JPH11123481A - シームレス缶及びその成形法 - Google Patents

シームレス缶及びその成形法

Info

Publication number
JPH11123481A
JPH11123481A JP29303397A JP29303397A JPH11123481A JP H11123481 A JPH11123481 A JP H11123481A JP 29303397 A JP29303397 A JP 29303397A JP 29303397 A JP29303397 A JP 29303397A JP H11123481 A JPH11123481 A JP H11123481A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radius
bottom panel
punch
seamless
hold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29303397A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Takao
健一 高尾
Akira Kobayashi
亮 小林
Ikumi Motosu
郁美 本巣
Katsuhiro Imazu
勝宏 今津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP29303397A priority Critical patent/JPH11123481A/ja
Publication of JPH11123481A publication Critical patent/JPH11123481A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ボトムラジアス及びボトムパネルウォールの
肉厚を十分に確保すると共に、ボトムラジアスの曲率半
径を小さくし、ボトムパネルウォールの立ち上がり角度
を大きく維持されている缶底部を備えたシームレス缶及
びその成形法を提供する。 【解決手段】 ボトムラジアス部18からボトムパネル
ウオール部19にかけての最小肉厚をtmin 及びシーム
レス缶の素板厚をt0 としたとき、 t0 −tmin 板厚減少率= ──────── × 100 t0 で定義される板厚減少率が10%以下であり、ボトムラ
ジアス部の曲率半径rbが rb <3t0 を満足する範囲にあり、且つボトムパネルウオール部の
中心側水平線に対する立ち上がり角度αが α>85゜ を満足することを特徴とするシームレス缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な底の構造を
有するシームレス缶及びその成形方法に関するもので、
より詳細には、新規な底の構造を有し、金属素材が薄肉
化されている場合にも優れた耐圧力を維持できるシーム
レス缶に関する。本発明はまた、比較的薄い金属素材を
用いて上記シームレス缶を能率よく製造する方法にも関
する。
【0002】
【従来の技術】金属素材をパンチとダイスとの間で絞り
−再絞り加工、或いは更にしごき加工に賦して得られる
缶体は、缶胴部及び缶胴部と缶底部との接続部に継目が
なく、外観が良好で底蓋の巻締及び継目形成などの操作
が不要であり、また缶胴側壁部が薄肉化されていて、金
属素材の量が少なくてよい等の利点を有することから、
飲料缶詰等の用途に広く使用されている。
【0003】このようなツーピース缶は、ビール、炭酸
飲料等の自生圧力を有する内容物や、窒素充填缶詰等の
用途に使用されることから、耐圧性能が要求され、特に
缶底部のバックリングを防止するために、缶底部に上向
きの立上り部(ボトムパネルウォール)とドーム部(ボ
トムパネルドーム)とを設ける等、底形状に関する多く
の提案がなされている。
【0004】シームレス缶の缶底部の耐圧強度を向上さ
せるための多くの提案が従来なされている(例えば特開
平1−213148号公報、特開平7−144239号
公報参照)が、缶底部は一般に図7(従来技術)に示す
形状を有しており、この缶底部は、一般に図8(従来技
術)に示すドーミングパンチ、ドーミングダイ及びホー
ルドダウンリングの工具を用いることにより製造されて
いる。
【0005】本明細書において、缶底部の各部の名称
は、図7を参照して次の名称に従う。即ち、ボディウォ
ール(缶胴)21の下部には、曲率部であるボディウォ
ールラジアス22を介して、下向きに径の次第に縮小す
るテーパー状のボディウォールテーパ(チャイム)23
が配置され、缶の接地部となるボトムラジアス24に接
続されている。ボトムラジアス24の内周側には、上向
きに立ち上がるボトムパネルウォール25があり、この
ボトムパネルウォール25は、ボトムパネルラジアス2
6を介して、上向きに滑らかに膨出したボトムパネルド
ーム27に接続されている。
【0006】図7の缶底部においてもそうであるが、ボ
トムラジアス24は一般に、ボディウォールテーパ23
よりも下向きに突出した形状となっており、一般に先端
が丸められたV字型或いはU字型の形状をしており、ボ
トムパネルウォール25は垂直に近い立ち上がり角度を
有している。
【0007】図7に示す一般形状の缶底部20は、図8
に示すドーミングパンチ31、ドーミングダイ32及び
ホールドダウンリング33の共働動作で成形される。即
ち、ドーミングダイ32はドーム状の上面34とコーナ
部35とを有しており、一方ドーミングパンチ31は下
部中央に凹部36を有すると共に、下部周囲に下向きに
径の縮小するテーパ面37とその内周側に突起部38と
を有している。また、ホールドダウンリング33は、下
向きに径の減少するテーパ面39とほぼ垂直な円筒面4
0とを備えている。ドーミングダイ32の外周面とホー
ルドダウンリング34の内周面との間には、前記突起部
38の挿入を許容するクリアランスが形成されている。
一般に、ドーミングパンチ31は昇降動可能に設けられ
ており、ホールドダウンリング33は流体圧装置やスプ
リング41により上方向に付勢されている。
【0008】図8において、(1)ボディウォールテー
パ、ボディウォールラジアスの成形開始、(2)ボトム
パネルドーム、ボトムパネルラジアスの成形開始、
(3)(1)完了後、しわ押さえを印加しながら、ボト
ムパネルドーム、ボトムパネルラジアス、ボトムパネル
ドームを成形する。
【0009】従来、缶底部の成形方法としては、ドーミ
ングパンチとして同心状に配置された2個の部材を用い
るもの(特開平1−213148号公報)や、ホールド
ダウンリングとして、内周側に突起部を受けるためのス
ペースを配置するもの(特開平7−144239号公
報)などが知られているが、パンチの突起部により、ボ
トムラジアス24及びボトムパネルウォール25を形成
するという点では、上に説明した一般的方法と特に変わ
る点がない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の缶底部の成形法
では、ボディウォールテーパとボトムパネルドームとの
間に、所定形状のボトムラジアス及びボトムパネルウォ
ールを形成させるという目的には、一応満足しうるもの
であるとしても、加工に際してボトムラジアス及びボト
ムパネルウォールの部分が、どうしても薄肉化しやす
く、耐圧強度が不十分となるという欠点が認められる。
この傾向は、缶を軽量化し、且つ使用金属素材の量を節
約する場合に特に顕著に生じる。
【0011】即ち、ボトムラジアスを形成するための突
起部は、曲率半径のかなり小さなものであると共に、こ
の加工の大部分の段階で、ボトムラジアスに加工される
金属素材がドーミングダイのコーナ部とホールドダウン
リングのコーナ部とで支持された状態で突起部の下降に
よる押し込みが生じるため、後述する比較例に示すとお
り、無視できないような金属素材の薄肉化を生じるので
ある。
【0012】また、特に薄肉の金属素材を使用した場合
に顕著であるが、ボトムラジアスの外周側にしわを発生
して、缶の外観特性を低下させ、また塗膜の被覆や密着
が不十分となるため、缶底部の耐腐食性を低下させると
いう欠点も認められる。
【0013】缶底部の耐圧性を向上させるためには、
ボトムラジアス及びボトムパネルウォールの肉厚を十分
に確保すること、及びボトムラジアスの曲率半径を小
さくし、ボトムパネルウォールの立ち上がり角度を大き
くし、またボディウォールテーパの立ち上がり角度も大
きくすることが有効であることが知られているが、上記
及びの要求を同時に満足させることは、本質的に困
難である。
【0014】何となれば、の要求、即ちボトムラジア
ス及びボトムパネルウォールの肉厚を十分に確保しよう
とすると、ボトムラジアスの曲率半径をある程度大きく
し、また、ボトムパネルウォールの立ち上がり角度や、
ボディウォールテーパの立ち上がり角度も小さくして加
