JP4610573B2 - コンバイン - Google Patents
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Description
係る二番処理装置においては、二番物の搬送機構は、枝梗処理用のローターと該ローターを内挿する処理ケースの内面に設けられる送塵弁により構成しており、ローターの回転によりローターの回転周方向に押圧されて移動する二番物を、ローターの回転周方向に対して傾斜させて配設する送塵弁のガイド作用によりローター軸方向に移動させて、二番物を脱穀装置側へと搬送するようにしている。
また、送塵弁をローター軸に対する角度を可変に構成することにより、脱穀処理の対象となる作物種(例えば、稲や麦等)に応じて、二番物の搬送速度を適切に調整可能とする技術も公知となっている(特許文献1参照)。
そこで本発明では、このような状況を鑑み、二番物の詰りが発生するという問題を解消しつつ、枝梗除去能力および搬送速度の向上を可能とする二番処理装置を備えたコンバインを提供することを課題としている。
また、二番物の処理(搬送)速度を上げた場合においても、枝梗除去能力を確保できるため、処理能力(搬送速度および搬送量)を向上することができる。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインの全体的な構成を示す左側面図、図2は同じく平面図、図3は同じくコンバインの動力伝達系統図、図4は同じくコンバインの脱穀装置および二番還元搬送部を示す右側面図、図5は同じく左側面図、図6は同じく二番還元搬送部を示す拡大左側面図、図7は同じく二番還元処理装置を示す拡大左側面図、図8は同じく二番還元処理装置の内部構成を示す拡大平面図、図9は同じくスクリュー・処理歯・固定歯の配列を示す左側面模式図、図10は同じく二番還元処理装置内における穀粒の滞留状況を示す模式図である。
尚、以下の説明では、走行機体1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
走行機体1の後部には、排出オーガ8が旋回可能に設けられており、穀粒タンク7の内部の穀粒が、排出オーガ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。該穀粒タンク7の前方には、運転部10が設けられている。
このような構成として、コンバイン100は、エンジン20にて走行クローラ2を駆動して圃場内を移動しながら、刈取装置3を駆動して圃場の未刈り穀稈を連続的に刈り取ることができる。
該揺動選別盤27は、扱胴26の下方に張設された受網から漏下した脱穀物が、図示しないフィードパン及びチャフシーブ等によって揺動選別(比重選別)されるように構成している。そして、揺動選別盤27のグレンシーブ(図示省略)から落下した穀粒等は、唐箕ファン28からの選別風によって粉塵が除去され、一番コンベア31と二番コンベア32上へと落下する。
図3に示す如く、前記エンジン20の駆動力は、該エンジン20に突設された出力軸41を介して、左右両走行クローラ2を駆動させる走行ミッション装置42と、脱穀装置5、揺動選別盤27(図示せず)及び刈取装置3と、排出オーガ8との3つの方向に分岐して伝達される。
そして、運転部10に設けられた操縦ハンドル13の操作量に応じて前記油圧無段変速機の油圧ポンプ側回転斜板の傾斜角度を調節することによって、油圧モータ(図示せず)への圧油の吐出方向及び吐出量が変更され、走行用又は旋回用油圧無段変速機の出力側の回転方向及び回転数(左右の走行クローラ2の駆動速度及び駆動方向)が任意に調節される。
図4乃至図6に示す如く、二番還元搬送部36は、脱穀装置5の下方および右方に配設されており、二番コンベア32、二番還元縦コンベア37、二番還元処理装置38等により構成されている。
脱穀時に生成される枝梗付き穀粒等の二番物は、まず二番コンベア32上に集められて、該二番コンベア32により機体の右方向に搬送される。そして二番物は、二番コンベア32から二番還元縦コンベア37の始端部へと受継がれる。さらに二番物は、二番還元縦コンベア37により、機体の前上方向に搬送されて、二番還元処理装置38の始端部へと受継がれる。そして二番物は、二番還元処理装置38により枝梗除去処理を施された後に、揺動選別盤27の前部へ還元されて再選別が施される構成としている。
処理ケース39の内面には固定歯81・81・・・が植設されるとともに、処理ケース39内を搬送される穀粒の流れを制御する送塵弁82・82・82が配設されている。
また、ローター40には、穀粒の搬送に寄与する螺旋状のスクリュー83が配設されるとともに、前記固定歯81・81・・・と協働して穀粒に残る枝梗を処理する処理歯84・84・・・を植設している。
処理ケース39の外周面の左右中途部には取付フランジ39aが固設されており、該取付フランジ39aにより、処理ケース39の終端部を脱穀装置5の内部に臨ませた状態で、脱穀装置5に固設する構成としている。
図7乃至図9に示す如く、ローター40の周面にはスクリュー83を配設するとともに、該スクリュー83を避けた位置にはローター40の周面に対して垂直に複数の処理歯84・84・・・を植設している。また、処理ケース39の内面には、前記ローター40の軸心方向に向けて複数の固定歯81・81・・・を植設している。
