JPH09301761A - ガラス質層を有する無機質硬化体の製造方法 - Google Patents

ガラス質層を有する無機質硬化体の製造方法

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JPH09301761A
JPH09301761A JP8116237A JP11623796A JPH09301761A JP H09301761 A JPH09301761 A JP H09301761A JP 8116237 A JP8116237 A JP 8116237A JP 11623796 A JP11623796 A JP 11623796A JP H09301761 A JPH09301761 A JP H09301761A
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Japan
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inorganic
weight
powder
sio
cured product
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JP8116237A
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Yoshiharu Konno
義治 今野
Akisato Oohira
晃聡 大平
Tomoshige Tsutao
友重 蔦尾
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面硬度が高く、吸水率が低い、耐久性に優
れたガラス質層を有する無機質硬化体の製造方法を提供
する。 【解決手段】 SiO2 −Al2 3 系粉体、及び、ア
ルカリ金属珪酸塩水溶液からなる無機質組成物を加熱硬
化させて無機質硬化体を得る工程、並びに、前記無機質
硬化体を焼成してガラス質層を形成する工程からなるガ
ラス質層を有する無機質硬化体の製造方法、並びに、焼
成するにあたって、無機質硬化体の表層部のみを焼成す
る上記ガラス質層を有する無機質硬化体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不燃性及び耐久性
に優れた無機質硬化体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】SiO2 −Al2 3 系粉体及びアルカ
リ金属珪酸塩水溶液を主成分とする無機質組成物の硬化
体は、不燃性、強度等に優れ、建材等に広く用いられて
いる。このようなものとして、例えば、特公平3−90
60号公報には、電気集塵機の灰、仮焼ボーキサイト及
びアルカリ金属珪酸塩水溶液を混合し、加熱して硬化体
を得る方法が開示されている。
【0003】しかし、SiO2 −Al2 3 系粉体及び
アルカリ金属珪酸塩水溶液を主成分とする無機質組成物
を加熱することにより得られる硬化体は、表面硬度が低
いので、建材として用いるにはメンテナンス性に問題が
ある。また、吸水率が高いので、耐久性にも問題があ
る。このため、硬化体の表面に、塗料、撥水剤、吸水防
止剤等を塗布する必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、表面硬度が高く、吸水率が低い、耐久性に優れたガ
ラス質層を有する無機質硬化体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、SiO2 −A
2 3 系粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩水溶液から
なる無機質組成物を加熱硬化させて無機質硬化体を得る
工程、並びに、前記無機質硬化体を焼成してガラス質層
を形成する工程からなるガラス質層を有する無機質硬化
体の製造方法である。以下に本発明を詳述する。
【0006】本発明においては、第一の工程として、S
iO2 −Al2 3 系粉体、及び、アルカリ金属珪酸塩
水溶液からなる無機質組成物を加熱硬化させて無機質硬
化体を得る。
【0007】上記SiO2 −Al2 3 系粉体の組成と
しては、重量比で、SiO2 /Al 2 3 =1/9〜9
/1が好ましい。より好ましくは、2/8〜8/2であ
る。
【0008】上記SiO2 −Al2 3 系粉体として
は、SiO2 及びAl2 3 の合計含有量が、50重量
%以上のものが好ましい。50重量%未満であると、ア
ルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低下する。より好
ましくは、55重量%以上である。
【0009】上記SiO2 −Al2 3 系粉体の具体例
としては特に限定されず、例えば、(1)粒径が10μ
m以下のフライアッシュを80重量%以上含有する無機
質粉体、(2)粒径が10μm以下のフライアッシュを
80重量%以上含有し、400〜1000℃で焼成され
た無機質粉体、(3)フライアッシュ及び粘土を溶融
し、気体中に噴霧して得られる無機質粉体、(4)粘土
に0.1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用
させて得られる無機質粉体、(5)(4)の無機質粉体
を、更に、100〜750℃で加熱して得られる無機質
粉体、(6)メタカオリン、(7)メタカオリンに0.
