JPH0764772B2 - オレフインのヒドロホルミル化法 - Google Patents

オレフインのヒドロホルミル化法

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JPH0764772B2
JPH0764772B2 JP62053640A JP5364087A JPH0764772B2 JP H0764772 B2 JPH0764772 B2 JP H0764772B2 JP 62053640 A JP62053640 A JP 62053640A JP 5364087 A JP5364087 A JP 5364087A JP H0764772 B2 JPH0764772 B2 JP H0764772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はオレフィンのヒドロホルミル化法に関する。
詳しくは、本発明は、ロジウムと三価の有機リン化合物
のオキシドとを含む触媒の存在下に、オレフィンをヒド
ロホルミル化反応させるに際し、反応帯域に再循環させ
る触媒液中に蓄積する高沸点副生物を除去して、触媒液
量を一定の範囲に維持しつつオレフィンのヒドロホルミ
ル化反応を実施する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
オレフィン性化合物をロジウムまたはコバルト触媒の存
在下に一酸化炭素及び水素とヒドロホルミル化反応させ
てアルデヒドを製造する方法はよく知られている。特に
分岐を有するオレフィン性化合物のヒドロホルミル化反
応においては三価の有機リン化合物のオキシドで修飾し
たロジウム触媒を用いてヒドロホルミル化反応を行な
い、得られた反応生成物に三価の有機リン化合物を添加
して蒸留し、生成アルデヒドを留出させて取得し、一
方、ロジウム触媒を含有する釜残液をヒドロホルミル化
反応の反応系へ再循環させる方法が提案されている(特
開昭59−76034号、特開昭59−95235号等参照)。
上記方法において、循環触媒液を繰り返し循環再使用す
る場合には循環触媒液中に生成アルデヒドよりも高沸点
の反応副生物(以下、高沸点副生物という)が蓄積し、
蓄積物の容量に相当するだけ触媒液全体の容積が増大す
るので、ついには定められた容量の反応容器では運転操
作の維持が不可能となる。たとい1回の反応当りの高沸
点副生物の生成量が微量であったとしても反応−生成ア
ルデヒド分離−再循環の工程の繰り返しにより蓄積量は
膨大な量となる。従つて、生成するアルデヒドのみでな
く高沸点副生物をも、何らかの手段で、その生成量に見
合う量だけ、反応系外に抜き出す必要がある。該触媒液
中の高沸点副生物を除去する方法としては下記の方法が
考えられる。
該高沸点副生物を含有する循環触媒液の一定量を高
沸点副生物の生成量見合いで抜き出す方法。
該高沸点副生物を含有する循環触媒液を蒸留に対
し、高沸点副生物のみを選択的に留出させる方法。
上記の蒸留を水蒸気蒸留によつて行なう方法(特
開昭56−45436号参照)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、上記の方法では生成する高沸点副生物
のすべてを除去することができるが、同時にロジウムを
含む触媒と三価の有機リン化合物とも抜き出されるの
で、抜き出し量が大量になると、該抜出液から触媒成分
を回収する費用が増大し、経済的でない。また、上記
の方法では、ある沸点までの高沸点副生物は除去し得る
が、それ以上の沸点のものは除去し得ないという問題が
あり、また蒸留中に触媒の活性が低下するという問題が
あって、工業的に採用し得るものではない。さらに、上
記の方法では、高沸点副生物の除去は可能であるが、
ロジウムと三価の有機リン化合物のオキシドとからなる
触媒系では、蒸留中における触媒の活性低下が大きく、
工業的採用にはやや問題がある。
工業的操作において、循環触媒液から高沸点副生物を除
去する工程は、循環触媒液から該高沸点副生物のみを所
望量選択的に除去し得るばかりでなく、循環触媒液の保
有する触媒活性がその除去工程において損なわれないこ
とが望まれる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記の従来技術に鑑み、上記の方法に関
