JPH1143452A - アルコールの品質改善法 - Google Patents

アルコールの品質改善法

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JPH1143452A
JPH1143452A JP20119597A JP20119597A JPH1143452A JP H1143452 A JPH1143452 A JP H1143452A JP 20119597 A JP20119597 A JP 20119597A JP 20119597 A JP20119597 A JP 20119597A JP H1143452 A JPH1143452 A JP H1143452A
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alcohol
palladium
compound
basic nitrogen
nitrogen compound
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JP20119597A
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Tomoyuki Mori
知行 森
Hiroshi Kameo
広志 亀尾
Shinji Isotani
真治 磯谷
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコール中の窒素化合物の含有量を低減さ
せる。 【解決手段】 アルコールを、白土、ゼオライト及び陽
イオン交換樹脂から選ばれた処理剤と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール中の塩
基性窒素化合物の含有量を低減させる方法に関するもの
である。特に本発明は、エステル系可塑剤用のアルコー
ル中の塩基性窒素化合物の含有量を低減させる方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】アルコールの主要な用途の一つは、カル
ボン酸やリン酸などと反応させてエステル系可塑剤を製
造することである。この用途には通常は炭素数4以上、
特に炭素数5以上のアルコールが用いられる。アルコー
ルには天然物由来のもの、及びオキソ法アルコール、共
役ジエンのオリゴメリゼーションによるアルコール、パ
ラフィン酸化法によるアルコールなどの合成アルコール
があるが、いずれもがエステル系可塑剤の原料として用
いられている。
【0003】アルコールとカルボン酸やリン酸などとを
反応させてエステル系可塑剤を製造する際には、アルコ
ール中の塩基性窒素化合物の含有量をできるだけ低くす
ることが重要である。何故ならばアルコール中の塩基性
窒素化合物はエステル化反応に際し触媒毒として作用
し、エステル化反応を阻害するからである。従って従来
は、アルコールの製造に際して原料や助剤を選択して、
製品のアルコール中に混入する塩基性窒素化合物を減少
させたり、またアルコールを蒸留精製してアルコール中
の塩基性窒素化合物を除去したりして、エステル化反応
が円滑に進行するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸留精
製によりアルコール中の塩基性窒素化合物を除去するの
は、工業的操作としては必ずしも有利ではない。特にア
ルコールと塩基性窒素化合物との沸点が近接している場
合には、段数の多い蒸留塔を用いて高い還流比で蒸留し
なければならず、経済的に著しい負担となる。また、ア
ルコールの製造に際して塩基性窒素化合物が製品中に混
入しないように助剤などの種類や使用量を制限すること
も、安価な助剤が使用できなかったり、効率のよいアル
コールの生産ができなかったりするので、問題が多い。
従って本発明はアルコール中の塩基性窒素化合物を容易
に除去することのできる方法を提供せんとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、塩基性
窒素化合物を含むアルコールを、白土、ゼオライト及び
陽イオン交換樹脂から選ばれた処理剤と接触させること
により、塩基性窒素化合物の含有量を窒素原子換算で1
0ppm以下まで容易に低減させることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する
と、本発明は塩基性窒素化合物を含有している任意のア
ルコールを対象とすることができるが、特にエステル系
可塑剤用のアルコールが対象となる。通常は炭素数5以
上、好ましくは炭素数6〜30、特に炭素数6〜20の
エステル系可塑剤用のアルコールに適用される。アルコ
ールは前述の如く種々の製法により製造されているが、
本発明はそのいずれの製法によるものにも適用すること
ができる。しかし本発明の対象となるアルコールとして
特に好適なのは、触媒及び二酸化炭素の存在下に共役ア
ルカジエンと水とを反応させて得られたアルカジエノー
ル又はその水添物である。何故ならば、この種の合成ア
ルコールには、その製法に由来する塩基性窒素化合物が
微量ながら含まれていることが多いからである。共役ア
ルカジエンと水との反応によるアルコールの製造につい
てはいくつもの方法が知られているが、この反応につい
て若干説明すると、原料となる共役アルカジエンとして
は、1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、1,3−
オクタジエン等が挙げられる。原料が1,3−ブタジエ
ンである場合、通常、容易に入手可能なものとして、精
製1,3−ブタジエン及び所謂BBP(ブタン−ブタジ
エン生成物)、即ち、ナフサ分解生成物中のC4 留分混
合物などが挙げられる。
【0007】BBPを原料とする場合は、原料BBP中
に含有されるアセチレン類及びアレン類を予め除去して
おくことが望ましい。1,3−ブタジエン原料中のアセ
チレン類及びアレン類の総濃度は、可能な限り低いこと
が望ましいが、通常、1,3−ブタジエンに対して1.
