JP3912808B2 - アルカトリエン類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカトリエン類の製造方法に関する。詳しくは本発明は、共役アルカジエンを二量化反応させて、アルカトリエン類を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルカトリエン類は、各種の汎用または特殊用途の有機化合物の合成原料等として有用な化合物である。特に1,3,7−オクタトリエンをはじめとする直鎖のオクタトリエン類からは、例えばオレフィン部位をカルボニル化したのち水素化する方法、または、オレフィン部位を水和する方法等の手段により、化学工業的に重要な化合物である、オクタノール、ノナノール、オクタンジオール、ノナンジオールまたはそのエステル類を製造することが出来る。かかるアルカトリエン類を製造する方法として、従来、パラジウム化合物及びホスフィン化合物を触媒として用い、共役アルカジエンを二量化反応させてアルカトリエン類を製造する方法が知られている(特公昭46−24003号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法では、パラジウム触媒の配位子として用いられるホスフィン化合物として、トリフェニルホスフィンが有利であることが知られている。しかしながら、このような従来技術において得られるアルカトリエン類の収率及び選択性は未だ十分なものではない。錯体触媒反応は触媒として用いる金属成分が重要な役割を示すが、それと共に使用される配位子の種類の選定が、触媒反応の活性および選択性に重大な影響を及ぼす。本発明者等は、パラジウム化合物及びリン化合物を触媒として用いる、共役アルカジエンの二量化反応において、所望のアルカトリエン類を高収率及び高選択率で得ることができる工業的に有利なアルカトリエン類の製造方法を提供するべく鋭意検討を重ねた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、新規な触媒系を使用し、共役アルカジエンを二量化反応させてアルカトリエン類を製造する方法を提供するものである。本発明者等は、従来、触媒として用いることの知られている、パラジウム化合物及びホスフィン化合物の組み合わせの代わりに、パラジウム化合物と特定のリン化合物を組み合わせた触媒を用いて、共役アルカジエンを二量化反応させることにより、低いパラジウム濃度でも、触媒成分が有効に、かつ効率よく利用され、アルカトリエン類、中でも、共役アルカジエンとして、1,3−ブタジエンを使用する場合には、直鎖オクタトリエン類、特に1,3,7−オクタトリエンが高収率かつ高選択的に得られることを見い出して本発明に到達した。
【0005】
即ち、本発明の第1の要旨は、パラジウム化合物及び下記一般式(1)で表されるホスホナイト化合物の存在下、共役アルカジエンを二量化反応させてアルカトリエン類を製造することを特徴とするアルカトリエン類の製造方法、に存する
【0006】
【化2】
Figure 0003912808
(式(1)中、A は、置換されていてもよいアリール基を表し、A 及びA は独立に、置換されていてもよいアリーレン基を表し、x及びyは独立に、0または1の整数を表し、Qは、−CR −,−O−、−S−,−SO −、−NR −、−SiR −、又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R 及びR は独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル着又は置換されてもよいアリール基を表し、R 、R 及びR は独立に、水素又はメチル基を表し、n は0または1の整数を表す。)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき詳細に説明する。本発明方法によりアルカトリエン類を製造するための原料である共役アルカジエンとしては、1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、1,3−オクタジエン等が挙げられる。原料が1,3−ブタジエンである場合、通常入手可能のものとして、精製1,3−ブタジエン及びいわゆるBB留分(BBP)、すなわちナフサ分解生成物中のC留分混合物等が挙げられる。
【0008】
主に経済性を考慮してBBPを原料とする場合においては、原料BBP中に含有されるアセチレン類およびアレン類を予め分離除去しておくことが望ましい。アセチレン類およびアレン類を低減化するための方法は特に限定されず、公知の諸方法が適宜採用可能である。1,3−ブタジエンの二量化反応により、オクタトリエン類を製造する場合には、BBP中のアセチレン類およびアレン類を除去あるいは低減した後の、1,3−ブタジエン原料中のアセチレン類およびアレン類の総濃度は、可能な限り低いことが望ましいが、通常1,3−ブタジエンに対して1.0重量%以下程度が望ましい。
【0009】
本発明においては、主触媒としてパラジウム化合物を使用する。使用されるパラジウム化合物の形態およびその原子価状態については限定的ではなく、例えば後述するような、共触媒として使用する特定のリン化合物を配位子としてもつパラジウム化合物であるビス(ホスホナイト)パラジウム錯体、トリス(ホスホナイト)パラジウム錯体、テトラキス(ホスホナイト)パラジウム錯体、(ビス)ホスフィナイト)パラジウム錯体、トリス(ホスフィナイト)パラジウム錯体、テトラキス(ホスフィナイト)パラジウム錯体、ビス(ホスファイト)パラジウム錯体、トリス(ホスファイト)パラジウム錯体、テトラキス(ホスファイト)パラジウム錯体等が挙げられる。また、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム、(1,5−シクロアルカジエン)(無水マレイン酸)パラジウム等の0価パラジウム錯体;硝酸パラジウム等のパラジウム無機酸塩;酢酸パラジウム等のパラジウム有機酸塩;ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ビス(トリブチルホスフィン)パラジウム酢酸塩等の2価パラジウム錯体等が挙げられる。これらのパラジウム化合物の使用量は広範囲に変化させ得るが、通常、共役アルカジエン1モルについてパラジウムとして2×10−6以上、好ましくは2×10−5以上で、1モル以下、好ましくは0.1モル以下の範囲内で選択される。
