JP2004357578A - コンバインの穀稈移送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱穀機のフィードチェンの移送終端部の中心位置と、このフィードチェンの内側に設けた補助チェンの移送始端部の中心位置とは、略同じ位置であり、このために、刈取機から脱穀機への穀稈引継ぎ不良、及び穀稈がスムーズに流れないことがあった。
【解決手段】刈取機3の供給移送装置4から穀稈を引継ぎ移送するフィードチェン6aと、補助チェン8とを設け、これらフィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部の中心位置は、補助チェン8の中心位置(イ)を、フィードチェン6aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けた構成である。又、移送始端部は、供給移送装置4の近傍へ位置させた。補助チェン8は、フィードチェン6aで、回転駆動させた。補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの半分の回転速度とし、又、刈取機3の最高回転速度の半分の回転速度に制御装置で制御する構成である。
【選択図】図1
【解決手段】刈取機3の供給移送装置4から穀稈を引継ぎ移送するフィードチェン6aと、補助チェン8とを設け、これらフィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部の中心位置は、補助チェン8の中心位置(イ)を、フィードチェン6aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けた構成である。又、移送始端部は、供給移送装置4の近傍へ位置させた。補助チェン8は、フィードチェン6aで、回転駆動させた。補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの半分の回転速度とし、又、刈取機3の最高回転速度の半分の回転速度に制御装置で制御する構成である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、刈取り穀稈を刈取機から引継ぎして、脱穀機内をフィードチェンと、該フィードチェンの内側で、脱穀機の前側に設けた補助チェンとにより、引継ぎ挟持移送して脱穀する構成において、これらフィードチェンと、補助チェンとの移送始端部の中心位置は、補助チェンの中心位置を所定距離上部へ位置させて設けた技術であり、コンバインの穀稈移送装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインを穀稈の植付け圃場を走行させて、刈取機で刈取りされた穀稈は、後方上部へ移送され、この刈取機の移送終端部に設けた受継案内装置から、脱穀機のフィードチェンと、このフィードチェンの内側で、穀稈供給口の前側へ設けたサブチェンとにより、引継ぎされて、脱穀機の脱穀室内を挟持移送中に、回転駆動する扱胴で脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、この脱穀機から機外へ排出される。
【0003】
前記フィードチェンと、サブチェンとの移送始端の中心位置は、特に、特開平11−168958号で記載の如く略同じ位置であり、これらフィードチェンと、サブチェンとにより、刈取り穀稈は、引継ぎされて、脱穀室内へ挟持移送されながら脱穀される。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−168958号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
刈取機の移送始端部から順次後方上部へ向けて、移送される穀稈は、この刈取機の移送終端部の受継案内装置から、脱穀機のフィードチェンと、サブチェンとに引継ぎされて、移送されるが、これらフィードチェンと、サブチェンとの移送始端部の中心位置が、略同じ高さ位置であることにより、引継ぎする穀稈の引継ぎ不良が発生したり、又、穀稈がスムーズに流れないことがあったり、更に穀稈の稈長に対する適応性が低いこと等があったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、刈取機3で刈取り移送される刈取穀稈は、該刈取機3から引継ぎして脱穀機5内を挟持移送するフィードチェン6aと、該フィードチェン6aの内側で脱穀機5の穀稈供給口7の前側には、補助チェン8等とを設けたコンバインにおいて、前記補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0007】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインを穀稈の植付け圃場を走行させて、刈取機3で刈取りされた穀稈は、後方上部へ移送され、この刈取機3の移送終端部に設けた供給移送装置4から、穀稈を引継ぎ、脱穀機5内を挟持移送するフィードチェン6aと、このフィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とにより、刈取り穀稈は引継ぎされる。
【0008】
前記補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けられた、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、引継ぎされて、挟持された穀稈は、脱穀機5内を挟持移送されながら脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、この脱穀機5から機外へ排出されて、一時貯留される。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の穀稈を移送する最終端部に設けた供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0010】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5内のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、これらフィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けている。これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、前記フィードチェン6aの回転駆動で、補助チェン8を回転駆動する構成とすると共に、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、補助チェン8を駆動する。外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘り一体に形成して、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cには、切欠部6dを設け、フィードチェン6a、及び補助チェン8を駆動する伝動スプロケット21dを切欠部6dへ設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0012】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、フィードチェン6aの回転駆動で補助チェン8は回転駆動される。又、このフィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、補助チェン8を駆動する外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘り、一体に形成したフィードチェン6aのチェンレール6cには、切欠部6dを設け、補助チェン8を駆動する伝動スプロケット21dを軸支して設けている。
【0013】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
請求項4に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0014】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、この補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御され、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0015】
請求項5に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0016】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、この補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御され、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明においては、刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、刈取り穀稈をフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎして、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀するが、この補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことにより、特に穀稈が長稈のときには、刈取機3の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とへの引継ぎ不良があったが、この不良を解消できて、長稈時の引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができた。
