JP3879311B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場内の植立穀稈を刈り取って脱穀選別するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンバインで刈取り収穫作業をするときは、このコンバインの前部の刈取機で刈取りされた刈取り穀稈は、補助移送装置で引継ぎして挾持移送され、この穀稈はフィードチエンと挾持杆とにより、更に引継ぎ挾持して脱穀室内を移送され、この脱穀室内で脱穀処理する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
刈取り穀稈を挾持移送する補助移送装置からフィードチエンと挾持杆とにより、引継ぎ移送するが、該補助移送装置と該フィードチエンとの移送速度が異なることにより、この引継ぎのときに藁屑等が落下することがあり、この落下した藁屑は走行装置の上側の走行車台上に堆積した状態となったり、又は伝動機構上へ落下して巻き付くことが発生していたが、この発明により、この問題を解決しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、立毛穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取機(13)と、刈取り穀稈を挾持して移送する補助移送装置(3)と、該補助移送装置(3)から該刈取り穀稈を引継ぎ挾持して脱穀室(29)内を移送するフィードチエン(7)と挾持杆(31)とを設けたコンバインにおいて、前記補助移送装置(3)の始端側部は、側面視刈取機(13)の搬送終端側部に重合する構成とし、補助移送装置(3)の終端側部は、側面視フィードチェン(7)の搬送始端側部に重合する構成とし、前記補助移送装置(3)の始端側部と刈取機(13)の搬送終端側部との重合部分及び補助移送装置(3)の終端側部とフィードチェン(7)の搬送始端側部との重合部分は、走行装置(6)の一方側の走行クローラ(5)上部に位置させて構成し、補助移送装置(3)は、刈取機(13)の移送速度と略同じ移送速度に構成すると共に、走行装置(6)の走行速度と同調して変速するように構成し、前記補助移送装置(3)の移送チェンの穀稈搬送面側は、前記フィードチエン(7)に対して機体外側へ向けて所定角度(θ)傾斜させる構成とし、さらに、前記 刈取機(13)を所定の設定高さ以上の位置まで上昇させると、補助移送装置(3)を作用範囲角度(θ1)の下方位置まで自動的に下降制御する構成とし、補助移送装置(3)は、前記作用範囲角度(θ1)を越えて上方へ向けて上方側所定角度(θ2)及び下方へ向けて下方側所定角度(θ3)の範囲内で移動調節可能に構成したことを特徴とするコンバインの構成とする。
【0005】
【発明の作用】
コンバインでの刈取り収穫作業においては、このコンバインの前部の刈取機13で立毛穀稈が刈り取られる。刈取りされた刈取り穀稈は、刈取機13の終端側部から補助移送装置3へ引継ぎして挾持移送される。この穀稈はフィードチエン7と挾持杆31とにより、更に引継ぎ挾持して脱穀室29内を移送され、この脱穀室29内で脱穀処理される。
【0006】
刈取機13から補助移送装置3への引継ぎ部分と、補助移送装置3からフィードチェン7への引継ぎ部分においては、藁屑等が落下するが、この落下する藁屑等は、走行クローラ5上へ落下し、この走行クローラ5によって移送されて圃場表面に排出され、この走行クローラ5によって圃場内へ押込まれる。また、補助移送装置3の移送速度は走行装置6の走行速度と同調して変速されると共に、補助移送装置3での搬送穀稈は、刈取機13の移送速度と略同じ移送速度で移送される。
補助移送装置3の移送チェンの穀稈搬送面側は、前記フィードチエン7に対して機体外側へ向けて所定角度θ傾斜させる構成としているので、補助移送装置3からフィードチエン7への穀稈の挟持力が向上する。
刈取機13が所定の設定高さ以上の位置まで上昇すると、補助移送装置3を作用範囲角度θ1の下方位置まで自動的に下降する。
