JPH09142433A - シームレス缶及びその製造方法 - Google Patents

シームレス缶及びその製造方法

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JPH09142433A
JPH09142433A JP24206796A JP24206796A JPH09142433A JP H09142433 A JPH09142433 A JP H09142433A JP 24206796 A JP24206796 A JP 24206796A JP 24206796 A JP24206796 A JP 24206796A JP H09142433 A JPH09142433 A JP H09142433A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属素材と有機樹脂との積層体から形成され
たシームレス缶において、熱可塑性樹脂層が缶軸方向に
分子配向されていながら、耐デント性の顕著に向上した
シームレス缶及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 金属基体と熱可塑性樹脂層との積層体か
ら形成されたシームレス缶において、缶内面側壁樹脂層
の一部乃至全面に多数の点状凸部が形成されており、点
状凸部が配向緩和部を形成していることを特徴とする耐
衝撃性シームレス缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層体から成るシーム
レス缶及びその製造方法に関するもので、より詳細に
は、金属板と有機被膜との積層板からなる耐衝撃性(耐
デント性)に優れたシームレス缶及び連続製缶性に優れ
たその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、側面無継目缶(サイド・シームレ
ス缶)としては、アルミニウム板、ブリキ板或いはティ
ン・フリー・スチール板等の金属素材を、絞りダイスと
ポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側
面継目のない胴部と該胴部に、継目なしに一体に接続さ
れた底部とから成るカップに形成し、次いで所望により
前記胴部に、しごきポンチとダイスとの間でしごき加工
を加えて、容器胴部を薄肉化したものが知られている。
また、しごき加工の代わりに、再絞りダイスの曲率コー
ナ部で曲げ伸ばして側壁部を薄肉化することも既に知ら
れている(特表昭56−501442号公報)。
【0003】また、側面無継目缶の有機被覆法として
は、一般に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を
施す方法の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルム
をラミネートする方法が知られており、特公昭59−3
4580号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラ
メチレングリコールとから誘導されたポリエステルフィ
ルムをラミネートしたものを用いることが記載されてい
る。また、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、
ビニルオルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエ
ステル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られ
ている。
【0004】ポリエステル被覆金属板の製造に付いて
も、多くの提案があり、例えば、特開平51−4229
号公報には、表面に二軸配向が残存しているポリエチレ
ンテレフタレートより成る塗膜が記載され、更に特開平
6−172556号公報には、極限粘度[η]が0.7
5以上のポリエステルフィルムを金属ラミネートに用い
ることが提案されている。
【0005】また、特開平3−101930号公報に
は、金属板と、エチレンテレフタレート単位を主体とす
るポリエステルフィルム層と、必要により金属板とポリ
エステルフィルムとの間に介在する接着プライマー層と
の積層体から成り、該ポリエステルフィルム層は、式R
x =IA /IB式中、IA はポリエステルフィルム表面
に平行な、面間隔約0.34nm(CuKαX線回折角
が24゜から28゜)の回折面によるX線回折強度、I
B はポリエステルフィルム表面に平行な、面間隔約0.
39nm(CuKαX線回折角が21.5゜から24
゜)の回折面によるX線回折強度、で定義されるX線回
折強度が0.1乃至15の範囲内にあり且つ結晶の面内
配向の異方性指数が30以下であるフィルム層から成る
ことを特徴とする絞り缶用被覆金属板が記載されてお
り、また、上記被覆金属板を絞り再絞り成形し、且つ再
絞り成形に際して缶胴側壁部を曲げ伸ばしにより薄肉化
して成る薄肉化絞り缶が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術に認めら
れる提案は、成形前の金属素材に樹脂フィルムを施せば
よく、通常の塗装処理のように、塗膜の焼き付け炉や塗
料排ガスの処理施設が不要で、大気汚染がなく、また成
形後の缶体に塗装処理を行わなくてもよいという利点を
与えるものであるが、缶の諸特性、特に耐衝撃性(耐デ
ント性)、耐腐食性及び巻締性乃至密封性等の点で改善
されるべき余地がある。
【0007】即ち、金属素材に有機被膜をラミネートし
た積層板を、絞り加工または絞り−しごき加工に付し
て、シームレス缶に成形すると、缶の缶側壁部の樹脂は
缶高さ方向に分子配向する。この分子配向は、樹脂層の
腐食成分に対するバリアー性を向上させまた耐熱性を向
上させるものではあるが、それと同時に配向による樹脂
のフィブリル化傾向があり、そのため、衝撃により缶高
さ方向の割れが生じ易く、耐デント性を悪くする原因と
なっている。
【0008】従って、本発明の目的は、金属素材と有機
樹脂との積層体から形成されたシームレス缶において、
熱可塑性樹脂層が缶軸方向に分子配向されていながら、
耐デント性の顕著に向上したシームレス缶及びその製造
方法を提供するにある。
【0009】本発明の他の目的は、耐デント性の向上し
たシームレス缶を、連続して高速度で製造しうる方法を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、金属基
体と熱可塑性樹脂層との積層体から形成されたシームレ
ス缶において、缶内面側壁樹脂層の一部乃至全面に多数
の点状凸部が形成されており、点状凸部が配向緩和部を
形成していることを特徴とする耐衝撃性シームレス缶が
提供される。本発明のシームレス缶においては、 1. 缶内面側壁樹脂層が缶軸方向に分子配向されてお
り、点状凸部が点状凸部以外の部分に比して小さい複屈
折を有し、複屈折法で測定した下記式(1) Δn=nh −nt ・・・(1) 式中、nh はフィルムの缶長方向の屈折率であり、nt
はフィルム厚み方向の屈折率である、による点状凸部と
点状凸部以外の部分のフィルム表面側複屈折(Δn)の
差が、0.002乃至0.180であること、 2. 各点状凸部は、0.03〜0.8mm2 の面積及
び0.1〜2.0μmの高さを有し、且つ点状凸部の占
める面積割合が、点状凸部設置部分の面積当たり5〜5
0%の範囲にあること、が好ましい。
【0011】本発明によればまた、金属基体と熱可塑性
樹脂層との積層体を絞り・再絞り成形或いは更にしごき
成形に付することから成るシームレス缶の製造方法にお
いて、最終段の再絞り成形或いはしごき成形を、側壁の
一部乃至全面に多数の点状凹部が形成され、各点状凹部
が0.03〜0.8mm2 の面積及び0.1〜2.0μ
