JP3443908B2 - アリルアルコール類の製造方法 - Google Patents

アリルアルコール類の製造方法

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JP3443908B2 JP32224893A JP32224893A JP3443908B2 JP 3443908 B2 JP3443908 B2 JP 3443908B2 JP 32224893 A JP32224893 A JP 32224893A JP 32224893 A JP32224893 A JP 32224893A JP 3443908 B2 JP3443908 B2 JP 3443908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アリルアルコール類の
製造方法に関する。詳しくは、ジアリルエーテル類を水
と反応させてアリルアルコール類を製造する方法に関す
るものである。更に詳しくはパラジウム化合物とホスフ
ィンまたはホスファイトよりなる触媒ならびに二酸化炭
素の存在下で共役アルカジエンと水とを反応させてアル
カジエノール類を製造する方法において、副生するジア
ルカジエニルエーテル類からアルカジエノール類を製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルカジエノール類、特にオクター2、
7−ジエン−1−オールをはじめとするオクタジエノー
ル類はn−オクタノール或いはそのエステル等を製造す
る為の中間体として、化学工業的に重要な化合物であ
る。従来、アルカジエノール類の製造方法としては、パ
ラジウム化合物とホスフィンまたはホスファイトよりな
る触媒ならびに二酸化炭素の存在下で共役アルカジエン
と水とを反応させる方法が知られている。例えば特公昭
50−10565号にはパラジウム化合物の配位子とし
てトリフェニルホスフィンを用いた反応が記載されてい
るが、アルカジエノール類の収率及び選択率は十分なも
のではなく、副反応によりジアルカジエニルエーテル等
の高沸点物質が生成する事が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のジアルカジエニルエーテル等の高沸点物質の生成は、
原料である共役アルカジエンを無駄に消費して目的物の
アルカジエノール類の収率を低下させる上、触媒液を循
環使用する場合には、循環触媒液中にかかる高沸点物が
蓄積し触媒活性に対して不要な化学的抑制作用を示した
り、或いは触媒液の粘度を上昇させ反応の進行を著しく
阻害するようになる。
【0004】一方、ジアルカジエニルエーテル類等の高
沸点化合物の蓄積を防止するため、反応系からこれら高
沸点化合物を抜き出し廃棄する場合には、これに伴って
高価なパラジウム化合物、ホスフィン或いはホスファイ
ト類等の触媒成分も損なってしまう重大な欠点がある。
従って、ジアルカジエニルエーテル類の有効な処理、利
用法の開発が望まれている。
【0005】それ故、ジアルカジエニルエーテル類を有
効に処理、利用する事がアルカジエノール類の製造を工
業的に有利に実施する上で強く望まれている。本発明者
らは、上記課題を解決し、パラジウム化合物とホスフィ
ンまたはホスファイトよりなる触媒ならびに二酸化炭素
の存在下で共役アルカジエンと水とを反応させてアルカ
ジエノール類を製造する方法において、副生するジアル
カジエニルエーテル等のジアリルエーテル類を効率的に
処理、利用し、工業的に有利にアルカジエノール類を製
造する方法を提供すべく検討を行った結果、本発明に到
達した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
パラジウム化合物の存在下に、水とジアリルエーテル類
とを反応させることを特徴とするアリルアルコール類の
製造方法に存する。また、本発明の他の要旨はパラジウ
ム化合物とホスフィンまたはホスファイトよりなる触媒
ならびに二酸化炭素の存在下で共役アルカジエンと水と
を反応させてアルカジエノール類を製造する方法におい
て、副生するジアルカジエニルエーテルをパラジウム化
合物の存在下、水と反応させてアルカジエノール類に変
換することを特徴とするアルカジエノール類の製造方法
に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
第一の発明は、水とジアリルエーテル類とをパラジウム
化合物の存在下反応させてアリルアルコール類を製造す
るものである。本発明に於てジアリルエーテル類は下記
一般式(I)で示される。
【0008】
【化1】 R1 −CH=CH−CH2 −O−CH2 −CH=CH−R2 (I)
【0009】(式中、R1 及びR2 は水素原子、飽和炭
化水素または不飽和炭化水素でありR 1 及びR2 は同一
でも、異なっていても良い。)上記式(I)中、R1
びR2が炭化水素基である場合、炭素数は1乃至12程
