JP4013411B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場内の植立穀稈を刈り取って脱穀選別する農業機械であるコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のコンバインにおいては、走行車速が増加するとフィードチェンの搬送速度も単純に増加するのみの構成である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
扱ぎ残しの防止と藁の傷みの減少と藁屑の発生の防止。また、一定の層厚穀稈の供給による脱穀機の性能安定化。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このために、この発明は、走行装置6を有する車台6aの前方に植立穀稈を刈り取って後方へ搬送する刈取機15を設け、前記車台6aの上方一側には前記刈取機15で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェン7で引継ぎ搬送しながら脱穀して選別する脱穀機2を設け、該脱穀機2の他側には脱穀機2で選別された穀粒を一時貯留する穀粒貯留タンク9を設けたコンバインにおいて、前記脱穀機2上部の脱穀室30内後部には多種類で多数本の扱歯31aを装着した後扱胴31を扱胴軸31bに軸支し、脱穀室30内前部には多種類で多数本の扱歯31aを装着した前扱胴32を扱胴パイプ32aで軸支する構成とし、前記後扱胴31の回転数とフィードチェン7及び該フィードチェン7から搬送さ れてきた排藁を引き継ぎ搬送する排藁チェン57の移送速度は、作業中の走行装置6の走行車速に連動して変速制御する構成とし、走行装置6の作業速度が超低速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン7の増速変化率は大きくする構成にすると共に後扱胴31は等速駆動する構成とし、走行装置6の作業速度が超低速域を超えると、車速の増速変化率とフィードチェン7及び後扱胴31の増速変化率は同じになる構成とし、走行装置6の作業速度が最高速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン7及び後扱胴31は等速駆動する構成とし、前記刈取機15の穀稈搬送装置14には、穀稈の層厚を検出する穀稈層厚センサ14aと、穀稈搬送装置14で移送される穀稈の移送速度を検出する速度センサ14bを設け、該穀稈層厚センサ14aと速度センサ14bの検出値から、フィードチェン7側の移送始端での層厚を判定し、フィードチェン7側で常時一定の層厚となるようにフィードチェン7の移送速度を変更制御する構成とし、さらに、穀稈搬送装置14の移送速度とフィードチェン7の移送速度とに所定値以上の速度差が発生したときには、フィードチェン7の移送速度を高速度移送に変更制御することを特徴とするコンバインの構成とする。
【0005】
【発明の作用】
刈取機15で刈り取られた穀稈は、後方へと搬送されて脱穀機2のフィードチェン7へと引継ぎ搬送される。穀稈はフィードチェン7で搬送されながら脱穀機2で脱穀選別され、脱穀選別された穀粒は、穀粒貯留タンク9内に一時貯留される。
後扱胴31の回転数とフィードチェン7及びフィードチェン7から搬送されてきた排藁を引き継ぎ搬送する排藁チェン57の移送速度は、作業中の走行装置6の走行車速に連動して変速制御する。
走行装置6の作業速度が超低速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン7の増速変化率は大きくする構成にすると共に後扱胴31は等速駆動する構成とする。
走行装置6の作業速度が超低速域を超えると、車速の増速変化率とフィードチェン7及び後扱胴31の増速変化率は同じになる構成とする。
走行装置6の作業速度が最高速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン7及び後扱胴31は等速駆動する。
刈取機15の穀稈搬送装置14の層厚と速度から、フィードチェン7側の移送始端での層厚を判定する。そして、フィードチェン7側で常時一定の層厚となるようにフィードチェン7の移送速度を変更制御する。
そして、穀稈搬送装置14の移送速度とフィードチェン7の移送速度とに所定値以上の速度差が発生したときには、フィードチェン7の移送速度を高速度移送に変更する。
