JPH09123335A - レトルト用透明ガスバリア積層体 - Google Patents

レトルト用透明ガスバリア積層体

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JPH09123335A
JPH09123335A JP7283459A JP28345995A JPH09123335A JP H09123335 A JPH09123335 A JP H09123335A JP 7283459 A JP7283459 A JP 7283459A JP 28345995 A JP28345995 A JP 28345995A JP H09123335 A JPH09123335 A JP H09123335A
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transparent
gas barrier
resin
layer
film
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JP7283459A
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Noboru Sasaki
昇 佐々木
Masanobu Okamura
正信 岡村
Fumitake Koizumi
文剛 小泉
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特開平7−137192号ではレトルト用途に
適用せず、透明性、内容物に対して気体等を遮断する高
いガスバリア性及びレトルト殺菌後の劣化しない耐レト
ルト性、印刷インキを直接コーティングしても機能を低
下させない機械的強度が求められていた。 【解決手段】透明プラスチック材料からなる基材上の少
なくとも片面に厚さ30〜300nmの酸化アルミニウ
ム薄膜層、透明プライマー層を順次積層し、更に接着剤
を介してシール層としてポリオレフィン系熱可塑性樹脂
層を積層したことを特徴とするレトルト用透明ガスバリ
ア積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品等の包装分野
に用いられる透明ガスバリア性積層体に関するもので、
特に、レトルト殺菌が必要な食品の包装分野に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、食品等の包装に用いられる包装材
料は、内容物の変質、例えば蛋白質や油脂等の酸化、変
質を抑制し、さらに味、鮮度を保持するために、包装材
料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる
気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガ
ス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められて
いる。また、レトルト殺菌が必要な食品に対しては、高
いガスバリア性を持つと共にレトルト殺菌後もガスバリ
ア性が劣化することがないことが求められている。その
ため従来から、温度・湿度などによる影響が少ないAl
等の金属からなる金属箔をガスバリア層として用いた包
装材料が一般的に使用されてきた。
【0003】ところが、Alなどの金属からなる金属箔
を用いた包装材料は、ガスバリア性に優れ、レトルト殺
菌後もガスバリア性の劣化が少ないが、包装材料を透視
して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の
際は不燃物として処理しなければならない、金属探知器
が使用できないなどの欠点を有し問題があった。。
【0004】そこで、これらの欠点を克服した包装材料
として、例えば米国特許第3442686、特公昭63
−28017号公報等に記載されているような酸化珪
素、酸化アルミニウム、等の無機酸化物を高分子フィル
ム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段に
より蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これ
らのフィルムは透明性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性
を有していることが知られ、金属蒸着フィルムでは得る
ことのできない透明性、ガスバリア性の両者を有する包
装材料として好適とされている。
【0005】しかし、上記酸化珪素を蒸着したフィルム
は、透明と言っても僅かに琥珀色に着色しており、完全
に透明でないので内容物が変色している様に思われ問題
があった。その点酸化アルミニウムは、完全に無色透明
で、しかもある所望の膜厚にてラミネートすることによ
り無機酸化物では困難であったレトルト殺菌が可能であ
ることからアルミ箔に代わるものとして注目されてい
る。この例としては、特開平7−137192号等が挙
げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た特開平7−137192号等の包装用材料に適するフ
ィルムであっても、包装容器または包装材として、蒸着
フィルム単体で用いられることはほとんどなく、蒸着後
の後加工として蒸着フィルム表面に文字・絵柄等を印刷
加工またはフィルム等の他の基材との貼り合わせ、容器
等の包装体への形状加工などさまざまな工程を経て包装
体を完成させている。そのため、蒸着フィルム固有の透
明性・ガスバリア性を十分保持するとともに直接印刷イ
ンキをコーティングするための最適な印刷条件を把握し
ておく必要がある。例えば、特開平7−137192号
等の包装用材料はあくまで一般の包装材料を想定してい
るものであり、レトルトの用途の様にレトルト殺菌特
性、及び製袋作業におけるしごき処理に対する機械的強
度よりもりに印刷の直接コーティングが重要視されるレ
