JPH08174241A - 補強材を備えた中空筒状体の製造方法 - Google Patents
補強材を備えた中空筒状体の製造方法Info
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- JPH08174241A JPH08174241A JP32572994A JP32572994A JPH08174241A JP H08174241 A JPH08174241 A JP H08174241A JP 32572994 A JP32572994 A JP 32572994A JP 32572994 A JP32572994 A JP 32572994A JP H08174241 A JPH08174241 A JP H08174241A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 複数の補強材片からなる補強材を、補強材片
の間に隙間が形成されることなく、中空筒状体内部に容
易且つ確実に接合することのできる中空筒状体の製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 ダイヤフラム11を備えた中空筒状体10の
製造方法は、鋼製帯状片10a,10bの側面に、これ
ら鋼製帯状片10a,10b同士を接合することで互い
に隙間13を隔てて突き合わせられる複数の補強材片1
1a,11bを接合するとともに、各補強材片11a,
11bには、隣接して突き合わせられる他の補強材片1
1a若しくは11bに向かって延出されて隙間13を閉
鎖して閉鎖溶接空間15を形成する当て板12a,12
bを接合し、次いで、鋼製帯状片10a,10b同士を
互いに隣接する隣接縁部で接合して中空筒状体10を形
成し、次いで、形成された中空筒状体10に、閉鎖溶接
空間15に連通される透孔14を形成し、その後、補強
材片11a,11b同士を接合するために透孔14を介
して閉鎖溶接空間15に対しエレクトロスラグ溶接を施
工するものである。
の間に隙間が形成されることなく、中空筒状体内部に容
易且つ確実に接合することのできる中空筒状体の製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 ダイヤフラム11を備えた中空筒状体10の
製造方法は、鋼製帯状片10a,10bの側面に、これ
ら鋼製帯状片10a,10b同士を接合することで互い
に隙間13を隔てて突き合わせられる複数の補強材片1
1a,11bを接合するとともに、各補強材片11a,
11bには、隣接して突き合わせられる他の補強材片1
1a若しくは11bに向かって延出されて隙間13を閉
鎖して閉鎖溶接空間15を形成する当て板12a,12
bを接合し、次いで、鋼製帯状片10a,10b同士を
互いに隣接する隣接縁部で接合して中空筒状体10を形
成し、次いで、形成された中空筒状体10に、閉鎖溶接
空間15に連通される透孔14を形成し、その後、補強
材片11a,11b同士を接合するために透孔14を介
して閉鎖溶接空間15に対しエレクトロスラグ溶接を施
工するものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、補強材を備えた中空
筒状体の製造方法に関する。
筒状体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物を構築する際には、柱部材
として例えば円形断面または角形断面を有する中空筒状
体を用いる場合がある。その一例として図5に示す中空
筒状体50は、複数の鋼製帯状片、すなわち一対の溝型
鋼50a,50b同士をその縁部で接合して製造される
ボックスコラムと呼ばれるものであり、内部が中空であ
るため軽量であり且つ強度が高く、経済的に構造物の耐
力を向上できるという利点がある。また、この中空筒状
体50の内部中空にコンクリートを圧入して、中空筒状
体50の全長に亘ってコンクリートを充填すれば、現場
作業において容易に鋼管コンクリート部材を構築するこ
とができる。
として例えば円形断面または角形断面を有する中空筒状
体を用いる場合がある。その一例として図5に示す中空
筒状体50は、複数の鋼製帯状片、すなわち一対の溝型
鋼50a,50b同士をその縁部で接合して製造される
ボックスコラムと呼ばれるものであり、内部が中空であ
るため軽量であり且つ強度が高く、経済的に構造物の耐
