JP2974238B2 - 型開き案内手段をもつディスク射出成形金型装置 - Google Patents
型開き案内手段をもつディスク射出成形金型装置Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C45/26—Moulds
- B29C45/263—Moulds with mould wall parts provided with fine grooves or impressions, e.g. for record discs
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- Manufacturing & Machinery (AREA)
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は光ディスク等の射出成形
金型の固定側と可動側のディスクキャビティ金型の型開
きの際の軸心ずれを防止する型開き案内手段をもつディ
スク射出成形金型装置に関する。さらに詳しくいえば、
射出成形を完了して型開き時に惹起される固定側と可動
側のディスクキャビティ金型の軸心ずれによる光ディス
ク成形体の表面に転写されたビットの損傷を防止するこ
とができる型開き案内手段をもつディスク射出成形金型
装置に関する。
金型の固定側と可動側のディスクキャビティ金型の型開
きの際の軸心ずれを防止する型開き案内手段をもつディ
スク射出成形金型装置に関する。さらに詳しくいえば、
射出成形を完了して型開き時に惹起される固定側と可動
側のディスクキャビティ金型の軸心ずれによる光ディス
ク成形体の表面に転写されたビットの損傷を防止するこ
とができる型開き案内手段をもつディスク射出成形金型
装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】光磁気ディスク等の射出成形のため、固
定側，可動側の金型基盤、前記各基盤の中央に配設した
円筒形のディスクキャビティ金型、前記ディスクキャビ
ティ金型の整列案内手段として前記各金型の外周に同心
に円筒を配設しその各先端円周面結合部を雌雄のテーパ
嵌合面とした一対の案内リングを備えたディスク射出成
形金型装置が用いられている。図６に前記従来のディス
ク射出成形用金型装置の型閉め時の正面断面図、図７は
前記従来の金型装置の問題を説明するために前記装置を
型開き状態で示した図である。各図においてＡ側が射出
成形金型の固定側金型組立、Ｂ側が可動側金型組立を示
す図である。
定側，可動側の金型基盤、前記各基盤の中央に配設した
円筒形のディスクキャビティ金型、前記ディスクキャビ
ティ金型の整列案内手段として前記各金型の外周に同心
に円筒を配設しその各先端円周面結合部を雌雄のテーパ
嵌合面とした一対の案内リングを備えたディスク射出成
形金型装置が用いられている。図６に前記従来のディス
ク射出成形用金型装置の型閉め時の正面断面図、図７は
前記従来の金型装置の問題を説明するために前記装置を
型開き状態で示した図である。各図においてＡ側が射出
成形金型の固定側金型組立、Ｂ側が可動側金型組立を示
す図である。
【０００３】固定側金型組立Ａの固定側金型基盤１に
は、固定側ディスクキャビティ金型２が固定されてお
り、中心に熔融樹脂材料の射出ノズル３が設けられてい
る。円筒形状の固定側案内リング４は前記固定側金型基
盤１の外周に一体に固定されており、左端面に３度〜５
度の傾斜角度の雄テーパ面５を設けられている。前記固
定側金型基盤１の中心の孔には射出成形時に成形機ノズ
ル２８から樹脂が供給される。
は、固定側ディスクキャビティ金型２が固定されてお
り、中心に熔融樹脂材料の射出ノズル３が設けられてい
る。円筒形状の固定側案内リング４は前記固定側金型基
盤１の外周に一体に固定されており、左端面に３度〜５
度の傾斜角度の雄テーパ面５を設けられている。前記固
定側金型基盤１の中心の孔には射出成形時に成形機ノズ
ル２８から樹脂が供給される。
【０００４】可動側金型組立Ｂの可動側金型基盤６に
は、可動側ディスクキャビティ金型７が固定されてお
り、固定側ディスクキャビティ金型２と可動側ディスク
キャビティ金型７に熔融樹脂材料を充填するキャビティ
８が形成される。スタンパプレート９は純ニッケル製で