補助移送装置3は、前記作用範囲角度θ1を越えて上方へ向けて上方側所定角度θ2及び下方へ向けて下方側所定角度θ3の範囲内で移動調節できる。
【0007】
【発明の効果】
刈取機13から補助移送装置3への引継ぎ部分と、補助移送装置3からフィードチェン7への引継ぎ部分から藁屑等が落下しても、この藁屑は走行装置6の上側の走行車台上、及び伝動機構上へ落下することがなくなり、このために堆積したり、又、巻き付いたりすることがなくなり、衛生的で安全な収穫作業ができる。また、補助移送装置3の移送速度は走行装置6の走行速度と同調して変速されると共に、補助移送装置3での搬送穀稈は、刈取機13の移送速度と略同じ移送速度で移送されるので、穀稈は刈取機13からフィードチェン7へとスムーズに搬送されていく。
また、補助移送装置3の移送チェンの穀稈搬送面側は、前記フィードチエン7に対して機体外側へ向けて所定角度θ傾斜させる構成としているので、補助移送装置3からフィードチエン7への穀稈の挾持力が向上して、引継ぎのときの穀稈のこぼれを防止すると共に、引き抜かれが防止できるようになる。
また、刈取機13が所定の設定高さ以上の位置まで上昇すると、補助移送装置3を作用範囲角度θ1の下方位置まで自動的に下降するようにしているので、穀稈の引継ぎ空間が広くなり、穀稈の詰りを防止することができるようになる。
また、補助移送装置3は、作用範囲角度θ1を越えて上方へ向けて上方側所定角度θ2及び下方へ向けて下方側所定角度θ3の範囲内で移動調節して開く操作ができるので、補助移送装置3の奥側の各部のチェック及び保守が容易となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の前部に装着した刈取機13の穀稈搬送装置19等で移送する刈取り穀稈を補助移送装置3で引継ぎ挾持して移送し、更に該刈取機13後側に載置した脱穀機2のフィードチエン7と挾持杆31とにより、引継ぎ挾持して移送する構成の該コンバイン1の穀稈移送装置を図示して説明すると共に、該補助移送装置3の装置位置を図示して説明する。
【0009】
前記コンバイン1の走行車台4の下部には、土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ5を張設した走行装置6を配設し、該走行車台4上部には、図1〜図6で示す如く補助移送装置3からフィ−ドチエン7と挟持杆31等によって、引継ぎ挾持されて移送される刈取り穀稈を脱穀し、脱穀した穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒貯留タンク8を横側に装着した脱穀機2を載置している。該フィードチエン7の移送始端部は、後述する脱穀室29を形成する脱穀前側機壁2aから所定距離(L)前側へ突出させて、後述する補助移送装置3を停止操作しても、枕刈りした穀稈を脱穀できる構成である。
【0010】
前記脱穀機2の前部には、刈取る立毛穀稈と、隣接して刈取りしない立毛穀稈とに分離するナロ−ガイド3aと、前端位置から該ナロ−ガイド3aで分離した刈取る立毛穀稈を分草する分草体9と、この分草された穀稈を引起す引起装置10と、引き起された穀稈を掻込する掻込スタ−ホイル14、及び掻込装置12と、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置11と、刈取られた穀稈を搬送する穀稈搬送装置19と、この穀稈搬送装置19から穀稈を引継ぎして移送する補助移送装置3等を設けてなる刈取機13は、油圧駆動による伸縮シリンダ19aにより、土壌面に対して昇降自在に作用させる構成としている。
【0011】
前記穀稈搬送装置19は図1、及び図3〜5で示す如く刈取り穀稈の株元側を移送する株元移送装置19cと、穂先側を移送する穂先移送装置19d,19eとよりなり、これらは刈取フレーム21に取付けられ、この刈取フレーム21は縦支持フレーム22の先端に取付け、この縦支持フレーム22の基部には、横伝動筒23を設け、この横伝動筒23を走行車台4側に設けた支持架台24に回動自在に軸支した構成である。該穂先移送装置19dのうち終端が株元側引継装置26の終端部と略重合する穂先移送装置19eの移送ラグ19fの作用終了域と、該株元側引継装置26の終端位置とは、穀稈移送姿勢と略一致する直線状に配設した構成である。