度であり、好ましくは1乃至10である。
【0010】式(I)で表わされる化合物の例として
は、ジプロペニルエーテル、ジブテニルエーテル、ジペ
ンテニルエーテル、ジヘキセニルエーテル、ジヘプテニ
ルエーテル、ジオクテニルエーテル、ジノネニルエーテ
ル、ジデセニルエーテル、プロペニルブテニルエーテ
ル、プロペニルヘキセニルエーテル、プロペニルオクテ
ニルエーテル、プロペニルデセニルエーテル、ブテニル
ペンテニルエーテル、ブテニルヘキセニルエーテル等の
ジアルケニルエーテル類、ジペンタジエニルエーテル、
ジヘキサジエニルエーテル、ジヘプタジエニルエーテ
ル、ジオクタジエニルエーテル、ジノナジエニルエーテ
ル、ジデカジエニルエーテル、ペンタジエニルヘキサジ
エニルエーテル、ペンタジエニルヘプタジエニルエーテ
ル、ペンタジエニルオクタジエニルエーテル、ペンタジ
エニルノナジエニルエーテル、ペンタジエニルデカジエ
ニルエーテル等のジアルカジエニルエーテル類、プロペ
ニルペンタジエニルエーテル、ブテニルペンタジエニル
エーテル、ペンテニルペンタジエニルエーテル、ヘキセ
ニルペンタジエニルエーテル、ヘプテニルペンタジエニ
ルエーテル、プロペニルオクタジエニルエーテル、ブテ
ニルオクタジエニルエーテル、ペンテニルオクタジエニ
ルエーテル、ヘキセニルオクタジエニルエーテル、ヘプ
テニルオクタジエニルエーテル、オクテニルオクタジエ
ニルエーテル等のアルケニルアルカジエニルエーテル類
等が例示される。
【0011】これらのなかで、ジアルカジエニルエーテ
ル類は、これを水と反応させて得られるアルカジエーノ
ル類が化学工業的には重要であり、特に、ジオクタジエ
ニルエーテルが有利に使用される。上記反応に使用する
パラジウム化合物としては、その形態およびその原子価
状態は、必ずしも限定されるものではない。例えば、パ
ラジウム黒、担体付パラジウム金属などの金属パラジウ
ム;ビス(t−ブチルイソニトリル)パラジウム
(0)、ビス(t−アミルイソニトリル)パラジウム
(0)、ビス(シクロヘキシルイソニトリル)パラジウ
ム(0)、ビス(フェニルイソニトリル)パラジウム
(0)、ビス(p−トリルイソニトリル)パラジウム
(0)、ビス(2,6−ジメチルフェニルイソニトリ
ル)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセト
ン)二パラジウム(0)、(1,5−シクロオクタジエ
ン)(無水マレイン酸)パラジウム(0)、ビス(ノル
ボルネン)(無水マレイン酸)パラジウム(0)、ビス
(無水マレイン酸)(ノルボルネン)パラジウム
(0)、(ジベンジリデンアセトン)(ビピリジル)パ
ラジウム(0)、(p−ベンゾキノン)(o−フェナン
スロリン)パラジウム(0)等の0価パラジウム錯体;
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)、トリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)、ビス(トリトリルホスフィン)パラジウム
(0)、ビス(トリキシリル)パラジウム(0)、ビス
(トリメシチルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリテトラメチルフェニル)パラジウム(0)、ビス
(トリメチルメトキシフェニルホスフィン)パラジウム
(0)等のホスフィン化合物を配位子として持つテトラ
キス(ホスフィン)パラジウム、トリス(ホスフィン)
パラジウム、ビス(ホスフィン)パラジウム錯体および
対応するホスファイト化合物を配位子として持つテトラ
キス(ホスファイト)パラジウム、トリス(ホスファイ
ト)パラジウム、ビス(ホスファイト)パラジウム錯
体;塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム(II)、テ
トラアンミンジクロロパラジウム(II)、ジナトリウム
テトラクロロパラジウム(II)等のパラジウム無機塩;
酢酸パラジウム(II)、安息香酸パラジウム(II)、α
−ピコリン酸パラジウム(II)等のパラジウムカルボン
酸塩;ビス(アセチルアセトン)パラジウム(II)、ビ
ス(8−オキシキノリン)パラジウム(II)等のパラジ
ウムキレート化合物;ビス(アリル)パラジウム(I
I)、(η−アリル)(η−シクロペンタジエニル)パ
ラジウム(II)、(η−シクロペンタジエニル)(1,
5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)テトラフル
オロ硼酸塩、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)
酢酸塩、ジ−μ−クロロ−ジクロロビス(トリフェニル
ホスフィン)二パラジウム(II)、ビス(トリ−n−ブ
チルホスフィン)パラジウム(II)酢酸塩、2,2−ビ
ピリジルパラジウム(II)酢酸塩等の2価パラジウム錯
体などが挙げられる。
