JP2000273053A - 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法 - Google Patents

共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法

Info

Publication number
JP2000273053A
JP2000273053A JP11075181A JP7518199A JP2000273053A JP 2000273053 A JP2000273053 A JP 2000273053A JP 11075181 A JP11075181 A JP 11075181A JP 7518199 A JP7518199 A JP 7518199A JP 2000273053 A JP2000273053 A JP 2000273053A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
palladium
mol
catalyst
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11075181A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoyuki Mori
知行 森
Hiroshi Kameo
広志 亀尾
Shinji Isotani
真治 磯谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP11075181A priority Critical patent/JP2000273053A/ja
Publication of JP2000273053A publication Critical patent/JP2000273053A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機リン化合物を含むパラジウム触媒を用い
て共役アルカジエンのオリゴメリゼーションを行い、反
応液から触媒を溶液状で回収して循環使用するに際し、
パラジウムの析出を防止する。 【解決手段】 反応液から触媒を回収して反応に再使用
する過程を、触媒が溶解している溶液の温度を160℃
以下に維持し、かつ溶液中の有機リン化合物の濃度を
0.1モル/L以上とすると共に、下記で定義されるF
値が負にならないようにする。 【数1】F=A+B−0.015×(T−85) 但し、 Aは溶液中の有機リン化合物の濃度(モル/L) Bは溶液中の共役アルカジエンのダイマー及びその誘導
体の濃度(モル/L) Tは溶液の温度(℃) をそれぞれ示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機リン化合物を
含むパラジウム触媒が溶解している溶液を触媒液とし
て、共役アルカジエンのオリゴメリゼーションを行う方
法に関するものである。詳しくは、本発明は、この反応
の反応液から触媒を失活させずに回収して、再使用する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】有機リン化合物を含む均一系パラジウム
触媒の存在下に、共役アルカジエンのオリゴメリゼーシ
ョンを行うことは公知である。生成する共役アルカジエ
ンオリゴマー類は、反応系に活性水素化合物が存在しな
い場合には、主として共役アルカジエンのダイマーであ
るアルカトリエンであり、活性水素化合物が存在する場
合には、主としてこのアルカトリエンと活性水素化合物
との付加物である。この反応の主要な用途の一つと目さ
れているのは、ブタジエンと水とを反応させてオクタジ
エニルアルコールを製造することである。このオクタジ
エニルアルコールの製造は二酸化炭素の存在下に行うの
が有利であり、またトリエチルアミンのような3級アミ
ンを存在させるのも好ましいとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】共役アルカジエンのオ
リゴメリゼーションは高価なパラジウムを触媒として用
いるので、反応液から触媒を失活させずに回収して再使
用することが必要である。通常は反応液を蒸留して生成
した共役アルカジエンオリゴマー類やこれよりも低沸点
の成分を留出させ、触媒が溶解している蒸留残液(缶出
液)を回収して反応に再使用する。この触媒の回収−再
使用法の難点は、反応液の蒸留及びその後の移送に際し
て、パラジウムが金属として析出し易いことである。こ
のパラジウムの析出を防止する方法として、2座配位性
ホスフィンをパラジウムに対して0.3〜3倍モル存在
させることが提案されている(特公昭64−6175号
公報参照)。しかしながら、2座配位性ホスフィンは高
価であり、かつこれを含む触媒は反応活性が低い傾向が
ある。従って本発明は、触媒をその高い活性を維持した
ままで回収−再使用する方法を提供しようとするもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、有機リ
ン化合物を含むパラジウム触媒が溶解している溶液を触
媒液として、共役アルカジエンのオリゴメリゼーション
を行い、反応液から生成した共役アルカジエンオリゴマ
ー類を蒸発させて回収すると共にパラジウム触媒が溶解
している残留液を取得し、この残留液を触媒液として反
応に循環使用する共役アルカジエンオリゴマー類の製造
方法において、反応液から共役アルカジエンオリゴマー
類を蒸発させて残留液を取得し、これを反応に循環使用
する回収−循環工程を、触媒が溶解している溶液の温度
を160℃以下に維持し、かつ溶液の温度が90℃以上
となるところでは、溶液中の有機リン化合物の濃度を
0.1モル/L以上とすると共に下記で定義されるF値
が負とならないようにすることにより、触媒活性の低
下、特にパラジウムの析出を抑制することができる。
【0005】
【数3】 F=A+B−0.015×(T−85) ・・・(1)
【0006】但し、Aは溶液中の有機リン化合物の濃度
(モル/L)、Bは溶液中の共役アルカジエンのダイマ
ー及びその誘導体の濃度(モル/L)、Tは溶液の温度
(℃)である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に説明する
