JP2587438B2 - トリアルコキシシリルブテン類の製造方法 - Google Patents
トリアルコキシシリルブテン類の製造方法Info
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、トリアルコキシシリルブテン類の製造方法
に関し、さらに詳しくは、1,3−ブタジエンとトリアル
コキシシランとの反応により、特に4−トリアルコキシ
シリル−1−ブテンを高選択率で得ることができるよう
なトリアルコキシシリルブテン類の製造方法に関する。
に関し、さらに詳しくは、1,3−ブタジエンとトリアル
コキシシランとの反応により、特に4−トリアルコキシ
シリル−1−ブテンを高選択率で得ることができるよう
なトリアルコキシシリルブテン類の製造方法に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 トリアルコキシシリルブテン類、特に4−トリアルコ
キシシリル−1−ブテンは、シランカップリング剤とし
て、またケイ素含有重合体を製造するためのモノマーと
して、さらにはグラフト重合用の高分子変性剤としての
用途が期待されている。
キシシリル−1−ブテンは、シランカップリング剤とし
て、またケイ素含有重合体を製造するためのモノマーと
して、さらにはグラフト重合用の高分子変性剤としての
用途が期待されている。
たとえば上記のようなシランカップリング剤は、分子
内に有機官能性基と、無機物と反応する加水分解性基と
を持った化合物であり、有機ポリマーとシリカなどの無
機物とを化学的に結合することができ、有機ポリマーの
機械的強度を飛躍的に向上させることができるため、複
合材料の開発に大きな役割を果している。
内に有機官能性基と、無機物と反応する加水分解性基と
を持った化合物であり、有機ポリマーとシリカなどの無
機物とを化学的に結合することができ、有機ポリマーの
機械的強度を飛躍的に向上させることができるため、複
合材料の開発に大きな役割を果している。
ところでトリアルコキシシリルブテン類は、1,3−ブ
タジエンとトリアルコキシシランとを、ロジウム錯体触
媒の存在下に反応させることによって製造しうること
が、Collection Czechoslov.Chem.Commun.Vol 40,3190
〜3198に記載されている。
タジエンとトリアルコキシシランとを、ロジウム錯体触
媒の存在下に反応させることによって製造しうること
が、Collection Czechoslov.Chem.Commun.Vol 40,3190
〜3198に記載されている。
上記のように1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとの付加反応を、ロジウム錯体触媒の存在下に行なう
と、上記文献にも記載されているように、トリアルコキ
シシランが1,3−ブタジエンに1,4−付加して生成する1
−トリアルコキシシリル−2−ブテンが主として得ら
れ、トリアルコキシシランが1,3−ブタジエンに1,2−付
加して生成する4−トリアルコキシシリル−1−ブテン
はほとんど得られない。ところが1,3−ブタジエンとト
リアルコキシシランとの付加反応によって得られるトリ
アルコキシシリルブテン類の中では、4−トリアルコキ
シシリル−1−ブテンが特に有用であるが、上記のよう
に1,3−ブタジエンとトリアルコキシシランとの付加反
応をロジウム錯体の存在下で行なうことは、4−トリア
ルコキシシリル−1−ブテンがほとんど得られないため
好ましくない。
ンとの付加反応を、ロジウム錯体触媒の存在下に行なう
と、上記文献にも記載されているように、トリアルコキ
シシランが1,3−ブタジエンに1,4−付加して生成する1
−トリアルコキシシリル−2−ブテンが主として得ら
れ、トリアルコキシシランが1,3−ブタジエンに1,2−付
加して生成する4−トリアルコキシシリル−1−ブテン
はほとんど得られない。ところが1,3−ブタジエンとト
リアルコキシシランとの付加反応によって得られるトリ
アルコキシシリルブテン類の中では、4−トリアルコキ
シシリル−1−ブテンが特に有用であるが、上記のよう
に1,3−ブタジエンとトリアルコキシシランとの付加反
応をロジウム錯体の存在下で行なうことは、4−トリア
ルコキシシリル−1−ブテンがほとんど得られないため
好ましくない。
また1,3−ブタジエンとトリアルコキシシランとの付
加反応を、最も一般的なヒドロシリル化触媒として知ら
れている塩化白金酸H2PtCl6の存在下に行なっても、た
とえばIzu.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.1977(8),1883
〜5に記載されているように、有用化合物である4−ト
リアルコキシシリル−1−ブテンは7.6%程度しか生成
してこないという問題点があった。
加反応を、最も一般的なヒドロシリル化触媒として知ら
れている塩化白金酸H2PtCl6の存在下に行なっても、た
とえばIzu.Akad.Nauk SSSR,Ser.Khim.1977(8),1883
〜5に記載されているように、有用化合物である4−ト
リアルコキシシリル−1−ブテンは7.6%程度しか生成
してこないという問題点があった。
さらにまた、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとの付加反応を、コバルト錯体の存在下に行なって
も、Czec.171,597(1978)に記載されているように、有
用化合物である4−トリアルコキシシリル−1−ブテン
は5%程度しか生成してこないという問題点があった。
ンとの付加反応を、コバルト錯体の存在下に行なって