あり、その表面に微細な信号ビットを表面（図中右側の
面）に刻まれており、図示しない取りつけ部材により可
動側ディスクキャビティ金型７の表面に固定されてい
る。円筒形状の可動側案内リング１０は、可動側金型基
盤６または可動側ディスクキャビティ金型７の外周に一
体に固定されている。円筒形状の可動側案内リング１０
の右端面には前記固定側金型の雄テーパ面５と精密に係
合する雌テーパ面１１が設けられている。以上の各金型
組立Ａ、Ｂは、それぞれ射出成形機の固定側プラテン１
２および可動側プラテン１３に取りつけられている。
は、可動側ディスクキャビティ金型７が固定されてお
り、固定側ディスクキャビティ金型２と可動側ディスク
キャビティ金型７に熔融樹脂材料を充填するキャビティ
８が形成される。スタンパプレート９は純ニッケル製で
あり、その表面に微細な信号ビットを表面（図中右側の
面）に刻まれており、図示しない取りつけ部材により可
動側ディスクキャビティ金型７の表面に固定されてい
る。円筒形状の可動側案内リング１０は、可動側金型基
盤６または可動側ディスクキャビティ金型７の外周に一
体に固定されている。円筒形状の可動側案内リング１０
の右端面には前記固定側金型の雄テーパ面５と精密に係
合する雌テーパ面１１が設けられている。以上の各金型
組立Ａ、Ｂは、それぞれ射出成形機の固定側プラテン１
２および可動側プラテン１３に取りつけられている。
【０００５】図６に示す型閉め状態で射出ノズル３から
熔融樹脂材料をキャビティ金型２および７により形成さ
れた空間８に高圧で充填成形してスタンパプレート９の
微細な信号ビットを樹脂成形体の表面に転写する。成形
に連続して可動側プラテン１３を後退させて型開きを行
い樹脂成形品全体を金型から取り外す。図７に示すよう
に可動側プラテン１３が水平移動する形式の光ディスク
射出成形機においては、可動側プラテン１３は４本のガ
イドロッド１４に保持されて図示しないトグル機構また
は油圧ピストンなどの加圧動力により駆動される。この
場合、可動側プラテン１３の軸受１５とガイドロッド１
４間の隙間、および可動側プラテン１３および可動側金
型Ｂの重量によるガイドロッド１４の下方への撓み変位
量δにより、型閉め時には前記テーパ案内機構により固
定側金型Ａの軸心と一致していた可動側金型Ｂの軸心
が、型開き過程に応じて固定側金型Ａの軸心より徐々に
撓み変位置δだけ下方に変位していく現象を生ずる。一
般に型締め能力７５トン以上の射出成形機の撓み変位値
δは実測値で５０〜７０μｍに達する。
熔融樹脂材料をキャビティ金型２および７により形成さ
れた空間８に高圧で充填成形してスタンパプレート９の
微細な信号ビットを樹脂成形体の表面に転写する。成形
に連続して可動側プラテン１３を後退させて型開きを行
い樹脂成形品全体を金型から取り外す。図７に示すよう
に可動側プラテン１３が水平移動する形式の光ディスク
射出成形機においては、可動側プラテン１３は４本のガ
イドロッド１４に保持されて図示しないトグル機構また
は油圧ピストンなどの加圧動力により駆動される。この
場合、可動側プラテン１３の軸受１５とガイドロッド１
４間の隙間、および可動側プラテン１３および可動側金
型Ｂの重量によるガイドロッド１４の下方への撓み変位
量δにより、型閉め時には前記テーパ案内機構により固
定側金型Ａの軸心と一致していた可動側金型Ｂの軸心
が、型開き過程に応じて固定側金型Ａの軸心より徐々に
撓み変位置δだけ下方に変位していく現象を生ずる。一
般に型締め能力７５トン以上の射出成形機の撓み変位値
δは実測値で５０〜７０μｍに達する。
【０００６】光ディスクの高速成形の場合に樹脂成形体
の内部は一部熔融状態で表面も完全に固まっていない状
態で型開きされるので、型開き距離が少なくとも２００
μｍに達するまで固定側金型Ａと可動側金型Ｂ間の軸心
ずれをゼロの状態を保持する必要がある。そうでない場
合は、樹脂成形体に転写された微細な信号ビットの変
形、二重転写などの不都合が発生する。例えば案内リン
グのテーパ角度を５度とすれば、２００μｍ型開きした
状態で撓み変位置δは１７．５μｍに達する可能性があ
る。また、逆に型締め過程時には、可動側プラテン１３
および可動側金型組立Ｂの合計３００〜５００ｋｇｆに
