JPH10720A - 無機質複合体及び積層体 - Google Patents

無機質複合体及び積層体

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JPH10720A
JPH10720A JP15246696A JP15246696A JPH10720A JP H10720 A JPH10720 A JP H10720A JP 15246696 A JP15246696 A JP 15246696A JP 15246696 A JP15246696 A JP 15246696A JP H10720 A JPH10720 A JP H10720A
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JP
Japan
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reinforcing material
weight
powder
metal silicate
parts
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Application number
JP15246696A
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English (en)
Inventor
Teruaki Oohira
晃聡 大平
Yoshiharu Konno
義治 今野
Tomoshige Tsutao
友重 蔦尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期の使用において補強材が剥離することな
く剥離ひび割れなどの問題のない無機質複合体及び積層
体を提供する。 【解決手段】 SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ
金属珪酸塩及び水からなるスラリーを硬化して得られた
硬化体内に、その表面に略平行をなすようにに補強材が
配設された硬化された無機質複合体であって、上記補強
材の少なくとも一面に突起状物が設けられている。又
は、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水及び発泡剤とからなる組成物を発泡した、発泡硬
化体層の少なくとも片面に、少なくとも一面に突起状物
が設けられている補強材からなる補強材層を介して、S
iO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水
からなるスラリーを硬化した硬化体層が積層されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不燃性及び耐久性
に優れた無機質硬化体の及び積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】SiO2 −Al2 3 系粉体及びアルカ
リ金属珪酸塩水溶液を主成分とする無機質組成物の硬化
体は、不燃性、強度等に優れ、建材等に広く用いられて
いる。このようなものとして、例えば、特公平3−90
60号公報には、電気集塵機の灰、燃焼ボーキサイト等
の産業廃棄物からなるSiO2 −Al2 3 系粉体及び
アルカリ金属珪酸塩水溶液を混合し、加熱して硬化体を
得る方法が開示されている。
【0003】一般にこれらの無機質硬化体は単独で建材
等に使用することも可能であるが、より強い強度の硬化
体を得るために補強繊維、補強板等の補強材で補強する
のが一般的である(たとえば特開平6−238635号
公報等)。しかし、これらの補強材と上記無機質硬化体
とは線膨張係数が著しく異なり、長期の使用において硬
化体が剥離、ひび割れするなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、長期の使用において補強材が剥離することなく剥離
ひび割れなどの問題のない無機質複合体及び積層体を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明1(請求項1の発
明)の無機質複合体は、SiO2 −Al2 3 系粉体、
アルカリ金属珪酸塩及び水からなるスラリーを硬化して
得られた硬化体内に、その表面に略平行をなすようにに
補強材が配設された硬化された無機質複合体であって、
上記補強材の少なくとも一面に突起状物が設けられてい
るものである。本発明1に使用される、SiO2 −Al
2 3 系粉体、とは後述するアルカリ金属珪酸塩水溶液
び溶解するものであれば特に限定されず、たとえば重量
比で、SiO2 /Al2 3 =1/9〜9/1が好まし
い。より好ましくは、2/8〜8/2である。
【0006】上記SiO2 −Al2 3 系粉体として
は、SiO2 及びAl2 3 の合計含有量が、50重量
%以上のものが好ましい。50重量%未満であると、ア
ルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下する。より好
ましくは、55重量%以上である。
【0007】上記SiO2 −Al2 O3 系粉体の具体例
としては特に限定されず、例えば、(1)粒径が10μ
m以下のフライアッシュを80重量%以上含有する無機
質粉体、(2)粒径が10μm以下のフライアッシュを
80重量%以上含有し、400〜1000℃で焼成され
た無機質粉体、(3)フライアッシュ及び粘土を溶融
し、気体中に噴霧して得られる無機質粉体、(4)粘土
に0.1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用
させて得られる無機質粉体、(5)(4)の無機質粉体
を、更に、100〜750℃で加熱して得られる無機質
粉体、(6)メタカオリン、(7)メタカオリンに0.
