JPH0913573A - 壁パネルおよびその製造方法 - Google Patents

壁パネルおよびその製造方法

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JPH0913573A
JPH0913573A JP16068795A JP16068795A JPH0913573A JP H0913573 A JPH0913573 A JP H0913573A JP 16068795 A JP16068795 A JP 16068795A JP 16068795 A JP16068795 A JP 16068795A JP H0913573 A JPH0913573 A JP H0913573A
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JP
Japan
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wall panel
mold
panel body
nut
fixing
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Application number
JP16068795A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Tanaka
喜博 田中
Hiroyuki Takihana
裕之 瀧華
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0913573A publication Critical patent/JPH0913573A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
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  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Devices For Post-Treatments, Processing, Supply, Discharge, And Other Processes (AREA)
  • Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】位置精度の良い固定用部材を持ち、後加工をほ
とんど必要としない壁パネルおよびその製造方法を提供
することを目的としている。 【構成】SiO2 −Al2 3 系無機質粉体100重量
部と、アルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量部と、水
35〜1500重量部とを含有する熱硬化性組成物を硬
化させた無機質硬化体からなる壁パネル本体と、この壁
パネル本体内に埋設され、壁パネル本体を補強する補強
材とを備える壁パネルにおいて、壁パネルを所定位置に
固定するのに使用する固定用部材が、その固定要部を壁
パネル本体の裏面側に露出させるように壁パネル本体に
予め埋設されている構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁パネルおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】住宅用外壁材として、ALCパネル(軽
量気泡コンクリートパネル)等の無機質硬化体からなる
壁パネルが使用されている。このような壁パネルとして
は、実公昭59−22817号公報や特開昭60−23
540号公報に開示された壁パネルのように、壁パネル
を所定位置に固定できるように固定用部材を壁パネル本
体と一体に設けたものがある。
【0003】すなわち、この壁パネルは、固定用部材と
しての長ナットが補強材としての補強筋に一体化され、
この補強筋とともに壁パネル本体内に埋設されている。
そして、壁パネル本体の壁面に長ナットのねじ穴に向か
って長ナットに螺合するボルトの挿通穴を開けて、ねじ
穴が壁パネル本体の外部に臨むようにすれば、ボルトに
よって壁パネルを所望の位置にしっかりと固定できるよ
うになっている。
【0004】しかし、ALCパネルのような無機質硬化
体からなる壁パネルの場合、通常、養生硬化を高温高圧
の蒸気雰囲気下で行なうようになっていて、養生硬化の
前後で成形品の寸法変化が起こるため、成形時に長ナッ
トのねじ穴を臨む成形品の部分に目印となるけがき線等
を予め設けておくことができない。そこで、壁パネルを
取り付ける際には、木槌等で壁パネル本体を打診して埋
設された長ナットの位置を探したのち、長ナットに向か
ってドリル等でボルト挿通穴を穿設していたが、穿設し
たボルト挿通穴が少しでもねじ穴からずれていたりする
と、ボルトが長ナットに螺合できないため、穿設に高精
度な作業が要求され、作業性が悪い。
【0005】また、穴の位置がずれたため再度穴を開け
直した場合には、製品価値を損なうと言う問題もあっ
た。そこで、このような問題を解決することができる壁
パネルを、本出願人がすでに提案している(特公平6−
41703号公報参照)。
【0006】この壁パネルは、ボルトやナットなどの固
定用部材を溶接固定できる固定部材より充分大きな鉄板
を補強筋の所定位置に予め取り付け、鉄板を補強筋とと
もに壁パネル本体内に埋設しておき、つぎに、壁パネル
本体の壁面に鉄板に向かって固定用部材を取り付けるた
めに穴を穿設し、この穴から挿入した固定用部材を溶接
で鉄板に固定するようになっている。
【0007】すなわち、この壁パネルによれば、鉄板が
大きいため、穴開け精度が荒かったり、養生硬化時の成
形品の寸法変化が生じた場合でも、後付けであるため、
固定用部材を正確に取り付けることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平6−41703号公報の壁パネルの場合、上述のよ
うに固定用部材を取り付けるために、固定用部材の取付
用穴を後加工にて穿設しなければならないため、穿設の
際の粉塵によって作業環境を損なう恐れがある。また、
取付用穴は、取り付け作業性を優先するため、固定用部
材の大きさよりかなり大きな穴を開けなければならな
い。したがって、剪断強度を確保するためには固定用部
材を溶接後、不要部の穴埋め作業が必要となるなど、作
業工数が多くなる恐れがある。
【0009】本発明は、上記の課題を解決し、位置精度
の良い固定用部材を持ち、後加工をほとんど必要としな
い壁パネルおよびその製造方法を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明にかかる壁パネルは、SiO2 −Al2 3
系無機質粉体100重量部と、アルカリ金属珪酸塩0.