およぶ全重量が、成形サイクル毎に各テーパ案内面の下
部に衝撃荷重的に接触負荷されるので、下部テーパ面の
異常磨耗およびかじり事故を生じ易くなる。光ディスク
成形金型装置ではキャビティ８に不純物が混入すること
を防止するため、潤滑剤を使用することをさける必要が
ある。この対策として各テーパ面には焼き入れ硬化処
理、二硫化モリブデンコーティング処理などが行われて
いる。
の内部は一部熔融状態で表面も完全に固まっていない状
態で型開きされるので、型開き距離が少なくとも２００
μｍに達するまで固定側金型Ａと可動側金型Ｂ間の軸心
ずれをゼロの状態を保持する必要がある。そうでない場
合は、樹脂成形体に転写された微細な信号ビットの変
形、二重転写などの不都合が発生する。例えば案内リン
グのテーパ角度を５度とすれば、２００μｍ型開きした
状態で撓み変位置δは１７．５μｍに達する可能性があ
る。また、逆に型締め過程時には、可動側プラテン１３
および可動側金型組立Ｂの合計３００〜５００ｋｇｆに
およぶ全重量が、成形サイクル毎に各テーパ案内面の下
部に衝撃荷重的に接触負荷されるので、下部テーパ面の
異常磨耗およびかじり事故を生じ易くなる。光ディスク
成形金型装置ではキャビティ８に不純物が混入すること
を防止するため、潤滑剤を使用することをさける必要が
ある。この対策として各テーパ面には焼き入れ硬化処
理、二硫化モリブデンコーティング処理などが行われて
いる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】前記型開き時の信号ビ
ットの変形、二重転写などの不具合の発生および、型開
きや型締めのさいの嵌合面の磨耗およびかじり事故は、
そのさいの型中心軸線のずれに原因するものである。本
発明の目的は、型開きの際の固定側と可動側のディスク
キャビティ金型の軸心ずれを防止することができる型開
き案内手段をもつディスク射出成形金型装置を提供する
ことにある。
ットの変形、二重転写などの不具合の発生および、型開
きや型締めのさいの嵌合面の磨耗およびかじり事故は、
そのさいの型中心軸線のずれに原因するものである。本
発明の目的は、型開きの際の固定側と可動側のディスク
キャビティ金型の軸心ずれを防止することができる型開
き案内手段をもつディスク射出成形金型装置を提供する
ことにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明による型開き案内手段をもつディスク射出成形
金型装置は、固定側，可動側の金型基盤、前記各基盤の
中央に配設した円筒形のディスクキャビティ金型、前記
ディスクキャビティ金型の整列案内手段として前記各金
型の外周に同心に円筒を配設しその各先端の軸孔結合部
を雌雄のテーパ嵌合面とした一対の案内リングを備え、
型を横に開く際の型開き案内手段をもつディスク射出成
形金型装置において、前記一方の案内リング外径面に設
けられ表面が硬い材料で形成されている複数の平行溝
と、前記他方の案内リング外径面の先端に前記平行溝に
精密に勘合する嵌合面が硬い材料から形成されている複
数の案内ブロックとを設け、型開き時前記各キャビティ
金型が前記案内ブロックと溝の結合により同心に保たれ
るように構成されている。
に本発明による型開き案内手段をもつディスク射出成形
金型装置は、固定側，可動側の金型基盤、前記各基盤の
中央に配設した円筒形のディスクキャビティ金型、前記
ディスクキャビティ金型の整列案内手段として前記各金
型の外周に同心に円筒を配設しその各先端の軸孔結合部
を雌雄のテーパ嵌合面とした一対の案内リングを備え、
型を横に開く際の型開き案内手段をもつディスク射出成
形金型装置において、前記一方の案内リング外径面に設
けられ表面が硬い材料で形成されている複数の平行溝
と、前記他方の案内リング外径面の先端に前記平行溝に
精密に勘合する嵌合面が硬い材料から形成されている複
数の案内ブロックとを設け、型開き時前記各キャビティ
金型が前記案内ブロックと溝の結合により同心に保たれ
るように構成されている。
【０００９】前記複数の平行溝は案内リング外径面の両
側面に設けられている一対の溝とすることができる。前
記複数の平行溝は案内リング外径面に等角度間隔で３以
上設けられている溝とすることもできる。前記案内ブロ