工程度を穏やかなものとせざるを得ず、の要求、即ち
ボトムラジアスの曲率半径を小さくし、ボトムパネルウ
ォールの立ち上がり角度を大きくし、またボディウォー
ルテーパの立ち上がり角度も大きくしようとすると、ボ
トムラジアス及びボトムパネルウォールの肉厚がかなり
薄くなるの避け得ないのである。
【0015】従って、本発明の目的は、上記及びの
要求が同時に満足される、つまり、ボトムラジアス及び
ボトムパネルウォールの肉厚を十分に確保すると共に、
ボトムラジアスの曲率半径を小さくし、ボトムパネルウ
ォールの立ち上がり角度を大きく維持されている缶底部
を備えたシームレス缶及びその成形法を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、金属素材が薄肉化されている
場合にも、耐圧強度、外観特性及び耐腐食性に優れてい
るシームレス缶及びその成形法を提供するにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、筒状胴
部と、胴部下方に継ぎ目なしに接続された底部とから成
り、前記底部が、外方から中心に向けて、ボデイウオー
ルテーパ部、接地部とも成るボトムラジアス部、ボトム
ラジアス部より上方に立ち上がるボトムパネルウオール
部、ボトムパネルラジアス部及びボトムパネルドーム部
を備えているシームレス缶において、ボトムラジアス部
からボトムパネルウオール部にかけての最小肉厚をtmi
n 及びシームレス缶の素板厚をt0 としたとき、下記式
(1) で定義される板厚減少率が10%以下であり、ボトムラ
ジアス部の曲率半径rbが下記式(2) rb <3t0 ‥(2) を満足する範囲にあり、且つボトムパネルウオール部の
中心側水平線に対する立ち上がり角度αが下記式(3) α>85゜ ‥(3) を満足することを特徴とするシームレス缶が提供され
る。
【0017】本発明によればまた、筒状胴部と、胴部下
方に継ぎ目なしに接続された底部とから成り、前記底部
が、外方から中心に向けて、ボデイウオールテーパ部、
接地部とも成るボトムラジアス部、ボトムラジアス部よ
り上方に立ち上がるボトムパネルウオール部及びボトム
パネルドーム部を備えているシームレス缶の成形法であ
って、絞り成形或いは絞りしごき成形された平底の缶底
部にボデイウオールテーパ部とボトムパネルドーム部と
を押圧成形により形成し、形成されたボデイウオールテ
ーパ部にしわ押さえ力を印加しつつ絞り成形によりボデ
イウオールテーパ部とボトムパネルドーム部端縁とを接
続し且つ下方に延びる段差部乃至引き出し部を形成さ
せ、次いでボトムパネルドーム部及びボデイウオールテ
ーパ部を拘束しつつ両者が噛み合うように押し込んで、
この段差部乃至引き出し部をボトムラジアス部及びボト
ムパネルウオール部に変形することを特徴とするシーム
レス缶の成形法が提供される。
【0018】
【発明の実施形態】本発明のシームレス缶の缶底部の形
状及び寸法を説明するための図10において、このシー
ムレス缶の底部は、ボディウォール(缶胴)21、曲率
部であるボディウォールラジアス22、下向きに径の次
第に縮小するテーパー状のボディウォールテーパ(チャ
イム)23、ボディウォールテーパよりも下方に突出し
ている缶の接地部となるボトムラジアス24、ボトムラ
ジアス24の内周側で上向きに立ち上がるボトムパネル
ウォール25、及びボトムパネルラジアス26を介して
上向きに滑らかに膨出したボトムパネルドーム27から
なっている。
【0019】本発明のシームレス缶では、 I.ボトムラジアス部24からボトムパネルウオール部
25にかけての最小肉厚をtmin 及びシームレス缶の素
板厚をt0 としたとき、下記式(1) で定義される板厚減少率が10%以下であること、 II.ボトムラジアス部24の曲率半径rb が下記式
(2) rb <3t0 ‥(2) を満足する範囲にあること、及び III. ボトムパネルウオール部25の中心側水平線に対
する立ち上がり角度αが下記式(3) α>85゜ ‥(3) の範囲にあること、を同時に満足していることが新規で
しかも顕著な特徴である。
【0020】即ち、本発明のシームレス缶の底部におい
ては、ボトムラジアス24の曲率半径rb が素板厚の3
倍よりも小さな値に保持され、しかもボトムパネルウォ
ール25の立ち上がり角度αが85゜よりも大きく保た
れていながら、ボトムラジアス24からボトムパネルウ
ォール25への板厚が素板厚の90%よりも大きい値に
保持されているのである。
【0021】缶底部の耐圧性を向上させるためには、
ボトムラジアス及びボトムパネルウォールの肉厚を十分
に確保すること、及びボトムラジアスの曲率半径を小
さくし、ボトムパネルウォールの立ち上がり角度を大き
くし、またボディウォールテーパの立ち上がり角度も大
きくすることが有効であるが、上記及びの要求を同
時に満足させることが困難であったことは既に指摘した
とおりである。これに対して、本発明においては、これ
らの両要求及びが同時に満足されているのであっ
て、これは全く予想外の事実である。
【0022】本発明において、ボトムラジアス24の曲
率半径rb を前記式(2)を満足する範囲に保持し、且
つボトムパネルウォール25の立ち上がり角度αを前記
式(3)を満足する範囲にすることは、ボトムパネルド
ーム27の圧力によるバックリングを防止するために役
立つものであり、これら何れの条件が満足されない場合
には、耐バックリング圧が低下する。
【0023】一方、ボトムラジアス24からボトムパネ
ルウォール25にかけての板厚を前記式(1)を満足す
る範囲に維持することは、上記各部位からなる耐バック
リング構造の剛性及び機械的強度を向上させるのに役立
つものであり、これらの部分の板厚が上記範囲を下回る
ときには、耐バックリング構造の剛性及び機械的強度の
低下が顕著となる。
【0024】本発明では、これら二つの作用が組み合わ
され総合されて、缶の耐圧性が後述する例に示すとお
り、顕著に向上するものであり、この効果は、缶の軽量
化のために、素板厚を小さくした缶の場合に特に顕著で
ある。加工が苛酷となるボトムラジアス24及びボトム
パネルウォール25において、板厚の減少が抑制される
ので、缶の耐腐食性にも優れている。
【0025】本発明のシームレス缶は、絞り成形或いは
絞りしごき成形された平底の缶底部にボデイウオールテ
ーパ部とドーム部とを押圧成形により形成し、形成され
たボデイウオールテーパ部にしわ押さえ力を印加しつつ
絞り成形によりボデイウオールテーパ部とボトムパネル
ドーム部端縁とを接続し且つ下方に延びる段差部乃至引
き出し部を形成させ、次いでボトムパネルドーム部及び
ボデイウオールテーパ部を拘束しつつドーム部を上方に
押し込んで、この段差部乃至引き出し部をボトムラジア
ス部及びボトムパネルウオール部に変形することにより
製造される。
【0026】本発明の成形法では、パンチ等の部材の押
圧によりで直接ボトムラジアス及びボトムパネルウォー
ルを形成させるのではなく、前段階で形成されたボデイ
ウオールテーパ部にしわ押さえ力を印加しつつ絞り成形
によりボデイウオールテーパ部とボトムパネルドーム部
端縁とを接続し且つ下方に延びる段差部乃至引き出し部
(図4のC部拡大の15参照)を形成させ、次いでボト
ムパネルドーム部及びボデイウオールテーパ部を拘束し
つつ両者が噛み合うように押し込んで、この段差部乃至
引き出し部をボトムラジアス部及びボトムパネルウオー
ル部に変形することが特徴である。
【0027】即ち、缶底部にボトムラジアス及びボトム
パネルウォールを形成するためには、そのための金属素
材をどこかでまかなう必要があるが、本発明では、この
金属量をボディウォールテーパとボトムパネルドームと
の間の段差部乃至引き出し部として確保するのである。
この段差部乃至引き出し部は、径内方向及び下方向に延
びているボディウォールテーパから更に下方向に延びる
ように形成されているので、金属素材の塑性流動が容易
であり、段差部乃至引き出し部の形成が、絞り成形によ
り、厚さの減少を伴うことなしに、またしわを発生する
ことなく容易に行われるという利点をもたらす。
【0028】本発明では、次いでボトムパネルドーム部
及びボデイウオールテーパ部を拘束しつつ両者が噛み合
うように押し込んで、この段差部乃至引き出し部をボト
ムラジアス部及びボトムパネルウオール部に変形するの
である。この変形は、ストレートな段差部乃至引き出し
部を湾曲形状にまくりあげる(捲り上げる)一種の曲げ
変形であり、ボトムラジアス及びボトムパネルウォール
となる部分は、外面側においては拘束を受けるとして
も、内面側においては未拘束の状態であることが強調さ
れなければならない。勿論、この変形工程においても、
金属素材は板厚の減少を生じることがなく、また加工部
の内面側が未拘束の状態にあるので、ボトムラジアス2
4の曲率半径rb が素板厚の3倍よりも小さな値に保持