【0006】
【発明の効果】
穀稈の扱ぎ残しを防止することができるようになる。また、藁の傷みを減少させて藁屑の発生を防止することができるようになる。また、脱穀機2側には一定の層厚で穀稈が供給されて、脱穀性能が安定するようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
コンバイン1に載置した脱穀機2の右横側の下部に設けた揚穀螺旋メタル3と、この揚穀螺旋メタル3上側に設けた揚穀移送筒4とには、内装して穀粒を揚送する揚穀螺旋5を図示して説明する。
前記コンバイン1の車台6aの下部には、土壌面を走行する左右一対の走行クロ−ラ6bを張設した走行装置6を配設し、該走行車台6a上部にはフィ−ドチエン7と挾持杆8等によって挾持されて移送される刈取り穀稈を脱穀し、脱穀済み穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒貯留タンク9を横側に装着した脱穀機2を載置した構成である。
【0008】
前記脱穀機2の前部には、前端部から立毛穀稈を分離する分草体10と、この分離された穀稈を引起す引起装置11と、引起された穀稈を刈取る刈刃装置12と、刈取られた穀稈を掻込み移送して、フィ−ドチエン7と挾持杆8とへ受渡しする穀稈掻込装置13、及び穀稈層圧センサ14aと速度センサ14bとを有する穀稈搬送装置14等よりなる刈取機15を設け、この刈取機15は油圧駆動による伸縮シリンダ15aにより、土壌面に対して昇降自在に作用させる構成である。
【0009】
前記脱穀機2側には、コンバイン1の操作制御を行う操作装置16と、作業者が搭乗する操縦席17とを設け、この操縦席17の下部には、エンジン18を載置すると共に、後側には、穀粒貯留タンク9を設置する。これら走行装置6、脱穀機2、刈取機15、エンジン18等により、該コンバイン1の機体19を構成している。
【0010】
前記刈取機15の穀稈搬送装置14によって形成される穀稈の搬送経路中には、刈取られた移送される穀稈に接触作用することにより、脱穀機2へ穀稈供給の有無を検出する穀稈センサ20を設けている。車台6aの前端部に装架された走行用ミッション21の伝動経路中には、その出力回転数に基づいて走行車速を検出する車速センサ21aを設けた構成である。
【0011】
前記車台6aの上側でエンジン18後側には、図2、及び図3で示す如く後部が門形状に形成した支持枠22を設け、この支持枠22と該車台6aの前端部に設けた前カバ−22aとは、コ字形状の連結杆22bで接続させた構成である。
前記支持枠22の外側の支柱部で上下両側には、略中央部に挿入孔23aを設けた受ボス23,23を固着して設けた構成である。
【0012】
前記エンジン18の右外側部には、エンジンカバ−24を回動自在に装着する構成であり、このエンジンカバ−24の内側面には、補強部材24aを装着し、この補強部材24aの後側面の上下両側には、略中央部に挿入孔25aを設けた回動ボス25,25を固着して設けると共に、前部には、座席カバ−24bを設け、これら座席カバ−24bと補強部材24aの上側には、操縦席17を設けた構成である。
【0013】
前記支持枠22の受ボス23,23間には、エンジンカバ−24の補強部材24aに設けた回動ボス25,25を挿入し、これら受ボス23と回動ボス25の各挿入孔23a,25aには、回動ピン26を挿入して、該エンジンカバ−24を回動させる構成である。
前記穀粒貯留タンク9とエンジンカバ−24との間は、図3で示す如く所定の隙間(M)を設け、この隙間(M)部には、隙間カバ−27を設けている。この隙間カバ−27の外側の(N)位置には、該エンジンカバ−24の回動支点である回動ピン26,26を位置させて設け、このエンジンカバ−24の回動を容易にした構成である。
【0014】
これにより、前記エンジンカバ−24の回動支点は、隙間カバ−27の外側に位置させ、又、この隙間カバ−27の前後方向の全幅を広くしたことにより、該エンジンカバ−24の開角度を90゜以上の開操作可能となり、エンジン18近傍の点検、及び補修等が容易になった。