ックは一方の案内リング外径面の左右の精密平行溝に上
下面平行な超硬合金などの耐磨耗性材料製の案内ブロッ
クを前記案内リング端面から突出するように固定して形
成できる。前記案内溝の前記案内ブロックの上下面と嵌
合する他の案内リング外径面の左右の精密平行溝の上下
面の双方または一面に超硬合金などの耐磨耗性材料製の
板材を固定して形成することもできる。前記案内溝およ
び前記案内ブロックに使用される材料は、硬さＨR Ａ８
３〜８９および抗折力２００ｋｇｆ／ｍｍ2 の超硬合金
とすることもできる。
側面に設けられている一対の溝とすることができる。前
記複数の平行溝は案内リング外径面に等角度間隔で３以
上設けられている溝とすることもできる。前記案内ブロ
ックは一方の案内リング外径面の左右の精密平行溝に上
下面平行な超硬合金などの耐磨耗性材料製の案内ブロッ
クを前記案内リング端面から突出するように固定して形
成できる。前記案内溝の前記案内ブロックの上下面と嵌
合する他の案内リング外径面の左右の精密平行溝の上下
面の双方または一面に超硬合金などの耐磨耗性材料製の
板材を固定して形成することもできる。前記案内溝およ
び前記案内ブロックに使用される材料は、硬さＨR Ａ８
３〜８９および抗折力２００ｋｇｆ／ｍｍ2 の超硬合金
とすることもできる。
【００１０】
【実施例】以下、図面等を参照して本発明をさらに詳し
く説明する。図１は、本発明による金型装置の固定側案
内リングの実施例を示す側面図、図２は、前記固定側案
内リングの一部を破断して示した正面図である。図２に
示すように固定側案内リング１６の左端面には傾斜角度
５度の雄テーパ面１７が設けられている。なお傾斜角度
は図示および理解を容易にするために誇張して示されて
いる。固定側案内リング１６の外径面には図１に示され
ているように左右に一対の幅Ｗ1 の精密に加工さた平行
溝１８を一対設けてある。
く説明する。図１は、本発明による金型装置の固定側案
内リングの実施例を示す側面図、図２は、前記固定側案
内リングの一部を破断して示した正面図である。図２に
示すように固定側案内リング１６の左端面には傾斜角度
５度の雄テーパ面１７が設けられている。なお傾斜角度
は図示および理解を容易にするために誇張して示されて
いる。固定側案内リング１６の外径面には図１に示され
ているように左右に一対の幅Ｗ1 の精密に加工さた平行
溝１８を一対設けてある。
【００１１】図３は、本発明による金型装置の可動側案
内リングの実施例の一部を破断して示した正面図、図４
は前記可動側案内リングの実施例の側面図である。図３
に示されているように円筒状の可動側案内リング１９の
左端円周部に前記固定側案内リング１６の雄テーパ面１
７と同一角度の雌テーパ面２０が設けられている。外径
面には前記固定側案内リング１６に対応した左右位置に
一対の幅Ｗ1 の精密に加工された平行溝２１を一対設
け、前記平行溝２１に超合金材質の幅Ｗ2 、高さＨの案
内ブロック２２をそれぞれ止めボルト２３により固定し
てある。固定案内リング１６および可動側案内リング１
９はそれぞれ図示しない止めボルトにより図示しない
が、図６または図７と同様な固定金型基盤および可動側
基盤に固定されている。
内リングの実施例の一部を破断して示した正面図、図４
は前記可動側案内リングの実施例の側面図である。図３
に示されているように円筒状の可動側案内リング１９の
左端円周部に前記固定側案内リング１６の雄テーパ面１
７と同一角度の雌テーパ面２０が設けられている。外径
面には前記固定側案内リング１６に対応した左右位置に
一対の幅Ｗ1 の精密に加工された平行溝２１を一対設
け、前記平行溝２１に超合金材質の幅Ｗ2 、高さＨの案
内ブロック２２をそれぞれ止めボルト２３により固定し
てある。固定案内リング１６および可動側案内リング１
９はそれぞれ図示しない止めボルトにより図示しない
が、図６または図７と同様な固定金型基盤および可動側
基盤に固定されている。
【００１２】本発明の固定側案内リング１６の精密平行
溝１８上面と可動側案内リング１９の案内ブロック２２
の上下面は、テーパ面嵌合を使用しないので全接触面が
加圧摺動摩擦面になっている。また前述したように光デ
ィスク射出成形金型はいかなる種類の潤滑剤も使用でき
ないから各部の材質の選定は耐久安定性能を確保するた
