JPH03204870A - ラクトン類の製造法 - Google Patents

ラクトン類の製造法

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JPH03204870A
JPH03204870A JP2246341A JP24634190A JPH03204870A JP H03204870 A JPH03204870 A JP H03204870A JP 2246341 A JP2246341 A JP 2246341A JP 24634190 A JP24634190 A JP 24634190A JP H03204870 A JPH03204870 A JP H03204870A
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大竹 正之
Chihiro Miyazawa
宮沢 千尋
Kazunari Takahashi
和成 高橋
Hiroshi Kameo
広志 亀尾
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はラクトン類の製造法に間するものである。詳し
くは、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジ
カルボン酸エステルをルテニウム系触媒の存在下におい
て液相で水素化することによりラクトン類を製造する方
法の改良に間するものである。
(従来の技術) ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボ
ン酸エステルを水素化してラクトン類を製造する方法は
古くから検討されており、これまでに多数の提案がなさ
れている。例えば触媒として、ニッケル系触媒(特公昭
43−6947号公報)、コバルト系触媒(特開昭51
−95057号公報)、銅−クロム系触媒(特公昭3B
−20119号公報)、銅−亜鉛系触媒(特公昭42−
14463号公報)等の固体触媒を使用して、固定床又
は懸濁液相により水素化反応を行なう方法が知られてい
る。
一方、均一系のルテニウム系触媒を使用して上記の水素
化反応を行なう方法も知られ、例えば米国特許3957
827号には、[RuXn(PR+R2Ra)xLyl
型のルテニウム系触媒を使用し40〜400 psiの
加圧下で水素化してラクトン類を製造する方法が記載さ
れ、また米国特許4485246号には、同様の触媒に
よる水素化反応を有機アミンの存在下で行なうことが記
載されている。
(発明が解決しようとする!!B) しかしながら、上記のニッケル系触媒、コバルト系触媒
、銅−クロム系触媒、銅−亜鉛系触媒等の固体触媒を使
用する従来の方法は、反応条件が、250℃以上かつ数
十気圧以上の苛酷な条件の採用は避けられないという問
題点があった。一方、上記均一系のルテニウム系触媒を
使用する方法は、比較的温和な条件下で水素化反応が進
行するという特徴がある半面、触媒活性がやや低水準で
あるうえ、触媒寿命が短かく、またハロゲンを使用して
いるため反応装置の腐蝕が生ずるという問題がある。
そこで本出願人は、先に触媒としてルテニウム、有機ホ
スフィン及びpKa値が2より小さい酸の共役塩基を含
有するルテニウム系触媒を使用し、液相で水素化する方
法を提案した(特開平1−25771号公報)、この方
法によれば高活性なルテニウム系触媒を使用するため、
温和な条件下で少量の触媒の使用により良好に水素化反
応を行うことができるが、反応生成物からラクトン類を
分離した触媒液を水素化反応に循環して、水素化反応を
継続すると、目的とするラクトン類の収率が低下すると
共に触媒活性が低下する問題がある。
本発明はルテニウム系触媒を使用する方法における上述
の問題を解決し、ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及
び/又はジカルボン酸エステルから、工業的有利にラク
トン類を製造することを目的とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明等は、ルテニウム系触媒を使用し上記の水素化反
応を継続した場合に、ラクトン類の収率が低下すると共
に触媒活性が低下する原因について検討した結果、触媒
成分中の有機ホスフィンの一部が、原料ジカルボン酸類
と反応することによるとの知見を得た。
本発明者等は上記の知見に基づいて更に検討した結果、
ルテニウム、有機ホスフィン及びpKa値が2より小さ
い酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒を使用して
ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボ
ン酸エステルを液相で水素化することによりラクトン類
を製造する場合、水素化反応生成物からラクトン類を分
離した触媒液を水素化反応に循環使用し、かつ水素化反
応帯域の液相における遊離の有機ホスフィンの濃度を0
.01〜0.1重量%の範囲に保持すると、ラクトン類
