JP4701610B2 - 高密着性を有する薄膜層を備えた積層体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品や非食品及び医薬品等の各種包装分野に用いられる包装用の積層体に関するもので、特に高度な密着性が要求される包装分野に関するものである。
食品や非食品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制し、それらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これら気体(ガス)を遮断するガスバリア性を備えることが求められている。更に近年、包装されるものが多様化されているために内容物により密着性が低下することのない強密着性を有するものが要求されている。そのため従来から、温度・湿度などによる影響が少なく、各種内容物による密着性低下が少ないアルミ等の金属からなる金属箔を用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
ところが、アルミ等の金属からなる金属箔を用いた包装材料は、ガスバリア性及び密着性に優れるが、包装材料を透視して内容物を確認することができない、使用後の廃棄の際は不燃物として処理しなければならない、金属探知器が使用できないなどの欠点を有しており、更に近年の環境意識の高まりにより消費者の脱アルミ箔の動きが活発なため、使用できにくいと言う状況がある。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば米国特許第3442686、特公昭63−28017号公報等に記載されている様な酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化錫等の無機酸化物を高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段により蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらのフィルムは透明
性及び酸素、水蒸気等のガス遮断性を有しており、更に焼却処理が可能であることから環境性にも優れ、金属箔等では得られないガスバリア性、環境性の両者を有する包装材料として好適とされている。
これらのフィルムには、さらにシーラントフィルムや他の樹脂フィルムと積層され、各種包装材料として使用されている。
このような包装材料としての使用に当たり、収納する内容物によっては、基材と無機酸化物薄膜層との間の強度が低下することがあり、この薄膜層の密着強度を向上させるため、基材上にプライマー層を形成する技術が提案されている。
このプライマー層としては、ポリエステル系樹脂とイソシアネート系樹脂の混合物を用いることで、好適な密着性を得られることが知られている。(先行技術文献1)
特開平10−723号公報
このようなプライマー層を設けることにより、薄膜層の密着性は格段に向上する。
しかしながら、より浸透性の高い内容物あるいは物理的なストレスがかかる形状ないし構造の容器に上記した積層体を用いた場合、基材と薄膜層の間に存在するプライマー層自体が破壊され、積層体のデラミネーションを引き起こすことがあることが判明した。
そこで本発明は、上記プライマー層の破壊によるデラミネーションを防止することを目的になされたものであって、請求項1に記載の発明は、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面にプライマー層、厚さ5〜300nmの薄膜層を順次積層した積層体に対し、プライマー層の樹脂のガラス転移温度近傍の温度以上で加熱処理することを特徴とする高密着性を有する薄膜層を備えた積層体の製造方法である。
また、本発明の請求項2記載の発明は、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面にプライマー層、厚さ5〜300nmの薄膜層を順次積層したフィルムの薄膜層面に、さらに樹脂フィルムを積層してなる積層体に対し、プライマー層の樹脂のガラス転移温度近傍の温度以上で加熱処理することを特徴とする高密着性を有する薄膜層を備えた積層体の製造方法である。
本発明の請求項3記載の発明は、プライマー層が、反応性官能基を有する樹脂成分を含有する組成物により形成されることを特徴とする、上記の積層体の製造方法である。
また、本発明の請求項4記載の発明は、薄膜層上に、薄膜層の保護層を形成したことを特徴とする、上記の積層体の製造方法である。
上述した本発明によれば、内容物の影響や物理的な応力によるラミネート強度の低下のない優れた密着性を有する積層体を得ることができるので、きわめて過酷な条件で使用される包装材料として有用である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体の第1の例は、プラスチック材料からなる基材上にプライマー層、薄膜層が順次積層された構成からなる。
上述した基材はプラスチック材料であり、プライマー層や薄膜層を形成する際の基材となるものである。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いられ、延伸、未延伸のどちらでも良く、また機械的強度や寸法安定性を有するものが良い。これらをフィルム状に加工して用いられる。特に二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。またこの基材の表面に、周知の種々の添加剤や安定剤、例えば帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが使用されていても良く、薄膜との密着性を良くするために、前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理を施しておいても良く、さらに薬品処理、溶剤処理などを施しても良い。
