JPH09124872A - フッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品 - Google Patents
フッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品Info
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 フッ素樹脂が本来有する優れた特性を損なう
ことなく可とう性および成形加工性を向上させたフッ素
樹脂組成物およびこれを用いた成形品を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂 100重量部あたり、 0.1重量
部未満のフッ素ゴムなどのゴムを配合する。また、この
ようなフッ素樹脂組成物を用いて成形品を構成する。
ことなく可とう性および成形加工性を向上させたフッ素
樹脂組成物およびこれを用いた成形品を提供する。 【解決手段】 フッ素樹脂 100重量部あたり、 0.1重量
部未満のフッ素ゴムなどのゴムを配合する。また、この
ようなフッ素樹脂組成物を用いて成形品を構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フッ素樹脂組成物
およびこれを用いた成形品に関する。
およびこれを用いた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、フッ化エチレンプロピレン共
重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂をベースとした
組成物が、高い耐熱性を有し、かつ、耐候性、耐薬品
性、電気的特性、非粘着性、低摩擦性などにも優れるこ
とから、電線の被覆材料として、また、チューブ、フィ
ルム、シートなどの各種機器の部品の成形材料などとし
て広く用いられている。
重合体(FEP)、エチレン・テトラフルオロエチレン
共重合体(ETFE)などのフッ素樹脂をベースとした
組成物が、高い耐熱性を有し、かつ、耐候性、耐薬品
性、電気的特性、非粘着性、低摩擦性などにも優れるこ
とから、電線の被覆材料として、また、チューブ、フィ
ルム、シートなどの各種機器の部品の成形材料などとし
て広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フッ素
樹脂は、一般に、可とう性に乏しいという難点があり、
また、成形加工性が不良なために、チューブなどの押出
成形時にメルトフラクチャー現象が発生し、製品の外観
不良を招くおそれがあった。
樹脂は、一般に、可とう性に乏しいという難点があり、
また、成形加工性が不良なために、チューブなどの押出
成形時にメルトフラクチャー現象が発生し、製品の外観
不良を招くおそれがあった。
【0004】このため、このような可とう性や成形加工
性を改善した新規なフッ素樹脂の開発も進められている
が、未だ、十分に満足できるものは得らていないのが実
状である。
性を改善した新規なフッ素樹脂の開発も進められている
が、未だ、十分に満足できるものは得らていないのが実
状である。
【0005】本発明はこのような従来技術の課題に対処
してなされたもので、フッ素樹脂が本来有する優れた特
性を損なうことなく可とう性および成形加工性を向上さ
せたフッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品を提供
することを目的とする。
してなされたもので、フッ素樹脂が本来有する優れた特
性を損なうことなく可とう性および成形加工性を向上さ
せたフッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、フッ素樹脂 1
00重量部あたり、0.1 重量部未満のゴムを含有すること
を特徴とするフッ素樹脂組成物、および前記組成物によ
り構成されてなることを特徴とするフッ素樹脂成形品で
ある。
00重量部あたり、0.1 重量部未満のゴムを含有すること
を特徴とするフッ素樹脂組成物、および前記組成物によ
り構成されてなることを特徴とするフッ素樹脂成形品で
ある。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において使用されるフッ素樹脂としては、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオ
ロアルコキシ樹脂)、FEP(フッ化エチレンプロピレ
ン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、E
TFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)
などが例示されるが、特にこれらに限定されるものでは
なく、各種公知のフッ素樹脂のなかから用途、目的に応
じて適宜選択される。
発明において使用されるフッ素樹脂としては、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオ
ロアルコキシ樹脂)、FEP(フッ化エチレンプロピレ
ン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、E
TFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)
などが例示されるが、特にこれらに限定されるものでは
なく、各種公知のフッ素樹脂のなかから用途、目的に応
じて適宜選択される。
【0008】また、本発明において使用されるゴムは、
特に限定されるものではないが、なかでもフッ素ゴムの
使用が望ましい。フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデ
ン・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体などの二元系
のフッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン・
プロピレン系共重合体ゴム、および三元系のフッ化ビニ
リデン系ゴムなどが例示される。
特に限定されるものではないが、なかでもフッ素ゴムの
使用が望ましい。フッ素ゴムとしては、フッ化ビニリデ
