001〜10ミリモ
ルである。
【0007】(ロ) 有機ホスフィン:本発明において
は、触媒成分として有機ホスフィンを使用することが必
要であり、有機ホスフィンは、主触媒であるルテニウム
の電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定
化するのに寄与するものと考えられる。有機ホスフィン
の具体例としては、トリ-n-オクチルホスフィン、トリ-
n-ブチルホスフィン、ジメチル-n-オクチルホスフィン
等のトリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキシルホ
スフィンのようなトリシクロアルキルホスフィン類、ト
リフェニルホスフィンのようなトリアリ−ルホスフィン
類、ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキルアリ
−ルホスフィン類、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エ
タンのような多官能性ホスフィン類が挙げられる。有機
ホスフィンの使用量は、通常ルテニウム1モルに対して
0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルである。また有
機ホスフィンは、それ自体単独で、あるいはルテニウム
触媒との複合体の形で反応系に供給することができる。
【0008】(ハ) 次式(1)で表わされるリン化合物:
【化2】 (式中X、Yは水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アルキル基及びアリ−ル基から選ば
れた原子又は基を示す)本発明においては、触媒成分と
して(イ)のルテニウム成分及び(ロ)の有機ホスフィン成
分と共に、上記(1)式のリン化合物を使用することが必
須の要件であり、これによって、触媒の主構成成分であ
るルテニウムの長所を活かして温和な条件下で水素化反
応を進行させると共に、特に触媒活性の向上を図ること
ができる。(1)式におけるアルコキシ基としてはメトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ヘキシ
ルオキシ基、オクチルオキシ基等が、またアルキル基と
してはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
キシル基、オクチル基等が、更にアリ−ル基としてはフ
ェニル基、ナフチル基等が夫々挙げられる。
【0009】このようなリン化合物の具体例としては、
例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、フルオロリン
酸、リン酸ジメチルエステル、リン酸ジブチルエステ
ル、リン酸ジフェニルエステル、亜リン酸ジメチルエス
テル、亜リン酸ジフェニルエステル、ジメチルホスフィ
ン酸、ジフェニルホスフィン酸、フェニルホスホン酸、
メチルホスホン酸、ブチルホスホン酸等が挙げられる。
なおリン酸の代りに、反応系中に存在する水と作用して
リン酸を生成する、五酸化リンあるいはポリリン酸を使
用することもできる。また、(1)式で示されるリン化合
物を、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニ
ウム塩、ホスホニウム塩などの誘導体として使用しても
よい。このような(1)式のリン化合物の使用量は、ルテ
ニウム1モルに対して0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜
100モルの範囲である。
【0010】本発明のルテニウム系触媒は、上記(イ)、
(ロ)及び(ハ)の成分の外、場合により中性配位子を含有
することができる。中性配位子としては、エチレン、プ
ロピレン、ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、
ブタジエン、シクロペンタジエン、シクロオクタジエ
ン、ノルボナジエン等のオレフィン類;一酸化炭素、ジ
エチルエ−テル、アニソ−ル、ジオキサン、テトラヒド
ロフラン、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、シクロヘキサノン、プロピオン酸、カプロン酸、酪
酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、安息香酸ベン
ジル、ステアリン酸ベンジル等の含酸素化合物;酸化窒
素、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチルアミン、アニ
リン、トルイジン、トリエチルアミン、ピロ−ル、ピリ
ジン、N-メチルホルムアミド、アセトアミド、1,1,3,3-
テトラメチル尿素、N-メチルピロリドン、カプロラクタ
ム、ニトロメタン等の含窒素化合物;二硫化炭素、n-ブ
チルメルカプタン、チオフェノ−ル、ジメチルスルフィ
ド、ジメチルジスルフィド、チオフェン、ジメチルスル
ホキシド、ジフェニルスルホキシド等の含硫黄化合物;
トリブチルホスフィンオキシド、エチルジフェニルホス
フィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシド、ジ
エチルフェニルホスフィネ−ト、ジフェニルメチルホス
フィネ−ト、o,o-ジメチルメチルホスホノチオレ−ト、
トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリエチルホスフェ−ト、トリフェニルホスフェ−ト、
ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機ホスフィ
ン以外の含燐化合物が挙げられる。
【0011】本発明の方法は均一液相において行なわ