され、しかもボトムパネルウォール25の立ち上がり角
度αが85゜よりも大きく保たれる加工が可能となるの
である。
【0029】本発明の成形法に用いる好適な装置を示す
図1において、この装置は、大まかにいって、ドーミン
グパンチ1、ホールドアッパーリング3、ドーミングダ
イ4及びホールドダウンリング5からなっている。
【0030】ドーミングダイ4は、缶底ドーム部の形状
を規定する曲率半径Rd1 の上面401と、曲率半径R
d2 のコーナ部404と、上面の周囲下方にボトムラジ
アスを形成させるための小間隔のボトムラジアスグルー
ブ402とを有し且つスプリング8により、上方に付勢
されている。ドーミングダイ4は、リテーナ7に対し
て、ネジ403により、昇降動は可能であるが、水平方
向に移動できないように規制されている。
【0031】ホールドダウンリング5は、ドーミングダ
イ4の周囲に且つこれと同軸にスライド可能に配置され
且つ缶底のボデイウオールテーパ部を形成し或いはこれ
と係合する傾斜角度がβのテーパ状作用部501とスト
レートな内周面502と両者の間の曲率半径Rhdのコ
ーナ部503とを有し且つスプリング6により上方に付
勢されている。また、ホールドダウンリング5は、その
外周面がリテーナ7の内周面701とスライド可能に係
合しており、その最上昇位置はリテーナ7の水平内面7
02で規定されるようになっている。
【0032】ドーミングパンチ1は、缶底ドーム部を規
定する下面101と前記ドーミングダイ上方の外周面の
外径(Dd )よりも大きく且つホールドダウンリング5
の内周面502の径(Dhd)よりも小さい径(Dp )を
有する下方外周面102と両者の間の曲率半径Rpのコ
ーナ部103とを備え、昇降動可能に設けられている。
【0033】ホールドアッパーリング3は、Dhuの外径
を有し、パンチ1の周囲に且つこれと同軸にスライド可
能に配置され且つ缶底のボデイウオールテーパ部を形成
し或いはこれと係合する傾斜角度がβのテーパ面301
部を備え且つ下向きにスプリング2により付勢されてい
る。ホールドアッパーリング3のテーパ面301の上端
には曲率半径Rh1 のコーナ部302が設けられ、テー
パ面301の下端には曲率半径Rh2 のコーナ部303
が設けられている。
【0034】ホールドアッパーリング3は、ドーミング
パンチ1に対して、軸方向に位置が変化できるように支
持されており、この目的のために、ドーミングパンチ1
には小径のスリーブ104が形成されており、このスリ
ーブ104の外周面とスライド可能に係合する小径部3
04を有していて、ホールドアッパーリング3の小径部
304は、ドーミングパンチ1の小径スリーブ104上
を移動可能となっている。
【0035】これらの装置における成形は、図2乃至図
6を参照して、次のように行われる。図2はボディウォ
ールテーパの成形工程、図3はボトムパネルドームの成
形工程、図4は段差部乃至引き出し部の成形工程、図5
は段差部乃至引き出し部のボトムラジアス及びボトムパ
ネルウォールへの変形工程、図6は戻り工程をそれぞれ
示し、これらの工程は、ドーミングパンチのワンストロ
ーク内で継続して行われる。
【0036】図2において、ドーミングパンチ1及びホ
ールドアッパーリング3を、最上昇位置から、絞り成形
或いは絞りしごき成形されたシームレス缶を支持して、
ホールドダウンリング5とホールドアッパーリング3と
を、シームレス缶の底部を介して噛み合うように、下降
させて、ボデイウオールテーパ部9及びボディウォール
ラジアス部10を成形する。
【0037】図3において、ドーミングパンチ1及びホ
ールドアッパーリング3を、図2の位置から更に下降さ
せて、ドーミングパンチ1とドーミングダイ4とを、シ
ームレス缶の底部を介して噛み合わせ、ボトムパネルド
ーム11を成形する。
【0038】図4において、図3に示すボトムパネルド
ーム11の成形位置から、ドーミングパンチ1を更に下
降させて、ホールドダウンリング5のコーナ部とパンチ
1のコーナ部との間で絞り成形による段差部乃至引き出
し部15を形成させる。この際、段差部乃至引き出し部
15の上側には、ホールドダウンリング5のコーナ部に
対応する曲率部14が形成され、一方段差部乃至引き出
し部の下側には、パンチ1のコーナ部に対応する曲率部
16が形成される。
【0039】図5において、図4に示すドーミングパン
チ1の最下降位置(下死点)から、ドーミングパンチ1
のみをドーミングダイ4と共に上昇させて、前記段差部
乃至引き出し部15をボトムラジアスグルーブ402内
に挿入して、ボトムラジアス部18及びボトムパネルウ
オール19を形成させる。この成形は、図4の工程にお
いて形成される曲率部16及び段差部乃至引き出し部1
5が、ドーミングダイ4のコーナ部404及びボトムラ
ジアスグルーブ402の内周壁に沿って捲き上げられる
ことによって行われる。
【0040】図6において、ドーミングパンチ1は、図
5に示すボトムラジアス及びボトムパネルウォールの成
形終了位置から、更に上昇し、ドーミングダイ4との係
合が解除され、一方ホールドダウンリング5はその上面
504がリテーナ7の水平内面702と係合し、ドーミ
ングパンチ1が更に上昇することにより、ホールドアッ
パーリング3とホールドダウンリング5との係合状態も
解消される。
【0041】図5で示すボトムラジアスグルーブ402
は、ほぼ垂直の両側壁とほぼ水平の底壁とを有している
が、図11に示すように、ドーミングダイ4のグルーブ
402’の形状を、目標とするボトムラジアス18、並
びにボトムラジアス上の外周面17の形状に合わせるこ
とにより、形状安定性をさらに向上させてもよい。
【0042】本発明において、前記式(1)、(2)及
び(3)を満足するボトムラジアス部及びボトムパネル
ウォール部を形成させる上で、用いる工具に関して、ホ
ールドダウンリング5のコーナ部503の曲率半径Rhd
及びドーミングパンチ1のコーナ部103の曲率半径R
pが大きな影響を与える。即ち、ホールドダウンリング
のコーナ部の曲率半径をRhd 及びシームレス缶の素板
厚をt0 としたとき、これらが下記式(4) Rhd>5×t0 ‥(4) の関係を満足することが好ましい。即ち、ホールドダウ
ンリングのコーナ部の曲率半径Rhdが上記範囲にあれ
ば、肉厚の実質上の減少なしに、延長部乃至引き出し部
を円滑に形成することが可能となり、この曲率半径が小
さいと、肉厚の減少が避けられなくなる傾向がある。
【0043】一方、ドーミングパンチ1のコーナ部10
3の曲率半径をRp 及びシームレス缶の素板厚をt0 と
したとき、これらが下記式(5) 3×t0 <Rp <15×t0 ‥(5) を満足する関係にあることが好ましい。ドーミングパン
チ1のコーナ部の曲率半径Rp がこの範囲にあれば、肉
厚の実質上の減少なしに、延長部乃至引き出し部を円滑
に形成し、且つ所定の曲率半径のボトムラジアス及び所
定の立ち上がり角度のボトムパネルウォールを円滑に形
成することが可能となる。この曲率半径が小さいと、肉
厚の減少が避けられなくなり、また本発明の要件を満足
するボトムラジアス及びボトムパネルウォールの形成が
困難となる傾向がある。
【0044】更に、ホールドダウンリング5の内周面5
02の径Dhd、パンチの下方外周面の径Dp 及びドーミ
ングダイ上方の外周面の外径をDd としたとき、これら
が下記式(6)、 を満足する範囲にあることが、ストレートな段差部乃至
引き出し部を、所定のボトムラジアス及びボトムパネル
ウォールに、円滑に捲き上げ加工するために好ましい。
【0045】本発明において、上記加工に付する絞り加
工或いは絞りしごき加工カップは、この加工工程の前段
でボディウォールテーパが既に形成されたものであって
もよく、また、この加工工程でボディウォールテーパを
形成するものであってもよい。
【0046】ホールドダウンリングを上向きに付勢する
スプリング6は、カップを保持し、前述したように、ボ
ディウォールテーパ、ボディウォールラジアス、並びに
ボトムパネルドームの成形を可能にするものである。前
段階でボディウォールテーパが既に形成されている場合
でも、ボトムパネルドームにしわを発生させないための
ボディウォールテーパの押さえ力、FIIaが必要であ
る。一方、図2に示す第1工程において、ボディウォー
ルテーパの成形も併せて行う場合には、この成形力を支
えるだけの力、FIIbが必要であり、一般に、FIIb>
FIIaである。
【0047】一方、ホールドアッパーリング3を下向き
に付勢するスプリング2は、図4の段差部乃至引き出し
部を絞り加工で成形する際にしわの発生を防止しうる
が、金属素材の薄肉化を防止できる(素材の塑性流動を
可能にする)程度のものであり、且つ図5で示す段差部
乃至引き出し部の変形(捲き上げ)に際して、ボディウ
ォールテーパの位置を固定するためのものである。
【0048】本発明のシームレス缶は、金属板で絞り加
工を行い、その後塗装を行うことによっても製造できる