と、本発明で原料として用いる共役アルカジエンとして
は、1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジ
エン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、クロロプレン、1,3−
オクタジエンなど、この反応に用い得ることが知られて
いる任意のものを用いることができる。最も一般的なも
のは1,3−ブタジエンである。1,3−ブタジエンと
しては精製品以外に所謂BBP(ブテン−ブタジエン留
分)、すなわちナフサ分解生成物中のC4 留分混合物を
用いることもできる。なお、BBP中にはアセチレン類
やアレン類が含まれているが、それらは水添等により予
じめ除去しておくのが好ましい。これらの不純物の濃度
はできるだけ低い方が好ましく、通常は1,3−ブタジ
エンに対して1.0重量%以下とすべきである。
【0008】場合により反応に用いる活性水素化合物と
しては、水、アルコール、フェノール、1級又は2級ア
ミン、カルボン酸、活性メチレン化合物などが挙げられ
る。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、ベン
ジルアルコールなどの1級アルコールを用いるのが好ま
しい。2級又は3級アルコールを用いると、共役アルカ
ジエンのダイマーとアルコールとの付加体に加えて、共
役アルカジエンのダイマーそのものが多量に生成し易
い。1級又は2級アミンとしては、メチルアミン、エチ
ルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、
n−ブチルアミン、ベンジルアミン、エチレンジアミ
ン、エタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アニリ
ン等の脂肪族又は芳香族1級アミン、ジメチルアミン、
ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチ
ルアミン、N−メチルアニリン等の脂肪族又は芳香族2
級アミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、カル
バゾール等の環式2級アミン等が用いられる。活性水素
化合物としてアミンを用いると、共役アルカジエンのダ
イマーがアミンに付加した構造の2級又は3級アミンが
生成する。カルボン酸としては酢酸、プロピオン酸、酪
酸、安息香酸、フタル酸などが用いられる。活性水素化
合物としてカルボン酸を用いると、これに共役アルカジ
エンのダイマーが付加した構造のエステルが生成する。
活性メチレン化合物としては、アセチルアセトン、ベン
ゾイルアセトン、アセト酢酸メチル、マロン酸ジエチ
ル、シアノ酢酸メチル、ニトロメタンなどのような、カ
ルボニル基、シアノ基、ニトロ基などの電子吸引性官能
基と結合するメチレン基を有する化合物が用いられる。
活性水素化合物は共役アルカジエン1モルに対して通常
0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるよう
に用いられる。
【0009】触媒の調製に用いるパラジウムとしては、
パラジウム黒や担体付パラジウム等の金属パラジウムを
はじめ、種々の化合物形態及び原子価状態のものを用い
ることができる。そのいくつかを例示すると、ビス(t
−ブチルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス(t−
アミルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス(シクロ
ヘキシルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス(フェ
ニルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス(p−トリ
ルイソニトリル)パラジウム(0)、ビス(2,6−ジ
メチルフェニルイソニトリル)パラジウム(0)、トリ
ス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)、
(1,5−シクロオクタジエン)(無水マレイン酸)パ
ラジウム(0)、ビス(ノルボルネン)(無水マレイン
酸)パラジウム(0)、ビス(無水マレイン酸)(ノル
ボルネン)パラジウム(0)、(ジベンジリデンアセト
ン)(ビピリジル)パラジウム(0)、(p−ベンゾキ
ノン)(o−フェナンスロリン)パラジウム(0)等の
0価パラジウム錯体;テトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)、トリス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)、ビス(トリトリルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ビス(トリキシリルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ビス(トリメシチルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ビス[トリス(テトラメチルフ
ェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、ビス[トリス
(メチルメトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム
(0)等のホスフィン化合物を配位子として持つテトラ
キス(ホスフィン)パラジウム、トリス(ホスフィン)
パラジウム、及びビス(ホスフィン)パラジウム型錯体
および対応するホスファイト化合物を配位子として持つ
テトラキス(ホスファイト)パラジウム、トリス(ホス
ファイト)パラジウム、及びビス(ホスファイト)パラ
ジウム型錯体;塩化パラジウム(II)、硝酸パラジウム
(II)、テトラアンミンジクロロパラジウム(II)、ジ
ナトリウムテトラクロロパラジウム(II)等のパラジウ
ム無機塩;酢酸パラジウム(II)、安息香酸パラジウム
(II)、α−ピコリン酸パラジウム(II)等のパラジウ