も、Czec.171,597(1978)に記載されているように、有
用化合物である4−トリアルコキシシリル−1−ブテン
は5%程度しか生成してこないという問題点があった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、1,3−ブタジエンとトリア
ルコキシシランとの反応により、特に4−トリアルコキ
シシリル−1−ブテンを高選択率で得ることができるよ
うなトリアルコキシシリルブテン類の製造方法を提供す
ることを目的としている。
しようとするものであって、1,3−ブタジエンとトリア
ルコキシシランとの反応により、特に4−トリアルコキ
シシリル−1−ブテンを高選択率で得ることができるよ
うなトリアルコキシシリルブテン類の製造方法を提供す
ることを目的としている。
発明の概要 本発明に係るトリアルコキシシリルブテン類の製造方
法は、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシランとの反
応を、ルテニウム錯体触媒の存在下に行なうことを特徴
としている。
法は、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシランとの反
応を、ルテニウム錯体触媒の存在下に行なうことを特徴
としている。
本発明では、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なってい
るため、1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2
−付加した4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを高
選択率で得ることができる。
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なってい
るため、1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2
−付加した4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを高
選択率で得ることができる。
発明の具体的説明 以下本発明に係るトリアルコキシシリルブテン類の製
造方法について具体的に説明する。
造方法について具体的に説明する。
反応原料 本発明では、トリアルコキシシリルブテン類を製造す
るに際して、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラン
とが用いられる。
るに際して、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラン
とが用いられる。
トリアルコキシシランは、一般式HSi(OR)3(式中
Rは炭素数1〜12のアルキル基である)で表わされ、具
体的には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
トリプロポキシシラン、トリブトキシシランなどが用い
られる。
Rは炭素数1〜12のアルキル基である)で表わされ、具
体的には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、
トリプロポキシシラン、トリブトキシシランなどが用い
られる。
触媒 本発明では、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとの反応を、触媒としてのルテニウム錯体の存在下に
行なう。
ンとの反応を、触媒としてのルテニウム錯体の存在下に
行なう。
ルテニウム錯体におけるルテニウムの原子価は、−2
価から8価までとりうるが、特に0価、2価、3価、4
価であることが好ましい。
価から8価までとりうるが、特に0価、2価、3価、4
価であることが好ましい。
ルテニウム錯体におけるアニオン配位子としては、ハ
ロゲン(F-、Cl-、Br-、I-)、ヒドリド(H-)、ヒドロ
キシ(OH-)、アセテート(CH3COO-)、トリフロロアセ
テート(F3CCOO-)、アセチルアセトネート(CH3COCH2C
OCH3 -)、ホーメート(HCOO-)、オキサレート(C
2O4 2-)、他のカルボキシレート、アルコキシド、テト
ラフロロボレート(BF4 -)などが用いられる。
ロゲン(F-、Cl-、Br-、I-)、ヒドリド(H-)、ヒドロ
キシ(OH-)、アセテート(CH3COO-)、トリフロロアセ
テート(F3CCOO-)、アセチルアセトネート(CH3COCH2C
OCH3 -)、ホーメート(HCOO-)、オキサレート(C
2O4 2-)、他のカルボキシレート、アルコキシド、テト
ラフロロボレート(BF4 -)などが用いられる。
またルテニウム錯体における中性配位子としては、ト
リフェニルホスフィンなどのリン含有配位子、一酸化炭
素、エチレン、プロピレン、シクロオクテン、ノルボル
ネンその他のモルオレフィン、1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンその他の共役
ジエン、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエ
ン、1,4−ペンタジエン、ジシクロペンタジエンその他
の非共役ジエン、ピリジンジピリジル、オルトフェナン
トロリンなどの芳香族アミン、ニトリル、イソニトリ
ル、アセトンなどのカルボニル化合物などが用いられ
る。これらのうち、錯体の安定性の面から、特にリン含
有配位子が好ましい。
リフェニルホスフィンなどのリン含有配位子、一酸化炭
素、エチレン、プロピレン、シクロオクテン、ノルボル