2〜450重量部と、水35〜1500重量部とを含有
する熱硬化性組成物を硬化させた無機質硬化体からなる
壁パネル本体と、この壁パネル本体内に埋設され、壁パ
ネル本体を補強する補強材とを備える壁パネルにおい
て、壁パネルを所定位置に固定するのに使用する固定用
部材が、その固定要部を壁パネル本体の裏面側に露出さ
せるように壁パネル本体に予め埋設されている構成とし
た。
【0011】上記構成において、SiO2 −Al2 3
系無機質粉体(以下、「反応性粉体」と記す)としては
SiO2 5〜85重量%とA12 3 90〜10重量%
のものが好ましい。このような反応性粉体としては、組
成と粒度が適当であれば特に限定されないが、たとえ
ば、フライアッシュ,メタカオリン,カオリン,ムライ
ト,コランダム,アルミナ系研磨材を製造する際のダス
ト,粉砕焼成ボーキサイト等が挙げられる。
【0012】また、これらの反応性粉体は、そのまま用
いてもよいが、その活性を向上させるために、予め溶射
処理、分級処理、粉砕処理、機械的エネルギーを作用さ
せる処理等を行うようにしても構わない。溶射処理する
方法としては、セラミックコーティングに適用される溶
射技術が応用でき、材料粉末が2000〜16000℃
の温度で溶融され、30〜800m/秒の速度で噴霧さ
れるもの、たとえば、プラズマ溶射法,高エネルギーガ
ス溶射法,アーク溶射法等が挙げられる。また、容赦処
理によって得られる粉体の比表面積は、0.1〜100
2 /gが好ましい。
【0013】分級および粉砕する方法としては従来公知
の任意の方法が採用され、篩、比重、風力、湿式沈降等
による分級、ジェットミル、ロールミル、ボールミルに
よる粉砕などが挙げられ、。これらの手段は併用されて
もよい。機械的エネルギーを作用させる方法としては、
たとえば、ボール媒体ミル、媒体攪拌型ミル、ローラミ
ル等を使用する方法が挙げられ、作用させる機械的エネ
ルギーとしては0.5kwh/kg〜30kwh/kg
が好ましい。すなわち、作用させる機械的エネルギーが
小さ過ぎると反応性粉体を活性化しにくく、大き過ぎる
と装置への負荷が大きくなる恐れがある。
【0014】なお、フライアッシュは、必要に応じて、
焼成されたものでもよい。その焼成温度は、低いとフラ
イアッシュの黒色が残り、壁パネル本体の着色が困難と
なり、高いとアルカリ金属珪酸塩との反応性が低くなる
恐れがあるので、400℃〜1000℃であることが好
ましい。
【0015】アルカリ金属珪酸塩とはM2 O・nSiO
2 (M=K,Na,Liから選ばれるI種以上の金属)
で表される塩であって、発泡剤を添加して発泡体とする
時、nの値が小さ過ぎると緻密な発砲体が得られず、大
き過ぎると水溶液の粘度が上昇し混合が困難になる恐れ
があるので、nが0.05〜8のものが好ましく、nが
0.5〜2.5のものがさらに好ましい。
【0016】また、アルカリ金属珪酸塩は、水溶液の状
態で添加されるのが好ましい。水溶液濃度は特に限定さ
れないが、薄くなり過ぎると反応性粉体(特にフライア
ッシュ粉末)との反応性が低下し、濃くなると固形分が
生じやすくなるので10〜60重量%が好ましい。
【0017】さらに、アルカリ金属珪酸塩水溶液はアル
カリ金属珪酸塩をそのまま加圧、加熱下で水に溶解して
もよいが、アルカリ金属水酸化物水溶液に珪砂、珪石粉
などのSiO2 成分をnが所定の量となるように加圧、
加熱下で溶解することよっても得ることができる。アル
カリ金属珪酸塩の添加量は、少な過ぎると組成物の硬化
が十分になされず、多過ぎると得られる壁パネルの耐水
性が低下する恐れがあるので、上記反応性粉体100重
量部に対して0.2〜450重量部程度が好ましく、よ
り好ましくは10〜350の重量部、特に好ましくは2
0〜250重量部である。
【0018】水は上記のようにアルカリ金属珪酸塩水溶
液として添加されてもよいし、独立して添加されてもよ
い。水の添加量は、少な過ぎると、組成物が十分に硬化
せず、また混合が困難となり、多過ぎると得られる壁パ
ネルの強度が低下する恐れがあるので、上記反応性粉体
100重量部に対して35〜1500重量部程度が好ま
しく、より好ましくは45〜1000重量部、特に好ま
しくは50〜500重量部である。