力を向上できるという利点がある。また、この中空筒状
体50の内部中空にコンクリートを圧入して、中空筒状
体50の全長に亘ってコンクリートを充填すれば、現場
作業において容易に鋼管コンクリート部材を構築するこ
とができる。
【0003】ところで、かかる中空筒状体50を例えば
鋼管コンクリート構造による高層建築や大スパンの工場
等において使用する場合には、中空筒状体50と梁51
の接合部いわゆる仕口部52に過大な曲げモーメントや
せん断力等の外力が作用する。そのため、これに耐え得
るように仕口部52の剛性を高める必要があり、従来で
はダイヤフラムと呼ばれる補強材53を中空筒状体50
の仕口部52内部に配設して、これに外力を分担し支持
させて、中空筒状体50の仕口部52における剛性を増
加させる方法が採られている。
鋼管コンクリート構造による高層建築や大スパンの工場
等において使用する場合には、中空筒状体50と梁51
の接合部いわゆる仕口部52に過大な曲げモーメントや
せん断力等の外力が作用する。そのため、これに耐え得
るように仕口部52の剛性を高める必要があり、従来で
はダイヤフラムと呼ばれる補強材53を中空筒状体50
の仕口部52内部に配設して、これに外力を分担し支持
させて、中空筒状体50の仕口部52における剛性を増
加させる方法が採られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記中
空筒状体50は、その全長が16mにも及ぶものもあ
り、また補強材53は一の中空筒状体50内部に複数設
けるものであるため、溝型鋼50a,50bを接合して
中空筒状体50を形成した後には、これの内部において
溶接するにはそのための作業空間が狭隘となり作業が行
えず、中空筒状体50の内部に補強材53を接合するの
は不可能であった。
空筒状体50は、その全長が16mにも及ぶものもあ
り、また補強材53は一の中空筒状体50内部に複数設
けるものであるため、溝型鋼50a,50bを接合して
中空筒状体50を形成した後には、これの内部において
溶接するにはそのための作業空間が狭隘となり作業が行
えず、中空筒状体50の内部に補強材53を接合するの
は不可能であった。
【0005】従って、従来では、例えば中空筒状体50
を形成する前に溝型鋼50a,50bのそれぞれの内面
に、補強材53を分割してなる補強材片53a,53b
を溶接接合し、その後これらの溝型鋼50a,50bを
その縁部で接合して中空筒状体50を形成するという方
法を採っていた。
を形成する前に溝型鋼50a,50bのそれぞれの内面
に、補強材53を分割してなる補強材片53a,53b
を溶接接合し、その後これらの溝型鋼50a,50bを
その縁部で接合して中空筒状体50を形成するという方
法を採っていた。
【0006】ところが、この方法では、溝型鋼50a,
50bを接合して中空筒状体50を形成すると、その内
部に配設された補強材片53a、53b相互の接合が不
可能であるため、これら補強材片53a、53b間に隙
間54が形成されこれによって補強材53の強度が低下
するという惧れがあった。
50bを接合して中空筒状体50を形成すると、その内
部に配設された補強材片53a、53b相互の接合が不
可能であるため、これら補強材片53a、53b間に隙
間54が形成されこれによって補強材53の強度が低下
するという惧れがあった。
【0007】これを解決するために、従来では、かかる
隙間54内の補強材片53a,53bの内周縁部にリブ
を設けるなどして、補強材53の強度低下を防止する手
段を採っていたが、補強材の構成が複雑になるという問
題があった。
隙間54内の補強材片53a,53bの内周縁部にリブ
を設けるなどして、補強材53の強度低下を防止する手
段を採っていたが、補強材の構成が複雑になるという問
題があった。
【0008】そこで、この発明は、かかる問題を解決す
るためになされたもので、複数の補強材片からなる補強
材を補強材片の間に隙間が形成されることなく、中空筒
状体内部に容易に且つ確実に接合することのできる中空
筒状体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
るためになされたもので、複数の補強材片からなる補強
材を補強材片の間に隙間が形成されることなく、中空筒
状体内部に容易に且つ確実に接合することのできる中空