トルト用途に用いることは想定されていない。
【0007】そこで、酸化アルミニウム蒸着フィルムの
蒸着面に直接印刷インキをコーティングしてみたとこ
ろ、乾燥時における印刷インキの収縮が蒸着膜に伝わ
り、クラックや傷等の損傷が発生し、この損傷部分から
酸素、水蒸気などの気体が浸透するなどして本来有して
いるはずの高いガスバリア性が低下してしまうという問
題を有していた。
【0008】すなわち、レトルト用包装材料として用い
られる条件として、内容物を直接透視することが可能な
だけの透明性、内容物に対して影響を与える気体等を遮
断する高いガスバリア性及びレトルト殺菌後もガスバリ
ア性の劣化ない耐レトルト性、印刷インキを直接コーテ
ィングしても機能を低下させない機械的強度(若しくは
フレキシビリティ)を有するものが求められており、現
在のところこれらを全て満たす包装材料は見いだされて
いない。
【0009】そこで、本発明は無色透明であり、かつ高
いガスバリア性を有するとともに印刷インキによる収縮
等のストレスに対して、ガスバリア性の低下することの
ない機械的強度を有し、更にレトルト殺菌が可能な実用
性の高い積層体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
すべくなされたものであり、請求項1に記載される発明
は、透明プラスチック材料からなる基材上の少なくとも
片面に厚さ30〜300nmの酸化アルミニウム薄膜
層、透明プライマー層を順次積層し、更に接着剤を介し
てシール層としてポリオレフィン系熱可塑性樹脂層を積
層したことを特徴とするレトルト用透明ガスバリア積層
体である。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
に基づき、上記透明プライマー層が、ポリエステル樹脂
または該樹脂と混入樹脂との混合物であるとを特徴とす
るレトルト用透明ガスバリア透明積層体である。
【0012】請求項3の発明は、請求項1、2の発明の
基づき、上記混入樹脂が、イソシアネート系樹脂もしく
はエポキシ系樹脂の樹脂群の中から選ばれる1種類もし
くは2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項
1、2記載のレトルト用透明ガスバリア性積層体であ
る。
【0013】請求項4の発明は、請求項1、2、3の発
明に基づき、上記透明プライマー層の厚さが、0.2μ
m以上であることを特徴とするレトルト用透明ガスバリ
ア積層体である。
【0014】本発明のガスバリア性を有する透明積層体
によれば、透明プラスチック材料からなる基材上に設け
られた酸化アルミニウム薄膜層上に、応力を緩和・吸収
することに優れた透明性を有する高分子材料からなる透
明プライマー層を積層することにより、印刷インキ乾燥
時における引っ張りや収縮等の機械的なストレスを透明
プライマー層により吸収・緩和するため、機械的なスト
レスを受けた後でも高い光透過性を示すとともに薄膜を
透過するガスを低く抑えることができ、更に、ガスバリ
ア層として酸化アルミニウムを用いているためレトルト
殺菌可能である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を図面を用いて詳
細に説明する。図1は、本発明のレトルト用透明ガスバ
リア積層体の概略を説明する断面図である。
【0016】まず、本発明のレトルト用透明ガスバリア
積層体の構成について図1を参照し説明する。(1)は
本発明のレトルト用透明ガスバリア性を有する透明積層
体であり、基材(2)の表面に酸化アルミニウムの蒸着
膜からなる薄膜層(3)、透明プライマ−層(4)が順
次形成されており、更にポリオレフィン系熱可塑性樹脂
層(5)が積層されている。
【0017】上述した基材(2)は透明プラスチック材
料であり、蒸着薄膜層の無色透明を生かすために透明な
フィルムが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリ
エステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなど
のポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポ
リアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカー
ボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポ
リイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちら
でも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが
良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に
二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレー
トが好ましく用いられる。またこの基材(2)の表面
に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、
紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良
く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコ
ロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を
施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを
施しても良い。
【0018】基材(2)の厚さはとくに制限を受けるも
のではないが、包装材料としての適性、他の層を積層す
る場合も在ること、酸化アルミニウム薄膜層(3)及び
透明プライマー層(4)を形成する場合の加工性を考慮
すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によ
って6〜30μmとすることが好ましいと言える。
【0019】また、量産性を考慮すれば、連続的に薄膜
を形成できるように長尺フィルムとすることが望まし
い。
【0020】酸化アルミニウム薄膜層(3)は、無色透
明で酸素、水蒸気等のガスを遮断するために設けられる
もので、構造式:AlxOy(Y/X=1〜1.5)で
表すことのできるものである。また、上記酸化アルミニ
ウム薄膜層は、実質上酸化アルミニウムであって、不純
物を2〜5%程度含んでいても、または表面が経時変化
により水酸化アルミニウム等に変化していても構わな
い。
【0021】薄膜層(3)の厚さは、用いられる包装材
料構成等により最適条件が異なるが、一般的には30〜
300nmの範囲内であることが望ましく、その値は適
宜選択される。膜厚が30nm未満であるとレトルト殺
菌によりガスバリア性が劣化することがあり好ましくな
い。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキ
シビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲
げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じ
るおそれがある。好ましくは、20〜100nmの範囲
にあることである。
【0022】酸化アルミニウムからなる薄膜層(3)を
透明プラスチック基材(2)上に形成する方法としては
種々在り、通常の真空蒸着法により形成することができ
るが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法や
イオンプレーティング法などを用いることもできる。但
し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優
れている。真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱
方式や抵抗加熱方式とすることが好ましく、薄膜と基材
の密着性及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズ
マアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも
可能である。成膜方法としては、酸化アルミニウム材料
を直接電子線加熱方式により蒸発させ蒸着膜を得る方法
や、金属アルミニウムを電子線加熱方式や抵抗加熱方式
により蒸発させ、そこに酸素ガスを反応させ酸化アルミ
ニウム薄膜層を得る方法など種々あるが、どの方法を用
いても一向に構わない。
【0023】透明プライマー層(4)は、薄膜層(3)
上に積層され印刷インキ乾燥時における引っ張りや収縮
等の機械的なストレスを吸収・緩和することを目的に設
けられるもので、特に薄膜層(3)が20〜100nm
と比較的薄いときには必要不可欠である。
【0024】上記目的を達成するためにプライマー樹脂
として用いることができるのは、ポリエステル樹脂単体
または該樹脂とイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂
などの混入樹脂との混合物である。
【0025】上記ポリエステル樹脂はテレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、メチルフタル酸、トリメリット
酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク
酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メ
チルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸およ
びこれらの反応性誘導体等の酸原料と、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、
1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグ
リコール、イソペンチルグリコール、ビスヒドロキシエ
チルテレフタレート、水添ビスフェノールA、水添ビス
フェノールAAのアルキレンオキサイド付加物、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール、2,2,4−トリメチルペ
ンタン−1,3−ジオール等のアルコール原料から周知
の方法で製造されたものが用いることができるが、とく
にこれらに限定されるものではない。
【0026】またポリエステル樹脂に添加される混入樹
脂は、ポリエステル樹脂を更に応力を緩和・吸収するこ
とに優れた層にするために用いられるもので、主に架橋
剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するため
に混入樹脂としては、トリレンジイソシアネートやキシ
レンジイソシアネートなどのイソシアネート系樹脂、ビ
スフェノールAジグリシンエーテル型エポキシや水添え
ビスフェノール型エポキシなどのエポキシ系樹脂単体及
びこれらの1種以上の混合物が用いることができる。
【0027】ポリエステル樹脂と混入樹脂の混合割合と
しては、ポリエステル樹脂のOH基やCOOH基に対し
て、イソシアネート基やエポキシ基が当量以上含まれて
いれば良い。当量以下であると硬化不良、架橋不足とな
り問題がある。しかし、あまり過剰に加えると、加えた
樹脂が反応ぜずに残り膜に悪影響を与えるので好ましく
まい。混合の方法については、周知の方法が使用可能で
特に限定しない。
【0028】プライマー樹脂を溶解する有機溶剤として
は、樹脂を溶解することが可能であれば特に限定される
ことはなく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエス
テル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン
等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素
類のうち単独または任意に配合したものが使用できる。
好ましくは、塗膜加工及び臭気の面からトルエンとメチ
ルエチルケトンを混合したものが良い。
【0029】プライマー樹脂に各種添加剤、例えば3級
アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合
物、4級アンモニウム塩、4級ホウホニウム塩等の硬化
促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の
酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反
応促進剤、充填剤等を添加することも可能である。
【0030】透明プライマー層(4)の厚さは、均一に
塗膜が形成することができれば特に限定しないが、実用
的には0.2μm以上コーティングすることが好まし
い。厚さが0.2μm未満のものは、均一な塗膜が形成
できないことが多く、印刷インキの引っ張り・収縮等の
機械的ストレスの吸収・緩和が十分でなくなり、ガスバ
リア性が低下する恐れがあるからである。しかし、厚さ
が2.0μmを越えると、プライマー樹脂中に残留する
溶剤などの臭気の面で問題があり、特に好ましくは、透
明プライマー層(4)の厚さは0.2〜1.5μmの範
囲であることが望ましい。
【0031】透明プライマー層(4)の形成方法として
は、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルク
スクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコー
ト、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の
塗布方式を用いることができる。コストの面を考慮する
と、好ましくは印刷工程における1色目でコーティング
できるグラビア印刷法を用いることである。乾燥条件に
ついては、一般的に使用される条件で構わない。
【0032】ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層(5)
は、袋状包装体などを形成する際の接着部に利用される
ものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、
エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸
エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用
いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的に
は15〜200μmの範囲で、実用的には50〜100
μmの範囲である。形成方法としては、上記樹脂からな
るフィルム状のものを2液硬化型ウレタン系樹脂などの
接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法を用い
ることが一般的である。
【0033】また、透明プライマー層(4)とポリオレ
フィン熱可塑性樹脂(5)の間に他の層を設けることも
可能である。例えば、印刷層や中間層である。印刷層
は、包装袋などとして実用的に用いるために形成される
ものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロー
ス系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられてい
るインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑
剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるイ
ンキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成さ
れている。形成方法としては、例えばオフセット印刷
法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知
の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グ
ラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができ
る。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
【0034】また中間層は、レトルト殺菌の際の破袋強
度を高めるために設けられるもので、例えば二軸延伸ナ
イロンフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等が用いる
ことができる。厚さは材質、要求品質等に応じて決めら
れるが、一般的には10〜30μmの範囲である。形成
方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂などの接着剤
を用いて貼り合わせるドライラミネート法等の公知の方
法により積層することができる。
【0035】
【実施例】本発明のレトルト用透明ガスバリア積層体を
具体的な実施例を挙げて更に説明する。
【0036】〈実施例1〉基材(2)として、厚さ12
μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムの
片面に電子線加熱方式により金属アルミニウムを蒸発さ
せ、そこに酸素ガスを導入して、厚さ40nmの酸化ア
ルミニウム薄膜層(3)を形成した。次いで、以下の透
明プライマー樹脂をコーティングし透明プライマー層
(4)を設けた。次いでウレタン系印刷インキ4色
(墨、紅、藍、白)を用いてグラビア印刷を行い、その
