JPH09131121A - 全稈投入型コンバインの穀稈搬送部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 横送りオーガからの刈取り穀稈を搬送ケース
に沿わせて搬送する無端回動コンベアと搬送ケースとの
間に穀稈が入り込みにくいようにする。 【解決手段】 無端回動コンベア１８の横側にコンベア
カバー２４を備えてある。このコンベアカバー２４は、
コンベア１８の搬送体１８ｂの横端と、搬送ケース１４
の側壁内面１４ｄとの間に位置してコンベア１８の側方
を覆う側方カバー部分２４ａと、この側方カバー部分２
４ａからコンベア１８の外側に延出している外周カバー
部分２４ｂとを備えており、側方カバー部分２４ａによ
って搬送体１８ｂと側壁内面１４ｄとの隙間を狭くし、
搬送体１８ｂと側方カバー部分２４ａとの隙間の前方を
横送りオーガ１７の搬送経路Ｒに直接連通しないように
外周カバー部分２４ｂによって覆っている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、植立穀稈に作用す
る刈取り装置、この刈取り装置からの刈取り穀稈の全体
を機体横方向に搬送する横送りオーガ、この横送りオー
ガからの刈取り穀稈の全体を搬送ケースの底面に沿わせ
て機体後方に搬送して脱穀装置に供給する無端回動コン
ベアを備えている全稈投入型コンバインの穀稈搬送部構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記穀稈搬送部において、従来、搬送ケ
ースの側壁内面と無端回動コンベアとの隙間が横送りオ
ーガの搬送経路に直接に開口していた。また、無端回動
ベルトや搬送ケースの製作誤差や組付け誤差によっては
前記隙間が大きくなることがあった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】搬送ケースの側壁内面
と無端回動コンベアとの隙間が横送りオーガの搬送経路
に直接に開口したり大きくなったりすると、その隙間に
穀稈が入り込みやすくなる。この穀稈入り込みが発生す
ると、穀稈は無端回動コンベアを構成している搬送体に
絡み付き、無端回動コンベアによって搬送される穀稈が
搬送終端部に到達しても、穀稈自体が搬送体に絡み付い
ていることや、搬送体に絡み付いている穀稈に他の穀稈
が引っ掛かっていることによってコンベアから離れなく
てコンベアの戻り経路に持ち込まれる事態が発生しやす
くなる。すると、そのコンベアが穀稈を脱穀機に直接供
給する場合には脱穀機への送り込みが悪くなりやすく、
そのコンベアからの穀稈を受け継いで脱穀機に供給する
別のコンベアなどの供給装置が存在する場合にはその供
給装置に対するに送り込みが悪くなりやすいのである。
本発明の目的は、無端回動コンベアによる穀稈の送り込
み不良が発生しにくい穀稈搬送部構造を提供することに
ある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１による発明の構
成、作用、効果はつぎのとおりである。

【０００５】〔構成〕植立穀稈に作用する刈取り装置、
この刈取り装置からの刈取り穀稈の全体を機体横方向に
搬送する横送りオーガ、この横送りオーガからの刈取り
穀稈を搬送ケースの内部で機体後方に搬送して脱穀装置
に供給する無端回動コンベアを備えている全稈投入型コ
ンバインの穀稈搬送部構造であって、前記無端回動コン
ベアのうちの搬送始端側コンベア部分の横端と前記搬送
ケースの側壁内面との間に位置して前記搬送始端側コン
ベア部分の横側を覆っている側方カバー部分と、この側
方カバー部分から前記無端回動コンベアの横幅方向での
内側に向かって延出して前記搬送始端側コンベア部分の
横端部の外周側を覆っている外周カバー部分とを有して
いるコンベアカバーを備えている。