【0012】上記の中では、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリトリルホス
フィン)パラジウム(0)、ビス(トリキシリル)パラ
ジウム(0)、ビス(トリメチルメトキシフェニルホス
フィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、ビ
ス(アセチルアセトン)パラジウム(II)が好ましい。
【0013】パラジウム化合物の使用量は特に限定され
ないが、ジアリルエーテル類1モルあたりパラジウム原
子に換算して0.00001〜1グラム原子、好ましく
は0.0001〜0.5グラム原子の範囲である。ま
た、ジアリルエーテル類と水をパラジウム化合物存在下
で反応させる際、ホスフィン類あるいはホスファイト類
を存在させる事はパラジウム化合物の安定性を高める上
で有効である。
【0014】ホスフィン類又はホスファイト類として
は、後述の共役アルカジエンと水との反応に使用される
ものと同様のものが挙げられる。ホスフィン類あるいは
ホスファイト類は、通常、パラジウム1グラム原子に対
して0.1〜100モル程度、好ましくは1〜50モル
程度の割合で使用されるが、必ずしも、上記範囲に限定
されるものではない。
【0015】水は、通常、ジアリルエーテル類1モルに
対して0.1〜100モル程度、好ましくは1〜50モ
ル程度の割合で使用される。水の割合が低いとジアリル
エーテル類の反応速度が遅くなり、アリルアルコール類
の選択性も低下する。水の割合が高すぎると、ジアリル
エーテル類と均一に溶解させる為の溶媒量が増加し、工
業的には有利ではない。
【0016】上記ジアリルエーテル類と水との反応を行
うにあたっては、反応をより円滑に行なうためには溶媒
を使用するのが好適である。使用しえる溶媒としては、
ジアリルエーテル類及び水の両者を少くとも部分的に溶
解し得る溶媒全てが使用可能である。例えばジエチルエ
ーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレング
リコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコール
ジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケト
ン、エチル−nブチルケトン等のケトン類、アセトニト
リル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル
類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等
の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等
のアルカン類、ヘキセン、オクテン等のアルケン類、ジ
メチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等
のスルホン類、ニトロベンゼン、ニトロメタン等のニト
ロ化合物、ピリジン、α−ピロリン等のピリジン誘導
体、トリエチルアミン等のアミン類、アセトアミド、プ
ロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトア
ミド等のアミド類、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブ
タノール、t−ブタノール、n−オクタノール等のアル
コール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボ
ン酸類などが例示される。かかる溶媒を使用する場合に
は、これらを単独で、または混合溶媒としてのいずれで
も差しつかえない。
【0017】ジアリルエーテル類と水とを反応させる温
度は特に限定されないが、通常50〜150℃程度であ
り、特に60〜140℃が好ましい。温度が低すぎると
反応に長時間を要する欠点があり、高すぎるとパラジウ
ム触媒がメタル化する欠点がある。ジアリルエーテル類
と水とをパラジウム化合物の存在下で反応させるのは、
加圧、減圧いずれでも実施可能であり、回分式でも連続
式でも良好に実施される。上記反応により、ジアリルエ
ーテル類は加水分解して下記一般式(II)で示されるア
リルアルコール類を生成する。
【0018】
【化2】 R3 −CH=CH−CH2 OH (II)
【0019】(式中、R3 は水素原子、飽和炭化水素ま
たは不飽和炭化水素である。)特に、ジアリルエーテル
類としてジアルカジエニルエーテルを使用した場合に
は、アルカジエノール類を取得することができ、化学工
業上有利である。尚、生成したアリルアルコール類は蒸
留等により反応生成液から適宜分離される。
【0020】本発明における水とジアリルエーテル類と
の反応は、共役アルカジエンと水とを反応させてアルカ
ジエノール類を製造する方法において、副成するジアル
カジエニルエーテル類にも好適に適用される。即ち、本