1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて
得られる無機質粉体、(8)コランダム又はムライト製
造時の電気集塵機の灰、(9)粉砕仮焼ボーキサイト、
等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用
することができる。
【0008】上記(1)の無機質粉体は、粒径が10μ
m以下のフライアッシュを含有するものである。上記1
0μm以下のフライアッシュの含有量は、80重量%以
上が好ましい。80重量%未満であると、アルカリ金属
珪酸塩水溶液との反応性が低下するので、硬化不良を生
じ、得られる硬化体の強度が低下する。
【0009】上記フライアッシュは、JIS A 62
01に規定されており、微粉炭燃焼ボイラーから集塵機
で採取する微小な灰の粒子であって、SiO2 40%以
上、湿分1%以下、比重1.95以上、比表面積270
00cm2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上
通過するものである。
【0010】上記(1)の無機質粉体を得る方法として
は特に限定されず、従来公知の各種の方法を採用するこ
とができ、例えば、湿式沈降分級機、風力分級機、比重
による分級機等の分級機を用いる方法;ジェットミル、
ローラーミル、ボールミル等の粉砕機を用いる方法;分
級機と粉砕機との連続システムを用いる方法等により、
上記フライアッシュを分級することにより得ることがで
きる。
【0011】上記(2)の無機質粉体は、粒径が10μ
m以下のフライアッシュを80重量%以上含有し、焼成
されたものである。上記フライアッシュは、一般に黒色
であるので、着色を必要とする場合には、焼成により脱
色してから用いる。上記焼成の温度は、400〜100
0℃が好ましい。400℃未満であると、焼成による脱
色ができず、1000℃を超えると、アルカリ金属珪酸
塩水溶液との反応性が低下する。上記焼成は、例えば、
電気炉、バーナー、電子線等を用いることにより実施す
ることができる。
【0012】上記(2)の無機質粉体を得る方法として
は特に限定されず、例えば、上記(1)の無機質粉体を
焼成する方法;上記フライアッシュを焼成した後、上記
(1)の無機質粉体の場合と同様にして分級する方法等
により得ることができる。
【0013】上記(3)の無機質粉体は、フライアッシ
ュ及び粘土を溶融し、気体中に噴霧して得られるもので
ある。
【0014】上記粘土としては、SiO2 を5〜85重
量%、Al2 3 を90〜10重量%含有するものであ
れば特に限定されず、例えば、カオリナイト、ディッカ
イト、ナクライト、ハロイサイト等のカオリン鉱物;白
雲母、イライト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイ
ト、パラゴナイト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物;
モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ボナイト、ソーコナイト等のスメクタイト;緑泥岩;パ
イロフィライト;タルク;ばん土頁岩等が挙げられる。
【0015】上記フライアッシュ及び上記粘土を溶融
し、気体中に噴霧する方法としては特に限定されず、例
えば、セラミックコーティングに適用される溶射技術を
応用することができる。上記溶射技術によって得られる
無機質粉体は、一般に、比表面積が0.1〜60cm2
/gにコントロールされる。上記溶射技術としては特に
限定されず、例えば、プラズマ溶射法、高エネルギーガ
ス溶射法、アーク溶射法等が挙げられる。この場合にお
いて、上記溶融の温度は、2000〜16000℃が好
ましく、上記噴霧の速度は、30〜80m/秒が好まし
い。
【0016】上記(4)の無機質粉体は、粘土に機械的
エネルギーを作用させて得られるものである。上記粘土
としては特に限定されず、例えば、上記(3)の無機質
粉体において例示したものと同様のもの等を挙げること
ができるが、機械的エネルギーを有効に作用させるため
に、平均粒径が0.01〜500μmのものが好まし
い。より好ましくは、0.1〜100μmのものであ
る。
【0017】上記機械的エネルギーとしては特に限定さ
れず、例えば、圧縮力、剪断力、衝撃力等が挙げられ
る。これらは、単独で作用させてもよく、2種以上を複
合して作用させてもよい。
【0018】上記機械的エネルギーの大きさは、0.1
