JP3498457B2 - アルカジエノール類の連続的製造方法 - Google Patents

アルカジエノール類の連続的製造方法

Info

Publication number
JP3498457B2
JP3498457B2 JP33182395A JP33182395A JP3498457B2 JP 3498457 B2 JP3498457 B2 JP 3498457B2 JP 33182395 A JP33182395 A JP 33182395A JP 33182395 A JP33182395 A JP 33182395A JP 3498457 B2 JP3498457 B2 JP 3498457B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
palladium
reaction
butadiene
octadiene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33182395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08231450A (ja
Inventor
知行 森
広志 亀尾
真治 磯谷
壮一郎 斉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP33182395A priority Critical patent/JP3498457B2/ja
Publication of JPH08231450A publication Critical patent/JPH08231450A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3498457B2 publication Critical patent/JP3498457B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカジエノール
類の連続的製造方法に関する。詳しくは本発明は、高い
転化率及び選択率でアルカジエノール類を連続的に製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカジエノール類、特に、オクタ−
2,7−ジエン−1−オールを初めとするオクタジエノ
ール類は、n−オクタノール又はそのエステル等を製造
するための中間体として、工業的に重要な化合物であ
る。
【0003】従来、アルカジエノール類の製造法として
は、パラジウム化合物及びリン化合物より成る触媒およ
び二酸化炭素の存在下、共役アルカジエンと水とを反応
させて共役アルカジエンを水和二量化反応させる方法が
知られている。例えば、特公昭50−10565号公報
には、パラジウム化合物の配位子としてトリフェニルホ
スフィンを使用した水和二量化反応が記載されている。
しかしながら、アルカジエノール類の収率は十分ではな
く、例えば、ジアルカジエニルエーテル類およびアルカ
トリエン類などが副生する。
【0004】特公平5−67129号公報には、アルカ
ジエノール類(オクタ−2,7−ジエン−1−オール)
の選択率を高める方法として、パラジウム及び親水性リ
ン化合物より成る触媒を使用し、アミンの存在下または
不存在下、生成物であるアルカジエノール類に対する原
料の共役アルカジエン(1,3−ブタジエン)のモル比
を0.6以上に維持して連続的に反応を行う方法が提案
されている。
【0005】上記文献には、反応液中の共役アルカジエ
ン濃度を高く維持して共役アルカジエンの転化率を低く
した場合にアルカジエノール類が高い選択率で得られる
こと、逆に言えば、反応液中の共役アルカジエン濃度を
低く維持して転化率を例えば70%以上に上げるとアル
カジエノール類の選択率が低下することが示されてい
る。換言すれば、良好な選択率と転化率とは二律背反の
関係にあって両立させることは困難とされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共役ア
ルカジエンの転化率が低いことは生産効率が低いことを
意味し、工業的には必ずしも有利ではない。また、反応
液中の共役アルカジエン濃度を高く維持するためには、
反応液から放出された未反応共役アルカジエンを反応器
に循環するための圧縮機を大型とする必要があり、高価
であるばかりか動力費も嵩み工業的に不利である。
【0007】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、反応液中の共役アルカジエン濃度を
高くすることなしに選択率と転化率とを高めた工業的に
有利なアルカジエノール類の連続的製造方法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく種々検討を重ねた結果、従来、高選択率
は得られないとされていた高転化率の条件下において、
触媒成分として疎水性のリン化合物を使用し且つアミン
の共存下に反応を行うならば、反応器中の共役アルカジ
エン濃度が低い条件下で共役アルカジエンの高い転化率
を維持したままアルカジエノール類の選択率を高めるこ
とが出来るとの知見を得た。
【0009】本発明は、上記の知見を基に完成されたも
のであり、その要旨は、連続式反応器内において、パラ
ジウム化合物及びリン化合物を含む触媒および二酸化炭
素の存在下、共役アルかジエンを水和二量化反応させて
アルカジエノール類を連続的に製造するに当たり、リン
化合物として疎水性リン化合物を使用し、かつ、アミン
類の存在下、反応器内の反応液中の共役アルカジエンの
濃度を0.5〜4.5重量%の範囲に維持して反応を行
うことを特徴とするアルカジエノール類の連続的製造方
法、に存する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
原料の共役アルカジエンとしては、1,3−ブタジエ
