JPH09122687A - セレン含有水の処理方法 - Google Patents

セレン含有水の処理方法

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JPH09122687A
JPH09122687A JP28383895A JP28383895A JPH09122687A JP H09122687 A JPH09122687 A JP H09122687A JP 28383895 A JP28383895 A JP 28383895A JP 28383895 A JP28383895 A JP 28383895A JP H09122687 A JPH09122687 A JP H09122687A
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JP
Japan
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selenium
sludge
anaerobic
anaerobic treatment
treatment
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JP28383895A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Fukase
哲朗 深瀬
Shozo Nishikawa
正三 西川
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Kurita Water Industries Ltd
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Kurita Water Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セレン含有水からセレン化合物を安定して効
率よく除去することができ、これにより処理水中のセレ
ン濃度を低下させることが可能なセレン含有水の処理方
法を提案する。 【解決手段】 脱窒槽1に原水5、鉄塩4、返送汚泥6
を導入し、生物汚泥と混合して脱窒した後、嫌気処理槽
2において嫌気処理することによりセレン化合物を還元
してセレン化合物を不溶化するとともに、可溶性のセレ
ンを鉄イオンと反応させて不溶化させ、これらの不溶化
したセレン化合物を生物汚泥に吸着させて除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセレン含有水を生物
汚泥と嫌気状態で接触させてセレンを還元し、不溶化し
たセレン化合物を生物汚泥に吸着させて除去する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】Se6+、Se4+等のセレン化合物を含有
する排水を無害化する処理方法として、セレン含有水を
生物汚泥と嫌気状態で接触させてセレン化合物を還元す
る生物処理方法がある。例えば、セレン化合物の生物反
応として、水環境学会年会講演集、1995、P176
には、(亜)セレン酸還元菌によりラクトースの存在下
にSe6+およびSe4+が還元されることが報告されてい
る。この方法はセレン化合物に汚染された場所から、
(亜)セレン酸還元菌を分離してセレン化合物の還元に
利用するものであるが、このほかに脱窒菌、硫酸塩還元
菌、酸生成菌等を利用して嫌気性下にセレン化合物を還
元することができる。
【0003】このような嫌気処理ではセレン化合物は還
元により不溶化して生物汚泥に吸着されるので、固液分
離により汚泥を分離して排出することにより、セレン化
合物が除去される。セレン化合物の還元には基質として
有機物の存在が必要であり、過剰に加えられた有機物が
嫌気処理工程後に残留するので、嫌気処理後の処理液を
好気処理して過剰の有機物を分解する場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記処理で
は、嫌気処理工程で還元され不溶化したセレン化合物は
生物汚泥に吸着されて除去されるが、原水水量が少なく
なって嫌気処理の滞留時間が長くなったり、セレン還元
のための有機物が多すぎると、セレンの除去が不安定に
なる場合があり、処理水中に0.1〜0.5mg/l程
度のセレンが流出する場合があるという問題点がある。
【0005】本発明の目的は、セレン化合物を安定して
効率よく除去することができ、これにより処理水中のセ
レン濃度を低下させることが可能なセレン含有水の処理
方法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、セレン含有水
