JPH09141702A - ディスク射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビティプレートの整列案内装置 - Google Patents

ディスク射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビティプレートの整列案内装置

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JPH09141702A
JPH09141702A JP7323932A JP32393295A JPH09141702A JP H09141702 A JPH09141702 A JP H09141702A JP 7323932 A JP7323932 A JP 7323932A JP 32393295 A JP32393295 A JP 32393295A JP H09141702 A JPH09141702 A JP H09141702A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型開時にスタンパプレートからの転写された
情報の損傷、型の磨耗等を極力少なくすることができる
ディスク射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビテ
ィプレートの整列案内装置を提供する。 【解決手段】 前記固定側円盤キャビティプレート19
と前記可動側円盤キャビティプレート20がキャビティ
を形成しているときの共通の外径面に、型の中心線に平
行で一致する溝面をもつ同一断面形状の複数の対の平行
溝21,22を設ける。案内ブロック23は、前記対の
平行溝21,22の一方に固定され、他方の平行溝と精
密に嵌合する。前記可動側金型の円盤キャビティプレー
ト20を、可動側取付けプレート25に対して前記可動
側金型の円盤キャビティプレートの軸に直角な平面で圧
着保持し、かつ摺動可能に支持する自動調心手段を介し
て取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク射出成
形などに利用される射出成形金型の固定側と可動側の円
盤キャビティプレートの整列案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスク射出成形金型では、射
出成形を完了した後の型開き時に惹き起こされる固定側
と可動側のディスクキャビティ金型の軸心ずれにより、
光ディスク基盤成形体の表面に転写されたビットのずれ
や変形が発生することがある。また、そのようなディス
クキャビティ金型の軸心ずれを防止するための構成につ
いてもいくつかの提案がある。しかしあるものは型閉め
型開き作動時の射出成形機の可動側プラテン案内ロッド
の垂直たわみ誤差による金型の磨耗や、甚だしい場合に
は型が破損するという問題がある。
【0003】図4および図5は従来の金型装置の前記問
題を説明するための図であって、図5は前記従来の光デ
ィスク基盤射出成形金型の断面図である。この従来の金
型装置は、固定側および可動側金型の中央に配設した円
盤キャビティプレートの整列案内手段として、当該金型
の外径に接して同軸心に配設した円筒部材の各先端円周
面に雌雄のテーパ嵌合面を設けて構成した一対の案内リ
ングを使用した方式のものである。
【0004】固定側円盤キャビティプレート2は、固定
側取付けプレート1に固定されており、それらの中心に
溶融樹脂材料を射出するスプールブッシュ3が設けられ
ている。固定側取付けプレート1には円筒形状の固定側
案内リング4が固定されており、その端面内周に3度〜
5度の傾斜角度の雌テーパ面5が設けられている。スタ
ンパプレート6はスタンパプレート取付け部材7により
円盤キャビティプレート2表面に固定されている。以上
により固定側金型組立Aが構成される。
【0005】可動側取付けプレート8には、可動側円盤
キャビティプレート9と、その外周に円筒形状の可動側
案内リング12が固定されている。可動側案内リング1
2の先端外周には、前記雌テーパ面5と精密に係合する
雄テーパ面13が設けられている。それらの中心に光デ
ィスク基盤成形体11の中心孔を打ち抜く穿孔パンチ1
0が設けられている。以上により可動側金型組立Bが構
成される。
【0006】前述の各金型は、それぞれ射出成形機の固
定側プラテン14および可動側プラテン15に取付けら
れている。ばね16は穿孔パンチ10を戻すためのばね
である。図5の型閉め状態でスプールブッシュ3から溶
融樹脂材料を、各円盤キャビティプレート2および9に
より形成されたキャビティに高圧で充填する。成形され
た光ディスク基盤成形体11面にはスタンパープレート
6の微細な信号パターンが転写される。成形後に連続し
て可動側プラテン15を後退させて型開きを行い光ディ
スク基盤成形体11を金型から取り外す。従来の光ディ