前記穀粒貯留タンク9の下部の左右両側には、左・右流下案内底板9a,9bを設けると共に、下部には、タンク移送螺旋9cを軸支して設け、該右側部の該右流下案内底板9bの外側面には、図4、及び図5で示す如くコ字形状の受枠28をボルト、及びナット等によって装着し、この受枠28の一方側には、タンク用モ−タ28aを装着し、このタンク用モ−タ28aのモ−タ軸28bは、該受枠28の前後両側に設けた受けメタル28c,28cで軸支した構成である。該モ−タ軸28bの軸端部には、変形おもり29を装着した構成であり、この変形おもり29の回転駆動により、該左・右流下案内底板9a,9bが振動され、これら流下案内底板9a,9b上の高水分値の穀粒の停滞を防止する構成である。
【0015】
これにより、穀粒貯留タンク9の左・右流下案内底板9a,9b上に停滞する高水分値の穀粒は、変形おもり29の回転駆動によって、振動が発生することにより、停滞を防止することができる。
前記脱穀機2は、図6〜図9で示す如く上部の脱穀室30内後部には、多種類で多数本の扱歯31aを装着した後扱胴31を扱胴軸31bに軸支すると共に、該脱穀室30内の前部には、多種類で多数本の扱歯31aを装着した前扱胴32を扱胴パイプ32aで軸支した構成であり、前後に2分割した構成である。該扱胴軸31bは前機壁2aと中機壁2bとの間に、前後方向に軸支した構成である。該扱胴パイプ32は該扱胴軸31bに設けた前・後受具32b,32cで回転自在に軸支した構成である。
【0016】
前記後扱胴31は扱胴軸31bの前端部に設けた前扱胴プ−リ33aで回転駆動する構成である。又、前扱胴32は扱胴パイプ32bの前端部に設けた後扱胴プ−リ33bで回転駆動する構成であり、これら前・後扱胴32,31は別々に回転駆動させる構成である。
前記後扱胴31の回転数制御は、図10で示す如くコンバイン1で収穫作業時の走行用ミッション21内の車速センサ21aが検出する走行装置6の作業中の走行車速に基づいて、変速回転制御するフィ−ドチエン7の移送速度制御に連動する構成である。該走行装置6の走行速度が高速走行で、該フィ−ドチエン7を増速して高速移送制御のときは、該後扱胴31の回転数も高回転に制御する構成である。又、該走行装置6の走行速度が低速走行で、該フィ−ドチエン7を減速して低速移送制御のときは、該後扱胴31の回転数も低回転に制御する構成である。
【0017】
前記脱穀室30の平面視右側で後扱胴31の後側には、該脱穀室30内から排出される未脱穀処理物を後方へ移送しながら再度脱穀処理する排塵処理室34を形成し、この排塵処理室34内には、排塵螺旋35a、及び排塵排出羽根35cを装着した排塵処理胴35を排塵軸35bで軸支した構成であり、この排塵軸35bは前機壁2aと後機壁2cとの間に、前後方向に軸支した構成である。
【0018】
前記排塵処理室34の前側には、二番処理室36を形成し、この二番処理室36内へ供給される二番物を前方へ移送しながら再度脱穀処理する多数本の二番処理歯37a、及び二番排出羽根37bを装着した二番処理胴37を同軸の排塵軸35bで軸支した構成である。
前記脱穀室30の平面視左側の扱ぎ口38に沿って、刈取り穀稈を挾持して移送するフィ−ドチエン7と挾持杆8とを配設すると共に、扱歯31aの外周縁下部から扱胴カバ−38aまでの間を包囲する扱網38bを配設し、排塵処理室34は排塵螺旋35aの外周縁の下部側を包囲する漏下具39を設けた構成である。
【0019】
前記中機壁2bの前側で扱網38bの移送終端部には、扱室排出口38cを設けた構成である。漏下具39の移送終端部には、排塵排出口39aを設けた構成である。二番処理室36は二番処理歯37aの外周縁の下部側を包囲する二番受板40を配設した構成である。この二番受板40の移送終端部には、二番排出口40aを設けた構成である。
【0020】
前記フィ−ドチエン7は、図11で示す如くチエン摺し41の移送始端部の前スプロケット41aと、移送終端部のギヤ−ケ−ス42で軸支した後スプロケット42aとに掛け渡した構成である。該ギヤ−ケ−ス42には、無段変速装置42bを内装して設け、この無段変速装置42bで該後スプロケット42aの回転数を増減制御して、該フィ−ドチエン7の移送速度を高速度、及び低速度に制御する構成であり、この移送速度の制御は作業中の走行装置6の走行速度に連動する構成である。
【0021】
前記無段変速装置42bの軸端に軸支した変速プ−リ43は、前部カウンタプ−リ43a,一番プ−リ43b,二番プ−リ43c,後カウンタ大プ−リ43d及び後カウンタ小プ−リ43e等に掛け渡したベルト44a,44bで回転駆動する構成である。
