JPH0913579A - 鋼管柱と環状体との溶接方法 - Google Patents

鋼管柱と環状体との溶接方法

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JPH0913579A
JPH0913579A JP16163895A JP16163895A JPH0913579A JP H0913579 A JPH0913579 A JP H0913579A JP 16163895 A JP16163895 A JP 16163895A JP 16163895 A JP16163895 A JP 16163895A JP H0913579 A JPH0913579 A JP H0913579A
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JP
Japan
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weld
annular body
welding
column
pipe column
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP16163895A
Other languages
English (en)
Inventor
Takekazu Arakawa
武和 荒川
Atsumi Matsui
篤美 松井
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柱と環状体との溶接部の止端部の硬度を低減
し、地震等の過大な負荷が作用しても破壊しない溶接方
法を提供する。 【構成】 鋼管柱と環状体との溶接方法において、前記
溶接ビードの止端部溶接ビードの近傍に焼き戻し用の溶
接を施す。 【効果】 止端部溶接ビードの硬度を下げることができ
割れが発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築、土木分野で使用
される鋼管柱の溶接方法に関し、特に、鋼管柱と環状体
の溶接方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】環状体を使用した柱梁の接合構造とし
て、特開平5ー255972号が知られており、該公開
公報に開示された柱梁の接合構造は、図4に示す如く、
鋼管柱等からなる柱1に環状体2を隅肉溶接により接合
したもので柱1の外周側面の高さ方向に上下2箇所に前
記環状体2が接合されている。尚、隅肉溶接は多層盛り
溶接で行われるのが一般的である。
【0003】また、特開平6ー117049号には、閉
鎖型断面の鉄骨柱に環状体を嵌め、該鉄骨柱と環状体の
接合に際し、環状体の板厚部全てを溶接金属とする接合
手段が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来技術による柱梁の接合構造における柱1と環状体2
との溶接部においては、溶接ビードの周囲に溶接熱によ
って変質した領域(熱影響部という)が形成される。
【0005】特に、柱1および環状体2の母材側熱影響
部は硬化するのが一般的である。柱1および環状体2が
50キロ級鋼の場合を例にとると該熱影響部の硬さは、
ビッカース硬度(Hv)で300またはそれ以上にも達
する。
【0006】本願が対象とする柱1と環状体2との溶接
部には、梁を介してせん断力、引張力、圧縮力が複雑に
作用するが、地震などの場合、これらの力は過大なもの
となり、前記熱影響部の硬化域を起点とした割れが発生
し、大規模破壊につながるという問題点があった。
【0007】図5は、柱1に環状体2を隅肉溶接した場
合の溶接ビードを図示したもので、3は環状体2側の止
端部溶接ビード、4は柱1側の止端部溶接ビードを示し
ている。また、A、B、C、Dは、熱影響部(破線部)
のポイントを表示したものである。
【0008】図6は、前記熱影響部のポイントAーB、
CーDの硬度を測定した結果である。図6において、柱
1と環状体2に用いた鋼材は50キロ級で、隅肉溶接は
炭酸ガス半自動溶接(入熱18Kj/cm;9パス)に
よる多層盛り溶接を行っている。また、硬さの測定位置
は溶着金属の下部0.5mmの熱影響部である。
【0009】何れも、Bの止端部でHV=303、Dの
止端部でHV=321を越える値が測定されており、こ
の局部硬化域が破壊起点になりやすい。
【0010】本発明はせん断力、引張力、圧縮力が複雑
に作用する柱と環状体との溶接部の溶接止端部の硬度を
低減し、地震等の過大な前記の力が作用しても破壊の生
じない溶接方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】前述の課題解決の手段
は、鋼管柱の外周に環状体を嵌合し、該嵌合部を鋼管柱
の円周方向に溶接ビードを盛りながら溶接する鋼管柱と
環状体との溶接方法において、前記溶接ビードの止端部
溶接ビードの近傍に焼き戻し用の溶接を施すことを特徴
とする鋼管柱と環状体との溶接方法である。
【0012】
【作用】柱と環状体を接合した溶接ビード上の止端部溶
接ビードの近傍に焼き戻し用の溶接ビードを置くことに
より、止端部溶接ビードによる環状体または柱の母材側
の熱影響部が焼き戻し用の溶接ビードによる溶接熱によ
り焼き戻しされ、硬度が軟化し、破壊起点となることが
ない。
【0013】
【実施例】図1、図2は、本発明の鋼管柱と環状体との
溶接方法の一実施例に関する断面図で、図1は、鋼管柱
1の周囲に環状体2を溶接した場合の上部円周隅肉溶接
部の断面を図示したものである。
【0014】3は環状体2側に形成された止端部溶接ビ
ードで、4は鋼管柱1側に形成された止端部溶接ビード
である。5、6は環状体2および鋼管柱1の溶接熱影響
部である。
【0015】本発明においては、特に、前記止端部溶接
ビードの近傍の円周方向に焼き戻し用の二箇所の溶接ビ
ード7、8を形成し、該溶接ビード7、8の溶接熱によ