【０００６】〔作用〕側方カバー部分がコンベアの横端
と搬送ケースの側壁内面との間に位置していることによ
り、搬送ケースの側壁内面とコンベアとの隙間が側方カ
バー部分のために狭くなるとともに横送りオーガによる
搬送経路に開口しないように閉じられる。この場合、側
方カバー部分とコンベアとの間に、搬送ケースとコンベ
アの隙間より狭い隙間ができるが、この隙間は側方カバ
ー部分から延出してコンベアの外周側を覆っている外周
カバー部分により、横送りオーガの搬送経路に直接に開
口しないように覆われる。

【０００７】〔効果〕コンベア搬送始端側でのコンベア
と搬送ケース側壁との隙間を従来より狭くできるととも
に、そのためのコンベアカバーとコンベアとの間にでき
る隙間を横送りオーガの搬送経路に直接に開口しないよ
うにカバーできることにより、穀稈がコンベアの搬送始
端側でコンベアと搬送ケース側壁との間に入り込んでコ
ンベアに絡み付くことを防止し、穀稈が脱穀機側に効率
よく送り込まれて能率よく脱穀処理されるようにでき
た。

【０００８】請求項２による発明の構成、作用、効果は
つぎのとおりである。

【０００９】〔構成〕請求項１による発明の構成におい
て、前記搬送始端側コンベア部分が巻回しているコンベ
ア支持体を前記搬送ケースに対して前記無端回動コンベ
アによる穀稈搬送方向に取付け位置変更すると、前記コ
ンベアカバーが前記コンベア支持体と共に前記搬送ケー
スに対して移動する状態に前記コンベア支持体が前記コ
ンベアカバーを支持している。

【００１０】〔作用〕コンベアに伸びが発生して張力調
節を行うなど、コンベア支持体の搬送ケースの対する取
付け位置を変更すると、コンベアの搬送始端側も搬送ケ
ースに対して移動する。このため、コンベアカバーが搬
送ケースに直接に連結するなどコンベア支持体とは別に
支持されていると、コンベアカバーの取り付け位置もコ
ンベア支持体と同じ方向に変更して、コンベア支持体の
位置変更にかかわらずコンベアと外周カバー部分とが当
たらないように調節するとか、コンベアと外周カバー部
との間隔が広くなり過ぎないように調節するとかの手間
がコンベア支持体の位置変更手間とは別に必要になる
が、コンベアカバーがコンベア支持体に支持されていて
コンベア支持体と共に移動することにより、コンベア支
持体の位置変更を行えばコンベアカバーの位置調節も一
挙に行える。

【００１１】〔効果〕コンベアの張力調節が必要になっ
ても、コンベア支持体の位置調節を行うだけでコンベア
カバーの位置調節をも一挙に行えて、穀稈が送り込み不
良のないように効率よく搬送される状態が操作簡単に得
られる。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１に示すように、稲、麦などの
植立穀稈に作用する分草具１１、回転リール１２および
バリカン型刈取り装置１３などを備えた刈取り作業装置
１０を、クローラ走行装置１、運転キャビン２、脱穀装
置３、穀粒タンク４、この穀粒タンク４から穀粒を取り
出すスクリューコンベア６などを備えた自走機体の前部
にリフトシリンダ（図示せず）によって昇降操作するよ
うに連結するとともに、刈取り作業装置１０からの刈取
り穀稈の穂先部と稈身部の全体を前記脱穀装置３の扱室
に導入して機体前後方向の軸芯まわりで回動する扱胴３
ａによって脱穀処理し、脱穀粒を前記穀粒タンク４に送
り込むように構成して、全稈投入型コンバインを構成し
てある。