の収率が低下することなく、しかも安定した触媒活性が
保持されて効率よくラクトン類を製造することができる
ことを確認し本発明を達成した。
即ち、本発明の要旨は、ジカルボン酸、ジカルボン酸無
水物及び/又はジカルボン酸エステルを、(イ)ルテニ
ウム、(c2)有機ホスフィン及び(ハ)pKaが2よ
りも小さい酸の共役塩基を含有するルテニウム系触媒の
存在下において液相で水素化することによりラクトン類
を製造する方法において、水素化反応生成物からラクト
ン類を分離した触媒液を水素化反応に循環し、かつ水素
化反応帯域の液相における遊離の有機ホスフィンの濃度
を0.01〜0.1重量%の範囲に保持することを特徴
とするラクトン類の製造法に存する。
本発明の詳細な説明するに、本発明における原料物質と
しては、炭素数3〜7の飽和又は不飽和のジカルボン酸
、それ等の無水物、もしくはそれ等のエステルが挙げら
れ、エステルとしては低級アルキルエステルが好ましい
。具体的には例えば、マレイン酸、フマール酸、コハク
酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、マレイン酸ジメチ
ル、フマール酸ジエチル、コハク酸−ジ−n−ブチル等
が使用される。
本発明におけるルテニウム系触媒としては、その詳細は
後述するが、(イ)ルテニウム、(ロ)有機ホスフィン
及び(ハ)pKaが2より小さい酸の共役塩基を含有す
るルテニウム系触媒、あるいはこのルテニウム系触媒に
更に(ニ)中性配位子を含有させた触媒が挙げられる。
本発明は、上述のジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及
び/又はジカルボン酸エステルを上記ルテニウム系触媒
の存在下に液相で水素化してラクトン類を製造する際に
、水素化反応生成物からラクトン類を分離した触媒液を
水素化反応に循環し、かつ水素化反応帯域の液相におけ
る遊離の有機ホスフィンの濃度を0.01〜0.1重量
%、好ましくは0.02〜0.05重量%の範囲に保持
することを骨子とするものである。液相中の遊離の有機
ホスフィンの濃度が0.1重量%を超えると、原料と反
応して高沸点物が副生じ、一方、遊離の有機ホスフィン
の濃度が0.01重量%未溝の場合には、ルテニウム錯
体中の有機ホスフィンまでが副反応に消費されるものと
考えられ、反応液中にルテニウム金属の析出が認められ
、触媒活性の低下も著しい。更に、有機ホスフィンは非
常に酸化され易く、連続運転中に有機ホスフィンオキシ
トとして消費されることが判明し、その分の補給も考慮
する必要がある。
反応帯域の有機ホスフィンの濃度を上記の範囲に調節す
るには、例えば触媒液を反応器に循環する経路に有機ホ
スフィンの供給容器を設置し、触媒液中の遊離の有機ホ
スフィンの濃度が0.01〜0.1!量%となるような
量の有機ホスフィンを、この容器から随時補給する方法
が採用される。
このような方法により、原料物質との有機ホスフィンと
の反応に基づく副反応が抑制されてラクトン類の収率が
向上すると共に、触媒活性が安定に保持される。
以下に本発明をさらに詳細に説明するに、本発明におけ
る前示(イ)ルテニウム、(ロ)有機ホスフィン及び(
ハ)pKa値が2より小さい酸の共役塩基を含有し、場
合により中性配位子を含有していてもよいルテニウム系
触媒の詳細は次の通りである。
(イ)ルテニウム: ルテニウムとしては、金属ルテニウム及びルテニウム化
合物の何れも使用することができる。ルテニウム化合物
としては、ルテニウムの酸化物、ハロゲン化物、水酸化
物、無機酸塩、有機酸塩又は錯化合物が使用され、具体
的には例えば、二酸化ルテニウム、四酸化ルテニウム、
三水酸化ルテニウム、塩化ルテニウム、臭化ルテニウム
、ヨウ化ルテニウム、硝酸ルテニウム、酢酸ルテニウム
、ルテニウムアセチルアセトナート、ヘキサクロロルテ
ニウム酸ナトリウム、テトラカルボニルルテニウム酸ジ
カリウム、ペンタカルボニルルテニウム、シクロペンタ
ジエニルジ力ルポニルルテニウム、ジブロモトリカルボ
ニルルテニウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィ
ン)ヒドリドルテニウム、ビス(トリーn−ブチルホス
フィン)トリカルボニルルテニウム、ドデカカルボニル
トリルテニウム、テトラヒドリドデカカルボニルテトラ
ルテニウム、オクタデカカルボニルへキサルテニウム酸
ジセシウム、ウンデカカルボニルヒドリドトリルテニウ
ム酸テトラフェニルホスホニウム等が挙げられる。これ
等の金属ルテニウム及びルテニウム化合物の使用量は、
反応溶液1リツトル中のルテニウムとして通常0.01
−100ミリモル、好ましくは0.1〜10ミリモルで
ある。
(ロ)有機ホスフィン: 有機ホスフィンは、主触媒である(イ)のルテニウムの
電子状態を制御したり、ルテニウムの活性状態を安定化
するのに寄与するものと考えられる。
有機ホスフィンの具体例としては、トリーローオクチル
ホスフィン、トリーn−ブチルホスフィン、ジメチル−
n−オクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類