筒状体の製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の補強材を備え
た中空筒状体の製造方法は上記目的を達成するためにな
されたものであり、複数の鋼製帯状片を環状に配列し、
互いに隣接するこれら鋼製帯状片の隣接縁部同士を接合
することで中空筒状体を製造するに際して、中空筒状体
の内面となるこれら鋼製帯状片の側面に、これら鋼製帯
状片同士を接合することで互いに隙間を隔てて突き合わ
せられる複数の補強材片を接合するとともに、該各補強
材片には、隣接して突き合わせられる他の補強材片に向
かって延出されて該隙間を閉鎖して閉鎖溶接空間を形成
する当て板を接合し、次いで、上記鋼製帯状片同士を互
いに隣接する隣接縁部で接合して中空筒状体を形成し、
次いで、形成された上記中空筒状体に、上記閉鎖溶接空
間に連通される透孔を形成し、その後、上記補強材片同
士を接合するために上記透孔を介して上記閉鎖溶接空間
でエレクトロスラグ溶接を施工するものである。
た中空筒状体の製造方法は上記目的を達成するためにな
されたものであり、複数の鋼製帯状片を環状に配列し、
互いに隣接するこれら鋼製帯状片の隣接縁部同士を接合
することで中空筒状体を製造するに際して、中空筒状体
の内面となるこれら鋼製帯状片の側面に、これら鋼製帯
状片同士を接合することで互いに隙間を隔てて突き合わ
せられる複数の補強材片を接合するとともに、該各補強
材片には、隣接して突き合わせられる他の補強材片に向
かって延出されて該隙間を閉鎖して閉鎖溶接空間を形成
する当て板を接合し、次いで、上記鋼製帯状片同士を互
いに隣接する隣接縁部で接合して中空筒状体を形成し、
次いで、形成された上記中空筒状体に、上記閉鎖溶接空
間に連通される透孔を形成し、その後、上記補強材片同
士を接合するために上記透孔を介して上記閉鎖溶接空間
でエレクトロスラグ溶接を施工するものである。
【0010】また、上記補強材を備えた中空筒状体で
は、鋼製帯状片が断面コ字状に形成され、これら一対の
断面コ字状の鋼製帯状片が互いに接合されて断面角形の
中空筒状体を構成することが好ましい。
は、鋼製帯状片が断面コ字状に形成され、これら一対の
断面コ字状の鋼製帯状片が互いに接合されて断面角形の
中空筒状体を構成することが好ましい。
【0011】なお、上記補強材を備えた中空筒状体で
は、補強材片が互いに接合されることで、平板状のダイ
ヤフラムを構成することができる。
は、補強材片が互いに接合されることで、平板状のダイ
ヤフラムを構成することができる。
【0012】さらには、上記補強材を備えた中空筒状体
では、補強材片が互いに接合されることで、中央に穴部
を有する平板状のダイヤフラムを構成することもでき
る。
では、補強材片が互いに接合されることで、中央に穴部
を有する平板状のダイヤフラムを構成することもでき
る。
【0013】
【作用】この発明の補強材を備えた中空筒状体の製造方
法によれば、鋼製帯状片の隣接接合面を接合して中空筒
状体を形成する際、補強材片間に生じる隙間を補強材片
と当て板とにより閉鎖して閉鎖溶接空間を形成するとと
もに、これに連通する透孔を介して、閉鎖溶接空間内で
エレクトロスラグ溶接を施工するため、中空筒状体内部
に形成された補強材片間の隙間を確実に溶接接合するこ
とができる。
法によれば、鋼製帯状片の隣接接合面を接合して中空筒
状体を形成する際、補強材片間に生じる隙間を補強材片
と当て板とにより閉鎖して閉鎖溶接空間を形成するとと
もに、これに連通する透孔を介して、閉鎖溶接空間内で
エレクトロスラグ溶接を施工するため、中空筒状体内部
に形成された補強材片間の隙間を確実に溶接接合するこ
とができる。
【0014】
【実施例】以下、この発明の、補強材を備えた中空筒状
体の製造方法の一実施例を添付図面を参照して詳細に説
明する。図1は、この発明の製造方法によって製造され
る中空筒状体10を示すものである。
体の製造方法の一実施例を添付図面を参照して詳細に説
明する。図1は、この発明の製造方法によって製造され
る中空筒状体10を示すものである。
【0015】同図に示す中空筒状体10は、建築物を構
成する柱部材として用いられる断面角形のいわゆるボッ
クスコラムと呼ばれるもので、複数の鋼製帯状片10
a,10bの隣接縁部同士を、例えばシーム溶接等で接
合することで形成されるものである。
成する柱部材として用いられる断面角形のいわゆるボッ
クスコラムと呼ばれるもので、複数の鋼製帯状片10
a,10bの隣接縁部同士を、例えばシーム溶接等で接