〜30kWh/kgが好ましい。0.1kWh/kg未
満であると、アルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低
下し、30kWh/kgを超えると、装置への負荷が大
きくなり、装置の磨耗、損傷が増大し、上記粘土への不
純物の混入等の問題が発生する。より好ましくは、1〜
26kWh/kgである。
【0019】上記機械的エネルギーを作用させる装置と
しては特に限定されず、例えば、ボールミル、振動ミ
ル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル、ローラーミル、乳鉢、
ジェット粉砕機等が挙げられる。
【0020】上記機械的エネルギーを作用させる場合に
おいては、上記粘土が装置内部に付着し、又は、凝集す
るのを防止するために、必要に応じて粉砕助剤を添加し
てもよい。上記粉砕助剤としては特に限定されず、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ル類;トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の
金属石鹸類;アセトン蒸気等が挙げられる。これらは、
単独で又は2種以上を併用することができる。
【0021】上記(5)の無機質粉体は、上記(4)の
無機質粉体を、更に、加熱したものである。上記加熱に
より機械的強度が向上する。上記加熱の温度は、100
〜750℃が好ましい。100℃未満であると、得られ
る硬化体の機械的強度の向上が認められず、750℃を
超えると、無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪
酸塩水溶液に対する反応性が低下する。より好ましく
は、200〜600℃である。
【0022】上記加熱の時間は、1分〜5時間が好まし
い。1分未満であると、得られる硬化体の機械的強度の
向上が小さく、5時間を超えると、エネルギーコストが
増大する。
【0023】上記(6)のメタカオリンとしては特に限
定されず、例えば、市販のもの等が挙げられる。上記
(7)の無機質粉体は、上記メタカオリンに、機械的エ
ネルギーを作用させて得られるものである。上記メタカ
オリンは、機械的エネルギーを有効に作用させるため
に、平均粒径が0.01〜500μmのものが好まし
い。より好ましくは、0.1〜100μmのものであ
る。上記機械的エネルギーとしては、上記(4)の場合
と同様である。
【0024】上記(8)のコランダム又はムライト製造
時の電気集塵機の灰は、主として、珪酸塩ガラス、珪酸
アルミニウム鉄ガラス等からなるものである。上記
(9)の粉砕仮焼ボーキサイトは、粉砕したボーキサイ
トを、400〜1000℃で加熱することにより得られ
るものである。
【0025】上記アルカリ金属珪酸塩としては、モル比
で、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を表す)=
0.01〜8のものが好ましい。0.01未満である
と、硬化体中の結合材成分となるSiO2 に対するアル
カリ金属の含有量が多くなりすぎ、得られる硬化体の強
度が低下し、8を超えると、ゲル化タイムが早くなり、
作業性が低下するとともに、保存安定性が低下する。よ
り好ましくは、0.1〜2.5である。上記アルカリ金
属としては特に限定されず、例えば、ナトリウム、カリ
ウム、リチウム等が挙げられる。これらは、単独で又は
2種以上を併用することができる。
【0026】上記アルカリ金属珪酸塩水溶液の濃度は、
10〜70重量%が好ましい。10重量%未満である
と、得られる硬化体の強度が低下し、70重量%を超え
ると、粘度が高くなり、混合、成形時の作業性が低下す
る。より好ましくは、10〜60重量%である。
【0027】上記アルカリ金属珪酸塩水溶液の配合量
は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対して
10〜1000重量部が好ましい。10重量部未満であ
ると、混合が困難であり、1300重量部を超えると、
成形時にクラック等が生じる。より好ましくは、10〜
750重量部である。
【0028】本発明においては、上記SiO2 −Al2
3 系粉体及び上記アルカリ金属珪酸塩水溶液に、更に
必要に応じて、無機質充填材、補強繊維、軽量骨材、顔
料、発泡剤、発泡助剤、起泡剤等を配合することができ
る。
【0029】上記無機質充填材としては、上記アルカリ
金属珪酸塩水溶液に対する活性度が高いと、上記アルカ
リ金属珪酸塩水溶液のゲル化が急速に進み、混合、成形