スク基盤射出成形金型では、固定側金型Aと可動側金型
Bの軸心整列手段として図5に示したテーパ面案内方式
が広く用いられているが次のような欠点がある。
【0007】(その1)図4に示すように、可動側プラ
テン15を水平駆動して成形する形式の光ディスク基盤
射出成形機においては、可動側プラテン15は4本のガ
イドロッド17に保持されて図示しないトグル機構また
は油圧ピストンなどにより駆動される。この場合、可動
側プラテン15の軸受け18とガイドロッド17間の隙
間、可動側プラテン15および可動側金型Bの重量によ
ってガイドロッド17は下方へδだけたわむ。したがっ
て、型閉め時には前記テーパ案内機構により固定側金型
Aの軸心と一致していた可動側金型Bの軸心は型開き過
程に応じて固定側金型Aの軸心より徐々に撓み変位両δ
だけ下方に変位する。一般にこのたわみ変位量δは実測
値で50〜70μm以上に達することがある。
【0008】光ディスク基盤を高速で成形する場合、光
ディスク基盤成形体11の内部は一部溶融状態にあり、
表面も完全に固まっていない状態で型開きされるので、
光ディスク基盤成形体に転写された微細な信号ビットの
変形、二重転写などの不具合の発生を防止するには型開
き距離が少なくとも200μmに達するまでは、固定側
金型Aと可動側金型B間の軸心ずれをゼロの状態に保持
しなければならない。しかし案内リングのテーパ角度を
5度とすれば、200μm型開きした状態での撓み変位
量δによる固定側金型Aと可動側金型Bの軸心ずれは1
7.5μmに達する。したがって、光ディスク基盤成形
体11は撓み変位量17.5μmに見合う垂直応力を受
けて変形する。
【0009】(その2)型閉め過程時には、可動側プラ
テン15および可動側金型Bの合計重量および慣性力が
成形サイクル毎に各案内リングのテーパ面に衝撃的に負
荷されるのでテーパ面の異常磨耗およびかじり事故が生
じやすくなる。同時に有害な金属磨耗粉の飛散が併発さ
れる可能性がある。
【0010】(その3)前述のテーパ面の異常磨耗およ
びかじり事故によって、定期的なテーパ面の修復機械加
工が必要となる。テーパ面は高精度機械加工を要すると
共にテーパ面の修復のみに止まらず、必ず円盤キャビテ
ィプレート、その他の部品の高さ調整加工を伴うので多
大な保守費用と期限を要する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
した問題を解決することができるディスク射出成形金型
の固定側と可動側の円盤キャビティプレートの整列案内
装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明によるディスク射出成形金型の固定側と可動側
の円盤キャビティプレートの整列案内装置は、キャビテ
ィ空間を形成する固定側円盤キャビティプレートおよび
可動側円盤キャビティプレートを含む射出成形金型装置
の射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビティプレ
ートの整列案内装置において、前記固定側円盤キャビテ
ィプレートと前記可動側円盤キャビティプレートがキャ
ビティを形成しているときの共通の外径面に、型の中心
線に平行で一致する溝面をもつ同一断面形状の複数の対
の平行溝と、前記対の平行溝の一方に固定され、他方の
平行溝と精密に嵌合する案内ブロックと、前記可動側金
型の円盤キャビティプレートを可動側取付けプレートに
対して、前記可動側金型の円盤キャビティプレートの軸
に直角な平面で圧着保持し、かつ摺動可能に支持する自
動調心手段とから構成されている。前記自動調心手段
は、前記可動側金型の円盤キャビティプレートを前記可
動側取付けプレートに対して圧接するばね手段と、前記
可動側金型の円盤キャビティプレートをその軸が一定の
範囲内で移動可能に案内する案内手段から構成すること
ができる。前記案内ブロック表面または案内ブロックと
嵌合する平行溝の表面は超硬合金材料を使用して構成す
ることができる。前記案内ブロックは可動側の円盤キャ
ビティプレートに固定することができる。前記案内ブロ
ックの先端部には結合案内形状を設けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下図面等を参照して本発明によ
る射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビティプレ
ートの整列案内装置の実施例を詳細に説明する。図1は
本発明による射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャ
ビティプレートの整列案内装置の実施例を利用した光デ
ィスク射出成形金型を示す断面図である。図2は図1の
A−A視図、図3は図2のB−B視図である。
【0014】固定側円盤キャビティプレート19は、固