めに重要である。この実施例では、案内ブロック２２の
材質に硬さＨR Ａ８３〜８９および抗折力２００ｋｇｆ
／ｍｍ2 の超硬合金を使用した。固定側案内リング１６
および可動側案内リング１９の材質はＳＵＳ４２０、Ｓ
ＵＳ４４０などのマルテンサイト系ステンレス鋼をＨR
Ｃ５２〜６０に熱処理し硬化したものを使用し、固定側
案内リング１６には二硫化モリブデンコーティングなど
の耐磨耗表面処理をした。さらに超硬合金材質の案内ブ
ロック２２の上下面と接触する固定側案内リング１６の
精密加工された平行溝１８の上下面またはその一面に、
超硬合金などの耐磨耗性材料製の角形板を止めボルトに
より固定すれば耐磨耗性をさらに改善できる。
溝１８上面と可動側案内リング１９の案内ブロック２２
の上下面は、テーパ面嵌合を使用しないので全接触面が
加圧摺動摩擦面になっている。また前述したように光デ
ィスク射出成形金型はいかなる種類の潤滑剤も使用でき
ないから各部の材質の選定は耐久安定性能を確保するた
めに重要である。この実施例では、案内ブロック２２の
材質に硬さＨR Ａ８３〜８９および抗折力２００ｋｇｆ
／ｍｍ2 の超硬合金を使用した。固定側案内リング１６
および可動側案内リング１９の材質はＳＵＳ４２０、Ｓ
ＵＳ４４０などのマルテンサイト系ステンレス鋼をＨR
Ｃ５２〜６０に熱処理し硬化したものを使用し、固定側
案内リング１６には二硫化モリブデンコーティングなど
の耐磨耗表面処理をした。さらに超硬合金材質の案内ブ
ロック２２の上下面と接触する固定側案内リング１６の
精密加工された平行溝１８の上下面またはその一面に、
超硬合金などの耐磨耗性材料製の角形板を止めボルトに
より固定すれば耐磨耗性をさらに改善できる。
【００１３】固定側案内リング１６の精密に加工された
平行溝１８の溝幅Ｗ1 と可動側案内リング１９の案内ブ
ロック２２の幅Ｗ2 間の嵌合隙間は常温で３μｍ以内と
なるように高精度に製造する。案内ブロック２２と固定
側案内リング１６の精密平行溝１８の嵌合長さＳ2 はテ
ーパ部の長さＳ1 より少なくとも５ｍｍ以上長く設定し
て、テーパ案内面に５ｍｍ先行して案内ブロック２２が
固定側案内リング１６の精密に加工された平行溝１８に
嵌合するようにする。
平行溝１８の溝幅Ｗ1 と可動側案内リング１９の案内ブ
ロック２２の幅Ｗ2 間の嵌合隙間は常温で３μｍ以内と
なるように高精度に製造する。案内ブロック２２と固定
側案内リング１６の精密平行溝１８の嵌合長さＳ2 はテ
ーパ部の長さＳ1 より少なくとも５ｍｍ以上長く設定し
て、テーパ案内面に５ｍｍ先行して案内ブロック２２が
固定側案内リング１６の精密に加工された平行溝１８に
嵌合するようにする。
【００１４】図５は、本発明による型開き案内手段をも
つディスク射出成形金型装置の案内機構の作動図であ
る。図５中(I) の示す部分は、固定側案内リング１６と
可動側案内リング１９の型締め位置での結合状態を示し
ている。この状態ではテーパ案内面１７，２０および案
内ブロック２２は固定側案内リング１６の精密平行溝１
８と同時に嵌合接触している。したがって、固定側金型
組立Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は一致している。図５中(II)の示す部分は、テーパ
案内面１７，２０が案内ブロック２２に保持されて固定
側金型Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は一致した状態で微小距離（Ｓ1 ）だけ型開きした
状態を示す。図５中(III) の示す部分は、型開き距離が
Ｓ2 を越えて、固定側金型組立Ａと可動型金型組立Ｂの
案内ブロック２２が固定側案内リング１６の精密平行溝
１８から外れた瞬間の状態を示す。この場合固定側金型
Ａの中心線《ａａ》に対して可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は前述の撓みδだけ下方に急激に沈下してずれてい
る。以上のように型開き距離（Ｓ2 ）の範囲において
は、固定側金型Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中
心線《ｂｂ》は一致して軸心ずれをゼロの状態に保持で