【0012】
前記株元・穂先移送装置19c,19d,19eにより、移送される移送路の終端には、扱ぎ深さ調節装置25の始端部に臨ませ、該扱ぎ深さ調節装置25の終端部は脱穀機2のフィードチエン7へ穀稈を補助移送装置3等を介して引継ぐ株元側引継移送装置26の始端部下方位置に臨ませ、該扱ぎ深さ調節装置25は該株元側引継移送装置26へ穀稈を引継ぐ位置を、穀稈の稈長方向に変更し、該脱穀機2の後述する脱穀室29へ供給するときの穀稈の扱深さを調節する。27は扱深さ調節用アクチュエータであり、この扱深さ調節用アクチュエータ27には、扱深さ位置を検出するポテンションメータ27aを設けた構成である。
【0013】
前記扱深さ調節装置25によって、扱深さが調節されるだけでなく、更に株元側引継移送装置26は、その引継移送チエン26aの案内ローラ26bがフィードチエン7に対して稈身方向の離れる側に移動することにより、確実に脱穀機2に供給する。28は引継移送装置用アクチュエータである。
前記脱穀機2の左側部に位置するフィードチエン7と挾持杆31との始端部と株元側引継移送装置26の終端部との間には、補助移送装置3を設け、この補助移送装置3と該フィードチエン7とに分割した構成であり、このフィードチエン7と該挾持杆31とにより、該補助移送装置3から穀稈を引継ぎして、挾持移送する構成である。該フィードチエン7はチエン案内レール7cの移送始端部と移送終端部とには、回転自在に軸支した前・後スプロケット7a,7bに掛け渡した構成である。又、挾持杆31は扱胴カバー30に上下移動自在に装着した構成で有る。
【0014】
前記補助移送装置3は、図1〜図6で示す如く株元側引継移送装置26の移送終端部の近傍に臨み、かつ、平面視脱穀機2のフィードチエン7と同一直状で、該フィードチエン7の前方に位置する始端側供給装置32と、この始端側供給装置32の終端側部とこのフィードチエン7始端側部との夫々に臨んで重合する終端側供給装置33とよりなる構成である。又、該補助移送装置3のこれら始端・終端側供給装置32,33は、平面視走行装置4の一方側である左側の走行クローラ5の略中央部の上部に位置させて設けた構成である。これによって各移送装置19c,19d,19e,26等によって移送される穀稈を、該補助移送装置3のこれら始端・終端側供給装置32,33から該フィードチエン7へと引継ぎして、挾持移送するときに、特に引継ぎのときに藁屑等が落下するがこの落下する藁屑等は、左側の走行クローラ5上へ落下し、この走行クローラ5により前方へ移送されて圃場面へ排出され、更に圃場面へ排出されたこの藁屑等は、この走行クローラ5によって踏まれ、圃場内へ押込まれる構成である。
【0015】
前記始端側供給装置32は、図1〜図3、及び図5で示す如く案内レール34の移送始端部と移送終端部とには、回転自在に軸支する前・後スプロケット32a,32bに移送チエン32cを掛け渡した構成である。
前記終端側供給装置33は、図1〜図3、及び図5で示す如く始端側供給装置32の後スプロケット32bの取付軸35の内側部に、前スプロケット33aを回転自在に軸支し、この前スプロケット33aの後方部には、回転自在に後スプロケット33bを設け、これら前・後スプロケット33a,33bには、移送チエン33cを掛け渡した構成である。該終端側供給装置33は該始端側供給装置32より短く、又、該始端側供給装置32より内側に配置した構成とし、この始端側供給装置32は脱穀機2のフィードチエン7と直線状に配置した構成である。該移送チエン33cの移送終端部と該フィードチエン7の移送始端部とは、側面視重合させ、この重合部分の該各チエン7,33cの上面の高さは略同じ高さの構成である。
【0016】
前記フィードチエン7の案内レール7cの終端部側を側方へ回動させるように、走行車台4に支持体36を設け、該案内レール7cの始端部には、回動アーム7dの先端を回定し、この回動アーム7dに軸支した縦軸37を支持部材37aで受け、この案内レール7dの終端部側を側方外側へ回動自在な構成である。