【0010】
本発明では共触媒として、下記一般式(1)で示されるホスホナイト化合物を使用する。
【0011】
【化3】
Figure 0003912808
【0012】
(式(1)中、Aは、置換されていてもよいアリール基を表し、A及びAは独立に、置換されていてもよいアリーレン基を表し、x及びyは独立に、0または1の整数を表し、Qは、−CR−,−O−,−S−,−SO−,−NR−,−SiR−又は−CO−で表わされる2価の架橋基を表し、R及びRは独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル基又は置換されていてもよいアリール基を表し、R、R及びRは独立に、水素又はメチル基を表し、nは0または1の整数を表す。)
【0013】
式(1)中、Aで示されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、アルキル置換ナフチル基等の炭素数6〜30のアリール基が挙げられ、これらのアリール基(A)は、炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、メトキシ基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルアミノ基等の総炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−SONa,−COONa,−COOCH等の基により置換されていてもよい。A及びAで表わされるアリーレン基としては、フェニレン基、アルキル置換フェニレン基、アリール置換フェニレン基、ナフチレン基、アルキル置換ナフチレン基、アリール置換ナフチレン基等の炭素数6〜30のアリーレン基が挙げられ、これらのアリーレン基はメトキシ基、エトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ基、ジメチルアミノ基、ジオクチルアミノ基等の総炭素数2〜30のジアルキルアミノ基、−SONa,−COONa,−COOCH等の基により置換されていてもよい。R及びRで表わされる炭素数1〜12のアルキル基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基等が挙げられる。かかるホスホナイト化合物の例としては、次のような化合物が例示される。
【0014】
【化4】
Figure 0003912808
【0015】
【化5】
Figure 0003912808
【0016】
【化6】
Figure 0003912808
【0017】
【化7】
Figure 0003912808
【0018】
【化8】
Figure 0003912808
【0019】
【化9】
Figure 0003912808
【0020】
前記式(1)で示されるホスホナイト化合物の中でも、次のものが好ましい。即ち、Aは炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基又はSONa基で置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基、中でも、特に、リン原子に対する2つのオルト位のうち少なくとも一方に前記置換基をもつ単環アリール基、或いは、前記置換基を有していてもよいα−ナフチル基等の、リン原子に対するオルト位に分岐をもつ複環アリール基であるものがより好ましい。また、Qは−CR−であるのが好ましく、R及びRは独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、トリル基、アニシル基等の置換されていてもよい炭素数6〜30のアリール基を表し、A及びAで表わされるアリーレン基は、独立に、置換されていてもよい1,2−アリーレン基であるのが好ましく、A及びAは同一のアリーレン基であるのが更に好ましい。特にアリーレン基の6位に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基等の置換基を有し、3位、4位及び5位の1箇所以上に炭素数1〜20のアルキル基等の置換基を有していてもよい1,2−フェニレン基であるのが好ましい。但し、ここで1,2−フェニレン基の1位はリン原子と結合する酸素原子と結合する位置とする
【0021】
記した特定のホスホナイト化合物の使用量は、通常パラジウム1モルに対してリン原子換算で0.1以上、好ましくは2モル以上程度から選択され、250モル以下、好ましくは150モル以下、更に好ましくは100モル以下程度であり、上記範囲の中で反応の条件下で反応液中に溶解する範囲内が望ましい。
【0022】
本発明において、ホスホナイト化合物からなる触媒は、反応後に反応生成液から分離して二量化反応工程にリサイクルすることもできる。本発明において、例えば、アルカトリエン類への反応性や選択性を高める等の目的で、反応液中に活性水素化合物を存在させることもできる。使用する活性水素化合物としては、−OH基を含有する化合物、−NH基を含有する化合物、電子吸引性基間にはさまれた−CH基を含有する化合物、−COOH基を含有する化合物等が挙げられる。具体的な活性水素化合物の例としては、水、メタノール、エタノール、フェノール、エチルアミン、ジエチルアミン、オクチルアミン、アセチルアセトン、酢酸、安息香酸等が挙げられる。