【００１３】脱穀装置３の前部に機体横方向の軸芯Ｘま
わりで上下に揺動するように連結した筒状の搬送ケース
１４、この搬送ケース１４の遊端側に連結した前処理フ
レーム１５、この前処理フレーム１５の前端部に取り付
けた前記分草具１１および刈取り装置１３、前記前処理
フレーム１５の刈取り装置１３の後方側に取り付けたコ
ンベア１６と横送りオーガ１７、前処理フレーム１５か
ら延出している支持アーム１５ｃに駆動回動自在に取り
付けた前記回転リール１２、前記搬送ケース１４の内部
に設けた前後一対の無端回動コンベア１８，１９のそれ
ぞれにより、前記刈取り作業装置１０を構成してある。
分草具１１は機体走行に伴って植立穀稈を刈取り対象穀
稈と非刈取り対象穀稈とに分草し、刈取り対象穀稈を前
処理フレーム１５の左右一対の側壁部１５ａの内側に案
内する。分草具１１からの刈取り穀稈の穂先側を回転リ
ール１２が機体後方側に掻き寄せ、その刈取り穀稈の株
元側を刈取り装置１３が刈り取る。刈取り装置１３から
の刈り取り穀稈の穂先部と稈身部の全体をコンベア１６
が機体後方に搬送して横送りオーガ１７に供給する。横
送りオーガ１７はコンベア１６からの刈取り穀稈を前処
理フレーム１５の両横側から内側に機体横方向に搬送し
て前記搬送ケース１４に送り込む。横送りオーガ１７か
らの刈取り穀稈を一対の無端回動コンベア１８，１９が
搬送ケース１４に沿わせて機体後方に搬送してその穂先
部と稈身部との全体を脱穀装置３の扱室の穀稈受入れ口
に送り込む。これにより、刈取り作業装置１０は、植立
穀稈を刈り取り、刈取り穀稈の穂先部と稈身部との全体
を機体後方に搬送して脱穀装置３の扱室に供給する。

【００１４】図２および図３に示すように、横送りオー
ガ１７は前記前処理フレーム１５の底板部１５ｂの上面
側に機体横方向の軸芯まわりで回転方向Ａに回動駆動さ
れる状態で位置しているとともに刈取り装置１３の刈り
幅にほぼ等しい長さを有する円筒体で成るオーガ本体、
このオーガ本体の一端側に位置する第１螺旋搬送体１７
ａ、前記オーガ本体の他端側に位置するとともに前記第
１螺旋搬送体体１７ｂとは螺旋方向が逆の第２螺旋搬送
体１７ｂ、両螺旋搬送体１７ａ，１７ｂの間に位置する
とともにオーガ本体が一体回動および摺動出退自在に支
持するように構成した送込み杆１７ｃを備えている。第
１螺旋搬送体１７ａは、刈取り装置１０の一端側からの
刈取り穀稈を前記底板部１５ａの上面側の搬送経路Ｒに
沿わせて搬送ケース１４の前方まで横送りし、第２螺旋
搬送体１７ｂは、刈取り装置１０の他端側からの刈取り
穀稈を前記搬送経路Ｒに沿わせて搬送ケース１４の前方
まで横送りし、搬送ケース１４の前方に到達した刈取り
穀稈を送込み杆１７ｃが搬送ケース１４の穀稈受入れ口
１４ａに掻き込み供給する。これにより、横送りオーガ
１７は、刈取り装置１３からの刈取り穀稈を前処理フレ
ーム１５の両側から前記搬送経路Ｒに沿わせて内側に横
送りして搬送ケース１４の前方に集めて搬送ケース１４
に送り込む。