きる。
つディスク射出成形金型装置の案内機構の作動図であ
る。図５中(I) の示す部分は、固定側案内リング１６と
可動側案内リング１９の型締め位置での結合状態を示し
ている。この状態ではテーパ案内面１７，２０および案
内ブロック２２は固定側案内リング１６の精密平行溝１
８と同時に嵌合接触している。したがって、固定側金型
組立Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は一致している。図５中(II)の示す部分は、テーパ
案内面１７，２０が案内ブロック２２に保持されて固定
側金型Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は一致した状態で微小距離（Ｓ1 ）だけ型開きした
状態を示す。図５中(III) の示す部分は、型開き距離が
Ｓ2 を越えて、固定側金型組立Ａと可動型金型組立Ｂの
案内ブロック２２が固定側案内リング１６の精密平行溝
１８から外れた瞬間の状態を示す。この場合固定側金型
Ａの中心線《ａａ》に対して可動側金型Ｂの中心線《ｂ
ｂ》は前述の撓みδだけ下方に急激に沈下してずれてい
る。以上のように型開き距離（Ｓ2 ）の範囲において
は、固定側金型Ａの中心線《ａａ》と可動側金型Ｂの中
心線《ｂｂ》は一致して軸心ずれをゼロの状態に保持で
きる。
【００１５】以上詳しく説明した実施例について本発明
の範囲内で種々の変形を施すことができる。左右に対の
案内ブロックを設ける例を示したが、３対以上の案内ブ
ロックおよび精密平行溝を案内リング中心に対して放射
状に設けることにより、固定側金型Ａと可動側金型Ｂの
左右、上下の軸心ずれも同時に規制できる。
の範囲内で種々の変形を施すことができる。左右に対の
案内ブロックを設ける例を示したが、３対以上の案内ブ
ロックおよび精密平行溝を案内リング中心に対して放射
状に設けることにより、固定側金型Ａと可動側金型Ｂの
左右、上下の軸心ずれも同時に規制できる。
【００１６】
【発明の効果】本発明の型開き案内手段をもつディスク
射出成形金型装置は、固定側金型と可動側金型を平行に
移動できる案内機構を設けて、射出成形後の型開き時に
生じる固定側金型と可動側金型の上下方向の軸心ずれを
防止している。したがって、型開きの際に、光ディスク
成形体に転写した微細な信号ビットのずれ、二重転写に
よる品質劣化を防止できる。さらに案内ブロックおよび
案内溝面の双方または一方に超硬合金を使用してあるか
ら、潤滑剤を使用できない環境下でも耐磨耗性の点で耐
久安定性を具備している。また本発明の案内ブロックと
案内溝面による案内機構は全て案内リングに具備したも
のであるから、付加的な金型容積の増大を必要としない
ので小形軽量に金型を設計できる。射出成形機の構造変
更を必要としないから従来の装置の案内リング部分のみ
を改良することにより型開き案内手段をもつディスク射
出成形金型装置を提供することができる。
射出成形金型装置は、固定側金型と可動側金型を平行に
移動できる案内機構を設けて、射出成形後の型開き時に
生じる固定側金型と可動側金型の上下方向の軸心ずれを
防止している。したがって、型開きの際に、光ディスク
成形体に転写した微細な信号ビットのずれ、二重転写に
よる品質劣化を防止できる。さらに案内ブロックおよび
案内溝面の双方または一方に超硬合金を使用してあるか
ら、潤滑剤を使用できない環境下でも耐磨耗性の点で耐
久安定性を具備している。また本発明の案内ブロックと
案内溝面による案内機構は全て案内リングに具備したも
のであるから、付加的な金型容積の増大を必要としない
ので小形軽量に金型を設計できる。射出成形機の構造変
更を必要としないから従来の装置の案内リング部分のみ
を改良することにより型開き案内手段をもつディスク射
出成形金型装置を提供することができる。
【図１】本発明による金型装置の固定側案内リングの実
施例を示す側面図である。
施例を示す側面図である。
【図２】前記固定側案内リングの実施例の正面図であ
る。
る。
【図３】本発明による金型装置の可動側案内リングの実
施例を示す正面図である。
施例を示す正面図である。
【図４】前記可動側案内リングの実施例の側面図であ
る。
る。
【図５】本発明による金型装置の実施例の動作を説明す
るための略図である。