mの高さを有し、且つ点状凹部の占める面積割合が、点
状凹部設置部分の面積当たり5〜50%の範囲にあるポ
ンチと積層体の内面樹脂層とを係合させて行うことを特
徴とするシームレス缶の製造方法が提供される。
【0012】
【作用】本発明は、金属基体と熱可塑性樹脂層との積層
体から形成されたシームレス缶に関するが、缶内面側壁
樹脂層の一部乃至全面に多数の点状凸部が形成されてお
り、点状凸部が配向緩和部を形成していることが顕著な
特徴であり、これにより缶の耐デント性を顕著に向上せ
しめることができる。
【0013】缶詰用缶の重要な実用的特性として、デン
ト試験(デンティング・テスト)というのがある。これ
は、缶詰製品が落下衝撃を受け或いは缶詰同士が衝突し
て、打痕を生じるのを避けがたいことから、行われる試
験であり、缶体に一定の衝撃を与えて打痕を発生させた
とき、内面保護樹脂層が損傷や剥離を生じることなしに
維持され、耐腐食性や金属露出防止性が保たれるか否か
を試験するものである。
【0014】既に指摘したとおり、上記の積層体を絞り
・再絞り成形或いは更にしごき成形に付して得られるシ
ームレス缶では、このデント試験を行ったとき、熱可塑
性樹脂層の缶高さ方向の割れを生じる傾向があり、金属
露出傾向が著しく、金属の腐食傾向も大である(後述す
る比較例1乃至8参照)。この傾向は、缶高さ方向の絞
り比を大きくし或いは側壁部の薄肉化の程度を大きくし
た場合に顕著である。これに対して、缶内面側壁樹脂層
の一部乃至全面に多数の点状凸部を形成させると、デン
ト試験に付した場合にも、熱可塑性樹脂層の割れ傾向が
顕著に解消され、耐腐食性や金属露出防止性が顕著に向
上するのである(後述する実施例1乃至14参照)。
【0015】本発明において、缶内面側壁樹脂層に多数
の点状凸部を形成することにより、耐デント性、即ち、
耐衝撃性と耐腐食性や金属露出防止性との組み合わせが
向上する理由は次の通りのものと認められる。即ち、シ
ームレス缶における缶内面側壁樹脂層の割れが缶軸方向
の分子配向に原因するものであることは既に指摘したと
おりであるが、缶内面側壁樹脂層に形成された多数の点
状凸部は、この樹脂層の全体としての分子配向に乱れ、
即ち配向緩和部を与え、この乱れが衝撃が印加されたと
きにも樹脂層の割れを防止するものと思われる。一方、
点状凸部は、本来、応力が集中しやすい部分であり、こ
の部分で、金属疲労、樹脂層の割れ、樹脂層の剥離等が
生じやすいことが考えられる。しかしながら、本発明の
シームレス缶では、点状凸部が、弾性及び金属密着性に
富む配向緩和部を形成しているので、本来、応力が集中
しやすい点状凸部においても、樹脂層の割れ、樹脂層の
剥離等が生じにくくなっている。従って、本発明のシー
ムレス缶は、点状凸部を設けたことによる不利がなく、
耐デント性に優れているのである。実際、本発明者らの
試験によると、缶軸方向の一軸配向が顕著となる缶胴上
部において、上記点状凸部の部分では、他の部分に比し
て、分子配向の程度が低下していることが、複屈折の測
定により確認されている。点状凸部とそれ以外の部分と
の複屈折に関する図1には、缶上部側壁樹脂層での点状
凸部及びそれ以外の部分における複屈折を示した。この
図1には、表面側及び金属側ピークの複屈折が示されて
いるが、実際、フィルムには、表層から金属側に至る厚
み方向で複屈折の変化があり、更に、複屈折のピークが
存在するので、このことを考慮して表面側及び金属側ピ
ークの両者について、点状凸部及び点状凸部以外の部分
の複屈折(Δn)をそれぞれ示した。点状凸部を設けた
ことによる不利がなく、耐デント性に優れたシームレス
缶を得るために、特に、缶内面側壁樹脂層が缶軸方向に
分子配向されており、点状凸部が点状凸部以外の部分に
比して小さい複屈折を有し、複屈折法で測定した下記式
(1) Δn=nh −nt ・・・(1) 式中、nh はフィルムの缶長方向の屈折率であり、nt
はフィルム厚み方向の屈折率である、による点状凸部と
点状凸部以外の部分のフィルム表面側複屈折(Δn)の
差が、0.002乃至0.180であることが好まし
い。即ち、点状凸部と点状凸部以外の部分のフィルム表
面側複屈折(Δn)の差が小さすぎると、配向緩和の効
果が得られないことになり、大きすぎると、点状凸部以
外の部分の配向度が高すぎることになるので、点状凸部
以外の部分で樹脂層の割れ等が生じやすくなる。
【0016】本発明において、缶内面側壁樹脂層への多
数の点状凸部の形成は、再絞り成形或いはしごき成形
を、側壁の一部乃至全面に多数の点状凹部が形成された
ポンチを使用し、このポンチと積層体の内面樹脂層とを
係合させて、ポンチ側面の形状を缶内面側壁樹脂層に転
写させることにより行うので、操作も至って簡単で且つ
容易である。
【0017】更に、本発明によれば、点状凹部を設けた
ポンチを使用して缶内面側壁樹脂層に多数の点状凸部を
形成することにより、缶のポンチからの抜け荷重の低減
およびポンチへの樹脂のビルドアップの減少を図ること
ができ、連続製缶の際の問題点である破胴、ロールバッ
ク等を防止でき、このため連続生産性が向上するという
利点がある。尚、ロールバックとは、缶胴がポンチから
抜きにくくなって、抜き取り時の抵抗によりフランジが
カールする現象をいい、一方、ビルドアップとは、樹脂
の微小片がポンチに付着する現象をいう。図2は、点状
凹部を設けたポンチを使用した場合と、点状凹部を設け
ていない通常のポンチを使用した場合との各温度におけ
るポンチからの缶の抜き取り荷重をプロットしたもので
あるが、点状凹部を設けたポンチを使用する場合、抜き
取り荷重が減少していることが了解される。これは、缶
内面側壁樹脂層に形成される点状凸部が、缶内面側壁樹
脂層とポンチ表面との剥離を促進する一種のくさび的な
効果を与えているためと思われる。
【0018】缶内面側壁樹脂層に形成させる凸部が点状
であることの重要性も強調されなければならない。点状
とは線状に対応する概念であるが、凸部が線状である場
合には、樹脂層の割れを有効に防止できるような配向緩
和部を形成することが難しく、耐腐食性も低下する傾向
がある。また、後述するようにポンチからの抜け性も低
下する。
【0019】本発明のシームレス缶では、各点状凸部
は、0.03〜0.8mm2 の面積及び0.1〜2.0
μmの高さを有し、且つ点状凸部の占める面積割合が、
点状凸部設置部分の面積当たり5〜50%の範囲にある
ことも重要である。また、点状凸部は缶内面側壁樹脂層
の一部乃至全面に設けることができるが、一軸配向が顕
著な缶胴上部に設けることが有効であり、フランジ部直
下から高さの30%以上、特に50%以上の部分に設け
ることが有効である。
【0020】各点状凸部の面積が0.03mm2 よりも
小さい場合や、その高さが0.1μmよりも低い場合に
は、衝撃時の樹脂層の実用上の割れ防止には効果が低
く、一方各点状凸部の面積が0.8mm2 よりも大きい
場合や、その高さが2.0μmよりも高い場合には、絞
り・再絞り成形或いはしごき成形の際、ポンチからの抜
け荷重が増加するなど、成形された缶のポンチからの抜
け性が不良となる傾向がある。
【0021】一方、点状凸部の占める面積割合が、点状
凸部設置部分の面積当たり5%を下回ると、缶内面側壁
樹脂層の実用上の割れ防止効果が不十分となり、またこ
の面積割合が、点状凸部設置部分の面積当たり50%を
上回ると、ポンチからの抜け荷重が増加するなど、ポン
チからの抜け性が低下し、破胴、ロールバック、ビルド
アップ等を生じやすい。
【0022】本発明によれば、金属基体と熱可塑性樹脂
層との積層体からシームレス缶を製造するに際して、再
絞り成形或いはしごき成形用のポンチとして、点状凹部
が設けられたポンチを使用することにより、耐デント性
を顕著に向上させうるが、それと同時に、缶のポンチか
らの抜け荷重の低減およびポンチへの樹脂のビルドアッ