が困難になるので、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液に対
する活性度の低いものが用いられる。このようなものと
しては特に限定されず、例えば、珪砂;岩石粉末;シラ
ス、抗火石等の火山灰;珪灰石;炭酸カルシウム;珪石
粉;けいそう土;雲母;マイカ;シリカフューム等が挙
げられる。
【0030】上記無機質充填材の配合量は、SiO2
Al2 3 系粉体100重量部に対して900重量部以
下が好ましい。900重量部を超えると、得られる硬化
体の機械的強度が低下する。
【0031】上記補強繊維としては、通常のセメント製
品に使用されるもの等を用いることができる。このよう
なものとしては特に限定されず、例えば、ポリプロピレ
ン繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、耐アルカリガラ
ス繊維、炭素繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、アク
リロニトリル繊維等が挙げられる。これらは、単独で又
は2種以上を併用することができる。
【0032】上記補強繊維は、繊維径1〜500μmの
ものが好ましい。1μm未満であると、混合時にファイ
バーボールを形成し、得られる硬化体の強度低下を生じ
やすくなり、500μmを超えると、引っ張り強度向上
等の補強効果が現れない。また、上記補強繊維は、繊維
長1〜15mmのものが好ましい。1mm未満である
と、引っ張り強度向上等の補強効果が現れず、15mm
を超えると、分散性が低下し、均一な強度を有する硬化
体を得ることができない。
【0033】上記補強繊維の配合量は、SiO2 −Al
2 3 系粉体100重量部に対して10重量部以下が好
ましい。10重量部を超えると、上記補強繊維の分散性
が低下する。
【0034】上記軽量骨材としては特に限定されず、例
えば、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、
フライアッシュバルーン、シラス発泡体等の無機質発泡
体;フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポ
リスチレン等の有機質発泡体等が挙げられる。
【0035】上記軽量骨材の配合量は、SiO2 −Al
2 3 系粉体100重量部に対して150重量部以下が
好ましい。150重量部を超えると、得られる硬化体の
強度や表面平滑性の低下を生じ、また、作業性が低下す
る。
【0036】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、酸化鉄、酸化チタン、酸化コバルト等の金属酸化物
系顔料;カーボンブラック等が挙げられる。上記顔料の
配合量は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に
対して50重量部以下が好ましい。50重量部を超えて
も、得られる硬化体表面の隠蔽力は向上せず、不経済で
ある。
【0037】本発明1において各原料の混合方法も特に
限定されず、例えば、パドル回転型混合機、揺動式混合
機、スクリュー式混合機等の混合機を用いる方法等を採
用することができる。この場合においては、予め、粉体
原料及び固形原料を乾式混合した後、上記アルカリ金属
珪酸塩水溶液を添加して混合してもよく、全原料を同時
に供給して混合してもよく、また、上記アルカリ金属珪
酸塩水溶液と一部の固形原料とを混合した後、順次、他
の各原料を混合してもよい。
【0038】本発明1において、上記補強材としては、
無機質硬化体の略全面を補強し、機械的強度、耐衝撃
性、耐久性を向上うるものであれば特に限定されない
が、たとえばパンチングメタル、金属板、金属筋などの
金属補強材料、ネット状繊維補強材料などが使用され
る。
【0039】上記補強材の厚みも特に限定されないが、
厚すぎると無機質硬化体固有の性能(例えば断熱性)な
どを損なうので無機質複合体全体の厚みの20%以下が
好ましい。
【0040】上記補強材の形状は少なくと一面に突起状
物が設けられているものであれば特に限定されるもので
はない。突起状物は、無機質硬化体中に配置されて、ア
ンカー効果を生じるものであればよく、たとえば楔状、
鉤状などの形状が好ましい。
【0041】本発明2(請求項2記載の発明)の積層体
は、SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水及び発泡剤とからなる組成物を発泡した、発泡硬