してその問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ロ
ジウムと三価の有機リン化合物のオキシドとからなる触
媒を含有する循環触媒液を特定の条件下で水蒸気蒸留し
て高沸点副生物を除去する場合には、上記触媒の活性低
下が効果的に抑制され、かつ、高沸点副生物の一部がア
ルデヒド又はアルコールに分解されて回収されることを
見出して本発明を完成した。
即ち本発明の要旨は、ロジウムと三価の有機リン化合物
のオキシドとを含む触媒液中でオレフィン性化合物と一
酸化炭素及び水素とを反応させ、得られるヒドロホルミ
ル化反応液に三価の有機リン化合物を添加したのち蒸留
して生成アルデヒドを分離取得した後、ロジウムを含む
高沸点留分よりなる残液を循環触媒液として反応系に再
循環させることを含むヒドロホルミル化法において、該
循環触媒液の少なくとも一部を抜出触媒液として抜き出
し、該抜出触媒液を、該抜出触媒液に対する水蒸気の供
給量比(重量比)が30以下で、かつ塔底温度が250℃以
下の条件で水蒸気蒸留することにより高沸点副生物の少
なくとも一部を留出させ、缶出液をヒドロホルミル化反
応系に再循環させることを特徴とするオレフィンのヒド
ロホルミル化法、に存する。
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明はロジウムと三価の有機リン化合物のオキシドと
を含む触媒を用いるオレフィンのヒドロホルミル化反応
において、反応系から排出された触媒液から高沸点副生
物を分離し、残液をヒドロホルミル化反応系へ循環させ
て再使用する場合に適用される。
本発明方法におけるヒドロホルミル化反応の工程は常法
に従つて行なわれる。通常、後述の循環工程から循環さ
れてくるロジウム及び三価の有機リン化合物のオキシド
とを含む溶液を触媒液とし、これにオレフィン性化合物
および水性ガスを供給することにより反応が行なわれ
る。所望により触媒や溶媒を追加供給することができ
る。触媒は、このヒドロホルミル化反応工程にロジウム
化合物及び所望により三価の有機リン化合物のオキシド
を添加して反応系内で調製することもできるが、予めロ
ジウム化合物と三価の有機リン化合物のオキシドとを溶
媒中で混合し、これに一酸化炭素を導入して活性なロジ
ウム触媒としてから反応系に添加するのが好ましい。
触媒調製に用いるロジウム化合物としては、例えば硝酸
ロジウム、硫酸ロジウム等の無機酸塩;酢酸ロジウム、
蓚酸ロジウムナトリウム、リンゴ酸ロジウムカリウム等
の有機酸塩;〔RhL6〕X3、〔RhL5H2O〕X3、〔RhL5(O
H)〕X2、〔RhL5(NO2)〕X2、〔Rh(Py)(N
O3〕(式中、XはN▲O- 3▼、OH-又は1/2(S▲O
2- 4▼)を表わし、LはNH3を表わし、Pyはピリジンを表
わす。)等のアミン錯塩などが挙げられる。なかでも硝
酸ロジウム及び酢酸ロジウムが好適に用いられる。
三価の有機リン化合物のオキシドとしては、例えばトリ
フエニルホスフィンオキシド、トリトリルホスフィンオ
キシド、トリアニシルホスフィンオキシド等のアリール
ホスフィンオキシド;トリブチルホスフィンオキシド、
トリオクチルホスフィンオキシド等のアルキルホスフィ
ンオキシド;アルキル基とアリール基とを併せもつアル
キルアリールホスフィンオキシド;トリフェニルホスフ
ィットオキシド(リン酸トリフェニル)、トリトリルホ
スフィットオキシド等のアリールホスフィットオキシ
ド;トリエチルホスフィットオキシド、トリプロピルホ
スフィットオキシド、トリブチルホスフィットオキシド
等のアルキルホスフィットオキシド;アルキル基とアリ
ール基とを併せもつアルキルアリールホスフィットオキ
シド;ビス(ジフェニルホスフィノ)メタンジオキシ
ド、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタンジオキ
シド、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンジオ
キシド、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノメチル)シ
クロブタンジオキシド、2,3−0−イソプロピリデン−
2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィ
ノ)ブタンジオキシド等の多座ホスフィンオキシド等が
挙げられる。
これらの三価の有機リン化合物のオキシドは、ヒドロホ
ルミル化反応の案内において、ロジウム1原子に対しオ
キシドの形のリンが10〜50原子となるように存在させる
のが好ましい。オキシドの形のリンが少なすぎると触媒
の安定性が低下し、逆にリンが多すぎるとヒドロホルミ
ル化反応の速度が低下する。
なお、ロジウム化合物と三価の有機リン化合物のオキシ
ドとから予め活性な触媒を調製するには、両者を上記の
比率で混合し、これを一酸化炭素で処理するのがよい。
その条件としては一酸化炭素分圧1〜200kg/cm2、好ま
しくは1〜10kg/cm2、温度10〜200℃、好ましくは20〜1
50℃、時間1〜100分、好ましくは2〜50分の範囲から
適宜選択することができる。なお、一酸化炭素としては
水素を実質的に含まないものを用いるのが好ましい。
反応帯域中での触媒濃度はロジウムとして通常1〜500m
g/、好ましくは2〜100mg/である。
ヒドロホルミル化反応に供するオレフイン性化合物とし
ては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン等
の直鎖α−オレフィン類;2−ブテン、2−ペンテン、2
−ヘキセン、3−ヘキセン、2−オクテン、3−オクテ
ン等の直鎖内部オレフィン類;イソブチレン、2−メチ
ル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、2−メチル−1−ヘキセン、3−メ
チル−1−ヘキセン、2−メチル−1−ヘプテン、3−
メチル−1−ヘプテン、4−メチル−1−ヘプテン、等
の分岐α−オレフィン類;2,3−ジメチル−1−ブテン、
2,3−ジメチル−1−ペンテン、2,4−ジメチル−1−ペ
ンテン、2,3−ジメチル−1−ヘキセン、2,4−ジメチル
−1−ヘキセン、2,5−ジメチル−1−ヘキセン、3,4−
ジメチル−1−ヘキセン等の多分岐α−オレフィン類;
並びにこれらの二重結合異性体が挙げられる。また上記
以外に、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級オ
レフィンの二量体〜四量体のようなオレフィンオリゴマ
ー異性体混合物、さらにアリルアルコール、アクロレイ
ンアセタール、ビニルアセテート、スチレン、アルキル
ビニルエーテル等の置換オレフィン類を用いることもで
きる。特に本発明は、ナフサの熱分解又は重軽質油の接
触分解から多量に得られる炭素数4の留分(以下、BB留
分という。)を二量化して得られる炭素数8のオレフィ
ン異性体混合物のヒドロホルミル化に有利に適用され
る。何故なら、有機ホスフィンで修飾したロジウム触媒
を用いる場合と異なり、ロジウムと三価の有機リン化合
物のオキシドとを含む触媒を用いる本発明方法において
は、これらの分岐を有する内部オレフィンないしこれを
主体とする異性体混合物を原料とする場合でも、反応が
速やかに進行するからである。
本発明方法においては、通常、循環工程から循環されて
くるロジウム及び三価の有機リン化合物のオキシドを含
む溶液を反応媒体として用いるが、追加の溶媒を使用す
ることもできる。溶媒としては、触媒を溶解し、かつ反
応に悪影響を与えないものであれば、任意のものを用い
ることができる。例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、ドデシルベンゼン等の芳香族炭化水素;シクロヘキ
サン等の脂環式炭化水素;ジブチルエーテル、エチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジ
エチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;ジエチルフ
タレート、ジオクチルフタレート等のエステル類などが
用いられる。また、ヒドロホルミル化反応により生成し
たアルデヒド類を溶媒とすることもできる。
反応温度は高い方が反応速度の点では有利であるが、高
温に過ぎると触媒が分解する恐れがある。従つて通常50
〜170℃、特に100〜150℃で反応を行なうのが好まし
い。
一酸化炭素及び水素ガスとしては、水素と一酸化炭素と
のモル比率が1/5〜5/1、特に1/2〜2/1の範囲の水性ガス
