JP2906706B2 - 1,4−ブタンジオールの製造法 - Google Patents
1,4−ブタンジオールの製造法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は1,4−ブタンジオール
の製造法に関するものである。詳しくは、無水コハク
酸、コハク酸又はγ−ブチロラクトンから1,4−ブタ
ンジオールを製造する方法の改良に関するものである。
の製造法に関するものである。詳しくは、無水コハク
酸、コハク酸又はγ−ブチロラクトンから1,4−ブタ
ンジオールを製造する方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1,4−ブタンジオールはポリブチレン
テフタレートやポリウレタン等の製造用原料として有用
であり、従来、無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチロ
ラクトンを水素化して1,4−ブタンジオールを製造す
る方法について多数の提案がなされている。例えば銅−
クロム系触媒(特開昭50−20995号公報、特開昭
62−155231号公報)、銅−亜鉛系触媒(米国特
許第4048196号明細書、特開平2−25434号
公報)、銅−モリブデン系触媒(特開昭54−3219
1号公報)、ニッケル系触媒(米国特許第337006
7号明細書)及びルテニウム酸化物系触媒(特開昭57
−109736号公報)等の固体触媒を使用して、固定
床又は懸濁相により水素化反応を行なう方法が知られて
いる。
テフタレートやポリウレタン等の製造用原料として有用
であり、従来、無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチロ
ラクトンを水素化して1,4−ブタンジオールを製造す
る方法について多数の提案がなされている。例えば銅−
クロム系触媒(特開昭50−20995号公報、特開昭
62−155231号公報)、銅−亜鉛系触媒(米国特
許第4048196号明細書、特開平2−25434号
公報)、銅−モリブデン系触媒(特開昭54−3219
1号公報)、ニッケル系触媒(米国特許第337006
7号明細書)及びルテニウム酸化物系触媒(特開昭57
−109736号公報)等の固体触媒を使用して、固定
床又は懸濁相により水素化反応を行なう方法が知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような触媒を使用する従来の方法は、反応条件が苛酷で
ある上、活性及び選択性の点で充分満足し得る水準にあ
るとは言い難いものであった。そこで本発明者等はさき
に、ルテニウム及び有機ホスフィンを含有するルテニウ
ム系触媒を使用し、液相において水素化する方法を提案
した(特開平1−290640号公報)。この方法によ
れば、温和な条件下で水素化反応を行なうことができる
が、反応活性の点でなお充分満足し得るものでなく、一
層の改良が望まれていた。また、この方法で活性促進剤
としてアンモニウムヘキサフルオロホスフェートを添加
すると活性の向上は認められるものの、反応器材質の腐
食や、反応系に存在する水による活性促進剤の変質等の
問題があった。
ような触媒を使用する従来の方法は、反応条件が苛酷で
ある上、活性及び選択性の点で充分満足し得る水準にあ
るとは言い難いものであった。そこで本発明者等はさき
に、ルテニウム及び有機ホスフィンを含有するルテニウ
ム系触媒を使用し、液相において水素化する方法を提案
した(特開平1−290640号公報)。この方法によ
れば、温和な条件下で水素化反応を行なうことができる
が、反応活性の点でなお充分満足し得るものでなく、一
層の改良が望まれていた。また、この方法で活性促進剤
としてアンモニウムヘキサフルオロホスフェートを添加
すると活性の向上は認められるものの、反応器材質の腐
食や、反応系に存在する水による活性促進剤の変質等の
問題があった。
【0004】本発明は、上記従来法による問題点を解決
し、温和な条件下において、無水コハク酸、コハク酸又
はγ−ブチロラクトンを水素化することにより、優れた
収率で効率よく1,4−ブタンジオールを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
し、温和な条件下において、無水コハク酸、コハク酸又
はγ−ブチロラクトンを水素化することにより、優れた
収率で効率よく1,4−ブタンジオールを製造する方法
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、無水コハク酸、
コハク酸又はγ−ブチロラクトンを液相において水素化
して1,4−ブタンジオールを製造する際に、特定の成
分からなるルテニウム系触媒を使用するときは、極めて
温和な条件下で収率よく目的物が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、
無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチロラクトンを触媒
の存在下で水素化することにより1,4−ブタンジオー
ルを製造する方法において、触媒としてルテニウム及び
次の一般式(1)
的を達成するために検討を重ねた結果、無水コハク酸、