後2液硬化型ウレタン系接着剤を介してポリオレフィン
系熱可塑性樹脂層(5)としてポリプロピレン60μm
とドライラミネートを行い本発明のレトルト用透明ガス
バリア積層体(1)を得た。レトルト殺菌するために本
発明の積層体を用いて4方パウチを作製し、内容物とし
て水150gを充填し、125℃−30minのレトル
ト殺菌を行った。評価として、ラミ品の印刷有無部の酸
素透過率(cc/m2 /day)及びレトルト後印刷有
部の酸素透過率(cc/m2 /day)の測定を行っ
た。その結果を表1に示す。 樹 脂:ポリエステル樹脂 厚 さ:1.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=8/2
【0037】〈実施例2〉実施例1の透明プライマー樹
脂を以下の構成に変更し、それ以外は同様にして本発明
のレトルト用透明ガスバリア積層体(1)を得て、同様
に評価した。その結果を表1に示す。 樹 脂:ポリエステル樹脂 厚 さ:0.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=8/2
【0038】〈実施例3〉実施例1の透明プライマー樹
脂を以下の構成に変更し、それ以外は同様にして本発明
のレトルト用透明ガスバリア積層体(1)を得て、同様
に評価した。その結果を表1に示す。 樹 脂:ポリエステル樹脂/トリレンジイソシアネー
ト=10/1 厚 さ:1.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=8/2
【0039】〈実施例4〉実施例1の透明プライマー樹
脂を以下の構成に変更し、それ以外は同様にして本発明
のレトルト用透明ガスバリア積層体(1)を得て、同様
に評価した。その結果を表1に示す。 樹脂:ポリエステル樹脂/トリレンジイソシアネート=
4/1 厚さ:1.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=8/2
【0040】〈実施例5〉実施例1の透明プライマー樹
脂を以下の構成に変更し、それ以外は同様にして本発明
のレトルト用透明ガスバリア積層体(1)を得て、同様
に評価した。その結果を表1に示す。 樹脂:ポリエステル樹脂/ビスフェノールAジグリシン
エーテル型エポキシ=7/3 厚さ:1.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=5/5
【0041】〈比較例1〉実施例1において、透明プラ
イマー層(4)を設けずに直接印刷した以外は同様に積
層体を得て、同様に評価した。その結果を表1に示す。
【0042】〈比較例2〉実施例1の透明プライマー樹
脂を以下の構成に変更し、それ以外は同様にして積層体
を得て、同様に評価した。その結果を表1に示す。 樹脂:ニトロセルロース樹脂 厚さ:0.5μm 溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=8/2
【0043】
【表1】
【0044】実施例に対して比較例は、印刷後及びレト
ルト後の酸素透過率が劣化するのに対して、本発明の実
施例は、印刷後及びレトルト後の酸素透過率が劣化する
ことなく良好な値を示していると言える。
【0045】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、成膜
後の透明性及びガス遮断性に優れ、かつ後加工の工程に
おいて、印刷インキの乾燥時における引っ張りや収縮等
の機械的なストレスの作用に対して、薄膜に膜割れ等の
損傷を生じることがなく、本来酸化アルミニウム薄膜の
もつ無色透明性、ガスバリア性を維持するとともに、レ
トルト可能な様に酸化アルミニウムの膜厚を設定した構
成になっているのでレトルト殺菌後もガスバリア性の劣
化のない実用性の高い積層体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレトルト用透明ガスバリア積層体の断
面図
【符号の説明】
1 レトルト用透明ガスバリア積層体 2 基材 3 酸化アルミニウム薄膜層 4 透明プライマー層 5 ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/02 LPC C08L 67/02 LPC LPK LPK // C08G 18/42 NDW C08G 18/42 NDW C09J 5/02 JGP C09J 5/02 JGP

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明プラスチック材料からなる基材上の少
    なくとも片面に厚さ30〜300nmの酸化アルミニウ
    ム薄膜層、透明プライマー層を順次積層し、更に接着剤
    を介してシール層としてポリオレフィン系熱可塑性樹脂
    層を積層したことを特徴とするレトルト用透明ガスバリ
    ア積層体。
  2. 【請求項2】上記透明プライマー層が、ポリエステル樹
    脂または該樹脂と混入樹脂との混合物であるとを特徴と
    する請求項1記載のレトルト用透明ガスバリア積層体。
  3. 【請求項3】上記混入樹脂が、イソシアネート系樹脂も
    しくはエポキシ系樹脂の樹脂群の中から選ばれる1種類
    もしくは2種類以上の混合物であることを特徴とする請
    求項1、2記載のレトルト用透明ガスバリア性積層体。
  4. 【請求項4】上記透明プライマー層の厚さが、0.2μ
    m以上であることを特徴とする請求項1、2、3記載の
    レトルト用透明ガスバリア積層体。
JP7283459A 1995-10-31 1995-10-31 レトルト用透明ガスバリア積層体 Pending JPH09123335A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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