るための略図である。
【図６】従来の金型装置の型締め状態での断面図であ
る。
る。
【図７】前記従来の金型装置の問題を説明するために前
記装置を型開き状態で示した図である。
記装置を型開き状態で示した図である。
【符号の説明】 《ａａ》 固定側金型組立Ａの中心線 《ｂｂ》 可動側金型組立Ｂの中心線 Ａ 固定側金型組立 Ｂ 可動側金型組立 １ 固定側金型基盤 ２ 固定側ディスクキャビティ金型 ３ 熔融樹脂材料の射出ノズル ４ 円筒形状の固定側案内リング ５ 雄テーパ面 ６ 可動側金型基盤 ７ 可動側ディスクキャビティ金型 ８ 熔融樹脂材料を充填するキャビティ ９ スタンパプレート １０ 筒形状の可動側案内リング １１ 雌テーパ面 １２ 固定側プラテン １３ 可動側プラテン １４ ガイドロッド １５ 軸受 １６ 固定側案内リング １７ 雄テーパ面 １８ 精密平行溝 １９ 可動側案内リング ２０ 雌テーパ面 ２１ 精密に加工された平行溝 ２２ 案内ブロック ２３ 止めボルト ２８ 成形機ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｇ１１Ｂ 7/26 ５１１ Ｇ１１Ｂ 7/26 ５１１ Ｂ２９Ｌ 17:00 (56)参考文献 特開 平４−368645（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−182826（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−36360（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−6108（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−309696（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−216026（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−163014（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−58813（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−216025（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−78415（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B29C 45/26 - 45/44 B29C 45/64 - 45/68 B29C 33/00 - 33/76 ＥＰＡＴ（ＱＵＥＳＴＥＬ) ＷＰＩ（ＤＩＡＬＯＧ)
Claims (2)
- 【請求項１】 固定側，可動側の金型基盤、前記各基盤
の中央に配設した円筒形のディスクキャビティ金型、前
記ディスクキャビティ金型の整列案内手段として前記各
金型の外周に同心に円筒を配設し、その各先端の軸孔結
合部を雌雄のテーパ嵌合面とした一対の案内リングを備
え、型を横に開く際の型開き案内手段をもつディスク射
出成形金型装置において、 前記一方の案内リング外径面に設けられ表面が硬い材料
で形成されている複数の平行溝と、 前記他方の案内リング外径面の先端に前記平行溝に精密
に勘合する嵌合面が硬い材料から形成されている複数の
案内ブロックとを設け、 型開き時前記各キャビティ金型が前記案内ブロックと溝
の結合により同心に保たれるように構成したことを特徴
とする型開き案内手段をもつディスク射出成形金型装
置。 - 【請求項２】 前記案内ブロックは一方の案内リング外
径面の左右の精密平行溝に上下面平行な超硬合金などの
耐磨耗性材料製の案内ブロックを前記案内リング端面か
ら突出するように固定したものである請求項１記載の型
開き案内手段をもつディスク射出成形金型装置。
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|---|---|---|---|
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