合することで形成されるものである。
【0016】そして、この中空筒状体10は、鋼製帯状
片10a,10bの側面に接合され、これら鋼製帯状片
10a,10b同士が接合されることで、互いに隙間1
3を隔てて突き合わされる一対の補強材片11a,11
bと、各補強材片11a,11bに接合され、隣接して
突き合わされる他の補強材片11aまたは11bに向か
って延出されて隙間13を閉鎖して閉鎖溶接空間15を
形成する当て板12a,12bと、鋼製帯状片10a,
10bに閉鎖溶接空間15へ連通させて形成され、補強
材片11a,11b同士を接合するために閉鎖溶接空間
15に対してエレクトロスラグ溶接を施工するための透
孔14とを備えたものである。
片10a,10bの側面に接合され、これら鋼製帯状片
10a,10b同士が接合されることで、互いに隙間1
3を隔てて突き合わされる一対の補強材片11a,11
bと、各補強材片11a,11bに接合され、隣接して
突き合わされる他の補強材片11aまたは11bに向か
って延出されて隙間13を閉鎖して閉鎖溶接空間15を
形成する当て板12a,12bと、鋼製帯状片10a,
10bに閉鎖溶接空間15へ連通させて形成され、補強
材片11a,11b同士を接合するために閉鎖溶接空間
15に対してエレクトロスラグ溶接を施工するための透
孔14とを備えたものである。
【0017】前記鋼製帯状片10a,10bは、本実施
例では、一対の断面コ字形の溝型鋼を用い、これらを接
合して中空筒状体10を形成した際、その内面となる側
面に補強材片11a,11bが溶接等で接合されてい
る。
例では、一対の断面コ字形の溝型鋼を用い、これらを接
合して中空筒状体10を形成した際、その内面となる側
面に補強材片11a,11bが溶接等で接合されてい
る。
【0018】これらの補強材片11a,11bは、中空
筒状体10の径方向に沿って二分割されて、鋼製帯状片
10a,10bの内壁面に合致する断面形状をなすもの
であり、中空筒状体10の仕口部に当たる部位に接合さ
れる。そして、これらの補強材片11a,11bは、鋼
製帯状片10a,10bを接合して管状筒状体10を形
成した際には、相互に突き合わされて接合されることに
より、仕口部の剛性を補償する補強材としてのダイアフ
ラム11を構成する。
筒状体10の径方向に沿って二分割されて、鋼製帯状片
10a,10bの内壁面に合致する断面形状をなすもの
であり、中空筒状体10の仕口部に当たる部位に接合さ
れる。そして、これらの補強材片11a,11bは、鋼
製帯状片10a,10bを接合して管状筒状体10を形
成した際には、相互に突き合わされて接合されることに
より、仕口部の剛性を補償する補強材としてのダイアフ
ラム11を構成する。
【0019】なお、前記補強材片11a,11bは、そ
の幅(図2(a)における左右方向の長さ)が、断面コ
字形の鋼製帯状片10a,10bのフランジの長さより
も若干短尺となっており、これらの補強材片11a,1
1bを中空筒状体10内に配設した際には、その間に隙
間13が形成される。
の幅(図2(a)における左右方向の長さ)が、断面コ
字形の鋼製帯状片10a,10bのフランジの長さより
も若干短尺となっており、これらの補強材片11a,1
1bを中空筒状体10内に配設した際には、その間に隙
間13が形成される。
【0020】一方、当て板12a,12bは、補強材片
11a,11bと同様の材料で形成されており、本実施
例では、図2にも示すように、補強材片11の上面に配
設される当て板12aは一方の補強材片11aの上面
に、補強材片11の下面に配設される当て板12bは他
方の補強材片11bの下面に、溶接部16において、す
み肉溶接等で接合される。
11a,11bと同様の材料で形成されており、本実施
例では、図2にも示すように、補強材片11の上面に配
設される当て板12aは一方の補強材片11aの上面
に、補強材片11の下面に配設される当て板12bは他
方の補強材片11bの下面に、溶接部16において、す
み肉溶接等で接合される。
【0021】そして、これらの当て板12a,12b
は、本実施例では、鋼製帯状片10a,10bをその縁
部で接合し中空筒状体10を形成した際には、図1に示
すように、補強材片11a,11bの表裏にこれらを跨
ぐように配設され、隙間13を閉鎖して補強材片11
a,11b間に閉鎖溶接空間15を形成する。
は、本実施例では、鋼製帯状片10a,10bをその縁