プの減少を図ることができ、連続製缶の際の問題点であ
る破胴、ロールバック等を防止でき、このため連続生産
性が向上するという効果もある。
【0023】
【発明の好適態様】本発明のシームレス缶の一例を示す
図3において、このシームレス缶1は前述した熱可塑性
樹脂−金属ラミネートの絞りと曲げ伸ばし加工或いは更
にしごき加工により形成され、底部2と側壁部3とから
成っている。側壁部3の上端には所望によりネック部4
を介してフランジ部5が形成されている。この缶1で
は、底部2に比して側壁部3は曲げ伸ばし或いは更にし
ごき加工により積層体元厚の30乃至100%、特に3
0乃至85%の厚みとなるように薄肉化されている。
【0024】側壁部3の断面構造の一例を示す図4にお
いて、この側壁部3は金属基体6と内面熱可塑性樹脂層
7とから成っている。金属基体6には外面被膜8が形成
されているが、この外面被膜8は樹脂内面被膜7と同様
のものであってもよいし、また通常の缶用塗料や樹脂フ
ィルム被覆であってもよい。
【0025】側壁部の断面構造の他の例を示す図5にお
いて、熱可塑性樹脂層7と金属基体6との間に接着用プ
ライマーの層9を設けている以外は、図4の場合と同様
である。
【0026】これらの何れの場合も、底部2の断面構造
は、点状凸部が形成されていなく、薄肉化加工を受けて
いないだけで、側壁部3の断面構造と同様である。
【0027】本発明のシームレス缶は、前述した積層体
から形成されており、缶内面側壁樹脂層7の一部乃至全
面に多数の点状凸部を有し、各点状凸部は0.03〜
0.8mm2 、特に0.05〜0.7mm2 の面積及び
0.1〜2.0μm、特に0.2〜1.8μmの高さを
有し、且つ点状凸部の占める面積割合が、点状凸部設置
部分の面積当たり5〜50%の範囲にあることが好まし
い。
【0028】このシームレス缶は、最終段の再絞り成形
或いはしごき成形を、側壁の一部乃至全面に多数の点状
凹部が形成され、各点状凹部が上記点状凸部に相当する
諸寸法及び面積特性を有するポンチと積層体の内面樹脂
層とを係合させ、この点状凹部の形状を転写させること
により製造される。
【0029】シームレス缶の缶内面側壁樹脂層における
点状凸部の諸寸法及び使用するポンチの点状凹部の諸寸
法は、種々の方法で求めることができるが、三次元接触
式粗さ計で求めると、かなり精度の良い測定が可能とな
る。
【0030】図6は、本発明に使用するポンチの一例の
側面について三次元接触式粗さ計で求めた粗さの値を三
次元プロフィールとして表示したものであり、一方図7
は、本発明のシームレス缶の一例の缶内面側壁樹脂層に
ついて三次元接触式粗さ計で求めた粗さの値を等高線表
示したものであって、これから諸寸法及び面積率を容易
に算出しうる。
【0031】缶内面側壁樹脂層における点状凸部または
ポンチにおける点状凹部は、個々のものが互いに独立し
て存在するものであり、そのドット19の形状は、図8
に示すとおり、円形(a)、楕円形(b)、卵形
(c)、三角形(d)、四角形(e)、六角形(f)等
の任意の形状でよいが、円形や角の丸めた多角形等の形
状が望ましい。
【0032】点状凸部及び点状凹部における凸部或いは
凹部の表面形状は、中心が最も高くなる(深くなる)よ
うな曲面であるのが、耐デント性やポンチの抜け性の点
で好ましく、例えば球面、楕円面、放物面、双曲面等の
任意の曲面であることが望ましい。勿論、断面形状は、
上記の曲面に限定されず、角の丸められた台形、錐台等
の形状であってもよい。
【0033】点状凸部及び点状凹部を結ぶ配置は、面積
率が前述した配置となるようなものであれば、規則的な
配置でも或いはランダムな配置でもよく、特に制限を受
けないが、規則的な配置の一例として、碁盤目状、斜め
碁盤目状、菱形状、三角形状、六角形状等が、またラン
ダム形状の例として、フラクタル形状等が挙げられる。
【0034】本発明では、積層体の金属基体としては各
種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用され
る。
【0035】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後に0.1乃至30%の調質圧延あるいは二次冷間圧延
し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロ
ム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種
以上行ったものを用いることができる。好適な表面処理
鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10
乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃至50mg
/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えた
ものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合
せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.5乃至
11.2g/m 2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板で
ある。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が
1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或いは
クロム酸−リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0036】更に他の例としては、アルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0037】軽金属板としては、所謂アルミニウム板の
他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.20乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.45重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望ま
しい。
【0038】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB
)は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによって
も相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚み
を有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合に
は、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の
場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのが
よい。
【0039】缶内面側壁樹脂層となる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル
−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同
志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフ
ィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体
等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、
アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メ
チルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩
化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、
ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナ
イロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等
あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。
【0040】これらの熱可塑性樹脂の内でも、加工性や
耐腐食性、内容物の香味保持性の点ではポリエステル系
樹脂が特に適している。
【0041】本発明に用いるポリエステル系樹脂は、テ
レフタル酸を主体とする二塩基酸とエチレングリコール
を主体とするジオールとから誘導されたホモポリエステ
ル或いは共重合ポリエステルであることが好ましい。
【0042】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタール酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸等を挙げることができる。
【0043】またエチレングリコール以外のジオール成
分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物などのグリコール成分を
挙げることができる。
【0044】この共重合ポリエステルの酸性分は、テレ
フタル酸及びイソフタル酸からなることが、加工性や機
械的物性の点で、また香味保持性の点で特に好ましい。
酸成分として、他の二塩基酸成分の小量、例えば1モル
%以下の量が含有されることが許容されるが、香味成分
の吸着を防止し、且つポリエステル成分の溶出を抑制す
るという点で、少なくとも容器内表面ポリエステル層は
脂肪族二塩基酸は含まないことが望ましい。イソフタル
酸を酸性分として含有するポリエステルは、種々の成
分、香味成分や腐食成分に対してバリアー効果が大き
く、吸着性においても少ないという特徴を有する。
【0045】共重合ポリエステルのジオール成分として
は、エチレングリコールを主体とするものが好ましい。
ジオール成分の95モル%以上、特に98モル%以上が
エチレングリコールからなることが、分子配向性、腐食
成分や香気成分に対するバリアー性等から好ましい。
【0046】ホモポリエステル或いは共重合ポリエステ
ルは、フィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、
溶媒として、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
を用いて測定した固有粘度〔η〕は0.5乃至1.5、
特に0.6乃至1.5の範囲にあるのがよい。
【0047】熱可塑性樹脂層として好適に使用されるポ
リエステル層は、ホモポリエステル或いはコポリエステ
ルの単独から成る層でも、或いはこれらの2種以上から
成るブレンド物の層でも、或いは2種以上のポリエステ
ル層の積層体であってもよい。
【0048】本発明に使用する熱可塑性樹脂層の厚み
は、全体として、2乃至100μm、特に5乃至50μ
mの範囲にあるのが金属の保護効果及び加工性の点でよ
い。
【0049】勿論、この熱可塑性樹脂層には、それ自体
公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブ
ロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔料、各
種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、安定剤等を公知の処
方に従って配合することができる。
【0050】本発明に用いる積層体は、前述した金属基
体と熱可塑性樹脂のフィルムとを熱接着させることによ
り製造でき、また金属基体上に熱可塑性樹脂を押出コー
トすることにより製造できる。耐腐食性及び接着性を増
強させるために、ラミネート方式の場合、金属基体或い
は熱可塑性樹脂フィルムに接着用プライマーを予め塗布
しておくことができ、また、押出コート法の場合にも、
金属基体に予め接着用プライマーを施しておくことがで
きる。
【0051】ポリエステル系フィルム等の熱可塑性樹脂
フィルムは、一般に二軸延伸されているべきである。と
いうのは、二軸延伸フィルムを使用すると、ラミネート
の作業性が向上し、内面被覆の耐熱性やバリアー性等が
向上するからである。二軸配向の程度は、X線回折法、
偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認す
ることができる。
【0052】一般に必要でないが、接着用プライマーを
用いる場合には、フィルムへの接着用プライマーとの密
着性を高めるために、二軸延伸ポリエステルフィルム等
の表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望まし
い。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44dy
ne/cm以上となるようなものであることが望まし
い。
【0053】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0054】熱可塑性樹脂(ポリエステル)フィルム−
金属ラミネートの製造方法であって、両面ラミネートの
場合を具体的に説明するための図9において、金属板6
を加熱ロール10により用いるポリエステルの融点(T
m)以上の温度(T1 )に加熱し、ラミネートロール1
1、11間に供給する。一方、ポリエステルフィルム7
は、供給ロール12から巻きほぐされ、ラミネートロー
ル11、11間に金属板6をサンドイッチする位置関係
で供給される。ラミネートロール11、11は、加熱ロ
ール10よりも若干低い温度(T2 )に保たれており、
金属板6の両面にポリエステルフィルムを熱接着させ
る。ラミネートロール11、11の下方には、形成され
るラミネート13を急冷するための冷却水14を収容し
た水槽が設けられており、この水槽中にラミネートを導
くガイドローラ15が配置されている。ラミネートロー
ル11、11と冷却水14との間には一定の間隔のギャ
ップ17を形成し、このギャップ17に保温機構16を
設けて、一定の温度範囲(T3 )に保持するようにする
こともできる。
【0055】金属板の加熱温度(T1 )は、一般にTm
−50℃乃至Tm+100℃、特にTm−50℃乃至T
m+50℃の温度が適当であり、一方ラミネートロール
11の温度T2 は、T1 −300℃乃至T1 −10℃、
特にT1 −250℃乃至T1−50℃の範囲が適当であ
る。
【0056】押出コート方式の場合、供給ロールからポ
リエステルフィルムを引き出す代わりに、押出ダイスか
ら溶融ポリエステルを膜状に引き出し、ラミネートロー
ルにより同様のラミネートを行えばよい。この押出コー
ト方式では、製造される積層体の熱可塑性樹脂層は当然
未配向の状態となっている。
【0057】押出コート方式の場合、金属板の加熱温度
(T1 )は、一般にTm−150℃乃至Tm+50℃の
温度が適当であり、一方ラミネートロール11の温度T
2 は、20℃乃至Tm℃の範囲が適当である。
【0058】ポリエステル等のフィルムと金属素材の間
に所望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィ
ルムとの両方に優れた接着性を示すものである。密着性
と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なもの
は、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導さ
れるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系
塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを5
0:50乃至2:98重量比、特に40:60乃至5:
95の重量比で含有する塗料である。
【0059】接着プライマー層は、一般に0.01乃至
10μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は
予め金属素材上に設けてよく或いは予めポリエステル等
のフィルム上に設けてもよい。
【0060】本発明に用いる積層体において、シームレ
ス缶の内面側となる面には、前述したポリエステル等の
フィルムが設けられるが、シームレス缶の外面側となる
面には、内面側となる面と同種のフィルムが設けられて
いても、或いはそれ自体公知の缶用塗料が設けられてい
てもよい。
【0061】外面保護塗膜としては、熱硬化性樹脂塗
料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アル
キド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は熱
可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽
和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの
樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0062】本発明のシームレス缶は、上記の熱可塑性
樹脂−金属ラミネートを、特定の点状凹部を備えたポン
チとダイスとの間で、有底カップに絞り−深絞り成形
し、深絞り段階で曲げ伸し或いは更にしごきによりカッ
プ側壁部の薄肉化を行なうことにより製造される。
【0063】即ち、この成形の際、最終段で使用するポ
ンチは、側壁の一部乃至全面に多数の点状凹部が形成さ
れ、各点状凹部が0.03〜0.8mm2 の面積及び
0.1〜2.0μmの高さを有し、且つ点状凹部の占め
る面積割合が点状凹部設置部分の面積当たり5〜50%
の範囲にあることが好ましいが、このポンチと積層体の
内面樹脂層とを係合させて、再絞りを行うことにより、
ポンチの点状凹部が点状凸部となって缶内面側壁樹脂層
に転写される。
【0064】ポンチの点状凹部の形状及び配置は、既に
指摘したとおりであるが、用いるポンチの詳細は、特公
平1−46205号公報にも述べられている。ポンチの
材質は、例えば超硬合金であり、点状凹部の形成は、超
音波加工、イオン照射、レーザ加工、電子ビーム照射、
その他の公知の加工手段で行われる。
【0065】またポンチの耐摩耗性を向上させかつ被加
工材との摩擦力を低減させる目的でポンチ表面に窒化チ
タン、窒化クロム等の薄膜をコーティングしてもよい。
【0066】ラミネートの絞り−しごき成形は次の手段
で行われる。即ち、図10に示す通り、被覆金属板から
成形された前絞りカップ21は、このカップ内に挿入さ
れた環状の保持部材22とその下に位置する再絞りダイ
ス23とで保持される。これらの保持部材22及び再絞
りダイス23と同軸に、且つ保持部材22内を出入し得
るように再絞りポンチ24が設けられる。再絞りポンチ
24と再絞りダイス23とを互いに噛みあうように相対
的に移動させる。
【0067】再絞りダイス23は、上部に平面部25を
有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コーナー部
26を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下方に向け
て径の増大するテーパー状のアプローチ部27を有し、
このアプローチ部に続いて小曲率部28を介して円筒状
のしごき用のランド部(しごき部)29を備えている。
ランド部29の下方には、逆テーパ状の逃げ30が設け
られている。
【0068】前絞りカップ21の側壁部は、環状保持部
材22の外周面31から、その曲率コーナ部32を経
て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材22の環状
底面33と再絞りダイス23の平面部25とで規定され
る部分を通り、再絞りダイス23の作用コーナ部26に
より軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ21よ
りも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コ
ーナー部26において、コーナー部26と接する側の反
対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コ
ーナー部と接する側の部分は、作用コーナー部を離れた
後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ伸ば
しによる薄肉化が行われる。
【0069】曲げ伸ばしにより薄肉化された側壁部は、
その外面が径の次第に増大する小テーパー角のアプロー
チ部27と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき
部29に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する
行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ば
し後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干
縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直
後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があ
り、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定
な状態にあリ、これを直ちにしごき加工に付した場合に
は、円滑なしごき加工を行い得ないが、側壁部の外面側
をアプローチ部27と接触させてその径を縮小させると
共に、内面側をフリーの状態にすることにより、振動の
影響を防止し、フィルム内部の不均質な歪みも緩和させ
て、円滑なしごき加工を可能にするものである。
【0070】アプローチ部27を通過した側壁部は、し
ごき用のランド部(しごき部)29と再絞り−しごきポ
ンチ24との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制
される厚みに圧延される。本発明では、最終側壁部の厚
みC1は積層体元厚(t)の30乃至100%、特に3
0乃至85%の厚みとなるように定めるが、ポリエステ
ル等の配向のバランスの点で好ましい。尚、しごき部導
入側の小曲率部28は、しごき開始点を有効に固定しな
がら、しごき部29への積層体の導入を円滑に行うもの
であり、ランド部29の下方の逆テーパ状の逃げ30
は、加工力の過度の増大を防ぐものである。
【0071】再絞り−しごきダイス23の曲率コーナー
部26の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上で
は、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下、特に2.
