JPH0913073A - 動植物性廃油固化処理用組成物とその製法および動植物性廃油処理方法 - Google Patents

動植物性廃油固化処理用組成物とその製法および動植物性廃油処理方法

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JPH0913073A
JPH0913073A JP15920495A JP15920495A JPH0913073A JP H0913073 A JPH0913073 A JP H0913073A JP 15920495 A JP15920495 A JP 15920495A JP 15920495 A JP15920495 A JP 15920495A JP H0913073 A JPH0913073 A JP H0913073A
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waste oil
oil
animal
waste
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JP15920495A
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English (en)
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Yoshiro Abe
芳郎 阿部
Tokiko Isobe
時子 磯部
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KANKYO KAGAKU CENTER KK
Original Assignee
KANKYO KAGAKU CENTER KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、廃油への溶解温度が従来よ
り低く、かつ早く溶解し、得られた固化廃油の強度が大
きい動植物性廃油固化処理用組成物(廃油処理剤)、提
供すること、その組成物の製造法および動植物性廃油処
理方法を提供することである。 【構成】 12-ヒドロキシステアリン酸およびポリオ
ール化合物を重量比1:0.1〜1:2で加熱溶融もし
くは溶解し、これを50〜150℃で撹拌して後冷却固
化して動植物性廃油固化処理用組成物を得る。またこの
組成物を動植物油廃油に混合し、温度範囲55〜75℃
において加熱溶解したる後、冷却固化することにより動
植物廃油を処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は天ぷら油、フライ油、サ
ラダ油などの一般家庭廃油および使用済み食用油、魚滓
絞り油などの業務用廃油の処理剤に関するものである。
さらに詳しくは、それらの使用済み廃油を固化させて廃
棄処理を容易にするための動植物性廃油固化処理用組成
物および動植物廃油処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動植物廃油の従来の処理方法としては新
聞紙、布などに滲み込ませる方法、固化剤を用いて固化
する方法、石鹸等の原料として再生する方法などがあ
る。それらの方法の中でも固化剤を用いて固化する方法
が主流になりつつある。固化剤を用いる方法は廃油に適
量の固化剤を添加し、加熱溶解、放冷して得られた固化
物を可燃ゴミとして処理する方法である。現在市販され
ている固化剤の多くは、特公昭60-54092、特開
昭57-180496などに見られる12-ヒドロキシス
テアリン酸または硬化ひまし油(主成分は12-ヒドロ
キシステアリン酸のトリグリセリド)である。これらの
市販されている硬化剤を用いる方法は手軽ではあるが、
溶解温度が80℃以上と高いため加熱に時間を要し、つ
い現場を離れたため過熱して発火に至ることがある。こ
の加熱源の止め忘れによる出火は実に天ぷら火災の1割
を占め、社会問題にさえなっている現状である(杉山産
業化学研究所年報。平成6年版p44〜45)。現在主
流の位置にある12-ヒドロキシステアリン酸系の油処
理剤は、融点が80℃以上と高いため、廃油処理には固
化剤を溶解するための再加熱が必要であり、加熱に時間
を要するほど無駄であるし、時にトラブルの原因ともな
る。使用後の熱廃油に直ちに固化剤を加えるのも一方法
ではあるが、固化剤の変質防止などの面からある程度の
廃油の冷却が必要であり、このための待ち時間は決して
一定ではなくアイドルタイムとなるため、必ずしも良い