1〜30kWh/kgの機械的エネルギーを作用させて
得られる無機質粉体、(8)コランダム又はムライト製
造時の電気集塵機の灰、(9)粉砕仮焼ボーキサイト、
等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を併用
することができる。
【0010】上記(1)の無機質粉体は、粒径が10μ
m以下のフライアッシュを含有するものである。上記1
0μm以下のフライアッシュの含有量は、80重量%以
上が好ましい。80重量%未満であると、アルカリ金属
珪酸塩水溶液との反応性が低下するので、硬化不良を生
じ、得られる硬化体の強度が低下する。
【0011】上記フライアッシュは、JIS A 62
01に規定されており、微粉炭燃焼ボイラーから集塵機
で採取する微小な灰の粒子であって、SiO2 40%以
上、湿分1%以下、比重1.95以上、比表面積270
00cm2 /g以上、44μm標準ふるいを75%以上
通過するものである。
【0012】上記(1)の無機質粉体を得る方法として
は特に限定されず、従来公知の各種の方法を採用するこ
とができ、例えば、湿式沈降分級機、風力分級機、比重
による分級機等の分級機を用いる方法;ジェットミル、
ローラーミル、ボールミル等の粉砕機を用いる方法;分
級機と粉砕機との連続システムを用いる方法等により、
上記フライアッシュを分級することにより得ることがで
きる。
【0013】上記(2)の無機質粉体は、粒径が10μ
m以下のフライアッシュを80重量%以上含有し、焼成
されたものである。上記フライアッシュは、一般に黒色
であるので、着色を必要とする場合には、焼成により脱
色してから用いる。上記焼成の温度は、400〜100
0℃が好ましい。400℃未満であると、焼成による脱
色ができず、1000℃を超えると、アルカリ金属珪酸
塩水溶液との反応性が低下する。上記焼成は、例えば、
電気炉、バーナー、電子線等を用いることにより実施す
ることができる。
【0014】上記(2)の無機質粉体を得る方法として
は特に限定されず、例えば、上記(1)の無機質粉体を
焼成する方法;上記フライアッシュを焼成した後、上記
(1)の無機質粉体の場合と同様にして分級する方法等
により得ることができる。
【0015】上記(3)の無機質粉体は、フライアッシ
ュ及び粘土を溶融し、気体中に噴霧して得られるもので
ある。
【0016】上記粘土としては、SiO2 を5〜85重
量%、Al2 3 を90〜10重量%含有するものであ
れば特に限定されず、例えば、カオリナイト、ディッカ
イト、ナクライト、ハロイサイト等のカオリン鉱物;白
雲母、イライト、フェンジャイト、海緑石、セラドナイ
ト、パラゴナイト、ブランマライト等の雲母粘土鉱物;
モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ボナイト、ソーコナイト等のスメクタイト;緑泥岩;パ
イロフィライト;タルク;ばん土頁岩等が挙げられる。
【0017】上記フライアッシュ及び上記粘土を溶融
し、気体中に噴霧する方法としては特に限定されず、例
えば、セラミックコーティングに適用される溶射技術を
応用することができる。上記溶射技術によって得られる
無機質粉体は、一般に、比表面積が0.1〜60cm2
/gにコントロールされる。上記溶射技術としては特に
限定されず、例えば、プラズマ溶射法、高エネルギーガ
ス溶射法、アーク溶射法等が挙げられる。この場合にお
いて、上記溶融の温度は、2000〜16000℃が好
ましく、上記噴霧の速度は、30〜80m/秒が好まし
い。
【0018】上記(4)の無機質粉体は、粘土に機械的
エネルギーを作用させて得られるものである。上記粘土
としては特に限定されず、例えば、上記(3)の無機質
粉体において例示したものと同様のもの等を挙げること
ができるが、機械的エネルギーを有効に作用させるため
に、平均粒径が0.01〜500μmのものが好まし
い。より好ましくは、0.1〜100μmのものであ
る。
【0019】上記機械的エネルギーとしては特に限定さ
れず、例えば、圧縮力、剪断力、衝撃力等が挙げられ
る。これらは、単独で作用させてもよく、2種以上を複
合して作用させてもよい。
【0020】上記機械的エネルギーの大きさは、0.1
〜30kWh/kgが好ましい。0.1kWh/kg未
満であると、アルカリ金属珪酸塩水溶液との反応性が低
下し、30kWh/kgを超えると、装置への負荷が大
きくなり、装置の磨耗、損傷が増大し、上記粘土への不
純物の混入等の問題が発生する。より好ましくは、1〜
26kWh/kgである。
【0021】上記機械的エネルギーを作用させる装置と
しては特に限定されず、例えば、ボールミル、振動ミ
ル、遊星ミル、媒体攪拌型ミル、ローラーミル、乳鉢、
ジェット粉砕機等が挙げられる。
【0022】上記機械的エネルギーを作用させる場合に