が、小径のボトムラジアス部への塗装作業性の点や、耐
食性の点では、少なくとも内面に有機樹脂被覆を施した
金属ラミネート板の絞り成形で形成されたものであるこ
とが好ましい。即ち、本発明のシームレス缶のボトムラ
ジアス等は、非常に小さな構造であるが、予め被覆を施
したラミネートを使用することにより、微細な内面部分
の被覆も完全なものとなっている。
【0049】[素材]本発明では、シームレス缶用の金
属としては、各種表面処理鋼板やアルミニウム等の軽金
属板が使用される。
【0050】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後に0.1乃至30%の調質圧延あるいは二次冷間圧延
し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロ
ム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種
以上行ったものを用いることができる。好適な表面処理
鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10
乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃至50mg
/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えた
ものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合
せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.5乃至
11.2g/m 2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板で
ある。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が
1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或いは
クロム酸−リン酸処理が行われていることが望ましい。
【0051】更に他の例としては、アルミニウムメッ
キ、アルミニウム圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板
が用いられる。
【0052】軽金属板としては、所謂アルミニウム板の
他に、アルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.
2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重量%、Z
n:0.20乃至0.3重量%、及びCu:0.15乃
至0.45重量%、残部がAlの組成を有するものであ
る。これらの軽金属板も、金属クロム換算で、クロム量
が20乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処理
或いはクロム酸/リン酸処理や、ジルコニウムやチタン
等の酸化物を主体とする化成被膜による処理や、ポリア
クリル酸−ジルコニウム塩の複合被膜による処理等が行
われていてもよい。
【0053】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(t0
)は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによって
も相違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚み
を有するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合に
は、0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の
場合には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのが
よい。
【0054】本発明によるシームレス缶に用いる素材
(ブランク)は、少なくとも缶内面となる面が有機樹脂
で予め被覆された積層体であることが、耐内容物性の点
で好ましい。
【0055】缶内面側壁樹脂層となる熱可塑性樹脂とし
ては、例えば低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル
−1−ペンテンあるいはエチレン、ピロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同
志のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフ
ィン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体、エチレン・塩化ビニル共重合体
等のエチレン・ビニル化合物共重合体、ポリスチレン、
アクリロニトリル・スチレン共重合体、ABS、α−メ
チルスチレン・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル・塩
化ビニリデン共重合体、ポリアクリル酸メチル、ポリメ
タクリル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、
ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナ
イロン12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエス
テル、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド等
あるいはそれらの混合物のいずれかの樹脂でもよい。
【0056】これらの熱可塑性樹脂の内でも、加工性や
耐腐食性、内容物の香味保持性の点ではポリエステル系
樹脂が特に適している。
【0057】本発明に用いるポリエステル系樹脂は、テ
レフタル酸を主体とする二塩基酸とエチレングリコール
を主体とするジオールとから誘導されたホモポリエステ
ル或いは共重合ポリエステルであることが好ましい。
【0058】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタール酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−
4,4’−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸等を挙げることができ。
【0059】またエチレングリコール以外のジオール成
分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物などのグリコール成分を
挙げることができる。
【0060】この共重合ポリエステルの酸性分は、テレ
フタル酸及びイソフタル酸からなることが、加工性や機
械的物性の点で、また香味保持性の点で特に好ましい。
酸成分として、他の二塩基酸成分の小量、例えば1モル
%以下の量が含有されることが許容されるが、香味成分
の吸着を防止し、且つポリエステル成分の溶出を抑制す
るという点で、少なくとも容器内表面ポリエステル層は
脂肪族二塩基酸は含まないことが望ましい。イソフタル
酸を酸性分として含有するポリエステルは、種々の成
分、香味成分や腐食成分に対してバリアー効果が大き
く、吸着性においても少ないという特徴を有する。
【0061】共重合ポリエステルのジオール成分として
は、エチレングリコールを主体とするものが好ましい。
ジオール成分の95モル%以上、特に98モル%以上が
エチレングリコールからなることが、分子配向性、腐食
成分や香気成分に対するバリアー性等から好ましい。
【0062】ホモポリエステル或いは共重合ポリエステ
ルは、フィルム形成範囲の分子量を有するべきであり、
溶媒として、フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒
を用いて測定した固有粘度〔η〕は0.5乃至1.5、
特に0.6乃至1.5の範囲にあるのがよい。
【0063】熱可塑性樹脂層として好適に使用されるポ
リエステル層は、ホモポリエステル或いはコポリエステ
ルの単独から成る層でも、或いはこれらの2種以上から
成るブレンド物の層でも、或いは2種以上のポリエステ
ル層の積層体であってもよい。
【0064】本発明に使用する熱可塑性樹脂層の厚み
は、全体として、2乃至100μm、特に5乃至50μ
mの範囲にあるのが金属の保護効果及び加工性の点でよ
い。
【0065】勿論、この熱可塑性樹脂層には、それ自体
公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブ
ロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔料、各
種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、安定剤等を公知の処
方に従って配合することができる。
【0066】本発明に用いる積層体は、前述した金属基
体と熱可塑性樹脂のフィルムとを熱接着させることによ
り製造でき、また金属基体上に熱可塑性樹脂を押出コー
トすることにより製造できる。耐腐食性及び接着性を増
強させるために、ラミネート方式の場合、金属基体或い
は熱可塑性樹脂フィルムに接着用プライマーを予め塗布
しておくことができ、また、押出コート法の場合にも、
金属基体に予め接着用プライマーを施しておくことがで
きる。
【0067】ポリエステル系フィルム等の熱可塑性樹脂
フィルムは、一般に二軸延伸されているべきである。と
いうのは、二軸延伸フィルムを使用すると、ラミネート
の作業性が向上し、内面被覆の耐熱性やバリアー性等が
向上するからである。二軸配向の程度は、X線回折法、
偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密度等でも確認す
ることができる。
【0068】一般に必要でないが、接着用プライマーを
用いる場合には、フィルムへの接着用プライマーとの密
着性を高めるために、二軸延伸ポリエステルフィルム等
の表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望まし
い。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44dy
ne/cm以上となるようなものであることが望まし
い。
【0069】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0070】例えば、ポリエステル等の熱可塑性樹脂フ
ィルム−金属のラミネートを製造する場合、金属板を、
加熱ロール等により、用いるポリエステルの融点(Tm
)以上の温度(T1 )に加熱し、ラミネートロール間
に供給する。一方、ポリエステルフィルムは、供給ロー
ルから巻きほぐされ、ラミネートロール間に金属板をサ
ンドイッチする位置関係で供給される。ラミネートロー
ルは、加熱ロールよりも若干低い温度(T2 )に保たれ
ており、金属板の両面にポリエステルフィルムを熱接着
させる。ラミネートロールの下方には、形成されるラミ
ネートを急冷するための冷却水を収容した水槽が設けら
れており、この水槽中にラミネートを導くガイドローラ
が配置されている。ラミネートロールと冷却水との間に
は一定の間隔のギャップを形成し、このギャップに保温
機構を設けて、一定の温度範囲(T3 )に保持するよう
にすることもできる。
【0071】金属板の加熱温度(T1 )は、一般にTm
−50℃乃至Tm+100℃、特にTm −50℃乃至T
m +50℃の温度が適当であり、一方ラミネートロール
の温度T2 は、20℃乃至T1 −10℃、特に20℃乃
至T1 −50℃の範囲が適当である。
【0072】押出コート方式の場合、供給ロールからポ
リエステルフィルムを引き出す代わりに、押出ダイスか
ら溶融ポリエステルを膜状に引き出し、ラミネートロー
ルにより同様のラミネートを行えばよい。この押出コー
ト方式では、製造される積層体の熱可塑性樹脂層は当然
未配向の状態となっている。
【0073】押出コート方式の場合、金属板の加熱温度
(T1 )は、一般にTm −150℃乃至Tm +50℃の
温度が適当であり、一方ラミネートロールの温度T2
は、20℃乃至T1 ℃の範囲が適当である。
【0074】ポリエステル等のフィルムと金属素材の間
に所望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィ
ルムとの両方に優れた接着性を示すものである。密着性
と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なもの
は、種々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導さ
れるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系
塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを5
0:50乃至5:95重量比、特に40:60乃至1
0:90の重量比で含有する塗料である。
【0075】接着プライマー層は、一般に0.01乃至
10μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は
予め金属素材上に設けてよく或いは予めポリエステル等
のフィルム上に設けてもよい。
【0076】本発明に用いる積層体において、シームレ
ス缶の内面側となる面には、前述したポリエステル等の
フィルムが設けられるが、シームレス缶の外面側となる
面には、内面側となる面と同種のフィルムが設けられて
いても、或いはそれ自体公知の缶用塗料が設けられてい
てもよい。
【0077】外面保護塗膜としては、熱硬化性樹脂塗
料、例えば、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、フラ
ン−ホルムアルデヒド樹脂、キシレン−ホルムアルデヒ
ド樹脂、ケトン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムア
ルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、アル
キド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビ
スマレイミド樹脂、トリアリルシアヌレート樹脂、熱硬
化性アクリル樹脂、シリコーン樹脂、油性樹脂、或は熱
可塑性樹脂塗料、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−
マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、アクリル重合体、飽
和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。これらの
樹脂塗料は単独でも2種以上の組合せでも使用される。
【0078】本発明のシームレス缶における筒状胴部の
成形は、前述した素材をパンチとダイスとの間で、有底
カップに絞り−深絞り成形し、所望により、深絞り段階
で曲げ伸し或いは更にしごきによりカップ側壁部を薄肉
化することにより行われる。絞り−再絞り成形は、素材
を大径の浅絞りカップに成形し、次いでこの浅絞りカッ
プを小径の深絞りカップに成形することにより行う。即
ち、この絞り加工は、所望の形状及び所望の高さ/径比
率となるまで、パンチ及びダイスの径を段々小さくしな
がら、数次にわたって絞り加工を行う。この際、下記式 で定義される絞り比を、一段の絞り加工で1.15乃至
2.10、特に、1.15乃至1.90となるように、
また全体としての絞り比を、1.50乃至4.00、特
に1.80乃至3.80となるように行うことが望まし
い。
【0079】また、側壁部にしごき加工を行う場合に
は、下記式 で定義されるしごき率が一段で10乃至50%、特に1
5乃至45%、及び全体として40乃至 80%、特に
45乃至75%となるように行うのがよい。
【0080】勿論、本発明に用いる缶胴側壁部は、深絞
りに際して曲げ伸ばしによる側壁の薄肉化を行ってもよ
いし、この曲げ伸ばしを行った缶胴について、上記しご
き加工を行ってもよい。
【0081】これらのシームレス缶の缶底部の成形は、
既に述べた手段で有効に行われる。得られた缶は、所望
により、一段或いは多段のネックイン加工に付し、フラ
ンジ加工を行って、巻締用の缶とする。
【0082】
【実施例】以下に実施例を挙げて,本発明をさらに詳し
く説明する。
【0083】[実施例1]厚さ0.26mm,引張強さ3
1kgf/mm2 のアルミニウム合金板(A3004H
19)の両面に厚さ0.020mmのポリエステル系フ
ィルムを熱接着することにより製作されたラミネート板
を直径179mmの円形ブランクに打抜き、常法によ
り、直径115mm、深さ42mmの浅絞りカップを作
成した。このカップを特開平2−58822号に開示さ
れるような薄肉化再絞り成形を二度にわたり行い、直径
66mm、高さ126mmで平底を有するカップを作製
した。
【0084】このカップを図1に示される構成の金型に
よりプレス成形した。主たる成形工具はボトムラジアス
を形成するグルーブを有し、強力ばね8により上方に向
かって付勢されたドーミングダイ4、強力ばね6により
上方に向かって付勢されたホールドダウンリング5、強
力ばね2により下方に向かって付勢されたホールドアッ
パーリング3、ドーミングパンチ1、及びリテーナ7で