0倍以下であるべきであるが、この曲率半径があまり小
さくなるとラミネートの破断が生じることから、ラミネ
ートの肉厚(t)の1.0倍以上、特に1.3倍以上で
あるべきである。
【0072】テーパー状のアプローチ部27のアプロー
チ角度(テーパー角度の1/2)αは1乃至8゜、特に
2乃至5゜を有するべきである。このアプローチ部角度
が上記範囲よりも小さいと、ポリエステル等のフィルム
層の配向緩和やしごき前の安定化が不十分なものとな
り、アプローチ部角度が上記範囲よりも大きいと、曲げ
伸ばしが不均一な(戻し変形が不十分な)ものとなり、
何れの場合もフィルムの割れや剥離を生じることなし
に、円滑なしごき加工が困難となる。
【0073】しごき用のランド部28と再絞り−しごき
ポンチ24ポンチとクリアランスは前述した範囲にある
が、ランド長Lは、一般に0.5乃至3.0mm、特に
0.5乃至2.0mmの長さを有しているのがよい。こ
の長さが上記範囲よりも大きいと加工力が過度に大きく
なる傾向があり、一方上記範囲よりも小さいと工具の摩
耗速度が大きく、好ましくない場合がある。
【0074】勿論、曲げ伸ばしによってのみ薄肉化を行
う場合には、前記しごき部29を省略して、曲げ伸ばし
による再絞り加工を行えばよい。
【0075】本発明においては、上述した曲げ伸ばしや
しごきによる側壁部の薄肉化と同時に、缶内面側壁樹脂
層に多数の点状凸部の形成を行い、この薄肉化により缶
内面側壁樹脂層に形成される缶軸方向の分子配向に配向
緩和部を形成させ、衝撃時の割れを防止するようにす
る。
【0076】更に、缶内面側壁樹脂層に多数の点状凸部
を形成することにより、缶のポンチからの抜け荷重を低
減させ、ポンチへの樹脂のビルドアップを減少させ、連
続製缶の際の問題点である破胴、ロールバック等を防止
でき、連続生産性が向上する。
【0077】本発明において、フランジ部の熱可塑性樹
脂層は、過酷な巻締加工を受けることから、しごき後の
缶側壁部の上端に、缶側壁部の厚みよりも厚いフランジ
形成部が形成されるようにする。即ち、缶フランジの厚
みt2 は、蓋の板厚によっても相違するが0.1乃至
0.4mm、特に0.15乃至0.25mmの範囲に定
めるのがよい。
【0078】本発明のシームレス缶を製造するに際し
て、表面の熱可塑性樹脂層は十分な潤滑性能を付与する
ものであるが、より潤滑性を高めるために、各種油脂類
或いはワックス類等の潤滑剤を少量塗布しておくことが
できる。勿論、潤滑剤を含有する水性クーラント(当然
冷却も兼ねる)を使用することもできるが、操作の簡単
さの点では避けた方がよい。
【0079】また、再絞り−しごき加工時の温度(しご
き終了直後の温度)は、ポリエステル等の樹脂のガラス
転移点(Tg)よりも50℃高い温度以下で且つ10℃
以上の温度であることが好ましい。このため、工具の加
温を行ったり、或いは逆に冷却を行うことが好ましい。
【0080】本発明によれば、次いで絞り成形後の容器
を、少なくとも一段の熱処理に付することができる。こ
の熱処理には、種々の目的があり、加工により生じるフ
ィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた滑剤を
表面から揮散させること、表面に印刷した印刷インキを
乾燥硬化させること等が主たる目的である。この熱処理
には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置等それ
自体公知の加熱装置を用いることができる。また、この
熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ以上の多
段で行うこともできる。熱処理の温度は、180乃至2
40℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、一般的に
いって、1乃至10分のオーダーである。
【0081】熱処理後の容器は急冷してもよく、また放
冷してもよい。急冷には、冷風吹付、冷却水散布等の急
冷手段を採用することができる。
【0082】得られた缶は、所望により一段或いは多段
のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻締
用の缶とする。
【0083】また、所望により、缶側壁部に、特公平7
−5128に示された手法に従い、図11及び図12に
示した最小構成単位面の周状多面体壁に加工してもよ
い。この構成単位面の一例を示す図11において、この
具体例の構成単位面40は軸方向寸法がL及び周方向寸
法がDの菱形であり、この菱形の辺41は面42よりも
径外方向に位置しており、周方向に隣り合った頂点4
3、43を結ぶ線は上下に隣り合った頂点44、44よ
りも缶中心側に距離d0 だけ後退している。実際には、
構成単位面の上方の面45と下方の面46とは滑らかな
面47で接続され、そのくぼみ距離d1 はd0 よりも小
さい。この構造の缶では、比較的小さい肉厚で大きな缶
強度が得られるという利点がある。
【0084】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0085】本実施例での特性値は以下の測定法によ
る。 凸部面積率測定 ポンチ側壁面に、凹部を施したポンチを使用し、缶側壁
内面に凸を形成した深絞りカップの缶側壁内面凸部面積
率測定を、三次元表面粗さ測定機 東京精密(株)製サ
ーフコム575A−3DFを用い行った。測定条件は、
縦倍率10000倍、カットオフ値0.8mm、測定範
囲4mm×4mmとした。この測定結果より、面積率
は、点状凸部を基準面(凸部を設けない場合の缶内表
面)より0.1μm以上高い部分と規定し、測定範囲内
にある凸部の面積の総和S(mm2 )を求め、次式によ
り計算した。
【0086】 貯蔵試験 コーラを充填した缶を横向きに静置した後、5℃におい
て、金属板の圧延方向に対し直角となる軸線上にある缶
のネック部下に径65.5mmの鋼製の棒を置き、1k
gのおもりを60mmの高さから落下させて衝撃を与
え、更に、2cm下に同様に衝撃を与えた。その後、3
7℃の温度で貯蔵試験を行い1年後の缶内の鉄溶存量
(5缶の平均)を誘起プラズマ発光分析法にて測定し
た。併せて、缶内面の状態を観察した。尚、実施例13
は、ミルクコーヒーを充填して、125℃、30分のレ
トルト殺菌を行った後、上記衝撃を与え、貯蔵試験に供
した。
【0087】 ラミネート金属板の作成 テレフタル酸/イソフタル酸(重量比88/12)とエ
チレングリコールからなる共重合ポリエステル(Tm=
228℃)を120℃にて縦方向に3.0倍及び横方向
に3.0倍延伸し、180℃にて熱固定を行い、厚み2
5μmの2軸延伸フィルムを得た。次いで、素板厚0.