ムカルボン酸塩;ビス(アセチルアセトン)パラジウム
(II)、ビス(8−オキシキノリン)パラジウム(II)
等のパラジウムキレート化合物;ビス(アリル)パラジ
ウム(II)、(η−アリル)(η−シクロペンタジエニ
ル)パラジウム(II)、(η−シクロペンタジエニル)
(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)テト
ラフルオロ硼酸塩、ビス(ベンゾニトリル)パラジウム
(II)酢酸塩、ジ−μ−クロロ−ジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)二パラジウム(II)、ビス(トリ−
n−ブチルホスフィン)パラジウム(II)酢酸塩、2,
2−ビピリジルパラジウム(II)酢酸塩などの2価パラ
ジウム錯体等が挙げられる。
【0010】上記のパラジウム化合物中では、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス
(トリトリルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(ト
リキシリル)パラジウム(0)、ビス[トリス(メチル
メトキシフェニル)ホスフィン]パラジウム(0)、酢
酸パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトン)パラジ
ウム(II)が好ましい。パラジウム触媒は予め調製して
反応に用いる以外に、上記のパラジウム化合物と有機リ
ン化合物とを反応系に添加して、系内でパラジウム触媒
を生成させることもできる。パラジウム触媒は反応原料
である共役アルカジエンに対して、パラジウムとして通
常0.00001〜1モル倍、好ましくは0.0001
〜0.5モル倍となるように用いられる。
【0011】触媒のもう一方の主成分である有機リン化
合物としては、各種のホスフィン類、ホスフィナイト
類、ホスホナイト類、及びホスファイト類が挙げられ
る。これらの具体例としては、トリオクチルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、ジメチルオクチルホスフィ
ン等のトリアルキルホスフィン;トリシクロヘキシルホ
スフィン等のトリシクロアルキルホスフィン;トリフェ
ニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリキシリル
ホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリス(テトラ
メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニル−p−クロロ
フェニルホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)
ホスフィン等のトリアリールホスフィン;ジフェニルエ
チルホスフィン、ジメチルフェニルホスフィン、ビス
(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフ
ェニルホスフィノ)エタン等の第3級アルキルアリール
ホスフィン;ジオクチルオクトキシホスフィン、ジブチ
ルブトキシホスフィン等のアルキルホスフィナイト;ジ
フェニルフェノキシホスフィン、ジトリルトリルオキシ
ホスフィン、ジキシリルキシリルオキシホスフィン等の
アリールホスフィナイト;ジフェニルエトキシホスフィ
ン、ジエチルフェノキシホスフィン等のアルキルアリー
ルホスフィナイト;オクチルジオクトキシホスフィン、
ブチルブトキシホスフィン等のアルキルホスホナイト;
フェニルジフェノキシホスフィン、トリルジトリルオキ
シホスフィン、キシリルジキシリルオキシホスフィン等
のアリールホスホナイト;フェニルジエトキシホスフィ
ン、エチルジフェノキシホスフィン等のアルキルアリー
ルホスホナイト;トリオクチルホスファイト、トリブチ
ルホスファイト、ジメチルオクチルホスファイト等のト
リアルキルホスファイト;トリシクロヘキシルホスファ
イト等のトリシクロアルキルホスファイト;トリフェニ
ルホスファイト、トリトリルホスファイト、トリキシリ
ルホスファイト等のトリアリールホスファイト;ジフェ
ニルエチルホスファイト、ジメチルフェニルホスファイ
ト等のアルキルアリールホスファイト等が挙げられる。
【0012】有機リン化合物は、反応により生成するア
ルカジエンオリゴマー類の選択性に影響することがあ
る。例えばアルカジエノールを高選択率で生成させた場
合には、燐の各結合手に7以上の炭素を有する有機リン
化合物、例えばトリトリルホスフィン、トリキシリルホ
スフィン、トリメシチルホスフィン、トリス(テトラメ
チルフェニル)ホスフィンなどを用いるのが好ましい。
また、下記式で示される環式ホスファイトや環式ホスホ
ナイトを用いることもできる。
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1 、R2 及びR3 は、それぞ
れ、メチル、エチル、ノニル等のアルキル基、フェニ
ル、トリル、ナフチル等のアリール基、ヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシペンチル等のヒドロ
キシアルキル基、エトキシメチル等のアルコキシアルキ
ル基、フェノキシメチル等のアリールオキシアルキル
基、又はアセトキシメチル、アセトキシペンチル等のア
シルオキシアルキル基を表わす)。更には下記式で示さ
れる水溶性ホスフィンを用いることもできる。
【0015】
【化2】
【0016】(式中、Aはフェニル基、Mはアルカリ金
属を示し、mは0〜2の整数、nは1〜3の整数を表
し、m+n=3である)。これらの有機リン化合物は、
パラジウム1モルに対して通常0.1〜100モル、好
ましくは1〜50モルとなるように反応系に存在させ
る。特に好ましくは、錯体形成に必要と考えられている
量、すなわちパラジウム1モルに対して2モルよりも過
剰に用いて、遊離の有機リン化合物が反応系に存在する
ようにする。
【0017】オリゴメリゼーション反応の溶媒として
は、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチ
レングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイ
ソプロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケト
ン類、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニト
リル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、
エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン等のアルカン類、ヘキセン、オクテン等
のアルケン類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド
類、スルホラン等のスルホン類、ニトロベンゼン、ニト
ロメタン等のニトロ化合物、ピリジン、α−ピコリン等
のピリジン誘導体、トリエチルアミン等のアミン類、ア
セトアミド、プロピオンアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド等のアミド類などが用いられる。ま
た、反応生成物として活性水素化合物にダイマーが付加
した構造の化合物を希望する場合には、活性水素化合物
を溶媒量で用いることもできる。なお、活性水素化合物
として水を用いる場合には、水と原料の共役アルカジエ
ンとの双方に対して溶解力のある溶媒を用いるのが好ま
しい。溶媒はいくつかを併用してもよい。
【0018】オリゴメリゼーション反応は、通常は室温
から180℃までの広い範囲で実施することができる
が、50〜130℃、特に60〜100℃で行うのが好
ましい。反応圧力は反応条件下における自己発生圧下で
行い得るが、窒素やアルゴン等の不活性ガスで加圧して
もよい。活性水素化合物として水を用いてアルカジエノ
ールを生成させる場合には、二酸化炭素又は二酸化炭素
と不活性ガスとで200kg/cm2 G以下、通常は3
〜70kg/cm2 Gに加圧するのが好ましい。この場
合、二酸化炭素は助触媒として作用するので、パラジウ
ムに対して等モル以上、特に10モル以上となるように
用いるのが好ましい。反応系に存在させる二酸化炭素量
の上限は経済的理由により決定され、過剰に用いても反
応が阻害されることはない。さらに反応系には二酸化炭
素に加えてトリエチルアミンのような3級アミンを存在
させるのが好ましい。
【0019】生成する反応液中には、目的とする共役ア
ルカジエンオリゴマー類の他に、副生物、触媒、溶媒、
未反応の共役アルカジエンや活性水素化合物などが含ま
れている。例えば共役アルカジエンとして1,3−ブタ
ジエンを用い、かつ活性水素化合物を存在させずに反応
を行った場合には、主生成物はn−オクタトリエンであ
り、n−ドデカテトラエンなどが少量副生する。水を存
在させた場合には、主生成物は2,7−オクタジエン−
1−オールで、1,7−オクタジエン−3−オール、n
−オクタトリエン、ジオクタジエニルエーテル、C9
カルボン酸などが副生する。
【0020】反応液からは生成した共役アルカジエンオ
リゴマー類を蒸発させて回収し、触媒を含む残留液は触
媒液とし反応に再使用される。
【0021】本発明者らの知見によると、この反応液か
ら触媒を含む残留液を回収して反応系に循環する過程に
おいて、触媒を含む液の温度が90℃以上となると、触
媒が不安定となってパラジウムが金属として析出し易く
なる。このパラジウムが析出する傾向は高温ほど著るし
く、液温が160℃よりも高くなるとパラジウムの析出
を阻止するのは極めて困難となる。液温は140℃以
下、特に130℃以下に維持するのが好ましい。
【0022】本発明者らの知見によると、90〜160
℃の温度範囲では、溶液中に有機リン化合物が0.1モ
ル/L以上存在し、かつ溶液中の有機リン化合物の濃度
と、共役アルカジエンのダイマー及びその誘導体の濃度
(モル/L)、及び液温の関係を、下記式(1)で定義
されるF値が負にならないようにするならば、パラジウ
ムが金属として析出するのを大きく抑制することができ
る。
【0023】
【数4】 F=A+B−0.015×(T−85) ・・・(1)
【0024】式中、Aは溶液中の有機リン化合物の濃度
(モル/L)、Bは溶液中の共役アルカジエンのダイマ
ー及びその誘導体の濃度(モル/L)、Tは溶液の温度
(℃)を示す。
【0025】上記の式は、有機リン化合物と共役アルカ
ジエンのダイマー等とは、パラジウムの安定化に関して
は同等の効果を有していること、及び溶液の温度が高い
ほどこれらの化合物を多量に存在させる必要のあること
を示している。溶液の温度が100℃以上、特に110
℃以上では、式(1)を満足させることがパラジウムの
析出を阻止するのに特に有効である。F値が大きいほど
パラジウムは安定化する傾向にあるので、F値は0.0
5以上、特に0.15以上であるのが好ましい。しか
し、触媒の活性や溶液の取扱いなどの点からは、有機リ
ン化合物や共役アルカジエンのダイマー等の濃度を高く
することは必ずしも好ましいとはいえないので、通常は
F値が3以上とならないようにすべきである。F値が
2.0以下、特に1.0以下であるようにするのが好ま
しい。F値を調整するには、反応液から反応生成物を蒸
発させ、触媒を含む溶液を回収する際に、触媒を含む溶
液の濃縮度を調整することにより行うことができる。ま
た、回収に際し、ないしは回収された溶液に、有機リン
化合物や共役アルカジエンのダイマー等を添加すること
により行うこともできる。但し、溶液中の有機リン化合
物の濃度は0.1〜1モル/Lが好ましい。有機リン化
合物の濃度が高過ぎると、パラジウムが有機リン化合物
と錯体を形成して析出することがある。溶液中の有機リ
ン化合物の好適な濃度は0.1〜0.6モル/Lであ
る。
【0026】式(1)の共役アルカジエンのダイマー等
としては、ダイマーであるアルカトリエン及びこれと活
性水素化合物との付加体、例えばアルカジエノールが挙
げられる。最も好ましいのは、共役アルカジエンと水と
の反応生成物であるアルカジエノールが2分子縮合した
ジアルカジエニルエーテルである。これらの共役アルカ
ジエンのダイマー等の溶液中の濃度は、最も濃厚な状
態、すなわち通常は反応に循環する段階で0.2〜1.