ある。金型の主たる寸法を以下に示す。
【0085】Dhu=66mm Dp =48mm Dhd=50mm Dd =46.5mm Hd =14mm Rp =1.5mm Rh1=4.5mm Rh2=2.0mm Rhd=3.5mm Rd1=35mm Rd2=2.0mm β =52°
【0086】また、ホールドアッパーリング3を下方に
付勢する力が600kgf、ホールドダウンリング5を
上方へ付勢する力が200kgf、ドーミングダイ上方
へ付勢する力が500kgfになるよう強力ばねをセッ
トした。
【0087】図2〜6は底成形のステップを示すもので
ある。図2に示すように、平底カップを外挿したホール
ドアッパーリング3、及びドーミングパンチ1をクラン
ク機構により下降させると、ホールドアッパーリング3
はホールダウンリング5にカップ底部を介して接触し、
押圧によりボディーウォールテーパー9、並びにボディ
ウォールラジアス10が形成される。この時、強力ばね
6はボディーウォールテーパー9、並びにボディウォー
ルラジアス10の成形力を支えるのに充分な力を有する
必要がある。
【0088】図3に示すように、さらに下降を続けると
ドーミングパンチ1はカップ底部を介してドーミングダ
イ4に接触し、ボトムパネルドーム11が押圧成形され
た後、ホールドアッパーリング3、並びにホールドダウ
ンリング5はホールドダウンリング5の下面13がリテ
ーナ7の底面12に接触することにより、一時停止す
る。
【0089】図4に示すように、ホールドアッパーリン
グ3、並びにホールドダウンリング5が一時停止した後
も、ドーミングパンチ1、並びにドーミングダイ4はさ
らに下降を続け、ボディウォールテーパー9にしわ押え
力を印加しながら、絞り成形により段差部を形成し、下
死点に達する。この時、強力ばね2は絞り成形のしわ押
え力として、必要かつ最小限の力を有する必要がある。
【0090】図5に示すように、ボトムパネルドーム1
1、並びにボディウォールテーパー9を保持しつつ、ド
ーミングパンチ1、並びにドーミングダイ4が上昇を始
めると、段差部はドーミングダイ4のグルーブ402に
挿入され、ボトムパネルウォール19、ボトムラジアス
18、ボディウォールテーパー9とボトムラジアス18
のつなぎ部14及び17に形成される。この時、強力ば
ね2はホールドダウンリング5、及びホールドアッパー
リング3の一時停止状態を維持する。換言すると、ホー
ルドダウンリングに対する強力ばね6の付勢力と環状突
出部の成形力を合わせた力を支持する能力を有する必要
がある。
【0091】図6に示すように、ドーミングパンチ1が
ボトムパネルドーム11より離脱し、さらに上昇を続け
ると、一時停止していたホールドアッパーリング3、並
びにホールドダウンリング5が上昇を開始する。
【0092】以降、ホールドダウンリング4の上面50
4がリテーナ7の面702に接触することにより、ホー
ルドダウンリングは停止する。その後、ホールドアッパ
ーリング3はボディウォールテーパー9から離脱し、以
降ドーミングパンチ1と共に上昇を続け、カップから完
全に抜け出て、底成形は終了する。成形されたカップ底
部の主たる寸法は図7の通りである。
【0093】こうして得られたカップで耐圧試験を行
い、耐圧力は7.8kgf/cm2 と保証耐圧6.3k
gf/cm2 を上回る結果を得た。また、ボトムラジア
ス18からボトムパネルウォール19にかけての最小板
厚tmin を切断法により測定したところ、素坂厚t0の
102%であり、板厚減少はなかった。
【0094】[実施例2]素坂厚が0.24mm、引張強
さ31kgf/mm2 のアルミニウム合金板(A300
4H19)を用いる以外は実施例1と同様にしてシーム
レス缶を得た。耐圧試験を行い、耐圧力は6.8kgf
/cm2 と保証耐圧6.3kgf/cm2 を上回る結果
を得た。また、ボトムラジアス18からボトムパネルウ
ォール19にかけての最小板厚tmin を切断法により測
定したところ、素坂厚t0の102%で、板厚減少はな
かった。
【0095】[実施例3]厚さ0.15mm、引張強さ5
0kgf/mm2 のティンフリースチール(電解クロム
酸処理鋼鈑)の両面に厚さ0.020mmのポリエステ
ル系フィルムを熱接着することにより製作されたラミネ
ート鋼板を直径179mmの円形ブランクに打抜き、常
法により、直径115mm、深さ42mmの浅絞りカッ
プを作成した。このカップを特開平2−58822号に
開示されるような薄肉化再絞り成形を二度にわたり行
い、直径66mm、高さ126mmで平底を有するカッ
プを作製した。この平底カップを用いる以外は、実施例
1と同様にしてこのカップの底部をプレス成形し、環状
突出部を有するカップを得た。この時、ホールドアッパ
ーリング3を下方に付勢する力が800kgfとなるよ
う、強力ばね2を変更した。こうして得られたカップで
耐圧試験を行い、耐圧力は7.7kgf/cm2 と保証
耐圧6.3kgf/cm2 を上回る結果を得た。また、
ボトムラジアス18からボトムパネルウォール19にか
けての最小板厚tmin を切断法により測定したところ、
素坂厚t0の102%であり、板厚減少はなかった。
【0096】[実施例4]厚さ0.26mm、引張強さ3
1kgf/mm2 のアルミニウム合金板(A3004H
19)を直径140mmの円形ブランクに打抜き、常法
により、直径85mm、深さ38mmの浅絞りカップを
作成した。このカップを一段の再絞り成形と三段のしご
き成形により直径66mm、高さ126mmで平底を有
する絞り・しごき缶(DI缶)用カップを作製した。この
平底カップを用いる以外は実施例1と同様にしてこのカ
ップの底部をプレス成形し、環状突出部を有するカップ
を得た。こうして得られたカップで耐圧試験を行い、耐
圧力は7.8kgf/cm2 と保証耐圧6.3kgf/
cm2 を上回る結果を得た。また、ボトムラジアス18
からボトムパネルウォール19にかけての最小板厚tmi
n を切断法により測定したところ、素坂厚t0の102
%であり、板厚減少はなかった。
【0097】本発明は、以上の実施例によって制約され
るものではなく、例えば付勢手段として、強力ばねの代
わりに流体クッション(例えばエアクッション)を使用し
てもよい。
【0098】[比較例1]実施例1の前半に於いて作製し
た直径66mm、高さ126mmで平底を有するカップ
を図8に示される構成の金型により、ホールドダウンリ
ングとパンチがカップ底部を介して接触し、しわ押え力
を印加ながら、パンチとドーミングダイを互いにかみ合
わせ、カップ底部を形成させた。ホールドダウンリング
はエアクションにより上方に向かって付勢されており、
その力を500kgに設定した。これによって成形され
たカップ底部の主な寸法は図9の通りである。このカッ
プで耐圧試験を行い、耐圧力は5.6kgf/cm2
保証耐圧6.3kgf/cm2 を下回る結果となった。
そこで、ボトムラジアス18からボトムパネルウォール
19にかけての最小板厚tmin を切断法により測定した
ところ、素坂厚t0の85%であり、板厚減少が顕著で
あった。
【0099】[比較例2]比較例1と同様の方法を用い
て、図7に示した形状のカップを得た。このカップは実
施例1で得られたカップと同形状である。このカップを
用いて,耐圧試験を行い、耐圧力は6.0kgf/cm
2 と保証耐圧6.3kgf/cm2 を下回る結果を得
た。そこで、ボトムラジアス18からボトムパネルウォ
ール19にかけての最小板厚tminを切断法により測定
したところ、素坂厚t0の79%であり、板厚減少が顕
著であった。
【0100】[比較例3]ドーミングパンチ1の先端丸み
Rpを以下に示すように変更した以外は実施例1と同様
に、底成形を行った。 Rp =0.5mm その結果、図4に示した絞り成形のステップにおいて、
成形荷重を負担している部位16で破断が発生した。
【0101】[比較例4]ホールドダウンリング5のRh
dを以下に示すように変更した以外は実施例1と同様
に、環状突出部を有するカップを得た。 Rhd=1.2mm このカップで耐圧試験を行い、耐圧力は6.2kgf/
cm2 と保証耐圧6.3kgf/cm2 を下回る結果と
なった。そこで、ボトムラジアス18からボトムパネル
ウォール19にかけての最小板厚tmin を切断法により
測定したところ、素坂厚t0の87%であり、板厚減少
が顕著であった。
【0102】[比較例5]ドーミングパンチ1の直径Dp
を以下に示すように変更した以外は実施例1と同様に、
底成形を行った。 Dp =49.2mm その結果、図5に示した環状突出部形成のステップにお
いて、円滑に突出部の成形が行われず、ボディウォール
テーパー9とボトムラジアス18のつなぎ部14及び1
7がカップ内側へ折れ込み、形状不良となった。
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、ボトムラジアス及びボ