コハク酸又はγ−ブチロラクトンを液相において水素化
して1,4−ブタンジオールを製造する際に、特定の成
分からなるルテニウム系触媒を使用するときは、極めて
温和な条件下で収率よく目的物が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、
無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチロラクトンを触媒
の存在下で水素化することにより1,4−ブタンジオー
ルを製造する方法において、触媒としてルテニウム及び
次の一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】 (式中X、Yはアルキル基又はアリール基を示す)で表
されるリン化合物からなるルテニウム系触媒を使用し、
液相で水素化反応を行なうことを特徴とする1,4−ブ
タンジオールの製造法に存する。以下に本発明を詳細に
説明する。
されるリン化合物からなるルテニウム系触媒を使用し、
液相で水素化反応を行なうことを特徴とする1,4−ブ
タンジオールの製造法に存する。以下に本発明を詳細に
説明する。
【0008】本発明の原料物質である無水コハク酸、コ
ハク酸又はγ−ブチロラクトンは、夫々単独であるいは
混合物として用いられる。中でも好ましいのは、γ−ブ
チロラクトン単独、又はγ−ブチロラクトンと無水コハ
ク酸の混合物である。なお、無水コハク酸を原料とした
場合は、これが水素化されてγ−ブチロラクトンが生成
する際に、副生する水により無水コハク酸の一部が反応
系でコハク酸になっているものと考えられる。本発明に
おいて、以下に示す(イ)及び(ロ)からなる触媒成分
を使用するものである。
ハク酸又はγ−ブチロラクトンは、夫々単独であるいは
混合物として用いられる。中でも好ましいのは、γ−ブ
チロラクトン単独、又はγ−ブチロラクトンと無水コハ
ク酸の混合物である。なお、無水コハク酸を原料とした
場合は、これが水素化されてγ−ブチロラクトンが生成
する際に、副生する水により無水コハク酸の一部が反応
系でコハク酸になっているものと考えられる。本発明に
おいて、以下に示す(イ)及び(ロ)からなる触媒成分
を使用するものである。
【0009】(イ)ルテニウム: 本発明におけるルテニウム系触媒を構成するルテニウム
としては、金属ルテニウム及びルテニウム化合物の何れ
も使用することができる。ルテニウム化合物としては、
ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、無機酸
塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体的には例え
ば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、二水酸化ル
テニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ル
テニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、ルテニウ
ムアセチルアセトナート、ヘキサクロロルテニウム酸ナ
トリウム、テトラカルボニルルテニウム酸ジカリウム、
ペンタカルボニルルテニウム、シクロペンタジエニルジ
カルボニルルテニウム、ジブロモトリカルボニルルテニ
ウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ヒドリ
ドルテニウム、ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)ト
リカルボニルルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニ
ウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウ
ム、オクタデカカルボニルヘキサルテニウム酸ジセシウ
ム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテニウム酸テト
ラフェニルホスホニウム等が挙げられる。これ等の金属
ルテニウム及びルテニウム化合物の使用量は、通常反応
溶液1リットル中のルテニウムとして0.0001〜1
00ミリモル程度、好ましくは0.001〜10ミリモ
ルである。
としては、金属ルテニウム及びルテニウム化合物の何れ
も使用することができる。ルテニウム化合物としては、
ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化物、無機酸
塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体的には例え
ば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、二水酸化ル
テニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム、ヨウ化ル
テニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム、ルテニウ
ムアセチルアセトナート、ヘキサクロロルテニウム酸ナ
トリウム、テトラカルボニルルテニウム酸ジカリウム、
ペンタカルボニルルテニウム、シクロペンタジエニルジ
