JPH09125033A - 高速塗工用接着剤 - Google Patents
高速塗工用接着剤Info
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- JPH09125033A JPH09125033A JP31760695A JP31760695A JPH09125033A JP H09125033 A JPH09125033 A JP H09125033A JP 31760695 A JP31760695 A JP 31760695A JP 31760695 A JP31760695 A JP 31760695A JP H09125033 A JPH09125033 A JP H09125033A
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Abstract
度低下がなく、糊飛びが発生せず、ハンドリングも良好
な接着剤を提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールを保護コロイドと
して乳化重合した酢酸ビニルのホモポリマーまたはコポ
リマーと保護コロイドのポリビニルアルコールに対し
0.5重量%以上で2.0重量%より少ないの無機およ
び/または有機電解質からなるエマルジョンを主剤と
し、そのエマルジョンの粘性が低剪断応力領域ではチク
ソトロピック性を示し高剪断応力領域ではダイラタンシ
ー性を示し、かつエマルジョンのpHが6以下である高
速塗工用接着剤である。
Description
高速包装用マシーン、封筒胴張りマシーン、タバコ胴張
りマシーンなど高速で紙を接着させる際に用いられる高
速塗工用の接着剤に関する。さらに詳しくは、ハンドリ
ング性に優れ、高速で塗工しても作業性に優れ初期接着
性に優れた接着剤に関する。
のエマルジョンが用いられている。これは、酢酸ビニル
系のエマルジョンが保護コロイドとしてポリビニルアル
コールを用いて重合したものがほとんどで、粘度が高く
チクソトロピックの粘性をもち作業性、初期接着性に優
れるためである。またより早い接着性の発現のための粘
度を上げる試みが行われており、例えばPVAと架橋反
応するホウ酸などの無機電解質を配合する方法は公知で
ある。この方法によって得られる接着剤は剪断応力をか
けると粘度が増していくダイラタンシー性を示すので特
開昭61−72075や特開昭61−72074等に高
速塗工用の接着剤に用いると良好なことが開示されてい
る。これはチクソトロピックの粘性を示す通常の接着剤
では、高速塗工時に高剪断応力がかかると粘度が低下し
てしまい接着剤が塗工ロールから飛び散ったり、いわゆ
るタックが発現せず初期接着性が不良となるのに対し、
ダイラタンシー性のものは高剪断応力領域でも粘度が低
下せず塗工性や初期接着性に優れるというものである。
しかしながら、特開昭61−72075や特開昭61−
72074に開示されている方法では、高速時の塗工
性、初期接着性は良好でも、通常のハンドリングが不良
という欠点を有する。具体的には、エマルジョンの供給
時に容器から出にくく時間がかかったり、糊バットから
のリターン時に流動性が悪くオーバーフローしてしまう
ものである。また特公平7−30294号公報にはPV
Aを含むエマルジョンにPVAに対し16重量%の無機
電解質を加えた接着剤を用いる方法が記載されている
が、このように多量の電解質を加えるとダイラタンシー
性が大きく、ハンドリング性が極めて劣化する。
期接着性は良好であり、かつ通常のハンドリング時には
流動性を持つ接着剤を開発すべく検討したところ、粘性
が低剪断応力領域ではチクソトロピック性を示し、高剪
断応力領域ではダイラタンシー性を示すという相反する
粘性を持つ特定の接着剤が高速塗工用には最適であるこ
とを見出した。本発明は、 「1. ポリビニルアルコールを保護コロイドとして乳
化重合した酢酸ビニルのホモポリマーまたはコポリマー
と保護コロイドのポリビニルアルコールに対し0.5重
量%以上で2.0重量%より少ないの無機および/また
は有機電解質からなるエマルジョンを主剤とし、そのエ
マルジョンの粘性が低剪断応力領域ではチクソトロピッ
ク性を示し高剪断応力領域ではダイラタンシー性を示
し、かつエマルジョンのpHが6以下である高速塗工用
接着剤。 2. 低剪断応力領域が、B型粘度計のロータNo.3
を用いたときの6rpmでの粘度と60rpmでの粘度
との比が2≦粘度比<4の領域であり、かつ高剪断応力
領域が、ロトビスコの128rpmでの粘度と512r
pmでの粘度比が0.5≦粘度比<1である、1項に記
載された高速塗工用接着剤。 3. 無機および/または有機電解質が、ホウ酸および
/またはクエン酸である、1項または2項に記載された
高速塗工用接着剤。」に関する。
応力領域ではチクソトロピック性を示し、高剪断応力領
域ではダイラタンシー性を示す。より具体的には、低剪
断応力領域として、B型粘度計のローターNo.3を用
いたときの6rpmでの粘度と60rpmでの粘度との
比(6rpmでの粘度/60rpmでの粘度)が2以上
で4より小さい、かつ高剪断応力領域として、ロトビス
コの128rpmでの粘度と512rpmでの粘度との
比(128rpmでの粘度/512rpmでの粘度)が
0.5以上で1より小さいものである。低剪断応力領域