0モル/L、特に0.3〜0.6モル/Lであるのが好
ましい。これらの共役アルカジエンのダイマー等は、溶
液中におけるパラジウムの溶解量を増加させる作用があ
ると考えられる。溶液中のパラジウム濃度は100ミリ
モル/L以下、特に50ミリモル/L以下が好ましい。
パラジウム濃度が高いとパラジウムの析出が起き易い。
【0027】なお、上述のF値が負とならない範囲であ
っても、溶液が90℃以上の温度に長く維持されている
とパラジウムの析出が起り易いので、溶液が90℃以上
である時間は長くても2時間以下とすべきである。この
時間が1.5時間以下、特に1時間以下であるのが最も
好ましい。従って反応液を蒸留する蒸留塔の塔底部にお
ける溶液の滞留時間はできるだけ短くすべきであり、か
つ塔底から流出させた溶液は直ちに冷却するのが好まし
い。なお、冷却に際しパラジウムと有機リン化合物との
錯体が生成することがあるが、冷却温度を50〜90
℃、特に70〜85℃とし、かつパラジウム、有機リン
化合物(A)、並びに共役アルカジエンダイマー及びそ
の誘導体(B)の3者の濃度(モル/L)が、下記式を
満足すれば錯体の析出を回避することができる。 パラジウム濃度<0.009×A-0.5×B2 +0.00
75
【0028】
【実施例】以下に、1,3−ブタジエンと水とを反応さ
せてオクタジエノール類を製造する場合を例にとって、
本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの例
に限定されるものではない。オクタジエノール類の製造
は図−1に示すフローシートに従い連続法で行った。内
容積10Lの誘導攪拌機付きステンレス鋼製オートクレ
ーブ1に、アセトン、トリエチルアミン、1,3−ブタ
ジエン及び水を連続的に供給し、二酸化炭素で加圧し
て、圧力10kg/cm2 G、反応温度75℃、反応器
内液量5L、反応液滞留時間2.5時間となるようにし
た。
【0029】パラジウム化合物としては酢酸パラジウ
ム、有機リン化合物としてはトリス(2,5−キシリ
ル)ホスフィンを用いた。反応液は連続的に抜出して気
液分離器2に導入し、1kg/cm2 G、30℃で気液
分離した。気相は反応器1に循環し、液相は蒸留塔3に
供給した。蒸留塔3は塔頂圧力760mmHg、還流比
1で操作して、アセトンとトリエチルアミンを塔頂から
留出させて反応器1に循環し、塔底からはオクタジエノ
ール類、副生物、触媒及び水を含む液相を抜出して油水
分離器4に供給した。油水分離器で得られた水相は一部
は蒸留塔3に、残部は反応器1に供給し、油相は蒸留塔
5に供給して、塔頂圧力20mmHg、還流比0.5で
操作し、1−ヒドロキシオクタジエン、3−ヒドロキシ
オクタジエン、オクタトリエン等を塔頂から留出させ、
塔底から触媒及び高沸点副生物などからなる塔底液を抜
出した。塔底液は脱酸槽6に供給した。脱酸槽は保有液
量400mlのオーバーフロ型攪拌槽で80℃に保持さ
れている。脱酸槽には蒸留塔3から留出したトリエチル
アミン約20重量%を含むアセトンと水とをそれぞれ6
0mL/Hr、及び200mL/Hrで供給した。脱酸
槽からオーバーフローした液は油水分離器7に流入さ
せ、油相と水相とに分離した。油相は触媒液として反応
器1に循環した。アセトン及びトリエチルアミンはとき
どき反応系に補給した。反応液の組成を表−1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】上記の反応中にときどき油水分離器4の油
相の一部を抜出して蒸留を行い、パラジウムが析出する
か否かを調べた。パラジウムが析出したか否かの判断
は、試料をアセトンで希釈したのち孔径0.1μmのメ
ンブランフィルターで濾過したものにつき、パラジウム
及びホスフィンの濃度をICPで分析し、その濃度比
(P/Pd)を算出することにより行った。すなわち共
役ジエンダイマー及びその誘導体は熱処理により分解す
るなどして減少するが、有機リン化合物及びパラジウム
は留出せずに溶液中に残留するので、その濃度比(P/
Pd)の値が大きくなれば、パラジウムが析出してメン
ブランフィルターで除去されたと解釈できる。
【0032】実施例1 油相を徐々に減圧しながら蒸留してオクタジエノール類
を留出させた。減圧蒸留開始から1時間後に圧力90m
mHg、液温120℃に達した。この時点での液組成
は、 パラジウム 0.0227モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.349モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.39モル/L であり、F=0.214、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は15.4であった。この溶液を引続き圧力
60mmHg、液温120℃で更に1時間蒸留したとこ
ろ、液組成は、 パラジウム 0.0230モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.354モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.36モル/L であり、F=0.189であり、パラジウムに対するホ
スフィンのモル比は15.4で変化していなかった。な
お、共役ジエンダイマー及びその誘導体の大部分はジオ
クタジエニルエーテルであった(以下においても同様で
あった)。
【0033】比較例1油相を徐々に減圧しながら蒸留し
てオクタジエノール類を留出させ、減圧蒸留開始から
2.5時間後に、圧力90mmHg、液温120℃に達
した。この時点での液組成は、 パラジウム 0.022モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.30モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.25モル/L であり、F=0.025、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は13.6であった。この溶液を引続き圧力
60mmHg、液温120℃で更に1時間蒸留したとこ
ろ、液組成は、 パラジウム 0.0211モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.305モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.15モル/L であり、F=−0.07、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は14.5と上昇していた。従って、この間