ン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエン、クロロプレン、1,3−オクタジエン等が挙げ
られる。そして、入手容易な1,3−ブタジエン原料と
しては、精製1,3−ブタジエンの他、いわゆるBBP
(ブテン−ブタジエン留分)、即ち、ナフサ分解生成物
中のC4 留分混合物などが挙げられる。
【0011】BBPを原料とする場合は、原料BBP中
に含有されるアセチレン類およびアレン類を予め分解除
去しておくことが望ましい。1,3−ブタジエン原料中
のアセチレン類およびアレン類の総濃度は、可能な限り
低いことが望ましいが、通常、1,3−ブタジエンに対
して約1.0重量%以下とされる。アセチレン類および
アレン類を低減化する方法は、特に限定されず、公知の
方法が適宜採用可能である。他の原料である水として
は、水和二量化反応に影響を与えない程度の純度の水が
使用される。
【0012】触媒として使用するパラジウム化合物の形
態およびその原子価状態は限定されない。パラジウム化
合物の例としては、パラジウム黒、担体付パラジウム金
属などの金属パラジウム;ビス(t−ブチルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(t−アミルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(シクロヘキシルイソニト
リル)パラジウム(0)、ビス(フェニルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(p−トリルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、ビス(2,6−ジメチルフェニ
ルイソニトリル)パラジウム(0)、トリス(ジベンジ
リデンアセトン)二パラジウム(0)、(1,5−シク
ロオクタジエン)(無水マレイン酸)パラジウム
(0)、ビス(ノルボルネン)(無水マレイン酸)パラ
ジウム(0)、ビス(無水マレイン酸)(ノルボルネ
ン)パラジウム(0)、(ジベンジリデンアセトン)
(ビピリジル)パラジウム(0)、(p−ベンゾキノ
ン)(o−フェナントロリン)パラジウム(0)等の0
価パラジウム錯体;テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、トリス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ビス(トリトリルホスフィン)
パラジウム(0)、ビス(トリキシリルホスフィン)パ
ラジウム(0)、ビス(トリメシチルホスフィン)パラ
ジウム(0)、ビス(トリテトラメチルフェニル)パラ
ジウム(0)、ビス(トリメチルメトキシフェニルホス
フィン)パラジウム(0)等のホスフィン化合物を配位
子として持つテトラキス(ホスフィン)パラジウム、ト
リス(ホスフィン)パラジウム、ビス(ホスフィン)パ
ラジウム錯体および対応するホスフィン化合物を配位子
として有するテトラキス(ホスファイト)パラジウム、
トリス(ホスファイト)パラジウム、ビス(ホスファイ
ト)パラジウム錯体;塩化パラジウム(II)、硝酸パラ
ジウム(II)、テトラアンミンジクロロパラジウム(I
I)、ジナトリウムテトラクロロパラジウム(II)等の
パラジウム無機塩;酢酸パラジウム(II)、安息香酸パ
ラジウム(II)、α−ピコリン酸パラジウム(II)等の
パラジウムカルボン酸塩;ビス(アセチルアセトン)パ
ラジウム(II)、ビス(8−オキシキノリン)パラジウ
ム(II)等のパラジウムキレート化合物;ビス(アリ
ル)パラジウム(II)、(η−アリル)(η−シクロペ
ンタジエニル)パラジウム(II)、(η−シクロペンタ
ジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
(II)テトラフルオロホウ酸塩、ビス(ベンゾニトリ
ル)パラジウム(II)酢酸塩、ジ−μ−クロロ−ジクロ
ロビス(トリフェニルホスフィン)二パラジウム(I
I)、ビス(トリ−n−ブチルホスフィン)パラジウム
(II)酢酸塩、2,2′−ビピリジルパラジウム(II)
酢酸塩などの2価パラジウム錯体が挙げられる。
【0013】上記のパラジウム化合物中では、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリトリルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ト
リキシリルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリ
メチルメトキシフェニルホスフィン)パラジウム
(0)、酢酸パラジウム(II)、ビス(アセチルアセト
ン)パラジウム(II)が好ましい。
【0014】本発明においては、共触媒として疎水性リ
ン化合物を使用する。疎水性リン化合物としては、各種
のホスフィン類、ホスファナイト類、ホスホナイト類、
ホスファイト類が挙げられる。これらの具体例として
は、トリオクチルホスフィン、トリブチルホスフィン、
ジメチルオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィ
ン;トリシクロヘキシルホスフィン等のトリシクロアル
キルホスフィン;トリフェニルホスフィン、トリトリル
ホスフィン、トリキシリルホスフィン、トリメシチルホ
スフィン、トリス(テトラメチルフェニル)ホスフィ
ン、ジフェニル−p−クロロフェニルホスフィン、トリ
ス(p−メトキシフェニル)ホスフィン等のトリアリー
ルホスフィン;ジフェニルエチルホスフィン、ジメチル
フェニルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メ
タン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン等
の第3級アルキルアリールホスフィン;ジオクチルオク
トキシホスフィン、ジブチルブトキシホスフィン等のア