方法とは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
固化剤の溶解温度よりも低い温度で使用できる動植物性
廃油固化処理用組成物とその製法およびその組成物を用
いた動植物廃油処理方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは従来の油
固化剤のこれらの問題を解決すべく鋭意検討した結果、
従来より使用されている12-ヒドロキシステアリン酸
にポリオール化合物を組み合わせることにより、廃油へ
の溶解温度を低め、かつ溶解時間を短縮できることを見
いだし、優れた固化剤および固化方法として本発明を完
成するに至った。本発明の動植物性廃油固化処理用組成
物は、12-ヒドロキシステアリン酸およびポリオール
化合物を含むことからなる。好ましくはさらに12-ヒ
ドロキシステアリン酸とポリオール化合物との反応生成
物を含む。本発明の動植物性廃油固化処理用組成物の製
法は、12-ヒドロキシステアリン酸およびポリオール
化合物を重量比1:0.1〜1:2で加熱溶融もしくは
溶解し、これを50〜150℃で撹拌して後冷却固化す
ることを特徴とする。本発明の動植物廃油処理方法は、
12-ヒドロキシステアリン酸およびポリオール化合物
を含む動植物性廃油固化処理用組成物を動植物油廃油に
混合し、温度範囲55〜75℃において加熱溶解したる
後、冷却固化することを特徴とする。
【0005】本発明の組成物は、12-ヒドロキシステ
アリン酸およびポリオール化合物を含むことが特徴であ
るが、さらに12-ヒドロキシステアリン酸とポリオー
ル化合物との反応生成物を含むのが好ましい。本発明の
組成物に用いる12-ヒドロキシステアリン酸は特に限
定しない。通常溶融温度が80〜81℃である。
【0006】本発明の組成物に用いるポリオール化合物
は、炭素数2〜20のアルカン、アルケン、シクロアル
カン、シクロアルケン、テルペン、複素環化合物などが
複数のヒドロキシ基で置換されたポリオール、これらの
ポリオールが縮合したエーテルポリオール、単糖類、多
糖類などであり、ヒドロキシル基の数は2〜10個が好
ましい。これらのポリオール化合物の具体例をつぎに示
す。エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペン
タエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、
1,3-プロピレングリコール、2,2'-ジメチルエチレ
ングリコール、1,2'-ジメチルエチレングリコール、
1,1'-ジメチルエチレングリコール、1,2-ブタンジ
オール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオー
ル、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジ
オール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオー
ル、1,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオー
ル、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオー
ル、1,3-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオー
ル、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、ピナコー
ル、5-ヘキセン-1,2-ジオール、1,2-ヘプタンジオ
ール、1,3-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオー
ル、1,2-オクタンジオール、1,3-オクタンジオー
ル、1,8-オクタンジオール、3-ヒドロキシメチル-1
-ヘプタノール、2,4,4-トリメチル-1,3-ペンタン
ジオール、3-ヒドロキシメチル-4-ヘプタノール、2,
2-ジメチルプロパンジオール-1,3、1,5-デカンジ
オール、1,10-デカンジオール、3,7-ジメチル-1,
7-オクタンジオール、2-ブテン-1,4-ジオール、3-
ヘキセン-2,5-ジオール、1-デセン-1,10-ジオー
ル、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオー
ル、1,2-テトラデカンジオール、1,14-テトラデカ
ンジオール、1,9-オクタデカンジオール、1,10-オ
クタデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、
1,9,10-オクタデカントリオール、1,20-エイコ
サンジオールなどのアルカンもしくはアルケンのジオー
ル化合物、グリセリン、1,2,5-ペンタントリオー
ル、1,3,5-ペンタントリオール、ペンタエリスリト
ール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサ
ントリオール、1,3,4,5-ヘキサンテトラオール、
1,4,7-ヘプタントリオール、1,2,8-オクタントリ
オール、2,2,4,4,6-ペンタメチル-1,3,5-ヘプ
タントリオール、2,2-ビスヒドロキシメチル-1-オク
タノール、2,6-ジメチル-1-オクテン-3,6,7-トリ
オールなどのアルカンもしくはアルケンのポリオール化
合物、
【0007】1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シ
クロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオー
ル、シクロヘキサン-1,2-ジメタノール、シクロヘキ
サン-1,3-ジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジメ
タノール、2-ヒドロキシシクロヘキサンメタノール、
3-メチル-1,2-シクロペンタンジオール、3-ヒドロ
キシシクロヘキサンメタノール、1,2-シクロペンタン
ジオール、1,3-シクロペンタンジオール、2-シクロ
ペンテン-1,4-ジオール、シクロペンタン-1,2-ジメ
タノール、シクロペンタン-1,3-ジメタノール、2-シ
クロペンテン-1,4-ジメタノール、2-ヒドロキシシク
ロペンタンメタノール、3-ヒドロキシシクロペンタン
メタノール、1,1-シクロペンタンジメタノール、4-
シクロヘキセン-1,2-ジメタノール、1,2-シクロオ
クタンジオール、1,4-および1,5-シクロオクタンジ
オール混合物、3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-
1,3-ジオールなどのシクロアルカンもしくはシクロア
ルケンのジオール化合物、1,2,3-シクロヘキサント
リオール、1,3,5-シクロヘキサントリオール、シク
ロヘキサン-1,2,3-トリメタノール、シクロヘキサン
-1,2,4-トリメタノール、1,2,4-シクロペンタン
トリオール、シクロペンタン-1,2,3-トリメタノー
ル、シクロペンタン-1,2,4-トリメタノール、1,2,
4,5-シクロヘキサンテトラオール、シクロヘキサン-
1,2,4,5-テトラメタノール、1,2,3-シクロペン
タントリオール、1,2,3,4-シクロペンタンテトラオ
ール、シクロペンタン-1,2,3,4-テトラメタノー
ル、1,2,3,4,5,6-シクロヘキサンヘキサメタノー
ルなどのシクロアルカンのポリオール化合物、3,4-ジ
ヒドロキシ-2-メチルテトラヒドロピラン、フラン-2,
5-ジメタノール、テトラヒドロフラン-3,4-ジオー
ル、テトラヒドロフラン-2,5-ジメタノール、フラン-
2,3,4,5-テトラメタノールなどの複素環化合物のポ
リオール化合物、D-グルコース、D-リボース、D-ソ
ルビトール、D-マンニトールなどの単糖類、サッカロ
ース、スターチどの多糖類、これらのポリオール化合物
は単独に用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。例えば用いるポリオールの1種が固体である
場合は今1種の液状のポリオールを組み合わせることに
よって、組成物を製造する際に混合・溶解性が良好とな
り好適である。
【0008】本発明の組成物の製法は、12-ヒドロキ
システアリン酸とポリオールとを重量比で1:0.1〜
1:2で混合し、撹拌下に加熱して溶解状態となし、更
に意図した時間撹拌を続けた後冷却することにより固化
生成物を得ることからなる。12-ヒドロキシステアリ
ン酸の量がこれより多いと溶解性が減少し、組成物を作
るための時間が掛かかるし、得られた組成物を廃油処理
剤として用いる際に、油に対して溶解するための温度を
高く設定する必要があり、溶解時間も長く掛かるため好
ましくない。また、12-ヒドロキシステアリン酸の量
がこれより少ないと油の固化能力が低下してゲル状物の
強度が落ち、取扱いが不便になって好ましくない。加熱
温度は用いるポリオールの性状と割合によって設定され