、トリシクロヘキシルホスフィンのようなトリシクロア
ルキルホスフィン類、トリフェニルホスフィンのような
トリアリールホスフィン類、ジメチルフェニルホスフィ
ンのようなアルキルアリールホスフィン類、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタンのような多官能性ホ
スフィン類が挙げられる。有機ホスフィンの使用量は、
ルテニウム1モルに対して、通常0.1〜!00モル程
度、好ましくは3〜100モルである。また、有機ホス
フィンは、それ自体単独で、あるいはルテニウム系触媒
との複合体の形で、反応系に供給することができる。
(ハ)ρにa値が2より小さい酸の共役塩基=pKa値
が2より小さい酸の共役塩基は、ルテニウム系触媒の付
加的促進剤として作用し、触媒調製中又は反応系中にお
いて、pKamが2より小さい酸の共役塩基を生成する
ものであればよく、その供給形態としては、pKa値が
2より小さいブレンステッド酸又はその各種の塩等が用
いられる。具体的には1えば、硫酸、亜硫酸、硝酸、亜
硝酸、過塩素酸、燐酸、ホウフッ化水索酸、ヘキサフル
オロ燐酸、タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タング
ステン酸、シリコンタングステン酸、ポリケイ酸、フル
オロスルホン酸等の無機酸類、トリクロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフ
ルオロメタンスルホン酸、ラウリルスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p−)ルエンスルホン酸等の有機酸、あ
るいはこれ等の酸のアンモニウム塩、ホスホニウム塩が
挙げられる。また、これ等の酸の共役塩基が反応系で生
成すると考えられる酸誘導体、例えば酸ハロゲン化物、
酸無水物、エステル、酸アミド等の形で添加しても同様
の効果が得られる。これ等の酸又はその塩の使用量は、
ルテニウム1モルに対して通常0.5〜100モル、好
ましくは1〜20モルの範囲である。
上記(イ)、(ロ)及び(ハ)の成分の外に、場合によ
り含有することができる(二)中性配位子としては、水
素、エチレン、プロピレン、ブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ブタジェン、シクロペンタジェン、シ
クロオクタジエン、ツルボナシエン等のオレフィン類、
ジエチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒ
ドロフラン、アセトン、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、シクロヘキサノン、プロピオン酸、カプロン酸、酪
酸、安息香酸、酢酸エチル、酢酸アリル、安息香酸ベン
ジル、ステアリン酸ベンジル等の含酸素化合物、酸化窒
素、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル、シクロヘキシルイソニトリル、ブチルアミン、アニ
リン、トルイジン、トリエチルアミン、ビロール、ピリ
ジン、N−メチルホルムアミド、アセトアミド、1,1
.3.3−テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、
カプロラクタム、ニトロメタン等の含窒素化合物、二硫
化炭素、n−ブチルメルカプタン、チオフェノール、ジ
メチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、チオフェン
、ジメチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド等の
含硫黄化合物、トリブチルホスフィンオキシト、エチル
ジフェニルホスフィンオキシト、トリフェニルホスフィ
ンオキシト、ジエチルフェニルホスフィネート、ジフェ
ニルメチルホスフィネート、ジフェニルエチルホスフィ
ネート、0,0−ジメチルメチルホスホノチオレート、
トリエチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、
トリエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、
ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の有機ホスフィ
ン以外の含燐化合物が挙げられる。
本発明の方法は、特に溶媒を使用せず、原料物質または
反応生成物自体を溶媒として実施することができるが、
原料物質以外に他の溶媒を使用することもできる。
このような溶媒としては、例えばジエチルエーテル、ア
ニソール、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジ
エチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テル、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、アセトフェノン等のケトン類;メタノール
、エタノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、
エチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコ
−ルミ;フェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ト
ルイル酸等のカルボン酸類;酢酸メチル、酢酸n−ブチ
ル、安息香酸ベンジル等のエステル類;ベンゼン、トル
エン、エチルベンゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素
;n−ヘキサン、n−オクタン、シクロヘキサン等の脂
肪族炭化水素;ジクロロメタン、トリクロロエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ニトロメタン、
ニトロベンゼン等のニトロ化炭化水素; N、N−ジメ
チルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン等のカルボン酸アミド;ヘキサメチ
ルリン酸トリアミド、N、N、N’、N’−テトラエチ
ルスルファミド等のその他のアミド類; N、N’−ジ
メチルイミダゾリトン、N、N、N、N−テトラメチル
尿素等の尿素類;ジメチルスルホン、テトラメチレンス
ルホン等のスルホン類;ジメチルスルホキシド、ジフェ
ニルスルホキシド等のスルホキシド類;γ−ブチロラク
トン、ε−カプロラクトン等のラクトン類;トリプライ
ム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テト
ラグライム(テトラエチレングリコールジメチルエーテ
ル)、18−クラウン−6等のポリエーテル類、アセト
ニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類;ジメチルカ
ーボネート、エチレンカーボネート等の炭酸エステル類
が挙げられる。
ルテニウム系触媒を調製するには、例えば、上述の触媒
成分を含む溶液を不活性ガス気圏下で加熱処理すればよ
い。得られた触媒は、ルテニウムl原子当り2〜4個程
度の有機ホスフィンが配位した錯体構造を形成している
ものと考えられる。そして錯体を形成していない余剰の
有機ホスフィンのみがガスクロマトグラフィーにより遊
離のホスフィンとして定量される。また、触媒系にpk
aが2より小さい酸の共役塩基を共存させた場合には、
遊離の有機ホスフィン濃度が更に減少することから、該
共役塩基と有機ホスフィンとの間にも溶液中で安定な錯
体が形成されていると考えられる。
本発明の方法により、水素化反応を行うには、反応容器
に、原料物質並びに有機ホスフィンの濃度を予め調節し
た前記の触媒成分を含む触媒液を導入し、さらに水素を
通人する。水素は、窒素あるいは二酸化炭素等の反応に
不活性なガスで希釈されたものであってもよい。反応温
度は通常50〜250℃、好ましくは100〜220℃
である。反応系内の水素分圧は特に限られるものではな
いが、工業的実施上は通常0.1〜100 kg/c■
2G、好ましくは1〜50 kg/cm2Gである0反
応生成液から蒸留、抽出等の通常の分離精製手段により
目的物であるラクトン類を採取する。
ラクトン類を分離した触媒液は、その組成を定常的にチ
エツクして、触媒液中の有機ホスフィン濃度を常に前記
の所定濃度に保持するように、循環過程において適宜有
機ホスフィンを補給して反応容器に循環する。
(実施例) 以下本発明を実施例及び比較例について更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限りこれ等の実施
例に限定されるものではない。
なお、反応生成物及び遊離の有機ホスフィンはガスクロ
マトグラフィーにより分析した。
実施例1 触媒液の調製: ルテニウムアセチルアセトナート0.296 g、 )
リオクチルホスフィン1.11 g及びρ−トルエンス
ルホン酸0.485 gをトリエチレングリコールジメ
チルエーテル238gに溶解し、窒素雰囲気下において
200℃で2時間加熱処理して触媒液を調製した。
触媒液中の遊離のトリオクチルホスフィン濃度は0.0
41重量%であった。
水素化反応: 上記触媒液全量を5001の5usat加圧釜に仕込み
、更に無水コハク酸60 gを加えて180℃に昇温し
、水素圧40 kg/cm2Gで1時閉水素化反応を行
った。
反応液を分析したところ、無水コハク酸の転化率は71
%であり、γ−ブチロラクトンの選択率は98%であっ
た。また、反応液中の遊離のトリオクチルホスフィン濃
度は0.02重量%に低下した。
実施例2 第1図に示す流通型反応装置を使用して水素化反応を実
施した。第1図において、lは反応器、2は触媒容器、
3は圧縮機、4は原料容器、5は気液分離器、6は蒸留
塔、7は有機ホスフィン容器である。
触媒液のma: 0.39 gのルテニウムアセチルアセトナート、3.