前記横伝動筒23に内装した伝動軸23aの軸端部に設けた出力プーリ38と、ギヤケース39に内装した伝動軸39aの軸端部に設けた入力プーリ39bとには、ベルト40を掛け渡し、このギヤケース39に内装した各ギヤ41a,41b,41dを経て、このギヤ41dを内装した伝動軸39cに、終端側供給装置33に装着した後スプロケット33cを介して、この終端側供給装置33、及び始端側供給装置32を回転駆動する構成である。
【0017】
前記補助移送装置3は、株元側引継移送装置26と略同じ移送速度にすると共に、走行装置6の走行速度と同調して変速するように構成している。即ち、刈取前処理装置13aに伝達する回転は、該走行装置6による走行速度の変化に同調(シンクロ)させ、該株元側引継移送装置26も該刈取前処理装置13aに伝達する回転と同調(シンクロ)させ、その結果、この刈取前処理装置13aと該株元側引継移送装置26の該穀稈移送速度は略同じになる。
【0018】
前記穀稈搬送装置19の株元移送装置19cと、穂先移送装置19d,19eと、補助移送装置3の始端側供給装置32と、終端側供給装置33との移送速度は略同じ移送速度にすると共に、走行装置6の走行速度と同調して変速するように構成している。該走行装置6が最高走行速度のときは、図9で示す如く脱穀機2のフィードチエン7の移送速度と略同じ速度にした構成である。これにより、該走行装置6の走行速度に同調し、該各移送装置19c,19d,19e,32,33の移送速度を変更させたことにより、穀稈の移送の乱れを防止でき、移送層厚を一定にして安定した移送ができる。又、最高速度と該フィードチエン7の速度とを合せたことにより、大量移送の時にこのフィードチエン7への安定した引継ぎができる。
【0019】
前記補助移送装置3の始端・終端側供給装置32,32の各移送チエン32c,33cは、図10で示す如くフィードチエン7に対して、左側の外部へ向けて所定角度(θ)に傾斜させて設けた構成である。これによって、該補助移送装置3から該フィードチエン7への穀稈の挾持力を向上させて、穀稈を引継ぎのときの穀稈のこぼれを防止すると共に、引き抜かれが防止できる。
【0020】
前記補助移送装置3の始端・終端側供給装置32,33は、図6で示す如く通常の作用範囲角度(θ1)より、上方、及び下方へ向けて所定角度(θ2)、及び(θ3)調節可能な構成である。これにより、該補助移送装置3を作用範囲角度(θ1)以上に、開操作可能としたことで、この補助移送装置3の奥側(右側)の各部のチエック、及び補修が容易である。
【0021】
前記刈取機13を伸縮シリンダ19aによって、設定した所定の高さ以上の位置まで上昇させたときには、図6で示す如く補助移送装置3を通常の作用範囲角度(θ1)の下方位置まで自動的に下降制御する構成である。これにより、該刈取機13を設定した所定の高さ以上の位置まで上昇させると、補助移送装置3とフィードチエン7との穀稈の引継ぎ部の距離が短くなり、穀稈が脱穀機2への流れ込みが悪くなって、詰りが発生することがあったが、自動的に作用範囲角度(θ1)の下方位置へ下降制御することにより、穀稈の引継ぎ空間が広くなり、穀稈の詰りを防止することができる。
【0022】
前記補助移送装置3の始端・終端側供給装置32,33は、図11で示す如く横伝動筒23に内装した伝動軸23aの軸端部に割プーリ42を軸支して設けると共に、この割プーリ42の外側には弾発スプリング42aを設けている。ギヤケース43には、前・後伝動軸43a,43bを内装し、これら前・後伝動軸43a,43bには、前・後ギヤ43c,43dを内装して設けた構成である。
【0023】
前記前伝動軸43aの軸端部には、割プーリ44を設け、この割プーリ44の外側には、クラッチ44aを設け、この割プーリ44と伝動軸23aの割プーリ42とには、ベルト45を掛け渡した構成である。後伝動軸43bには始端・終端側供給装置32,33を回転駆動する後スプロケット32bと前スプロケット33aとを軸支して設けた構成である。