前記の如く前記走行装置6の作業中の走行速度に基づいて、後扱胴31とフィ−ドチエン7との両者の回転数と移送速度とを制御することにより、該フィ−ドチエン7が増速時には、該後扱胴31を高回転数にすることにより、脱穀室30内での穀稈の通過時間が減少するが、扱歯31aが穀稈に当接する回数を増加させて、扱ぎ残しを防止することができる。又、該フィ−ドチエン7が低速度のときは、該後扱胴31の回転数を低回転数にすることにより、藁の傷みを減少させて藁屑の発生が防止できる。
【0022】
前記穀稈搬送装置14に設けた穀稈層厚センサ14aが検出する穀稈の層厚と、この穀稈搬送装置14で移送される穀稈の移送速度を検出する速度センサ14bが検出する移送速度とにより、フィ−ドチエン7の移送始端での層厚を判定し、該フィ−ドチエン7側で常に一定の層厚にすべく該フィ−ドチエン7の移送速度を変更制御する構成である。前記穀稈搬送装置14で穀稈を移送する移送速度と、該フィ−ドチエン7で穀稈を移送する移送速度とに、所定値以上の速度差が発生したときには、図12示す如く前記の条件をクリアさせて、該フィ−ドチエン7の移送速度を高速度移送に変更制御する構成である。
【0023】
これにより、刈取り作業速と穀稈の層厚により、前記フィ−ドチエン7の移送速度を決定することにより、常に脱穀機2側には、一定の層厚で穀稈が供給されることとなり、このために、脱穀性能が安定する。
前記扱胴軸31bの後端部には、図7で示す如くプ−リ56aを設け、フィ−ドチエン7から脱穀済み排藁の供給を受けて後方へ移送する排藁チエン57を回転駆動する排藁ボックス57aに設けた排藁軸57bの軸端部には、プ−リ56bを設け、これらプ−リ56aとプ−リ56bとには、ベルト56cを掛け渡した構成であり、前記扱胴軸31bから該ベルト56cを介して該排藁チエン57を回転駆動する構成である。
【0024】
前記扱胴軸31b、及び後扱胴31と、フィ−ドチエン7、及び排藁チエン57は、作業中の走行装置6の走行車速に基づき、この走行車速に連動して、該後扱胴31の回転数の制御と、該フィ−ドチエン7、及び該排藁チエン57の移送速度との制御が行われる構成である。
これにより、簡単な構成により、前記走行装置6の走行車速に連動して、後扱胴31、フィ−ドチエン7、排藁チエン57が連動することにより、該フィ−ドチエン7と該排藁チエン57との移送速度の関係が常に同じ移送速度に制御できることにより、安定した後工程作業(カッタ切断)が容易になる。
【0025】
前記脱穀室30、排塵処理室34、及び二番処理室36の下側の選別室45内には、図6、及び図9で示す如く揺動選別装置46を設け、この揺動選別装置46は前選別部47と後選別部48とに、2分割した構成である。
前記前選別部47の左右両側の枠板49,49間には、移送棚47aを設けると共に、この移送棚47aの前端部の下側面の左右両側には、前ロ−ラ47b,47bを回転自在に軸支した支持板47c,47cを設けた構成である。脱穀機2の左・右機壁50a,50bの内側面には、U字形状の前案内ガイド50c,50cを後方上部へ所定角度(θ1)に傾斜させて設けた構成である。この前案内ガイド50c,50c内には、該前ロ−ラ47b,47bを挿入し、この前案内ガイド50c内を該前ロ−ラ47bが上下方向、及び前後方向へ揺動移動する構成である。
【0026】
前記後選別部48の左右両側の枠板51,51間には、前部より順次チャフシ−ブ52a,グレンシ−ブ52bを設けると共に、この枠板51,51間の下部の前部には、底板52c、及び該チャフシ−ブ52aの下側には、グレンシ−ブ52dを設けた構成である。又、該チャフシ−ブ52aの傾斜角度は調節方式として、穀粒の漏下量を調節できる構成である。
【0027】
前記後選別部48の枠板51,51には、支持メタル53を設けると共に、この支持メタル53内には、変芯軸53aで軸支した変芯カム53bを設けて、前・後選別部47,48を揺動運動させる構成である。
前記前選別部47の移送棚47aの下側面の左右両側には、支持板54,54で支持した連結杆54a,54aを設け、この連結杆54a,54aの上端部から(S1)位置を、後選別部48の枠板51,51へピン54b,54bで装着した構成である。連結杆45a,45aのこの(S1)位置から下位の(S2)位置には、後ロ−ラ54c,54cを回転自在に支持軸55の一方側の端部で軸支した構成であり、他方側の端部には、受枠55aを設けて移送棚47aを固着した構成である。