カルボニルルテニウム、ジブロモトリカルボニルルテニ
ウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ヒドリ
ドルテニウム、ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)ト
リカルボニルルテニウム、ドデカカルボニルトリルテニ
ウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラルテニウ
ム、オクタデカカルボニルヘキサルテニウム酸ジセシウ
ム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテニウム酸テト
ラフェニルホスホニウム等が挙げられる。これ等の金属
ルテニウム及びルテニウム化合物の使用量は、通常反応
溶液1リットル中のルテニウムとして0.0001〜1
00ミリモル程度、好ましくは0.001〜10ミリモ
ルである。
【0010】(ロ)一般式(1)で表わされるリン化合
物:
物:
【0011】
【化3】
【0012】 (式中X、Yはアルキル基またはアリール基を示す)本
発明においては、触媒成分として一般式(1)のリン化
合物を使用することが必須の要件である。該化合物は、
主触媒であるルテニウムの電子状態を制御したり、ルテ
ニウムの活性状態を安定化するのに寄与するものと考え
られる。これによって、触媒の主構成成分であるルテニ
ウムの長所を活かして温和な条件下で水素化反応を進行
させると共に、特に触媒活性の向上を図ることができ
る。一般式(1)のリン化合物は、第2級有機ホスフィ
ンオキサイドの構造を有した特徴を有する。このような
リン化合物の具体例としては、X、Yが、通常炭素数1
から15までのアルキル基またはアリール基であり、例
えば、ジフエニルホスフィンオキシド、ジブチルホスフ
ィンオキシド、フエニルトリルホスフィンオキシド、ジ
(p−トリフルオロフエニル)ホスフィンオキシド、ジ
オクチルホスフィンオキシドフエニル、p−クロロフエ
ニルホスフィンオキシド等が挙げられる。このような一
般式(1)のリン化合物の使用量は、ルテニウム1モル
に対して、通常0.01〜1000モル、好ましくは
0.1〜100モルの範囲である。
発明においては、触媒成分として一般式(1)のリン化
合物を使用することが必須の要件である。該化合物は、
主触媒であるルテニウムの電子状態を制御したり、ルテ
ニウムの活性状態を安定化するのに寄与するものと考え
られる。これによって、触媒の主構成成分であるルテニ
ウムの長所を活かして温和な条件下で水素化反応を進行
させると共に、特に触媒活性の向上を図ることができ
る。一般式(1)のリン化合物は、第2級有機ホスフィ
ンオキサイドの構造を有した特徴を有する。このような
リン化合物の具体例としては、X、Yが、通常炭素数1
から15までのアルキル基またはアリール基であり、例
えば、ジフエニルホスフィンオキシド、ジブチルホスフ
ィンオキシド、フエニルトリルホスフィンオキシド、ジ
(p−トリフルオロフエニル)ホスフィンオキシド、ジ
オクチルホスフィンオキシドフエニル、p−クロロフエ
ニルホスフィンオキシド等が挙げられる。このような一
般式(1)のリン化合物の使用量は、ルテニウム1モル
に対して、通常0.01〜1000モル、好ましくは
0.1〜100モルの範囲である。
【0013】また、場合によっては(イ)ルテニウム及
び(ロ)一般式(1)で表わされるリン化合物に加えて
有機ホスフィンを加えてもよい。有機ホスフィンの具体
例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−n
−ホスフィン、ジメチル−n−オクチルホスフィン等の
トリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキシルホスフ
ィンのようなトリシクロアルキルホスフィン類、トリフ
ェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン類、
ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキルアリール
ホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)
エタンのような多官能性ホスフィン等が挙げられる。有
機ホスフィンの使用量は、通常ルテニウム1モルに対し
て0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルで
ある。
び(ロ)一般式(1)で表わされるリン化合物に加えて
有機ホスフィンを加えてもよい。有機ホスフィンの具体
例としては、トリ−n−オクチルホスフィン、トリ−n
−ホスフィン、ジメチル−n−オクチルホスフィン等の
トリアルキルホスフィン類、トリシクロヘキシルホスフ
ィンのようなトリシクロアルキルホスフィン類、トリフ
ェニルホスフィンのようなトリアリールホスフィン類、
ジメチルフェニルホスフィンのようなアルキルアリール
ホスフィン類、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)
エタンのような多官能性ホスフィン等が挙げられる。有
機ホスフィンの使用量は、通常ルテニウム1モルに対し