においてパラジウムが若干析出したことがわかる。
【0034】実施例2 油相を徐々に減圧しながら蒸留して、オクタジエノール
類を留出させた。減圧蒸留開始から30分後に、圧力6
0mmHg、液温120℃に達した。この時点での液組
成は、 パラジウム 0.016モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.23モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 1.00モル/L であり、F=0.705、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は14.4であった。この溶液を引続き圧力
60mmHg、液温120℃で更に30分間蒸留したと
ころ、液組成は、 パラジウム 0.0171モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.246モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.72モル/L であり、F=0.441、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は14.4であり、変化していなかった。
【0035】比較例2 油相を徐々に減圧しながら蒸留してオクタジエノール類
を留出させた。減圧蒸留開始から1時間後に、圧力60
mmHg、液温120℃に達した。この時点での液組成
は、 パラジウム 0.018モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.23モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.495モル/L であり、F=0.2、パラジウムに対するホスフィンの
モル比は12.8であった。この溶液を引続き圧力60
mmHg、液温120℃で更に2時間蒸留したところ、
液組成は、 パラジウム 0.0168モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.253モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.14モル/L であり、F=−0.132、パラジウムに対するホスフ
ィンのモル比は15.1と上昇していた。
【0036】実施例3 油相を徐々に減圧しながら蒸留してオクタジエノール類
を留出させた。減圧蒸留開始から30分後に、圧力60
mmHg、液温120℃に達した。この時点での液組成
は、 パラジウム 0.0174モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.173モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 1.27モル/L であり、F=0.918、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は9.9であった。この溶液を引続き圧力6
0mmHg、液温120℃で更に1時間蒸留したとこ
ろ、液組成は、 パラジウム 0.0177モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.178モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.47モル/L であり、F=0.123、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は10.0であり、変化していなかった。
【0037】比較例3 実施例3において、溶液を引続き圧力60mmHg、液
温120℃で更に1時間蒸留したところ、液組成は パラジウム 0.0160モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.179モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.24モル/L であり、F=−0.106、パラジウムに対するホスフ
ィンのモル比は11.2と上昇していた。
【0038】比較例4 油相を徐々に減圧しながら蒸留してオクタジエノール類
を留出させた。減圧蒸留開始から30分後に、圧力60
mmHg、液温120℃に達した。この時点での液組成
は、 パラジウム 0.0174モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.144モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 1.25モル/L であり、F=0.869、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は8.3であった。この溶液を引続き圧力6
0mmHg、液温120℃で2時間蒸留したところ、液
組成は パラジウム 0.0166モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.154モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.24モル/L であり、F=−0.131、パラジウムに対するホスフ
ィンのモル比は9.3と上昇していた。
【0039】実施例4 比較例4で得られた溶液にジオクタジエニルエーテルを
追加して、下記の組成とした。 パラジウム 0.0122モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.135モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.70モル/L であり、F=0.31、パラジウムに対するホスフィン
のモル比は11.1である。これはジオクタジエニルエ
ーテルの追加までに時間を要したので、パラジウムが析
出したためである。この溶液を圧力60mmHg、液温
120℃で30分間蒸留したところ、液組成は、 パラジウム 0.0125モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.140モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.48モル/L であり、F=0.095、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は11.2で実質上変化していなかった。