れ、この際反応原料または反応生成物を溶媒として使用
することができるが、他の溶媒を使用することもでき
る。このような溶媒としては、例えば、ジエチルエ−テ
ル、アニソ−ル、テトラヒドロフラン、テトラエチレン
グリコ−ルジメチルエ−テル、エチレングリコ−ルジエ
チルエ−テル、ジオキサン等のエ−テル類;アセトン、
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類;メ
タノ−ル、エタノ−ル、n-ブタノ−ル、n-オクタノ−
ル、ベンジルアルコ−ル、エチレングリコ−ル、ジエチ
レングリコ−ル等のアルコ−ル類;ギ酸、酢酸、プロピ
オン酸、トルイル酸等のカルボン酸類;酢酸メチル、酢
酸n-ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラリン
等の芳香族炭化水素;n-ヘキサン、n-オクタン、シクロ
ヘキサン、フェニルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水
素;ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロロベンゼ
ン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニトロベン
ゼン等のニトロ化炭化水素;N,N-ジメチルホルムアミ
ド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等
のカルボン酸アミド;ヘキサメチル燐酸トリアミド、N,
N,N',N'-テトラエチルスルファミド等のその他のアミド
類;N,N'-ジメチルイミダゾリドン、N,N,N,N-テトラメ
チル尿素等の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチレ
ンスルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホキシド等のスルホキシド類;テトラグラ
イム、18−クラウン−6等のポリエ−テル類、アセトニ
トリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカ−
ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト等の炭酸エステル類で
ある。
【0012】本発明の方法により水素化反応を行なうに
は、反応容器に、無水コハク酸、コハク酸又はγ-ブチ
ロラクトン、前記の触媒成分及び所望により溶媒を装入
し、これに水素を導入する。水素は、窒素あるいは二酸
化炭素等の反応に不活性なガスで希釈されたものであっ
てもよい。反応温度は通常50〜250℃、好ましくは100〜
200℃である。工業的に実施する場合の反応系の水素圧
は通常0.1〜200 kg/cm2、好ましくは1〜150 kg/cm2
ある。反応は回分方式及び連続方式の何れでも実施する
ことができ、回分方式の場合の所要反応時間は通常1〜2
0時間である。なお、無水コハク酸又はコハク酸を原料
とする場合は、反応の進行に伴って水が副生するが、ス
トリッピング等の反応方式により、例えば反応系に水素
を連続的に流通させることによって、副生する水を反応
系外に除去しながら反応を実施すれば一層高い反応活性
が達成できる。反応終了後、反応生成液から蒸留、抽出
等の通常の分離手段により、目的物である1,4-ブタンジ
オ−ルを得ることができる。蒸留残渣は触媒成分として
反応系に循環することができる。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の実施例にお
いて、反応原料としてγ-ブチロラクトンを用いた場合
の生成物(1,4-ブタンジオ−ル又はテトラヒドロフラン)
の選択率及び収率を次のように定義した。 生成物の選択率(%)=A/B×100 [Aは生成物の収量(ミリモル)を示し、Bはγ-ブチロ
ラクトンの転化量(ミリモル)を示す] 生成物の収率(%)=A/C×100 [Aは生成物の収量(ミリモル)を示し、Cはγ-ブチロ
ラクトンの仕込量(ミリモル)を示す]
【0014】一方、反応原料として無水コハク酸及びγ
-ブチロラクトンの両方を用いた場合の生成物(1,4-ブタ
ンジオ−ル又はテトラヒドロフラン)の選択率及びこの
ときのγ-ブチロラクトンの選択率を次のように定義し
た。 生成物の選択率(%)=D/E×100 [Dは生成物の収量(ミリモル)を示し、Eは無水コハク
酸の転化量(ミリモル)とγ-ブチロラクトンの仕込量(ミ
リモル)との合計量を示す] γ-ブチロラクトンの選択率(%)=F/G×100 [Fはγ-ブチロラクトンの残存量(ミリモル)を示し、
Gは無水コハク酸の転化量(ミリモル)とγ-ブチロラク
トンの仕込量(ミリモル)との合計量を示す]
【0015】実施例1 200 mlの誘導攪拌機付SUS製オ−トクレ−ブに、ルテニ
ウムアセチルアセトナ−ト0.25ミリモル、トリオクチル
ホスフィン2.5ミリモル、リン酸0.625ミリモル、γ-ブ
チロラクトン392.5ミリモル及びテトラエチレングリコ
−ルジメチルエ−テル(溶媒)70 mlを仕込み、オ−トク
レ−ブ内を窒素ガスで置換して加熱し200℃に昇温し
た。次いで水素ガスを50 kg/cm2圧入して3時間水素化
反応を行なった。反応終了後、ガスクロマトグラフィ−
により反応生成物を分析したところ、γ-ブチロラクト
ンの転化率は45.8%であり、1,4-ブタンジオ−ルの生成
量は135.6ミリモルであった。1,4-ブタンジオ−ルの収
率は34.6%であり選択率は75.5%であった。なお2.3ミ
リモルのテトラヒドロフラン及び3.7ミリモルのn-ブタ
ノ−ルの副生が認められた。
【0016】実施例2 実施例1において用いたリン酸の代りに、次亜リン酸0.