ルキルホスフィナイト、ジフェニルフェノキシホスフィ
ン、ジトリルトリルオキシホスフィン、ジキシリルキシ
リルオキシホスフィン等のアリールホスフィナイト、ジ
フェニルエトキシホスフィン、ジエチルフェノキシホス
フィン等のアルキルアリールホスフィナイト;オクチル
ジオクトキシホスフィン、ブチルジブトキシホスフィン
等のアルキルホスホナイト;フェニルジフェノキシホス
フィン、トリルジトリルオキシホスフィン、キシリルジ
キシリルオキシホスフィン等のアリールホスホナイト;
フェニルジエトキシホスフィン、エチルジフェノキシホ
スフィン等のアルキルアリールホスホナイト;トリオク
チルホスファイト、トリブチルホスファイト、ジメチル
オクチルホスファイト等のトリアルキルホスファイト;
トリシクロヘキシルホスファイト等のトリシクロアルキ
ルホスファイト;トリフェニルホスファイト、トリトリ
ルホスファイト、トリキシリルホスファイト等のトリア
リールホスファイト;ジフェニルエチルホスファイト、
ジメチルフェニルホスファイト等のアルキルアリールホ
スファイトが挙げられる。
【0015】上記の疎水性リン化合物の中では、アルカ
ジエノール類の選択率の観点から、炭素数19以上のホ
スフィン及びホスファイトが好適であり、更に好ましく
は、炭素数19以上のトリアリールホスフィン及びトリ
アリールホスファイトが用いられる。具体的には、トリ
トリルホスフィン、トリキシリルホスフィン、トリメシ
チルホスフィン、トリス(テトラメチルフェニル)ホス
フィン等が挙げられる。
【0016】二酸化炭素源は、反応系で二酸化炭素とし
て存在し得るものであればよく、特にその供給形態は問
わない。例えば、分子状の二酸化炭素の他、炭酸、炭酸
塩、重炭酸塩または二酸化炭素若しくは炭酸とアミンと
の付加物が挙げられる。
【0017】本発明においては、アミン類の共存下に反
応を行う。アミン類の共存により、炭酸アニオンの形成
が促進されて反応速度が著しく向上し、しかも高沸点副
生物の生成が抑制される。アミン類としては、第三級ア
ミンが好適に使用される。
【0018】第三級アミンの具体例としては、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ト
リブチルアミン、トリオクチルアミン、トリドデシルア
ミン等のトリアルキルアミン類;トリエタノールアミ
ン、トリプロパノールアミン等のアルカノールアミン
類;ジメチルアニリン、トリフェニルアミン、トリベン
ジルアミン等の芳香族アミン類;N−メチルピロリジ
ン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、
N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルピペコリ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタ
ンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサ
メチレンジアミン等が挙げられる。これらの中、トリエ
チルアミン、トリオクチルアミン等のトリアルキルアミ
ンが好ましい。
【0019】本発明においては、反応をより円滑に行う
ため、溶媒を使用するのが好ましい。反応溶媒として
は、共役アルカジエン類、パラジウム化合物およびリン
化合物を少くとも部分的に溶解し得る溶媒が使用可能で
ある。
【0020】反応溶媒の例としては、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコ
ールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、
エチル−n−ブチルケトン等のケトン類;アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素類;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等
のアルカン類;ヘキセン、オクテン等のアルケン類;ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類;スルホラン等
のスルホン類;ニトロベンゼン、ニトロメタン等のニト
ロ化合物;ピリジン、α−ピコリン等のピリジン誘導
体;トリエチルアミン等のアミン類;アセトアミド、プ
ロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミド等のアミド類;メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール、t−ブタノール、n−オクタノール等のアル
コール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカル
ボン酸類が挙げられる。これらは、単独または混合溶媒
として使用される。
【0021】本発明においては、連続式反応器を使用
し、パラジウム化合物と疎水性リン化合物とを含む触
媒、二酸化炭素及びアミン類の存在下、共役アルカジエ
ンと水とを反応させ、共役アルカジエンを水和二量化反
応させてアルカジエノール類を連続的に製造する。そし
て、この際、反応器内の反応液中の共役アルカジエンの
濃度を0.5〜4.5重量%の範囲に維持して上記の連
続反応を行う。
【0022】反応液中の共役アルカジエンの濃度が0.
5〜4.5重量%の範囲で高い選択率と転化率が達成さ
れることは、特公平5−67129号に記載された知見
からすれば、意外なことである。そして、本発明によれ
ば、反応液から放出される未反応共役アルカジエンの量
が少ないため、これを反応器に循環するための圧縮機は
小型でよい。反応液中の共役アルカジエンの濃度は、好
ましくは0.5〜4.0重量%、更に好ましくは1.0
〜3.5重量%、最も好ましくは2〜3重量%の範囲か
ら選択される。
【0023】パラジウム化合物の使用量は、共役アルカ
ジエン1モル当たり、パラジウム原子として、通常0.