【0024】
前記クラッチ44aの操作により、補助移送装置3の始端・終端側供給装置32,33の両者を単独で変速回転駆動する構成である。これにより、該補助移送装置3を走行装置6の車速に追従させることもできるし、又、単独で変速できることにより、穀稈の条件によって該補助移送装置3を変速回転駆動させて、穀稈の詰り等を防止することができる。
【0025】
前記補助移送装置46は、図12、及び図13で示す如く側面視逆L字形状で、平面視フィードチエン7に略直線位置で、更に該フィードチエン7の前後には、始端側供給装置47と、この始端側供給装置47の後側で右側に設けた終端側供給装置33とによりなる構成である。該始端側供給装置47は始端側、及び終端側に設けた始端・終端スプロケット47a,47bとコーナ部の上下に設けた上・下スプロケット47c,47cとに移送チエン47dを掛け渡した構成である。又、該終端側供給装置33は前述と同じ構成である。該前スプロケット33aと該終端スプロケット47bとは、前伝動軸47eに装着した構成である。
【0026】
ギヤケース48には、前・後伝動軸48a,48b、及び中間軸48hを内装して設け、これら各軸48a,48b,48hには、各ギヤ48fを装着して内装した構成である。該前伝動軸48aの軸端部には、プーリ48cを装着し、横伝動筒23の伝動軸23aには、プーリ48dを装着し、該プーリ48c,48dには、ベルト48eを掛け渡した構成であり、該ギヤケース48内の伝動構成により、補助移送装置46の始端・終端側供給装置47,33が回転駆動される構成である。
【0027】
前記穀稈搬送装置19の穂先移送装置19eの移送ラグ19fと、株元移送装置19cとで移送される穀稈は、扱ぎ深さ調節装置25で扱ぎ深さが調節され、扱ぎ深さが調節された穀稈は、補助移送装置46の始端側供給装置47の縦方向から水平方向を経て終端側供給装置33へと引継ぎ挾持移送し、更に、フィードチエン7と挾持杆31とへ引継ぎ、これらフィードチエン7と挾持杆31とで脱穀室29内を挾持移送して脱穀する構成である。
【0028】
これにより、該扱ぎ深さ調節装置25で調節された調節位置に関係なく、該始端側供給装置47の移送チエン47dにより、縦方向の上下方向の間は、穀稈はこの移送チエン47dによって引き上げられることにより、穀稈のこぼれがなくなり、確実に縦方向から水平方向へと穀稈を移送して、該フィードチエン7へ引継ぎすることができる。
【0029】
穀稈引継移送装置49は、図14、及び図15で示す如く側面視三角形状で、平面視フィードチエン7の左側に位置させて設け、前・後・下プーリ49a,49b,49cに所定間隔に移送ラグ50bを設けた移送ベルト50aを掛け渡した構成である。
前記フィードチエン7の前スプロケット7aと穀稈引継移送装置49の後プーリ49bとは、伝動軸51へ装着した構成であり、この伝動軸51を介し、該穀稈引継移送装置49の移送ベルト50aを回転駆動する構成である。
【0030】
前記穀稈搬送装置19の穂先移送装置19eの移送ラグ19fと、株元移送装置19cとで移送される穀稈は、扱ぎ深さ調節装置25で扱ぎ深さが調節され、扱ぎ深さが調節された穀稈は、穀稈引継移送装置49の移送ベルト50aの移送ラグ50bにより、縦方向から水平方向へと挾持移送し、更に、フィードチエン7と挾持杆31とへ引継ぎ、これらフィードチエン7と挾持杆31とで脱穀室29内を挾持移送して脱穀する構成である。
【0031】
これにより、前記扱ぎ深さ調節装置25で調節された調節位置に関係なく、穀稈引継移送装置49の移送ベルト50aの各移送ラグ50bにより、縦方向の上下方向の間は、穀稈はこの各移送ラグ50bによって引き上げられることにより、穀稈のこぼれがなくなり、確実に縦方向から水平方向へと穀稈を移送して、該フィードチエン7へ引継ぎすることができる。
【0032】
前記脱穀機2側には、コンバイン1の操作制御を行う操作装置15と、作業者が搭乗する操縦席16等を設け、この操縦席16の下部には、エンジン17を搭載すると共に、後方には、穀粒貯留タンク8を設置する。これら走行装置6、脱穀機2、刈取機13、エンジン17等によって、該コンバイン1の機体18を構成している。