【0019】また、上記組成物には、必要に応じて発泡
, 発泡助剤, 無機質充填材, 補強繊維, 着色剤等を添
加しても構わない。
【0020】発泡剤としては、特に限定されないが、た
とえば、過酸化物(過酸化水素,過酸化ナトリウム,過
酸化カリウム、過ほう酸ナトリウム等)、金属粉末(M
g,Ca,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Z
n,Al,Ga,Sn,Si,フェロシリコン)等が挙
げられる。発泡剤は、その添加量が、多過ぎると発泡ガ
スが過剰となり破泡し、少な過ぎると発泡倍率が小さす
ぎて発泡体の意味を失う恐れがあるので、上記反応性粉
体100重量部に対して0.01〜10重量部であるこ
とが好ましい。なお、過酸化水素を発泡剤として用いる
ときは、安全性および安定した発泡を考慮すると水溶液
として用いるのが好ましい。金属粉末を用いる場合は、
安定した発泡を得るために、その粒径が200μm以下
のものが好ましい。
【0021】発泡助剤としては、発泡剤による発泡を均
一化できるものであるなら特に限定されないが、たとえ
ば、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウム,パル
ミチン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、シリカゲル,ゼオライ
ト,活性炭,アルミナ粉末等の多孔質粉体などが挙げら
れる。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上
併用されてもよい。
【0022】発泡助剤の添加量は、多くなると組成物の
粘度が上昇し、破泡が発生しやすくなるので上記反応性
粉体100重量部に対して10重量部以下が好ましい。
【0023】無機質充填材としては、水に溶解せず、か
つ、上記組成物の硬化反応を阻害せず、アルカリ金属珪
酸塩と反応しないものであれば特に限定されないが、た
とえば、珪砂,川砂,ジルコンサンド,結晶質アルミ
ナ,岩石粉末,火山灰,シリカフラワー,シリカヒュー
ム,ベントナント,高炉スラグ等の混合セメント用混合
材、セピオライト,ワラストナイト,マイカ等の天然鉱
物、炭酸カルシウム、珪藻土などが挙げられる。そし
て、これらは単独で添加されてもよいし、2種類以上併
用されてもよい。
【0024】上記無機質充填材は、その平均粒径が小さ
くなると組成物の粘度が上昇し、高倍率の発泡体が得ら
れず、大きくなると発泡が不安定になる恐れがあるの
で、平均0.01〜1000μm程度の粒径のものが好
ましい。無機質充填材の添加量は、多くなると得られる
壁パネルの強度が低下する恐れがあるので、上記反応性
粉体100重量部に対して700重量部以下が好まし
い。
【0025】補強繊維としては、成形体に付与したい性
能に応じ任意のものが使用できるが、たとえば、ビニロ
ン繊維,ポリアミド繊維,ポリエステル繊維,ポリプロ
ピレン繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ガラス繊
維,チタン酸カリウム繊維,鋼繊維などが挙げられる。
上記補強繊維の繊維径は、細くなると混合時に再凝集
し、交絡によりファイバーボールが形成されやすくな
り、最終的に得られる壁パネルの強度がそれ以上改善さ
れず、太くなるか又は短くなると引張強度向上などの補
強効果が小さく、又、長くなると繊維の分散性及び配向
性が低下する恐れがあるので、繊維径1〜500μm、
繊維長1〜15mmが好ましい。上記補強繊維の添加量
は多くなると繊維の分散性が低下するので、上記反応性
粉体100重量部に対して、10重量部以下が好まし
い。
【0026】さらに、壁パネルの軽量化を図る目的でシ
リカバルーン,パーライト,フライアッシュバルーン,
シラスバルーン,ガラスバルーン,発泡焼成粘土等の無
機質発泡体、フェノール樹脂,ウレタン樹脂,ポリエチ
レン等の合成樹脂の発泡体、塩化ビニリデンバルーンな
どが添加されてもよい。なお、これらは単独で添加され
てもよいし、2種類以上併用されてもよい。
【0027】さらに必要に応じて、アルミナセメント、
γ−アルミナ、溶射されたアルミナ、アルミン酸アルカ