【0040】実施例5 油相を徐々に減圧しながら蒸留してオクタジエノール類
を留出させた。減圧蒸留開始から30分後に圧力90m
mHg、液温130℃に達した。この時点での液組成は パラジウム 0.0185モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.21モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 1.86モル/L であり、F=1.395、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は11.4であった。この溶液を圧力60m
mHg、液温120℃で30分間蒸留したところ、液組
成は パラジウム 0.026モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.302モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.72モル/L であり、F=0.347、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は11.6と殆んど変化していなかった。
【0041】比較例5 油相を徐々に減圧蒸留してオクタジエノール類を留出さ
せた。減圧蒸留開始から1時間後に圧力90mmHg、
液温130℃に達した。この時点での液組成は パラジウム 0.022モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.35モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.39モル/L であり、F=0.065、パラジウムに対するホスフィ
ンのモル比は15.9であった。この溶液を圧力60m
mHg、液温130℃で更に1時間蒸留したところ、液
組成は パラジウム 0.020モル/L トリス(2,5−キシリル)ホスフィン 0.352モル/L 共役ジエンダイマー及びその誘導体 0.31モル/L であり、F=−0.013、パラジウムに対するホスフ
ィンのモル比は17.6と上昇していた。
【0042】実施例6 上記の実施例及び比較例において蒸留残液の一部を取出
し、ガラス製フラスコ中で窒素雰囲気下に攪拌しながら
80℃で1時間攪拌して析出物が発生するか否かを調べ
た。結果を表−2に示す。なお、いずれの液も蒸留装置
から抜出した時点では浮遊物は認められなかった。
【0043】
【表2】
【0044】 式(1):パラジウム濃度<0.009×A-0.5×B2 +0.0075 ・・・・(1) A:有機リン化合物の濃度(モル/L) B:共役ジエンダイマー及びその誘導体の濃度(モル/
L)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法により共役アルカジエンのオリゴマ
ー類を製造するフローシートの1例である。
【符号の説明】 1 反応器 2 気液分離器 3 蒸留塔 4 油水分離器 5 蒸留塔 6 脱酸槽 7 油水分離器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 磯谷 真治 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC21 AC41 AC43 AD11 BA25 BA32 BA34 BA37 BA41 BA44 BA45 BA46 BA47 BA48 BA53 BA83 BC10 BC30 BC38 BD36 BD52 BE41 BE60 FE11 GP01 4H039 CA29 CA60 CA61 CF10

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機リン化合物を含むパラジウム触媒が
    溶解している溶液を触媒液として共役アルカジエンのオ
    リゴメリゼーションを行い、反応液から生成した共役ア
    ルカジエンオリゴマー類を蒸発させて回収すると共にパ
    ラジウム触媒が溶解している残留液を取得し、この残留
    液を触媒液として反応に循環使用する共役アルカジエン
    オリゴマー類の製造方法において、反応液から共役アル
    カジエンオリゴマー類を蒸発させて残留液を取得しこれ
    を反応に循環する回収−循環過程を、触媒が溶解してい
    る溶液の温度を160℃以下に維持し、かつ溶液の温度
    が90℃以上となるところでは、溶液中の有機リン化合
    物の濃度を0.1モル/L以上とすると共に下記式
    (1)で定義されるF値が負とならないようにすること
    を特徴とする方法。 【数1】 F=A+B−0.015×(T−85) ・・・(1) 〔但し、Aは溶液中の有機リン化合物の濃度(モル/
    L)、 Bは溶液中の共役アルカジエンのダイマー及びその誘導
    体の濃度(モル/L)、 Tは溶液の温度(℃)をそれぞれ示す。〕
  2. 【請求項2】 回収−循環過程で溶液の温度が100℃
    以上となるところでF値が負にならないようにすること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 回収−循環過程で溶液の温度が110℃
    以上となるところでF値が負にならないようにすること
    を特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 回収−循環過程で溶液の温度を140℃
    以下に維持することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 回収−循環過程で溶液の温度を130℃
    以下に維持することを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 共役アルカジエンのオリゴメリゼーショ
    ンを、活性水素化合物の存在下に行い、共役アルカジエ
    ンのダイマーに活性水素化合物が付加した構造の共役ア
    ルカジエンオリゴマー類を生成させることを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 共役アルカジエンのオリゴメリゼーショ
    ンを、水及び二酸化炭素の存在下に行い、共役アルカジ
    エンのダイマーに水が結合した構造のアルカジエニルア
    ルコールを生成させることを特徴とする請求項1ないし
    5のいずれかに記載の方法。