18mm、調質度DR−6のティンフリースチール(T
FS)板の両面に、2軸延伸フィルムを、板温を240
℃、ラミネートロール温度を150℃、通板速度を40
m/minで熱ラミネートし、直ちに水冷することによ
り、ラミネート金属板を得た。
【0088】 点状凸部及び点状凸部以外の部分につ
いての複屈折差測定 金属板の圧延方向に垂直な方向の軸線上付近で、缶胴側
壁部の同一高さの点状凸部及び点状凸部以外の部分を5
mm角に切り出し、50%塩酸にて金属板を溶解し、フ
ィルム片を単離した。その後、このフィルム片を少なく
とも24時間の真空乾燥に供して、複屈折率差測定用の
試料を得た。この試料をエポキシ樹脂にて包埋し、厚み
方向(nt に相当)と缶軸方向(缶高さ方向)に平行と
なるように厚さ3μmでスライスし(特に点状凸部は、
その凸部を中心として厚さ3μmでスライスし)、偏光
顕微鏡によりレターデーションを測定した。複屈折の値
は、フィルム表面より2μmまでの平均値を採用し、点
状凸部の複屈折の値から点状凸部以外の部分の複屈折の
値をひいたものを複屈折差とした。測定波長は546n
mを用いた。
【0089】実施例1 ワックス系潤滑剤を塗布したラミネート金属板を、直径
166mmの円盤に打ち抜き、絞り比1.65の浅絞り
カップを得た。このカップを、100ストローク/分の
トランスファープレスを用い、従来の方法に従い、薄肉
化再絞り加工に連続して、図10に示した絞り−しごき
成形によって深絞りカップを作成した。この絞り−しご
き成形時に、ポンチ側壁面全面に、表1の実施例1の缶
内面の凸部を形成するよう、超音波加工によって凹部を
施したポンチを使い、缶側壁部内面に凸部を形成した。
この形成された凸部は接触式三次元粗さ計により、その
形状及び面積率等を測定した。この深絞りカップの諸特
性は以下のとおりであった。また、10000缶連続成
形時のロールバック発生率によって連続製缶性を評価し
た。この結果を表1に示した。ロールバックの発生は無
かった。 カップ径 66mm カップ高さ 128mm 素板厚に対する缶側壁部の厚みt1 65% 素板厚に対する缶側壁上部の厚みt2 77% この深絞り−しごきカップを、常法に従いドーミング加
工し、215℃にて熱処理を行った後、カップを放冷
し、開口端縁部のトリミング、曲面印刷及び焼き付け乾
燥、フランジング加工を行って、350g用のシームレ
ス缶を得た。次いでコーラを充填し、貯蔵試験を行っ
た。その結果は表1に示した。これらの評価の結果、良
好な連続製缶性を持った優れた耐衝撃性(耐デント性)
のシームレス缶であった。
【0090】実施例2〜実施例12 缶内面凸部が表1に示したものになるような各条件で、
ポンチ側壁部全面に超音波加工によって凹部を施した以
外は、実施例1と同様に、製缶を行い、連続製缶性評価
及び貯蔵試験を実施した。それらの結果を表1に示し
た。いずれの条件においても、連続製缶中のロールバッ
クの発生は無く、また、貯蔵試験においても良好な耐衝
撃性を示した。
【0091】実施例13 実施例1と同様に、350g用シームレス缶を作成し
た。この缶の缶側壁部に特公平7−5128に示された
方法に従い、図11に示したL/Wが0.96、深さ比
1/d0が0.95の最小構成単位面を、缶高さの中心
を含み、円周方向に11個連続させ、且つ缶高さ方向に
1/2位相差で90mm幅に加工し、図12に示すシー
ムレス缶とした。この缶にミルクコーヒーを充填し、レ
トルト後、貯蔵試験に供した。その結果を表1に示し
た。連続製缶においてはロールバックの発生は無く、ま
た、貯蔵試験においても良好な耐衝撃性を示した。
【0092】実施例14 缶内面凸部が表1の実施例14に示したものになるよう
に、缶の高さ方向に30mmから100mmに相当する
ポンチ側壁部を、超音波加工によって凹部を施した以外
は、実施例1と同様に、製缶を行い、連続製缶性評価及
び貯蔵試験を実施した。その結果を表1に示した。連続
製缶においてはロールバックの発生は無く、また、貯蔵
試験においても良好な耐衝撃性を示した。
【0093】実施例15 ラミネート基材として、素板厚0.26mmのアルミニ
ウム3004合金を用いる以外は、実施例1と同様の条
件で350g用シームレス缶を作成した。この缶の連続
製缶中のロールバックの発生は無かった。また、コーラ
貯蔵試験においても缶内面の状態は良好であり、腐食の
発生は認められず、誘起プラズマ発光分析法にて測定し
たアルミニウム溶存量は、0.1ppm以下であった。
【0094】比較例1 缶内面に凸部を形成しないよう、ポンチ側壁部に凹部を
施さないポンチを用い、実施例1と同様に、製缶を行
い、連続製缶性評価及び貯蔵試験を実施した。その結果
を表1に示した。連続製缶においてはロールバックの発
生があり、ロールバックが発生した際には、プレスを停
止し、ロールバックした缶を取り出してから、1000
0缶になるまで成形を行った。また、貯蔵試験において
も、衝撃を与えた缶上部において僅かな腐食がみられ、
腐食に伴う鉄溶出量も実施例に比較し多かった。これら
のことより、この缶は生産性、耐衝撃性の点で実施例よ
り劣っていることが確認された。
【0095】比較例2〜比較例7 缶内面凸部が本発明の要件を満たさないものになるよう
に、ポンチ側壁部全面に超音波加工によって凹部を施し
た以外は、実施例1と同様に、製缶を行い、連続製缶性
評価及び貯蔵試験を実施した。その結果を表1に示し
た。連続製缶においてはロールバックの発生があり、ロ
ールバックが発生した際には、プレスを停止し、ロール
バックした缶を取り出してから、10000缶になるま
で成形を行った。また、貯蔵試験においても、衝撃を与
えた缶上部において腐食がみられ、腐食に伴う鉄溶出量
も多かった。これらのことより、これらの缶は生産性、
耐衝撃性の点で実施例より劣っていることが確認され
た。
【0096】比較例8 缶内面凸部が表1に示した線状になるように、ポンチ側
壁部全面に超音波加工によって凹部を施した以外は、実
施例1と同様に、製缶を行い、連続製缶性評価及び貯蔵
試験を実施した。その結果を表1に示した。連続製缶に
おいてはロールバックの発生があり、ロールバックが発
生した際には、プレスを停止し、ロールバックした缶を
取り出してから、10000缶になるまで成形を行っ
た。また、貯蔵試験においても、衝撃を与えた缶上部に
おいて腐食がみられ、腐食に伴う鉄溶出量も多かった。