の粘度比が1より小さいものは剪断応力の上昇により粘
度が上昇していくダイラタンシー性のもので、粘度比が
1近辺のものは剪断応力により粘度が変化しないニュー
トニアンのものである。本発明の粘度比2以上というも
のはチクソトロピック性のもので、放置した状態では高
粘度で流動性に乏しいが、通常のハンドリング時には流
動性を示し、容易に接着剤を供給でき、さらに糊バット
からのリターン時にオーバーフローしない。また加水し
て希釈することも容易である。
要がある。この領域で粘度比が1以上である、つまりチ
クソトロピック性であると塗工時に粘度が著しく低下し
接着剤がロールから飛び散るいわゆる糊飛びが発生し、
初期接着性が悪くなり生産性が低下する。本発明のもの
は高剪断応力領域での粘度比が1より小さいダイラタン
シー性であるため粘度が低下せず、糊飛びせず初期接着
性も低下しない。さらに望ましくは、より一層高い剪断
応力領域(103sec.−1)ではチクソトロピック
性がよい。具体的には、ロトビスコでの粘度比256r
pm/512rpmが1より大きく3以下程度である。
この領域でダイラタンシー性のものはエマルジョンの粒
子が破壊されてしまうからである。
護コロイドとして使用するPVAと無機および/または
有機電解質との配合比が特定の範囲であるためである。
検討の結果、PVAに対し無機および/または有機電解
質の量は0.5重量%以上で2.0重量%より少ない必
要がある。さらに好ましくは0.6〜1.8重量%であ
る。無機および/または有機電解質が0.1重量%以下
であるとPVAと十分な架橋反応せず高剪断応力領域で
ダイラタンシー性を示さず、糊飛びや初期接着性の低下
が起こる。2.0重量%以上であると、低剪断応力領域
でダイラタンシー性となりハンドリング性が劣化する。
ビニルのホモまたはコポリマーである。コポリマーに用
いられるコモノマーとしては、エチレン、塩化ビニル、
(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ベオバ(シエル
化学社製、α位で分岐した飽和カルボン酸のビニルエス
テル)、プロピオン酸ビニル、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられ
る。重合時、保護コロイドとして用いられるポリビニル
アルコールとしては特に制限なく使用できるが、好まし
くは重合度500〜2000で、ケン化度85〜98の
ものがベースエマルジョンをチクソトロピック性とする
ので好ましい。またさらなる性能を付与するための変性
PVAも使用できる。例えば耐水性向上のためのアセト
アセチル化PVAなどである。これらのPVAは単独で
も複数のものを併用してもよい。またPVA以外の水溶
性高分子、例えばヒドロキシエチルセルロース、加工澱
粉、メチルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエ
チルセルロースなどを併用してもよい。また、界面活性
剤も使用できる。ただし界面活性剤の使用は粘度自体が
低くなるためその使用量を制限しなければならない。
量%以上である。5重量%より少いと安定な重合が出来
ず、また粘性も所望のものとならない。PVAと架橋反
応する無機および/または有機電解質としては、Na2
SO4、(NH4)SO4などの一価金属の硫酸塩、N
H4NO3等の硝酸塩、Na3PO4等のリン酸塩、硼
酸、硼砂等の無機電解質、クエン酸等の有機電解質等が
挙げられ、硼酸、クエン酸等が好適である。また、接着
剤には消泡剤、防腐剤、増粘剤などを含んでもよい。
した公知の乳化重合によればよい。本発明の高速塗工用
接着剤は、ポリビニルアルコールを保護コロイドとして
酢酸ビニルを乳化重合してポリ酢酸ビニルエマルジョン
を製造し、このエマルジョンにポリビニルアルコールに
対して0.5〜2.0重量%の無機電解質や有機電解質
を添加し充分混合して製造する。本発明の接着剤は高速
塗工機よりローラーで転写塗布して煙草の胴張りや封筒
の接着に使用されるが、初期接着性が良好で、しかも高
速回転するローラーにより高い剪断応力がかかるが、ダ
イラタンシー性が示されるので粘度の低下がなく、ロー
ラーからの飛び散りも発生しない。低い剪断応力がかか
るハンドリング時にはチクソトロピック性を示し、ダイ
ラタンシー性が発揮されないので、ローラーからのリタ
ーン性もよく、容器から塗工機への供給性も良好であ
る。
5の部分ケン化PVAの10%水溶液20重量部を仕込
み昇温する。次に酢酸ビニル4重量部と開始剤としての
過硫酸アンモニウム10%水溶液を添加し1時間初期重
合を行い、その後酢酸ビニル36重量部を4時間かけ滴
下し随時開始剤も滴下して乳化重合を行い、重合後可塑
剤のジブチルフタレート6重量部を配合した。得られた
エマルジョンは、粘度18000mPa.s(BH型粘
度計、4rpm、25℃)、濃度45%、pH4.0で
あった。 べースエマルジョンの製造例2 反応缶に仕込む水35重量部を15重量部に、重合度約
1500、ケン化度85の部分ケン化PVAの10%水
溶液20重量部を35重量部に変更した以外は製造例1
と同様にした。得られたエマルジョンは、粘度2400
0mPa.s(BH型粘度計、4rpm、25℃)、濃
度45%、pH4.0であった。
重を配合し濃度を36%に調整し、4%硼酸水溶液を
0.5重量部配合し均一に混合した。