【0023】
本発明においては、反応液中のパラジウム化合物又はホスホナイト化合物を安定化させる、或いはアルカトリエン類への反応性や選択性を高める等の目的で、反応液中にアミン化合物を存在させることもできる。使用するアミン化合物としては、3級アミン化合物が最も好ましい。具体的なアミン化合物の例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどで代表されるトリアルキルアミン類、1−(N,N−ジメチルアミノ)−2−プロパノール、1−(N,N−ジメチルアミノ)−3−ブタノールなどのアミノアルコール類、ピリジン、2,6−ジメチルピリジン等のヘテロ芳香族アミン、およびN,N−ジメチル−2−メトキシエチルアミン、N,N−ジメチル−3−エトキシプロルアミン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−メチルピペコリン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。このようなアミン化合物の使用量としては、通常、共役アルカジエン1重量部に対して、0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上で、20重量部以下、好ましくは5重量部以下の範囲から任意に選択される。
【0024】
上記、共役アルカジエンの二量化反応を行うにあたって、反応をより円滑に行うためには溶媒を使用するのが好適である。使用できる溶媒としては、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、ヘキセン、オクテン等のアルケン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、スルホラン等のスルホン類、ニトロベンゼン、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、α−ピコリン等のピリジン誘導体、アセトアミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−アルカノール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のカルボン酸類などが例示される。かかる溶媒を使用する場合には、これらを単独で、または混合溶媒としてのいずれでも差し支えない。
【0025】
溶媒の使用量は限定的ではないが、通常、共役アルカジエン1重量部に対して0.1重量部以上、好ましくは1重量部以上で、50重量部以下、好ましくは10重量部以下の範囲から任意に選択される。共役アルカジエンを反応させるための反応温度は、室温から180℃程度の範囲から選択することができるが、通常、50〜130℃程度の温度範囲を選ぶのがより一般的である。反応圧力は常圧から200kg/cm程度の範囲から選択される。この際、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化炭素等の反応に不活性な気体を共存させることも可能である。
【0026】
本発明においては、上記の反応原料、反応条件、触媒成分のリサイクル方法にて共役アルカジエンを二量化反応させてアルカトリエン類を生成させる。この反応により得られる反応生成液中には、触媒、主生成物であるアルカトリエン類の他に、副生成物として更に分子量の高い不飽和炭化水素類、また、活性水素を持つ化合物が反応系に共存していた場合に生成する共役アルカジエンとのテロメリゼーション反応生成物、ならびに溶媒、未反応の共役アルカジエン等が含有されている。なお、副生成物の生成量は、反応条件に依存する。アルカトリエン類は所望により蒸留等公知の手段により回収することができる。本発明の方法は、連続式、半連続式、および回分式操作を含む周知の技術を用いて実施することができ、特に連続法においても本発明の効果は十分達成し得る。
【0027】
【実施例】
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
内容積200mlのステンレス製オートクレーブに、窒素ガス雰囲気下で0.0062ミリモルの酢酸パラジウム、1.99ミリモルのo−トリル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホスフィン、47mlのアセトン、6.7mlの水、ガスクロマトグラフィ分析用の内部標準としてのo−キシレン1.5mlを仕込み、更に13.9gの1,3−ブタジエンと8gの二酸化炭素を導入した。反応混合液を800rpmの速度で撹拌しながら20分かけて内温が90℃になるまで加温した。90℃で5時間反応を継続したのち、ガスクロマトグラフィで反応液を分析した結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、68.2%のn−オクタトリエン類(以下NOT類と記載する)(1,3,7−オクタトリエンの収率53.6%)、4.4%のオクタジエノール類(以下、HODと記載する)が得られた。
【0028】
実施例2
実施例1において、酢酸パラジウムの使用量を0.0717ミリモルとし、ホスホナイト化合物の使用量を0.773ミリモルとし、水と二酸化炭素を使用せずに、1,3−ブタジエン量を14.3gで、反応時間を17時間としたこと以外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、仕込1,3−ブタジエンは100%転化し、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、97%のNOT類、94%の1,3,7−NOTが得られた。