基材の厚さはとくに制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、他の層を積層する場合もあること、プライマー層及び薄膜層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲で、用途によって6〜30μmとすることが好ましいと言える。
また、量産性を考慮すれば、連続的に各層を形成できるように長尺フィルムとすることが望ましい。
本発明のプライマー層は、プラスチック材料からなる基材上に設けられ、基材と薄膜層との間の密着性を高め、内容物の影響などによるラミネート強度低下を抑えることを目的に設けられるものである。
プライマー樹脂として用いることができるのは、基材と薄膜層との密着性を向上できる材料であれば任意の樹脂材料が使用できるが、ポリエステル樹脂単体または該樹脂とイソシアネート系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂のうちから選ばれる1種類以上の混入樹脂との混合物であることが好ましい。特に、上記樹脂としてこれらの樹脂を成分とする組成物は、それぞれの樹脂が持つ官能基が反応することにより、基材と薄膜層とを強固に結合させることができる。
上記ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、メチルフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びこれらの反応性誘導体等の酸原料と、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、イソペンチルグリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2,4−トリメチルペンタン−1,3−ジオール等のアルコール原料から周知の方法で製造されたものが用いることができるが、特にこれらに限定されない。
またポリエステル樹脂に添加される混入樹脂は、更に密着性を高めるために添加されるもので主に架橋剤もしくは硬化剤として作用する。これを達成するために混入樹脂としては、トリレンジイソシアネート(TDI)やキシレンジイソシアネート(XDI)、ヘキサレンジイソシアネート(MDI)などのイソシアネート系樹脂、ビスフェノ
ールAジグリシンエーテル型エポキシや水添ビスフェノール型エポキシなどのエポキシ系樹脂、メラミン系樹脂及びこれらの1種以上の混合物が用いることができる。中でもイソシアネート系樹脂(特にTDI)を用いる場合が、最も密着性に優れているので好ましい。
ポリエステル樹脂と混入樹脂の混合割合としては、ポリエステル樹脂のOH基やCOOH基に対して、イソシアネート基やエポキシ基、アミノ基等が当量以上含まれていれば良い。例えば混入樹脂としてイソシアネート系樹脂単体を用いる場合、ポリエステル樹脂とイソシアネート系樹脂との配合比は当量比で(ポリエステルのOH基):(イソシアネートのNCO基)=1:0.5〜1:20の範囲であることが望ましい。当量以下であると硬化不良、架橋不足となり密着性に問題がある。しかし、あまり過剰に加えると、加えた樹脂が反応ぜずに残り膜に悪影響を与えるので好ましくない。混合の方法については、周知の方法が使用可能で特に限定しない。
プライマー樹脂を溶解する溶剤としては、樹脂を溶解することが可能であれば特に限定されることはなく、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類のうち単独または任意に配合したものが使用できる。好ましくは、塗膜加工及び臭気の面からトルエンとメチルエチルケトンを1対1に混合したものが良い。
プライマー樹脂に各種添加剤、例えば、3級アミン、イミダゾール誘導体、カルボン酸の金属塩化合物、4級アンモニウム塩、4級ホウホニウム塩等の硬化促進剤や、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の酸化防止剤、レベリング剤、流動調整剤、触媒、架橋反応促進剤、充填剤等を添加する事も可能である。
プライマー層の厚さは、均一に塗膜が形成することができれば特に限定しないが、一般的に0.01μm〜1.0μmの範囲であることが好ましい。厚さが0.01μmより薄いと均一な塗膜が得られにくいため部分的に密着性が低下する場合がある。また厚さが1.0μmを越える場合は塗膜にフレキシビリティを保持させることができず、外的な要因により塗膜に亀裂が発生する恐れがあるため好ましくない。安全性を考慮すれば、特に好ましいのは0.1〜1.0μmの範囲にあることである。
プライマー層の形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアコートなどの周知の塗布方式を用いることができる。乾燥条件については、一般的に使用される条件で構わない。
次に、薄膜層は、アルミニウムなどの金属、あるいは酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、さらにはこれらの混合物などの無機酸化物を、後述する公知の方法により基材上に形成したものである。薄膜層としては環境適性の面から焼却処理が可能で且つ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有するものであることが好ましい。その中では、特に酸化アルミニウム及び酸化珪素が物性的に優れ、また透明でもあるので包装材料として使用する上では好ましい。ただし本発明の薄膜層は、上述した無機酸化物に限定されることなく上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