00001〜1モル、好ましくは0.0001〜0.5
モルの範囲から選択される。パラジウム化合物の使用量
が少ないと反応速度が低下して反応器が大型化し、多す
ぎるとパラジウム化合物が析出して触媒の取り扱いに不
便を生ずる。また、疎水性リン化合物の使用量は、パラ
ジウム原子1モルに対し、通常0.1〜100モル、好
ましくは1〜50モルの範囲から選択される。二酸化炭
素の使用量の上限は、経済的理由により決定されるだけ
であり、過剰に使用しても反応を阻害することはない。
二酸化炭素は、パラジウム原子1モルに対し、通常1モ
ル以上、好ましくは10モル以上使用される。アミン類
の使用量は、反応器内の濃度として、通常0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜15重量%、更に好まし
くは0.01〜10重量%の範囲から選択される。
【0024】本発明の反応条件下においては、水の付加
反応が律速段階となるため、水/共役アルカジエンのモ
ル比が高い方が好ましい。水/共役アルカジエンのモル
比は、4以上が好ましく、更に好ましくは5以上、最も
好ましくは7以上である。水/共役アルカジエンのモル
比が低い場合には、水の付加反応が遅くなり、副生物が
出来やすく選択率が低下する。なお、反応器内の水の濃
度は、1〜20重量%が好ましく、更に好ましくは3〜
15重量%、最も好ましくは4〜12重量%である。反
応器内の水の濃度が高すぎる場合は、反応器内で相分離
が起こり、アルカジエノールの選択率が低下する。
【0025】本発明においては、共役アルカジエンの転
化率が75%以上となる条件下で反応を行うのが有利で
あり、かかる高転化率の条件下においても、高い選択率
を達成し得る。共役アルカジエンの転化率はより好まし
く80%以上である。
【0026】反応温度は、室温から約180℃までの広
い範囲から選択することが出来るが、好ましくは50〜
130℃、更に好ましくは60〜100℃の範囲であ
る。また、反応圧力は、常圧から約200kg/cm2
までの広い範囲から選択することが出来るが、3〜70
kg/cm2 が好ましい。滞留時間は、通常10時間以
下程度であり、好ましくは0.1〜8時間、更に好まし
くは0.3〜5時間、最も好ましくは0.35〜3時間
である。反応時間が短すぎるとアルカジエノール類の生
成量が少なく、長すぎるとパラジウムがメタル化する欠
点がある。反応に際しては、特公昭50−10565号
公報に開示されている様に、反応系内に窒素、ヘリウ
ム、アルゴン等の不活性ガスを共存させることも可能で
ある。
【0027】得られた反応液中には、主生成物であるア
ルカジエノール類、副生成物のアルカトリエン類、ジア
ルカジエニルエーテル類、有機カルボン酸類、エステル
類の他、未反応の共役アルカジエン、触媒、水、溶媒な
どが含まれている。共役アルカジエンが1,3−ブタジ
エンの場合、主生成物としては、オクタ−2,7−ジエ
ン−1−オール、副生物としては、オクタ−1,7−ジ
エン−3−オール、オクタトリエン類、ジオクタジエニ
ルエーテル類、有機カルボン酸類が挙げられる。これら
反応副生物の生成量は、反応の条件に依存して異なる
が、通常、共役アルカジエン基準でそれぞれ数モルパー
セント内外である。主生成物であるアルカジエノール類
は、蒸留などの分離手段によって反応液から回収され
る。
【0028】さらに本発明においては、反応器から抜き
出した触媒を含有する反応液から生成物を回収し、触媒
液の少なくとも一部を反応器に再循環してアルカジエノ
ール類を連続的に製造する際、反応器内の反応液中の高
沸点副生物と共役アルカジエン及びアルカジエノール類
との存在量を特定条件下に維持して反応を行うことによ
って、アルカジエノール類を高選択的に製造できる。こ
こで、高沸点副生物とは、生成物であるアルカジエノー
ル類より高沸点の生成物であり、例えば、ジアルカジエ
ニルエーテル類、有機カルボン酸類等であり、共役アル
カジエンが1,3−ブタジエンの場合は、ジオクタジエ
ニルエーテル類、炭素数9の有機カルボン酸類等を指
す。
【0029】具体的には、反応器内の反応液中に存在す
る高沸点副生物の重量と共役アルカジエン及びアルカジ
エノール類の合計重量との比率(以下、高沸物重量比と
いう。)を、好ましくは2.0以下、より好ましくは
0.1〜2.0、更に好ましくは0.15〜1.2、最
も好ましくは0.2〜1.0の範囲内に維持するのがよ
い。高沸物重量比は0でもかまわないが、反応液中の各
成分を制御する際の経済性を考慮すると、上記の下限値
の範囲とするのが好ましい。高沸点副生物の反応液中の
濃度は、高沸物重量比が上記範囲を満たしていれば特に
制限はないが、好ましくは3〜25重量%、更に好まし
くは5〜20重量%、最も好ましくは7〜15重量%の
範囲内に維持するのがよい。
【0030】また、上記高沸物重量比を計算する際のア
ルカジエノール類としては、例えば1,3−ブタジエン
を原料とする場合には、異性体として生成するオクタジ
エノール類全ての重量を考慮することとする。反応液中
の高沸点副生物の濃度は、反応液から高沸点副生物の一
部をパージ、蒸留、抽出、晶析等の公知の方法にて分離