トムパネルウォールの肉厚を十分に確保すると共に、ボ
トムラジアスの曲率半径を小さくし且つボトムパネルウ
ォールの立ち上がり角度を大きくした缶底部を備えたシ
ームレス缶が提供され、このシームレス缶は、耐圧強
度、外観特性及び耐腐食性に顕著に優れている。更に、
本発明によれば、絞り成形或いは絞りしごき成形された
平底の缶底部にボデイウオールテーパ部とボトムパネル
ドーム部とを押圧成形により形成し、形成されたボデイ
ウオールテーパ部にしわ押さえ力を印加しつつ絞り成形
によりボデイウオールテーパ部とボトムパネルドーム部
端縁とを接続し且つ下方に延びる段差部乃至引き出し部
を形成させ、次いでボトムパネルドーム部及びボデイウ
オールテーパ部を拘束しつつ両者が噛み合うように押し
込んで、この段差部乃至引き出し部をボトムラジアス部
及びボトムパネルウオール部に変形することにより、上
記の缶底部を備えたシームレス缶を容易に成形すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシームレス缶の缶底部の製造に用いる
装置の配置を示す断面図である。
【図2】ボディウォールテーパの成形工程を示す断面図
である。
【図3】ボトムパネルドームの成形工程を示す断面図で
ある。
【図4】段差部乃至引き出し部の絞り成形工程を示す断
面図である。
【図5】ボトムラジアス及びボトムパネルウォールの成
形工程を示す断面図である。
【図6】ドーミングパンチの戻り工程を示す断面図であ
る。
【図7】比較例3のシームレス缶の形状及び寸法を示す
断面図である。
【図8】比較例1で用いた装置の配置を示す断面図であ
る。
【図9】比較例1のシームレス缶の形状及び寸法を示す
断面図である。
【図10】本発明のシームレス缶の形状を示す拡大断面
図である。
【図11】ボトムラジアス及びボトムパネルウォールの
成形工程の他の変形を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ドーミングパンチ 3 ホールドアッパーリング 4 ドーミングダイ 5 ホールドダウンリング 6 スプリング 7 リテーナ 8 スプリング 9 ボデイウオールテーパ部 10 ボディウォールラジアス部 11 ボトムパネルドーム 14 曲率部 15 段差部乃至引き出し部 16 曲率部 18 ボトムラジアス部 19 ボトムパネルウオール 21 ボディウォール(缶胴) 22 ボディウォールラジアス 23 ボディウォールテーパ(チャイム) 24 ボトムラジアス 25 ボトムパネルウォール 26 ボトムパネルラジアス 27 ボトムパネルドーム 101 下面 102 下方外周面 103 コーナ部 104 スリーブ 301 テーパ面 302 コーナ部 303 コーナ部 304 小径部 401 上面 402 ボトムラジアスグルーブ 403 ネジ 404 コーナ部 501 テーパ状作用部 502 内周面 503 コーナ部 504 上面 701 内周面 702 水平内面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今津 勝宏 神奈川県横浜市泉区和泉町6205−1 グリ ーンハイムいずみ野27−101

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状胴部と、胴部下方に継ぎ目なしに接
    続された底部とから成り、前記底部が、外方から中心に
    向けて、ボデイウオールテーパ部、接地部とも成るボト
    ムラジアス部、ボトムラジアス部より上方に立ち上がる
    ボトムパネルウオール部、ボトムパネルラジアス部及び
    ボトムパネルドーム部を備えているシームレス缶におい
    て、ボトムラジアス部からボトムパネルウオール部にか
    けての最小肉厚をtmin 及びシームレス缶の素板厚をt
    0 としたとき、下記式(1) で定義される板厚減少率が10%以下であり、ボトムラ
    ジアス部の曲率半径rbが下記式(2) rb <3t0 ‥(2) を満足する範囲にあり、且つボトムパネルウオール部の
    中心側水平線に対する立ち上がり角度αが下記式(3) α>85゜ ‥(3) を満足することを特徴とするシームレス缶。
  2. 【請求項2】 筒状胴部と、胴部下方に継ぎ目なしに接
    続された底部とから成り、前記底部が、外方から中心に
    向けて、ボデイウオールテーパ部、接地部とも成るボト
    ムラジアス部、ボトムラジアス部より上方に立ち上がる
    ボトムパネルウオール部及びボトムパネルドーム部を備
    えているシームレス缶の成形法であって、絞り成形或い
    は絞りしごき成形された平底の缶底部にボデイウオール
    テーパ部とボトムパネルドーム部とを押圧成形により形
    成し、形成されたボデイウオールテーパ部にしわ押さえ
    力を印加しつつ絞り成形によりボデイウオールテーパ部
    とボトムパネルドーム部端縁とを接続し且つ下方に延び
    る段差部乃至引き出し部を形成させ、次いでボトムパネ
    ルドーム部及びボデイウオールテーパ部を拘束しつつ両
    者が噛み合うように押し込んで、この段差部乃至引き出
    し部をボトムラジアス部及びボトムパネルウオール部に
    変形することを特徴とするシームレス缶の成形法。
  3. 【請求項3】 缶底ドーム部の形状を規定する上面と上
    面の周囲下方にボトムラジアスを形成させるための小間
    隔のボトムラジアスグルーブとを有し且つ上方に付勢さ
    れているドーミングダイ、ドーミングダイの周囲に且つ
    これと同軸にスライド可能に配置され且つ缶底のボデイ
    ウオールテーパ部を形成し或いはこれと係合する作用部
    とストレートな内周面と両者の間のコーナ部とを有し且
    つ上方に付勢されているホールドダウンリング、缶底ド
    ーム部を規定する下面と前記ドーミングダイ上方の外周
    面の外径よりも大きく且つホールドダウンリングの内周
    面の径よりも小さい径を有する下方外周面と両者の間の
    コーナ部とを備え昇降動可能なパンチ、パンチの周囲に
    且つこれと同軸にスライド可能に配置され且つ缶底のボ
    デイウオールテーパ部を形成し或いはこれと係合するテ
    ーパ部を備え且つ下向きに付勢されているホールドアッ
    パーリングを相対的に移動可能に配置し、絞り成形或い
    は絞りしごき成形されたシームレス缶をポンチで支持
    し、前記ホールドダウンリングとホールドアッパーリン
    グとを、及び前記ドーミングダイとパンチとを、シーム
    レス缶の底部を介してそれぞれ噛み合うように、パンチ
    を下降させて、缶底ドーム部或いは更にボデイウオール
    テーパ部を成形し、前記缶底ドーム部を成形後、パンチ
    を更に下降させて、ホールドダウンリングのコーナ部と
    パンチのコーナ部との間で絞り成形による引き出し部を
    形成させ、次いでパンチをドーミングダイと共に上昇さ
    せて、前記引き出し部をボトムラジアスグルーブ内に挿
    入して、ボトムラジアス部及びボデイパネルウオールを
    形成させることを特徴とする請求項2記載の成形方法。
  4. 【請求項4】 ホールドダウンリングのコーナ部の曲率
    半径をRhd 、パンチのコーナ部の曲率半径をRp 及び
    シームレス缶の素板厚をt0 としたとき、これらが下記
    式(4)及び(5) Rhd >5t0 ‥(4) 3t0 <Rp <15t0 ‥(5) を満足する関係にあることを特徴とする請求項2または
    3記載の成形方法。
  5. 【請求項5】 ホールドダウンリングの内周面の径Dh
    d 、パンチの下方外周面の径Dp 及びドーミングダイ上
    方の外周面の外径をDd としたとき、これらが下記式
    (6) を満足する範囲にあることを特徴とする請求項2乃至4
    の何れかに記載の成形方法。
  6. 【請求項6】 ホールドダウンリングの付勢力がシワの
    発生を防止するに十分でしかも引き出し部の成形に負け
    ない力であることを特徴とする請求項2乃至5の何れか
    に記載の成形方法。
JP29303397A 1997-10-24 1997-10-24 シームレス缶及びその成形法 Pending JPH11123481A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29303397A JPH11123481A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 シームレス缶及びその成形法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29303397A JPH11123481A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 シームレス缶及びその成形法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11123481A true JPH11123481A (ja) 1999-05-11