625ミリモルを使用し、その他は実施例1と全く同様の
操作を行なったところ、γ-ブチロラクトンの転化率は3
6.6%であり、1,4-ブタンジオ−ルの生成量は123.6ミリ
モルであった。1,4-ブタンジオ−ルの収率は31.5%であ
り、選択率は86.1%であった。なお、テトラヒドロフラ
ン及びn-ブタノ−ルの副生量は、夫々1.1ミリモル及び
3.0ミリモルであった。
【0017】実施例3 実施例1において用いた溶媒テトラエチレングリコ−ル
ジメチルエ−テルの代りに、m-キシレン70 mlを使用
し、その他は実施例1と同様にして水素化反応を行なっ
た。反応終了後、オ−トクレ−ブを開くと、二層に分離
しており、上層は主としてm-キシレンであり、また下層
は主として生成物である1,4-ブタンジオ−ルであった。
反応生成物を分析したところ、γ-ブチロラクトンの転
化率は50.4%であり、1,4-ブタンジオ−ルの生成量は15
8.2ミリモルであった。また1,4-ブタンジオ−ルの収率
は40.3%であり選択率は80.0%であった。なお、テトラ
ヒドロフラン及びn-ブタノ−ルの副生量は、夫々2.5ミ
リモル及び0.9ミリモルであった。
【0018】実施例4 実施例1において用いたリン酸の代りに、亜リン酸0.62
5ミリモルを使用し、その他は実施例1と全く同様の操
作を行なったところ、γ-ブチロラクトンの転化率は42.
4%であり、1,4-ブタンジオ−ルの生成量は125.7ミリモ
ルであった。1,4-ブタンジオ−ルの収率は32.0%であ
り、選択率は75.5%であった。なお、テトラヒドロフラ
ン及びn-ブタノ−ルの副生量は、夫々1.0ミリモル及び
0.8ミリモルであった。
【0019】実施例5 実施例1において用いたリン酸の代りに、フェニルホス
ホン酸0.625ミリモルを使用し、その他は実施例1と全
く同様の操作を行なったところ、γ-ブチロラクトンの
転化率は53.3%であり、1,4-ブタンジオ−ルの生成量は
159.9ミリモルであった。1,4-ブタンジオ−ルの収率は4
0.7%であり選択率は76.4%であった。なお、テトラヒ
ドロフラン及びn-ブタノ−ルの副生量は、夫々2.0ミリ
モル及び0.6ミリモルであった。
【0020】比較例1 実施例1において用いたリン酸を使用しなかった外は、
実施例1と全く同様の操作を行なったところ、γ-ブチ
ロラクトンの転化率は25.5%であり、1,4-ブタンジオ−
ルの生成量は80.5ミリモルであった。1,4-ブタンジオ−
ルの収率は20.5%であり、選択率は80.4%であった。な
お、テトラヒドロフラン及びn-ブタノ−ルの副生量は、
夫々1.0ミリモル及び3.3ミリモルであった。
【0021】比較例2 実施例1において用いたリン酸の代りに、アンモニウム
ヘキサフルオロホスフェ−ト0.625ミリモルを使用し、
その他は実施例1と全く同様の操作を行なったところ、
γ-ブチロラクトンの転化率は30.7%であり、1,4-ブタ
ンジオ−ルの生成量は96.9ミリモルであった。1,4-ブタ
ンジオ−ルの収率は24.7%であり、選択率は80.5%であ
った。なお、テトラヒドロフラン及びn-ブタノ−ルの副
生量は、夫々3.0ミリモル及び1.9ミリモルであった。
【0022】実施例6 70 mlのスピナ−攪拌ミクロオ−トクレ−ブに、ルテニ
ウムアセチルアセトナ−ト0.1ミリモル、トリオクチル
ホスフィン1.0ミリモル、フェニルホスホン酸[前記式
(1)におけるXがフェニル基で、Yがヒドロキシル基の
リン化合物]1ミリモル、γ-ブチロラクトン30.0ミリモ
ル、無水コハク酸30.0ミリモル及びm-キシレン(溶媒)14
mlを仕込み、オ−トクレ−ブ内を窒素ガスで置換し
た。次いで水素を室温において70 kg/cm2圧入し、加熱
して210℃で6時間水素化反応を行なった。反応終了後、
ガスクロマトグラフィ−により反応生成物を分析した結
果、生成物の組成はγ-ブチロラクトン29.0ミリモル、
副生テトラヒドロフラン1.9ミリモル、1,4-ブタンジオ
−ル24.0ミリモルであった。
【0023】実施例7 実施例6で用いたリン化合物の代りに、n-ブチルホスホ
ン酸[前記式(1)におけるXがブチル基で、Yがヒドロ
キシル基のリン化合物]1ミリモルを使用し、その他は実
施例6と全く同様の反応を行なった。反応終了後、生成
物を分析した結果、生成物の組成はγ-ブチロラクトン3
6.4ミリモル、副生テトラヒドロフラン1.4ミリモル、1,
4-ブタンジオ−ル18.7ミリモルであった。