リ金属塩および水酸化アルミニウムを加えても良い。
【0028】固定用部材としては、単純なナットやロン
グナット若しくはインサートナットと呼ばれる物、ボル
ト等が挙げられる。また、必要に応じて、専用の固定用
部材を用いても良い。これらの固定用部材は、ただ所定
の位置に埋設するだけでも良いし、固定用部材の強度が
要求される場合は、固定用部材にアンダーカットを直接
成形するか、アンダーカットを形成するような物、例え
ば鉄板のような物を付加するようにしてもよい。また、
さらに強度が要求される場合は、壁パネル本体内に同時
に埋設される補強筋等に溶接等で一体に固着した形で配
置すればよい。
【0029】硬化は常温で行ってもよいが、硬化反応を
促進でき、機械的物性を向上する目的で、50〜110
℃で30分間〜8時間に保持して行わせることが好まし
い。
【0030】一方、本発明にかかる壁パネルの製造方法
は、固定用部材としてのナットを、補強材となる補強筋
の所望位置に溶接固定する工程と、一方の型の型面から
型外に貫通するねじ通孔に前記ナットのねじ穴を一致さ
せるように配置したのち、型外からねじ通孔を介してね
じ穴にボルトを螺合し、ボルトの頭部とナットの端面と
の間で一方の型を挟むようにしてナットを一方の型に固
定する工程と、他方の型の型内に請求項1に記載の熱硬
化性組成物を充填する工程と、ナットおよび補強筋が固
定された一方の型と前記熱硬化性組成物が充填された他
方の型とを閉合し、前記熱硬化性組成物を壁パネル本体
形状に成形するとともに、前記熱硬化性組成物中に固定
用部材および補強筋を埋設する工程と、前記熱硬化性組
成物を型内で硬化させる工程とを備えている構成とし
た。
【0031】
【作用】本発明の壁パネルによれば、固定用部材の固定
要部が壁パネル本体の裏面側に露出しているため、壁パ
ネル本体に固定用部材を取り付けたり、ボルト挿通用の
穴を穿設したりすることなく、直ちに壁パネルを所定の
位置に取り付け固定することができる。
【0032】一方、本発明の壁パネルの製造方法によれ
ば、まず、予め固定用部材としてのナットを補強材とな
る補強筋の所望位置に溶接固定する。つぎに、ナットの
ねじ穴が一方の型の型面から型外に貫通するように設け
られたねじ通孔に一致するように配置したのち、型外か
らボルトねじ通孔を介してナットのねじ穴に螺合させて
ボルトの頭部とナットの端面との間で一方の型を挟むよ
うにしてナットを一方の型に固定する。すなわち、ナッ
トの端面が型面に水密に密着する。
【0033】そして、他方の型に調製された熱硬化性組
成物をに投入するとともに、前述のようにナットおよび
補強筋が一体に固定された一方の型をこの他方の型と閉
合する。
【0034】この閉合状態で加熱すると、熱硬化性組成
物が所望の壁パネル本体形状に型内で成形されるととも
に、壁パネル本体内の所定位置にナットおよび補強筋が
埋設された壁パネルが型内で得られる。しかも、固定用
部材としてのナットが一方の型にボルトを介して固定さ
れているからナットの位置がずれることがない。つぎ
に、両型を開放すると、壁パネルは、ナットとボルトと
によって一方の型に固定されているから一方の型側に一
体化した状態で、他方の型から完全に抜き出される。
【0035】そして、ナットとボルトとの螺合を解除し
て、一方の型を取り外すことによって、固定要部である
雌ねじ穴が壁パネル本体の裏面に露出した壁パネルを得
ることかできる。
【0036】
【実施例】以下に、本発明を、その実施例をあらわす図
面を参照しつつ詳しく説明する。図1および図2は本発
明にかかる壁パネルの第1実施例をあらわしている。図
1および図2に示すように、この壁パネルAは、熱硬化
性組成物が硬化してなる壁パネル本体1と補強材として
の補強筋2と、固定用部材としてのナット3,3とを備
えている。
【0037】そして、補強筋2は、複数の縦筋21と横
筋22とが網状に編まれた状態で壁パネル本体1内に埋
設されている。また、ナット3,3は、固定要部として
のねじ穴31,31部分のみが壁パネル本体1の裏面側
に露出するように補強筋3と同様に壁パネル本体1内に
埋設されている。さらに、ナット3,3は、予め補強筋
2の対応する部分に溶接によって固定されている。