発明の第二の発明は、パラジウム化合物とホスフィン類
またはホスファイト類よりなる触媒ならびに二酸化炭素
の存在下で共役アルカジエンと水とを反応させアルカジ
エノール類を製造する方法において、副成するジアルカ
ジエニルエーテルをパラジウム化合物の存在下、水と反
応させてアルカジエノール類に変換することを特徴とす
るアルカジエノールの製造方法に存する。
【0021】パラジウム化合物とホスフィンまたはホス
ファイトよりなる触媒ならびに二酸化炭素の存在下で共
役アルカジエンと水とを反応させアルカジエノール類を
製造する方法としては、例えば特公昭50−10565
号に記載の方法、特開昭54−144306号に示され
る方法等が例示される。共役アルカジエンとしては、
1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、1,3−オ
クタジエン等があげられ、原料が1,3−ブタジエンで
ある場合、通常容易に入手可能のものとして、精製1,
3−ブタジエン及び所謂BBP(ブタン−ブタジエン−
生成物)、すなわち、ナフサ分解生成物中のC4 留分混
合物などが挙げられる。
【0022】BBPを原料とする場合は、原料BBP中
に含有されるアセチレン類およびアレン類を予め分解除
去しておくことが望ましい。1,3−ブタジエン原料中
のアセチレン類およびアレン類の総濃度は、可能な限り
低いことが望ましいが、通常1,3−ブタジエンに対し
て1.0重量%以下程度が好ましい。アセチレン類およ
びアレン類を低減化する方法は、特に限定されず、公知
の諸法が適宜採用可能である。
【0023】一方、他の原料である水としては、水和二
量化反応に影響を与えない程度の純度の水が適宜使用さ
れる。水の使用量については、特に限定的ではないが、
共役アルカジエンの1モルに対し、通常0.5〜10モ
ル、好ましくは1〜5モルの範囲から選択される。共役
アルカジエンと水との反応で使用されるパラジウム化合
物としては、かかる反応の触媒として公知の種々のパラ
ジウム化合物等が挙げられる。具体的には、前記水とジ
アリルエーテル類との反応に使用するパラジウム化合物
として例示したものが挙げられ、好ましいパラジウム化
合物としても、前記パラジウム化合物と同様のものが挙
げられる。
【0024】パラジウム化合物の使用量は、通常、共役
アルカジエン1モル当たりパラジウム原子に換算して
0.00001〜1グラム原子、好ましくは0.000
1〜0.5グラム原子の範囲で適宜決定される。また、
パラジウム触媒と共にホスフィン類またはホスファイト
類が助触媒として使用される。該助触媒として使用され
るホスフィン類またはホスファイト類としては、トリ−
n−オクチルホスフィン、トリブチルホスフィン、ジメ
チル−n−オクチルホスフィン等のトリアルキルホスフ
ィン及びこれらに対応するホスファイト;トリシクロヘ
キシルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン;
トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、ジフ
ェニル−p−クロロフェニルホスフィン、トリス(p−
メトキシフェニル)ホスフィン、ジ(トリル)(フェニ
ル)ホスフィン、(トリル)ジ(フェニル)ホスフィ
ン、トリ(エチルフェニル)ホスフィン、ジ(エチルフ
ェニル)(フェニル)ホスフィン、(エチルフェニル)
ジ(フェニル)ホスフィン、トリ(キシリル)ホスフィ
ン、トリ(メシチル)ホスフィン、トリ(テトラメチル
フェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン及び
これらに対応するホスファイト;ジフェニルエチルホス
フィン、ジメチルフェニルホスフィン、ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホス
フェノ)エタン等の第三級アルキル−アリールホスフィ
ン及びこれらに対応するホスファイト;ジエトキシフェ
ニルホスフィン、エトキシジフェニルホスフィン、ジメ
トキシフェニルホスフィン、ジイソプロポキシフェニル
ホスフィン、ビス(2−ブトキシ)フェニルホスフィ
ン、トリ(メチルメトキシフェニル)ホスフィン等のア
ルコキシアリールホスフィン及びこれに対応するホスフ
ァイト;ジフェノキシエチルホスフィン等のアリーロキ
シアルキルホスフィン;ジエチルアミノプロピルジフェ
ニルホスフィン、モルホリノプロピルジフェニルホスフ
ィン、エチルスルホニルエチルジフェニルホスフィン等
のヘテロ原子を含むホスフィン等が挙げられる。
【0025】上記の中では、トリフェニルホスフィン、
トリ(トリル)ホスフィン、ジ(トリル)(フェニル)
ホスフィン、(トリル)ジ(フェニル)ホスフィン、ト
リ(エチルフェニル)ホスフィン、ジ(エチルフェニ
ル)(フェニル)ホスフィン、(エチルフェニル)ジ
(フェニル)ホスフィン、トリ(キシリル)ホスフィ