化体層の少なくとも片面に、少なくとも一面に突起状物
が設けられている補強材からなる補強材層を介して、S
iO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸塩及び水
からなるスラリーを硬化した硬化体層が積層されてな
る。
【0042】本発明2において、発泡硬化体層に使用さ
れるSiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水、補強材からなる層に使用される補強材、硬化体
層に使用使用されるSiO2 −Al2 3 系粉体、アル
カリ金属珪酸塩、水、は本発明1と同様に使用できる。
本発明2において発泡硬化体層に使用される発泡剤とし
ては、Mg、Ca、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、C
u、Zn、Al、Ga、Sn、Si、フェロシリコン等
の金属系粉末;過酸化水素、過酸化ソーダ、過酸化カ
リ、過ほう酸ソーダ等の過酸化物系粉末等が挙げられ
る。これらのうち、コスト、安全性、入手の容易さ、混
合の容易さ等の観点から、Al、過酸化水素が好まし
い。
【0043】上記発泡剤は、粒径1〜200μmのもの
が好ましい。1μm未満であると、分散性が低下すると
ともに、急速発泡してしまい、200μmを超えると、
反応性が低下する。上記発泡剤の配合量は、SiO2
Al2 3 系粉体100重量部に対して5重量部以下が
好ましい。5重量部を超えると、得られる硬化体の強度
低下が著しく、硬化体のハンドリング等ができなくな
る。
【0044】上記発泡助剤としては特に限定されず、例
えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナゲル
等の多孔質粉体;ステアリン酸金属塩、パルミチン酸金
属塩等の金属石鹸等が挙げられる。上記発泡助剤の配合
量は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し
て10重量部以下が好ましい。10重量部を超えると、
破泡等を生じ、発泡に悪影響を与える。
【0045】上記起泡剤としては特に限定されず、例え
ば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル
硫酸エステル塩、芳香族誘導体スルホン酸塩、イミダゾ
リン誘導体、脂肪酸アミド、動物蛋白系のもの等が挙げ
られる。上記起泡剤の配合量は、SiO2 −Al2 3
系粉体100重量部に対して10重量部以下が好まし
い。10重量部を超えると、硬化不良を生じやすくな
る。
【0046】本発明2においても、上記SiO2 −Al
2 3 系粉体、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液、及び、
所望により配合される上記無機質充填材、上記補強繊
維、上記軽量骨材、上記発泡剤、上記発泡助剤、上記起
泡剤等を混合して無機質組成物とする。
【0047】本発明2において、各発泡剤、発泡助剤、
起泡剤を混合する方法としては本発明1にて説明した場
合の最後配合するか、又は、上記起泡剤以外の原料でス
ラリーを作り、上記スラリーと、上記起泡剤及び水を混
合することにより気泡を発生させた水溶液とを混合する
ことが好ましい。この場合において、上記起泡剤及び水
を混合することにより気泡を発生させた水溶液の濃度
は、0.1〜5%が好ましい。0.1%未満であると、
気泡の安定性が悪く、破泡してしまい、5%を超える
と、硬化不良を生じる。最後に混合すると、作業性や気
泡の安定性の面で好ましい。
【0048】本発明2において、補強材としては本発明
1と同様のものが使用される。本発明2において、発泡
硬化層の片面に補強材を介して硬化体層が積層されても
よいし、発泡硬化層の両面に補強材を介して硬化体層が
積層されてもよい。本発明2の積層体の成形方法として
は、上述のようにして得られた発泡剤を含む組成物を充
填して発泡硬化を開始し,その上に補強材を配置し、そ
の上にスラリーを充填し、加熱硬化させて積層体とす
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態図面を
参照して説明する。
【0050】図1は本発明1の無機質複合体の一例を示
す斜視図である。無機質複合体1は、メタカオリンに機
械的エネルギーを作用させて得られる無機質粉体、アル
カリ金属珪酸塩及び水からなるスラリー中を硬化して得
られた硬化体内に、その表面に略平行をなすようにに補