【0018】
請求項2に記載の発明においては、前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の移送終端部の供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けたことにより、穀稈が長稈のときであっても、引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明においては、前記フィードチェン6aの回転で補助チェン8を回転駆動すると共に、外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘って、チェンレール6cを形成して設け、このチェンレール6cには、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、補助チェン8を同時に回転駆動する伝動スプロケット21dを設けたことにより、刈取り穀稈は、刈取機3の供給移送装置4から、フィードチェン6a、及び補助チェン8への穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0020】
請求項4に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
請求項5に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の前方部に設けた刈取機3で刈取られた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送後端に設けた供給移送装置4から、走行車台2の上側へ載置した脱穀機5の左側上部に設けたフィードチェン6aと、このフィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とにより、引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に、穀稈は脱穀される構成である。脱穀機5と、この脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8等を主に図示して説明する。
【0022】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図9で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ9aを張設した走行装置9を配設し、走行車台2の上側には、脱穀機5を載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機3で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、この刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、挟持杆6bと、補助チェン8等とで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機5の右横側に配設した穀粒貯留タンク10内へ一時貯留される。
【0023】
前記走行車台2の前方部には、図9で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド11a、及び各分草体11bと、立毛穀稈を引起す各引起装置11cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置12の各掻込装置12aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置11dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機5左側部へ設けたフィードチェン6a、及び挟持杆6bと、該フィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とへ受渡しする穀稈掻込移送装置12の根元・穂先移送装置13a,13bと、穀稈移送の移送終端部に設けた供給移送装置4等からなる刈取機3を設けている。該刈取機3は、油圧駆動による伸縮シリンダ14により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【0024】
前記刈取機3の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆15aの上端部には、左右方向の支持パイプ杆15bを設け、この支持パイプ杆15bを走行車台2の上側面に設けた支持装置15cで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ14の作動により、刈取機3は支持パイプ杆15bを回動中心として、上下に回動する構成である。
【0025】
前記刈取機3の穀稈掻込移送装置12によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機5へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ3aを設けた構成である。
前記穀粒貯留タンク10側の前部には、図9で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置16と、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席17とは、操作室ケース18で形成した操作室18a内へ設け、この操縦席17の下側で、走行車台2の上側面には、エンジン19を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク10を配設する。これら走行装置9と、刈取機3と、脱穀機5と、エンジン19等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0026】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース20内の伝動機構20aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ20bを設けた構成である。
前記刈取機3の刈刃装置11dで刈取りされた刈取り穀稈は、穀稈掻込移送装置12の根元・穂先移送装置13a,13b、及び供給移送装置4等により、後方上部へ移送され、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて、脱穀機5の脱穀室5b内へ供給され、フィードチェン6aと、挟持杆6bとにより、穀稈は脱穀室5b内を挟持移送される構成である。
【0027】
前記フィードチェン6aは、図1〜図4で示す如く脱穀機5の左外側へ設けると共に、前軸21aへ軸支した外前スプロケット21bと、伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dと、後軸21eへ軸支した外後スプロケット21fとには、フィードチェン6aを掛け渡した構成である。又、このフィードチェン6aを伸張調節するテンション装置22を設けた構成である。
【0028】
前記補助チェン8は、図1〜図4で示す如くフィードチェン6aの内側で、脱穀機5を形成する前側板5aの穀稈を供給する穀稈供給口7の前側へ設けると共に、前軸23aへ軸支した内前スプロケット23bと、フィードチェン6aの右側へ延長させて設けた、伝動軸21cへ軸支した内後スプロケット23cとには、補助チェン8を掛け渡した構成である。
【0029】
前記補助チェン8の移送始端部に設けた前軸23aの中心位置(イ)は、図2で示す如くフィードチェン6aの移送始端部に設けた、前軸21aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けた構成である。刈取機3の移送終端部に設けた供給移送装置4より、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とで穀稈の引継ぎを良好にした構成である。
【0030】
前記刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、刈取り穀稈をフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎして、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀するが、この補助チェン8の移送始端部に設けた前軸23aの中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部に設けた前軸21aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことにより、特に穀稈が長稈のときには、刈取機3の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とへの引継ぎ不良があったが、両者の移送始端部の高さ位置を変更したことにより、引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができた。