【００１５】図１〜図３に示すように、第１無端回動コ
ンベア１８は、搬送ケース１４の前記穀稈受入れ口１４
ａの近くに機体横方向の軸芯まわりで回動自在に取り付
けた搬送始端側のコンベア支持体２０と、搬送ケース１
４の機体前後方向での中間部に機体横方向の軸芯まわり
で回動自在に取り付けた上下一対のコンベア支持体２１
ａ，２１ｂとにわたって巻回した左右一対の無端回動チ
ェーン１８ａ，１８ａと、これらの無端回動チェーン１
８ａ，１８ａの長手方向に適当間隔で配置して一方のチ
ェーン１８ａと他方のチェーン１８ａとにわたって取り
付けた多数の搬送体１８ｂとによって構成してある。第
２無段回動コンベア１９は、搬送ケース１４の前記コン
ベア支持体２１の近くに機体横方向の軸芯まわりで回動
自在に取り付けた上下一対のコンベア支持体２２ａ，２
２ｂと、搬送ケース１４の扱室の穀稈受入れ口の近くに
機体横方向の軸芯まわりで駆動回動自在に取り付けた搬
送終端側のコンベア支持体２３とにわたって巻回した左
右一対の無端回動チェーン１９ａ，１９ａと、これらの
無端回動チェーン１９ａ，１９ａの長手方向に適当間隔
で配置して一方のチェーン１９ａと他方のチェーン１９
ａとにわたって取り付けるとともに第１コンベア１８の
搬送体１８ｂよりもコンベア横幅方向での長さを長くし
た多数の搬送体１９ｂとによって構成してある。第１無
端回動コンベア１８の多数の搬送体１８ｂ・・は、前記
一対のコンベア支持体２１ａ，２１ｂのうちの搬送終端
側の駆動型のコンベア支持体２１ａによる無端回動チェ
ーン１８ａの駆動のために搬送ケース１４の底面１４ｂ
の上方近くを移動方向Ｂに移動し、横送りオーガ１７か
らの刈取り穀稈を前記底面１４ｂに沿わせて機体後方側
に搬送して第２無端回動コンベア１９の搬送体１９ｂに
供給する。第２無端回動コンベア１９の多数の搬送体１
９ｂ・・は、前記搬送終端側のコンベア支持体２３によ
る無端回動チェーン１９ａの駆動のために搬送ケース１
４の底面１４ｂの上方近くを脱穀装置３の方に移動し、
第１無端回動コンベア１８からの刈取り穀稈の穂先部と
稈身部との全体を前記底面１４ｂに沿わせて機体後方側
に搬送して扱室の穀稈受入れ口に送り込む。これによ
り、第１無端回動コンベア１８と第２無端回動コンベア
１９が横送りオーガ１７からの刈取り穀稈の穂先部と稈
身部との全体を搬送ケース１４に沿わせて機体方向に搬
送して脱穀装置３の扱室に供給する。

【００１６】図２および図３に示すように、第１無端回
動コンベア１８の搬送始端側の両横側にコンベアカバー
２４を備えてある。このコンベアカバー２４は、図５に
明示する如く取付け孔２５を有した側方カバー部分２４
ａと、この側方カバー部分２４ａの周縁部から前記取付
け孔２５の軸芯に沿う方向に延出している外周カバー部
分２４ｂとによって形成してある。そして、図４に示す
ように、側方カバー部分２４ａを第１無端回動コンベア
１８の横端と、搬送ケース１４の側壁１４ｃの内面１４
ｄとの間で前記コンベア支持体２０の支軸部２０ａに取
付け孔２５によって相対回動可能に外嵌させ、前記支軸
部２０ａを側壁１４ｃに取付けている取付けねじ２６に
よる締付け力で側壁１４ｃと、スペーサー２７とによっ
て挟持させることによって取り付けてある。すなわち、
側壁カバー部分２４ａが搬送体１８ｂと側壁内面１４ｄ
との間に位置して側壁内面１４ｄに圧接するとともに第
１無端回動コンベア１８の搬送始端側のコンベア部分の
横側を覆うようにして、外周カバー部分２４ｂが側方カ
バー部分２４ａからコンベア１８の横幅方向での内側に
向かって延出して第１無端回動コンベア１８の搬送始端
側のコンベア部分の横端部の外周側を覆うようにしてコ
ンベア支持体２０の支軸部２０ａに支持させてある。こ
れにより、コンベアカバー２４は、第１無端回動コンベ
ア１８の搬送体１８ｂと側壁内面１４ｄとの隙間を刈取
り穀稈が入り込みにくいように側方カバー部分２４ａに
よって狭くし、搬送体１８ｂと側方カバー部分２４ａと
の隙間の前方を横送りオーガ１７の搬送経路Ｒに直接に
連通しないように外周カバー部分２４ｂによって覆って
いる。