ン・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体などの二元系
のフッ化ビニリデン系ゴム、テトラフルオロエチレン・
プロピレン系共重合体ゴム、および三元系のフッ化ビニ
リデン系ゴムなどが例示される。
【0009】本発明においては、これらのフッ素樹脂と
ゴムとの配合量を、フッ素樹脂 100重量部あたりゴムを
0.1 重量部未満、好ましくは0.01重量部以上とする。フ
ッ素樹脂 100重量部あたりのゴムの配合量が0.01重量部
未満では、ゴムの配合による効果、すなわち、可とう性
および成型加工性の改善効果が十分得られないおそれが
あり、また、 0.1重量部を越えると、フッ素樹脂が本来
有する非粘着性などの優れた特性が低下するようにな
る。
ゴムとの配合量を、フッ素樹脂 100重量部あたりゴムを
0.1 重量部未満、好ましくは0.01重量部以上とする。フ
ッ素樹脂 100重量部あたりのゴムの配合量が0.01重量部
未満では、ゴムの配合による効果、すなわち、可とう性
および成型加工性の改善効果が十分得られないおそれが
あり、また、 0.1重量部を越えると、フッ素樹脂が本来
有する非粘着性などの優れた特性が低下するようにな
る。
【0010】すなわち、このような割合でフッ素樹脂と
ゴムが配合された本発明の組成物は、非粘着性などのフ
ッ素樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく、可
とう性や成形加工性を向上させることができ、これを用
いて可とう性に優れ、かつ、外観の良好なフッ素樹脂チ
ューブ、フッ素樹脂フィルムなどの成形品を得ることが
可能となる。
ゴムが配合された本発明の組成物は、非粘着性などのフ
ッ素樹脂が本来有する優れた特性を損なうことなく、可
とう性や成形加工性を向上させることができ、これを用
いて可とう性に優れ、かつ、外観の良好なフッ素樹脂チ
ューブ、フッ素樹脂フィルムなどの成形品を得ることが
可能となる。
【0011】なお、本発明の組成物には、必要に応じ
て、導電性カーボンなどの導電性付与剤や、金属酸化物
などの高熱伝導性付与剤を配合することができる。配合
量としては、たとえば、導電性カーボンの場合、フッ素
樹脂とゴムの合計量 100重量部あたり、 2〜30重量部の
範囲が適当である。
て、導電性カーボンなどの導電性付与剤や、金属酸化物
などの高熱伝導性付与剤を配合することができる。配合
量としては、たとえば、導電性カーボンの場合、フッ素
樹脂とゴムの合計量 100重量部あたり、 2〜30重量部の
範囲が適当である。
【0012】また、本発明の組成物は、架橋剤あるいは
放射線による架橋を行ってもよい。この場合、架橋効率
を高めるために、架橋促進剤を配合してもよい。さら
に、本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しないで
範囲であれば、この種の組成物に一般に配合される他の
添加剤を配合してもよい。
放射線による架橋を行ってもよい。この場合、架橋効率
を高めるために、架橋促進剤を配合してもよい。さら
に、本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しないで
範囲であれば、この種の組成物に一般に配合される他の
添加剤を配合してもよい。
【0013】本発明の組成物は、上記各成分を、バンバ
リミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機などの
通常の混練機により、少なくともフッ素樹脂の融点以上
の温度で混練することにより得られ、また、このように
して得られたコンパウンドを、射出成形や押出成形など
の通常の成形方法により所望の形状に成形することによ
り本発明の成形品を得ることができる。
リミキサー、ニーダー、単軸押出機、二軸押出機などの
通常の混練機により、少なくともフッ素樹脂の融点以上
の温度で混練することにより得られ、また、このように
して得られたコンパウンドを、射出成形や押出成形など
の通常の成形方法により所望の形状に成形することによ
り本発明の成形品を得ることができる。
【0014】前述したように、少量のゴムを配合した本
発明のフッ素樹脂組成物は、フッ素樹脂が本来有する優
れた特性を損なうことなく、可とう性および成形加工性
を改善することができるため、可とう性に優れ、かつ、
外観も良好な高品質のフッ素樹脂チューブ、フッ素樹脂
フィルムなどのフッ素樹脂成形品を得ることができる。
発明のフッ素樹脂組成物は、フッ素樹脂が本来有する優
れた特性を損なうことなく、可とう性および成形加工性
を改善することができるため、可とう性に優れ、かつ、
外観も良好な高品質のフッ素樹脂チューブ、フッ素樹脂
フィルムなどのフッ素樹脂成形品を得ることができる。
【0015】このように本発明のフッ素樹脂組成物にお
いては、フッ素樹脂にゴムを少量配合したことにより、
非粘着性などのフッ素樹脂が本来有する優れた特性を損
なうことなく、可とう性および成形加工性を改善するこ
とができ、またしたがって、、これを用いた本発明の成
形品は、可とう性が向上し、また、加工時のメルトフラ
クチャー現象の発生が防止ないし抑制されるため、外観
に優れたものとなる。
いては、フッ素樹脂にゴムを少量配合したことにより、
非粘着性などのフッ素樹脂が本来有する優れた特性を損
なうことなく、可とう性および成形加工性を改善するこ
とができ、またしたがって、、これを用いた本発明の成
形品は、可とう性が向上し、また、加工時のメルトフラ
クチャー現象の発生が防止ないし抑制されるため、外観
に優れたものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によりさら
に詳細に説明する、なお、本発明がこれらの実施例に限
定されるものでないことはいうまでもない。
に詳細に説明する、なお、本発明がこれらの実施例に限
定されるものでないことはいうまでもない。
【0017】実施例1 ETFE(旭硝子社製 商品名アフロンCOP C-55AXP )
100重量部と、フッ素ゴム(ダイキン工業社製 商品名
ダイエルサーモプラスチック T-530) 0.08 重量部とを
二軸押出機(東芝機械製 TEM-35B)に供給し、 280℃の
温度で混練しながら押出し、ペレット状コンパウンドを
得た。
100重量部と、フッ素ゴム(ダイキン工業社製 商品名