【0038】この壁パネルAは、上記のようになってい
るので、従来の壁パネルのように、壁パネルの取り付け
の際に、ナット3のねじ穴31に向かって壁パネル本体
1に穴を開けたりする作業が全く不要で、ただちに取り
付け作業を行うことができる。もちろん、壁パネル本体
1を切削する作業も必要ないため、粉塵等の発生の問題
も無くなる。
【0039】また、ナット3の端面が壁パネル本体1と
面一であるため、邪魔な突起物もなく見栄えがよい。し
かも、ナット3と補強筋2とが溶接で一体化されている
ため、ナット3に抜ける方向に負荷がかかってもナット
3が抜けたり、壁パネル本体1が痛んだりすることがな
く、壁パネルA自体の耐久性にも優れている。
【0040】一方、この壁パネルAは、図3〜図6に示
すようにして製造することができる。すなわち、まず、
図3に示すように、補強筋2の所定位置にナット3,3
を溶接固定したのち、平板状の一方の型4の型面から型
外に貫通するように穿設されたねじ通孔(図示せず)か
らボルト41,41を挿通し、ボルト41,41の先端
をナット3,3のねじ穴31,31にねじ込むことによ
って、ナット3の端面とボルト41の頭部との間で型4
を挟み着けるようにしてナット3を一方の型4に固定す
る。したがって、この時ナット3,3の端面が一方の型
4の型面に略水密に密着する。
【0041】つぎに、図4に示すように、他方の型5に
熱硬化性組成物6を充填したのち、図5に示すように、
両型4,5を閉合する。これによって、熱硬化性組成物
6が所望の壁パネル本体1形状の成形品6´に成形され
るとともに、補強筋2およびナット3,3が、型4の型
面に密着するナット3,3の端面を残して成形品6´内
に完全に埋設されたようになる。
【0042】すなわち、ナット3,3の端面が一方の型
4の型面に略水密に密着しているため、熱硬化性組成物
6が型4の型面とナット3,3の端面との間に入り込む
ことがない。つぎに、両型4,5を閉合した状態で成形
品6´を所定の温度で硬化させたのち、図6に示すよう
に両型4,5を開放し、ボルト41,41を解けば、固
定用部材としてのナット3,3がその端面が壁パネル本
体の裏面とほぼ面一なっているとともに、その固定要部
であるねじ穴31,31が壁パネル本体1の裏面側に露
出した壁パネルAを得ることができる。
【0043】すなわち、この製造方法によれば、硬化時
に成形品が寸法変化を起こそうとしても、ナット3,3
がボルト41,41によって型4に位置固定されている
から、ナット3,3の位置がずれることがない。したが
って、常に、壁パネルAは、所定位置にナット3,3が
設けられてものとなる。
【0044】図7は、本発明にかかる壁パネルの第2実
施例をあらわしている。図7に示すように、この壁パネ
ルBは、固定用部材としてのボルト8が固定要部である
ねじ部81の先端を残して壁パネル本体1内に埋設され
ている以外は、第1実施例の壁パネルAと同様になって
いる。この壁パネルBは、直接ねじ部81を壁パネルの
取り付け対象物に固定するようにしても構わないし、図
8に示すように一旦取り付け治具82を介して固定する
ようにしても構わない。
【0045】図9は、本発明にかかる壁パネルの第3実
施例をあらわしている。図9に示すように、この壁パネ
ルCは、固定用部材としてナット3に代えて断面ハット
型の金具9を用いた以外は、壁パネルAと同様になって
いる。図9中、91は固定要部としてのタッピングねじ
を螺合するタップ穴である。
【0046】つぎに、より具体的な実施例を詳しく説明
する。 (実施例1〜4)所定量のnSiO2 /M2 O(n=
1.5、M=Na,K;モル比1:1)をオートクレー
ブ中において130℃、7kg/cm2 で所定の水に溶解
し、ワラストナイト(土屋カオリン社製、商品名;ケモ
リットA−60)、ビニロン繊維(クラレ社製、商品
名;RM182×3)、珪石粉(住友セメント社製、商
品名:ソフトシリカ)、8号珪砂(セキモト建材社製、
商品名:8号珪砂)、反応性粉体、水酸化アルミニウム
(粒径100μm以下)を表1に示す配合比でオムニミ
キサー(千代田技研工業株式会社製)で混合し、均一な
ペースト状の熱硬化性組成物を得た。この組成物を用い
て、図3〜図6の方法によって2880×920×6.