【0024】実施例8 実施例6において用いたリン化合物の代りに、リン酸ジ
ブチルエステル[前記式(1)におけるX及びYが共にブ
トキシ基のリン化合物]1ミリモルを使用し、その他は実
施例6と全く同様の反応を行なった。反応終了後、ガス
クロマトグラフィ−により反応生成物を分析した結果、
生成物の組成はγ-ブチロラクトン25.5ミリモル、副生
テトラヒドロフラン4.0ミリモル、1,4-ブタンジオ−ル2
7.3ミリモルであった。
【0025】実施例9 200 mlの誘導攪拌機付SUS製オ−トクレ−ブに、ルテニ
ウムアセチルアセトナ−ト0.5ミリモル、トリオクチル
ホスフィン5.0ミリモル、フェニルホスホン酸5ミリモ
ル、無水コハク酸150ミリモル、γ-ブチロラクトン150
ミリモル、更に溶媒としてトルエン 20ml及びフェニル
シクロヘキサン50 mlを仕込み、オ−トクレ−ブ内を窒
素ガスで置換して加熱し210℃に昇温した。次いで水素
ガスを50 kg/cm2圧入し、GHSV 250 h-1の流量で3時間
水素化反応を行なった。反応終了後、滴定法により反応
生成物を分析した結果、無水コハク酸の転化率は99.4%
であった。また、ガスクロマトグラフィ−により分析し
た結果、1,4-ブタンジオ−ルの選択率は31.8%、テトラ
ヒドロフランの選択率は2.7%、γ-ブチロラクトンの選
択率は64.1%であった。
【0026】実施例10 実施例9において採用した反応圧50 kg/cm2を、120 kg
/cm2とした以外は、実施例9と同様にして反応を行っ
たところ、無水コハク酸の転化率は97.4%であった。ま
た、1,4-ブタンジオ−ルの選択率は67.2%、テトラヒド
ロフランの選択率は3.2%、γ-ブチロラクトンの選択率
は29.1%であった。
【0027】実施例11 実施例9において用いたフェニルホスホン酸の代りに、
リン酸ジブチルエステル5ミリモルを使用した以外は、
実施例9と同様の反応を行った結果、無水コハク酸の転
化率は99.6%であり、1,4-ブタンジオ−ルの選択率は4
1.9%、テトラヒドロフランの選択率は1.7%、γ-ブチ
ロラクトンの選択率は50.8%であった。
【0028】実施例12 実施例9において用いたフェニルホスホン酸の代りに、
リン酸ジブチルエステル5ミリモルを使用し、かつ反応
圧を80 kg/cm2とした以外は、実施例9と同様にして反
応を行った結果、無水コハク酸の転化率は99.8%であ
り、1,4-ブタンジオ−ルの選択率は51.6%、テトラヒド
ロフランの選択率は2.4%、γ-ブチロラクトンの選択率
は34.2%であった。
【0029】比較例3 実施例9において用いたフェニルホスホン酸の代りに、
アンモニウムヘキサフルオロホスフェ−ト2.5ミリモル
を使用した以外は、実施例9と同様の反応を行った結
果、無水コハク酸の転化率は98.9%、1,4-ブタンジオ−
ルの選択率は23.9%、テトラヒドロフランの選択率は0.
8%、γ-ブチロラクトンの選択率は60.9%であった。
【0030】
【発明の効果】本発明方法によれば、無水コハク酸、コ
ハク酸又はγ-ブチロラクトンを水素化して1,4-ブタン
ジオ−ルを製造するに際し、前記(イ)、(ロ)及び(ハ)か
らなるルテニウム系触媒を使用し均一液相系で反応を行
なうことにより、従来法に比し温和な条件の下に高い収
率で目的物を製造することができ、その実用上の価値は
大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 29/136 - 29/149 C07C 31/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水コハク酸、コハク酸又はγ-ブチロ
    ラクトンを触媒の存在下で水素化することにより1,4-ブ
    タンジオ−ルを製造する方法において、触媒としてルテ
    ニウム、有機ホスフィン及び次式(1) 【化1】 (式中X、Yは水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原
    子、アルコキシ基、アルキル基及びアリ−ル基から選ば
    れた原子又は基を示す)で表されるリン化合物からなる
    ルテニウム系触媒を使用し、液相で水素化反応を行なう
    ことを特徴とする1,4-ブタンジオ−ルの製造法。
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