部で接合し中空筒状体10を形成した際には、図1に示
すように、補強材片11a,11bの表裏にこれらを跨
ぐように配設され、隙間13を閉鎖して補強材片11
a,11b間に閉鎖溶接空間15を形成する。
【0022】また、閉鎖溶接空間15には、中空筒状体
10の外壁面に穿設された透孔14が連通している。こ
の透孔14は、鋼製帯状片10a,10bを接合して中
空筒状体10を形成した後にドリル等によって穿孔す
る。
10の外壁面に穿設された透孔14が連通している。こ
の透孔14は、鋼製帯状片10a,10bを接合して中
空筒状体10を形成した後にドリル等によって穿孔す
る。
【0023】そして、このような構成を有する中空筒状
体10を製造するには、図2に示すように、鋼製帯状片
10a、10bを、エレクトロスラグ溶接の作業を容易
にするために横倒しにする。次いで、鋼製帯状片10
a、10bのそれぞれの側面に、補強材片11a、11
bを溶接等で接合する。
体10を製造するには、図2に示すように、鋼製帯状片
10a、10bを、エレクトロスラグ溶接の作業を容易
にするために横倒しにする。次いで、鋼製帯状片10
a、10bのそれぞれの側面に、補強材片11a、11
bを溶接等で接合する。
【0024】この補強材片11a、11bを固設する作
業と併せて、補強材片11a、11bに当て板12a,
12bを接合する作業を行う。この当て板12a、12
bの接合は、図2(b)に示すように、当て板12a,
12bが相互に、補強材片11a、11bを挟んで反対
の位置になるように、溶接部16においてすみ肉溶接等
により接合する。
業と併せて、補強材片11a、11bに当て板12a,
12bを接合する作業を行う。この当て板12a、12
bの接合は、図2(b)に示すように、当て板12a,
12bが相互に、補強材片11a、11bを挟んで反対
の位置になるように、溶接部16においてすみ肉溶接等
により接合する。
【0025】その後、鋼製帯状片10a、10bを、例
えばシーム溶接により溶接接合して、中空筒状体10を
形成する。このとき、補強材片11a、11bの幅は鋼
製帯状片10a、10bのフランジよりも短尺なのでこ
れらの間に隙間13が形成されるとともに、当て板12
a、12bは、補強材片11a、11bの表裏におい
て、これらを跨ぐように位置されることとなり、ダイヤ
フラム11の中央部には、補強材片11a、11bの側
面と、当て板12a、12bとによって閉鎖された閉鎖
溶接空間15が形成される。なお、本実施例では、シー
ム溶接により接合された接合部上のダイアフラム11近
傍にUT検査穴17を穿孔して、接合強度を検査する。
えばシーム溶接により溶接接合して、中空筒状体10を
形成する。このとき、補強材片11a、11bの幅は鋼
製帯状片10a、10bのフランジよりも短尺なのでこ
れらの間に隙間13が形成されるとともに、当て板12
a、12bは、補強材片11a、11bの表裏におい
て、これらを跨ぐように位置されることとなり、ダイヤ
フラム11の中央部には、補強材片11a、11bの側
面と、当て板12a、12bとによって閉鎖された閉鎖
溶接空間15が形成される。なお、本実施例では、シー
ム溶接により接合された接合部上のダイアフラム11近
傍にUT検査穴17を穿孔して、接合強度を検査する。
【0026】次いで、透孔14から閉鎖溶接空間15内
でエレクトロスラグ溶接を施工し、補強材片11a,1
1b同士を溶接接合する。詳しくは、閉鎖溶接空間15
の中に溶融スラグ及び溶融金属等の溶融スラグ浴を注入
し、この中に電流を通じた溶接棒を連続的に供給し、溶
融スラグの抵抗熱によって溶接棒と母材すなわち補強材
片11a,11bを溶融して、これらを溶接接合する。
でエレクトロスラグ溶接を施工し、補強材片11a,1
1b同士を溶接接合する。詳しくは、閉鎖溶接空間15
の中に溶融スラグ及び溶融金属等の溶融スラグ浴を注入
し、この中に電流を通じた溶接棒を連続的に供給し、溶
融スラグの抵抗熱によって溶接棒と母材すなわち補強材
片11a,11bを溶融して、これらを溶接接合する。
【0027】かかる中空筒状体10の製造方法によれ
ば、鋼製帯状片10a,10bを接合して中空筒状体1
0を形成する際、補強材片11a,11b間に生じる隙
間13を補強材片11a,11bと当て板12a,12
bとにより閉鎖して閉鎖溶接空間15を形成するととも
に、これに連通する透孔14を介して、閉鎖溶接空間1