Family

ID=17789629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29303397A Pending JPH11123481A (ja) 1997-10-24 1997-10-24 シームレス缶及びその成形法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11123481A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011036885A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Toyo Seikan Kaisha Ltd 2ピース缶の製造方法及び製造装置
WO2018070542A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 新日鐵住金株式会社 2ピース缶胴の成形方法、その製造装置および2ピース缶胴
FR3107199A1 (fr) * 2020-02-18 2021-08-20 Constellium Neuf-Brisach Installation pour la fabrication de contenants en aluminium ou en alliage d’aluminium, de préférence adaptés pour contenir une boisson, dont l’unité de formage comprend des doigts rétractables
JP2021138441A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
WO2022054391A1 (ja) * 2020-09-10 2022-03-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 缶体の製造方法及び缶体の製造ライン

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011036885A (ja) * 2009-08-11 2011-02-24 Toyo Seikan Kaisha Ltd 2ピース缶の製造方法及び製造装置
WO2018070542A1 (ja) * 2016-10-13 2018-04-19 新日鐵住金株式会社 2ピース缶胴の成形方法、その製造装置および2ピース缶胴
JPWO2018070542A1 (ja) * 2016-10-13 2018-10-11 新日鐵住金株式会社 2ピース缶胴の成形方法、その製造装置および2ピース缶胴
FR3107199A1 (fr) * 2020-02-18 2021-08-20 Constellium Neuf-Brisach Installation pour la fabrication de contenants en aluminium ou en alliage d’aluminium, de préférence adaptés pour contenir une boisson, dont l’unité de formage comprend des doigts rétractables
WO2021165615A1 (fr) * 2020-02-18 2021-08-26 Constellium Neuf-Brisach Installation pour la fabrication de contenants en aluminium ou en alliage d'aluminium, de preference adaptes pour contenir une boisson, dont l'unite de formage comprend des doigts retractables
JP2021138441A (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
WO2021181949A1 (ja) * 2020-03-09 2021-09-16 東洋製罐グループホールディングス株式会社 シームレス缶体及びシームレス缶体の製造方法
EP4119252A4 (en) * 2020-03-09 2024-04-10 Toyo Seikan Group Holdings Ltd SEAMLESS CAN BODY AND METHOD FOR PRODUCING A SEAMLESS CAN BODY
WO2022054391A1 (ja) * 2020-09-10 2022-03-17 東洋製罐グループホールディングス株式会社 缶体の製造方法及び缶体の製造ライン

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09285832A (ja) シームレス缶及びその成形法
DK2021136T3 (en) Method for producing a container with narrowing
US5137762A (en) Laminated metal plate for drawn can, and drawn can prepared therefrom
KR100254294B1 (ko) 이음매 없는 캔
KR100204181B1 (ko) 박육화 드로잉 캔 제조 방법
US4991735A (en) Pressure resistant end shell for a container and method and apparatus for forming the same
KR20080012872A (ko) 3조각 사각형 캔 및 그 제조방법
WO1990014179A1 (en) Manufacture of drawn/ironed can
US5544517A (en) Method of redrawing a predrawn coated metal can
US6025056A (en) Laminate sheet and process for making a seamless can using the same
JPH0327828A (ja) ツーピース缶用缶胴の成形法
JPH07108706B2 (ja) 薄肉化絞り缶の製造方法
AU2009208113A1 (en) Resin-coated aluminum seamless can body having excellent body burst resistance and flange crack resistance in distribution
JP2677172B2 (ja) 保香性及び耐衝撃性に優れたラミネート絞り容器
JPH11123481A (ja) シームレス缶及びその成形法
US5083449A (en) Method of redrawing flanged cup
US5228588A (en) Thickness-reduced deep-draw-formed can
JP2001121648A (ja) アルミニウム製缶材料、缶及び缶蓋
JP2001347605A (ja) 樹脂被覆金属板、金属缶及び缶蓋
US20090041964A1 (en) Laminated steel sheet for use in two-piece can and two-piece can formed of laminated steel sheet
JP2508780B2 (ja) ツ−ピ−ス缶用缶胴及びその成形法
EP0412166B1 (en) Thickness-reduced deep-draw-formed can
EP0868951A2 (en) A method of producing metal cans and metal cans produced thereby
JP3327137B2 (ja) シームレス缶及びその製造方法
JP2000334886A (ja) 製缶用積層体およびそれを用いたシームレス缶

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060926

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061127

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070403