て0.1〜1000モル、好ましくは1〜100モルで
ある。
【0014】本発明の方法は均一液相において行なわ
れ、この際反応原料または反応生成物を溶媒として使用
することができるが、他の溶媒を使用することもでき
る。このような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテ
ル、アニソール、テトラヒドロフラン、テトラエチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジオキサン等のエーテル類:アセトン、
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類:メ
タノール、エタノール、n−ブタノール、n−オクタノ
ール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルコール類:ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、トルイル酸等のカルボン酸類:酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類:ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラ
リン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、フェニルシクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化炭化水素;N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等のカルボン酸アミド;ヘキサメチル燐
酸トリアミド、N,N,N,’,N’−テトラエチルス
ルファミド等のその他のアミド類;N,N’−ジメチル
イミダゾリドン、N,ルホン、テトラメチレンスルホン
等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフエニルス
ルホキシド等のスルホキシド類;テトラグライム、18
−クラウン−6等のポリエーテル類、アセトニトリル、
ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカーボネー
ト、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類等であ
る。
れ、この際反応原料または反応生成物を溶媒として使用
することができるが、他の溶媒を使用することもでき
る。このような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテ
ル、アニソール、テトラヒドロフラン、テトラエチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジオキサン等のエーテル類:アセトン、
メチルエチルケトン、アセトフェノン等のケトン類:メ
タノール、エタノール、n−ブタノール、n−オクタノ
ール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール等のアルコール類:ギ酸、酢酸、プロ
ピオン酸、トルイル酸等のカルボン酸類:酢酸メチル、
酢酸n−ブチル、安息香酸ベンジル等のエステル類:ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、テトラ
リン等の芳香族炭化水素;n−ヘキサン、n−オクタ
ン、シクロヘキサン、フェニルシクロヘキサン等の脂肪
族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエタン、クロ
ロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、ニ
トロベンゼン等のニトロ化炭化水素;N,N−ジメチル
ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メ
チルピロリドン等のカルボン酸アミド;ヘキサメチル燐
酸トリアミド、N,N,N,’,N’−テトラエチルス
ルファミド等のその他のアミド類;N,N’−ジメチル
イミダゾリドン、N,ルホン、テトラメチレンスルホン
等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフエニルス
ルホキシド等のスルホキシド類;テトラグライム、18
−クラウン−6等のポリエーテル類、アセトニトリル、
ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカーボネー
ト、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類等であ
る。
【0015】本発明の方法により水素化反応を行なうに
は、反応容器に、無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチ
ロラクトン、前記の触媒成分及び所望により溶媒を装入
し、これに水素を導入する。水素は、窒素あるいは二酸
化炭素等の反応に不活性なガスで希釈されたものであっ
てもよい。反応温度は通常50〜250℃、好ましくは