5(cm)の図1に示す形状の緻密タイプの壁パネルを
得た。なお、硬化は、85℃に6時間保持して行った。
【0047】(実施例5〜8)所定量のnSiO2 /M
2 O(n=1.5、M=Na,K;モル比1:1)をオ
ートクレーブ中において130℃、7kg/cm2 で所定量
の水に溶解し、ワラストナイト(土屋カオリン社製、商
品名;ケモリットA−60)、ビニロン繊維(クラレ社
製、商品名;RM182×3)、珪石粉(住友セメント
社製、商品名:ソフトシリカ)、8号珪砂(セキモト建
材社製、商品名:8号珪砂)、反応性粉体、水酸化アル
ミニウム(粒径100μm以下)をそれぞれ表1に示す
配合比でオムニミキサー(千代田技研工業株式会社製)
を用いて混合し、均一なペースト状の混合物を得た。こ
の混合物に、全て粒径が70μm以下の粉末であるアル
ミニウム粉末(ミナルコ社製、商品名;350F)を添
加してさらに40秒間攪拌し、均一なペースト状の熱硬
化性組成物を得た。この組成物を用いて、図3〜図6の
方法によって2880×920×6.5(cm)の図1
に示す形状の発泡タイプの壁パネルを得た。なお、硬化
は、型内に上記組成物を注入して3分間発泡させた後、
型ごと85℃のオーブン中で6時間加熱して行った。
【0048】実施例1〜8で得られた壁パネルは、いず
れもナット3,3が所定の位置に正確に設けられている
とともに、ナット3,3のねじ穴31,31が壁パネル
本体1から露出しているため、ただちに取り付け作業を
行え、作業性に優れたものであった。なお、表1中、反
応性粉体1〜4とは、それぞれ以下のものを表す。ま
た、粒径はレーザー回折式分布計(セイシン社製、型
式;PRO700S)で測定した。
【0049】〔反応性粉体1〕フライアッシュ(関電化
工社製、平均粒径20μm;JIS A 6201に準
ずる)を分級機(日清エンジニアリング社製、型式;T
C−15)により分級し、粒径が10μm以下の粉末を
100重量%含有するもの。 〔反応性粉体2〕カオリン(組成:SiO2 45.7
%、A12 3 38.3% 平均粒径:8μm BET
比表面積5.8m2 /g)の原料粉を燃焼温度2500
℃、噴射粒子速度50m/秒で溶射して得た活性無機質
粉体(組成:SiO2 49.7%、A12 3 47.0
% 平均粒径:49μm BET比表面積;64.3m
2 /g)。
【0050】〔反応性粉体3〕フライアッシュ(間電化
工社製、平均20μm、比表面積1.8μm BET比
表面積5.8m2 /g、JIS A 6 201相当
品)100重量部及びトリエタノールアミン25重量%
とエタノール75重量%の混合溶液0.5重量部をウル
トラファインミルAT−20(三菱重工業社製、ジルコ
ニアボール10mmφ使用、ボール充填率85体積%)に
供給し25kwh/kgの機械的エネルギーを作用させ
て得た粉体。なお、作用させた機械的エネルギーはボー
ルミルに供給した電力を処理粉体単位重量あたりで表し
た。
【0051】〔反応性粉体4〕メタカオリン(エンゲル
ハード社製のSATINTONE SP 33、平均粒
径3.3μm、比表面積13.9m2 /g)100重量
部及びトリエタノールアミン25重量部%とエタノール
75重量%の混合溶液0.5重量部をウルトラファイン
ミルAT−20(三菱重工業社製、ジルコニアボール1
0mmφ使用、ボール充填率85体積%)に供給し、25
kwh/Kgの機械的エネルギーを作用させて得た粉
体。なお、作用させた機械的エネルギーはボールミルに
供給した電力を処理粒体単位重量あたりで表した。
【0052】
【表1】
【0053】さらに、この発明は上記実施例に制約され
ず種々の態様が可能である。たとえば、上記実施例で
は、補強材が縦筋と横筋とを編み目状に組み合わせた補
強筋を用いていたが、メッシュ状のもので構わない。ま
た、壁パネル本体は、ALCでも構わない。