を生物汚泥と嫌気状態で接触させてセレンを還元し、不
溶化したセレン化合物を生物汚泥に吸着させて除去する
方法において、鉄イオンの存在下にセレン含有水を生物
汚泥と嫌気状態で接触させることを特徴とするセレン含
有水の処理方法である。
【0007】本発明において、「(亜)セレン酸」は
「セレン酸および/または亜セレン酸」を意味する。ま
た「Se6+」、「Se4+」、「Se0」または「S
2-」は、それぞれの酸化数+VI、+IV、ゼロまたは−
IIのセレンを意味する。これらを単にSeと記述する場
合がある。また本発明において、「(亜)硝酸」は「硝
酸および/または亜硝酸」を意味する。
【0008】本発明において処理の対象となるセレン含
有水は、Se6+および/またはSe 4+のセレン化合物を
含む排水その他の水である。Se6+またはSe4+のセレ
ン化合物としては(亜)セレン酸などがあげられる。具
体的なセレン含有水としては金属精錬工業排水、ガラス
工業排水、化学工業排水、石炭または石油燃焼排ガス処
理プロセスの排水などがあげられる。これらのセレン含
有水中にはセレン化合物以外に有機物、窒素化合物、硫
酸塩などが含まれていてもよい。またこれらのセレン含
有水は凝集沈澱などの前処理を行った後、本発明の方法
に供することができる。
【0009】本発明ではこのようなセレン含有水を、嫌
気処理工程において嫌気性生物汚泥と嫌気状態で接触さ
せて嫌気処理を行い、セレン化合物を還元する。このと
き鉄イオンの存在下に嫌気処理を行う。鉄イオンはFe
2+でもFe3+でもよいが、Fe2+が好ましい。鉄イオン
を存在させるには鉄塩などの鉄化合物を、原水槽、脱窒
槽、嫌気処理槽などの処理系の任意の箇所に添加し、嫌
気処理槽に鉄イオンを存在させればよい。具体的な鉄化
合物としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、
硫酸第二鉄、ポリ鉄などがあげられるが、これらのうち
塩化第一鉄、硫酸第一鉄等の第一鉄塩が好ましい。存在
させる鉄イオンの量は、Feとして0.1〜100mg
/l、好ましくは1〜10mg/lであり、処理水中に
流出するセレンに対してモル比で2倍以上、好ましくは
10〜200倍とするのが望ましい。
【0010】嫌気処理工程で使用する生物汚泥はセレン
含有水を嫌気状態に維持することにより生成する生物汚
泥であり、活性汚泥処理法のような排水の好気性処理法
における生物汚泥(活性汚泥)を採取し、これをセレン
含有水に加えて嫌気状態に維持することにより自然発生
的に生成させることもできる。このような生物汚泥には
(亜)セレン酸を還元するような菌が優勢となり、この
ような菌によりセレン含有水中の(亜)セレン酸が還元
される。
【0011】嫌気処理工程における生物汚泥中に生成す
る生物相は、セレン含有水の組成および嫌気処理の条件
等により異なる。例えば原水または反応液中に(亜)硝
酸イオンが存在する系では硝酸呼吸を行う脱窒菌が優勢
となる。また炭水化物等の有機物が存在する系では、酸
発酵菌、水素生成菌等が出現し、硫酸塩が存在する系で
は硫酸塩還元菌が出現する。その他系に存在する物質に
より、その分解に適した菌が出現し、それらの分解に伴
ってセレン化合物の還元が行われる。これらの中では脱
窒菌が特に適している。
【0012】嫌気処理工程で使用できる脱窒菌は硝酸呼
吸により(亜)硝酸イオンの酸素を利用して有機物を分
解する細菌であり、シュードモナス等の通性嫌気性菌の
中に見られる。このような脱窒菌はアンモニア性窒素含
有排水の生物反応を利用した硝化脱窒による脱窒方法に
おける脱窒工程に利用されている。上記の脱窒菌として
は、このような生物脱窒法における脱窒菌をそのまま利
用できるほか、活性汚泥処理法のような排水の好気性処
理における好気性汚泥(活性汚泥)を採取し、これを有
機物および(亜)硝酸イオンの存在下に嫌気状態に維持
することにより、自然発生的に生成させることもでき
る。
【0013】このような脱窒菌その他の(亜)セレン酸
を還元する菌を含む生物汚泥は通常フロック状の生物汚
泥となっており、本発明ではフロック状の生物汚泥をそ
のまま懸濁状態で用いることもできるが、粒状、繊維
状、その他の空隙率の大きい担体に担持させて用いるこ
ともできる。担体としては生物汚泥を担持できるもので
あれば制限はないが、砂、活性炭、アルミナゲル、発泡
プラスチックなどがあげられる。担体に生物汚泥を担持
させるには、担体の存在下に馴養ないし処理を行うこと
により、担持させることができる。またポリビニルアル
コールやポリエチレングリコールなどのゲル中にセレン