重を配合し濃度を36%に調整し、4%硼酸水溶液を
0.9重量部配合し均一に混合した。
重を配合し濃度を36%に調整し、4%硼酸水溶液を
0.3重量部配合し均一に混合した。
重を配合し濃度を36%に調整し、4%クエン酸水溶液
を0.5重量部配合し均一に混合した。
電解質不含の例) 製造例2で得られたエマルジョンをそのまま用いた。
5.0重量部配合し均一に混合した。
0.1重量部配合し均一に混合した。
重を配合し濃度を36%に調整し、pHを水酸化ナトリ
ウムで7.0に調整して、4%硼酸水溶液を0.5重量
部配合し均一に混合した。実施例と比較例の組成、物
質、効果を表1に示す。
Diはダイラタンシー性を示す。
し、その比(6rpm/60rmp)を算出して、チク
ソトロピー性かダイラタンシー性かを判定する。 粘性(高剪断応力領域) ロトビスコ(ハーケ社製)にて128rpmと512r
pmの粘度を測定し、その比(128rpm/512r
pm)を算出して、チクソトロピー性かダイラタンシー
性かを判定する。 高速塗工適性 糊飛びの有無を観察する。 なし…………◎ 殆どなし……○ あり…………× 作業性 オーバーフローの有無、粘度安定性、希釈撹拌性、ポン
プアップ性を確認する。 良好…………○ やや良好……△ 不良…………×
が良好でしかも高速回転ローラーで塗工しても粘度の低
下がなく、糊飛びも発生せず、ハンドリング時の容器か
らの供給性も良く、ローラーからのリターン性も良好で
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリビニルアルコールを保護コロイドと
して乳化重合した酢酸ビニルのホモポリマーまたはコポ
リマーと保護コロイドのポリビニルアルコールに対し
0.5重量%以上で2.0重量%より少ないの無機およ
び/または有機電解質からなるエマルジョンを主剤と
し、そのエマルジョンの粘性が低剪断応力領域ではチク
ソトロピック性を示し高剪断応力領域ではダイラタンシ
ー性を示し、かつエマルジョンのpHが6以下である高
速塗工用接着剤。 - 【請求項2】 低剪断応力領域が、B型粘度計のロータ
No.3を用いたときの6rpmでの粘度と60rpm
での粘度との比が2≦粘度比<4の領域であり、かつ高
剪断応力領域が、ロトビスコの128rpmでの粘度と
512rpmでの粘度比が0.5≦粘度比<1である、
請求項1に記載された高速塗工用接着剤。 - 【請求項3】 無機および/または有機電解質が、ホウ
酸および/またはクエン酸である、請求項1または2に
記載された高速塗工用接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31760695A JP3568660B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高速塗工用接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31760695A JP3568660B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高速塗工用接着剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09125033A true JPH09125033A (ja) | 1997-05-13 |
JP3568660B2 JP3568660B2 (ja) | 2004-09-22 |
Family
ID=18090081
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31760695A Expired - Fee Related JP3568660B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | 高速塗工用接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3568660B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010043158A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-02-25 | Nitto Denko Corp | 偏光板用接着剤、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP31760695A patent/JP3568660B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010043158A (ja) * | 2008-08-11 | 2010-02-25 | Nitto Denko Corp | 偏光板用接着剤、偏光板、光学フィルムおよび画像表示装置 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3568660B2 (ja) | 2004-09-22 |
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A521 | Written amendment |
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