が好ましい。水性ガスの分圧としては20〜500kg/cm2
範囲が用いられるが、好ましくは50〜300kg/cm2の範囲
である。
反応は連続方式および回分方式のいずれでも行なうこと
ができる。
次いで、ヒドロホルミル化反応の反応液に、三価の有機
リン化合物を添加したのち蒸留して、反応により生成し
たアルデヒドないしアルコールを留出させる。三価の有
機リン化合物としては、ヒドロホルミル化反応の触媒液
中のオキシドに対応するものを用いるのが好ましい。通
常はトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等
が用いられる。三価の有機リン化合物は反応液中のロジ
ウム触媒に配位してこれを安定化させる。三価の有機リ
ン化合物は、ロジウム1原子に対し三価の形のリンが1
原子以上となるように添加する。しかし多量に使用して
も触媒の安定性が使用量に比例して高まるわけではない
ので、通常はロジウム1原子に対し三価の形のリンが1
〜100原子、好ましくは1〜20原子となるように添加す
る。
三価の有機リン化合物を添加したヒドロホルミル化反応
の反応液は、常法により蒸留して生成したアルデヒドや
アルコール等の軽沸点留分と、ロジウム触媒を含む高沸
点留分とに分離する。反応液中のロジウム触媒は三価の
有機リン化合物により安定化されているので、フラッシ
ュ蒸留、常圧蒸留、減圧蒸留及びこれらの組合せなど、
任意の蒸留方式を用いることができる。また蒸留温度は
通常200℃以下、特に25〜150℃の範囲が適当である。
蒸留工程から塔底液として排出されるロジウム触媒およ
び三価の有機リン化合物のオキシドを含む高沸点留分は
循環触媒液としてヒドロホルミル化反応系に再循環させ
る。その際、高沸点副生物の蓄積を避けるために、循環
触媒液の少なくとも一部を連続的または間欠的に反応系
外に抜出触媒液として抜き出す。
本発明方法においてはこの反応系外に抜き出された抜出
触媒液を直接にあるいは反応溶媒除去の後に水蒸気蒸留
に供する。該抜出触媒液を直接に水蒸気蒸留に供する場
合には反応溶媒及び高沸点副生物を水蒸気蒸留塔の塔頂
より留出させる。この場合、所望により該留出液をさら
に蒸留することによつて溶媒と高沸点副生物とに分離
し、溶媒を回収することもできる。
高沸点副生物の内容は多岐にわたり複雑であるが、主と
してヒドロホルミル化反応で生成するアルデヒドの2次
的副反応で生成するものである。高沸点副生物として
は、生成アルデヒドの二量体であるアルドール、該アル
ドールの脱水生成物である不飽和アルデヒド、該不飽和
アルデヒドの水添生成物である飽和アルデヒドおよび飽
和アルコール、生成アルデヒドとその水添物であるアル
コールとの反応により得られるヘミアセタールの脱水生
成物である不飽和エーテル、該ヘミアセタールと生成ア
ルデヒドとの反応により得られるアセタール、生成アル
デヒドの三量体等が挙げられる。高沸点副生物は上記か
ら明らかな如く、生成アルデヒド骨格の二量体、三量体
等を含むものであり、生成アルデヒドよりも高沸点のも
のであり、単なるアルデヒドの蒸留工程では除去し得な
い。
上記水蒸気蒸留においては、該抜出触媒液中の高沸点副
生物の少なくとも一部を水蒸気と共に留出させて除去す
る。水蒸気蒸留塔の具体的な操作条件は除去すべき高沸
点副生物の量、高沸点副生物の物性、水蒸気蒸留塔に供
給する抜出触媒液の量及び該抜出触媒液中の高沸点副生
物の濃度等の条件により決められるが、本発明方法にお
いては該抜出触媒液に対する水蒸気の供給量比(重量
比)を30/1以下、好ましくは20/1以下、より好ましくは
15/1以下、最も好ましくは0.01/1〜10/1の範囲内で選択
し、かつ、塔底温度を250℃以下、好ましくは220℃以
下、さらに好ましくは200℃以下に維持する。なお塔内
において水蒸気が凝縮して缶出液に混入することがない
ように、その操作圧及び/または外部からの加熱を調節
するのが好ましい。
抜出触媒液に対する水蒸気の供給量比が上記の上限を超
える場合には触媒の活性が著しく低下し、また塔底温度
が上記の上限を超える場合には触媒の安定性が低下し、
触媒の活性が著しく低下してくるので好ましくない。
上記水蒸気蒸留の操作法は特に限定されるものではな
く、常法によつて行なわれる。例えば、水蒸気蒸留塔の