るが50〜150℃が好ましい。ポリオールの融点が1
2−ヒドロキシステアリン酸の融点より低い場合は、一
般に12-ヒドロキシステアリン酸の融点(80〜81
℃)より低い温度が採用し得るし、ポリオールの割合が
多いほどより低温で行い得るが、好適な温度範囲は50
〜80℃である。用いるポリオールの融点が12−ヒド
ロキシステアリン酸の融点より高い場合は、一般にその
ポリオールの融点と12-ヒドロキシステアリン酸の融
点の中間の温度より高い温度に設定する必要があり、そ
の温度は両者の混合割合によって異なるが、80〜15
0℃が適当である。これ以上高い温度は、原料すなわち
12-ヒドロキシステアリン酸、ポリオールの変質・劣
化などによる目的組成物の性能低下があり好ましくな
い。用いるポリオールの1種が固体の場合、混合・溶融
をより容易にする手段として、今1種またはそれ以上の
液体または融点の低い固体のポリオールを組み合わせる
方法が好適に採用し得る。この方法により加熱温度を1
2-ヒドロキシステアリン酸または前記固体のポリオー
ルの融点より低くできる。加熱・撹拌時間は用いた2種
以上の原料が溶解して溶液状となった後、さらに意図し
た時間加熱撹拌を続行する必要がある。溶解後この加熱
撹拌操作により冷却後の優れた固体組成物が得られる。
この固体組成物はある融点範囲を有し、本発明の特徴で
ある動植物油に対する固化性能を有するものであって、
単なる原料の混合体ではない。原料が溶解して溶液状と
なった後の加熱・撹拌時間は、原料の融点、性質、混合
割合などにより異なるが、10分〜2時間が適当であ
る。
【0009】この場合の原料が溶解してなる溶液状と
は、必ずしも用いた2種以上の原料が完全に溶解し、溶
液状態をさすものではなく、1種以上の原料が液体化し
その液状部分に微細化した1種以上の原料または2種以
上の原料から生成した複合体が液体または固体状で均一
に分散している状態、すなわちゲル状態またはゾル状態
であることをも意味する。従って微細化した粒子または
液滴が分散する状態は、必ずしも固体原料が混合当初か
らの状態を保っていることを意味しない。適当に粉砕さ
れて混合され、他の原料成分と共に加熱・撹拌されるこ
とにより、微細化し均一に分散すればよい。従って固体
状の原料すなわち12-ヒドロキシステアリン酸、ポリ
オールは必ずしも微粒化粉砕されている必要はなく、塊
状またはフレーク状のままで用いることができる。
【0010】本発明の組成物製造の際、一つの例では加
熱・撹拌時に12-ヒドロキシステアリン酸とポリオー
ルが完全に透明均一な溶液となっている場合もあるし、
他の例では加熱・撹拌時に12-ヒドロキシステアリン
酸とポリオールの均一溶液中に、用いた固体原料の何れ
かまたは複合体が、微粒子状で均一に分散している場合
もある。この後者の均一分散溶液は一般に静置によって
微粒子が極在化することはないが、予期せぬ沈降を予防
するために固化が始まるまでは冷却時にも撹拌を続けた
方がよい。得られた組成物は反応容器のままで冷却固化
し、そのまま保存されて使用時に適度の大きさに粉砕し
てもよいし、熱溶液を予め用意した小区分された容器に
移して小塊体としてもよい。また熱溶液を噴霧固化して
粒状体または紛状体で得ることもできる。
【0011】本発明の動植物性廃油処理方法は、処理す
べき廃油に所定割合の本発明の組成物(廃油処理剤)を
加え、所定温度の下に撹拌・混合し冷却固化させる方法
である。処理すべき廃油が使用直後の高温状態にある場
合(例えば150〜200℃)は、この廃油に直接所定
量の処理剤を加えてもよいが、ある程度冷却が進んでか
ら加えるのが油の突沸、固化剤の劣化など予期せぬトラ
ブルを避ける観点から望ましい。ただし処理の上限温度
に特に制限はない。本発明の組成物を用いる処理方法の
特徴は、従来より低温において処理できるところにあ
る。すなわちち従来の処理剤が80℃以上の処理温度を
必要としたのに比し、本発明に於いては80℃未満の温
度で使用できるである。すなわち本発明の処理方法は、
処理すべき廃油に所定量の組成物を加え、55〜75℃
の温度範囲に加熱し、溶解状態で充分撹拌した後、冷却
固化させるものである。溶解までの所用時間は10分以
内であり、必要に応じ更に1〜10分間加熱・撹拌す
る。この溶解後の加熱継続により最終の廃油固化体の強
度を上げることができる。処理すべき廃油に対して用い
る組成物の割合は、従来用いられている処理剤の割合よ
り小量で済み、もし同割合で用いられた場合は得られた
固化廃油の強度が高い。この割合は被処理油に対し0.