【0028】
前記脱穀機2の左・右機壁50a,50bの内側面には、U字形状の後案内ガイド50d,50dを後方上部へ所定角度(θ2)に傾斜させて設けた構成である。この案内ガイド50d,50d内には、後ロ−ラ54c,54cを挿入し、この後案内ガイド50d,50d内を該後ロ−ラ54c,54cが上下方向、及び前後方向へ揺動移動する構成である。
【0029】
前記(S1)<(S2)に構成し、又、(θ1)>(θ2)に構成であり、前記前選別部47は後選別部48より、振り上げ角度を大きくした構成である。
これにより、前記前選別部47の移送棚47aの振り上げ角度を大きくすることにより、この移送棚47a上へ供給される処理物は、上下に移動することにより、比重選別が容易となり、選別性能を向上させることができる。
【0030】
前記揺動選別装置46の移送方向始端部(上手側)の下部には、送風羽根58aを回転自在に内装した送風機58を設け、この送風機58で起風した選別風を送風して風選別と、又、該揺動選別装置46の揺動選別とにより、穀粒と藁屑、及び塵埃等に選別する構成である。
前記送風機58の下手側の先端部は、一番選別棚59から流下中に選別された穀粒を収容して一番螺旋60aにより、横送りする一番受樋60の上手側と接続させた構成である。
【0031】
前記一番選別棚60の後側(下手側)には、二番螺旋61aを内装した二番受樋61を設け、この二番受樋61の一方側の上端部は、該一番受樋60下側に重合させ、他方側の上端部は二番選別棚61bの下端部の下側に重合させた構成である。
前記二番螺旋61aで横送りされた未脱穀処理物(二番物)を引継ぎして、二番処理室36内へ還元する二番還元螺旋62aを内装した二番還元筒62を脱穀機2の右機壁50bの外側に斜設した構成である。
【0032】
前記揺動選別装置46の移送終端部の上方には、送風機58とこの揺動選別装置46とで風選別と揺動選別とによって、選別された塵埃、及び藁屑等を共に機外へ排出する排塵フアン74を設けた構成である。
前記一番螺旋60aの移送終端部で、脱穀機2の右機壁50bの外側面には、図1で示す如く正面視略L字形状の揚穀螺旋メタル3をボルト、及びナット等で装着して設け、この揚穀螺旋メタル3の上側には、パイプ形状の揚穀移送筒4を設け、この揚穀移送筒4の上端部には、投出口64を設けた箱形状の投出箱63を設けると共に、上端部の近傍には、コ字形状の取付板66を設け、この取付板66を該右機壁50bに設けた受板67へボルト等で装着すると共に、該投出箱63を穀粒貯留タンク9へボルト、及びナット等で装着する構成である。
【0033】
前記揚穀螺旋メタル3と揚穀移送筒4とには、一番螺旋60aで移送されて、この揚穀螺旋メタル3内へ供給された穀粒を引継ぎ上部へ揚送する揚穀螺旋5を内装して設けた構成である。
前記揚穀螺旋5は、図1で示す如く螺旋軸68の外径部に装着した構成であり、この螺旋軸68の下端部は揚穀螺旋メタル3で軸支すると共に、上端部に投出箱63に設けた受メタル65で軸支した構成である。
【0034】
前記揚穀螺旋5の下端部(イ)の外径は大外径(L1)として、揚穀移送筒4の内径(L)と略同じ径に形成し、該揚穀螺旋メタル3と揚穀移送筒4の接合部位置の、該揚穀螺旋メタル3の上端部(ロ)の近傍に位置する箇所の該揚穀螺旋5の外径は小外径(L2)として、これら大外径(L1)と小外径(L2)との間はテ−パ形状(A)に形成すると共に、この小外径(L2)部から該揚穀螺旋5の上端部(ハ)までの間の外径は、この小外径(L2)と略同じ外径に形成したストレ−ト形状(B)の構成である。又、テ−パ形状(A)部はふた口の螺旋とした構成である。該揚穀螺旋メタル3の内側面部と、該揚穀螺旋5のテ−パ形状(A)部とは、略同じテ−パ形状(A)に形成した構成である。
【0035】
前記揚穀螺旋5のテ−パ形状(A)部では、穀粒の移送を早くし、揚穀螺旋メタル3内で穀粒の停滞を防止して、穀粒の詰りを防止する構成である。又、該揚穀螺旋5の上端部の上側には、所定長さの排出羽根69を設け、この投出羽根69により、投出箱63の投出口64を経て穀粒貯留タンク9内へ、この揚穀螺旋5で揚送される穀粒を引継ぎして供給する構成である。
【0036】