【0031】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部の位置は、図1で示す如く刈取機3の穀稈を移送する最終端部に設けた供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けた構成である。
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の移送終端部へ設けた供給移送装置4の近傍部位置させて設けたことにより、穀稈が長稈のときであっても、穀稈の引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができる。
【0032】
前記フィードチェン6aの回転駆動により、図1、図2、及び図4で示す如く補助チェン8を同時に、回転駆動する構成であると共に、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、右横側に設けた補助チェン8を駆動する。外前スプロケット21aの所定距離の前方部位置から、外後スプロケット21fの所定距離後方部位置までの間に亘り、一体に形成して設けた構成である。又、このチェンレール6cの伝動スプロケット21dが位置する箇所には、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、伝動軸21cを軸支して設けた構成である。この伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dの回転駆動により、フィードチェン6aが回転駆動されると共に、補助チェン8も同時に回転駆動される構成である。
【0033】
前記フィードチェン6aの回転駆動で、補助チェン8を回転駆動すると共に、外前スプロケット21bの前部から、外後スプロケット21fの後部に亘って、チェンレール6cを形成して、このチェンレール6cには、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、補助チェン8を同時に回転駆動する伝動スプロケット21dを設けたことにより、刈取り穀稈は、刈取機3の供給移送装置4から、フィードチェン6a、及び補助チェン8への穀稈の引継ぎがスムーズにできる。
【0034】
前記補助チェン8の回転速度は、図8で示す如くフィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御される構成である。
前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0035】
前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御される構成である。
前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0036】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との回転駆動は、図1、及び図2で示す如くエンジン19の回転動力が主伝動軸26へ入力され、この主伝動軸26の一方側端部に設けた出力プーリ26aと、脱穀機5の左外側へ設けた脱穀伝動ケース25の後側の脱穀伝動軸25aへ軸支した入力プーリ25bとには、ベルト25cを掛け渡した構成である。又、この脱穀伝動ケース25の前側には、後軸21eを軸支して設け、この後軸21eへ外後スプロケット21fを軸支して設け、この外後スプロケット21fが回転駆動されて、フィードチェン6a、及び補助チェン8等が回転駆動される構成である。
【0037】
前記補助チェン8は、図1〜図3で示す如く移送始端部の前軸23aへ軸支した内前スプロケット23bの中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の前軸21aへ軸支した外前スプロケット21bの中心位置(ロ)により、所定距離(H)上部へ位置させると共に、補助チェン8の穀稈を移送する移送ライン(ハ)は、フィードチェン6aの穀稈を移送する移送ライン(ニ)により、上方へ位置させて設けた構成である。
【0038】
前記補助チェン8の穀稈を移送する移送ライン(ハ)は、図1〜図3で示す如くフィードチェン6aの穀稈を移送する移送ライン(ニ)により、上部へ位置すべく、補助チェン8を支持する補助チェンレール8aの基部(後側部)は、伝動軸21cへ回動自在に軸支して設けると共に、先端部(前側部)には、長孔8bを設け、この長孔8bのセット位置により、補助チェン8の移送ライン(ハ)を調節する構成である。
【0039】
これにより、穀稈の短稈を脱穀作業するときには、前記補助チェンレール8aを上昇操作して、補助チェン8のみへ穀稈が接触する状態に操作して、短稈が移送される状態にすることにより、短稈の穀稈は乱れることなく、引継ぎすることができる。又、長稈のときには、この補助チェン8を下げて、フィードチェン6aと補助チェン8との両者を穀稈へ作用させることにより、穀稈の搬送性能の向上を図ることができる。
【0040】
前記補助チェン8を回転駆動する。図1で示す如くフィードチェン6aの伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dの上側部まで、フィードチェン6a用の挟持杆6bを延長させて設けた構成である。
これにより、前記挟持杆6bで伝動スプロケット21dの上側のフィードチェン6aを押圧することにより、このフィードチェン6aが伝動スプロケット21dから外れることを防止できる。
【0041】
前記補助チェン8は、フィードチェン6aの伝動軸21cの伝動スプロケット21dを介して、回転駆動する構成において、伝動スプロケット21dの下側には、図2、及び図10で示す如く略半円形状のガイド板27を設けると共に、フィードチェン6a用のチェンレール6cは、前後に二分割して、ガイド板27で接続させた構成である。
【0042】
これにより、前記伝動スプロケット21dの下側へガイド板27を設けたことにより、伝動スプロケット21dへ穀稈の巻き付きが防止できる。又、フィードチェン6aと、補助チェン8とを近接させることができて、下方のスペースの拡大を図ることができる。更にガイド板27により、二分割したチェンレール6cを接続することにより、チェンレール6cの強度アップを図ることができる。
【0043】
前記脱穀機5のフィードチェン6aの内側で、この脱穀機5の前側板5aに設けた穀稈供給口7の前側と、刈取機3の供給移送装置4の移送終端部との間には、図11〜図14で示す如く補助穂先チェン28を設けると共に、フィードチェン6aの移送始端部の前側で、このフィードチェン6aへ接続状態に補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29を配設した構成である。
【0044】
前記補助穂先チェン28の回転駆動は、フィードチェン6aの回転動力が、この補助穂先チェン28の移送終端部側へ入力されて、この補助穂先チェン28が回転駆動する構成である。又、補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29の回転駆動は、補助穂先チェン28の回転動力が、この補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29の移送始端部側へ入力されて、この補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29が回転駆動される構成である。
【0045】
前記補助株元ベルト29は、図13、及び図14で示す如く所定間隔に移送ラグ29bをVベルト方式のV字状の株元ベルト29aへ装着した構成である。
これにより、前記補助株元ベルト29は、Vベルト方式の株元ベルト29aへ複数の移送ラグ29bを装着した構成としたことにより、収穫作業時の騒音を防止することができる。
【0046】
図15で示す如く前記フィードチェン6aと、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29と、刈取機3の供給移送装置4等を有する構成において、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転速度は、刈取機3の供給移送装置4の最高回転速度の略半分の回転速度に設定して設けた構成である。又、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転速度は、略同じ回転速度にすると共に、これらの回転速度より、フィードチェン6aの回転速度を速くした構成である。
【0047】