薄膜層の厚さは、用いられる金属ないし無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内であることが望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることが難しくなってくるため、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲にあることである。
薄膜層をプライマー層上に形成する方法としては種々あり、通常の真空蒸着法により形成することができるが、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることもできる。
但し生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法による真空蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式とすることが好ましく、薄膜と基材の密着成及び薄膜の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げ
るために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込んだりする反応蒸着を行っても一向に構わない。
本発明は、上記した基材、プライマー層、薄膜層を順次積層した積層体に対し、プライマー層の樹脂のガラス転移温度(Tg)の温度近傍以上の温度の加熱処理を施すものである。
前述したイソシアネート系樹脂などの反応性官能基を持つ樹脂を含む組成物を用いてプライマー層を形成する場合、基材上に上記樹脂を適当な溶媒に溶解させた組成物を基材上に塗布し、溶媒を蒸発させた後、反応を促進させるための50℃、3日間程度のエージング処理(加熱処理)を行うが、本発明の加熱処理は、プライマー層上に薄膜層を形成した以降に改めて行う加熱処理を意味している。
また、本発明の加熱処理は、プライマー層の樹脂のガラス転移温度(Tg)近傍以上の温度で行う点を第2の特徴とする。
プライマー層の樹脂のガラス転移温度(Tg)近傍以上の温度とは、本発明の効果が得られる温度であって樹脂の種類にもよるが、Tgより5℃程度低い温度以上を指す。例えばポリエステル樹脂に混入樹脂としてイソシアネート系樹脂を用いたプライマーの好適な例において、樹脂のTgは約67℃となり、本発明の加熱処理の温度としては62℃以上、好ましくはTgである67℃以上、さらに好ましくはTgをやや上回る70℃とすることが好ましい。また、加熱処理の時間は、可能な範囲で長時間とすることが好ましく、後述する応力緩和という観点からすると、少なくとの1日以上、好ましくは3日以上、さらに好ましくは5日以上とすることが好ましい。
上記した加熱処理を行うことにより薄膜層の密着性が向上する理由は十分には解明できていないが、以下のように推測できる。
プライマー層には、通常種々の理由により内部応力が存在する。例えば、一般に薄膜層の形成にあたっては被形成材料が熱的ダメージを受ける。本発明の場合は、プライマー層上に薄膜層を形成するので、薄膜層形成時の熱的ダメージはプライマー層が受けるが、この熱的ダメージによりプライマー層には内部応力が発生する。
そして本発明のように薄膜層形成後に加熱処理を行うことにより、上記内部応力が緩和され、薄膜層の密着性が向上するものと考えられる。
また、プライマー層が反応性材料を使用したものである場合、本発明の加熱処理により、いわゆるエージング処理で反応しきれなかった未反応の反応性材料が、加熱により軟化した樹脂中を移動し、基材面および薄膜層面に移動した反応性材料が基材あるいは薄膜層と反応することにより、より強固な密着性が実現されることも考えられる。
さらに、基材にも内部応力が存在するので、加熱処理による基材の内部応力の緩和も、薄膜層の密着性向上に寄与していると考えられる。
本発明による効果は、上記した要因が複合して関わっていると考えられる。
本発明の積層体としては、上記した基材、プライマー層、薄膜層に加え、薄膜層上に他の層を積層することも可能である。例えば印刷層等である。印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。
また、本発明の積層体を包装材料として使用する場合、積層体の最内層となる側にポリオレフィン系熱可塑性樹脂からなるシーラント層を形成することが好ましい。またこのポリオレフィン系熱可塑性樹脂を薄膜層上に形成する以外にも、必要に応じて中間層を設けることができる。この中間層は、引裂性付与や包装材の腰強度を上げるなど更に包装材料を機能化させるために設けられるもので、消費者の要求や内容物の適性等によって任意の材料を選択して用いることができる。例えば引裂性を付与する場合は、一軸延伸ナイロンフィルム、一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、一軸延伸ポリプロピレンフィルム等を用いることができ、また腰強度を上げるためには、2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のプラスチック材料を用いることができる。
また、中間層の厚さは、材質や要求品質、要求物性等に応じて決められるが、一般的には10〜30μmの範囲である。中間層の形成方法としては、2液硬化型ウレタン系樹脂等の接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法や加熱溶融させた樹脂をカーテン状に押出貼り合わせるエキストルージョンラミネート法等の公知の方法を用いることより積層することができるが、一般的にはドライラミネート法を用いる場合が多い。