【００１７】搬送ケース１４の側壁１４ｃに前記支軸部
２０ａを取付けるように備えてある取付け孔１４ｅを搬
送ケース１４の長手方向に長い長孔に形成してある。こ
れにより、前記支軸部２０ａの側壁１４ｃに対する取付
け位置を前記取付け孔１４ｅに沿わせて変更することに
より、コンベア支持体２０の搬送ケース１４に対する取
付け位置が第１無端回動コンベア１８による穀稈搬送方
向に変化して第１無端回動コンベア１８の張力調節がで
きる。この時、コンベアカバー２４は前記コンベア支持
体２０の支軸部２０ａに支持されていることにより、搬
送ケース１４に対してコンベア支持体２０と共にコンベ
ア支持体２０と同じ方向に同じストロークを移動し、第
１無端回動コンベア１８の張力調節にかかわらず第１無
端回動コンベア１８に的確にカバー作用する適切な取付
け位置に自動的に変化する。

【００１８】〔別実施形態〕第２無端回動コンベア１９
を省略し、第１無端回動コンベア１８を搬送ケース１４
の全長にわたって存在するように構成し、横送りオーガ
１７からの刈取り穀稈を第１無端回動コンベア１８のみ
によって脱穀装置３に供給するように構成して実施して
もよい。

【００１９】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】全稈投入型コンバイン全体の側面図

【図２】横送りオーガおよび無端回動コンベアの配設部
の断面図

【図３】横送りオーガおよび無端回動コンベアの配設部
の平面図

【図４】コンベアカバー配設部の断面図

【図５】コンベアカバー全体の斜視図

【符号の説明】

３ 脱穀装置 １３ 刈取り装置 １４ 搬送ケース １４ｄ 側壁内面 １７ 横送りオーガ １８ 無端回動コンベア ２０ コンベア支持体 ２４ コンベアカバー ２４ａ 側方カバー部分 ２４ｂ 外周カバー部分

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 植立穀稈に作用する刈取り装置（１
   ３）、この刈取り装置（１３）からの刈取り穀稈の全体
   を機体横方向に搬送する横送りオーガ（１７）、この横
   送りオーガ（１７）からの刈取り穀稈を搬送ケース（１
   ４）の内部で機体後方に搬送して脱穀装置（３）に供給
   する無端回動コンベア（１８）を備えている全稈投入型
   コンバインの穀稈搬送部構造であって、 前記無端回動コンベア（１８）のうちの搬送始端側コン
   ベア部分の横端と前記搬送ケースの側壁内面（１４ｄ）
   との間に位置して前記搬送始端側コンベア部分の横側を
   覆っている側方カバー部分（２４ａ）と、この側方カバ
   ー部分（２４ａ）から前記無端回動コンベア（１８）の
   横幅方向での内側に向かって延出して前記搬送始端側コ
   ンベア部分の横端部の外周側を覆っている外周カバー部
   分（２４ｂ）とを有しているコンベアカバー（２４）を
   備えている全稈投入型コンバインの穀稈搬送部構造。
2. 【請求項２】 前記搬送始端側コンベア部分が巻回して
   いるコンベア支持体（２０）を前記搬送ケース（１４）
   に対して前記無端回動コンベア（１８）による穀稈搬送
   方向に取付け位置変更すると、前記コンベアカバー（２
   ４）が前記コンベア支持体（２０）と共に前記搬送ケー
   ス（１４）に対して移動する状態に前記コンベア支持体
   （２０）が前記コンベアカバー（２４）を支持している
   請求項１記載の全稈投入型コンバインの穀稈搬送部構
   造。