これにより、前記補助株元チェン29と、補助穂先チェン28との回転速度を、刈取機3の供給移送装置4の回転速度の略半分の回転速度としたことにより、刈取機3から脱穀機5への低車速時の引継姿勢性が向上する。又、フィードチェン6aから補助穂先チェン28へ、又、補助穂先チェン28から補助株元チェン29へと、回転駆動する構成としたことにより、構成が簡単であり、更にフィードチェン6aの回転速度を速くすることができ、扱ぎ残し、及び藁屑発生を少なくすることができる。
【0048】
前記補助株元チェン29のガイド装置30は、図16、及び図17で示す如く穀稈を移送する移送通路と略平行に設けた構成である。このガイド装置30は、ガイド板30aへ略へ字状のガイド棒30bを設けた構成である。ガイド装置30の、ガイド板30aは、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との各チェンレール(共に図示せず)を接続させる連結板30cの上側面へボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
【0049】
これにより、前記ガイド装置30を補助株元チェン29で穀稈を移送する移送通路に平行に設け、又、この補助株元チェン29部に設けたことにより、穀稈移送の抵抗になることが少なくなる。
前記補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転駆動は、図18、及び図19で示す如く収穫作業中のときには、刈取機3の支持パイプ15bへ内装した伝動機構15dの先端部に設けた出力プーリ15eと、補助チェンケース31に設けたワンクラッチを有する入力プーリ31aとには、ベルト15fを掛け渡した構成として、刈取機3側より、回転動力を入力する構成である。
【0050】
又、枕刈取りした穀稈を脱穀機5へ供給して、脱穀するときには、エンジン19のエンジンプーリ19aと、脱穀カウンタケース32へ内装した伝動機構32aの右側端部へ軸支した入力プーリ32bとには、ベルト32cを掛け渡した構成として、脱穀カウンタケース32側から回転動力を入力する構成である。このベルト32cには、テンションクラッチ32dを設けた構成である。
【0051】
前記補助チェンケース31の入力プーリ31aの左外側と、脱穀カウンタケース32の伝動機構32aの左側部に設けたプーリ32eとには、ベルト32fを掛け渡して、刈取機3側より、回転動力を入力させた構成であり、このベルト32fには、刈用テンションクラッチ31bを設けた構成である。
【0052】
前記フィードチェン6aの挟持杆6bは、図20で示す如く補助株元チェン29の移送始端近傍部まで延長して設けた構成である。又、補助穂先チェン28用の挟持杆6eは、図20で示す如く略L字形状に形成して、挟持杆6bの内側面へ設けた構成である。
【0053】
これにより、前記補助株元チェン29の近傍部まで、挟持杆6bを延長して設けたことにより、刈取機3から脱穀機5への穀稈の引継ぎ姿勢が良好になった。又、補助穂先チェン28用の挟持杆6eを一体にして設けたことにより、穀稈のこぼれを防止することができる。
【0054】
前記ベルト32fに設けた刈用テンションクラッチ31bには、ワンウェイクラッチ(図示せず)を内装して設け、図18、及び図19で示す如く脱穀機5の脱穀カウンタケース32側より、回転動力が入力されたときには、ワンウェイクラッチにより、空転する構成である。脱穀機5側からの回転動力の入力は、テンションクラッチ32dの「入」−「切」操作により、補助穂先・株元チェン28,29が回転駆動される構成である。
【0055】
これにより、刈取り作業時は、前記刈取機3から回転動力が入力されて、補助穂先・株元チェン28,29が回転駆動されることにより、低車速時でも、刈取機3、及び脱穀機5の性能が安定する。又、枕扱ぎのときには、脱穀機5側からの伝動となることにより、走行が停止状態であっても、脱穀作業ができる。更に各補助チェン28,29は、フィードチェン6aとは、略同じ回転速度で穀稈が移送されることにより、枕刈り穀稈の脱穀作業が容易である。
【0056】
前記フィードチェン6aの前側で、刈取機3より、後方へ突出させて設ける引継案内ガイド33は、図21、及び図22で示す如く移送始端部側の挟持杆6aの下側面には、逆山形状の支持板34を固着して設け、移送始端部では、コ字形状の挟持杆6aと、引継案内ガイド33とにより、脱穀する穀稈は、挟持されて、脱穀機5内を移送供給される構成である。
【0057】
これにより、移送始端部の前記挟持杆6aの下側面には、支持板34を設け、この支持板34で引継案内ガイド33を受ける構成としたことにより、広い面で引継案内ガイド33を受けることになり、外れることを防止できる。更に移送始端部の挟持杆6aの強度アップを図ることができる。
【0058】
前記挟持杆6aは、図23、及び図24で示す如く複数個に分割すると共に、この各挟持杆6aの内側面には、吹出防止板35を設けた構成であり、各挟持杆6aの上下移動に連動して、各吹出防止板35も上下移動すると共に、各吹出防止板35の下端部は、脱穀機5の脱穀室5bへ沿わせて設けた構成である。
【0059】
これにより、前記挟持杆6aには、吹出防止板35を設けたことにより、脱穀室5bより、機外へ飛散する穀粒を防止することができる。
前記脱穀機5は、図1〜図7で示す如く刈取機3で後方上部へ移送された穀稈を引継ぎするフィードチェン6aと、補助チェン8と、挟持杆6bとを設けた構成である。
【0060】
前記フィードチェン6aと、挟持杆6bとにより、脱穀機5の脱穀室5b内を挟持移送中の穀稈は、扱胴5cの各種の扱歯5dで脱穀される構成である。この各扱歯5dの回転外周下側には、脱穀処理物が漏下する脱穀網5eを張設した構成である。
【0061】
前記脱穀室5bの右横側上部の後側には、排塵処理室36を設け、この排塵処理室36内には、排塵胴36aを設け、未脱穀処理物を再脱穀処理する構成である。又、排塵処理室36の前側には、二番処理室37を設け、この二番処理室37内には、二番処理物を再脱穀する二番胴37aを設けた構成である。
【0062】
前記脱穀室5bの下側には、選別室38を設け、この選別室38内には、揺動選別する上・下揺動選別装置39a,39bを設けて、脱穀網5e等から漏下する漏下物を、穀粒と、藁屑、及び稈切等に揺動選別する構成である。
前記揺動選別装置39bの下側には、上・下揺動選別装置39a,39bより、落下する落下物を風選別する送風機40を設けた構成である。
【0063】
前記送風機40の後側には、一番選別室41を設け、この一番選別室41の後側には、二番選別室42を設けた構成である。又、下揺動選別装置39bの移送終端部の上部には、藁屑等を機外へ排出する、吸引ファン43を設けた構成である。
【0064】
前記一番選別室41の右横側の外部には、一番揚穀筒44を設け、選別済み穀粒を穀粒貯留タンク10内へ揚送供給する構成である。二番選別室42の右横側の外部には、二番還元筒45を設け、二番物を二番処理室37内へ揚送供給する構成である。
【0065】
前記穀粒貯留タンク10内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク10の後側には、縦移送螺旋46aを内装した排出支持筒46を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒46の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋47aを伸縮自在に内装した排出オーガ47を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の平面図
【図2】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の側面図
【図3】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の側面図
【図4】脱穀機のチェンレール、及び補助チェンレール部の平面図
【図5】脱穀機の拡大側断面図
【図6】脱穀機の拡大平断面図
【図7】脱穀機の拡大正断面図
【図8】フィードチェン、及び補助チェンと、走行車速との関係図
【図9】コンバインの左側全体側面図
【図10】他の実施例を示す図で、フィードチェンのガイド板部の側面図
【図11】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先チェン、及び補助株元ベルトの側面図
【図12】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先チェン、及び補助株元ベルトの側面図
【図13】他の実施例を示す図で、補助株元ベルトの側面図
【図14】他の実施例を示す図で、図13のA−A断面図
【図15】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先・株元チェン側面図
【図16】他の実施例を示す図で、ガイド装置部の平面図
【図17】他の実施例を示す図で、ガイド装置部の側面図
【図18】他の実施例を示す図で、各補助チェン部の伝動機構の平面図
【図19】他の実施例を示す図で、各補助チェン部の伝動機構の側面図
【図20】他の実施例を示す図で、各挟持杆部の正断面図
【図21】他の実施例を示す図で、挟持杆と、引継ガイド杆部との拡大側面図
【図22】他の実施例を示す図で、挟持杆と、引継ガイド杆部との全体拡大側面図
【図23】他の実施例を示す図で、飛散防止板部の拡大正面図
【図24】他の実施例を示す図で、飛散防止板部の全体拡大側面図
【符号の説明】
3 刈取機