酸を還元する菌を固定してもよい。
【0014】嫌気処理工程では、セレン含有水を上記の
ような生物汚泥と嫌気状態で接触させることにより、セ
レン含有水中の(亜)セレン酸すなわちSe6+および/
またはSe4+は還元されて不溶化する。このときSe6+
はSe4+を経てSe0および/またはSe2-に還元され
るものと推定される。嫌気処理工程における嫌気状態と
は酸素を遮断する状態を意味するが、セレン化合物の還
元を阻害しない程度の若干の酸素の混入は許容される。
【0015】上記の嫌気処理工程では、前述のように運
転条件により、例えば嫌気処理槽における滞留時間が長
くなった場合や、有機物が多すぎる場合などには、微量
のセレンが残留するが、この残留セレンの大部分は不溶
化しない可溶性のセレン化合物である。本発明では嫌気
処理工程に鉄イオンを存在させることにより、上記の可
溶性のセレンが不溶化して除去され、処理水質が安定す
る。
【0016】この場合、可溶性のセレンは鉄イオン、特
に2価の鉄イオンと難溶性ないし不溶性の塩を形成して
不溶化するものと推定される。3価の鉄イオンを添加し
た場合は2価に還元されて不溶化する。嫌気処理工程で
は、例えば脱窒菌の場合、まず硝酸が還元され、次にセ
レンが還元され、次に3価の鉄が2価に還元されること
が試験の結果から確認されているので、セレンと不溶性
の塩を形成する鉄イオンは2価の鉄イオンであると推定
される。またSe6+は鉄イオンと反応して不溶化しない
ので、嫌気処理後に残留する可溶性セレンは、還元によ
り生成する新たな可溶性のセレン化合物であると推定さ
れる。
【0017】上記の嫌気処理工程では、生物汚泥の呼吸
のための酸素源および栄養源が必要になる。酸素源とし
ては嫌気状態であるため分子状酸素ではなく、(亜)硝
酸、炭水化物、有機酸、硫酸などの形で含まれる酸化剤
となりうる酸素が利用される。栄養源としては反応液中
に含まれる有機物や生物汚泥中に含まれる有機物などが
基質として利用される。これらの酸素源や栄養源はセレ
ン含有水に含まれていればそのまま利用できるが、含ま
れていない場合には、メタノール等が別途添加される。
これにより生物汚泥は高い活性に維持され、これらの分
解に伴って(亜)セレン酸が還元される。
【0018】脱窒菌を含む生物汚泥の場合について説明
すると、反応系に(亜)硝酸イオンを存在させることに
より、生物汚泥中に脱窒菌を出現させて活性を高く維持
し、これにより(亜)セレン酸を還元させる。(亜)硝
酸イオンがすでに反応系に存在するときはそのまま利用
することができるが、存在しないときは(亜)硝酸塩等
を添加することができる。(亜)硝酸イオンは脱窒菌の
活性を維持する限度(NOxとして1〜10mg/l程
度)で添加すればよい。上記の場合、(亜)硝酸イオン
を還元する脱窒工程と、(亜)セレン酸を還元する嫌気
処理工程を分けることもできる。
【0019】原水が有機性またはアンモニア性窒素を含
有する場合は、予め硝化工程において原水を硝化菌と接
触させて好気性下に硝化を行って有機性またはアンモニ
ア性窒素を(亜)硝酸性窒素に転換し、その硝化液を脱
窒菌を含む生物汚泥と嫌気性下に接触させて脱窒を行う
とともに、(亜)セレン酸を還元する。この場合、硝化
工程ではセレン化合物は(亜)セレン酸となっている
が、嫌気処理工程としての脱窒工程で還元される。
【0020】上記の嫌気処理工程は嫌気処理槽に原水、
鉄化合物、有機物を導入して行われる。セレン含有水と
生物汚泥との接触には嫌気処理槽を用い、浮遊法、生物
膜法など、任意の方法が採用できる。浮遊法は脱窒細菌
を含むフロック状の生物汚泥を浮遊状態で攪拌して接触
させる方法であり、生物脱窒法における脱窒工程と同様
に行われる。生物膜法は生物汚泥を担体に支持させて生
物膜を形成し、これをセレン含有水と接触させる方法で
あり、固定床式、流動床式など、また上向流式、下向流
式など脱窒工程で採用されているのと同様の方式が採用
できる。
【0021】嫌気処理槽における滞留時間は(亜)セレ
ン酸イオンが還元されるのに必要な時間であるが、これ
は系内に存在する有機物の分解に必要な時間としてとら
えることもでき、系内で脱窒等を行う場合は脱窒等に必
要な時間の1.1倍以上とすることができる。嫌気処理
は上記の滞留時間となるように所定の汚泥濃度(500
〜50000mg/l、好ましくは2000〜2000
0mg/l)に維持して反応を行う。
【0022】上記の嫌気処理工程においてセレン化合物
が還元されると、不溶性のセレン化合物が生成し、また
可溶性のセレン化合物が生成する場合は、これが鉄イオ
ンと反応して難溶性ないし不溶性の塩を形成し、これら
の不溶性化合物が生物汚泥に吸着される。生物汚泥に吸