ネンその他のモルオレフィン、1,3−ブタジエン、1,3−
ペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエンその他の共役
ジエン、1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエ
ン、1,4−ペンタジエン、ジシクロペンタジエンその他
の非共役ジエン、ピリジンジピリジル、オルトフェナン
トロリンなどの芳香族アミン、ニトリル、イソニトリ
ル、アセトンなどのカルボニル化合物などが用いられ
る。これらのうち、錯体の安定性の面から、特にリン含
有配位子が好ましい。
上記のようなルテニウム錯体としては、具体的には、
下記のような化合物が用いられる。
下記のような化合物が用いられる。
(η2−エチレン)トリス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム(O)、 (η4−1,3−ブタジエン)トリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム(O)、 ビス(トリフルオロアセテート)ビス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム(II)、 ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム(II)、 ジカルボニルジヒドリドビス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム(II)、 ジクロロ[(1,2,5,6−η4)−1,5−シクロオクタジ
エ)ルテニウム(II)、 ジ−μ−クロロジクロロビス[1,3−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)プロパン]ジルテニウム(II)、 ジ−μ−クロロジクロロビス[1,4−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン]ジルテニウム(II)、 クロロビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパン]ヒドリドルテニウム(II)、 クロロビス[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブ
タン]ヒドリドルテニウム(II)、 ビス(トリフェニルホスフィン)・ビスアセトンルテ
ニウム・ビス(テトラフロロボレート)(II)、 トリクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム(III)、 ビス(2,2′−ビピリジン−N,N′)ジクロロルテニウ
ム(III)クロライド、 ルテニウムテトラクロライド水和物など。
ン)ルテニウム(O)、 (η4−1,3−ブタジエン)トリス(トリフェニルホ
スフィン)ルテニウム(O)、 ビス(トリフルオロアセテート)ビス(トリフェニル
ホスフィン)ルテニウム(II)、 ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム(II)、 ジカルボニルジヒドリドビス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム(II)、 ジクロロ[(1,2,5,6−η4)−1,5−シクロオクタジ
エ)ルテニウム(II)、 ジ−μ−クロロジクロロビス[1,3−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)プロパン]ジルテニウム(II)、 ジ−μ−クロロジクロロビス[1,4−ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)ブタン]ジルテニウム(II)、 クロロビス[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プ
ロパン]ヒドリドルテニウム(II)、 クロロビス[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブ
タン]ヒドリドルテニウム(II)、 ビス(トリフェニルホスフィン)・ビスアセトンルテ
ニウム・ビス(テトラフロロボレート)(II)、 トリクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニ
ウム(III)、 ビス(2,2′−ビピリジン−N,N′)ジクロロルテニウ
ム(III)クロライド、 ルテニウムテトラクロライド水和物など。
反応条件 本発明では、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとは、1,3−ブタジエン:トリアルコキシシランとの
モル比が1:2〜5:1の範囲で用いられるが、4−トリアル
コキシシリル−1−ブテンの選択率を高めるためには、
ブタジエンが過剰に用いられることが好ましい。
ンとは、1,3−ブタジエン:トリアルコキシシランとの
モル比が1:2〜5:1の範囲で用いられるが、4−トリアル
コキシシリル−1−ブテンの選択率を高めるためには、
ブタジエンが過剰に用いられることが好ましい。
反応は、常圧下で行なってもよく、また加圧下で行な
ってもよい。反応温度は、30〜200℃好ましくは50〜150
℃程度である。また反応時間は、反応温度によって大き
く変化するが、通常1時間から48時間程度である。
ってもよい。反応温度は、30〜200℃好ましくは50〜150
℃程度である。また反応時間は、反応温度によって大き
く変化するが、通常1時間から48時間程度である。