【0033】
前記刈取機13の穀稈搬送装置19によって形成される穀稈搬送経路中には、刈り取られて搬送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機2へ穀稈供給の有無を検出する穀稈センサ19bを設けている。走行車台4の前端部に装架された走行用ミッション20の伝動経路中には、その出力回転数に基づく走行車速を検出する車速センサ20aを設けた構成としている。
【0034】
前記脱穀機2は、図8で示す如く上部側には、脱穀室29と、排塵処理室52と、二番処理室53とを設け、下部側には、選別室54を各々配置した構成である。該脱穀室29内には、各種の多数の扱歯55aを装着して刈取り穀稈を脱穀処理する扱胴55を前後方向に軸架内装した構成としている。
平面視前記脱穀室29の右側に平行し前部側に位置させた二番処理室53内には、還元される未脱穀処理物(二番物)を前方へ移送しながら処理し、選別室54へ排出する移送始端部から順次二番移送螺旋56aと、多数の処理歯56bと、二番排出羽根56cとを装着した二番処理胴56と、後部側に位置させた排塵処理室52内には、該脱穀室29から供給される一部の未脱穀処理物を後方へ移送しながら再処理する移送始端部から順次排塵移送螺旋57aと、多数の処理歯57bと、排塵排出羽根57cとを装着した排塵処理胴57とを同軸で軸架内装した構成としている。
【0035】
前記脱穀室29の平面視左側の扱ぎ口55bに沿って、刈取り穀稈を挾持するフィ−ドチエン7と挾持杆31とを配設すると共に、扱歯55aの外周縁下部から扱胴カバ−30までの間を包囲する扱網55cと、各処理歯56b,57bの各外周縁下部側を包囲する後側には、棒状部材を所定間隔に設けた漏下具58と、二番受網59とを各々配設している。該漏下具58の移送終端部側には、該排塵処理室52内で処理された藁屑、及び稈切等の排塵物を排出する排塵排出口58aを設け、又、該二番受網59の移送終端部側には、二番処理室53内で脱穀処理された一部の処理物を排出する二番排出口59aを設けた構成である。
【0036】
前記刈取機13の穀稈搬送装置19と補助移送装置3等とで移送される刈取り穀稈は、上下移動自在な挾持杆31と、フィ−ドチエン7とによって挾持されて引継ぎされ、脱穀室29内へ供給され、この脱穀室29内を移送中に脱穀する構成である。
前記選別室54内には、扱網55cから漏下した脱穀物と、漏下具58、及び二番受網59から漏下した処理物と、二番排出口59aから排出される処理物と、排塵排出口58aから排出される排塵物との供給を受けて移送しながら揺動して選別する揺動選別装置60を、扱胴55の軸方向に沿わせて設けている。この揺動選別装置60は前部より、順次移送棚60a、チヤフシ−ブ60b、ストロ−ラック60cを設け、該チヤフシ−ブ60bの下部には、グレンシ−ブ60dを設けた構成であり、該チヤフシ−ブ60bは移送角度を調節可能に構成し、漏下量を調節できる構成としている。
【0037】
前記揺動選別装置60は、前部を上手側にして、前端部に揺動支点61aを設けると共に、後端部に設けた揺動カム61bによって揺動可能に架設した構成である。
前記揺動選別装置60の移送方向始端部(上手側)の下部には、送風羽根62aを回転自在に内装した送風機62を設け、この送風機62で起風した選別風を送風して穀粒と塵埃とに風選別する構成である。
【0038】
脱穀済み排藁は、図8で示す如く排藁チエン63aと排藁挾持杆63bとの間で挾持し、後方へ移送する構成である。
前記送風機62の下手側の先端部は、一番選別棚64から流下選別される穀粒を収容して一番螺旋65aにより、横送りする一番受樋65bの上手側と接続し、その下手側は該一番選別棚64の下端部と接続させ、この一番選別棚64の上端部近傍下側には、二番選別棚66から流下選別される未脱穀処理物(二番物)を収容して、二番螺旋67aにより、横送りする二番受樋67bの上手側上端部を適宜の間隔を設けて、重接状態に位置させ、この二番選別棚66の上端部は、機外へ放出させた構成である。