4 供給移送装置
5 脱穀機
6a フィードチェン
6c チェンレール
6d 切欠部
7 穀稈供給口
8 補助チェン
16a 制御装置
21b 外前スプロケット
21d 伝動スプロケット
21f 外後スプロケット
イ 中心位置
ロ 中心位置
H 所定距離
【発明の属する技術分野】
この発明は、刈取り穀稈を刈取機から引継ぎして、脱穀機内をフィードチェンと、該フィードチェンの内側で、脱穀機の前側に設けた補助チェンとにより、引継ぎ挟持移送して脱穀する構成において、これらフィードチェンと、補助チェンとの移送始端部の中心位置は、補助チェンの中心位置を所定距離上部へ位置させて設けた技術であり、コンバインの穀稈移送装置として利用できる。
【0002】
【従来の技術】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインを穀稈の植付け圃場を走行させて、刈取機で刈取りされた穀稈は、後方上部へ移送され、この刈取機の移送終端部に設けた受継案内装置から、脱穀機のフィードチェンと、このフィードチェンの内側で、穀稈供給口の前側へ設けたサブチェンとにより、引継ぎされて、脱穀機の脱穀室内を挟持移送中に、回転駆動する扱胴で脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、この脱穀機から機外へ排出される。
【0003】
前記フィードチェンと、サブチェンとの移送始端の中心位置は、特に、特開平11−168958号で記載の如く略同じ位置であり、これらフィードチェンと、サブチェンとにより、刈取り穀稈は、引継ぎされて、脱穀室内へ挟持移送されながら脱穀される。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−168958号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
刈取機の移送始端部から順次後方上部へ向けて、移送される穀稈は、この刈取機の移送終端部の受継案内装置から、脱穀機のフィードチェンと、サブチェンとに引継ぎされて、移送されるが、これらフィードチェンと、サブチェンとの移送始端部の中心位置が、略同じ高さ位置であることにより、引継ぎする穀稈の引継ぎ不良が発生したり、又、穀稈がスムーズに流れないことがあったり、更に穀稈の稈長に対する適応性が低いこと等があったが、この発明により、これらの問題点を解決しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、請求項1に記載の発明においては、刈取機3で刈取り移送される刈取穀稈は、該刈取機3から引継ぎして脱穀機5内を挟持移送するフィードチェン6aと、該フィードチェン6aの内側で脱穀機5の穀稈供給口7の前側には、補助チェン8等とを設けたコンバインにおいて、前記補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0007】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインを穀稈の植付け圃場を走行させて、刈取機3で刈取りされた穀稈は、後方上部へ移送され、この刈取機3の移送終端部に設けた供給移送装置4から、穀稈を引継ぎ、脱穀機5内を挟持移送するフィードチェン6aと、このフィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とにより、刈取り穀稈は引継ぎされる。
【0008】
前記補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けられた、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、引継ぎされて、挟持された穀稈は、脱穀機5内を挟持移送されながら脱穀され、脱穀済みで選別済みの穀粒は、この脱穀機5から機外へ排出されて、一時貯留される。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の穀稈を移送する最終端部に設けた供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0010】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5内のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、これらフィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けている。これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0011】
請求項3に記載の発明においては、前記フィードチェン6aの回転駆動で、補助チェン8を回転駆動する構成とすると共に、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、補助チェン8を駆動する。外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘り一体に形成して、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cには、切欠部6dを設け、フィードチェン6a、及び補助チェン8を駆動する伝動スプロケット21dを切欠部6dへ設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0012】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、フィードチェン6aの回転駆動で補助チェン8は回転駆動される。又、このフィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、補助チェン8を駆動する外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘り、一体に形成したフィードチェン6aのチェンレール6cには、切欠部6dを設け、補助チェン8を駆動する伝動スプロケット21dを軸支して設けている。
【0013】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
請求項4に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0014】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、この補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御され、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0015】
請求項5に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4に記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【0016】
前記刈取機3で刈取りされた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送終端部へ設けた供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて移送されるが、この補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御され、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とにより、穀稈は引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀される。
【0017】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明においては、刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、刈取り穀稈をフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎして、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀するが、この補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことにより、特に穀稈が長稈のときには、刈取機3の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とへの引継ぎ不良があったが、この不良を解消できて、長稈時の引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができた。
【0018】
請求項2に記載の発明においては、前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の移送終端部の供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けたことにより、穀稈が長稈のときであっても、引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができる。