反応は、溶媒の存在下に行なってもよく、また不存在
下に行なってもよい。溶媒を用いる場合には、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、ジフェニルエーテル、アニソールなどが用い
られる。
下に行なってもよい。溶媒を用いる場合には、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、デカ
ン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチル
エーテル、ジフェニルエーテル、アニソールなどが用い
られる。
また反応は、一般的に液相反応として行なわれる。
本発明では、ルテニウム錯体は、1,3−ブタジエン1
モルに対して、10-6〜10-2モル程度の量で用いられる。
ルテニウム錯体は、通常、反応系に溶解あるいは懸濁し
て用いられるが、場合によっては該ルテニウム錯体を活
性炭、イオン交換樹脂、シリカなどの担体に担持または
固定化して用いることもできる。
モルに対して、10-6〜10-2モル程度の量で用いられる。
ルテニウム錯体は、通常、反応系に溶解あるいは懸濁し
て用いられるが、場合によっては該ルテニウム錯体を活
性炭、イオン交換樹脂、シリカなどの担体に担持または
固定化して用いることもできる。
このように1,3−ブタンジエンとトリアルコキシシラ
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なうと、
1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2−付加し
た4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを30モル%を
超える高選択率で得ることができる。
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なうと、
1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2−付加し
た4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを30モル%を
超える高選択率で得ることができる。
これに対して、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシ
ランとの反応を、最も一般的なヒドロシリル化触媒であ
る塩化白金酸あるいは白金錯体を用いて行なうと、1,3
−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,4−付加した
1−トリアルコキシシリル−2−ブテンあるいは1,3−
ブタジエンにトリアルコキシシランが2つ付加した1,4
−ビス(トリアルコキシシリル)ブタンが主として生成
し、4−トリアルコキシシリル−1−ブテンはほとんど
生成しない。
ランとの反応を、最も一般的なヒドロシリル化触媒であ
る塩化白金酸あるいは白金錯体を用いて行なうと、1,3
−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,4−付加した
1−トリアルコキシシリル−2−ブテンあるいは1,3−
ブタジエンにトリアルコキシシランが2つ付加した1,4
−ビス(トリアルコキシシリル)ブタンが主として生成
し、4−トリアルコキシシリル−1−ブテンはほとんど
生成しない。
本発明により高選択率で得られる4−トリアルコキシ
シリル−1−ブテンは、シランカップリング剤として、
またケイ素含有重合体を製造するためのモノマーとし
て、さらにはグラフト変性用モノマーとして用いられ
る。
シリル−1−ブテンは、シランカップリング剤として、
またケイ素含有重合体を製造するためのモノマーとし
て、さらにはグラフト変性用モノマーとして用いられ
る。
発明の効果 本発明では、1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラ
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なってい
るため、1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2
−付加した4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを高
選択率で得ることができる。
ンとの反応をルテニウム錯体触媒の存在下に行なってい
るため、1,3−ブタジエンにトリアルコキシシランが1,2
−付加した4−トリアルコキシシリル−1−ブテンを高
選択率で得ることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1 耐圧ビン型の反応容器にビス(トリフェニルホスフィ
ン)ルテニウム・ビス(トリフロロアセテート)[構造
式Ru(PPh3)2(OCOCF3)2:Ph=フェニル]17mg(0.02
ミリモル)、1,3−ブタジエン1.1g(20ミリモル)およ
びトリエトキシシラン3.3g(20ミリモル)を入れて、油
浴上で80℃に加熱しながら20時間反応した。
ン)ルテニウム・ビス(トリフロロアセテート)[構造
式Ru(PPh3)2(OCOCF3)2:Ph=フェニル]17mg(0.02
ミリモル)、1,3−ブタジエン1.1g(20ミリモル)およ
びトリエトキシシラン3.3g(20ミリモル)を入れて、油
浴上で80℃に加熱しながら20時間反応した。
反応終了後、得られた反応混合物をガスクロマトグラ
フにより分析したところ、トリエトキシシランの転化率