してから反応器に戻すことにより調節することができ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例によって限定されるものではない。
【0032】実施例1 200mlの電磁誘導攪拌器付きのステンレス製オート
クレーブに、酢酸パラジウム、トリス(2,5−キシリ
ル)ホスフィン、トリエチルアミン、水、1,3−ブタ
ジエン及びアセトン溶媒を連続的に供給し、オートクレ
ーブ内を二酸化炭素により20kg/cm2 Gに保持し
た。
【0033】オートクレーブ内の温度を75℃、液量を
150ml、滞留時間を1.9時間として、オートクレ
ーブ内の液相部の反応液を連続的に抜き出し、各成分の
分析を行った結果、1,3−ブタジエン:2.8重量
%、水:5.4重量%、パラジウム:179重量pp
m、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン:5.4重
量%、トリエチルアミン:10重量%、1−ヒドロキシ
−2,7−オクタジエン:15.3重量%、3−ヒドロ
キシ−1,7−オクタジエン:0.74重量%、副生
物:1.1重量%であった。
【0034】オートクレーブへの全供給物質中の1,3
−ブタジエンの濃度(17.6重量%)を基にし、1,
3−ブタジエンの転化率と1−ヒドロキシ−2,7−オ
クタジエン及び3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン
の合計の1,3−ブタジエン基準の選択率とを求めた結
果、それぞれ、84.1%と93%であった。
【0035】実施例2 実施例1において、トリス(2,5−キシリル)ホスフ
ィンをトリ−o−トリルホスフィンに変更し、滞留時間
を1.3時間に変更した以外は、実施例1と同様に連続
反応を行った。オートクレーブ内の液相部の反応液を連
続的に抜き出し、各成分の分析を行った結果、1,3−
ブタジエン:2.4重量%、水:5.4重量%、パラジ
ウム:270重量ppm、トリ−o−トリルホスフィ
ン:2.0重量%、トリエチルアミン:10重量%、1
−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン:18.4重量
%、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン:0.9重
量%、副生物:1.1重量%であった。
【0036】オートクレーブへの全供給物質中の1,3
−ブタジエンの濃度(20重量%)を基にし、1,3−
ブタジエンの転化率と1−ヒドロキシ−2,7−オクタ
ジエン及び3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンの合
計の1,3−ブタジエン基準の選択率とを求めた結果、
それぞれ、88%と94%であった。
【0037】比較例1 実施例1において、滞留時間を0.94時間に変更した
以外は、実施例1と同様に連続反応を行った。オートク
レーブ内の液相部の反応液を連続的に抜き出し、各成分
の分析を行った結果、1,3−ブタジエン:5.8重量
%、水:6.7重量%、パラジウム:182重量pp
m、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン:0.9重
量%、トリエチルアミン:10重量%、1−ヒドロキシ
−2,7−オクタジエン:12.8重量%、3−ヒドロ
キシ−1,7−オクタジエン:0.6重量%、副生物:
1.2重量%であった。
【0038】オートクレーブへの全供給物質中の1,3
−ブタジエンの濃度(18.4重量%)を基にし、1,
3−ブタジエンの転化率と1−ヒドロキシ−2,7−オ
クタジエン及び3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン
の合計の1,3−ブタジエン基準の選択率とを求めた結
果、それぞれ、68.5%と91%であった。
【0039】比較例2 実施例1において、トリス(2,5−キシリル)ホスフ
ィンをトリ−o−トリルホスフィンに変更し、滞留時間
を1.0時間に変更した以外は、実施例1と同様に連続
反応を行った。オートクレーブ内の液相部の反応液を連
続的に抜き出し、各成分の分析を行った結果、1,3−
ブタジエン:5.0重量%、水:6.0重量%、パラジ
ウム:195重量ppm、トリ−o−トリルホスフィ
ン:1.2重量%、トリエチルアミン:10重量%、1
−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン:15.1重量
%、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン:0.64
重量%、副生物:1.6重量%であった。
【0040】オートクレーブへの全供給物質中の1,3
−ブタジエンの濃度(20重量%)を基にし、1,3−
ブタジエンの転化率と1−ヒドロキシ−2,7−オクタ
ジエン及び3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンの合
計の1,3−ブタジエン基準の選択率とを求めた結果、
それぞれ、75%と90%であった。