【0019】
請求項3に記載の発明においては、前記フィードチェン6aの回転で補助チェン8を回転駆動すると共に、外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘って、チェンレール6cを形成して設け、このチェンレール6cには、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、補助チェン8を同時に回転駆動する伝動スプロケット21dを設けたことにより、刈取り穀稈は、刈取機3の供給移送装置4から、フィードチェン6a、及び補助チェン8への穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0020】
請求項4に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
請求項5に記載の発明においては、前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン1の走行車台2の前方部に設けた刈取機3で刈取られた刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、移送後端に設けた供給移送装置4から、走行車台2の上側へ載置した脱穀機5の左側上部に設けたフィードチェン6aと、このフィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とにより、引継ぎされて、脱穀機5内を挟持移送中に、穀稈は脱穀される構成である。脱穀機5と、この脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8等を主に図示して説明する。
【0022】
前記コンバイン1の走行車台2の下側には、図9で示す如く土壌面を走行する左右一対の走行クローラ9aを張設した走行装置9を配設し、走行車台2の上側には、脱穀機5を載置した構成である。走行車台2の前方部の刈取機3で立毛穀稈を刈取りし、この刈取り穀稈は、この刈取機3で後方上部へ移送され、この刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、挟持杆6bと、補助チェン8等とで引継ぎされて、挟持移送されながら脱穀される。脱穀済みで選別済み穀粒は、脱穀機5の右横側に配設した穀粒貯留タンク10内へ一時貯留される。
【0023】
前記走行車台2の前方部には、図9で示す如く前端位置から立毛穀稈を分離するナローガイド11a、及び各分草体11bと、立毛穀稈を引起す各引起装置11cと、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置12の各掻込装置12aと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置11dと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機5左側部へ設けたフィードチェン6a、及び挟持杆6bと、該フィードチェン6aの内側で、脱穀機5の穀稈供給口7の前側へ設けた補助チェン8とへ受渡しする穀稈掻込移送装置12の根元・穂先移送装置13a,13bと、穀稈移送の移送終端部に設けた供給移送装置4等からなる刈取機3を設けている。該刈取機3は、油圧駆動による伸縮シリンダ14により、土壌面に対して、昇降自在に移動する構成である。
【0024】
前記刈取機3の前方下部から後方上部へ傾斜する支持杆15aの上端部には、左右方向の支持パイプ杆15bを設け、この支持パイプ杆15bを走行車台2の上側面に設けた支持装置15cで回動自在に支持させて、伸縮シリンダ14の作動により、刈取機3は支持パイプ杆15bを回動中心として、上下に回動する構成である。
【0025】
前記刈取機3の穀稈掻込移送装置12によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機5へ穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ3aを設けた構成である。
前記穀粒貯留タンク10側の前部には、図9で示す如くコンバイン1を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う操作装置16と、これら操作を行う作業者が搭乗する操縦席17とは、操作室ケース18で形成した操作室18a内へ設け、この操縦席17の下側で、走行車台2の上側面には、エンジン19を載置すると共に、後方部には、穀粒貯留タンク10を配設する。これら走行装置9と、刈取機3と、脱穀機5と、エンジン19等により、コンバイン1の機体1aを形成した構成である。
【0026】
前記走行車台2の前端部に装架した走行用のミッションケース20内の伝動機構20aの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ20bを設けた構成である。
前記刈取機3の刈刃装置11dで刈取りされた刈取り穀稈は、穀稈掻込移送装置12の根元・穂先移送装置13a,13b、及び供給移送装置4等により、後方上部へ移送され、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎされて、脱穀機5の脱穀室5b内へ供給され、フィードチェン6aと、挟持杆6bとにより、穀稈は脱穀室5b内を挟持移送される構成である。
【0027】
前記フィードチェン6aは、図1〜図4で示す如く脱穀機5の左外側へ設けると共に、前軸21aへ軸支した外前スプロケット21bと、伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dと、後軸21eへ軸支した外後スプロケット21fとには、フィードチェン6aを掛け渡した構成である。又、このフィードチェン6aを伸張調節するテンション装置22を設けた構成である。
【0028】
前記補助チェン8は、図1〜図4で示す如くフィードチェン6aの内側で、脱穀機5を形成する前側板5aの穀稈を供給する穀稈供給口7の前側へ設けると共に、前軸23aへ軸支した内前スプロケット23bと、フィードチェン6aの右側へ延長させて設けた、伝動軸21cへ軸支した内後スプロケット23cとには、補助チェン8を掛け渡した構成である。
【0029】
前記補助チェン8の移送始端部に設けた前軸23aの中心位置(イ)は、図2で示す如くフィードチェン6aの移送始端部に設けた、前軸21aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けた構成である。刈取機3の移送終端部に設けた供給移送装置4より、これらフィードチェン6aと、補助チェン8とで穀稈の引継ぎを良好にした構成である。
【0030】
前記刈取機3の移送終端部の供給移送装置4から、刈取り穀稈をフィードチェン6aと、補助チェン8とで引継ぎして、脱穀機5内を挟持移送中に脱穀するが、この補助チェン8の移送始端部に設けた前軸23aの中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部に設けた前軸21aの中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことにより、特に穀稈が長稈のときには、刈取機3の供給移送装置4から、脱穀機5のフィードチェン6aと、補助チェン8とへの引継ぎ不良があったが、両者の移送始端部の高さ位置を変更したことにより、引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができた。
【0031】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部の位置は、図1で示す如く刈取機3の穀稈を移送する最終端部に設けた供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けた構成である。
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の移送終端部へ設けた供給移送装置4の近傍部位置させて設けたことにより、穀稈が長稈のときであっても、穀稈の引継ぎ性能の向上を図ることができると共に、穀稈の流れをスムーズにすることができる。
【0032】
前記フィードチェン6aの回転駆動により、図1、図2、及び図4で示す如く補助チェン8を同時に、回転駆動する構成であると共に、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、右横側に設けた補助チェン8を駆動する。外前スプロケット21aの所定距離の前方部位置から、外後スプロケット21fの所定距離後方部位置までの間に亘り、一体に形成して設けた構成である。又、このチェンレール6cの伝動スプロケット21dが位置する箇所には、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、伝動軸21cを軸支して設けた構成である。この伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dの回転駆動により、フィードチェン6aが回転駆動されると共に、補助チェン8も同時に回転駆動される構成である。
【0033】