り止端部溶接ビード3、4によって形成された母材側熱
影響部を再加熱し、焼き戻しを行う。
【0016】次に、図2は、本発明の他の実施例で、前
記鋼管柱1に環状体2を溶接した場合の下部円周隅肉溶
接部の断面図である。
【0017】3は環状体2側に形成された止端部溶接ビ
ードで、4は鋼管柱1側に形成された止端部溶接ビード
である。5、6は環状体2および鋼管柱1の溶接熱影響
部である。
【0018】本実施例においても、特に、せん断応力の
影響を受けやすい前記止端部溶接ビード3、4の近傍
で、かつ、鋼管柱1の円周方向に一箇所の焼き戻し用の
溶接ビード9を形成し、該溶接ビード9の溶接熱により
止端部溶接ビード3、4を再加熱し、焼き戻しを行う。
【0019】前述の焼き戻し用の溶接ビード9は、図1
の環状体2の上部円周隅肉溶接部に適用しても良く、ま
た、図1の二箇所の焼き戻し用の溶接ビードを、図2の
環状体2の下部円周隅肉溶接に適用しても良い。
【0020】図3は、止端部溶接ビード3、4と焼き戻
し用の溶接ビード7との位置関係を図示した断面図で、
該焼き戻し用の溶接ビード7は、止端部溶接ビード3か
ら適当な距離L2 が設定される。
【0021】本発明において止端部部溶接ビード3に対
しては、L2 =5〜20mmの範囲が望ましい。5mm
未満であると、焼き戻し用の溶接ビードは止端部溶接ビ
ードと変わらず、環状体2を溶融し、新たな熱影響部を
形成する恐れがある。また、20mmを越えると、焼き
戻し用の溶接ビードの入熱で止端部を充分焼き戻すこと
ができず効果がない。
【0022】次に、止端部溶接ビード4に対しては、L
1 =5〜20mmの範囲が望ましい。L1 が20mmを
越える場合は、止端部溶接ビード4と焼き戻し用の溶接
ビード7の間に、止端部溶接ビード4からの距離が5〜
20mmの範囲になる位置に新たな焼き戻し用の溶接ビ
ードをおいてやるのが好ましい。
【0023】次に、本発明は以下の実施例により柱1と
環状体2との溶接を施工した。 環状体:内径705φ×60t 開先深さ・4mm 鋼管柱:外径700φ×35t 溶接:隅肉溶接 炭酸ガス半自動溶接、パス数・9パス
(入熱20Kj/cm) 鋼管柱および環状体の材質:50キロ鋼
【0024】実施例1 図1に示す如く、焼き戻し用の溶接ビードは2箇所で手
溶接による入熱5kj/cmの被覆アーク溶接により形
成した。環状体2側の焼き戻し用の溶接ビード7は、止
端部溶接ビード3から7mmとし、柱1側の焼き戻し用
の溶接ビード8は、止端部溶接ビード4から5mmとし
た。
【0025】実施例2 図2に示す如く、焼き戻し用の溶接ビード9は1箇所
で、半自動溶接により入熱12Kj/cmで施工し、溶
接部のほぼ中央で止端部溶接ビード3、4から19mm
の位置に形成した。
【0026】その結果、熱影響部の硬度は、表1の結果
を得た。
【0027】
【表1】
【0028】本発明である実施例1および実施例2にか
かる熱影響部は、いずれも硬度が300HV以下であ
り、目的を達していることが判る。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のとおり、鋼管柱等の柱と
環状体との溶接部に焼き戻し用の溶接ビードを置くこと
により、止端部溶接ビード部の熱影響部の硬度を下げる
ことができるので、破壊に至ることがなく、また、本発
明は簡単な構成であるから建築等の現場で実施でき、焼
鈍炉等の大型設備を要することなく溶接部の品質を改善
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる柱と環状体との上部隅肉溶接部
を示す断面図。
【図2】本発明にかかる柱と環状体との下部隅肉溶接部
を示す断面図。
【図3】本発明にかかる柱と環状体との上部隅肉溶接部
における焼き戻し用溶接ビードの位置を示す断面図。
【図4】従来技術における鋼管柱と環状体との接合構造
を示す斜視図。
【図5】従来技術における柱と環状体との隅肉溶接部の
断面図。
【図6】従来技術における止端部溶接ビードの熱影響部
の硬度分布図。
【符号の説明】
1 柱(鋼管柱) 2 環状体 3 止端部溶接ビード(環状体側) 4 止端部溶接ビード(柱側) 5 熱影響部(環状体側) 6 熱影響部(柱側) 7 焼き戻し用溶接ビード 8 焼き戻し用溶接ビード 9 焼き戻し用溶接ビード

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管柱の外周に環状体を嵌合し、該嵌合
    部を鋼管柱の円周方向に溶接ビードを盛りながら溶接す
    る鋼管柱と環状体との溶接方法において、前記溶接ビー
    ドの止端部溶接ビードの近傍に焼き戻し用の溶接を施す
    ことを特徴とする鋼管柱と環状体との溶接方法。
JP16163895A 1995-06-28 1995-06-28 鋼管柱と環状体との溶接方法 Withdrawn JPH0913579A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016536211A (ja) * 2013-09-13 2016-11-24 ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフトZf Friedrichshafen Ag 原動機付き車両のスタビライザ及びこのスタビライザを製造するための方法
JP2020151733A (ja) * 2019-03-19 2020-09-24 株式会社栗本鐵工所 鉄管の突部形成方法及びその方法による突部を有する鉄管

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Legal Events

Date Code Title Description
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Effective date: 20020903