定側取付けプレート34に固定され、それらの中心にス
プールブッシュ36が設けられている。可動側円盤キャ
ビティプレート20は可動側取付けプレート25に固定
されている。前記固定側円盤キャビティプレート19と
前記可動側円盤キャビティプレート20は取り付け前に
キー溝形成のために同時に加工される。前記固定側円盤
キャビティプレート19と前記可動側円盤キャビティプ
レート20は対向密着させて同じ径に加工されており、
各外径面の直交する4か所に幅W1 の固定側平行溝2
1、可動側平行溝22を同時研削により正確に加工す
る。可動側円盤キャビティプレート20の各平行溝22
には案内ブロック23が固定される。
【0015】前記案内ブロック23は、硬さHR A83
〜89および抗析力200kgf/mm2 の超硬合金材
質製のブロックであり、幅はW2 ,高さHであり、それ
ぞれ止めボルト24により固定される。ただし、案内ブ
ロック23の幅W2 は、 W2 =W1 −0.003(mm) が好適である。本実施例の場合、W1 =40.000m
m、W2 =39.997mm H=5mmを設計基準に
設定した。前記案内ブロック23の先端部は、図1およ
び図2に示されているように面取りされ、結合案内形状
が設けられている。
【0016】前記可動側金型の可動側円盤キャビティプ
レート20は自動調心手段により支持されており、前記
固定側円盤キャビティプレート19に結合するときに、
前記可動側金型の可動側円盤キャビティプレート20の
中心が、前記固定側円盤キャビティプレート19の中心
に自動的に一致するように構成されている。自動調心手
段は、前記可動側金型の可動側円盤キャビティプレート
20を前記可動側取付けプレートに対して圧接する複数
組のばね30,・・30手段と、前記可動側金型の円盤
キャビティプレート20をその軸を一定の範囲内で移動
可能に案内する複数組の案内手段28,32から構成さ
れている。
【0017】可動側金型の取付けプレートは25の部分
と26の部分に2分割して形成される。可動側円盤キャ
ビティプレート20を取り付けた取付けプレート25に
はボルト用ねじ孔27およびガイドブッシュ28を各6
箇所配設してある。取付けプレート26には同数のボル
ト29および圧縮コイルばね30用の座グリ孔31、お
よび前記ガイドブッシュ28の孔と直径で0.3mm以
内の隙間で嵌合する直径ガイドロッド32を配設してあ
る。同数の圧縮コイルばね30を挿入して、ボルト29
により取付けプレート25を取付けプレート26に取り
付ける。これにより、可動側金型の取付けプレート25
に固定された前記可動側金型の可動側円盤キャビティプ
レート20は、圧縮コイルばね30の圧力により密着さ
せられた状態で、直径0.3mm以内の範囲で面摺動が
可能になる。なお取付けプレート26は可動側プラテン
33に取り付けられ固定されている。
【0018】スタンパプレート37はスタンパプレート
取付けブッシュ38により固定側円盤キャビティプレー
ト19に固定されている。光ディスク基盤成形体40の
中心孔を打ち抜く穿孔パンチ39は可動側金型の取付け
プレート25の25aの部分で進退可能に案内されてい
る。可動側金型の取付けプレート25の25aの部分と
可動側金型の取付けプレート26の部分間には十分な遊
びが設けられている。そして、穿孔パンチ39はリター
ンばね41で戻り方向に付勢されている。
【0019】以上のように構成した本発明の光ディスク
基盤射出成形金型の利点は次の通りである。 (その1)固定側金型と可動側金型の軸心の整列は、可
動側円盤キャビティプレート20の外周面に配設した複
数対の案内ブロック23の平行面を固定側円盤キャビテ
ィプレート19の外周面に配設した平行溝21の側面に
精密に嵌合させて行われている。したがって、射出成形
が完了した後の型開き時に、案内ブロック23の突出平
行面は、可動側プラテン33が5mmだけ後退した時点
で固定側円盤キャビティプレート19の平行溝21面か
ら外れるので、この間において、光ディスク基盤成形体
40には従来のテーパ案内面整列方式のような垂直方向
の変形応力は一切作用しない。
【0020】(その2)図4、図5に示した従来例のよ
うに、可動側円盤キャビティプレートを可動側プラテン
に一体的に固定した構造とは異なり、図1により説明し
たような可動側円盤キャビティプレート20を取り付け
た取付けプレート25は可動側プラテン33に対して移
動可能に設けられている。したがって型閉め型開き時に
おいて射出成形機のガイドロッドの撓みに起因する可動
側プラテン33の重量および慣性応力は固定側および可
動側の各円盤キャビティプレート19,20の整列案内
面を形成する21,23間には負荷されない。同時に可
動側円盤キャビティプレート20の案内ブロック23の
突起部の平行面は固定側キャビティプレート19の平行
溝21案内面に自動調心され嵌合する。この場合、各案