前記フィードチェン6aの回転駆動で、補助チェン8を回転駆動すると共に、外前スプロケット21bの前部から、外後スプロケット21fの後部に亘って、チェンレール6cを形成して、このチェンレール6cには、切欠部6dを設け、この切欠部6dには、補助チェン8を同時に回転駆動する伝動スプロケット21dを設けたことにより、刈取り穀稈は、刈取機3の供給移送装置4から、フィードチェン6a、及び補助チェン8への穀稈の引継ぎがスムーズにできる。
【0034】
前記補助チェン8の回転速度は、図8で示す如くフィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御される構成である。
前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0035】
前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に、制御装置16aで制御される構成である。
前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御装置16aで制御されることにより、低車速時の穀稈の引継ぎがスムーズになった。
【0036】
前記フィードチェン6aと、補助チェン8との回転駆動は、図1、及び図2で示す如くエンジン19の回転動力が主伝動軸26へ入力され、この主伝動軸26の一方側端部に設けた出力プーリ26aと、脱穀機5の左外側へ設けた脱穀伝動ケース25の後側の脱穀伝動軸25aへ軸支した入力プーリ25bとには、ベルト25cを掛け渡した構成である。又、この脱穀伝動ケース25の前側には、後軸21eを軸支して設け、この後軸21eへ外後スプロケット21fを軸支して設け、この外後スプロケット21fが回転駆動されて、フィードチェン6a、及び補助チェン8等が回転駆動される構成である。
【0037】
前記補助チェン8は、図1〜図3で示す如く移送始端部の前軸23aへ軸支した内前スプロケット23bの中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の前軸21aへ軸支した外前スプロケット21bの中心位置(ロ)により、所定距離(H)上部へ位置させると共に、補助チェン8の穀稈を移送する移送ライン(ハ)は、フィードチェン6aの穀稈を移送する移送ライン(ニ)により、上方へ位置させて設けた構成である。
【0038】
前記補助チェン8の穀稈を移送する移送ライン(ハ)は、図1〜図3で示す如くフィードチェン6aの穀稈を移送する移送ライン(ニ)により、上部へ位置すべく、補助チェン8を支持する補助チェンレール8aの基部(後側部)は、伝動軸21cへ回動自在に軸支して設けると共に、先端部(前側部)には、長孔8bを設け、この長孔8bのセット位置により、補助チェン8の移送ライン(ハ)を調節する構成である。
【0039】
これにより、穀稈の短稈を脱穀作業するときには、前記補助チェンレール8aを上昇操作して、補助チェン8のみへ穀稈が接触する状態に操作して、短稈が移送される状態にすることにより、短稈の穀稈は乱れることなく、引継ぎすることができる。又、長稈のときには、この補助チェン8を下げて、フィードチェン6aと補助チェン8との両者を穀稈へ作用させることにより、穀稈の搬送性能の向上を図ることができる。
【0040】
前記補助チェン8を回転駆動する。図1で示す如くフィードチェン6aの伝動軸21cへ軸支した伝動スプロケット21dの上側部まで、フィードチェン6a用の挟持杆6bを延長させて設けた構成である。
これにより、前記挟持杆6bで伝動スプロケット21dの上側のフィードチェン6aを押圧することにより、このフィードチェン6aが伝動スプロケット21dから外れることを防止できる。
【0041】
前記補助チェン8は、フィードチェン6aの伝動軸21cの伝動スプロケット21dを介して、回転駆動する構成において、伝動スプロケット21dの下側には、図2、及び図10で示す如く略半円形状のガイド板27を設けると共に、フィードチェン6a用のチェンレール6cは、前後に二分割して、ガイド板27で接続させた構成である。
【0042】
これにより、前記伝動スプロケット21dの下側へガイド板27を設けたことにより、伝動スプロケット21dへ穀稈の巻き付きが防止できる。又、フィードチェン6aと、補助チェン8とを近接させることができて、下方のスペースの拡大を図ることができる。更にガイド板27により、二分割したチェンレール6cを接続することにより、チェンレール6cの強度アップを図ることができる。
【0043】
前記脱穀機5のフィードチェン6aの内側で、この脱穀機5の前側板5aに設けた穀稈供給口7の前側と、刈取機3の供給移送装置4の移送終端部との間には、図11〜図14で示す如く補助穂先チェン28を設けると共に、フィードチェン6aの移送始端部の前側で、このフィードチェン6aへ接続状態に補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29を配設した構成である。
【0044】
前記補助穂先チェン28の回転駆動は、フィードチェン6aの回転動力が、この補助穂先チェン28の移送終端部側へ入力されて、この補助穂先チェン28が回転駆動する構成である。又、補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29の回転駆動は、補助穂先チェン28の回転動力が、この補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29の移送始端部側へ入力されて、この補助株元ベルト29、又は補助株元チェン29が回転駆動される構成である。
【0045】
前記補助株元ベルト29は、図13、及び図14で示す如く所定間隔に移送ラグ29bをVベルト方式のV字状の株元ベルト29aへ装着した構成である。
これにより、前記補助株元ベルト29は、Vベルト方式の株元ベルト29aへ複数の移送ラグ29bを装着した構成としたことにより、収穫作業時の騒音を防止することができる。
【0046】
図15で示す如く前記フィードチェン6aと、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29と、刈取機3の供給移送装置4等を有する構成において、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転速度は、刈取機3の供給移送装置4の最高回転速度の略半分の回転速度に設定して設けた構成である。又、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転速度は、略同じ回転速度にすると共に、これらの回転速度より、フィードチェン6aの回転速度を速くした構成である。
【0047】
これにより、前記補助株元チェン29と、補助穂先チェン28との回転速度を、刈取機3の供給移送装置4の回転速度の略半分の回転速度としたことにより、刈取機3から脱穀機5への低車速時の引継姿勢性が向上する。又、フィードチェン6aから補助穂先チェン28へ、又、補助穂先チェン28から補助株元チェン29へと、回転駆動する構成としたことにより、構成が簡単であり、更にフィードチェン6aの回転速度を速くすることができ、扱ぎ残し、及び藁屑発生を少なくすることができる。
【0048】
前記補助株元チェン29のガイド装置30は、図16、及び図17で示す如く穀稈を移送する移送通路と略平行に設けた構成である。このガイド装置30は、ガイド板30aへ略へ字状のガイド棒30bを設けた構成である。ガイド装置30の、ガイド板30aは、補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との各チェンレール(共に図示せず)を接続させる連結板30cの上側面へボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
【0049】
これにより、前記ガイド装置30を補助株元チェン29で穀稈を移送する移送通路に平行に設け、又、この補助株元チェン29部に設けたことにより、穀稈移送の抵抗になることが少なくなる。
前記補助穂先チェン28と、補助株元チェン29との回転駆動は、図18、及び図19で示す如く収穫作業中のときには、刈取機3の支持パイプ15bへ内装した伝動機構15dの先端部に設けた出力プーリ15eと、補助チェンケース31に設けたワンクラッチを有する入力プーリ31aとには、ベルト15fを掛け渡した構成として、刈取機3側より、回転動力を入力する構成である。
【0050】
又、枕刈取りした穀稈を脱穀機5へ供給して、脱穀するときには、エンジン19のエンジンプーリ19aと、脱穀カウンタケース32へ内装した伝動機構32aの右側端部へ軸支した入力プーリ32bとには、ベルト32cを掛け渡した構成として、脱穀カウンタケース32側から回転動力を入力する構成である。このベルト32cには、テンションクラッチ32dを設けた構成である。
【0051】
前記補助チェンケース31の入力プーリ31aの左外側と、脱穀カウンタケース32の伝動機構32aの左側部に設けたプーリ32eとには、ベルト32fを掛け渡して、刈取機3側より、回転動力を入力させた構成であり、このベルト32fには、刈用テンションクラッチ31bを設けた構成である。
【0052】
前記フィードチェン6aの挟持杆6bは、図20で示す如く補助株元チェン29の移送始端近傍部まで延長して設けた構成である。又、補助穂先チェン28用の挟持杆6eは、図20で示す如く略L字形状に形成して、挟持杆6bの内側面へ設けた構成である。
【0053】