5内でエレクトロスラグ溶接を施工するため、中空筒状
体10内部に形成された補強材片11a,11b間の隙
間13を確実に溶接接合することができる。
ば、鋼製帯状片10a,10bを接合して中空筒状体1
0を形成する際、補強材片11a,11b間に生じる隙
間13を補強材片11a,11bと当て板12a,12
bとにより閉鎖して閉鎖溶接空間15を形成するととも
に、これに連通する透孔14を介して、閉鎖溶接空間1
5内でエレクトロスラグ溶接を施工するため、中空筒状
体10内部に形成された補強材片11a,11b間の隙
間13を確実に溶接接合することができる。
【0028】なお、このように製造されたダイヤフラム
11を備えた中空筒状体10によれば、補強材片11
a,11b間の隙間13を当て板12a,12bを配設
して補強するとともに、これらによって形成される閉鎖
溶接空間15内でエレクトロスラグ溶接を施工し、補強
部材11a、11bを相互に接合する。これによって、
補強部材11a,11b間の応力の伝達を良好とすると
ともに、断面欠損を防ぎ、隙間13によってダイヤフラ
ム11が寸断される方向すなわち弱軸方向の強度を補償
することができる。
11を備えた中空筒状体10によれば、補強材片11
a,11b間の隙間13を当て板12a,12bを配設
して補強するとともに、これらによって形成される閉鎖
溶接空間15内でエレクトロスラグ溶接を施工し、補強
部材11a、11bを相互に接合する。これによって、
補強部材11a,11b間の応力の伝達を良好とすると
ともに、断面欠損を防ぎ、隙間13によってダイヤフラ
ム11が寸断される方向すなわち弱軸方向の強度を補償
することができる。
【0029】また、図3(a)及び(b)は、この発明
の第二の実施例を示すもので、この実施例にかかる中空
筒状体10は、前述の実施例で用いたのと同様の中空筒
状体10であって、補強材片11a,11bが互いに接
合されることで、中央に穴部20を有する平板状のダイ
ヤフラム11を備えたものである。
の第二の実施例を示すもので、この実施例にかかる中空
筒状体10は、前述の実施例で用いたのと同様の中空筒
状体10であって、補強材片11a,11bが互いに接
合されることで、中央に穴部20を有する平板状のダイ
ヤフラム11を備えたものである。
【0030】穴部20は、中空筒状体10を軸方向に連
通させる円形状のものであり、例えば、中空筒状体10
の内部にコンクリートを圧入して鋼管コンクリート柱を
構築する際には、コンクリートの流路となるものであ
る。
通させる円形状のものであり、例えば、中空筒状体10
の内部にコンクリートを圧入して鋼管コンクリート柱を
構築する際には、コンクリートの流路となるものであ
る。
【0031】そして、この第二の実施例にかかる、穴部
20を有する中空筒状体10では、前述の実施例と同様
に、中空筒状体10の径方向に沿って二分割され、中空
筒状体10の内壁面に接合された補強材片11a、11
bと、これらの表裏に配設されて、補強材片11a、1
1b間に閉鎖溶接空間15を形成する当て板12a、1
2bとを有するとともに、これらの構成に加えて、中空
筒状体10の内部において、閉鎖溶接空間15の開口部
15aを閉鎖するように穴部20の内周にその側面を合
致させて配設される底板21が設けられている。
20を有する中空筒状体10では、前述の実施例と同様
に、中空筒状体10の径方向に沿って二分割され、中空
筒状体10の内壁面に接合された補強材片11a、11
bと、これらの表裏に配設されて、補強材片11a、1
1b間に閉鎖溶接空間15を形成する当て板12a、1
2bとを有するとともに、これらの構成に加えて、中空
筒状体10の内部において、閉鎖溶接空間15の開口部
15aを閉鎖するように穴部20の内周にその側面を合
致させて配設される底板21が設けられている。
【0032】この底板21は、前記当て板の概念に含ま
れるものであり、ダイヤフラム11、当て板12等と同
様の材料で形成され、円形の穴部20に合致するように
弧状に湾曲した形状をなしている。
れるものであり、ダイヤフラム11、当て板12等と同
様の材料で形成され、円形の穴部20に合致するように
弧状に湾曲した形状をなしている。
【0033】一方、閉鎖溶接空間15は、本実施例で
は、中空筒状体10の内部において、ダイヤフラム11
中央部の穴部20に臨ませて開口部15aを有してい
る。そして、底板21を穴部20の内周縁部に配設すれ