前記揚穀螺旋5で揚送されて、穀粒貯留タンク9内へ供給されて、貯留された穀粒は、この穀粒貯留タンク9内の下部に設けたタンク移送螺旋9cで移送され、この穀粒貯留タンク9の後側に設けた縦移送螺旋70aを内装した縦排出支持筒70内へ供給され、この縦移送螺旋70aで揚送される。この縦排出支持筒70は略垂直姿勢で回動可能に支持して設けた構成である。
【0037】
前記縦排出支持筒70の上側には、下端部を支点として、その全長がコンバイン1の前後長に亘る機外へ排出する排出螺旋71aを内装した排出オ−ガ71を上下回動、及び左右旋回可能に横方向へ配置した構成である。
前記操作装置16内には、図13で示す如く制御装置72を設け、車速センサ21a、速度センサ14b、及び穀稈層圧センサ14a等の検出値が入力されるCPU73を設け、このCPU73により、無段変速装置42bを介してフィ−ドチエン7の移送速度、後扱胴31の回転数、走行装置6の走行速度、及び排塵チエン57の移送速度等が制御される構成である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 要部の拡大正断面図
【図2】 エンジンカバ−部の拡大側面斜視図
【図3】 エンジンカバ−部の拡大平面図
【図4】 穀粒貯留タンク部の拡大正面図
【図5】 穀粒貯留タンクのタンクモ−タ部の拡大側面図
【図6】 脱穀機の拡大側断面図
【図7】 脱穀機の拡大平断面図
【図8】 図6のC−C断面図
【図9】 図6のD−D拡大断面図
【図10】 作業車速とフィ−ドチエン、及び後扱胴との制御関係図
【図11】 フィ−ドチエン部の伝動機構の拡大側面図
【図12】 穀稈層厚とフィ−ドチエンとの制御関係図
【図13】 ブロック図
【図14】 コンバインの全体側面図
【符号の説明】
2 脱穀機
6 走行装置
6a 車台
7 フィードチェン
9 穀粒貯留タンク
14 穀稈搬送装置
14a 穀稈層厚センサ
14b 速度センサ
15 刈取機
30 脱穀室
31 後扱胴
31a 扱歯
31b 扱胴軸
32 前扱胴
32a 扱胴パイプ
57 排藁チェン
Claims (1)
- 走行装置(6)を有する車台(6a)の前方に植立穀稈を刈り取って後方へ搬送する刈取機(15)を設け、前記車台(6a)の上方一側には前記刈取機(15)で刈り取られて搬送されてきた穀稈をフィードチェン(7)で引継ぎ搬送しながら脱穀して選別する脱穀機(2)を設け、該脱穀機(2)の他側には脱穀機(2)で選別された穀粒を一時貯留する穀粒貯留タンク(9)を設けたコンバインにおいて、前記脱穀機(2)上部の脱穀室(30)内後部には多種類で多数本の扱歯(31a)を装着した後扱胴(31)を扱胴軸(31b)に軸支し、脱穀室(30)内前部には多種類で多数本の扱歯(31a)を装着した前扱胴(32)を扱胴パイプ(32a)で軸支する構成とし、前記後扱胴(31)の回転数とフィードチェン(7)及び該フィードチェン(7)から搬送されてきた排藁を引き継ぎ搬送する排藁チェン(57)の移送速度は、作業中の走行装置(6)の走行車速に連動して変速制御する構成とし、走行装置(6)の作業速度が超低速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン(7)の増速変化率は大きくする構成にすると共に後扱胴(31)は等速駆動する構成とし、走行装置(6)の作業速度が超低速域を超えると、車速の増速変化率とフィードチェン(7)及び後扱胴(31)の増速変化率は同じになる構成とし、走行装置(6)の作業速度が最高速域においては、車速の増速変化率に対してフィードチェン(7)及び後扱胴(31)は等速駆動する構成とし、前記刈取機(15)の穀稈搬送装置(14)には、穀稈の層厚を検出する穀稈層厚センサ(14a)と、穀稈搬送装置(14)で移送される穀稈の移送速度を検出する速度センサ(14b)を設け、該穀稈層厚センサ(14a)と速度センサ(14b)の検出値から、フィードチェン(7)側の移送始端での層厚を判定し、フィードチェン(7)側で常時一定の層厚となるようにフィードチェン(7)の移送速度を変更制御する構成とし、さらに、穀稈搬送装置(14)の移送速度とフィードチェン(7)の移送速度とに所定値以上の速度差が発生したときには、フィードチェン(7)の移送速度を高速度移送に変更制御することを特徴とするコンバイン。
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