おいては、上記粘土が装置内部に付着し、又は、凝集す
るのを防止するために、必要に応じて粉砕助剤を添加し
てもよい。上記粉砕助剤としては特に限定されず、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール等のアルコー
ル類;トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;
ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の
金属石鹸類;アセトン蒸気等が挙げられる。これらは、
単独で又は2種以上を併用することができる。
【0023】上記(5)の無機質粉体は、上記(4)の
無機質粉体を、更に、加熱したものである。上記加熱に
より機械的強度が向上する。上記加熱の温度は、100
〜750℃が好ましい。100℃未満であると、得られ
る硬化体の機械的強度の向上が認められず、750℃を
超えると、無機質粉体の結晶化が生じ、アルカリ金属珪
酸塩水溶液に対する反応性が低下する。好ましくは、2
00〜600℃である。
【0024】上記加熱の時間は、1分〜5時間が好まし
い。1分未満であると、得られる硬化体の機械的強度の
向上が小さく、5時間を超えると、エネルギーコストが
増大する。
【0025】上記(6)のメタカオリンとしては特に限
定されず、例えば、市販のもの等が挙げられる。上記
(7)の無機質粉体は、上記メタカオリンに、機械的エ
ネルギーを作用させて得られるものである。上記メタカ
オリンは、機械的エネルギーを有効に作用させるため
に、平均粒径が0.01〜500μmのものが好まし
い。より好ましくは、0.1〜100μmのものであ
る。上記機械的エネルギーとしては、上記(4)の場合
と同様である。
【0026】上記(8)のコランダム又はムライト製造
時の電気集塵機の灰は、主として、珪酸塩ガラス、珪酸
アルミニウム鉄ガラス等からなるものである。上記
(9)の粉砕仮焼ボーキサイトは、粉砕したボーキサイ
トを、400〜1000℃で加熱することにより得られ
るものである。
【0027】上記アルカリ金属珪酸塩水溶液としては、
モル比で、SiO2 /M2 O(Mはアルカリ金属を表
す)=0.01〜8のものが好ましい。0.01未満で
あると、硬化体中の結合材成分となるSiO2 に対する
アルカリ金属の含有量が多くなりすぎ、得られる硬化体
の強度が低下し、8を超えると、ゲル化タイムが早くな
り、作業性が低下するとともに、保存安定性が低下す
る。より好ましくは、0.1〜2.5である。上記アル
カリ金属としては特に限定されず、例えば、ナトリウ
ム、カリウム、リチウム等が挙げられる。これらは、単
独で又は2種以上を併用することができる。
【0028】上記アルカリ金属珪酸塩水溶液の濃度は、
10〜70重量%が好ましい。10重量%未満である
と、得られる硬化体の強度が低下し、70重量%を超え
ると、粘度が高くなり、混合、成形時の作業性が低下す
る。より好ましくは、10〜60重量%である。
【0029】上記アルカリ金属珪酸塩水溶液の配合量
は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対して
10〜1300重量部が好ましい。10重量部未満であ
ると、混合が困難であり、1300重量部を超えると、
成形時にクラック等が生じる。より好ましくは、10〜
1000重量部である。
【0030】本発明においては、上記SiO2 −Al2
3 系粉体及び上記アルカリ金属珪酸塩水溶液に、更に
必要に応じて、無機質充填材、補強繊維、軽量骨材、顔
料、発泡剤、発泡助剤、起泡剤等を配合することができ
る。
【0031】上記無機質充填材としては、上記アルカリ
金属珪酸塩水溶液に対する活性度が高いと、上記アルカ
リ金属珪酸塩水溶液のゲル化が急速に進み、混合、成形
が困難になるので、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液に対
する活性度の低いものが用いられる。このようなものと
しては特に限定されず、例えば、珪砂;岩石粉末;シラ
ス、抗火石等の火山灰;珪灰石;炭酸カルシウム;珪石
粉;けいそう土;雲母;マイカ;シリカフューム等が挙
げられる。
【0032】上記無機質充填材の配合量は、SiO2
Al2 3 系粉体100重量部に対して900重量部以
下が好ましい。900重量部を超えると、得られる硬化
体の機械的強度が低下する。
【0033】上記補強繊維としては、通常のセメント製
品に使用されるもの等を用いることができる。このよう
なものとしては特に限定されず、例えば、ポリプロピレ
ン繊維、ビニロン繊維、レーヨン繊維、耐アルカリガラ
ス繊維、炭素繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、アク
リロニトリル繊維等が挙げられる。これらは、単独で又
は2種以上を併用することができる。
【0034】上記補強繊維は、繊維径1〜500μmの
ものが好ましい。1μm未満であると、混合時にファイ
バーボールを形成し、得られる硬化体の強度低下を生じ
やすくなり、500μmを超えると、引っ張り強度向上
等の補強効果が現れない。また、上記補強繊維は、繊維
長1〜15mmのものが好ましい。1mm未満である
と、引っ張り強度向上等の補強効果が現れず、15mm
を超えると、分散性が低下し、均一な強度を有する硬化
体を得ることができない。
【0035】上記補強繊維の配合量は、SiO2 −Al
2 3 系粉体100重量部に対して10重量部以下が好
ましい。10重量部を超えると、上記補強繊維の分散性
が低下する。
【0036】上記軽量骨材としては特に限定されず、例
えば、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、
フライアッシュバルーン、シラス発泡体等の無機質発泡
体;フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポ
リスチレン等の有機質発泡体等が挙げられる。
【0037】上記軽量骨材の配合量は、SiO2 −Al
2 3 系粉体100重量部に対して150重量部以下が
好ましい。150重量部を超えると、得られる硬化体の
強度や表面平滑性の低下を生じ、また、作業性が低下す
る。
【0038】上記顔料としては特に限定されず、例え
ば、酸化鉄、酸化チタン、酸化コバルト等の金属酸化物
系顔料;カーボンブラック等が挙げられる。上記顔料の
配合量は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に
対して50重量部以下が好ましい。50重量部を超えて
も、得られる硬化体表面の隠蔽力は向上せず、不経済で
ある。
【0039】上記発泡剤としては、Mg、Ca、Cr、
Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、S
n、Si、フェロシリコン等の金属系粉末;過酸化水
素、過酸化ソーダ、過酸化カリ、過ほう酸ソーダ等の過
酸化物系粉末等が挙げられる。これらのうち、コスト、
安全性、入手の容易さ、混合の容易さ等の観点から、A
l、過酸化水素が好ましい。
【0040】上記発泡剤は、粒径1〜200μmのもの
が好ましい。1μm未満であると、分散性が低下すると
ともに、急速発泡してしまい、200μmを超えると、
反応性が低下する。上記発泡剤の配合量は、SiO2
Al2 3 系粉体100重量部に対して5重量部以下が
好ましい。5重量部を超えると、得られる硬化体の強度
低下が著しく、硬化体のハンドリング等ができなくな
る。
【0041】上記発泡助剤としては特に限定されず、例
えば、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、アルミナゲル
等の多孔質粉体;ステアリン酸金属塩、パルミチン酸金
属塩等の金属石鹸等が挙げられる。上記発泡助剤の配合
量は、SiO2 −Al2 3 系粉体100重量部に対し
て10重量部以下が好ましい。10重量部を超えると、
破泡等を生じ、発泡に悪影響を与える。
【0042】上記起泡剤としては特に限定されず、例え
ば、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル
硫酸エステル塩、芳香族誘導体スルホン酸塩、イミダゾ
リン誘導体、脂肪酸アミド、動物蛋白系のもの等が挙げ
られる。上記起泡剤の配合量は、SiO2 −Al2 3
系粉体100重量部に対して10重量部以下が好まし
い。10重量部を超えると、硬化不良を生じやすくな
る。
【0043】本発明においては、上記SiO2 −Al2
3 系粉体、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液、及び、所
望により配合される上記無機質充填材、上記補強繊維、
上記軽量骨材、上記発泡剤、上記発泡助剤、上記起泡剤
等を混合して無機質組成物とする。
【0044】上記混合の方法としては特に限定されず、
例えば、パドル回転型混合機、揺動式混合機、スクリュ
ー式混合機等の混合機を用いる方法等を採用することが
できる。この場合においては、予め、粉体原料及び固形
原料を乾式混合した後、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液
を添加して混合してもよく、全原料を同時に供給して混
合してもよく、また、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液と
一部の固形原料とを混合した後、順次、他の各原料を混
合してもよい。
【0045】また、上記発泡剤を配合する場合は、上記
混合の工程の最後に混合することが、作業性や気泡の安
定性の面で好ましい。上記起泡剤を配合する場合は、上
記混合の工程の最後に配合するか、又は、上記起泡剤以
外の原料でスラリーを作り、上記スラリーと、上記起泡
剤及び水を混合することにより気泡を発生させた水溶液
とを混合することが好ましい。この場合において、上記
起泡剤及び水を混合することにより気泡を発生させた水
溶液の濃度は、0.1〜5%が好ましい。0.1%未満
であると、気泡の安定性が悪く、破泡してしまい、5%
を超えると、硬化不良を生じる。
【0046】本発明においては、上述のようにして得ら
れた無機質組成物を自然落下、ポンプ等により型内に充
填し、加熱硬化させて、無機質硬化体とする。この場合
においては、上記無機質組成物の充填中又は充填後に、
上記無機質組成物のレベリングや脱泡等のために振動を
与えてもよい。また、型の底面や側面に凹凸模様を設け
ることにより、凹凸模様を有する無機質硬化体を得るこ
とができる。
【0047】上記加熱硬化は、雰囲気温度50〜100
℃、加熱時間5分〜12時間の条件で行うことが好まし
い。上記加熱硬化の方法としては特に限定されず、例え
ば、オーブンを用いる方法等を採用することができる。
【0048】本発明においては、第二の工程として、上
記無機質硬化体を焼成し、ガラス質層を有する無機質硬
化体とする。
【0049】上記焼成の温度は、500〜1500℃が
好ましい。500℃未満であると、ガラス化が不可能で
あり、1500℃を超えると、硬化体を破壊する。より
好ましくは、800〜1200℃である。
【0050】上記焼成の時間は、5分〜2時間が好まし
い。5分未満であると、充分にガラス化しにくく、2時
間を超えると、硬化体がもろくなる。より好ましくは、
10分〜1時間である。上記焼成の方法としては特に限
定されず、例えば、電気炉、高周波加熱炉等を用いるこ
とにより行うことができる。
【0051】本発明においては、焼成するにあたって、
無機質硬化体の表層部のみを焼成してもよい。この場合
における無機質硬化体は、上記SiO2 −Al2 3
粉体、上記アルカリ金属珪酸塩水溶液、及び、所望によ
り配合される上記無機質充填材等を混合してなる無機質
組成物を、雰囲気温度50〜300℃、加熱時間5分〜
12時間の条件で加熱硬化させたものであることが好ま
しい。
【0052】上記無機質硬化体の表層部のみを焼成する
方法としては特に限定されず、例えば、バーナー、電子
線等を用いることにより行うことができる。上記バーナ
ー、電子線等を用いて、上記無機質硬化体の表層部のみ
を焼成する方法によれば、上記無機質硬化体の物性の改
善が要求される面の表層部のみを焼成するので、少ない
熱量で、簡易にガラス質層を有する無機質硬化体を製造
することができる。
【0053】本発明のガラス質層を有する無機質硬化体
の製造方法により得られた無機質硬化体は、表面がガラ
ス化しているので、硬度が高く、吸水率が低い。従っ
て、耐久性に優れている。
【0054】本発明のガラス質層を有する無機質硬化体
の製造方法により得られた無機質硬化体は、住宅、ビル
等の内外装、間仕切り、瓦、床等の建材として好適に用
いることができる。
【0055】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0056】実施例1〜6 (1)SiO2 −Al2 3 系粉体の調製 SiO2 −Al2 3 系粉体(A) フライアッシュ(平均粒径20μm、JIS A 62
01に準拠、関電化工社製)を、分級機(TC−15、
日清エンジニアリング)により分級し、粒径が10μm
以下の粉体を100重量%含有するSiO2 −Al2
3 系粉体(A)を得た。
【0057】SiO2 −Al2 3 系粉体(B) カオリン(SiO2 45.7%、Al2 3 38.8
%、平均粒径5μm、BET比表面積5.8m2 /g)
を3000℃で溶融後、80m/秒の速度で大気中に噴
霧し、平均粒径5μm、比表面積9.5m2 /gのSi
2 −Al2 3系粉体(B)を得た。
【0058】SiO2 −Al2 3 系粉体(C) メタカオリン(SATENTONE SP 33、平均
粒径3.3μm、BET比表面積5.8m2 /g、エン
ゲルハート社製)100重量部、及び、トリエタノール
アミン25重量%とエタノール75重量%との混合溶液
0.5重量部を、ウルトラファインミル(ジルコニアボ
ール10mm使用、ボール充填率85体積%、三菱重工
社製)に供給し、10kWh/kgの機械的エネルギー
を作用させて、SiO2 −Al2 3 系粉体(C)を得
た。なお、作用させた機械的エネルギーは、ウルトラフ
ァインミルに供給した電力を処理粉体単位重量で除して
求めた。
【0059】(2)アルカリ金属珪酸塩水溶液の調製 アルカリ金属珪酸塩水溶液(I) JIS1号珪酸ナトリウム水溶液(日本化学工業社
製)、及び、水を混合して、SiO2 /Na2 O=0.
5(モル比)、濃度55重量%のアルカリ金属珪酸塩水
溶液(I)を調製した。
【0060】アルカリ金属珪酸塩水溶液(II) 1K珪酸カリウム水溶液(日本化学工業社製)、及び、
水を混合して、SiO 2 /K2 O=1.4(モル比)、
濃度45重量%のアルカリ金属珪酸塩水溶液(II)を
調製した。
【0061】(3)無機質硬化体の製造 表1に示す配合量のSiO2 −Al2 3 系粉体、及
び、アルカリ金属珪酸塩水溶液を、オムニミキサー(千
代田技研工業社製)を用いて2分間混合し、得られた無
機質組成物を、内寸が150×50×20mmの型枠に
注型した。更に、表1に示した条件により硬化させ、無
機質硬化体を得た。
【0062】(4)無機質硬化体の焼成 得られた無機質硬化体を、電気炉を用いて1000℃で
1時間焼成した。焼成された無機質硬化体の表面硬度、
吸水率、及び、煮沸試験後の強度保持率を、下記方法に
より評価した。結果を表1に示した。
【0063】評価方法 1.表面硬度 ビッカース硬度計(MVK−50、明石製作所社製)を
用い、荷重500gで測定した。
【0064】2.吸水率 JIS A 5403に準拠して測定した。
【0065】3.煮沸試験後の強度保持率 無機質硬化体を100℃沸騰水中に8時間浸漬した後、
強度を測定した。強度の測定は、オートグラフAGS−
1000B(島津製作所社製)を用いて、三点曲げによ
り曲げ強度を測定した。測定条件は、以下の通りであ
る。スパン:200mm、クロスヘッドスピード:2m
m/分
【0066】実施例7〜12 表1に示した配合量及び硬化条件とし、電気炉を用いて
焼成する代わりに、得られた無機質硬化体の片面(15
0×50mm)の表層部のみを、ガスバーナーを用い
て、表面温度が1000℃になってから10分間保持す
ることにより焼成したこと以外は、実施例1と同様にし
て焼成された無機質硬化体を得、評価した。結果を表1
に示した。
【0067】比較例1〜6 表2に示した配合量及び硬化条件とし、焼成を行わなか
ったこと以外は、実施例1と同様にして無機質硬化体を
得、評価した。結果を表2に示した。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【発明の効果】本発明は、上述の通りであるので、表面
硬度が高く、吸水率が低く、耐久性に優れたガラス質層
を有する無機質硬化体を容易に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 111:28

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 SiO2 −Al2 3 系粉体、及び、ア
    ルカリ金属珪酸塩水溶液からなる無機質組成物を加熱硬
    化させて無機質硬化体を得る工程、並びに、前記無機質
    硬化体を焼成してガラス質層を成形する工程からなるこ
    とを特徴とするガラス質層を有する無機質硬化体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 焼成するにあたって、無機質硬化体の表
    層部のみを焼成する請求項1記載のガラス質層を有する
    無機質硬化体の製造方法。
  3. 【請求項3】 焼成温度が500〜1500℃である請
    求項1又は2記載のガラス質層を有する無機質硬化体の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014107443A (ja) * 2012-11-28 2014-06-09 Fuji Corp 熱電変換装置及びその製造方法

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