ポリエチレン系熱可塑性樹脂層は、袋状包装体などを形成する際の接着部に利用されるものであり、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは目的に応じて決められるが、一般的には15〜200μmの範囲である。形成方法としては、上記樹脂からなるフィルム状のものを2液硬化型ウレタン樹脂などの接着剤を用いて貼り合わせるドライラミネート法、ノンソルベントラミネートにより積層する方法、上記樹脂を加熱溶融させカーテン状に押出し貼り合わせるエキストルージョンラミネート法、ニーラム法等いずれも公知の方法により積層することができる。
更に、基材の薄膜層形成面の反対側の面に、他の層を積層することも可能である。例えば印刷層やその他の機能層である。印刷層は包装袋などとして実用的に用いるために形成されるものであり、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系、塩化ビニル系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層であり、文字、絵柄等が形成される。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。厚さは0.1〜2.0μmで良い。また、その他の機能層としては要求品質により種々有り、その形成方法としては、ドライラミネート法やエキストルージョンラミネート法等のいずれの公知の方法により積層することができる。
またさらに、薄膜層上には、必要に応じて薄膜層の保護層を形成することができる。薄膜層はきわめて薄い膜であり、こすれなどの物理的刺激により比較的容易に傷つき、場合によっては基材から脱落するおそれがある、従って、薄膜層を形成した後、他の加工を施す前に保護層を形成することは有意義である。
保護層としては任意の樹脂をコーティングなどの方法により形成すればよく、例えばポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を主成分とするコーティング剤を薄膜層上に形成することにより、保護層を形成することができる。
次に本発明の強密着ガスバリア積層体を具体的な実施例を挙げて更に説明する。
<実施例1>
基材として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、プライマー層として下記組成の樹脂をグラビアコート法により形成した。
樹脂:ポリエステル/イソシアネート系
配合比:OH基(ポリエステル)/NCO基(イソシアネート)=1/8(当量比)
厚さ:0.1μm
溶解溶剤:トルエン/メチルエチルケトン=1/1
次いでプライマー層上に抵抗加熱方式による真空蒸着装置により、酸化珪素を約40nmの厚さに蒸着し無機酸化物からなる薄膜層を形成した。
この薄膜層を形成した状態で、70℃、7日間の加熱処理を行った。具体的には、上記積層体の長尺フィルムを巻取り形状としたロールを、上記条件の室内に保管した。
次いで、上記積層体の薄膜層面上に、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂層として、厚さ50μmのポリエチレンフィルムを2液硬化型ウレタン系接着剤を介してドライラミネート法により積層し、本発明のガスバリア性積層体を得た。
得られた積層体を用いてラミネートチューブ容器を製造したところ、耐内容物性、耐圧強度等に何ら問題は発生しなかった。
<比較例1>
70℃、7日間の加熱処理を行わない以外は上記実施例1と同様にして得たガスバリア性積層体を作成し、実施例1同様のラミネートチューブ容器を作成した。
得られた容器は耐内容物性については問題が見られなかったが、耐圧強度試験中に容器の破損が発生した。破損した容器を観察したところ、プライマー層が破壊されており、基材と薄膜層の間でデラミネーションが発生していた。なお、プライマー層は、一部が基材側に、別の一部が薄膜層側に存在する、いわゆるジッパリング状となっていた。

Claims (3)

  1. プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面にプライマー層、厚さ5〜300nmの薄膜層を順次積層した積層体であって、プライマー層がポリエステル樹脂とイソシアネート系の架橋剤又は硬化剤との混合物からなり、ポリエステル樹脂とイソシアネート系の架橋剤又は硬化剤との配合比が当量比で(ポリエステル樹脂のOH基):(イソシアネートのNCO基)が1:0.5〜1:20の範囲にある積層体に対し、プライマー層の樹脂のガラス転移温度より5℃低い温度以上で少なくとも1日以上加熱処理することを特徴とする高密着性を有する薄膜層を備えた積層体の製造方法。
  2. プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面にプライマー層、厚さ5〜300nmの薄膜層を順次積層したフィルムの薄膜層面に、さらに樹脂フィルムを積層してなる積層体であって、プライマー層がポリエステル樹脂とイソシアネート系の架橋剤又は硬化剤との混合物からなり、ポリエステル樹脂とイソシアネート系の架橋剤又は硬化剤との配合比が当量比で(ポリエステル樹脂のOH基):(イソシアネートのNCO基)が1:0.5〜1:20の範囲にある積層体に対し、プライマー層の樹脂のガラス転移温度より5℃低い温度以上で少なくとも1日以上加熱処理することを特徴とする高密着性を有する薄膜層を備えた積層体の製造方法。
  3. 薄膜層上に、薄膜層の保護層を形成したことを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれかに記載の積層体の製造方法。
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