100〜200℃である。工業的に実施する場合の反応
系の水素圧は通常0.1〜200kg/cm2 、好ましくは
1〜150kg/cm2 である。反応は回分方式及び連続方
式の何れでも実施することができ、回分方式の場合の所
要反応時間は通常1〜20時間である。
は、反応容器に、無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチ
ロラクトン、前記の触媒成分及び所望により溶媒を装入
し、これに水素を導入する。水素は、窒素あるいは二酸
化炭素等の反応に不活性なガスで希釈されたものであっ
てもよい。反応温度は通常50〜250℃、好ましくは
100〜200℃である。工業的に実施する場合の反応
系の水素圧は通常0.1〜200kg/cm2 、好ましくは
1〜150kg/cm2 である。反応は回分方式及び連続方
式の何れでも実施することができ、回分方式の場合の所
要反応時間は通常1〜20時間である。
【0016】なお、無水コハク酸又はコハク酸を原料と
する場合は、反応の進行に伴って水が副生するが、スト
リッピング等の反応方式により、例えば反応系に水素を
連続的に流通させることによって、副生する水を反応系
外に除去しながら反応を実施すれば一層高い反応活性が
達成できる。反応終了後、反応生成液から蒸留、抽出等
の通常の分離手段により、目的物である1,4−ブタン
ジオールを得ることができる。蒸留残渣は触媒成分とし
て反応系に循環することができる。
する場合は、反応の進行に伴って水が副生するが、スト
リッピング等の反応方式により、例えば反応系に水素を
連続的に流通させることによって、副生する水を反応系
外に除去しながら反応を実施すれば一層高い反応活性が
達成できる。反応終了後、反応生成液から蒸留、抽出等
の通常の分離手段により、目的物である1,4−ブタン
ジオールを得ることができる。蒸留残渣は触媒成分とし
て反応系に循環することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明を実施例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
【0018】実施例1 70mlのスピナー撹拌ミクロオートクレーブに、ルテニ
ウムアセチルアセトナート0.05ミリモル、ジフエニ
ルホスフィンオキシド0.5ミリモル、γ−ブチロラク
トン78.0ミリモル及びm−キシレン(溶媒)14ml
を仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換し室温に
て水素ガスを50kg/cm2 圧入後、200℃で3時間水
素化反応を行なった。反応終了後、ガスクロマトグラフ
ィーにより反応生成物を分析したところ、1,4−ブタ
ンジオールの生成量は15.5ミリモルであった。な
お、2.6ミリモルのテトラヒドロフラン及び3.1ミ
リモルのn−ブタノールの副生が認められた。
ウムアセチルアセトナート0.05ミリモル、ジフエニ
ルホスフィンオキシド0.5ミリモル、γ−ブチロラク
トン78.0ミリモル及びm−キシレン(溶媒)14ml
を仕込み、オートクレーブ内を窒素ガスで置換し室温に
て水素ガスを50kg/cm2 圧入後、200℃で3時間水
素化反応を行なった。反応終了後、ガスクロマトグラフ
ィーにより反応生成物を分析したところ、1,4−ブタ
ンジオールの生成量は15.5ミリモルであった。な
お、2.6ミリモルのテトラヒドロフラン及び3.1ミ
リモルのn−ブタノールの副生が認められた。
【0019】実施例2 実施例1において用いたm−キシレンの代りに、溶媒と
してn−オクタノール14mlを使用し、その他は実施例
1と同様の操作を行なったところ、1,4−ブタンジオ
ールの生成量は15.0ミリモルであった。なお、テト
ラヒドロフラン及びn−ブタノールの副生量は、夫々
1.9ミリモル及び3.9ミリモルであった。
してn−オクタノール14mlを使用し、その他は実施例
1と同様の操作を行なったところ、1,4−ブタンジオ
ールの生成量は15.0ミリモルであった。なお、テト
ラヒドロフラン及びn−ブタノールの副生量は、夫々
1.9ミリモル及び3.9ミリモルであった。
【0020】実施例3 実施例1においてトリオクチルホスフィンを0.5ミリ
モルを更に使用した以外は実施例1と同様の操作を行っ
たところ、1,4−ブタンジオールの生成量は20.8
ミリモルであった。なお、テトラヒドロフランの副生量
は1.9ミリモルであり、n−ブタノールの副生は認め
られなかった。
モルを更に使用した以外は実施例1と同様の操作を行っ
たところ、1,4−ブタンジオールの生成量は20.8
ミリモルであった。なお、テトラヒドロフランの副生量
は1.9ミリモルであり、n−ブタノールの副生は認め
られなかった。
【0021】実施例4 70mlのスピナー撹拌ミクロオートクレーブにルテニウ
ムアセチルアセトナート0.1ミリモル、ジフェニルホ
スフィンオキシド1.0ミリモル、トリオクチルホスフ
ィン1.0ミリモル、γ−ブチロラクトン30.0ミリ
モル、無水コハク酸30.0ミリモル及びm−キシレン
14mlを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換し室温
で水素ガスを70kg/cm2 圧入後、210℃で6時間水