【0029】
実施例3
実施例1において、酢酸パラジウムの使用量を0.12ミリモル、ホスホナイト化合物をo−エチルフェニル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホスフィンに変えて、反応温度を75℃、反応時間を7.5時間としたこと以外は実施例1と同様に反応を行った結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、42.9%のNOT類、10.3%のHOD類が得られた。
【0030】
実施例4
実施例3において、反応温度を90℃、反応時間を5時間としたこと以外は実施例3と同様に反応を行った結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、88.5%のNOT類、8.8%のHOD類が得られた。
【0031】
実施例5実施例1において、酢酸パラジウムの使用量を0.13ミリモル、ホスホナイト化合物をα−ナフチル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホスフィンに変えて、反応温度75℃で、反応時間を6.5時間としたこと以外は実施例1と同様に反応を行った結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、24.8%のNOT類、10.2%のHOD類が得られた。
【0032】
実施例6
実施例1において、酢酸パラジウムの使用量を0.13ミリモル、ホスホナイト化合物をo−フェニルフェニル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホスフィンに変えて、トリエチルアミン3mlを共存させ、反応温度を75℃としたこと以外は実施例1と同様に反応を行った結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、24.2%のNOT類、17.1%のHOD類が得られた。反応後の31PNMR分析では、分解したリン化合物は見られなかった。
【0033】
実施例7
実施例6において、トリエチルアミンを共存させないこと以外は実施例6と同様に反応を行った結果、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、19.5%のNOT類、13.1%のHOD類が得られた。反応後の31PNMR分析では、分解したリン化合物がリン酸基準で43.7ppmに観測された。
【0034】
比較例1
実施例1〜7は、ホスホナイトを使用した結果であったが、ホスホナイト化合物ではなく、ホスフィン化合物を用いた結果を示す。実施例2において、o−トリル(2,2′−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ))ホスフィンの代わりに、トリフェニルホスフィンを使用し、反応時間を5時間としたこと以外は実施例2と同様に反応を行った。その結果、仕込1,3−ブタジエンは6.3%転化し、NOT選択性は92%であり、仕込1,3−ブタジエン当りの収率として、5.80%のNOT類が得られた。実施例1〜7及び比較例1の結果より、助触媒として、1つ以上の3価リン−酸素単結合を有するリン化合物を使用することにより、仕込み共役アルカジエン当りのアルカトリエン類の収率が向上することがわかる。
【0035】
参考例1
(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィノクロリドの合成
内容積1Lの2口フラスコに、窒素雰囲気下、3塩化リン14.76g(107.5mmol)、トルエン100mlを仕込み、磁気撹拌子で撹拌を行ない、そこに、窒素雰囲気下、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)36.6g(107.5mmol)とトリエチルアミン25mlをトルエン180mlに溶解させた溶液を、15分で滴下した。添加終了後、反応混合物を60℃に加熱し、この温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、析出した無機塩をろ別し、得られたろ液から溶媒を留去し、減圧下乾燥し、43.07g(106.3mmol)の白色粉末を得た。31PNMR及びHNMR分析を行ったところ以下の通りであり、目的物であることを確認した。
【0036】
31PNMR(CDCl,リン酸トリフェニル:−18ppm基準)
δ 154.6ppm
HNMR(CDCl,(CHSi基準)
δ/ppm
1.39(s,18H,−C(CH
2.30(s,6H,−CH
3.71(d,J=12.0Hz,1H,ArCHAr)
3.99(d,J=12.0Hz,1H,ArCHAr)
7.03(s,2H,−OArH)
7.09(s,2H,−OArH)
【0037】
実施例8