【0039】
前記一番螺旋65aで横送りされた穀粒は、揚穀装置(図示せず)等で引継して、穀粒貯留タンク8内へ揚送して貯留する構成である。
前記二番螺旋67aで横送りされた未脱穀処理物(二番物)を引継ぎして、二番処理室53内へ揚送する二番揚送螺旋68bを内装した二番還元筒68aを脱穀機2の平面視右側に斜設した構成である。
【0040】
前記揺動選別装置60の移送終端部上方側には、送風機62の選別風と、該揺動選別装置60の揺動選別とによる選別塵埃を共に、機外へ排出する排塵ファン69を設けた構成である。
前記穀粒貯留タンク8内の底部には、貯留した穀粒を横送りする移送螺旋(図示せず)を設け、後側には、縦移送螺旋70aを内装した排出支持筒70を略垂直姿勢で回動可能に支承して設け、この排出支持筒53の上端部の接合メタル70bを支点として、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋71aを内装した折り畳み方式の排出オ−ガ71を、上下回動、及び左右旋回可能に横方向へ配置した構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 補助移送装置部の拡大平面図
【図2】 補助移送装置部の伝動構成の拡大平面図
【図3】 補助移送装置部の拡大側面図
【図4】 刈取機部の拡大平面図
【図5】 刈取機部の拡大側面図
【図6】 補助移送装置部の作用拡大側面図
【図7】 コンバインの全体側面図
【図8】 脱穀機の拡大側断面図
【図9】 他の実施例を示す図で、車速とフィードチエン速度との関係図
【図10】 他の実施例を示す図で、補助移送装置部の拡大正面図
【図11】 他の実施例を示す図で、補助移送装置部の伝動構成の拡大平面図
【図12】 他の実施例を示す図で、補助移送装置部の拡大側面図
【図13】 他の実施例を示す図で、補助移送装置部の伝動構成の拡大平面図
【図14】 他の実施例を示す図で、補助移送装置部の拡大側面図
【図15】 他の実施例を示す図で、補助伝動装置部の伝動構成の拡大平面図
【符号の説明】
3 補助移送装置
5 走行クローラ
6 走行装置
7 フィードチエン
13 刈取機
29 脱穀室
31 挾持杆
θ 所定角度
θ1 作用範囲角度
θ2 所定角度
θ3 所定角度
Claims (1)
- 立毛穀稈を刈り取って後方に搬送する刈取機(13)と、刈取り穀稈を挾持して移送する補助移送装置(3)と、該補助移送装置(3)から該刈取り穀稈を引継ぎ挾持して脱穀室(29)内を移送するフィードチエン(7)と挾持杆(31)とを設けたコンバインにおいて、前記補助移送装置(3)の始端側部は、側面視刈取機(13)の搬送終端側部に重合する構成とし、補助移送装置(3)の終端側部は、側面視フィードチェン(7)の搬送始端側部に重合する構成とし、前記補助移送装置(3)の始端側部と刈取機(13)の搬送終端側部との重合部分及び補助移送装置(3)の終端側部とフィードチェン(7)の搬送始端側部との重合部分は、走行装置(6)の一方側の走行クローラ(5)上部に位置させて構成し、補助移送装置(3)は、刈取機(13)の移送速度と略同じ移送速度に構成すると共に、走行装置(6)の走行速度と同調して変速するように構成し、前記補助移送装置(3)の移送チェンの穀稈搬送面側は、前記フィードチエン(7)に対して機体外側へ向けて所定角度(θ)傾斜させる構成とし、さらに、前記刈取機(13)を所定の設定高さ以上の位置まで上昇させると、補助移送装置(3)を作用範囲角度(θ1)の下方位置まで自動的に下降制御する構成とし、補助移送装置(3)は、前記作用範囲角度(θ1)を越えて上方へ向けて上方側所定角度(θ2)及び下方へ向けて下方側所定角度(θ3)の範囲内で移動調節可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
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