強材11が配設され、硬化されたものである。図2に示
すように、補強材11はパンチングメタル111の一面
に鉤状の多数の突起状物112が設けられているもので
ある。補強材11はその突起状物112がアンカー硬化
を発揮するように、硬化体内に埋設されている。
【0051】図3は本発明2の積層体の一例を示す断面
図である。積層体2は、メタカオリンに機械的エネルギ
ーを作用させて得られる無機質粉体、アルカリ金属珪酸
塩、水及び発泡剤とからなる組成物を発泡した、発泡硬
化体層21の両面に、図2に示す補強材11からなる補
強材層22、22を介して、メタカオリンに機械的エネ
ルギーを作用させて得られる無機質粉体、アルカリ金属
珪酸塩及び水からなるスラリーを硬化した硬化体層2
3、23が積層されている。補強材11はその突起状物
112が硬化体層23中に、アンカー硬化を発揮するよ
うに食い込まれていて、補強材層22が形成されてい
る。
【0052】又、図4に示すように、補強材11の突起
状物112が発泡硬化層21中にアンカー硬化を発揮す
るように食い込まされて補強材層22が形成されてもよ
い。又、図5に示すように、突起状物112、112が
形成されたものを用いて、その突起状物112、112
がそれぞれ硬化体層23、発泡硬化体層21中にアンカ
ー効果を発揮するように食い込まれて、補強材層が形成
されていてもよい。
【0053】
【実施例】本発明を実施例をもってさらに詳細に説明す
る。 [原料の準備] 1)SiO2 ・Al2 3 系粉体A メタカオリン粉体(エンゲルハート社製、商品名「SA
TINETONESO33」)100重量部、トリエタ
ノ−ルアミン25重量%とエタノ−ル75重量%の混合
溶液0.5重量部を、ウルトラファインミル(三菱重工
社製、ジルコニアボ−ル10mm使用、ボ−ル充填率85体
積%)に供給し、10kwh/kgの機械的エネルギ−
を作用させSiO2 ・Al2 3 系粉体Aを得た。尚、
作用させた機械的エネルギ−は上記ウルトラファインミ
ルに供給した電力を処理粉体単位重量で除して表した。 2)アルカリ金属珪酸塩水溶液B 日本化学工業社製 水重量55%、SiO2 20重量
%、K2 O25重量% 3)過酸化水素水C 三菱瓦斯化学社製 35重量% 4)発泡助剤] ステアリン酸亜鉛D(堺化学工業社製、商品名「SZ1
000」)
【0054】[配合物の準備]SiO2 ・Al2 3
粉体A100重量部、過酸化水素水C10重量部、マイ
カ(レプコ社製、商品名「M−100」)20重量部、
タルク(日本タルク社製、商品名「タルクS」 30重
量部、ワラストナイト(土屋カオリン社製、商品名「ケ
モリットA−60」57.5重量部、ビニロン(クラレ
社製、商品名「RM182−3」)0.5重量部をアイ
リッヒミキサーに供給して5分間乾式混合し、無機質粉
状体Aを得た。
【0055】[成形体の作製] 実施例1 得られた無機質粉状体A100重量部、アルカリ金属珪
酸塩水溶液B75重量部、過酸化水素水C10重量部、
ステアリン酸亜鉛D1重量部をオムニミキサー(千代田
技研社製、5リットル)に供給して3分間混合してスラ
リーを得、内寸320×320×20mmの鋼製の型枠
中に1リットル流し込んで発泡硬化を開始し、スラリー
の深さが10mmになった時点で補強材(図1に示すパ
ンチングメタル1に鉤状突起状物2を溶接したもの)を
突起状物を上向きに配置した。なお、使用したパンチン
グメタル1は、材質:鋼製、厚み0.5mm、開口部1
0mm×10mm、ピッチ10mm、鉤状突起状物2は
材質:鋼製:厚み1mm、高さ4mm、平面部10mm
×10mmであった。
【0056】さらに補強材上に、上記と同様にしてスラ
リーを1リットル流し込んで80℃×1時間加熱して硬
化を完了し、320×320×20mmの無機質複合体
を得た。
【0057】実施例2 補強材のパンチングメタルに代えて厚み0.5mmの、
実施例1と同様の突起を有するSUS304製平板を使
用した以外は、実施例1と同様にして無機質複合体を得
た。
【0058】実施例3 無機質粉状体A100重量部、アルカリ金属珪酸塩水溶
液B75重量部、をオムニミキサー(千代田技研社製、
5リットル)に供給して3分間混合してスラリーを得、
内寸320×320×20mmの鋼製の型枠中に0.3
リットル流し込んで硬化を開始し、スラリーの深さが3
mmになった時点で第1の補強材(パンチングメタル厚
み1mm)を突起状物を上向きに配置した。
【0059】さらに無機質粉状体A100重量部、アル
カリ金属珪酸塩水溶液B75重量部、過酸化水素水C1
0重量部、ステアリン酸亜鉛D1重量部を補強材オムニ
ミキサー(千代田技研社製、5リットル)に供給して3
分間混合してスラリーを得、第1の補強材上に0.6リ
ットル供給して発泡硬化を開始した。
【0060】スラリーの深さが(補強材を含む)16m
mになった時点で、第2の補強材(形状、材質は第1の
補強材と同様)を突起状物を下向きに配置した。さらに
第2の補強材上に無機質粉状体A100重量部、アルカ
リ金属珪酸塩水溶液B75重量部を供給して320×3
20×20mmの積層体を得た。得られた積層体は発泡
硬化体層の両面に、補強層、硬化体層がこの順に積層さ
れたものであった。
【0061】実施例4 補強材のパンチングメタルに代えて厚み1.0mmの、
実施例1と同様の突起を有するSUS304製平板を使
用した以外は、実施例3と同様にして無機質複合体を得
た。
【0062】比較例1 無機質粉状体A100重量部、アルカリ金属珪酸塩水溶
液B75重量部、過酸化水素水C10重量部、ステアリ
ン酸亜鉛D1重量部をオムニミキサー(千代田技研社
製、5リットル)に供給して3分間混合してスラリーを
得、内寸320×320×20mmの鋼製の型枠中に2
リットル流し込んで発泡硬化し、実施例1と同様に加熱
して320×320×20mmの硬化体を得た。
【0063】比較例2 補強材として、突起状物の無い厚み0.5mmのSUS
304製平板を使用した以外は、実施例2と同様にして
無機質複合体を得た。
【0064】比較例3 補強材を使用しない以外は実施例3と同様にして積層体
を得た。
【0065】比較例4 補強材として、突起状物の無い厚み1.0mmのSUS
304製平板を使用した以外は、実施例4と同様にして
積層体を得た。
【0066】物性評価 得られた無機質複合体、硬化体、積層体を以下の試験に
供した。 凍結融解試験 JIS A 1435 に準じて評価を行い、剥離の発
生したサイクル数を目視で評価した。 落球衝撃試験 JIS A 1421に準じて、286gの鋼球により
試験を行い、裏面にクラックが発生しない高さを測定し
た。以上の結果を表1、2にまとめて記した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【発明の効果】本発明は上述の如きものであるから、補
強材のアンカー効果により、長期の使用において補強材
が剥離することなく剥離ひび割れなどの問題のない無機
質複合体及び積層体をを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明1の無機質複合体の一例を示す斜視図で
ある。
【図2】補強材を示す斜視図である。
【図3】本発明2の積層体の一例を示す断面図である。
【図4】本発明2の積層体の別の例を示す断面図であ
る。
【図5】本発明3の積層体の別の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1:無機質複合体 11:補強材 112:突起状物 2:硬化体 21:発泡硬化体層 22:補強層 23:硬化体層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ
    金属珪酸塩及び水からなるスラリーを硬化して得られた
    硬化体内に、その表面に略平行をなすようにに補強材が
    配設された硬化された無機質複合体であって、上記補強
    材の少なくとも一面に突起状物が設けられていることを
    特徴とする無機質複合体。
  2. 【請求項2】 SiO2 −Al2 3 系粉体、アルカリ
    金属珪酸塩、水及び発泡剤とからなる組成物を発泡し
    た、発泡硬化体層の少なくとも片面に、少なくとも一面
    に突起状物が設けられている補強材からなる補強材層を
    介して、SiO2−Al2 3 系粉体、アルカリ金属珪
    酸塩及び水からなるスラリーを硬化した硬化体層が積層
    されていることを特徴とする積層体。
JP15246696A 1996-06-13 1996-06-13 無機質複合体及び積層体 Pending JPH10720A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4828366A (en) * 1987-12-07 1989-05-09 The Mead Corporation Laser-addressable liquid crystal cell having mark positioning layer

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