o−エチルフェニル(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィンの合成内容積200mlの2口フラスコに、窒素雰囲気下、削状マグネシウム0.385g(15.8mmol)、テトラヒドロフラン(THF)20mlを仕込み、磁気撹拌子で撹拌を行ない、そこに、窒素雰囲気下、o−ブロモエチルベンゼン2.92g(15.8mmol)をTHF20mlに溶解させた溶液を30分で滴下した。添加終了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間撹拌し、グリニヤール試薬を調製した。この溶液を冷却後、氷浴中で冷却しながら、参考例1で合成した(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィノクロリド6.33g(15.6mmol)を30mlのTHFに溶解させたものを、20分で滴下した。添加終了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間撹拌したのち、常圧下、溶媒のTHFを留去し、残渣をトルエン100mlに溶かし、不溶の無機塩を濾過して取り除いた。このトルエン溶液から減圧下でトルエンを留去し、粗ホスホナイト化合物を得た。アセトニトリルで再結晶を行い、白色結晶3.75gを得た。31PNMR及びHNMR分析を行ったところ以下の通りであり、目的物であることを確認した。
【0038】
31PNMR(CDCl,リン酸トリフェニル:−18ppm基準)
δ 182.1ppmおよび161.1ppm(両者とも、ブロードピークであり、溶液中の構造異性体2種のピークである。)
HNMR(CDCl,(CHSi基準)
δ/ppm
1.20(s,18H,−C(CH
1.32(t,3H,J=7.5Hz,−CHCH
2.30(s,6H,−CH
3.23(broad,2H,−CHCH
3.44(d,J=12.9Hz,1H,ArCHAr)
4.52(dd,J=3.2Hz,12.8Hz,1H,ArCHAr)
6.99(s,2H,−OArH)
7.17(s,2H,−OArH)
7.36(t,1H,−ArH,m位)
7.39(s,1H,−ArH,m位)
7.48(t,1H,−ArH,p位)
8.04(broad,1H,−ArH,o位)
【0039】
実施例9
α−ナフチル(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィンの合成内容積200mlの2口フラスコに、窒素雰囲気下、削状マグネシウム0.378g(15.5mmol)、THF20mlを仕込み、磁気撹拌子で撹拌を行ない、そこに、窒素雰囲気下、α−ブロモナフタレン3.11g(15.0mmol)をTHF20mlに溶解させた溶液を30分で滴下した。添加終了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間撹拌し、グリニヤール試薬を調製した。この溶液を冷却後、氷浴中で冷却しながら、参考例1で合成した(2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノキシ))ホスフィノクロリド6.03g(14.9mmol)を30mlのTHFに溶解させたものを、20分で滴下した。添加終了後、反応混合物を加熱還流条件下で、1時間撹拌したのち、常圧下、溶媒のTHFを留去し、残渣をトルエン100mlに溶かし、不溶の無機塩を濾過して取り除いた。このトルエン溶液から減圧下でトルエンを留去し、粗ホスホナイト化合物を得た。アセトニトリルで再結晶を行い、白色粉末4.79gを得た。31PNMR及びHNMR分析を行ったところ以下の通りであり、目的物であることを確認した。
【0040】
31PNMR(CDCl,リン酸トリフェニル:−18ppm基準)
δ 183ppmおよび164ppm(両者とも、ブロードピークであり、溶液中の構造異性体2種のピークである。)
HNMR(CDCl,(CHSi基準)
δ/ppm
1.12(s,18H,−C(CH
2.31(s,6H,−CH
3.54(d,J=12.75Hz,1H,ArCHAr)
4.69(d,J=12.3Hz,1H,ArCHAr)
6.99(s,2H,−OArH)
7.21(s,2H,−OArH)
7.56(m,2H,−ArH)
7.61(s,1H,−ArH)
7.94(d,1H,−ArH)
8.03(d,1H,−ArH)
8.23(broad,1H,−ArH)
9.01(broad,1H,−ArH)
【0041】
【発明の効果】
本発明の方法により共役アルカジエン、特に、1,3−ブタジエンを二量化反応させることで、オクタトリエン類を高収率かつ高選択的に製造することができ、また、リン化合物の分解を抑制することができるため、工業的な利用価値が高い。

Claims (5)

  1. パラジウム化合物及び下記一般式(1)で表されるホスホナイト化合物の存在下、共役アルカジエンを二量化反応させてアルカトリエン類を製造することを特徴とするアルカトリエン類の製造方法。
    Figure 0003912808
    (式(1)中、A は、置換されていてもよいアリール基を表し、A 及びA は独立に、置換されていてもよいアリーレン基を表し、x及びyは独立に、0または1の整数を表し、Qは、−CR −,−O−、−S−,−SO −、−NR −、−SiR −、又は−CO−で表される2価の架橋基を表し、R 及びR は独立に、水素、炭素数1〜12のアルキル着又は置換されてもよいアリール基を表し、R 、R 及びR は独立に、水素又はメチル基を表し、n は0または1の整数を表す。)
  2. アリール基Aが、2つのオルト位のうち少なくとも一方が、炭素数1〜12のアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基及びSONa基からなる群から選ばれる置換基を有する請求項に記載の方法。
  3. アリール基Aが、置換されていてもよいα−ナフチル基である請求項に記載の方法。
  4. アミン化合物の存在下に、二量化反応を行う請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 共役アルカジエンが1,3−ブタジエンであり、アルカトリエン類が直鎖オクタトリエン類である請求項1〜のいずれかに記載の方法。
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