内面21、23に負荷されるのは可動側円盤キャビティ
プレート20および取付けプレート25などの20〜3
0kgf程度の軽い重量のみであるので前記平行整列案
内面21,23の損傷を大幅に低減できる。
【0021】(その3)従来のテーパ案内面整列方式と
は異なり、単純な平行面を固定側および可動側の各円盤
キャビティプレートの整列案内面としたものであるか
ら、前述の従来例のテーパ案内面の修復工事に比較して
安価な案内ブロックの交換および平行案内溝の拡幅加工
のみで簡単に修復できる。
【0022】なお、金型の構造によっては固定側、可動
側の円盤キャビティプレートの外径面の同軸心に嵌合し
た円筒リングに、本発明に基づく固定側、可動側の円盤
キャビティプレートの整列案内手段を設けることもでき
る。前記案内ブロック23の表面に超硬合金材料を使用
した例を示したが、前記案内ブロック23と嵌合する平
行溝の表面に超硬合金材料を使用しても良い。
【0023】以上詳しく説明したように、本発明による
ディスク射出成形金型の固定側と可動側の円盤キャビテ
ィプレートの整列案内装置を使用した金型装置は、射出
成形後の型開き時に生ずる固定側金型と可動側金型の垂
直方向の軸心ずれを阻止して、光ディスク成形体に転写
した微細な信号ビットのずれ、二重転写による品質劣化
を防止できる。射出成形機のたわみ誤差に起因する可動
側プラテンの重量および慣性力などの過大な負荷が金型
に作用することを防止したものであるから金型の損傷を
大幅に低減できる。したがって、テーパ案内面方式の光
ディスク基盤射出成形金型に比較して保守費用および期
間を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による射出成形金型の固定側と可動側の
円盤キャビティプレートの整列案内装置の実施例を使用
した光ディスク射出成形金型の断面図である。
【図2】図1に示した光ディスク射出成形金型のA−A
視図である。
【図3】図2に示した光ディスク射出成形金型のB−B
視図である。
【図4】従来の光ディスク射出成形金型の問題点を説明
するための略図である。
【図5】図4に示した従来の光ディスク射出成形金型の
詳細な断面図である。
【符号の説明】
1 固定側取付けプレート 2 固定側円盤キャビティプレート 3 スプールブッシュ 4 固定側案内リング 5 固定側案内リングの雌テーパ面 6 スタンパープレート 7 スタンパープレート押さえ部材 8 可動側取付けプレート 9 可動側円盤キャビティプレート 10 穿孔パンチ 11 基盤成形体 12 円筒形状の可動側案内リング 13 円筒形状の可動側案内リングの雄テーパ面 14 固定側プラテン 15 可動側プラテン 16 穿孔パンチ10のリターンばね 19 固定側円盤キャビティプレート 20 可動側円盤キャビティプレート 21,22 平行溝 25,26 可動側金型の取付けプレート 27 ボルト用ねじ孔 28 ガイドブッシュ 29 ボルト 30 圧縮コイルばね 31 座グリ孔 32 ガイドロッド 33 可動側プラテン 34 固定側取付けプレート 35 固定側プラテン 36 スプールブッシュ 37 スタンパープレート 38 スタンパープレート取付けブッシュ 39 穿孔パンチ 40 光ディスク基盤成形体 41 リターンばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビティ空間を形成する固定側円盤キ
    ャビティプレートおよび可動側円盤キャビティプレート
    を含む射出成形金型装置の射出成形金型の固定側と可動
    側の円盤キャビティプレートの整列案内装置において、 前記固定側円盤キャビティプレートと前記可動側円盤キ
    ャビティプレートがキャビティを形成しているときの共
    通の外径面に、型の中心線に平行で一致する溝面をもつ
    同一断面形状の複数の対の平行溝と、 前記対の平行溝の一方に固定され、他方の平行溝と精密
    に嵌合する案内ブロックと、 前記可動側金型の円盤キャビティプレートを可動側取付
    けプレートに対して、前記可動側金型の円盤キャビティ
    プレートの軸に直角な平面で圧着保持し、かつ摺動可能
    に支持する自動調心手段とから構成したディスク射出成
    形金型の固定側と可動側の円盤キャビティプレートの整
    列案内装置。
  2. 【請求項2】 前記自動調心手段は、前記可動側金型の
    円盤キャビティプレートを前記可動側取付けプレートに
    対して圧接するばね手段と、前記可動側金型の円盤キャ
    ビティプレートをその軸が一定の範囲内で移動可能に案
    内する案内手段から構成されているものである請求項1
    記載のディスク射出成形金型の固定側と可動側の円盤キ
    ャビティプレートの整列案内装置。
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