5重量%以上であればよく、1.0重量%以上であれば
なお好ましい。本発明の油処理方法によって得られた廃
油固化物は、レオメーターで測った圧縮強度が高く、従
来の油固化剤を用いて得られる強度より遥かにしっかり
とした固形物となるため、そのままの形または適度の大
きさに粉砕して容易に扱え、一般可燃ゴミとして廃棄す
ることができる。
【0012】本発明の組成物(廃油処理剤)は、55〜
75℃で油に溶解し、更には溶解時間も市販されている
固化剤より短時間でよい。これは加熱条件を緩和するも
のであり、また溶解時間の短縮によって、溶解工程の間
その場を離れることなく溶解完結まで見守ることを可能
にする。従って火災の危険性を低減し得ることが十分期
待される。また、冷却して得られる固化物はゲル状であ
り、一般にそのゲル強度が増すほどその取扱いは簡単で
あるとされているが、本発明の組成物によって得られる
ゲル状物は市販の固化剤を用いて得られるゲル状物より
もその強度が大きいという特徴を有し、従って、取扱い
易く、容易に一般可燃ゴミとして廃棄することができ
る。本発明の組成物(廃油処理剤)は、処理されるべき
油と混合して加熱・撹拌されることにより処理する廃油
全体に分散され溶解して行き、十分に油固化性能を発揮
する。しかし驚くべきことににこれらの微粒子が完全に
溶解せず、処理する廃油中に微粒のままで残っている状
態においてすら油固化の能力は発現するという特徴を有
する。
【0013】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。本発明の油処理方法によって得られた廃油固化物
は、温度25℃において、レオメーターにより圧縮強度
を測定した。
【0014】実施例1(組成物〔A〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと1,6-ヘキサ
ンジオール4.0gをビーカーに取り、撹拌しながら7
0℃に加熱する。この温度で20分間撹拌を続けた後、
放冷して固体を得る。この固体を動植物性廃油固化処理
用組成物〔A〕とする。この組成物の融点は64.7-71.1
℃である。
【0015】実施例2(組成物〔B〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸20.0gと1,6-ヘキサ
ンジオール5.91gをフラスコに取り、撹拌下に加熱
して75℃にする。この温度で50分間撹拌を続けた
後、この熱溶液を冷ベルトコンベア上に滴下してペレッ
トを得る。このペレットを動植物性廃油固化処理用組成
物〔B〕とする。この組成物の融点は66.7-72.4℃であ
る。
【0016】実施例3(組成物〔C〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと1,4-ブタン
ジオール4.5gをビーカーに取り、撹拌しながら70
℃に加熱する。この温度で30分間撹拌を続けた後、ス
プレードライ法により粉体を得る。この粉体を動植物性
廃油固化処理用組成物〔C〕とする。この組成物の融点
は60.9-66.0℃である。
【0017】実施例4(組成物〔D〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸76.9gと1,4-ブタン
ジオール23.1gをフラスコに取り、撹拌下に加熱し
て80℃にする。この温度で60分間撹拌を続けた後、
この熱溶液をステンレスバット上に注ぎ冷却して板状固
体を得る。この固体を乳鉢にて粉砕した粒状物を動植物
性廃油固化処理用組成物〔D〕とする。この組成物の融
点は63.4-68.7℃である。
【0018】実施例5(組成物〔E〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸20.0gと1,4-シクロ
ヘキサンジオールのシスト-ランス混合体1.54gおよびエチ
レングリコール3.30gをフラスコに取り、撹拌しな
がら90℃に加熱する。この温度で70分間撹拌を続け
た後、冷却して固体を得る。この固体を動植物性廃油固
化処理用組成物〔E〕とする。この組成物の融点は 68.
3-77.2℃である。
【0019】実施例6(組成物〔F〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸15.0gと2,2-ジメチ
ル-1,3-プロパンジオール1.30gおよび1,3-プロ
パンジオール2.85gをフラスコに取り、撹拌しなが
ら90℃に加熱する。この温度で1.5時間撹拌を続け
た後、冷却して固体を得る。この固体を動植物性廃油固
化処理用組成物〔F〕とする。この組成物の融点は69.5
-78.1℃である。
【0020】実施例7(組成物〔G〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと1,10-オク
タデカンジオール10.0gをフラスコに取り、加熱し
て溶解が始まったところから撹拌を始め、77℃で40
分間撹拌を続ける。この熱溶液を冷ベルトコンベア上に
落とし、薄い板状固体を砕いてフレークを得る。このフ
レークを動植物性廃油固化処理用組成物〔G〕とする。
この組成物の融点は63.5-68.7℃である。
【0021】実施例8(組成物〔H〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと2,2,4-ト
リメチル-1,3-ペンタンジオール5.0gをフラスコに
取り、加熱・撹拌して70℃で50分間保持した後冷却
固化し、粉砕して粒状体を得る。この粒状体を動植物性
廃油固化処理用組成物〔H〕とする。この組成物の融点
は56.8-64.4℃である。
【0022】実施例9(組成物〔I〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと2,2,4,4,
6-ペンタメチル-1,35-ヘプタントリオール10.0
gをフラスコに取り、加熱・撹拌して75℃で50分間
保持した後冷却固化し、粉砕して粒状体を得る。この粒
状体を動植物性廃油固化処理用組成物〔I〕とする。こ
の組成物の融点は58.7-66.2℃である。
【0023】実施例10(組成物〔J〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸20.0gとD-リボース
5.0gおよびグリセリン3.07gをフラスコに取り、
80℃に加熱した後2時間撹拌して半透明の溶液を得
る。冷却しながら撹拌を続け粘性が高くなったところで
ステンレスバットに流し込む。得られた板状固体を砕い
てフレークを得る。このフレークを動植物性廃油固化処
理用組成物〔J〕とする。この組成物の融点は62.3-74.