蒸留缶の中に水蒸気を直接吹き込む方法、水蒸気を吹込
みながら外部から加熱する方法等で行なわれるが、これ
らの方法に限定されるものではない。
水蒸気蒸留塔においては、塔頂から所望量の、即ち、反
応で副生する高沸点副生物の生成量見合いの、高沸点副
生物を留出させ、一方、塔底からは高沸点副生物含量の
減少した缶出液を抜き出す。該缶出液の大部分はヒドロ
ホルミル化反応工程に再循環させるが、一部分は該水蒸
気蒸留塔で除去し得ない高沸点副生物を除去するため
に、廃触媒液として系外に排出するのが好ましい。また
塔底より抜き出された缶出液が二液相となっている場合
(吹込み水蒸気の一部が凝縮して混合している場合)に
は油水分離したのち、油層をヒドロホルミル化反応工程
に再循環させるのが好ましい。
上記循環触媒液及び水蒸気蒸留塔缶出液は三価の有機リ
ン化合物を含有しているので、これら液をヒドロホルミ
ル化反応工程に循環するに際し、含有される三価の有機
リン化合物を対応するオキシドに酸化する。そのために
は、これら液を空気酸化したのちヒドロホルミル化反応
工程に循環させる方法、あるいはこれらの液に過酸化物
を添加してのちヒドロホルミル化反応工程に循環させる
方法で行なうのが望ましい。後者の方法においてはヒド
ロホルミル化反応工程に再循環させられる間に三価の有
機リン化合物が対応するオキシドに酸化される。該過酸
化物としては、例えばベンゾイルペルオキシド、t−ブ
チルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過酸化水
素等が使用されるが、特にオレフィン性化合物、特にヒ
ドロホルミル化反応の原料であるオレフィン性化合物の
空気酸化により生成する過酸化物を用いるのが好適であ
る。
〔実施例〕
次に本発明の実施の態様を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。
実施例1 (1) オクテンの合成 ナフサのクラッカーから得られるBB留分からブタジエン
及びイソブテンを除去した後のC4留分(イソブテン6重
量%、1−ブテン43重量%、2−ブテン25重量%、ブタ
ン類25重量%、その他1重量%の組成)をモレキュラー
シーブ13Xにより脱水した。次いで容積10のSUS製誘導
攪拌型オートクレーブに、窒素雰囲気下にて、上記した
脱水後のC4留分4kg、オクタン酸ニッケルのn−ヘキサ
ン溶液5.5g(Ni含有量6wt%)及びエチルアルミニウム
ジクロリド11.3gを仕込み、40℃で7時間反応させた。
反応後、5wt%H2SO4水溶液340gを添加して触媒を失活さ
せた後に液々分離し、次いで常圧蒸留してオクテンを得
た。
上記の反応及び蒸留を3回行なった。
(2) ヒドロホルミル化反応 内容積10のSUS−316製誘導攪拌式オートクレーブに上
記(1)で得られたオクテン7、酢酸ロジウムのメタ
ノール溶液(ロジウム濃度4000mg/)を反応液中のロ
ジウム濃度が10mg/となる量添加し、更にロジウムに
対して20倍モルのトリフェニルホスフィンオキシドを加
え、オートクレーブを密封した。オートクレーブ内を窒
素ガスで置換し、さらに窒素ガスを40kg/cm2Gまで圧入
した後、常圧に放圧する操作を3回反復した後、130℃
に昇温した。130℃に到達後、直ちに全圧が170kg/cm2G
となるように水性ガス(H2/CO=1)を圧入し、130℃で
6時間反応を行なわせた。この間、反応により消費され
た水性ガスは定圧装置を経て蓄圧器から補給し、オート
クレーブ内を170kg/cm2Gに保った。反応終了後、反応液
をガスクロマトグラフィーにより分析した結果、C9のア
ルデヒド収率92.72%、C9のアルコール収率4.90%、高
沸点副生物化率0.40%であった。
(3) ヒドロホルミル化反応液の蒸留による高沸点副
生物の凝縮 上記(2)で得られたヒドロホルミル化反応液に、反応
液中のロジウムに対して9倍モルのトリフェニルホスフ
ィンを加え、窒素ガス雰囲気中で圧力70mmHg、塔頂温度
110℃で単蒸留してアルデヒドを留出させ、残留液をさ
らに30mmHg、塔頂温度115℃で減圧蒸留して含有される
アルコールの一部を留出させ、缶出液として炭素数9の
アルデヒド(以下、C9アルデヒドという)1.7重量%、
炭素数9のアルコール(以下、C9アルコールという)6.