ン、トリ(メシチル)ホスフィン、トリ(テトラメチル
フェニル)ホスフィン、トリ(メチルメトキシフェニ
ル)ホスフィン等の疎水性ホスフィンが好ましい。ま
た、下記式(III)で示される水溶性ホスフィン類も使用
し得る。
【0026】
【化3】
【0027】(式中、Aはフェニル基、Mはアルカリ金
属を示し、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数でm+
n=3を満足するものである。)更に、下記式(IV)又
は(V)で示される環式ホスファイト類も使用し得る。
【0028】
【化4】
【0029】(式中、R4 ,R5 及びR6 は、それぞ
れ、メチル、エチル、ノニル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシペンチル等のヒドロ
キシアルキル基、エトキシメチル等のアルコキシアルキ
ル基、フェノキシメチル等のアリーロキシアルキル基、
または、アセトキシメチル、アセトキシペンチル等のア
シルオキシアルキル基を表わす。)ホスフィン類または
ホスファイト類は、通常、パラジウム1グラム原子に対
して0.1〜100モル程度、好ましくは1〜50モル
程度の割合で使用されるが、必ずしも、上記範囲に限定
されるものではない。
【0030】共役アルカジエンと水との反応は、反応を
円滑に行うために共役アルカジエンと水とを、これらを
両者を少くとも部分的に溶解する溶媒中で反応するのが
好ましく、かかる反応の溶媒として従来より公知の種々
の溶媒が使用できる。例えば、前記ジアリルエーテル類
と水との反応の溶媒として挙げたものも使用される。
【0031】共役アルカジエンと水との反応温度は、室
温から約180℃までの広い範囲から選択することが出
来るが、好ましくは50〜130℃、より好ましくは6
0〜100℃の範囲である。また、反応圧力は、常圧か
ら約200kg/cm2 までの広い範囲から選択するこ
とが出来るが、3〜70kg/cm2 が好ましい。反応
に際しては、特公昭50−10565号公報に開示され
ているように、反応系内にCO2 を共存させてもよく、
ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを共存させることも
可能である。
【0032】以上の方法によりアルカジエンと水を反応
させた反応生成液中には、触媒、主生成物であるアルカ
ジエノール、副生成物のアルカトリエン類、ジアルカジ
エニルエーテル類の、未反応のアルカジエン類、水、あ
るいは溶媒等が含まれている。原料共役アルカジエンが
1,3−ブタジエンの場合、主生成物としてはオクタ−
2,7−ジエン−1−オールが、副生物としてはオクタ
−1,7−ジエン−3−オール、オクタトリエン類、ジ
オクタジエニルエーテル類が挙げられる。
【0033】これら反応副生物の生成量は反応条件に依
存して異なるが、通常共役アルカジエン基準でそれぞれ
数モルパーセント内外である。本発明のジアルカジエニ
ルエーテル類と水との反応は、上述の如く共役アルカジ
エンと水とを反応させて得られた反応生成液中に含まれ
る副生物であるジアルカジエニルエーテル類に対して適
用される。上記水和二量化反応液は、通常蒸留等公知の
方法でアルカジエノール類を分離し、ジアルカジエニル
エーテル等の高沸点物質及び触媒を含む液(以下、触媒
液という)に分離されるが、本発明の方法は、このジア
ルカジエニルエーテル類を含有する触媒液に対して適用
するのが有利であり、かかる触媒液に水を加え、反応を
行う。もちろん、蒸留、抽出等の操作を組み合せて触媒
成分と分離した後のジアルカジエニルエーテル類に対し
て行っても良い。
【0034】触媒液に対して本発明の方法を適用する場
合は、触媒液にすでにパラジウム化合物、ホスフィン類
あるいはホスファイト類が含まれている為、新たに添加
する必要がなく有利に行なう事が出来る。触媒成分と分
離した後のジアルカジエニルエーテル類について本発明
の方法を適用する場合は、前述の如く、パラジウム化合
物を触媒として添加して水と反応させればよい。
【0035】また、触媒液と分離したジアルカジエニル
エーテル類に、触媒液を混合して用いる事ももちろん可
能である。触媒液に水を添加してジアルカジエニルエー
テルと水とを反応する場合の水の量は、ジアルカジエニ
ルエーテルに対する水の量が前述のジアリルエーテル類
と水との反応に於ける水の量を満足するものであればよ
い。又、この場合の反応は、前記ジアリルエーテル類と
水とを反応する場合と同様の条件にて行なわれる。所望
のアルカジエノール類は、蒸留等により反応生成液から
適宜分離される。
【0036】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例に
よって限定されるものではない。 実施例1 200mlの電磁誘導撹拌器付きのステンレス製オート
クレーブに、ビス(2,7−オクタジエニル)エーテル
20g、水5g、アセトン75g、酢酸パラジウム0.