7℃である。
【0024】実施例11(組成物〔K〕の調製) 12-ヒドロキシステアリン酸10.0gと1,20-エイ
コサンジオール10.5gおよび1,4-ブタンジオール
1.5gをフラスコに取り、撹拌しながら90℃に加熱
する。この温度で100分間撹拌を続けた後、冷却して
固体を得る。この固体を動植物性廃油固化処理用組成物
〔K〕とする。この組成物の融点は68.2-74.8℃であ
る。
【0025】実施例12(廃油処理例) 廃サラダ油100gを60℃に加熱し、撹拌下に上記実
施例1で得られた組成物Aを2.0g添加した。8分間
で溶解混合系となり、その後20分放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は450g/
cm2であった。
【0026】比較例1(廃油処理例) 廃サラダ油100gを60℃に加熱し、撹拌下に12-
ヒドロキシステアリン酸を2.0g添加した。10分間
撹拌しても一部溶解しなかったため、80℃まで昇温し
て溶解させ、その後20分放冷して固化物を得た。レオ
メーターによるその固化物の強度は390g/cm2
あった。
【0027】比較例3(廃油処理例) 廃サラダ油100gを60℃に加熱し、撹拌下に1,6-
ヘキサンジオールを2.0g添加した。得られた溶液を
8分間撹拌した後放冷したが、固化は起こらなかった。
【0028】実施例13(廃油処理例) 廃天ぷら油100gおよび上記実施例2で得られた組成
物〔B〕3.3gを65℃に加熱し、10分間で溶解混
合系を得た。20分で放冷して得た固形物のレオメータ
ー強度は500g/cm2であった。
【0029】実施例14(廃油処理例) 魚滓絞り廃油200gに上記実施例3で得られた組成物
〔C〕6.5gを加え、57℃に加熱・撹拌して10分
間で溶解させた。25分放冷して得た固形物のレオメー
ター強度は460g/cm2であった。
【0030】実施例15(廃油処理例) 使用後の熱廃天ぷら油450gを放冷して85℃になっ
たとき、撹拌下に前実施例4で得られた組成物〔D〕を
15g添加した。1分間で溶解し3分以内に透明混合系
となり、その後5分間撹拌を続けた後50分放冷して固
化物を得た。レオメーターによるその固化物の強度は4
90g/cm2であった。
【0031】比較例2(廃油処理例) 使用後の熱廃天ぷら油450gを放冷して85℃になっ
たとき、撹拌下に12-ヒドロキシステアリン酸を15
g添加した。2分間で溶解するが透明混合系となるのに
更に8分を要した。その後50分放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は420g/
cm2であった。
【0032】実施例16(廃油処理例) 廃サラダ油100gに上記実施例5で得られた組成物
〔E〕1.5gを添加し、撹拌下に加熱して68℃と
し、8分間で溶解混合系を得た。その後放冷して得た固
形物のレオメーター強度は450g/cm2であった。
【0033】実施例17(廃油処理例) 廃天ぷら油100gを68℃に加熱し、撹拌下に上記実
施例6で得られた組成物〔F〕を2.5g添加した。7
分間で溶解混合系となり、その後放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は480g/
cm2であった。
【0034】実施例18(廃油処理例) 廃天ぷら油100gを65℃に加熱し、撹拌下に上記実
施例7で得られた組成物〔G〕を3.0g添加した。8
分間で溶解混合系となり、その後放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は510g/
cm2であった。
【0035】比較例4(廃油処理例) 廃天ぷら油100gを65℃に加熱し、撹拌下に1,1
0-オクタデカンジオールを3.0g添加した。2分間で