7重量%、トリフェニルホスフィンオキシド(以下、TPP
Oという)2.1重量%及び高沸点副生物(以下、HBとい
う)89.5重量%の蒸留残液を得た。
(4) 水蒸気蒸留による高沸点副生物の除去 水蒸気吹込口、コンデンサー、攪拌用窒素キャピラリー
及び留出液受器を備えた容積500mlのナシ型フラスコに
上記(3)で得られた蒸留残液50mlを入れ、30mmHgの圧
力で釜の温度を180℃に保持した状態で該釜に蒸留残液
を1ml/分の速度で供給しつつ、圧力3kg/cm2Gの水蒸気を
蒸留残液の供給速度に対し0.4倍(重量比)の速度で吹
込んで水蒸気蒸留を行なった。その結果、油層留出液5
2.5gが得られた。得られた留出液及び釜残液の組成は表
1に示す通りであり、高沸点副生物の除去率は48.7%で
あった。また、得られた留出液及び釜残液の組成並びに
仕込み液量(上記(3)の蒸留残液)から求めた高沸点
副生物の分解率及び有効成分(C9アルデヒド及びC9アル
コールの合計量)の増加率は表1に示す通りであった。
なお、高沸点副生物の分解率及び有効成分の増加率は下
記式によって求めた。
(5) 水蒸気蒸留前後の触媒の活性比較 水蒸気蒸留前の蒸留残液の触媒活性試験 上記(3)で得られた蒸留残液に、予め上記(1)で得
られたオクテンに空気を吹込んで過酸化物を生成させた
液(過酸化物含有量130ミリ当量/)を該蒸留残渣中
のトリフェニルホスフィン1モルに対し5当量となるよ
うに加え、窒素雰囲気中で40℃、30分間保持して対応す
るオキシドに酸化処理し、触媒液Aを得た。
内容積200mlのSUS−316製上下攪拌式オートクレーブに
上記(1)で得られたオクテン及び上記で得られた触媒
液Aを15対1(容量比)の割合で供給し、オートクレー
ブを密封した。オートクレーブ内を窒素ガスで置換し、
さらに窒素ガスを40kg/cm2Gまで圧入した後、常圧に放
圧する操作を3回反復した後、130℃に昇温した。130℃
に到達後、直ちに全圧が170kg/cm2Gとなるように水性ガ
ス(H2/CO=1)を圧入し、130℃で6時間反応を行なわ
せた。この間、反応により消費された水性ガスは定圧装
置を経て蓄圧器から補給し、オートクレーブ内を170kg/
cm2Gに保った。蓄圧器の水性ガスの消費速度から反応速
度定数(1次)k1を求めた。
水蒸気蒸留後の釜残液の触媒活性試験 上記(4)で得られた釜残液を上記と同様に酸化処理
して触媒液Bを得た。該触媒Bを上記のロジウム濃度
と同一となるように仕込み、上記と同様にして反応を
行なわせ、反応速度定数(1次)k2を求めた。
上記のk1及びk2より、水蒸気蒸留前後の触媒の比活性
(k2/k1)を求めたところ0.98であつた。
実施例2〜3及び比較例1 実施例1において水蒸気蒸留条件を表1のように変えた
こと以外は同様に操作した。その結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明方法によりロジウムと三価の有機リン化合物のオ
キシドとからなる触媒系を用いるヒドロホルミル化反応
における高沸点副生物を効果的に除去することができ
る。本発明方法においては高沸点副生物除去時の触媒の
活性低下が抑制され、また高沸点副生物の一部をアルデ
ヒド又はアルコールに分解して回収することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロジウムと三価の有機リン化合物のオキシ
    ドとを含む触媒液中でオレフィン性化合物と一酸化炭素
    及び水素とを反応させ、得られるヒドロホルミル化反応
    液に三価の有機リン化合物を添加したのち蒸留して生成
    アルデヒドを分離取得した後、ロジウムを含む高沸点留
    分よりなる残液を循環触媒液として反応系に再循環させ
    ることを含むヒドロホルミル化法において、該循環触媒
    液の少なくとも一部を抜出触媒液として抜き出し、該抜
    出触媒液を、該抜出触媒液に対する水蒸気の供給量比
    (重量比)が30以下で、かつ塔底温度が250℃以下の条
    件で水蒸気蒸留することにより高沸点副生物の少なくと
    も一部を留出させ、缶出液をヒドロホルミル化反応系に
    再循環させることを特徴とするオレフィンのヒドロホル
    ミル化法。
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