0重量%以下程度が好ましい。アセチレン類及びアレン
類を低減する方法には特に制限はなく、公知の諸法を適
宜採用可能である。
【0008】もう一方の原料である水は、共役アルカジ
エン1モルに対し、通常0.5〜10モル、特に1〜5
モルとなるように用いるのが好ましい。触媒としては、
通常はパラジウム化合物及びリン化合物から成るものが
用いられる。パラジウム化合物としては、種々の形態お
よび原子価のものを用いることができ、例えば、パラジ
ウム黒、担体付パラジウム金属などの金属パラジウム:
ビス(t−ブチルイソニトリル)パラジウム(0)、ビ
ス(t−アミルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス
(シクロヘキシルイソニトリル)パラジウム(0)、ビ
ス(フェニルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス
(p−トリルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス
(2,6−ジメチルフェニルイソニトリル)パラジウム
(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウ
ム(0)、(1,5−シクロオクタジエン)(無水マレ
イン酸)パラジウム(0)、ビス(ノルボルネン)(無
水マレイン酸)パラジウム(0)、ビス(無水マレイン
酸)(ノルボルネン)パラジウム(0)、(ジベンジリ
デンアセトン)(ビピリジル)パラジウム(0)、(p
−ベンゾキノン)(o−フェナンスロリン)パラジウム
(0)等の0価パラジウム錯体;テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリトリル
ホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリキシリル)
パラジウム(0)、ビス(トリメシチルホスフィン)パ
ラジウム(0)、ビス(トリテトラメチルフェニル)パ
ラジウム(0)、ビス(トリメチルメトキシフェニルホ
スフィン)パラジウム(0)等のホスフィン化合物を配
位子として持つテトラキス(ホスフィン)パラジウム、
トリス(ホスフィン)パラジウム、ビス(ホスフィン)
パラジウム錯体及び対応するホスファイト化合物を配位
子として持つテトラキス(ホスファイト)パラジウム、
トリス(ホスファイト)パラジウム、ビス(ホスファイ
ト)パラジウム錯体;塩化パラジウム(II)、硝酸パラ
ジウム(II)、テトラアンミンジクロロパラジウム(I
I)、ジナトリウムテトラクロロパラジウム(II)等の
パラジウム無機塩;酢酸パラジウム(II)、安息香酸パ
ラジウム(II)、α−ピコリン酸パラジウム(II)等の
パラジウムカルボン酸塩;ビス(アセチルアセトン)パ
ラジウム(II)、ビス(8−オキシキノリン)パラジウ
ム(II)等のパラジウムキレート化合物;ビス(アリ
ル)パラジウム(II)、(η−アリル)(η−シクロペ
ンタジエニル)パラジウム(II)、(η−シクロペンタ
ジエニル)(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
(II)テトラフルオロ硼酸塩、ビス(ベンゾニトリル)
パラジウム(II)酢酸塩、ジ−μ−クロロ−ジクロロビ
ス(トリフェニルホスフィン)二パラジウム(II)、ビ
ス(トリ−n−ブチルホスフィン)パラジウム(II)酢
酸塩、2,2−ビピリジルパラジウム(II)酢酸塩等の
2価パラジウム錯体などが挙げられる。
【0009】これらのうちでは、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリトリル
ホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリキシリル)
パラジウム(0)、ビス(トリメチルメトキシフェニル
ホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(I
I)、ビス(アセチルアセトン)パラジウム(II)が好
ましい。パラジウム化合物は、共役アルカジエン1モル
当り、パラジウム原子に換算して通常0.00001〜
1グラム原子、好ましくは0.0001〜0.5グラム
原子の範囲で用いられる。
【0010】一方、燐化合物としては、トリオクチルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、ジメチルオクチルホ
スフィン等のトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキ
シルホスフィン等のトリシクロアルキルホスフィン、ト
リフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリキ
シリルホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリス
(テトラメチルフェニル)ホスフィン、ジフェニル−p
−クロロフェニルホスフィン、トリス(p−メトキシフ
ェニル)ホスフィン等のトリアリールホスフィン、ジフ
ェニルエチルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィ
ン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビ
ス(ジフェニルホスフィノ)エタン等の第3アルキルア
リールホスフィン、ジオクチルオクトキシホスフィン、
ジブチルブトキシホスフィン等のアルキルホスフィナイ
ト、ジフェニルフェノキシホスフィン、ジトリルトリル
オキシホスフィン、ジキシリルキシリルオキシホスフィ
ン等のアリールホスフィナイト、ジフェニルエトキシホ
スフィン、ジエチルフェノキシホスフィン等のアルキル
アリールホスフィナイト、オクチルジオクトキシホスフ
ィン、ブチルジブトキシホスフィン等のアルキルホスホ
ナイト、フェニルジフェノキシホスフィン、トリルジト
リルオキシホスフィン、キシリルジキシリルオキシホス
フィン等のアリールホスホナイト、フェニルジエトキシ
ホスフィン、エチルジフェノキシホスフィン等のアルキ
ルアリールホスホナイト、トリオクチルホスファイト、
トリブチルホスファイト、ジメチルオクチルホスファイ
ト等のトリアルキルホスファイト、トリシクロヘキシル
ホスファイト等のトリシクロアルキルホスファイト、ト
リフェニルホスファイト、トリトリルホスファイト、ト
リキシリルホスファイト等のトリアリールホスファイ
ト、ジフェニルエチルホスファイト、ジメチルフェニル
ホスファイト等のアルキルアリールホスファイトが挙げ
られる。
【0011】これらのうちでは、反応時のアルカジエノ
ールの選択率の高いものが好ましく、これには燐の各結
合手に7以上の炭素を持つものが該当する。具体的に
は、トリトリルホスフィン、トリキシリルホスフィン、
トリメシチルホスフィン、トリ(テトラメチルフェニ
ル)ホスフィン等が好ましい。また、燐化合物としては
下記一般式で示される水溶性ホスフィン類や、下記一
般式又はで示される環式ホスファイト類も使用し得
る。
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Aはフェニル基、Mはアルカリ金
属を示し、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数でm+
n=3を満足するものである。)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞ
れ、メチル、エチル、ノニル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシペンチル等のヒドロ
キシアルキル基、エトキシメチル等のアルコキシアルキ
ル基、フェノキシメチル等のアリールオキシアルキル
基、又は、アセトキシメチル、アセトキシペンチル等の
アシルオキシアルキル基を表す。)
【0016】これらの燐化合物は、通常、パラジウム化
合物のパラジウム1グラム原子に対して0.1〜100
モル程度、好ましくは1〜50モル程度の割合で使用さ
れるが、必ずしも上記範囲に限定されるものではない。
なお、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム(0)のように、パラジウム化合物としてホスフィン
などの燐原子を含む配位子が結合したものを用いる場合
には、これらが燐化合物として作用するが、別に燐化合
物を添加してもよい。
【0017】二酸化炭素は、反応系で二酸化炭素として
存在するものであれば良く、その供給形態は任意であ
る。例えば、分子状の二酸化炭素、炭酸、炭酸塩、重炭
酸塩、或いは二酸化炭素又は炭酸とアミンとの付加物等
を用いることができる。二酸化炭素の使用量の上限は経
済的理由により決定されるものであり、過剰に使用して
も特に反応が阻害されることはない。通常、二酸化炭素
はパラジウム化合物のパラジウム1グラム原子に対して
1モル以上、好ましくは10モル以上使用される。
【0018】共役アルカジエンと水との反応を円滑に行
うためには、共役アルカジエンと水とを少なくとも部分
的に溶解する溶媒中で反応を行うのが好ましい。反応溶
媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエー
テル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等の
エーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチル
ケトン、メチルイソプロピルケトン、エチル−n−ブチ
ルケトン等のケトン類、アセトニトリル、プロピオニト
リル、ベンゾニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素
類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、ヘ
キセン、オクテン等のアルケン類、ジメチルスルホキシ
ド等のスルホキシド類、スルホラン等のスルホン類、ニ
トロベンゼン、ニトロメタン等のニトロ化合物、ピリジ
ン、α−ピロリン等のピリジン誘導体、トリエチルアミ
ン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン等のアミン
類、アセトアミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,