ば、底板21の側面で閉鎖溶接空間15の開口部15a
を閉鎖することができ、これによって、この閉鎖溶接空
間15内に流入される溶融スラグ浴が閉鎖溶接空間15
内から漏出することを確実に防止することができる。そ
して、このような底板21を備えた中空筒状体10で
は、これの製作時にあっては、溶融スラグ浴の流入を確
実にすることができる。
は、中空筒状体10の内部において、ダイヤフラム11
中央部の穴部20に臨ませて開口部15aを有してい
る。そして、底板21を穴部20の内周縁部に配設すれ
ば、底板21の側面で閉鎖溶接空間15の開口部15a
を閉鎖することができ、これによって、この閉鎖溶接空
間15内に流入される溶融スラグ浴が閉鎖溶接空間15
内から漏出することを確実に防止することができる。そ
して、このような底板21を備えた中空筒状体10で
は、これの製作時にあっては、溶融スラグ浴の流入を確
実にすることができる。
【0034】なお、上記穴部を有するダイヤフラムを備
えた中空筒状体の変更例として、図4に示すように、穴
部20の形状を略菱形とすることができる。この場合に
おいても、底板21を閉鎖溶接空間15の開口部15a
を塞ぐように穴部20の内周縁部にその側面を合致させ
て配設する。従って、この変更例では、かかる底板21
の断面形状は略L字形とすることが好ましい。
えた中空筒状体の変更例として、図4に示すように、穴
部20の形状を略菱形とすることができる。この場合に
おいても、底板21を閉鎖溶接空間15の開口部15a
を塞ぐように穴部20の内周縁部にその側面を合致させ
て配設する。従って、この変更例では、かかる底板21
の断面形状は略L字形とすることが好ましい。
【0035】さらに、上述した各実施例では、管状筒状
体の形状を角形のものとしたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば断面形状が円形のものに採用
することもできる。
体の形状を角形のものとしたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、例えば断面形状が円形のものに採用
することもできる。
【0036】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
補強材を備えた中空筒状体によれば、鋼製帯状片の隣接
接合面を接合して中空筒状体を形成する際、補強材片間
に生じる隙間を、補強材片と当て板とにより閉鎖して閉
鎖溶接空間を形成し、これに連通する透孔を介して、閉
鎖溶接空間内でエレクトロスラグ溶接を施工するため、
中空筒状体内部に形成された補強材片間の隙間を確実に
溶接接合することができる。その結果、複数の補強材片
からなる補強材を、補強材片の間に隙間が形成されるこ
となく、中空筒状体内部に容易且つ確実に接合すること
ができる。
補強材を備えた中空筒状体によれば、鋼製帯状片の隣接
接合面を接合して中空筒状体を形成する際、補強材片間
に生じる隙間を、補強材片と当て板とにより閉鎖して閉
鎖溶接空間を形成し、これに連通する透孔を介して、閉
鎖溶接空間内でエレクトロスラグ溶接を施工するため、
中空筒状体内部に形成された補強材片間の隙間を確実に
溶接接合することができる。その結果、複数の補強材片
からなる補強材を、補強材片の間に隙間が形成されるこ
となく、中空筒状体内部に容易且つ確実に接合すること
ができる。
【図1】この発明の一実施例にかかる、補強材を備えた
中空筒状体を示す説明図であり、(a)はその斜視図で
あり、(b)は(a)中のA−Aに沿った水平断面図で
あり、(c)は(a)中のB−Bに沿った垂直断面図で
あり、(d)は(a)中におけるC矢視図である。
中空筒状体を示す説明図であり、(a)はその斜視図で
あり、(b)は(a)中のA−Aに沿った水平断面図で
あり、(c)は(a)中のB−Bに沿った垂直断面図で
あり、(d)は(a)中におけるC矢視図である。
【図2】この発明の補強材を備えた中空筒状体を製造す
る方法の作業手順を示すものであり、(a)はその斜視
図であり、(b)は(a)中のD−Dに沿った水平断面
図である。
る方法の作業手順を示すものであり、(a)はその斜視
図であり、(b)は(a)中のD−Dに沿った水平断面
図である。
【図3】この発明の第二の実施例の説明図であって、
(a)はダイヤフラム部分のみを示す斜視図であり、
(b)はその上面図である。
(a)はダイヤフラム部分のみを示す斜視図であり、