【0054】
【発明の効果】本発明にかかる壁パネルは、以上のよう
に構成されているので、取り付け固定に際して、後加工
で壁パネル本体を切削したり、固定用部材を溶接固定し
たりする作業が必要なく、ただちに取り付け固定作業を
行え、作業性がよい。しかも、切削等を行わないため、
粉塵等によって作業環境を悪化させることもなく安全に
作業を行える。
【0055】また、本発明にかかる壁パネルの製造方法
は、以上のように構成されているので、固定用部材とし
てのナットがしっかりと所定の位置に精度よく取り付け
られ、固定要部としてのねじ穴のみが壁パネル本体の裏
面側に露出した本発明の壁パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる壁パネルの第1実施例をあらわ
す断面図である。
【図2】図1の壁パネルの全体斜視図である。
【図3】本発明にかかる壁パネルの製造方法の1実施例
をあらわし、そのナットを型に固定する前の状態をあら
わす断面図である。
【図4】本発明にかかる壁パネルの製造方法の1実施例
をあらわし、両型を閉合する直前の状態をあらわす断面
図である。
【図5】本発明にかかる壁パネルの製造方法の1実施例
をあらわし、その閉合した状態をあらわす断面図であ
る。
【図6】本発明にかかる壁パネルの製造方法の1実施例
をあらわし、その型を開放して壁パネルを取り出した状
態の断面図である。
【図7】本発明にかかる壁パネルの第2実施例をあらわ
す断面図である。
【図8】図7の壁パネルの取り付けの別態様をあらわす
断面図である。
【図9】本発明にかかる壁パネルの第3実施例をあらわ
す断面図である。
【符号の説明】
A 壁パネル B 壁パネル C 壁パネル 1 壁パネル本体 2 補強筋(補強材) 3 ナット(固定用部材) 31 ねじ穴(固定要部) 4 一方の型 41 ボルト 5 他方の型 6 熱硬化性組成物 6´ 成形品 8 ボルト(固定用部材) 81 ねじ部(固定要部) 82 取り付け治具 9 固定用部材 91 タップ穴(固定要部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:38 18:08)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SiO2 −Al2 3 系無機質粉体100
    重量部と、アルカリ金属珪酸塩0.2〜450重量部
    と、水35〜1500重量部とを含有する熱硬化性組成
    物を硬化させた無機質硬化体からなる壁パネル本体と、
    この壁パネル本体内に埋設され、壁パネル本体を補強す
    る補強材とを備える壁パネルにおいて、壁パネルを所定
    位置に固定するのに使用する固定用部材が、その固定要
    部を壁パネル本体の裏面側に露出させるように壁パネル
    本体に予め埋設されていることを特徴とする壁パネル。
  2. 【請求項2】固定用部材としてのナットを、補強材とな
    る補強筋の所望位置に溶接固定する工程と、一方の型の
    型面から型外に貫通するねじ通孔に前記ナットのねじ穴
    を一致させるように配置したのち、型外からねじ通孔を
    介してねじ穴にボルトを螺合し、ボルトの頭部とナット
    の端面との間で一方の型を挟むようにしてナットを一方
    の型に固定する工程と、他方の型の型内に請求項1に記
    載の熱硬化性組成物を充填する工程と、ナットおよび補
    強筋が固定された一方の型と前記熱硬化性組成物が充填
    された他方の型とを閉合し、前記熱硬化性組成物を型内
    で成形硬化させる工程とを備えていることを特徴とする
    壁パネルの製造方法。
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