N−ジエチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−
オクタノール等のアルコール類、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸、酪酸等のカルボン酸類などが挙げられる。溶媒は
単独で用いても、混合溶媒として用いても良い。
【0019】共役アルカジエンと水との反応温度は、室
温から約180℃までの広い範囲から選択することがで
きるが、好ましくは50〜130℃、より好ましくは6
0〜100℃の範囲である。また、反応圧力は、常圧か
ら約200kg/cm2 までの広い範囲から選択するこ
とができるが、3〜70kg/cm2 の範囲とするのが
好ましい。反応に際しては、特公昭50−10565号
公報に開示されているように、反応系内に二酸化炭素の
他にヘリウム、アルゴン等の不活性ガスを共存させるこ
とも可能である。
【0020】以上に説明した反応原料、反応条件にて共
役アルカジエンと水とを反応させると、アルカジエノー
ル類が生成する。この反応により得られる反応生成液中
には、触媒、主生成物であるアルカジエノール、副生成
物のアルカトリエン類、ジアルカジエニルエーテル類、
有機カルボン酸及びエステル類、並びに溶媒、未反応の
共役アルカジエン及び水等が含有されている。原料の共
役アルカジエンが1,3−ブタジエンの場合、主生成物
としてはオクタ−2,7−ジエン−1−オールが、副生
成物としてはオクタ−1,7−ジエン−3−オール、オ
クタトリエン類、ジオクタジエニルエーテル類及び有機
カルボン酸等が生成する。なお、副生成物の生成量は、
反応条件に依存し、通常、共役アルカリジエン基準でそ
れぞれ数モルパーセント内外である。反応後、アルカジ
エノール類は蒸留等の公知の手段により回収することが
できる。
【0021】アルカジエノールの水添は、通常のオレフ
ィン性二重結合の水添に準じて行うことができる。例え
ばニッケル、クロム等を珪藻土やセライト等の担体に担
持させた担体付水添触媒を用いて、常圧〜200kg/
cm2 Gの圧力下に、50〜200℃で水素添加すれば
よい。反応は通常は液相で行われる。反応溶媒としては
常用の種々のものを用い得るが、生成するアルコールを
溶媒とすると反応生成物からの溶媒の分離が不要なので
有利である。反応は回分方式でも連続方式のいずれでも
行うことができる。
【0022】本発明では、アルコールを白土、ゼオライ
ト及び陽イオン交換樹脂から選ばれた処理剤と接触させ
て、アルコール中の塩基性窒素化合物の含有量を10p
pm以下まで低減させる。通常は処理対象のアルコール
中にこれらの処理剤を懸濁させて撹拌したのち、濾過し
て両者を分離すればよい。また、処理剤を充填した充填
床にアルコールを流通させる方法によることもできる。
接触温度は通常0〜100℃であるが、所望ならば更に
高い温度を用いることもできる。しかし高温に過ぎる
と、接触処理に際し副反応が生じてアルコール中の不純
物が増加することがあるので注意を要する。接触処理の
温度は5〜80℃、特に常温付近の10〜50℃とする
のが好ましい。接触処理時間は通常1分間ないし20時
間、好ましくは5分間ないし5時間である。接触処理時
間が短過ぎると窒素化合物の除去が十分に行われないこ
とがある。一般に10分間ないし3時間程度の接触処理
が最も好ましい。
【0023】処理剤の白土としては活性白土を用いるの
が好ましい。処理剤として白土を用いると、塩基性窒素
化合物の含有量を1ppm以下の極低濃度にまで低減さ
せ得るだけでなく、アルコール中の還元性物質の含有量
の指標であるカメレオン試験の成績を向上させることが
できる。ゼオライトとしてはX型ゼオライトを用いるの
が好ましい。また陽イオン交換樹脂としては強酸性陽イ
オン交換樹脂、特にポーラス型のスチレンジビニルベン
ゼン架橋共重合体にスルホン酸基を導入したポーラス型
強酸性陽イオン交換樹脂を用いるのが好ましい。なお、
処理剤として陽イオン交換樹脂を用いた場合には、処理
後のアルコールが着色していることがある。これは陽イ
オン交換樹脂からの溶出物による着色で、陽イオン交換
樹脂を十分に洗浄して用いると防止することができる。
また処理後のアルコールを簡単な蒸留に付すことによ
り、着色の無いアルコールを取得することもできる。
【0024】本発明方法により除去される塩基性窒素化
合物の形態の詳細は不明であるが、その大部分はアミン
系化合物であると考えられる。例えば後記する実施例か
らも明らかなように、共役ジエンと水とを反応させてオ
クタジエニルアルコールを製造する際には、反応成績を
向上させるため反応系に各アルキル基の炭素数が1〜2
0、好ましくは1〜12、特に1〜8のトリアルキルア
ミンを存在させることが多いが、この方法により製造さ
れたアルコール中には反応系に存在させたトリアルキル
アミンないしはそのアルキル基の一部がオクタジエニル
基やその水添物と置換したアミンが微量含まれている。
これらのアミンは、本発明方法により、窒素原子換算で
10ppm以下の低濃度にまで容易に除去することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。 オクタジエノールの合成;10リットル容のステンレス