これにより、前記補助株元チェン29の近傍部まで、挟持杆6bを延長して設けたことにより、刈取機3から脱穀機5への穀稈の引継ぎ姿勢が良好になった。又、補助穂先チェン28用の挟持杆6eを一体にして設けたことにより、穀稈のこぼれを防止することができる。
【0054】
前記ベルト32fに設けた刈用テンションクラッチ31bには、ワンウェイクラッチ(図示せず)を内装して設け、図18、及び図19で示す如く脱穀機5の脱穀カウンタケース32側より、回転動力が入力されたときには、ワンウェイクラッチにより、空転する構成である。脱穀機5側からの回転動力の入力は、テンションクラッチ32dの「入」−「切」操作により、補助穂先・株元チェン28,29が回転駆動される構成である。
【0055】
これにより、刈取り作業時は、前記刈取機3から回転動力が入力されて、補助穂先・株元チェン28,29が回転駆動されることにより、低車速時でも、刈取機3、及び脱穀機5の性能が安定する。又、枕扱ぎのときには、脱穀機5側からの伝動となることにより、走行が停止状態であっても、脱穀作業ができる。更に各補助チェン28,29は、フィードチェン6aとは、略同じ回転速度で穀稈が移送されることにより、枕刈り穀稈の脱穀作業が容易である。
【0056】
前記フィードチェン6aの前側で、刈取機3より、後方へ突出させて設ける引継案内ガイド33は、図21、及び図22で示す如く移送始端部側の挟持杆6aの下側面には、逆山形状の支持板34を固着して設け、移送始端部では、コ字形状の挟持杆6aと、引継案内ガイド33とにより、脱穀する穀稈は、挟持されて、脱穀機5内を移送供給される構成である。
【0057】
これにより、移送始端部の前記挟持杆6aの下側面には、支持板34を設け、この支持板34で引継案内ガイド33を受ける構成としたことにより、広い面で引継案内ガイド33を受けることになり、外れることを防止できる。更に移送始端部の挟持杆6aの強度アップを図ることができる。
【0058】
前記挟持杆6aは、図23、及び図24で示す如く複数個に分割すると共に、この各挟持杆6aの内側面には、吹出防止板35を設けた構成であり、各挟持杆6aの上下移動に連動して、各吹出防止板35も上下移動すると共に、各吹出防止板35の下端部は、脱穀機5の脱穀室5bへ沿わせて設けた構成である。
【0059】
これにより、前記挟持杆6aには、吹出防止板35を設けたことにより、脱穀室5bより、機外へ飛散する穀粒を防止することができる。
前記脱穀機5は、図1〜図7で示す如く刈取機3で後方上部へ移送された穀稈を引継ぎするフィードチェン6aと、補助チェン8と、挟持杆6bとを設けた構成である。
【0060】
前記フィードチェン6aと、挟持杆6bとにより、脱穀機5の脱穀室5b内を挟持移送中の穀稈は、扱胴5cの各種の扱歯5dで脱穀される構成である。この各扱歯5dの回転外周下側には、脱穀処理物が漏下する脱穀網5eを張設した構成である。
【0061】
前記脱穀室5bの右横側上部の後側には、排塵処理室36を設け、この排塵処理室36内には、排塵胴36aを設け、未脱穀処理物を再脱穀処理する構成である。又、排塵処理室36の前側には、二番処理室37を設け、この二番処理室37内には、二番処理物を再脱穀する二番胴37aを設けた構成である。
【0062】
前記脱穀室5bの下側には、選別室38を設け、この選別室38内には、揺動選別する上・下揺動選別装置39a,39bを設けて、脱穀網5e等から漏下する漏下物を、穀粒と、藁屑、及び稈切等に揺動選別する構成である。
前記揺動選別装置39bの下側には、上・下揺動選別装置39a,39bより、落下する落下物を風選別する送風機40を設けた構成である。
【0063】
前記送風機40の後側には、一番選別室41を設け、この一番選別室41の後側には、二番選別室42を設けた構成である。又、下揺動選別装置39bの移送終端部の上部には、藁屑等を機外へ排出する、吸引ファン43を設けた構成である。
【0064】
前記一番選別室41の右横側の外部には、一番揚穀筒44を設け、選別済み穀粒を穀粒貯留タンク10内へ揚送供給する構成である。二番選別室42の右横側の外部には、二番還元筒45を設け、二番物を二番処理室37内へ揚送供給する構成である。
【0065】
前記穀粒貯留タンク10内に貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク10の後側には、縦移送螺旋46aを内装した排出支持筒46を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この排出支持筒46の上端部には、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋47aを伸縮自在に内装した排出オーガ47を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の平面図
【図2】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の側面図
【図3】脱穀機のフィードチェン、及び補助チェン部の側面図
【図4】脱穀機のチェンレール、及び補助チェンレール部の平面図
【図5】脱穀機の拡大側断面図
【図6】脱穀機の拡大平断面図
【図7】脱穀機の拡大正断面図
【図8】フィードチェン、及び補助チェンと、走行車速との関係図
【図9】コンバインの左側全体側面図
【図10】他の実施例を示す図で、フィードチェンのガイド板部の側面図
【図11】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先チェン、及び補助株元ベルトの側面図
【図12】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先チェン、及び補助株元ベルトの側面図
【図13】他の実施例を示す図で、補助株元ベルトの側面図
【図14】他の実施例を示す図で、図13のA−A断面図
【図15】他の実施例を示す図で、フィードチェンと、補助穂先・株元チェン側面図
【図16】他の実施例を示す図で、ガイド装置部の平面図
【図17】他の実施例を示す図で、ガイド装置部の側面図
【図18】他の実施例を示す図で、各補助チェン部の伝動機構の平面図
【図19】他の実施例を示す図で、各補助チェン部の伝動機構の側面図
【図20】他の実施例を示す図で、各挟持杆部の正断面図
【図21】他の実施例を示す図で、挟持杆と、引継ガイド杆部との拡大側面図
【図22】他の実施例を示す図で、挟持杆と、引継ガイド杆部との全体拡大側面図
【図23】他の実施例を示す図で、飛散防止板部の拡大正面図
【図24】他の実施例を示す図で、飛散防止板部の全体拡大側面図
【符号の説明】
3 刈取機
4 供給移送装置
5 脱穀機
6a フィードチェン
6c チェンレール
6d 切欠部
7 穀稈供給口
8 補助チェン
16a 制御装置
21b 外前スプロケット
21d 伝動スプロケット
21f 外後スプロケット
イ 中心位置
ロ 中心位置
H 所定距離
Claims (5)
- 刈取機3で刈取り移送される刈取穀稈は、該刈取機3から引継ぎして脱穀機5内を挟持移送するフィードチェン6aと、該フィードチェン6aの内側で脱穀機5の穀稈供給口7の前側には、補助チェン8等とを設けたコンバインにおいて、前記補助チェン8の移送始端部の中心位置(イ)は、フィードチェン6aの移送始端部の中心位置(ロ)より、所定距離(H)上部へ位置させて設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置。
- 前記フィードチェン6aと、補助チェン8との移送始端部は、刈取機3の穀稈を移送する最終端部に設けた供給移送装置4の近傍部へ位置させて設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバインの穀稈移送装置。
- 前記フィードチェン6aの回転駆動で、補助チェン8を回転駆動する構成とすると共に、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cは、補助チェン8を駆動する。外前スプロケット21bの前方部から、外後スプロケット21fの後方部に亘り一体に形成して、フィードチェン6aを支持するチェンレール6cには、切欠部6dを設け、フィードチェン6a、及び補助チェン8を駆動する伝動スプロケット21dを切欠部6dへ設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載のコンバインの穀稈移送装置。
- 前記補助チェン8の回転速度は、フィードチェン6aの回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3に記載のコンバインの穀稈移送装置。
- 前記補助チェン8の回転速度は、刈取機3の最高回転速度の略半分の回転速度に制御する制御装置16aを設けたことを特徴とする請求項1、又は請求項2、又は請求項3、又は請求項4に記載のコンバインの穀稈移送装置。
Priority Applications (1)
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- 2003-06-04 JP JP2003159608A patent/JP2004357578A/ja active Pending
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