  8. 【請求項8】 F値が3以上にならないようにすること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 回収−循環過程における触媒が溶解して
    いる溶液中のパラジウム濃度を100ミリモル/L以下
    に維持することを特徴とする請求項1ないし8のいずれ
    かに記載の方法。
  10. 【請求項10】 回収−循環過程における触媒が溶解し
    ている溶液中のパラジウム濃度を50ミリモル/L以下
    にすることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 回収−循環過程における触媒が溶解し
    ている溶液中の有機リン化合物の濃度を0.1〜1モル
    /Lとすることを特徴とする請求項1ないし10のいず
    れかに記載の方法。
  12. 【請求項12】 回収−循環過程で反応に循環される触
    媒液中の共役アルカジエンのダイマー及びその誘導体の
    濃度を0.2〜1.0モル/Lとすることを特徴とする
    請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 回収−循環過程で反応に循環される触
    媒液中の共役アルカジエンのダイマー及びその誘導体の
    濃度を0.3〜0.6モル/Lとすることを特徴とする
    請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
  14. 【請求項14】 回収−循環過程で反応に循環される触
    媒液中のパラジウム濃度が下記式(2)を満足すること
    を特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の方
    法。 【数2】パラジウム濃度(モル/L)<0.009 ×A-0.5
    ×B2 +0.0075 (式中、Aは有機リン化合物の濃度(モル/L)、Bは
    共役ジエンのダイマー及びその誘導体の濃度(モル/
    L)をそれぞれ示す。)
  15. 【請求項15】 共役アルカジエンのダイマー及びその
    誘導体がジアルカジエニルエーテルであることを特徴と
    する請求項1ないし14のいずれかに記載の方法。
JP11075181A 1999-03-19 1999-03-19 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法 Pending JP2000273053A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11075181A JP2000273053A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11075181A JP2000273053A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000273053A true JP2000273053A (ja) 2000-10-03

Family

ID=13568790

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11075181A Pending JP2000273053A (ja) 1999-03-19 1999-03-19 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000273053A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051848A (ja) * 2002-08-12 2009-03-12 Ube Ind Ltd ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009051848A (ja) * 2002-08-12 2009-03-12 Ube Ind Ltd ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7268602B2 (ja) アルデヒドの製造方法及びアルコールの製造方法
US20040054236A1 (en) Process of producing aldehydes
EP0361304B1 (en) Method for producing alkadienols
US10792652B2 (en) Methods to rejuvenate a deactivated hydroformylation catalyst solution
GB2061266A (en) Process for the hydroformylation of olefins
JP2000273053A (ja) 共役アルカジエンオリゴマー類の製造方法
JP3614852B2 (ja) アルカジエノール類の製造方法
JP2001002608A (ja) 共役アルカジエンテロマーの製造方法
JP3444059B2 (ja) アリルアルコール類の製造方法
JP2841689B2 (ja) バレルアルデヒドの精製法
US5600034A (en) Method for producing allyl alcohols
JP2000355561A (ja) アルカジエンテロマーの製造方法
JP2001096165A (ja) パラジウム錯体の溶解方法
JP3498457B2 (ja) アルカジエノール類の連続的製造方法
JP3498468B2 (ja) アルカジエノール類の製造方法
JPH11228469A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JP2001131103A (ja) アルカジエノールの製造方法
JP4053325B2 (ja) ホスホニウム塩、その製造方法およびその用途
JPH11189556A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JP2001097985A (ja) パラジウム錯体の取得方法
JP2000026345A (ja) パラジウムの回収方法
JPH11189557A (ja) アルカジエノール類の製造方法
JPH09143110A (ja) アルカジエノール類の製造方法
EP4293031A1 (en) Reuse method and refining method for phosphorus compound
JPH08283187A (ja) 燐化合物又はパラジウム錯体の取得方法