【0041】比較例3 実施例1においてトリエチルアミンの供給を中止し、滞
留時間を3.0時間に変更した以外は、実施例1と同様
に連続反応を行った。オートクレーブ内の液相部の反応
液を連続的に抜き出し、各成分の分析を行った結果、
1,3−ブタジエン:2.1重量%、水:11.0重量
%、パラジウム:729重量ppm、トリス(2,5−
キシリル)ホスフィン:1.3重量%、1−ヒドロキシ
−2,7−オクタジエン:16.9重量%、3−ヒドロ
キシ−1,7−オクタジエン:0.8重量%、副生物:
2.9重量%であった。
【0042】オートクレーブへの全供給物質中の1,3
−ブタジエンの濃度(20重量%)を基にし、1,3−
ブタジエンの転化率と1−ヒドロキシ−2,7−オクタ
ジエン及び3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンの合
計の1,3−ブタジエン基準の選択率とを求めた結果、
それぞれ、89.5%と85%であった。
【0043】実施例3 図1に示す装置を用いて、触媒を循環使用しながら1,
3−ブタジエンと水との反応の連続運転を行った。反応
開始後210時間経過したときの状態は以下の通りであ
った。反応器1は、内容積10Lの誘導攪拌器付ステン
レス製オートクレーブであり、循環溶媒アセトン(トリ
エチルアミン含有)、高沸点副生物を含む循環触媒液、
水、1,3−ブタジエンを連続的に供給した。全供給物
質量は1181g/hrであり、全供給物質中の1,3
−ブタジエン及び1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエ
ンと3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンとの合計濃
度はそれぞれ16.7重量%及び1.9重量%であっ
た。
【0044】このとき、オートクレーブ内は二酸化炭素
によって10kg/cm2 Gに維持され、反応温度75
℃、反応液の滞留時間5.6hrであった。反応器内の
液相部の組成は、アセトン46.5重量%、水9.5重
量%、1,3−ブタジエン3.0重量%、1−ヒドロキ
シ−2,7−オクタジエン16.5重量%、3−ヒドロ
キシ−1,7−オクタジエン0.7重量%、トリエチル
アミン10.8重量%、高沸点副生物7.0重量%、パ
ラジウム(酢酸パラジウムから形成された)0.03重
量%、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン0.99
重量%に維持された。ここで高沸点副生物とは、ジオク
タジエニルエーテル、C16不飽和炭化水素、C9 不飽和
カルボン酸、オクタジエニルドデカトリエニルエーテル
等である。
【0045】反応器1から連続的に抜き出された反応液
は気液分離器2に供給され、1kg/cm2 G、25℃
にて分離された液は蒸留塔3に連続的に供給された。蒸
留塔3は、塔頂圧力760mmHg、還流比0.5、理
論段数15段で操作し、反応液は上から理論段数で13
段目の部位に供給した。蒸留塔3の塔頂から留出した溶
媒アセトン及びトリエチルアミンは反応器に戻され、一
方缶出液は油水分離器5で油水分離され、油層は蒸留塔
4に供給された。この供給量は323g/hrであっ
た。この油層の組成は、1−ヒドロキシ−2,7−オク
タジエン60.3重量%、3−ヒドロキシ−1,7−オ
クタジエン2.3重量%、高沸点副生物25.3重量
%、パラジウム0.102重量%、トリス(2,5−キ
シリル)ホスフィン3.6重量%であった。
【0046】蒸留塔4は単蒸留塔であり、圧力20mm
Hg、釜部内温120℃、釜部の缶出液滞留時間0.3
〜1.3時間で操作し、反応器内の高沸点副生物の濃度
が7重量%になるよう缶出量を調節した。(この釜部に
て高沸点副生物は一部軽沸点成分に分解し、留去するた
め缶出量を調整できる。)缶出液量は116g/hrで
あり、高沸点副生物70.1重量%、パラジウム0.3
重量%、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン9.8
重量%を含有していた。この高沸点副生物を含む缶出液
は、循環触媒液として反応器に戻した。
【0047】この状態における反応器内の反応液中に存
在する高沸点副生物と共役アルカジエン(1,3−ブタ
ジエン)及びアルカジエノール類(1−ヒドロキシ−
2,7−オクタジエンと3−ヒドロキシ−1,7−オク
タジエン)の重量比は、0.33であり、1,3−ブタ
ジエンの転化率は82%、1−ヒドロキシ−2,7−オ
クタジエンと3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンと
の合計の1,3−ブタジエン基準の選択率は95.7%
であった。
【0048】実施例4 実施例3と同一の装置を用いて、触媒を循環使用しなが
ら1,3−ブタジエンと水との反応の連続運転を行っ
た。反応開始後304時間経過したときの状態は以下の
通りであった。反応器1に循環溶媒アセトン(トリエチ
ルアミン含有)、高沸点副生物を含む循環触媒液、水、
1,3−ブタジエンを連続的に供給した。全供給物質量
は1280g/hrであり、全供給物質中の1,3−ブ