(b)はその上面図である。
【図4】この発明の第二の実施例の変更例を示す上面図
である。
である。
【図5】従来の、補強材を備えた中空筒状体を示す説明
図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその上
面図である。
図であり、(a)はその斜視図であり、(b)はその上
面図である。
10,中空筒状体 11 ダイヤフラム(補強材) 11a,11b 補強材片 12a,12b 当て板 13 隙間 14 透孔 15 閉鎖溶接空間 20 穴部 21 底板
Claims (4)
- 【請求項1】複数の鋼製帯状片を環状に配列し、互いに
隣接するこれら鋼製帯状片の隣接縁部同士を接合するこ
とで中空筒状体を製造するに際して、 中空筒状体の内面となるこれら鋼製帯状片の側面に、こ
れら鋼製帯状片同士を接合することで互いに隙間を隔て
て突き合わせられる複数の補強材片を接合するととも
に、該各補強材片には、隣接して突き合わせられる他の
補強材片に向かって延出されて該隙間を閉鎖して閉鎖溶
接空間を形成する当て板を接合し、次いで、上記鋼製帯
状片同士を互いに隣接する隣接縁部で接合して中空筒状
体を形成し、次いで、形成された上記中空筒状体に、上
記閉鎖溶接空間に連通される透孔を形成し、その後、上
記補強材片同士を接合するために上記透孔を介して上記
閉鎖溶接空間に対しエレクトロスラグ溶接を施工するこ
とを特徴とする補強材を備えた中空筒状体の製造方法。 - 【請求項2】上記鋼製帯状片が断面コ字状に形成され、
これら一対の断面コ字状の鋼製帯状片が互いに接合され
て断面角形の中空筒状体を構成することを特徴とする請
求項1記載の補強材を備えた中空筒状体の製造方法。 - 【請求項3】上記補強材片が互いに接合されることで、
平板状のダイヤフラムを構成することを特徴とする請求
項1または2記載の補強材を備えた中空筒状体の製造方
法。 - 【請求項4】上記補強材片が互いに接合されることで、
中央に穴部を有する平板状のダイヤフラムを構成するこ
とを特徴とする請求項1または2記載の補強材を備えた
中空筒状体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32572994A JPH08174241A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 補強材を備えた中空筒状体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32572994A JPH08174241A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 補強材を備えた中空筒状体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08174241A true JPH08174241A (ja) | 1996-07-09 |
Family
ID=18180030
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32572994A Pending JPH08174241A (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | 補強材を備えた中空筒状体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08174241A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100918974B1 (ko) * | 2007-10-24 | 2009-09-25 | 최진욱 | 콘크리트 충전 강관 기둥 및 이의 제조방법 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32572994A patent/JPH08174241A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100918974B1 (ko) * | 2007-10-24 | 2009-09-25 | 최진욱 | 콘크리트 충전 강관 기둥 및 이의 제조방법 |
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