2g、トリ(o−トリル)ホスフィン6.8gを仕込
み、120℃で二酸化炭素20KG加圧下で3時間反応
させた。反応後の液をガスクロマトグラフィーで分析
し、ビス(2,7−オクタジエニル)エーテルの反応量
とヒドロキシオクタジエンの生成量を求めた。結果を表
−1に示す。
【0037】実施例2及び3 実施例1に於て、反応条件を表−1に記載の如く変えた
以外は同様に行なった。結果を表−1に示す。
【0038】比較例1 反応温度を160℃とした以外は実施例1と同様に行な
った。1時間の反応後、液組成は表−1に示す通りだっ
たが反応液は黒く濁っておりPdメタルの生成があっ
た。
【0039】
【表1】
【0040】実施例4 1,3−ブタジエンと水との水和二量化反応を以下の通
り実施した。10リットルステンレス製の電磁誘導撹拌
器付きオートクレーブに1,3−ブタジエン1000
g、水320g、ビス(アセチルアセトン)パラジウム
2.86g、トリ(o−トリル)ホスフィン34.4
g、アセトン2587gを仕込んだ。二酸化炭素で20
kg/cm2 Gに加圧し、90℃で3時間反応させた。
反応生成液を大気圧下で蒸留し、アセトンを主体とする
低沸点成分を蒸留分離した。蒸留残液を静置し、水相を
分離除去後、薄膜蒸発器でヒドロキシオクタジエンを分
離した。
【0041】薄膜蒸発器は圧力20mmHgで操作し
た。得られたジオクタジエニルエーテルを主体とする蒸
発残液20g、水5g及びアセトン75gを200ml
のステンレス製の電磁誘導撹拌器付オートクレーブに仕
込み、120℃で3時間反応させた。蒸発残液、及びこ
れを水と反応させる前後の液をガスクロマトグラフィー
で分析し、ジオクタジエニルエーテルの反応量、ヒドロ
キシオクタジエンの生成量を求めた。ジオクタジエニル
エーテルの1.24gが反応し、ヒドロキシオクタジエ
ンが0.53gが生成していた。分析値を表−2に示
す。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、ジアリルエーテル類か
ら対応するアリルアルコールを製造することができる。
特に、共役アルカジエンと水とをパラジウム触媒とホス
フィン類あるいはホスファイト類の存在下で反応させア
ルカジエノール類を製造する方法において、副生するジ
アルカジエニルエーテル類を水と反応させる場合には目
的物のアルカジエノール類に変換することが可能で、所
望のアルカジエノール類の収率を高める事が出来る上、
不要な高沸点生成物を分離の簡単な低沸点成分に変換す
る事も出来るため、高価なパラジウム化合物、ホスフィ
ンまたはホスファイトの損失をふせぐことができ極めて
効率的にアルカジエノール類の製造を行なう事が出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉田 壮一郎 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化 成株式会社水島工場内 (56)参考文献 特開 平2−88536(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 29/10 C07C 29/44 - 29/46 C07C 33/02 - 33/035

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パラジウム化合物の存在下に、水とジア
    リルエーテル類とを反応させることを特徴とするアリル
    アルコール類の製造方法。
  2. 【請求項2】 ジアリルエーテル類がジアルカジエニル
    エーテル類であり、アリルアルコール類がアルカジエノ
    ール類である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 パラジウム化合物とホスフィン類または
    ホスファイト類よりなる触媒ならびに二酸化炭素の存在
    下で共役アルカジエンと水とを反応させてアルカジエノ
    ール類を製造する方法において、副生するジアルカジエ
    ニルエーテル類をパラジウム化合物の存在下、水と反応
    させてアルカジエノール類に変換することを特徴とする
    アルカジエノール類の製造方法。
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