は23%であり、反応生成物の選択率(ブタジエン基準)
は4−トリエトキシシリル−1−ブテンが38モル%であ
り、1−トリエトキシシリル−2−ブテンが52モル%で
あり、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタンは7モ
ル%であった。
フにより分析したところ、トリエトキシシランの転化率
は23%であり、反応生成物の選択率(ブタジエン基準)
は4−トリエトキシシリル−1−ブテンが38モル%であ
り、1−トリエトキシシリル−2−ブテンが52モル%で
あり、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタンは7モ
ル%であった。
実施例2 実施例1において、1,3−ブタジエンを2.2g(40ミリ
モル)の量で用いた以外は、実施例1と同様にしたとこ
ろ、トリエトキシシランの転化率は14%であり、4−ト
リエトキシシリル−1−ブテンの選択率は66モル%であ
り、1−トリエトキシシリル−2−ブテンの選択率は30
モル%であり、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタ
ンの選択率は4モル%であった。
モル)の量で用いた以外は、実施例1と同様にしたとこ
ろ、トリエトキシシランの転化率は14%であり、4−ト
リエトキシシリル−1−ブテンの選択率は66モル%であ
り、1−トリエトキシシリル−2−ブテンの選択率は30
モル%であり、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ブタ
ンの選択率は4モル%であった。
実施例3 実施例1において、溶媒としてテトラヒドロフランを
5mlを用いた以外は、実施例1と同様にしたところ、ト
リエトキシシランの転化率は58モル%であり、4−トリ
エトキシシリル−1−ブテンの選択率は34モル%であっ
た。
5mlを用いた以外は、実施例1と同様にしたところ、ト
リエトキシシランの転化率は58モル%であり、4−トリ
エトキシシリル−1−ブテンの選択率は34モル%であっ
た。
実施例4 実施例1において、触媒としてビス(トリフェニルホ
スフィン)・ビスアセトンルテニウム・ビス(テトラフ
ロロボレート)[Ru(PPh3)2(CH3COCH3)2]2+(BF
4 -)218mg(0.020ミリモル)を用いた以外は、実施例1
と同様にしたところ、トリエトキシシランの転化率は44
モル%であり、4−トリエトキシシリル−1−ブテンの
選択率は36モル%であった。
スフィン)・ビスアセトンルテニウム・ビス(テトラフ
ロロボレート)[Ru(PPh3)2(CH3COCH3)2]2+(BF
4 -)218mg(0.020ミリモル)を用いた以外は、実施例1
と同様にしたところ、トリエトキシシランの転化率は44
モル%であり、4−トリエトキシシリル−1−ブテンの
選択率は36モル%であった。
比較例1 実施例1において、触媒としてテトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)白金[Pt(PPh3)4]を0.02ミリモル
を用いた以外は、実施例1と同様にしたところ、トリエ
トキシシランの転化率は8モル%であり、4−トリエト
キシシリル−1−ブテンは検出されなかった。生成した
1−トリエトキシシリル−2−ブテンおよび1,4−ビス
(トリエトキシシリル)ブタンの選択率は、それぞれ69
モル%と31モル%とであった。
ニルホスフィン)白金[Pt(PPh3)4]を0.02ミリモル
を用いた以外は、実施例1と同様にしたところ、トリエ
トキシシランの転化率は8モル%であり、4−トリエト
キシシリル−1−ブテンは検出されなかった。生成した
1−トリエトキシシリル−2−ブテンおよび1,4−ビス
(トリエトキシシリル)ブタンの選択率は、それぞれ69
モル%と31モル%とであった。
比較例2 実施例1において、触媒として塩化白金酸のテトラヒ
ドロフラン溶液を白金として0.02ミリモルを用いた以外
は、実施例1と同様にしたところ、トリエトキシシラン
の転化率は、26モル%であり、4−トリエトキシシリル
−1−ブテンは検出されなかった。生成した1−トリエ
トキシシリル−2−ブテンおよび1,4−ビス(トリエト
キシシリル)ブタンの選択率は、それぞれ67モル%と33
モル%とであった。
ドロフラン溶液を白金として0.02ミリモルを用いた以外
は、実施例1と同様にしたところ、トリエトキシシラン
の転化率は、26モル%であり、4−トリエトキシシリル
−1−ブテンは検出されなかった。生成した1−トリエ
トキシシリル−2−ブテンおよび1,4−ビス(トリエト
キシシリル)ブタンの選択率は、それぞれ67モル%と33
モル%とであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥村 義治 東京都新宿区下落合3丁目6番29―112 号 (72)発明者 小山 武夫 神奈川県茅ケ崎市堤93番地4 (56)参考文献 特開 昭49−81322(JP,A) 特公 昭46−11646(JP,B1) 特公 昭46−10846(JP,B1) 特公 昭42−256(JP,B1) 特公 昭39−30270(JP,B1)
Claims (1)
- 【請求項1】1,3−ブタジエンとトリアルコキシシラン
との反応を、ルテニウム錯体触媒の存在下に行なうこと
を特徴とするトリアルコキシシリルブテン類の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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