さらに本実施例では、前記スクリュー83の最大外形寸法(即ち、図9中に示す距離A)に比して、前記処理歯84・84・・・の最大回転半径(即ち、処理歯84・84・・・の頂部84a・84a・・・が描く側面視方向から見た軌跡、図9中に示すB)を小さく構成している。
また、処理ケース39の内面に植設される複数の固定歯81・81・・・は、前述した処理歯84・84・・・の頂部84a・84a・・・が描く側面視方向から見た軌跡とオーバーラップする長さに構成されており、該固定歯81・81・・・および前記処理歯84・84・・・が協働することにより効率よく枝梗の除去が行われる構成としている。なお、本実施例では、固定歯81・81・・・と処理歯84・84・・・は、図9中に示す距離C分オーバーラップするように構成している。
また、ローター40の軸方向矢視において、処理歯84・84・・・と、固定歯81・81・・・が重複する構成としている。
これにより、枝梗除去能力を向上することができるのである。
図8に示す如く、従来(図8中に破線で示している)は、送塵弁82・82・82の角度は、ローター40の回転速度と、ローター40による軸方向への搬送速度を合成したベクトルに沿う(即ち、二番物の搬送方向に対して略平行となる)角度としており、送塵弁のガイド作用により、二番物を搬送可能とする構成としていた。
また、スクリュー83は、従来構成における送塵弁角度とした場合の二番物の搬送方向と略一致するように、該スクリュー83の羽根角度が設定されている(図8参照)。言い換えれば、スクリュー83のみであれば、二番物の搬送方向が従来構成と略一致する構成としている。
本実施例においては、送塵弁82・82・82の角度は、前記ベクトルをローター40の回転方向に対して略線対称となる角度に設定しており、送塵弁82・82・82により二番物の搬送を積極的に遅らせるようにしている。つまり、平面視において、送塵弁82・82・82を前後方向に対して右回り(時計回り)に回転した傾斜角度としている。これにより、二番物が二番還元処理装置38内で滞留する時間を確保し、枝梗除去処理が十分に施される構成としている。
また、本実施例の場合、送塵弁によるガイド作用が得られず、従来と同様の構成では二番物の搬送が行えないため、二番還元処理装置38内部における二番物の搬送機構としてスクリュー83を備える構成としている。
また、送塵弁82・82・82の角度は、ローター40の回転方向に対して、スクリュー83による穀粒の搬送方向と略線対称となる角度に構成している。つまり、平面視でスクリュー83の羽根(上側)の角度と略平行としている。
これにより、穀粒が二番還元処理装置38に滞留する時間を長くすることができ、枝梗除去能力を向上することができるのである。
また、二番物の処理(搬送)速度を上げた場合においても、枝梗除去能力を確保できるため、処理能力(搬送速度および搬送量)を向上することができるのである。
図10(a)に示す如く、二番還元縦コンベア37から受継がれた穀粒(二番物)は、投入口38aから二番還元処理装置38へと取り込まれる。取り込まれた穀粒は、二番還元処理装置38内で回転する受継スクリュー85と接触して遠心力が付勢されて、まず処理ケース39の内面に沿うように拡散する。これにより、処理ケース39内においては、穀流が側面視略ドーナツ状に堆積するように構成している。
つまり、送塵弁82・82・82の角度を調整して搬送速度を遅らせて、枝梗処理能力を確保しつつ、さらに中心領域(即ち、スクリュー83の回転半径内)にまで堆積してきた穀粒はスクリュー83により確実に搬送する構成とすることにより、詰りの発生を防止しつつ、搬送能力(搬送速度および搬送量)を確保する構成としている。
38 二番還元処理装置
39 処理ケース
40 ローター
81 固定歯
82 送塵弁
83 スクリュー
84 処理歯
100 コンバイン
Claims (4)
- ローターと、
該ローターに植設される枝梗処理歯と、
前記ローターを収納する処理ケースの内面に固設される受歯および送塵弁からなる二番還元処理装置を二番還元搬送部に備えるコンバインにおいて、
前記ローターには、
被処理物を搬送方向に導くスクリューが固設され、かつ、
前記送塵弁は、前記被処理物の搬送を妨げる角度に配設される、
ことを特徴とするコンバイン。 - 前記送塵弁の角度は、
前記ローターの回転方向に対して、
前記スクリューによる前記被処理物の搬送方向と略線対称となる、
ことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。 - 前記ローターの軸方向矢視において、
前記枝梗処理歯と、
前記受歯が重複する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンバイン。 - 前記ローターの軸方向矢視において、
前記スクリューは、
該スクリューの回転半径を、
前記枝梗処理歯の頂部の回転半径に比して小さくする、
ことを特徴とする請求項3記載のコンバイン。
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