これらのことより、この缶は生産性、耐衝撃性の点で実
用に適するものでは無かった。
【0097】
【表1】
【0098】
【発明の効果】本発明によれば、缶内面側壁樹脂層の一
部乃至全面に多数の点状凸部を形成させ、この点状凸部
が配向緩和していると、デント試験に付した場合にも熱
可塑性樹脂層の割れ傾向が顕著に解消され、衝撃後の耐
腐食性や金属露出防止性を顕著に向上させることができ
る。また、本発明によれば、点状凹部を設けたポンチを
使用して缶内面側壁樹脂層に多数の点状凸部を形成する
ことにより、缶のポンチからの抜け荷重の低減およびポ
ンチへの樹脂のビルドアップの減少を図ることができ、
連続製缶の際の問題点である破胴、ロールバック等を防
止でき、このため連続生産性が向上するという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】缶内面側壁樹脂層における点状凸部とそれ以外
の部分とについて、缶の高さ方向位置と複屈折との関係
をプロットしたグラフである。
【図2】点状凹部を設けたポンチを使用した場合と、点
状凹部を設けていない通常のポンチを使用した場合との
各温度におけるポンチからの缶の抜き取り荷重をプロッ
トしたグラフである。
【図3】本発明のシームレス缶の一例を示す側断面図で
ある。
【図4】シームレス缶の側壁部の断面構造の一例を示す
図である。
【図5】シームレス缶の側壁部の断面構造の他の例を示
す図である。
【図6】本発明に使用するポンチの一例の側面について
三次元接触式粗さ計で求めた粗さの値を三次元プロフィ
ールとして表示した図である。
【図7】本発明のシームレス缶の一例の缶内面側壁樹脂
層について三次元接触式粗さ計で求めた粗さの値を等高
線表示した図である。
【図8】缶内面側壁樹脂層における点状凸部またはポン
チにおける点状凹部の形状の数例を示す図である。
【図9】熱可塑性樹脂フィルム−金属ラミネートの製造
方法を説明するための図である。
【図10】ラミネートの絞り−しごき成形を説明するた
めの図である。
【図11】シームレス缶の側面に形成される多面体壁の
構成単位面を示し、(A)は平面図、(B)は構成単位
面の垂直断面図である。
【図12】耐変形性を向上させるため缶側面に多面体壁
を設けたシームレス缶を示し、(A)は側面図、(B)
は水平断面図である。
【符号の説明】
1 シームレス缶 2 底部 3 側壁部 4 ネック部 5 フランジ部 6 金属基体 7 ポリエステル系フィルム 8 外面有機被膜 9 接着プライマー層 10 加熱ロール 11 ラミネートロール 12 フィルム供給ロール 13 ラミネート 14 冷却水 15 ガイドローラ 16 保温機構 17 ギャップ 19 ドット 21 前絞りカップ 22 保持部材 23 再絞りダイス 24 再絞りポンチ 25 再絞りダイス上部平面部 26 作用コーナ部 27 アプローチ部 28 小曲率部 29 ランド部 30 逃げ 31 保持部材の外周面 32 保持部材の外周面の曲率コーナ部 33 保持部材の環状底面 40 構成単位面 41 構成単位面の辺 42 構成単位面の面 43 構成単位面の頂点 44 構成単位面の頂点 45 構成単位面の上方の面 46 構成単位面の下方の面 47 構成単位面の滑らかな面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 8/12 B65D 8/12 (72)発明者 今津 勝宏 神奈川県横浜市泉区和泉町6205−1

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基体と熱可塑性樹脂層との積層体か
    ら形成されたシームレス缶において、缶内面側壁樹脂層
    の一部乃至全面に多数の点状凸部が形成されており、点
    状凸部が配向緩和部を形成していることを特徴とする耐
    衝撃性シームレス缶。
  2. 【請求項2】 缶内面側壁樹脂層が缶軸方向に分子配向
    されており、点状凸部が点状凸部以外の部分に比して小
    さい複屈折を有し、複屈折法で測定した下記式(1) Δn=nh −nt ・・・(1) 式中、nh はフィルムの缶長方向の屈折率であり、 nt はフィルム厚み方向の屈折率である、による点状凸
    部と点状凸部以外の部分のフィルム表面側複屈折(Δ
    n)の差が、0.002乃至0.180であることを特
    徴とする請求項1記載のシームレス缶。
  3. 【請求項3】 前記点状凸部が、0.03〜0.8mm
    2 の面積及び0.1〜2.0μmの高さを有し、且つ点
    状凸部の占める面積割合が、点状凸部設置部分の面積当
    たり5〜50%の範囲にあることを特徴とする請求項1
    記載のシームレス缶。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂層がポリエステル乃至コポ
    リエステルである請求項1乃至3の何れかに記載のシー
    ムレス缶。
  5. 【請求項5】 金属基体と熱可塑性樹脂層との積層体を
    絞り・再絞り成形或いは更にしごき成形に付することか
    ら成るシームレス缶の製造方法において、再絞り成形或
    いはしごき成形を、側壁の一部乃至全面に多数の点状凹
    部が形成され、各点状凹部が0.03〜0.8mm2
    面積及び0.1〜2.0μmの高さを有し、且つ点状凹
    部の占める面積割合が、点状凹部設置部分の面積当たり
    5〜50%の範囲にあるポンチと積層体の内面樹脂層と
    を係合させて行うことを特徴とするシームレス缶の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 再絞り成形に際して缶側壁部を曲げ伸ば
    しにより薄肉化する請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 再絞り成形に際して缶側壁部をしごき加
    工により薄肉化する請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂層がポリエステル乃至コポ
    リエステルである請求項5乃至7の何れかに記載の製造
    方法。
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