溶解混合系となり、6分撹拌を続けた後放冷したが、粘
性が上がったのみで固化は起こらなかった。
【0036】実施例19(廃油処理例) 魚滓絞り廃油1000gに、上記実施例8で得られた組
成物〔H〕20gを添加し、撹拌下68℃に加熱し、1
0分間で溶解混合系を得た。その後5分間撹拌を続けた
後放冷して固形物を得た。レオメーターによるその固形
物の強度は460g/cm2であった。
【0037】実施例20(廃油処理例) 廃天ぷら油200gに、上記実施例9で得られた組成物
〔I〕5.0gを添加し、撹拌下57℃に加熱し、10
分間で溶解混合系を得た。その後放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は480g/
cm2であった。
【0038】実施例21(廃油処理例) 廃天ぷら油200gを75℃に加熱し、撹拌下に上記実
施例10で得られた組成物〔J〕を6.0g添加した。
9分間で溶解混合系となり、その後放冷して固化物を得
た。レオメーターによるその固化物の強度は470g/
cm2であった。
【0039】比較例5(廃油処理例) 廃天ぷら油200gを75℃に加熱し、撹拌下にD-リ
ボースとグリセリンの重量比62:38混合物を6.0
g添加した。9分間撹拌したが不均一であり、その後2
0分放冷したところ粘ちょうな不均一懸濁物が得られた
のみであった。
【0040】実施例19(廃油処理例) 魚滓絞り廃油200gに、上記実施例11で得られた組
成物〔K〕2.0gを添加し、撹拌下に加熱して70℃
になったところで12分間保った。その後放冷して得ら
れた固形物のレオメーターによる強度は450g/cm
2であった。
【0041】比較例6(廃油処理例) 魚滓絞り廃油200gに、12-ヒドロキシステアリン
酸0.910gと1,20-エイコサンジオール0.945
gおよび1,4-ブタンジオール0.136gを添加し、
撹拌下に加熱して70℃になったところで12分間保っ
たが、不透明な懸濁液であった。その後放冷して得られ
た半固形物は、放置によって油が染みだし、取扱いが不
便であった。
【0042】
【発明の効果】本発明の動植物性廃油固化処理用組成物
(廃油処理剤)は、従来の油固化剤の使用の場合よりも
加熱条件が緩和される。すなわち、一般市販品の80℃
以上必要な加熱温度よりも低い55〜75℃で加熱溶解
できる。さらには溶解時間もより短縮でき、従って溶解
工程中のトラブル防止に役立つ。例えば溶解時間中に起
こりがちな過熱による火災発生を防ぎ得る。また、本発
明の動植物性廃油処理方法によって得られる廃油固形物
は市販の固化剤を用いて得られる固形物よりもその強度
が大きいという特徴を有し、従って取扱い易く、容易に
一般可燃ゴミとして廃棄することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】12-ヒドロキシステアリン酸およびポリ
    オール化合物を含む動植物性廃油固化処理用組成物。
  2. 【請求項2】12-ヒドロキシステアリン酸とポリオー
    ル化合物との反応生成物を含む請求項1記載の動植物性
    廃油固化処理用組成物。
  3. 【請求項3】12-ヒドロキシステアリン酸およびポリ
    オール化合物を重量比1:0.1〜1:2で加熱溶融も
    しくは溶解し、これを50〜150℃で撹拌して後冷却
    固化することを特徴とする動植物性廃油固化処理用組成
    物の製法。
  4. 【請求項4】請求項1の組成物を動植物油廃油に混合
    し、温度範囲55〜75℃において加熱溶解したる後、
    冷却固化することを特徴とする動植物廃油処理方法。
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