素化反応を行った。反応液を分析したところ、1,4−
ブタンジオール20.5ミリモル、テトラヒドロフラン
4.6ミリモル、γ−ブチロラクトン33.8ミリモル
が確認された。
ムアセチルアセトナート0.1ミリモル、ジフェニルホ
スフィンオキシド1.0ミリモル、トリオクチルホスフ
ィン1.0ミリモル、γ−ブチロラクトン30.0ミリ
モル、無水コハク酸30.0ミリモル及びm−キシレン
14mlを仕込み、オートクレーブ内を窒素で置換し室温
で水素ガスを70kg/cm2 圧入後、210℃で6時間水
素化反応を行った。反応液を分析したところ、1,4−
ブタンジオール20.5ミリモル、テトラヒドロフラン
4.6ミリモル、γ−ブチロラクトン33.8ミリモル
が確認された。
【0022】比較例1 実施例1において用いたジフエニルホスフィンオキシド
の代りに、トリオクチルホスフィンを0.5、ミリモル
を使用し、その他は実施例1と同様の操作を行なったと
ころ、1,4−ブタンジオールの生成量は10.5ミリ
モルであった。なお、テトラヒドロフランの副生量は
0.7ミリモルであり、n−ブタノールの副生は認めら
れなかった。
の代りに、トリオクチルホスフィンを0.5、ミリモル
を使用し、その他は実施例1と同様の操作を行なったと
ころ、1,4−ブタンジオールの生成量は10.5ミリ
モルであった。なお、テトラヒドロフランの副生量は
0.7ミリモルであり、n−ブタノールの副生は認めら
れなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明方法によれば、無水コハク酸、コ
ハク酸又はγ−ブチロラクトンを水素化して1,4−ブ
タンジオールを製造するに際し、前記(イ)及び(ロ)
からなるルテニウム系触媒を使用し均一液相系で反応を
行なうことにより、従来法に比し温和な条件の下に高い
収率で目的物を製造することができ、その実用上の価値
は大きい。
ハク酸又はγ−ブチロラクトンを水素化して1,4−ブ
タンジオールを製造するに際し、前記(イ)及び(ロ)
からなるルテニウム系触媒を使用し均一液相系で反応を
行なうことにより、従来法に比し温和な条件の下に高い
収率で目的物を製造することができ、その実用上の価値
は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 平4−21644(JP,A) 特開 平1−290640(JP,A) 特開 平2−200648(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 29/136 - 29/149 C07C 31/20
Claims (1)
- 【請求項1】 無水コハク酸、コハク酸又はγ−ブチロ
ラクトンを触媒の存在下で水素化することにより1,4
−ブタンジオールを製造する方法において、触媒として
ルテニウム及び次の一般式(1) 【化1】 (式中X、Yはアルキル基又はアリール基を示す)で表
されるリン化合物からなるルテニウム系触媒を使用し、
液相で水素化反応を行なうことを特徴とする1,4−ブ
タンジオールの製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-269905 | 1990-10-08 | ||
JP26990590 | 1990-10-08 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04217636A JPH04217636A (ja) | 1992-08-07 |
JP2906706B2 true JP2906706B2 (ja) | 1999-06-21 |
Family
ID=17478855
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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---|---|
JP (1) | JP2906706B2 (ja) |
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DE60108499T2 (de) * | 2000-06-26 | 2005-12-29 | E.I. Du Pont De Nemours And Co., Wilmington | Katalyse mit phosphinoxid- und sulfoxidverbindungen |
GB0210143D0 (en) | 2002-05-02 | 2002-06-12 | Davy Process Techn Ltd | Process |
GB0325384D0 (en) | 2003-10-30 | 2003-12-03 | Davy Process Techn Ltd | Process |
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-
1991
- 1991-03-20 JP JP3057031A patent/JP2906706B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
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