70 gのトリオクチルホスフィン及び1.60 gの
p−トルエンスルホン酸をトリエチレングリコールジメ
チルエーテルに溶解して全体で1000 mlとし、窒
素雰囲気下において200℃で2時間加熱処理して触媒
液を調製して触媒容器2に仕込んだ、触媒液中の遊離の
トリオクチルホスフィン濃度は0.043重量%であっ
た。
水素化反応: この触媒液を触媒容器2から131 g/hrの流量で
反応器1 (500get加圧釜)に供給し、水素ガス
を圧縮機3から320 Nl/ hrの流量で反応器1
に供給し、反応器lの圧力を40 kg/cw2G、温
度を205℃に保持した。一方、無水コハク酸80重量
%及びγ−ブチロラクトン20重量%からなる原料液を
、原料容器4から193/hrの流量で連続的に反応器
lに供給して水素化反応を行った。
反応混合物は気液分離器5に導入して廃ガスをパージし
た。ガス分離後の反応生成液は蒸留塔6に送給して、塔
頂から生成γ−ブチロラクトン及び水を蒸留分離し、触
媒液は塔底から抜出して触媒容器2に循環した。一方、
触媒液中の遊離のトリオクチルホスフィンの濃度を0.
04重量%に保持するように、有機ホスフィン容器7か
らトリオクチルホスフィンを連続的に供給した。
このような方法により30日間運転を継続し、生成物を
分析したところ、γ−ブチロラクトンの選択率及び収率
は96.3%であり、反応開始5日以降の原料転化率は
100%であった。
実施例3 実施例2において、触媒液中の遊離のトリオクチルホス
フィンの濃度をo、io重量%に保持した以外は、実施
例2と同様にして30日間運転を継続し、生成物を分析
したところ、r−ブチロラクトンの選択率は93.9%
であり、収率は93.0%であり、反応開始5日以降の
原料転化率は99%であった。
比較例1 実施例2において、触媒液中の遊離のトリオクチルホス
フィンの濃度を0.15重量%に保持した以外は、実施
例2と同様にして30日間運転を継続し、生成物を分析
したところ、γ−ブチロラクトンの選択率は87.0%
であり、収率は85.3%であり、反応開始5日以降の
原料転化率は98%であった。
チルホスフィンの濃度を0.20重量%に保持した以外
は、実施例2と同様にして30日間運転を継続し、生成
物を分析したところ、γ−ブチロラクトンの選択率は6
7.8%であり、収率は65.1%であり、反応開始5
日以降の原料転化率は96%であった。
実施例4〜8及び比較例3〜4 実施例2において、容器7からトリオクチルホスフィン
を供給せず、その他は実施例2と同様にして水素化反応
を実施した。
反応開始から1日〜5日後における反応液中の遊離のト
リオクチルホスフィン(TOP)濃度、原料転化率及び
γ−ブチロラクトン(G B L ’)の選択率を表1
に示す、また、比較例として、反応開始から6日後及び
7日後における結果を表1に併記する。
表1 (注)TOP:)リオクチルホスフィンGBL:γ−ブ
チロラクトン 表1に示すように、遊離のトリオクチルホスフィン濃度
は反応開始から6日後にはo、oos重量%に低下し、
7日後には0.001重量%以下となり、γ−ブチロラ
クトンの選択率は大幅に低下した。
(発明の効果) 本発明方法によれば、ルテニウム触媒を使用してジカル
ボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジカルボン酸エ
ステルを液相で水素化することによりラクトン類を製造
する場合に、水素化反応生成物からラクトン類を分離し
た触媒液を水素化反応に循環使用し、かつ水素化反応帯
域の液相における遊離の有機ホスフィンの濃度を0.0
1〜0.1重量%の範囲に保持することにより、ラクト
ン類の収率が向上すると共に触媒活性が安定に保持され
、工業的に実施する場合の価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施に使用される流通型反応設備の工
程図を示す。 図中1は反応器、2は触媒容器、3は圧縮機、4は原料
容器、5は気液分離器、6は蒸留塔、7は有機ホスフィ
ン容器である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ジカルボン酸、ジカルボン酸無水物及び/又はジ
    カルボン酸エステルを、(イ)ルテニウム、(ロ)有機
    ホスフィン及び(ハ)pKaが2よりも小さい酸の共役
    塩基を含有するルテニウム系触媒の存在下において液相
    で水素化することによりラクトン類を製造する方法にお
    いて、水素化反応生成物からラクトン類を分離した触媒
    液を水素化反応に循環し、かつ水素化反応帯域の液相に
    おける遊離の有機ホスフィンの濃度を0.01〜0.1
    重量%の範囲に保持することを特徴とするラクトン類の
    製造法。
JP2246341A 1989-10-04 1990-09-18 ラクトン類の製造法 Expired - Fee Related JP2516836B2 (ja)

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JP25796089 1989-10-04

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