タジエン及び1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエンと
3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンの合計濃度はそ
れぞれ8.5重量%及び2.9重量%であった。このと
き、オートクレーブ内は二酸化炭素によって10kg/
cm2 Gに維持され、反応温度75℃、反応液の滞留時
間4hrであった。反応器内の液相部の組成は、アセト
ン56.6重量%、水7.8重量%、1,3−ブタジエ
ン1.6重量%、1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエ
ン10.1重量%、3−ヒドロキシ−1,7−オクタジ
エン0.2重量%、トリエチルアミン9.6重量%、高
沸点副生物10.1重量%、パラジウム(酢酸パラジウ
ムから形成された)0.028重量%、トリス(2,5
−キシリル)ホスフィン0.6重量%に維持された。こ
こで高沸点副生物とは、ジオクタジエニルエーテル、C
16不飽和炭化水素、C9 不飽和カルボン酸、オクタジエ
ニルドデカトリエニルエーテル等である。
【0049】油水分離器5で分離された油層の組成は、
1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン45重量%、3
−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン0.9重量%、高
沸点副生物45.2重量%、パラジウム0.126重量
%、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン2.7重量
%であった。この油層は蒸留塔4に供給され、この供給
量は286g/hrであった。蒸留塔4は、圧力20m
mHg、釜部内温120℃、釜部の缶出液滞留時間0.
3〜1.3時間で操作し、反応器内の高沸点副生物の濃
度が10重量%になるよう缶出量を調節した。缶出液量
は157g/hrであり、高沸点副生物73重量%、パ
ラジウム0.22重量%、トリス(2,5−キシリル)
ホスフィン5.3重量%を含有していた。この高沸点副
生物を含む缶出液は、循環触媒液として反応器に戻し
た。以上の条件以外は、実施例3と同様にして行った。
この状態における反応器内の反応液中に存在する高沸点
副生物と共役アルカジエン(1,3−ブタジエン)及び
アルカジノール類(1−ヒドロキシ−2,7−オクタジ
エンと3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン)の重量
比は、0.85であり、1,3−ブタジエンの転化率は
81%、1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエンと3−
ヒドロキシ−1,7−オクタジエンとの合計の1,3−
ブタジエン基準の選択率は92%であった。
【0050】比較例4 実施例3と同一の装置を用いて、触媒を循環使用しなが
ら1,3−ブタジエンと水との反応の連続運転を行っ
た。反応開始後520時間経過したときの状態は以下の
通りであった。反応器1に循環溶媒アセトン(トリエチ
ルアミン含有)、高沸点副生物を含む循環触媒液、水、
1,3−ブタジエンを連続的に供給した。全供給物質量
は1298g/hrであり、全供給物質中の1,3−ブ
タジエン及び1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエンと
3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンとの合計濃度は
それぞれ10.3重量%及び1.7重量%であった。こ
のとき、オートクレーブ内は二酸化炭素によって10k
g/cm2 Gに維持され、反応温度75℃、反応液の滞
留時間4hrであった。反応器内の液相部の組成は、ア
セトン37.6重量%、水7.8重量%、1,3−ブタ
ジエン4.7重量%、1−ヒドロキシ−2,7−オクタ
ジエン6.5重量%、3−ヒドロキシ−1,7−オクタ
ジエン0.3重量%、トリエチルアミン6.9重量%、
高沸点副生物26.6重量%、パラジウム(酢酸パラジ
ウムから形成された)0.044重量%、トリス(2,
5−キシリル)ホスフィン1.1重量%に維持された。
ここで高沸点副生物とは、ジオクタジエニルエーテル、
16不飽和炭化水素、C9 不飽和カルボン酸、オクタジ
エニルドデカトリエニルエーテル等である。
【0051】油水分離器5で分離された油層の組成は、
1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエン18重量%、3
−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン0.8重量%、高
沸点副生物75.2重量%、パラジウム0.126重量
%、トリス(2,5−キシリル)ホスフィン3.1重量
%であった。この油層は蒸留塔4に供給され、この供給
量は460g/hrであった。蒸留塔4は、圧力20m
mHg、釜部内温120℃、釜部の缶出液滞留時間0.