ダイエルサーモプラスチック T-530) 0.08 重量部とを
二軸押出機(東芝機械製 TEM-35B)に供給し、 280℃の
温度で混練しながら押出し、ペレット状コンパウンドを
得た。
【0018】次いで、このコンパウンドを単軸押出機
(三葉製作所製)に供給し、押出温度300℃の条件でチ
ューブ状に押出し、外径40mm、肉厚 100μmのフッ素樹
脂チューブを成形した。
(三葉製作所製)に供給し、押出温度300℃の条件でチ
ューブ状に押出し、外径40mm、肉厚 100μmのフッ素樹
脂チューブを成形した。
【0019】実施例2 ETFEに代えてPFA(旭硝子社製 商品名アフロン
PFA P66-P )を用いるとともに、二軸押出機および単軸
押出機の温度条件をそれぞれ 350℃および 380℃とした
以外は、実施例1と同様にして、外径40mm、肉厚 100μ
mのフッ素樹脂チューブを成形した。
PFA P66-P )を用いるとともに、二軸押出機および単軸
押出機の温度条件をそれぞれ 350℃および 380℃とした
以外は、実施例1と同様にして、外径40mm、肉厚 100μ
mのフッ素樹脂チューブを成形した。
【0020】比較例1 ETFEのアフロンCOP C-55AXP を単軸押出機に供給
し、溶融混練しながら300℃の温度で押出し、外径40m
m、肉厚 100μmのフッ素樹脂チューブを成形した。
し、溶融混練しながら300℃の温度で押出し、外径40m
m、肉厚 100μmのフッ素樹脂チューブを成形した。
【0021】比較例2 PFAのアフロンPFA P66-P を単軸押出機に供給し、溶
融混練しながら 380℃の温度で押出し、外径40mm、肉厚
100μmのフッ素樹脂チューブを成形した。
融混練しながら 380℃の温度で押出し、外径40mm、肉厚
100μmのフッ素樹脂チューブを成形した。
【0022】上記各実施例および比較例で得られた各フ
ッ素樹脂チューブの可とう性( 100%モジュラス)、引
張強さ、伸び、および非粘着性(接触角)を測定評価す
るとともに、用いた組成物の成形加工性をメルトフラク
チャー現象が発生する押出機のスクリューの回転数によ
り評価した。結果を表1に示す。
ッ素樹脂チューブの可とう性( 100%モジュラス)、引
張強さ、伸び、および非粘着性(接触角)を測定評価す
るとともに、用いた組成物の成形加工性をメルトフラク
チャー現象が発生する押出機のスクリューの回転数によ
り評価した。結果を表1に示す。
【0023】
【表1】 表1からも明らかなように、実施例では、フッ素樹脂本
来の特性を損なうことなく、可とう性および成形加工性
が向上している。
来の特性を損なうことなく、可とう性および成形加工性
が向上している。
【0024】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明のフッ素樹脂組成物では、非粘着性などのフッ素樹
脂が本来有する優れた特性をそのまま具備し、かつ、可
とう性および成形加工性にも優れている。したがって、
これを用いて、フッ素樹脂が本来有する優れた特性を有
し、かつ、可とう性および外観も良好なフッ素樹脂成形
品を得ることができる。
発明のフッ素樹脂組成物では、非粘着性などのフッ素樹
脂が本来有する優れた特性をそのまま具備し、かつ、可
とう性および成形加工性にも優れている。したがって、
これを用いて、フッ素樹脂が本来有する優れた特性を有
し、かつ、可とう性および外観も良好なフッ素樹脂成形
品を得ることができる。
【0025】
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ素樹脂 100重量部あたり、0.1 重量
部未満のゴムを含有することを特徴とするフッ素樹脂組
成物。 - 【請求項2】 請求項1記載のフッ素樹脂組成物におい
て、ゴムはフッ素ゴムであることを特徴とするフッ素樹
脂組成物。 - 【請求項3】 請求項1または2記載のフッ素樹脂組成
物により構成されてなることを特徴とするフッ素樹脂成
形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28763195A JPH09124872A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | フッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28763195A JPH09124872A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | フッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09124872A true JPH09124872A (ja) | 1997-05-13 |
Family
ID=17719743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28763195A Withdrawn JPH09124872A (ja) | 1995-11-06 | 1995-11-06 | フッ素樹脂組成物およびこれを用いた成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09124872A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007281638A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置 |
-
1995
- 1995-11-06 JP JP28763195A patent/JPH09124872A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007281638A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | スピーカ用振動板およびこれを用いたスピーカならびにこのスピーカを用いた電子機器および装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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