製の電磁誘導撹拌機付きオートクレーブに、酢酸パラジ
ウム2.11g(9.4mmol)、トリス(2,5−
キシリル)ホスフィン39.1g(113mmol)、
1,3−ブタジエン1000g、水320g、アセトン
2587g、及びトリエチルアミン395gを仕込み、
二酸化炭素で20kg/cm2 Gまで加圧した。オート
クレーブを加熱し、75℃で3時間反応させた。
【0026】反応液を常圧蒸留してブタジエン、アセト
ン及びトリエチルアミンを留去した。蒸留残液を静置し
て油相と水相とに成層分離した。油相を減圧薄膜蒸発装
置に供給し、ヒドロキシオクタジエンを含む留出液と、
パラジウム触媒やジオクタジエニルエーテル等の高沸点
成分を含む蒸留残液とに分離した。減圧薄膜蒸発装置
は、圧力20mmHg、ヒーター温度140℃、液温1
30℃、蒸留残液基準の滞留時間1分間で運転した。
【0027】塔内径35mmで20段の棚段を有するガ
ラス製のオルダーショーを用いて、上記で得た留出液を
蒸留した。操作条件は、先ず常圧蒸留で軽沸成分を留去
し、次いで圧力約50mmHg、還流比100でオクタ
−1,7−ジエン−3−オールを留出させ、最後に留出
温度約120℃でオクタ−2,7−ジエン−1−オール
を留出させた。
【0028】オクタジエノールの水素添加;0.5リッ
トル容のステンレス製電磁誘導撹拌機付きオートクレー
ブに、上記で得たオクタ−2,7−ジエン−1−オール
180g及び触媒20gを仕込み、水素ガスを圧入して
150℃、100kg/cm 2 Gで1.5時間水素添加
反応させた。触媒としては、珪藻土担体に担持させたニ
ッケル・クロム触媒(ニッケル12重量%、クロム1.
9重量%)を水素で活性化して用いた。反応生成液をガ
スクロマトグラフィーで分析した結果、n−オクタノー
ルの純度は99.9重量%であった。また、反応生成液
の窒素化合物の含有量を全窒素計(三菱化学社製、TN
−05)で測定したところ、窒素原子換算で25ppm
であった。また、この窒素化合物は大部分がジエチルオ
クチルアミンであった。
【0029】実施例1〜3並びに比較例1及び2 ガラス製フラスコに、上記で得たn−オクタノール30
gと処理剤とを仕込み、室温で2時間撹拌した。次いで
孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブ
ランフィルターで濾過した。濾液中の窒素化合物の含有
量の測定結果を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例4 内径20mmφ、長さ100mmのガラス製カラムに、
実施例1で用いたのと同じ活性白土を充填した。これに
前記と同様にして得たn−オクタノールをSV1hv-1
で流通させた。通液開始後4時間から8時間の間の液を
回収し、孔径0.2μmのポリテトラフルオロエチレン
製のメンブランフィルターで濾過した。処理前後のn−
オクタノールの分析結果を表−2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】* 共栓付試験管に試料10mlを採取
し、これにアセトン5mlを加えてよく撹拌したのち、
20±1℃の恒温水槽に15分間浸漬する。次いで1/
10N過マンガン酸カリウム溶液0.1mlを加えて撹
拌し、過マンガン酸カリウムの紅紫色が標準溶液の色と
同じ色調にまで退色するに要する時間を計測する。な
お、標準溶液としては、0.1%メチルオレンジ溶液1
mlを純水470mlに加え、1/100N塩酸でpH
3.6に調整したのち、純水で500mlとしたものを
用いた。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩基性窒素化合物を含むアルコールを、
    白土、ゼオライト及び陽イオン交換樹脂から選ばれた処
    理剤と接触させることにより、塩基性窒素化合物の含有
    量を窒素原子換算で10ppm以下まで低減させること
    を特徴とするアルコールの品質改善法。
  2. 【請求項2】 処理剤が、白土であることを特徴とする
    請求項1記載のアルコールの品質改善法。
  3. 【請求項3】 白土が、活性白土であることを特徴とす
    る請求項2記載のアルコールの品質改善法。
  4. 【請求項4】 アルコールが、エステル系可塑剤製造用
    のアルコールであることを特徴とする請求項1ないし3
    のいずれかに記載のアルコールの品質改善法。
  5. 【請求項5】 アルコールが、触媒及び二酸化炭素の存
    在下に、共役アルカジエンと水とを反応させて得られた
    アルカジエノール又はその水添物であることを特徴とす
    る請求項1ないし4のいずれかに記載のアルコールの品
    質改善法。
  6. 【請求項6】 塩基性窒素化合物が、各アルキル基が1
    〜20個の炭素原子を有するトリアルキルアミンである
    ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
    アルコールの品質改善法。
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