3〜1.3時間で操作し、反応器内の高沸点副生物の濃
度が25重量%になるよう缶出量を調節した。缶出液量
は370g/hrであり、高沸点副生物90重量%、パ
ラジウム0.16重量%、トリス(2,5−キシリル)
ホスフィン3.7重量%を含有していた。この高沸点副
生物を含む缶出液は、循環触媒液として反応器に戻し
た。以上の条件以外は、実施例3と同様にして行った。
この状態における反応器内の反応液中に存在する高沸点
副生物と共役アルカジエン(1,3−ブタジエン)及び
アルカジエノール類(1−ヒドロキシ−2,7−オクタ
ジエンと3−ヒドロキシ−1,7−オクタジエン)の重
量比は、2.31であり、1,3−ブタジエンの転化率
は54%、1−ヒドロキシ−2,7−オクタジエンと3
−ヒドロキシ−1,7−オクタジエンとの合計の1,3
−ブタジエン基準の選択率は78%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、共役アルカジエンの高
い転化率を維持したままアルカジエノール類の高い選択
率が達成される。また、反応液から放出される未反応共
役アルカジエンの量が少ないため、これを反応器に循環
するための圧縮機は小型でよい。従って、本発明のアル
カジエノール類の連続的製造方法は、工業的に極めて有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3,4及び比較例4で用いた反応装置の
構成を示す図である。
【符号の説明】
1:反応器 2:気液分離器 3,4:蒸留塔 5:油水分離器 6:圧縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉田 壮一郎 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化 学株式会社水島開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−25738(JP,A) 特開 昭64−25739(JP,A) 国際公開94/27943(WO,A1) 国際公開94/18147(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/44 C07C 33/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続式反応器内において、パラジウム化
    合物及びリン化合物を含む触媒および二酸化炭素の存在
    下、共役アルカジエンを水和二量化反応させてアルカジ
    エノール類を連続的に製造するに当たり、リン化合物と
    して疎水性リン化合物を使用し、かつ、アミン類の存在
    下、反応器内の反応液中の共役アルカジエンの濃度を
    0.5〜4.5重量%の範囲に維持して反応を行うこと
    を特徴とするアルカジエノール類の連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 共役アルカジエンの転化率が75%以上
    となる条件下に反応を行う請求項1に記載の連続的製造
    方法。
  3. 【請求項3】 反応器内の反応液中の水/共役アルカジ
    エンのモル比を4以上に維持する請求項1又は2に記載
    の連続的製造方法。
  4. 【請求項4】 共役アルカジエンが1,3−ブタジエン
    である請求項1〜3の何れかに記載の連続的製造方法。
  5. 【請求項5】 疎水性リン化合物として炭素数が19以
    上のホスフィン又はホスファイトを使用する請求項1〜
    4の何れかに記載の連続的製造方法。
JP33182395A 1994-12-26 1995-12-20 アルカジエノール類の連続的製造方法 Expired - Fee Related JP3498457B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33182395A JP3498457B2 (ja) 1994-12-26 1995-12-20 アルカジエノール類の連続的製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-337197 1994-12-26
JP33719794 1994-12-26
JP33182395A JP3498457B2 (ja) 1994-12-26 1995-12-20 アルカジエノール類の連続的製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08231450A JPH08231450A (ja) 1996-09-10
JP3498457B2 true JP3498457B2 (ja) 2004-02-16

Family

ID=26573976

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33182395A Expired - Fee Related JP3498457B2 (ja) 1994-12-26 1995-12-20 アルカジエノール類の連続的製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3498457B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08231450A (ja) 1996-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5057631A (en) Process for continuous production of octa-2,7-dien-1-ol
EP0361304B1 (en) Method for producing alkadienols
US4663468A (en) Hydroformylation of 3-methyl-3-buten-1-ol and analogs thereof and use of such hydroformylation products
JP3498457B2 (ja) アルカジエノール類の連続的製造方法
EP0959063A2 (en) Process for producing alcohols
JP2513283B2 (ja) アルカジエ―ルノ―ル類の製造方法
US5600034A (en) Method for producing allyl alcohols
US4334117A (en) Process for producing alkadienes
CA2378877C (en) Phosphonium salts and processes for production of and uses for the same, and phosphines deriving the same and processes for production of the phosphines
JP3444059B2 (ja) アリルアルコール類の製造方法
JP3498468B2 (ja) アルカジエノール類の製造方法
JP3614852B2 (ja) アルカジエノール類の製造方法
US5583271A (en) Method for continuously producing alkadienols
US4100362A (en) Oxidation process
JP4053325B2 (ja) ホスホニウム塩、その製造方法およびその用途
JPH08176036A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JPH11189556A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JPH11228469A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JP3443908B2 (ja) アリルアルコール類の製造方法
JPH08283187A (ja) 燐化合物又はパラジウム錯体の取得方法
JPH0764772B2 (ja) オレフインのヒドロホルミル化法
JP2001131103A (ja) アルカジエノールの製造方法
JP2000026345A (ja) パラジウムの回収方法
JP2000273053A (ja) 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法
JPH09143110A (ja) アルカジエノール類の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081205

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091205

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees