JPH09135064A - 電子回路基板の配線修正方法及びその装置並びにtft基板 - Google Patents

電子回路基板の配線修正方法及びその装置並びにtft基板

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JPH09135064A
JPH09135064A JP29253495A JP29253495A JPH09135064A JP H09135064 A JPH09135064 A JP H09135064A JP 29253495 A JP29253495 A JP 29253495A JP 29253495 A JP29253495 A JP 29253495A JP H09135064 A JPH09135064 A JP H09135064A
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重信 丸山
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Kazufumi Miyata
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Satoru Todoroki
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、TFT基板等の電子回路基板
上の配線断線部を大気の雰囲気で信頼性を高くして修正
して、製品歩留まりを大幅に向上して製造コストを低減
することにある。 【解決手段】本発明は、電子回路基板の配線断線部に金
属錯体溶液を供給するためのガラスピペット吐出口先端
を、容器に格納した金属錯体溶液に浸漬しておき、供給
するときのみ取り出し、これにより、ガラスピペット吐
出口先端からの溶媒の蒸発を防ぎ、配線断線部に供給し
た金属錯体溶液膜にレーザ光を照射して金属を析出さ
せ、更に金属膜に不活性ガス雰囲気中でレーザ光を照射
して金属膜の電気特性を向上させ、断線部を接続修正す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置や半
導体集積回路、あるいは大規模電子機器に使用される電
子回路基板上に形成された配線の断線を修正する技術に
係り、特に配線の断線部に金属イオンまたは金属原子を
含む液体材料を微量供給して欠陥を修正する電子回路基
板の配線修正方法及びその装置並びにTFT(Thin
FilmTransister)基板及びその配線修
正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置や半導体集積回路に代表さ
れる電子回路基板では表示性能や集積度の向上に伴い、
基板上に形成される回路配線の微細化、高密度化が進ん
でいる。これらの回路配線は通常、レジスト塗布・露光
・現像・エッチング・レジスト剥離といった一連の工程
により形成されるが、電子回路基板の高性能化が進むの
つれ上記工程における良品歩留まりが低下する。特に、
レジスト露光時の異物に起因した配線の断線欠陥は致命
的であり、基板上に一箇所発生しただけでも製品として
不良となる場合が多い。従って、製造歩留まりの向上、
即ち製品コスト低減のためには配線の断線欠陥を修正す
る技術が必要不可欠である。基板上に配線を形成する従
来技術として、特開昭63−52442号公報(従来技
術1)等によりレーザCVD法が知られている。このレ
ーザCVD法の場合には、真空中で処理する必要があ
る。しかし基板がTFT基板等のように大形の場合には
真空容器を大形にする必要が生じ、その結果レーザCV
D装置として、大形化および高価格化となり、更に低ス
ループットという問題が生じることになる。
【0003】この問題を解決する従来技術として、特開
平6−104255号公報(従来技術2)及び特開平4
−277692号公報(従来技術3)が知られている。
【0004】この従来技術2は、大気の雰囲気におい
て、ディスペンサで基板上の任意位置に導体ペーストを
供給しつつ基板を搭載したステージを走査し、その供給
に同期してレーザを照射し導体ペーストを加熱すること
で、金属膜を連続的に形成する方法である。この場合、
導体ペーストは金属膜を形成する部分のみに供給すれば
良く、供給した導体ペースト全てにレーザを照射して金
属膜を得るため、配線部分以外の不要な部分に付着した
ペーストを除去する必要がない。また従来技術3では、
大気の雰囲気において、レーザにより断線部の下地膜に
溝パターンを形成し、有機金属溶液を溝内に供給した後
加熱して固化させ、更にレーザを照射して導体化するこ
とで断線部を接続する方法である。これによれば、有機
金属溶液の供給量を制御することで不要部分への材料の
付着を防止することが可能となり、更に配線の断線端部
と形成金属との接続面積が増大するため、接続部での信
頼性が向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術2は、導
体ペーストを必要とする部分のみに供給し、レーザ照射
により焼成して導体化することで配線を形成することが
できるが、吐出口付近が大気にさらされているため導体
ペーストの中に含まれる溶媒が蒸発して導体ペーストの
粘度が変化し、ついには固化してしまい、常に微量の導
体ベーストを最適化した状態で供給することが難しいと
いう課題を有するものである。また、従来技術3は、基
板に溝を形成して液体の広がりを防ぐものである。しか
しこの技術は、溝が形成できない場合には適用できない
と共に仮りに溝が形成できる場合においては溝パターン
を形成するため別途エキシマレーザを必要とし、装置規
模が大きく高価となる課題を有していた。
【0006】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、電子回路基板上の種々の形態の配線断線部を
信頼度高く、かつ安価に修正できるようにした電子回路
基板の配線修正方法およびその装置を提供することにあ
る。また本発明の目的は、TFT(Thin Film
Transister)基板のドレイン線における種
々の断線欠陥を高信頼度で、且つ容易に修正できるよう
にしたTFT基板の配線修正方法およびその装置を提供
することにある。また本発明の目的は、ドレイン線にお
ける断線欠陥をトランジスタの駆動に支障なく修正した
TFT基板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、大気に実質的に閉ざされた雰囲気または
容器内に存在する溶媒で溶解させた金属溶液(金属イオ
ンまたは金属原子を含む液体)から微量の金属溶液を移
送手段を用いて電子回路基板上の配線の断線部に移送し
て供給し、この供給された微量の金属溶液に対してレー
ザ光を照射して加熱して導電性膜を形成して配線断線部
を接続することを特徴とする電子回路基板の配線修正方
法である。また本発明は、大気に実質的に閉ざされた雰
囲気または容器内に存在する溶媒で溶解させた金属溶液
から微量の金属溶液(金属イオンまたは金属原子を含む
液体)を移送手段を用いて電子回路基板上の配線の断線
部に移送して供給し、この供給された微量の金属溶液に
対してレーザ光を照射して加熱して導電性膜を形成して
配線の断線部を接続し、更に少なくとも前記導電性膜の
部分を不活性ガス雰囲気にして前記導電性膜に対してレ
ーザ光を照射して導電性膜の電気的特性を向上すること
を特徴とする電子回路基板の配線修正方法である。
【0008】また本発明は、大気に実質的に閉ざされた
雰囲気または容器内に存在する有機溶媒で溶解させた金
属錯体溶液から微量の金属錯体溶液を移送手段を用いて
電子回路基板上の配線の断線部に移送して供給し、この
供給された微量の金属錯体溶液に対してレーザ光を照射
して加熱して導電性膜を形成して配線の断線部を接続す
ることを特徴とする電子回路基板の配線修正方法。また
本発明は、大気に実質的に閉ざされた雰囲気または容器
内に存在する有機溶媒で溶解させた金属錯体溶液から微
量の金属錯体溶液を移送手段を用いて電子回路基板上の
配線の断線部に移送して供給し、この供給された微量の
金属錯体溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導電
性膜を形成して配線の断線部を接続し、更に少なくとも
前記導電性膜の部分を不活性ガス雰囲気にして前記導電
性膜に対してレーザ光を照射して導電性膜の電気的特性
を向上するすることを特徴とする電子回路基板の配線修
正方法である。
【0009】また本発明は、溶媒で溶解させた微量の金
属溶液を電子回路基板上の配線の断線部に供給し、この
供給された微量の金属溶液に対してレーザ光を照射して
加熱して導電性膜を形成して配線断線部を接続し、該導
電性膜が配線の断線部に隣接する配線若しくは電極に接
触して短絡状態になった場合には前記配線若しくは電極
の一部をレーザ加工により除去して切り離すことにより
短絡状態を回避することを特徴とする電子回路基板の配
線修正方法である。また本発明は、溶媒で溶解させた微
量の金属溶液を電子回路基板上の配線の断線部に供給
し、この供給された微量の金属溶液に対してレーザ光を
照射して加熱して導電性膜を形成して配線断線部を接続
し、該導電性膜が配線の断線部に隣接する配線若しくは
電極に接触して短絡状態になった場合には前記導電性膜
の一部をレーザ加工により除去して切り離すことにより
短絡状態を回避することを特徴とする電子回路基板の配
線修正方法である。
【0010】また本発明は、有機溶媒で溶解させた微量
の金属錯体溶液を電子回路基板上の配線の断線部に供給
し、この供給された微量の金属錯体溶液に対してレーザ
光を照射して加熱して導電性膜を形成して配線の断線部
を接続し、該導電性膜が配線の断線部に隣接する配線若
しくは電極に接触して短絡状態になった場合には前記配
線若しくは電極の一部をレーザ加工により除去して切り
離すことにより短絡状態を回避することを特徴とする電
子回路基板の配線修正方法である。また本発明は、有機
溶媒で溶解させた微量の金属錯体溶液を電子回路基板上
の配線の断線部に供給し、この供給された微量の金属錯
体溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導電性膜を
形成して配線の断線部を接続し、該導電性膜が配線の断
線部に隣接する配線若しくは電極に接触して短絡状態に
なった場合には前記導電性膜の一部をレーザ加工により
除去して切り離すことにより短絡状態を回避することを
特徴とする電子回路基板の配線修正方法である。
【0011】また本発明は、前記電子回路基板の配線修
正方法において、前記電子回路基板上の配線が、TFT
基板上のドレイン配線であることを特徴とする。また本
発明は、前記電子回路基板の配線修正方法において、前
記金属を大気中において酸化しにくい金、白金、パナジ
ウム等の貴金属であることを特徴とする。なお、大気中
において、不活性ガスを吹き付けることなどして酸化し
にくい雰囲気を形成すれば、Mo,W,Cr等の金属を
用いることができる。また本発明は、TFT基板上のド
レイン線の断線部を金属を含む液体から熱分解して得ら
れる金属からなる導電性膜により画素電極から電気的に
離して接続したことを特徴とするTFT基板である。ま
た本発明は、前記TFT基板において、前記金属が、
金、白金、パラジウムの何れかで形成したことを特徴と
する。また本発明は、前記TFT基板において、導電性
膜が画素電極(ITO(Indium Tin Oxi
de)膜)と短絡した場合にはレーザ加工で、導電性膜
または画素電極に溝を形成することによって電気的に離
すことを特徴とする。
【0012】また本発明は、電子回路基板を載置して位
置決めを行う電子回路基板の位置決め機構と、溶媒で溶
解された金属溶液を収納する容器と、該容器に収納され
た金属溶液から微量の金属溶液をピペットに充填し、こ
のピペットに充填した微量の金属溶液を前記電子回路基
板の位置決め機構によって位置決めされた電子回路基板
上の配線断線部へ移送してピペットに供給された不活性
ガス圧によって前記電子回路基板上の配線断線部に供給
するピペット移送手段と、該ピペット移送手段によって
電子回路基板上の配線断線部へ供給された微量の金属溶
液に対してレーザ光源から出射されたレーザ光を集光照
射をすることによって導電性膜を形成して配線断線部を
接続する集光照射光学系とを備えたことを特徴とする電
子回路基板の配線修正装置である。また本発明は、前記
電子回路基板の配線修正装置において、更に前記集光照
射光学系によってレーザ光が集光照射されて導電性膜が
形成される領域を不活性ガス雰囲気にする不活性ガス雰
囲気形成手段を備えたことを特徴とする。また本発明
は、前記電子回路基板の配線修正装置において、前記集
光照射光学系は、レーザ光を任意の大きさの矩形に成形
する矩形可変スリットを備えたことを特徴とする。また
本発明は、前記電子回路基板の配線修正装置において、
前記配線の欠陥位置を検出する欠陥位置検出光学系を備
えたことを特徴とする。また本発明は、前記電子回路基
板の配線修正装置において、前記レーザ光源をパルスレ
ーザ発振器と連続発振レーザ発振器とから構成したこと
を特徴とする。また本発明は、前記電子回路基板の配線
修正装置において、パルスレーザ発振器と連続発振レー
ザ発振器との各々からレーザ光を共通の光軸に結合する
光学素子と、両方のレーザ光を任意の大きさの矩形に成
形する矩形可変スリットとを備えたことを特徴とする。
【0013】また本発明は、電子回路基板上の配線の断
線部に金属錯体溶液等の金属溶液(金属イオンまたは金
属原子を含む液体)を供給する吐出口の状態を、常に長
時間大気に触れさせて溶媒を蒸発させて金属溶液の粘度
変化や吐出口の閉塞を起こさせないようにして、吐出口
を移動開始するまでの待ち時間の変動に殆ど関係なく、
微量の金属溶液を移送して配線断線部にほぼ一定の幅で
供給することにある。即ち、電子回路基板上の配線の断
線部に金属溶液を供給するノズルなどの先端を、断線部
に供給する量よりも十分に大きな量である大気と実質的
に閉ざされた雰囲気または容器内に存在する金属溶液の
中に浸漬させて充填しておき、供給する際は金属溶液か
ら微量の金属溶液を取り出して、常に短時間の間に供給
を開始し、供給された微量の金属溶液にレーザ光を照射
して加熱することで、常に一定幅の導電性膜からなる配
線で断線部を接続し、信頼性の高い修正配線を実現する
ことにある。従って、本発明によれば、常に微量の金属
溶液を配線断線部にほぼ一定の幅で供給できるので、不
要な部分に金属溶液を付着させる可能性を小さくするこ
とができ、しかも従来技術3に記載されているように、
有機金属溶液が広がるのを防止するための溝を、配線の
下層である層間絶縁膜上に形成する必要性がないため、
層間絶縁膜上に溝加工を施すことができる絶縁膜に対し
て比較的不透明な短波長(紫外)であるエキシマレーザ
光を集光照射する必要を無くすことができる。また本発
明は、種々の形態の断線欠陥については、小型小出力の
パルスレーザによる薄膜加工と組み合わせることにより
修正を実現することにある。
【0014】以上説明したように本発明によれば、TF
T基板やプリント回路基板などの大形の電子回路基板を
挿入できる大形の真空容器またはを必要とせずに、しか
も微量の金属溶液を、電子回路基板上の配線断線部に常
にほぼ同じ条件で移送して供給できるようにしたので、
供給された微量の金属溶液にレーザ光を照射して加熱す
ることで、常に一定幅の導電性膜からなる配線で断線部
を接続し、信頼性の高い修正配線を実現することがで
き、その結果電子回路基板の製品歩留まりの向上・製造
コストの低減を図ることができる。もしも、導電性膜が
配線の断線部に隣接する配線若しくは電極に接触して短
絡状態になった場合には前記配線若しくは電極の一部ま
たは前記導電性膜の一部をレーザ加工により除去して切
り離すことにより短絡状態を回避し、電子回路基板とし
て欠陥のないものを製造して実際に製品として使用可能
にすることができる。また本発明によれば、修正するこ
とによって断線のないドレイン配線を有するTFT基板
を安価に製造することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図に従って本発明の実施の形
態を詳細に説明する。
【0016】まず、本発明の実施の形態の主要部につい
て説明する。溶媒で溶解された金属溶液(金属イオンま
たは金属原子を含む液体材料)としては、例えば、P
d、Au、Ptなどの金属錯体、例えばトリフロロ酢酸
パラジウム錯体(Pd(CF3COO)2)をアセトニト
リル、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン、キシレ
ン、アルコール類等の有機溶媒に溶解させた金属錯体溶
液を使用する。この微量の金属溶液を、先端内径1〜2
μmに形成したガラスピペット13の内部に充填し、そ
してピペット13をマニピュレータ15で移動させるこ
とによって微量の金属溶液を移送してピペット13の先
端を電子回路基板3の表面に配線断線部55における必
要部分に接触させた状態でピペット13の内部に窒素な
どの不活性ガスを供給して圧力を印加し、ピペット13
の先端から金属溶液(例えば金属錯体溶液)を微量吐出
させ、電子回路基板3上の配線断線部55における必要
部分のみに供給塗布する。この塗布に先立って、ピペッ
ト13の先端を金属錯体溶液中に浸漬させておくことに
より、ピペット先端部の金属溶液から溶媒が蒸発して粘
度が変化したり、先端が固まって材料の吐出が阻害され
ることがない。即ち、被修正基板(電子回路基板)3の
ステージ5上への載置、位置決め、確認等の作業が終了
してからガラスピペット13の先端を金属溶液から取り
出し、ほぼ一定時間後、例えば30秒後(マニピュレー
タ15によってピペット13を移動させてるのに要する
時間経過後)から塗布を開始することで、ピペット13
の先に充填された微量の金属溶液を、常に電子回路基板
上においてほぼ一定の幅に供給、塗布することができ
る。供給後は当然、ガラスピペット13の先端を金属溶
液中に浸漬する。
【0017】また、この方法を実現するためには塗布す
る量(通常は1pl(ピコリットル)程度)よりも十分
に多い量の金属溶液(例えば1ml)を収納した蓋付き
の容器を、ガラスピペットの位置決め駆動範囲内に設置
するだけで良い。容器の蓋は溶媒の蒸発を防止するため
のもので、ガラスピペット13を出し入れするときだけ
開閉できる機構を有している。即ち、大気と実質的に閉
ざされた雰囲気または容器内に存在する溶媒で溶解され
た金属溶液から、微量の金属溶液をマニピュレータ15
で移動されるガラスピペット13等の移送手段によって
電子回路基板3上の配線断線部55に移送して供給(塗
布)することによって、微量の金属溶液を上記移送手段
によって移送を開始するまでの待ち時間に関係なく、上
記移送手段により微量の金属溶液を移送して常に電子回
路基板上においてほぼ一定の幅に供給、塗布することが
できる。
【0018】塗布が終了した後、Arレーザ光等のレー
ザ光を照射して溶媒を蒸発させると同時に、電子回路基
板上に残留した金属合成物(金属錯体)を熱分解して、
金属(例えばPd、金、白金等の貴金属)膜を形成す
る。その後、窒素などの不活性ガス雰囲気中で再度レー
ザ光を照射して、膜質を向上させる。
【0019】このように、待機時にはガラスピペット1
3等の移送手段の先端を金属溶液(金属錯体溶液)に浸
漬しておく(金属溶液が大気に実質的に閉ざされた雰囲
気または容器内に存在する)ため、ガラスピペット13
等の移送手段の先端の状態が一定に保たれ、塗布される
金属溶液(金属錯体溶液)の幅は常にほぼ一定となり、
最終的に得られる導電性膜からなる配線の幅もほぼ一定
となる。このため、信頼度の高い修正部が得られる。
【0020】更には、パルスレーザ光のよる加工を組み
合わせることにより、異物の除去、短絡した回路の切
断、剥離起因のクラックなどの除去と、金属錯体への連
続発振レーザ光照射による局所的な金属膜形成を組み合
わせて、種々の原因で発生した種々の形態の欠陥を修正
することができる。
【0021】図1は本発明の断線修正装置の一実施例の
構成を示す図である。本装置は定盤1、定盤1上に固定
された門型フレーム2、被修正物である電子回路基板3
を載置しXYに駆動するためのステージ5、Arレーザ
発振器6およびYAGレーザ発振器7から発振されたレ
ーザ光8、9の照射と電子回路基板3の観察、位置決め
を行うための門型フレーム2に固定された光学系11、
液体材料12を塗布するためのガラスピペット13とそ
れを保持固定するホルダ14、ガラスピペット13をX
YZ方向に駆動するためのマニピュレータ15、ガラス
ピペット13内に窒素などの不活性ガスを用いて圧力を
印加するためインジェクタ16と配管17、液体材料1
2を格納した容器18と開閉自在に設けられた蓋19、
窒素などの不活性ガスを吹き付けるための配管21とノ
ズル22、および全体の制御を行う制御装置25から構
成されている。また、光学系11は落射照明装置31、
Arレーザ光8とYAGレーザ光9を結合するための結
合プリズム32、レーザ光8、9を任意の大きさの矩形
に成形するための可変スリット33、レーザ光8、9と
照明光を結合するためのミラー34、対物レンズ35、
位置決め、観察するためのTVカメラ36、モニタ3
7、TVカメラ36からの画像信号を処理する画像処理
装置38から構成されている。
【0022】ここで、主な部分の機能を説明する。定盤
1はその上に設置するものを固定するためのもので、実
施に当たっては十分な剛性を有するフレームでも良く、
床からの振動を遮断するために防振装置(図示せず)を
設置することが望ましい。また、門型フレーム2は主に
光学系11を固定保持するためのもので、十分な剛性を
有する。ステージ5は上に載置する電子回路基板3全面
を走査できるストロークを有し、必要に応じて電子回路
基板3を搬送ロボット等で自動的に着脱する位置へ搬送
できるストロークを有する。
【0023】Arレーザ発振器6は後で述べる様に、電
子回路基板3上に塗布した液体材料(金属溶液)を熱分
解したり、レーザアニールするための熱源として使用す
る。YAGレーザ発振器7は後で述べるように、電子回
路基板3上に残留している異物の除去、修正部の形状ト
リミング、透明電極の切欠き等に使用する。それぞれの
発振器から発振したレーザ光8、9は光学系11で集光
・照射されるが、矩形スリット33で任意の大きさの矩
形に成形され、対物レンズ35により電子回路基板3表
面上に、対物レンズ35の倍率の逆数の大きさで投影照
射される。
【0024】マニュピレータ15はガラスピペット13
の先端を、修正すべき欠陥位置に位置決めしたり、液体
材料12を格納した容器18内の液体材料12に浸漬さ
せたりするために用いる。そして、ステージ5およびマ
ニュピレータ15の駆動、液体材料格納容器18の蓋1
9の開閉、レーザ発振器6、7のon、off、矩形ス
リット33の駆動、インジェクタ16による窒素ガス圧
の印加、ノズル22からの不活性ガス吹き付け等の制御
を行う。このように、先端内径が数ミクロンのガラスピ
ペット13から押し出された液体材料12を電子回路基
板3に付着させ、液体材料の表面張力と濡れの釣り合い
で決まる領域に塗布するものであるため、溶媒(有機溶
媒)の種類と量あるいはガラスピペット13の内径、印
加するガス圧などによって塗布寸法を制御可能となる。
即ち、電子回路基板3に濡れやすい溶媒を選択すること
により幅が広く膜厚は薄くなり、濡れにくい溶媒を選択
することにより幅が小さく膜厚は厚くなる。また、溶媒
の量が少ない程粘度が高くなり、膜厚が厚くなる。従っ
て、錯体を塗布する部分に溝を形成する前処理など付加
プロセスを必要とせずに、膜厚や幅の制御が可能とな
る。
【0025】以下に電子回路基板3として液晶表示装置
に用いられるTFT(薄膜トランジスタ:Thin F
ilm Transistor)基板の配線の一部が欠
落している欠陥、即ち断線欠陥を修正する場合を例に、
本発明に係る断線欠陥修正方法の実施の形態について詳
細に説明する。
【0026】TFT基板は、図11に示すように構成さ
れている。図11はTFT基板の画素部を示す平面図及
び断面図である。即ちガラス基板101上にゲート配線
102、層間絶縁層103、アモルファスシリコン層1
04、オーミック膜105、ドレイン配線106、ソー
ス電極107がパターニングされて薄膜トランジスタが
形成されており、ソース電極107は画素電極(ITO
膜)108に接続されている。この後、基板全面にパッ
シベーション膜(保護膜)が形成されるが、本発明の対
象としているドレイン配線106の断線欠陥修正は、図
11に示した状態、即ちパッシベーション膜を形成する
前に実施する。ドレイン配線106には数百の画素が接
続されており、断線欠陥が存在した場合には、断線部よ
り先に信号が伝わらず、線欠陥(常に液晶として白か黒
が表示される。)となり、その基板は不良となる。本発
明は、この不良を救済するために使用される。なお、本
発明をゲート配線102の断線欠陥修正に適用すること
も可能であるが、その時の基板価格(ゲート配線形成時
にはまだ安く、作り直した方が有利)から考えて修正の
効果は小さい。
【0027】TFT基板における断線欠陥の代表的な実
施例を図2に示す。ゲート電極、薄膜トランジスタ、ソ
ース・ドレイン電極を形成する工程を終了した段階のド
レイン線とその周辺を示している。即ち、ガラス基板5
1上に必要に応じて形成されたCr、Al、Ti等の単
一あるいは複数の層からなるドレイン線52(106)
が幅5〜15μm、膜厚0.1〜0.3μmに形成され
ている。その両脇には5〜10μmのスペースを介して
ITO透明電極(画素電極)53、53’(108)が
形成されている。このドレイン線52(106)には図
2(a)に示すような、TFT基板全面にドレイン線材
料膜を形成した際のピンホール、ドレイン線形成工程で
のレジストのピンホール等が原因で発生した断線欠陥5
5、図2(b)に示すように異物が原因で断線して異物
56がそのまま残留した断線欠陥57、図2(c)に示
すようにドレイン線形成後に搬送中などに外部の物体と
接触して発生した断線欠陥58、図2(d)に示すよう
に膜応力の以上や基板への密着力不足が原因で発生した
クラックによる断線欠陥59等が存在する。
【0028】例えば、図2(a)に示す様な一般的な断
線欠陥55を修正する場合について、以下に図に従って
説明する。欠陥が検出されたTFT基板3を搬送ロボッ
ト(図示せず)などによりステージ5上に載置し、検査
装置(後で詳細に説明する。)で検出された欠陥位置情
報に基づいてステージ5を駆動して光学系11の視野内
に欠陥位置を再現する。この検査装置は修正装置とは別
置きとして、検査結果のみを修正装置に通信しても良い
し、修正装置に検出部を設置して1つの装置で検査修正
を実施しても良い。別置きの場合、高価なクリーンルー
ム内に広い場所を必要とするが、大量の欠陥を検査修正
する場合には適している。一方、1つの装置にまとめた
場合は、スループットの点では劣るが、占有する床面積
を低減できる、ステージ・架台・制御装置などを共用で
きるために装置か各を低減できる、検査と修正を交互に
実施するために基板とデータの不一致が生じる恐れが小
さい、ハンドリングの回数が低減できる、等の利点が多
い。
【0029】その後、自動焦点機構(図示せず)により
光学系11全体をZ方向に移動させてTFT基板3表面
にピントをあわせる。ステージ5により基板3をZ方向
に移動させても良い。光学系11を移動させる場合に
は、Arレーザ光8を偏向させるミラー40も一体とし
て移動させることで、Arレーザ光8の光軸を一定に保
つことができる。ここで、TVカメラ36とモニタ37
で再現された断線欠陥を観察して、修正可能な欠陥であ
るか否かを判断すると共に、ドレイン線上の金属錯体の
塗布を開始する位置を視野中央に合わせる。
【0030】次に内部に金属錯体溶液12を充填したガ
ラスピペット13を、マニュピレータ15を駆動して予
め設定したある位置、即ちガラスピペット13の先端が
光学系11の視野中央で基板3表面上50μmの位置に
位置決めする。ここで、ガラスピペット13は図3
(a)に示すように光学系11に一体に固定されている
液体材料格納容器18上に設置された蓋19、19’を
閉じられた状態から、図3(b)に示すように蓋19を
開き、中に格納されている金属錯体溶液12中にガラス
ピペット13先端を浸漬させ、図3(c)に示すように
蓋19、19’を閉じた状態で待機させておく。蓋19
は液体材料格納容器18内に格納されている液体材料1
2から溶媒が蒸発するのを防ぐ目的で設けてある。この
時、ガラスピペット13内に金属錯体溶液12が充填さ
れていなくても、毛細管現象と液面差による圧力により
自動的に充填される。この状態から、図3に示した手順
の逆を行ってガラスピペット13を容器18から取り出
し、設定された位置に位置決めする。この時、容器18
の蓋19、19’は閉じた状態で保つ。
【0031】ここでは、格納容器18内の金属錯体溶液
12から溶媒が蒸発するのを防ぐため、開閉可能な蓋1
9を設けることで説明してきたが、これに限定されるも
のではなく、この目的を達するために他の手段も採りう
る。例えば図4に示すように、液体材料格納容器41に
ガラスピペット13が挿入可能な穴42とその内側に移
動可能な遮蔽版43を設けておき、ガラスピペット13
が穴42に挿入されているときは穴42が貫通状態に、
ガラスピペット13が穴42に挿入されていないときは
穴42が遮蔽状態になるように移動させる。さらに、ガ
ラスピペット13につば44を設けて、穴42に挿入さ
れている場合に隙間からの蒸発を防ぐことができる。
【0032】また、図5に示すように蓋45が開いた状
態で液体材料格納容器46に、つば44’を有するガラ
スピペット13を挿入し、先端を格納容器46内の液体
材料12に浸漬しつつ、つば44で蓋をするとともに蒸
気発生装置47から配管48を介して格納容器46内に
溶媒の蒸気を供給して、溶媒の飽和蒸気圧あるいは飽和
蒸気圧に近い状態に保つことにより、格納容器46内の
液体材料からの溶媒の蒸発を防ぐことができる。ガラス
ピペット13で配線断線部に液体材料12の供給を行っ
ている間は、蓋45を閉じることで格納容器46内の液
体材料からの溶媒の蒸発を防ぐことができる。
【0033】また、ガラスピペット13を取り付けたマ
ニュピレータ15によって移送手段を構成し、待ち時間
の間上記ガラスピペット13の先端を大気に触れないよ
うに開閉される室で囲み、この室に例えば不活性ガスを
供給することによってガラスピペット13の先端部にお
いて溶媒が蒸発して液体材料(金属錯体溶液)12の粘
度が増加したり、固まることが防止することができる。
この場合、ガラスピペット13につながる後側に金属錯
体溶液を貯える小型の容器を接続し、微量の金属錯体溶
液を移送して電子回路基板3上に移送して供給を開始す
る際、上記室を開いて上記容器内または上記ガラスピペ
ット13につながる通路に不活性ガスによる圧力を印加
することによって、ガラスピペット13の先端から常に
微量の金属錯体溶液を出して、塗布される金属溶液(金
属錯体溶液)の幅も常にほぼ一定とすることができ、そ
の結果最終的に得られる導電性膜からなる配線の幅もほ
ぼ一定にすることができる。
【0034】ここで金属錯体溶液の供給を開始するが、
開始時の基板3とガラスピペット13の位置関係を示し
たのが図6(a)である。即ち、ガラス基板上に形成さ
れたドレイン線の断線欠陥部に隣接するドレイン線(金
属錯体の塗布を開始する位置)上方にガラスピペット1
3が位置決めされている。その右側の円内に示したのは
光学系11視野の中央部の観察像である。ドレイン線上
にガラスピペットの先端が観察される。この時対物レン
ズの倍率によっては、ガラスピペットの像はぼけてみえ
る場合もあるが、それでも良い。
【0035】この状態から、ガラスピペット13を徐々
に降下させるとやがてガラスピペット13先端は図6
(b)に示すようにドレイン線52表面に接触する。更
に降下すると、ガラスピペット13先端が弾力性により
たわみ、図6(c)に示すように観察視野の中でガラス
ピペット13先端方向にシフトする。このシフトを観察
することで、ガラスピペット13先端がドレイン線52
に接触したことを確認できる。また、シフトする量を一
定に保つことで、常に一定の接触状態を再現することが
できる。このシフト量を大きくするとドレイン線52に
力がかかり、ドレイン線52にダメージを与える恐れが
あるので、通常は1〜10μmで設定される。このガラ
スピペット13先端の基板3表面への接触の検出は、T
Vカメラ36で撮像した信号を画像処理装置38で処理
することで容易に検出することができる。即ち、ガラス
ピペット13が一定距離、例えば5μm降下するたびに
画像を撮り込んで一つ前の画像と比較し、差が生じた場
合にガラスピペット13が画面内でシフトしたとみなす
ことがでる。このシフト発生を検出することで、ガラス
ピペット13の基板3への接触を検出できる。
【0036】接触を確認後、インジェクタ16で予め設
定してある圧力の窒素を供給開始する。この窒素圧によ
り、ガラスピペット13内に充填されている金属錯体溶
液12がガラスピペット13先端から押し出され、ドレ
イン線52上に塗布される。一定圧力を印加して金属錯
体溶液12を押し出しながら、図6(d)に示すように
一定速度でガラスピペット13を接触させたまま移動す
ることにより、断線部55とその両端のドレイン線5
2、52’上に一定幅の金属錯体溶液12の塗膜60を
形成することができる。
【0037】この時形成される金属錯体溶液膜60は、
ガラスピペット13の内径がおよそ1μm、外形が10
μmの場合で、窒素圧力を100〜400kPaとする
ことで、幅5〜15μmが得られる。窒素圧力はパルス
的に印加しても良い。また、この時の移動は、マニピュ
レータ15によりガラスピペット13を動かしても良い
し、ステージ5を動かしても良い。但し、移動する相対
的な方向は上方から観察した状態でガラスピペット13
先端方向に対して、90〜270度の範囲が望ましい。
【0038】ここで、使用する金属錯体溶液12とし
て、Pd(CF3COO)2(トリフルオロ酢酸パラジウ
ム)をN−メチル−2−ピロリドンとアセトニトリルに
溶解したものが適している。組成比はPd(CF3CO
O)2を30〜60重量%とし、残りを重量比が1対1
のN−メチル−2−ピロリドンとアセトニトリルとした
ものが最適である。。しかし、本発明はこの材料に限定
されるものではなく、金、白金、パラジウム等の貴金属
の錯体を有機溶媒に溶解したものが使用でき、また溶媒
としてトルエン、キシレン、ブチロニトロル、プロピオ
ニトリル等の有機溶媒を使用することができる。その
他、金属の超微粒子を有機溶媒中に分散させた液体材料
についても同様に使用することができる。
【0039】塗布が終了すると、ガラスピペット13は
図3で示したように、金属錯体溶液格納容器18内に戻
し、待機状態とする。当然、ガラスピペット13先端は
金属錯体溶液12内に浸漬され、蓋19が閉じられる。
【0040】金属錯体溶液が塗布された状態は図7
(a)に示すとおりである。ここで、上の図は平面図
を、下の図は断面図を示す。即ち、金属錯体溶液60は
断線部とその両端のドレイン線52、52’の上に塗布
されており、ドレイン線52の両脇のITO膜53、5
3’には接触していない状態である。ドレイン線52、
52’の幅は約5〜15μm程度であり、ドレイン線5
2、52’とITO膜53、53’との間の間隙は約5
〜10μm程度である。ここで、ステージ5を駆動して
Arレーザ光8の照射領域が塗布された金属錯体溶液膜
60のすぐ外側になるように位置決めされる。しかる
後、Arレーザ発振器6を発振させ(あるいはArレー
ザ発振器6は常に発振状態としてシャッタを開き)、A
rレーザ光8の照射を開始すると共にステージ5を一定
速度で駆動する。これにより、図7(b)に示すように
Arレーザ光8が照射された部分は、金属錯体溶液膜6
0から有機溶媒が蒸発すると共に、金属錯体(Pd錯
体)が熱分解してPd膜70が析出する。このArレー
ザ照射は金属錯体の分解を促進するため、あるいは金属
錯体の有機成分を除去するためにも、大気中で行うこと
が望ましい。Arレーザ光8の照射領域が金属錯体溶液
膜60から外れるまで移動した時点で、Arレーザ光8
の照射を停止する。これにより得られたPd膜70は、
大気中で加熱されたために膜の一部が酸化されており、
形成された膜の比抵抗は高い。ここで、照射するArレ
ーザ光8のパワー密度は5〜30×103W/cm2の範
囲から選択される。最適値は金属錯体溶液膜60の膜
厚、含まれるPd濃度等によって異なる。本実施例では
レーザ光源としてArレーザ発振器6を使用している
が、それに限定されることはない。塗布膜を局所的に加
熱できれば良く、種々のレーザ発振器を使用することが
できるが、連続発振レーザ光が望ましいことは言うまで
もない。
【0041】次に、ノズル22から窒素を吹き付け、A
rレーザ光8が照射される領域を窒素雰囲気にする。こ
の状態で、図7(c)に示すように先程のArレーザ照
射で形成したPd膜70に再度Arレーザ光8をステー
ジ5を駆動させつつ照射する。尚、ステージ5の駆動方
向は大気中でのレーザ照射終了位置から開始位置へ戻っ
ても良く、また大気中でのレーザ照射開始位置から繰り
返しても良い。この二度目のArレーザ光8の照射によ
り、酸素濃度の低い雰囲気で加熱されるために、Pd膜
70中の酸化物から酸素が遊離して金属Pd膜71が得
られる。Pd膜70全体が窒素雰囲気中でレーザ照射さ
れ、全体が金属Pd膜71になった時点でArレーザ光
8の照射を終了して、断線欠陥の修正が完了する。この
時の照射条件として、パワー密度は10〜30×103
W/cm2の範囲が望ましい。少なくとも、大気中で照
射したレーザパワー密度よりも高いことが求められる。
【0042】同一基板上に複数の断線欠陥が存在する場
合には、必要な回数だけ上記修正手順を繰り返す。全て
の欠陥を修正し終えると、ステージ5を駆動して基板搬
送位置まで移動させ、搬送ロボット(図示せず)などに
より基板3を取り外して新たな基板をステージ5上に載
置する。
【0043】以上で説明したように、電子回路基板上の
配線の断線部を修正するために、液体材料を必要な部分
のみに供給し、レーザ光を照射して金属膜を形成して修
正する。この際、液体材料を供給するためのガラスピペ
ット先端を常に液体材料に浸漬しておくことにより、液
体材料中の溶媒の蒸発による液体材料の粘度変化やピペ
ット先端の閉塞を起こすことなく、ピペットに印加する
圧力を一定にしても一定の幅、膜厚に供給することがで
きる。
【0044】次に、図7(a)に示すような単純な断線
欠陥ではない場合について、図に従い詳細に説明する。
先ず、図7(a)に示すように金属錯体溶液膜60を塗
布すべきところを、何らかの原因で図8(a)に示すよ
うに金属錯体溶液膜61がITO膜に接触した場合の処
理方法について述べる。このような場合、レーザ光を照
射してPd膜72を形成してそのまま放置すると、Pd
膜72が接触しているITO膜53が構成している画素
は不良となってしまう。このため、図7で示した手順に
従って、先ず大気中でArレーザ光8を照射し、次いで
窒素雰囲気中で再度Arレーザ光8を照射して、図8
(b)に示す様に金属錯体溶液膜61を金属Pd膜72
に変える。
【0045】次いで、パルスYAGレーザ光9の照射領
域81(破線で表示)をドレイン線52、52’とIT
O膜53が短絡している部分に合わせ、パルスYAGレ
ーザ光9を発振して除去加工を行い、図8(c)に示す
ように短絡部を切り離す。この時、金属Pd膜72は通
常のスパッタ成膜等の手段で形成した膜と比較して脆い
場合があり、パルスYAGレーザ光9の照射により照射
部以外までも加工される恐れがある。このような恐れが
ある場合には、図8(d)に示すように、パルスYAG
レーザ光9の照射を繰り返してITO膜53を加工し、
短絡部を切離す。この方法により、ITO膜53の一部
が機能を果たせなくなるが、1画素分のITO膜53の
面積と比較して、切り離される部分は十分に小さいの
で、実用上は全く問題ない。
【0046】次に、図2(b)に示した異物56が残留
している断線欠陥57の修正について述べる。断線修正
に先立って、パルスYAGレーザ9の照射により異物5
6の除去を行う。もし異物56を完全に除去でき、異物
56を除去した跡が平坦で残留物がなければ、改めて図
7に示した手順で修正すれば良い。しかし、異物56が
レジストやポリイミド等の有機物の場合など、パルスY
AGレーザ9では完全に除去するのが難しく、残渣が残
ってしまう。このような場合に、図7に示した手順で修
正した部分は再び断線してしまうことが多い。
【0047】即ち、このように異物がそのまま残ってい
る場合、異物が大きいと金属Pd膜(導電性膜)が乗り
越える際に段切れを起こしてしまう。段切れを起こさな
いまでも後工程で熱的な応力が発生した場合にクラック
が発生し、断線にいたる。このため、異物はパルスYA
Gレーザ9などで除去する必要がある。完全に除去でき
た場合には図7に示すように単なる断線欠陥と同じ取り
扱いができる。
【0048】しかし、一般的には異物はパルスYAGレ
ーザ9では完全に除去できない。異物が大きい場合、無
理に異物を除去しようとすると、レーザによる飛散物が
大量に周辺に付着し、修正不可能な状態になってしま
う。異物がフォトレジストなどの有機物の場合、パルス
YAGレーザ9により、部分的に分解あるいは除去さ
れ、最終的に灰状の残渣が残る。この状態で金属Pd膜
(導電性膜)を形成しても、金属Pd膜が基板に密着し
なかったり、金属錯体溶液が残渣中に染み込んで金属P
d膜が形成できず、できても段面積が小さくなって、後
工程で熱応力が発生した場合に断線する。このため、異
物上(パルスYAGレーザを照射した後でも完全に除去
できたことが確認できない限り)は金属錯体溶液の塗布
を避けるべきである。そこで、図9に示すように金属P
d膜が異物を回避するように形成する。
【0049】なお、TFT基板とカラーフィルタ基板の
ギャップは一定(品種により異なるが、一般的には5〜
10ミクロン)に保つ必要があり、巨大異物は許されな
い。巨大異物が存在する場合は、その基板は不良とな
る。このため、パルスYAGレーザで異物を小さく(薄
く)することは、不良を救う意味からも効果がある。こ
の処理の後、金属Pd膜が異物残渣を迂回するように形
成して、修正を行うことで歩留まり向上が達成できる。
【0050】即ち、図9(a)に示すように、金属錯体
溶液膜62を異物を迂回するように形成する。この場
合、当然金属錯体溶液膜62は隣接するITO膜53と
短絡する経路となる。金属錯体溶液膜62を塗布後、大
気中でArレーザ光8を照射し、次いで窒素雰囲気内で
再度Arレーザ光8を照射して、図9(b)に示すよう
に金属錯体溶液膜62を金属Pd膜73に変える。次い
で、パルスYAGレーザ光9を照射し、金属Pd膜73
の外側を除去加工して溝82を形成し、図9(c)に示
すように金属Pd膜73が短絡しているITO膜53を
切り離す。この方法も図8(d)に示した場合と同様
に、ITO53膜の一部が機能を果たせなくなるが、1
画素分のITO膜53の面積と比較して、切り離される
部分は十分に小さいので、実用上は全く問題ない。
【0051】この他、図2(c)に示した様な物体がこ
すれて発生した断線部58の修正は、ドレイン線52の
材料がITO膜53に接触しているので、パルスYAG
レーザ光9によりドレイン線52の領域からはみ出して
いる部分を除去してから、図7に示した手順で修正すれ
ば良い。また、図2(d)に示したようにクラックが原
因で発生したドレイン線52の断線欠陥59は、パルス
YAGレーザ光9の照射によりドレイン線52のクラッ
クの周辺あるいはクラックが原因で剥離した部分を除去
した後、図7に示した手順で接続することで、修正する
ことができる。尚、図2(d)を修正する場合、パルス
YAGレーザ照射によりドレイン線52の材料金属が周
辺に飛散して、ITO膜53と短絡する場合があるが、
短絡部をパルスYAGレーザ光9で除去することで解決
する。
【0052】次に本発明の他の実施の形態について説明
する。図10は、修正部と検査部とを有する断線欠陥修
正装置の他の実施例を示す構成図である。ここで、修正
部は図1と同じであり、詳細は省略してある。電子回路
基板(TFT基板)3はステージ5の上に放射電極基板
97を介して載置される。門型フレームには検出回路9
0が設置され、断線を有する配線のパッドにプローブ9
1を接触でき、正しく接触したか否かを観察光学系92
とTVカメラ93で撮像し、画像処理装置94で信号処
理するとともにモニタ95で観察できる。また、これら
は制御装置96により制御される。
【0053】ここで、どの配線に断線欠陥があるかは別
な装置で検査した方が能率良く、検査結果を通信、或い
は磁気媒体を通して修正装置に伝達することができる。
基板3がステージ5(正確には放射電極基板97)上に
固定され、検査部位置に移動する。観察光学系92で観
察しながらプローブ91を断線のある配線パッドに接触
させる。詳細は位置決め及び接触のための動作はステー
ジ5を移動させても良いし、観察光学系90或いはプロ
ーブ91の移動によっても良い。
【0054】放射電極基板97には断線位置を特定する
必要のある配線に直交する方向に300から1000ミ
クロンピッチで導電性材料の薄膜パターン(放射電極)
が形成されている。検査されるべき配線と直交している
放射電極に、電源(図示せず)により順次パルス信号を
印加し、ガラス基板(誘電体)を挾んで静電結合による
信号波形をプローブ91により検出する。静電結合によ
る検出信号は断線部の前後で大きく変化するので、検出
回路90で信号処理し、比較することで断線位置が何本
目の放射電極位置にあるかを検出することができる。
【0055】この検出結果から断線位置を算出し、ステ
ージ5を駆動して修正部観察光学系鏡筒11の視野中央
に位置決めする。この後の修正手順は前に述べた通りで
ある。
【0056】ここでは断線位置を検出するためにパルス
信号印加による静電結合で発生する信号を検出したが、
他の方法を用いることもできる。即ちステージ5を移動
しながら断線欠陥の存在する配線を端から順次、光学系
92とTVカメラ93で撮像し、得られた映像信号を画
像処理装置94で処理して光学的に検出することもでき
る。また2本の配線を同時に撮像して比較し、相違点を
検出することで断線を検出しても良い。要するに、方式
によらず検査部と修正部とを一体化することで、使い勝
手がよく確実な断線の修正を行うことができる。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、電子回路基板の配線断
線部を修正する場合に、修正材料となる液体材料が溶媒
を含む材料であっても、溶媒の蒸発による液体材料の粘
度変化や材料吐出口の閉塞を起こすことなく、常に一定
の条件で配線断線部の必要とする部分に供給でき、これ
により信頼性の高い修正を行うことができ、その結果、
断線欠陥のある基板を救済することでき、製品の歩留ま
りの向上、ひいては製造コストの低減を行うことができ
る効果を奏する。また本発明によれば、修正材料である
液体材料が配線断線部に隣接する導電体に接触して塗布
された場合においても、レーザ加工により接触した部分
を切り離すことにより、他の部分に影響を与えることな
く修正を行うことができる効果を奏する。また本発明に
よれば、。その結果、断線欠陥のある基板を救済するこ
とでき、製品の歩留まりの向上、ひいては製造コストの
低減を行うことができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る配線修正装置の一実施例を示す構
成図である。
【図2】本発明に係る修正対象である断線欠陥を示す説
明図である。
【図3】本発明に係る格納容器中の液体材料にピペット
先端を浸漬するときの動作を示す説明図である。
【図4】図3に示す液体材料格納容器の別な形態を示す
説明図である。
【図5】図3に示す液体材料格納容器の別な形態を示す
説明図である。
【図6】本発明に係るピペットに充填した液体材料を断
線欠陥部塗布する動作を示す説明図である。
【図7】本発明に係る断線欠陥部に塗布した液体材料膜
にレーザを照射して導電性膜を形成する手順を示す説明
図である。
【図8】本発明に係る断線修正のために形成した導電性
膜が隣接のパターンに接触した場合の救済方法を示す説
明図である。
【図9】本発明に係る断線部に異物が残留している場合
の修正手順を示す説明図である。
【図10】本発明に係る配線修正装置の他の一実施例を
示す概略構成図である。
【図11】本発明に係るTFT基板の画素部を示す図
で、(a)はその平面図、(b)は(a)におけるA−
A矢視断面図である。
【符号の説明】
3…電子回路基板(TFT基板)、5…ステージ、6…
Arレーザ発振器 7…パルスYAGレーザ発振器、11…光学系 12…液体材料(金属溶液、金属錯体溶液)、13…ガ
ラスピペット 15…マニュピレータ、22…ノズル、25…制御装
置、32…結合プリズム 33…可変スリット、35…対物レンズ 52(106)…ドレイン線、53(108)…ITO
膜、55…断線欠陥 56……異物、61、62……金属錯体膜、70……P
d膜、71、72、73……金属Pd膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 重信 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 奥中 正昭 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 松崎 英夫 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 宮田 一史 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所電子デバイス事業部内 (72)発明者 轟 悟 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所電子デバイス事業部内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気に実質的に閉ざされた雰囲気または容
    器内に存在する溶媒で溶解させた金属溶液から微量の金
    属溶液を移送手段を用いて電子回路基板上の配線の断線
    部に移送して供給し、この供給された微量の金属溶液に
    対してレーザ光を照射して加熱して導電性膜を形成して
    配線断線部を接続することを特徴とする電子回路基板の
    配線修正方法。
  2. 【請求項2】大気に実質的に閉ざされた雰囲気または容
    器内に存在する溶媒で溶解させた金属溶液から微量の金
    属溶液を移送手段を用いて電子回路基板上の配線の断線
    部に移送して供給し、この供給された微量の金属溶液に
    対してレーザ光を照射して加熱して導電性膜を形成して
    配線の断線部を接続し、更に少なくとも前記導電性膜の
    部分を不活性ガス雰囲気にして前記導電性膜に対してレ
    ーザ光を照射して導電性膜の電気的特性を向上すること
    を特徴とする電子回路基板の配線修正方法。
  3. 【請求項3】大気に実質的に閉ざされた雰囲気または容
    器内に存在する有機溶媒で溶解させた金属錯体溶液から
    微量の金属錯体溶液を移送手段を用いて電子回路基板上
    の配線の断線部に移送して供給し、この供給された微量
    の金属錯体溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導
    電性膜を形成して配線の断線部を接続することを特徴と
    する電子回路基板の配線修正方法。
  4. 【請求項4】大気に実質的に閉ざされた雰囲気または容
    器内に存在する有機溶媒で溶解させた金属錯体溶液から
    微量の金属錯体溶液を移送手段を用いて電子回路基板上
    の配線の断線部に移送して供給し、この供給された微量
    の金属錯体溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導
    電性膜を形成して配線の断線部を接続し、更に少なくと
    も前記導電性膜の部分を不活性ガス雰囲気にして前記導
    電性膜に対してレーザ光を照射して導電性膜の電気的特
    性を向上するすることを特徴とする電子回路基板の配線
    修正方法。
  5. 【請求項5】溶媒で溶解させた微量の金属溶液を電子回
    路基板上の配線の断線部に供給し、この供給された微量
    の金属溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導電性
    膜を形成して配線断線部を接続し、該導電性膜が配線の
    断線部に隣接する配線若しくは電極に接触して短絡状態
    になった場合には前記配線若しくは電極の一部をレーザ
    加工により除去して切り離すことにより短絡状態を回避
    することを特徴とする電子回路基板の配線修正方法。
  6. 【請求項6】溶媒で溶解させた微量の金属溶液を電子回
    路基板上の配線の断線部に供給し、この供給された微量
    の金属溶液に対してレーザ光を照射して加熱して導電性
    膜を形成して配線断線部を接続し、該導電性膜が配線の
    断線部に隣接する配線若しくは電極に接触して短絡状態
    になった場合には前記導電性膜の一部をレーザ加工によ
    り除去して切り離すことにより短絡状態を回避すること
    を特徴とする電子回路基板の配線修正方法。
  7. 【請求項7】有機溶媒で溶解させた微量の金属錯体溶液
    を電子回路基板上の配線の断線部に供給し、この供給さ
    れた微量の金属錯体溶液に対してレーザ光を照射して加
    熱して導電性膜を形成して配線の断線部を接続し、該導
    電性膜が配線の断線部に隣接する配線若しくは電極に接
    触して短絡状態になった場合には前記配線若しくは電極
    の一部をレーザ加工により除去して切り離すことにより
    短絡状態を回避することを特徴とする電子回路基板の配
    線修正方法。
  8. 【請求項8】有機溶媒で溶解させた微量の金属錯体溶液
    を電子回路基板上の配線の断線部に供給し、この供給さ
    れた微量の金属錯体溶液に対してレーザ光を照射して加
    熱して導電性膜を形成して配線の断線部を接続し、該導
    電性膜が配線の断線部に隣接する配線若しくは電極に接
    触して短絡状態になった場合には前記導電性膜の一部を
    レーザ加工により除去して切り離すことにより短絡状態
    を回避することを特徴とする電子回路基板の配線修正方
    法。
  9. 【請求項9】前記電子回路基板上の配線が、TFT基板
    上のドレイン配線であることを特徴とする請求項1乃至
    8から選択される一つ記載の電子回路基板の配線修正方
    法。
  10. 【請求項10】TFT基板上のドレイン線の断線部を金
    属を含む液体から熱分解して得られる金属からなる導電
    性膜により画素電極から電気的に離して接続したことを
    特徴とするTFT基板。
  11. 【請求項11】前記金属が、金、白金、パラジウムの何
    れかで形成したことを特徴とする請求項10記載のTF
    T基板。
  12. 【請求項12】電子回路基板を載置して位置決めを行う
    電子回路基板の位置決め機構と、溶媒で溶解された金属
    溶液を収納する容器と、該容器に収納された金属溶液か
    ら微量の金属溶液をピペットに充填し、このピペットに
    充填した微量の金属溶液を前記電子回路基板の位置決め
    機構によって位置決めされた電子回路基板上の配線断線
    部へ移送してピペットに供給された不活性ガス圧によっ
    て前記電子回路基板上の配線断線部に供給するピペット
    移送手段と、該ピペット移送手段によって電子回路基板
    上の配線断線部へ供給された微量の金属溶液に対してレ
    ーザ光源から出射されたレーザ光を集光照射をすること
    によって導電性膜を形成して配線断線部を接続する集光
    照射光学系とを備えたことを特徴とする電子回路基板の
    配線修正装置。
  13. 【請求項13】更に前記集光照射光学系によってレーザ
    光が集光照射されて導電性膜が形成される領域を不活性
    ガス雰囲気にする不活性ガス雰囲気形成手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項12記載の電子回路基板の配線修
    正装置。
  14. 【請求項14】前記集光照射光学系は、レーザ光を任意
    の大きさの矩形に成形する矩形可変スリットを備えたこ
    とを特徴とする請求項12記載の電子回路基板の配線修
    正装置。
  15. 【請求項15】前記配線の欠陥位置を検出する欠陥位置
    検出光学系を備えたことを特徴とする請求項12記載の
    電子回路基板の配線修正装置。
  16. 【請求項16】前記レーザ光源をパルスレーザ発振器と
    連続発振レーザ発振器とから構成したことを特徴とする
    請求項12記載の電子回路基板の配線修正装置。
  17. 【請求項17】パルスレーザ発振器と連続発振レーザ発
    振器との各々からレーザ光を共通の光軸に結合する光学
    素子と、両方のレーザ光を任意の大きさの矩形に成形す
    る矩形可変スリットとを備えたことを特徴とする請求項
    16記載の電子回路基板の配線修正装置。
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