着されたセレン化合物は、固液分離により生物汚泥を分
離して排出することにより系外に除去される。
【0023】上記の嫌気処理工程から取出される嫌気性
処理液中には、過剰に添加された有機物その他の被酸化
性物質が含まれているので、これらを酸化、分解するた
めに、嫌気処理工程の後に好気処理工程を設けることが
できる。このような好気処理工程としては、嫌気処理工
程で基質として利用された余剰の有機物を分解するため
の活性汚泥処理工程等があげられる。
【0024】このような好気処理工程で使用する生物汚
泥は通常の活性汚泥が使用でき、被処理液を曝気するこ
とにより自然発生的に生成させることができるが、下水
処理装置その他の活性汚泥処理装置において生成した活
性汚泥を生物汚泥として使用することもできる。好気処
理工程は、嫌気性処理液をこのような生物汚泥と好気状
態で接触、すなわち曝気することにより、有機物その他
の被酸化性物質が酸化される。処理条件は通常の活性汚
泥処理と同様に行われる。
【0025】嫌気処理工程の生物汚泥として脱窒細菌を
用いる場合、脱窒細菌は通常の活性汚泥に含まれる生物
相と同種の通性嫌気性菌であるため、嫌気処理工程にお
ける生物汚泥を分離することなく、そのまま好気処理工
程に移送して好気処理を行うことができる。この場合、
嫌気処理工程で不溶化したセレン化合物が好気処理によ
り再溶出しないように曝気量を制限し、好気処理工程に
おける酸化還元電位(ORP)を160mV以下に維持
するように処理を行うのが好ましい。ここでORPは銀
・塩化銀電極を対照とする値である。
【0026】本発明の処理方法では、嫌気処理工程にお
いて、運転条件によっては不溶化して除去できないセレ
ン化合物を、鉄イオンと難溶性ないし不溶性の塩を形成
させ不溶化させて除去するので、セレンを安定して高除
去率で除去することができ、これにより高水質の処理水
を得ることができる。また鉄化合物の添加により汚泥の
性状が安定し、特に浮遊法の場合、処理水のSS低減効
果もある。
【0027】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
より説明する。図1は本発明の実施例の一形態による処
理装置を示す系統図であり、セレンおよび(亜)硝酸塩
を含む排水を処理する場合の例を示している。図1にお
いて、1は脱窒槽、2は嫌気処理槽、3は固液分離槽、
4は鉄塩供給路である。
【0028】図1の処理方法では、原水路5から原水
(セレン含有水)を返送汚泥路6からの返送汚泥ととも
に脱窒槽1に導入し、さらに鉄塩供給路4から鉄塩、有
機物供給路7からメタノール等の有機物を導入し、攪拌
機8により緩やかに攪拌して槽内の生物汚泥と混合し、
嫌気性下に脱窒を行う。ここでは脱窒菌の作用により
(亜)硝酸イオンが窒素に還元されて脱窒が行われ、メ
タノール等の有機物が消費される。
【0029】脱窒槽1内の混合液は移送路10から嫌気
処理槽2に移送し、攪拌機11により緩やかに攪拌しな
がら嫌気処理を行い、セレン化合物を還元する。通常の
運転条件においては、セレン化合物を還元するとその大
部分が不溶化する。また運転条件によって溶解性のセレ
ンが生成しても、このような溶解性のセレンは鉄イオン
と難溶性ないし不溶性の塩を形成し、不溶化する。この
ようにして嫌気処理槽2において不溶化したセレンは生
物汚泥に吸着されて汚泥を形成する。
【0030】嫌気処理槽2内の混合液は移送路12から
固液分離槽3に抜出し、ここで固液分離する。分離液は
処理水として処理水路13から排出し、分離汚泥の一部
は返送汚泥路6から脱窒槽1に返送し、残部は余剰汚泥
として排泥路14から排出する。
【0031】このようにして嫌気処理槽2で還元されて
不溶化したセレン化合物および鉄イオンと塩を形成して
不溶化したセレン化合物は、固液分離槽3において固形
物として分離され、その一部が余剰汚泥として排出され
る。本発明では通常の嫌気処理だけでは不溶化できない
可溶性のセレン化合物を鉄イオンと反応させて難溶性な
いし不溶性の塩を形成させて不溶化しているので、セレ
ンの除去が安定し、かつ除去率が高くなる。
【0032】図1では、嫌気処理槽2と固液分離槽3と
の間、または固液分離槽3の後に好気処理槽を設けて、
残留する有機物を酸化、分解することもできる。嫌気処
理槽2と固液分離槽3との間設ける場合、酸化還元電位
が160mV以下となるように曝気することにより、セ
レンの酸化による溶出は起こらない。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 図1のフローに従ってセレン含有水を処理した。すなわ
ち、Se6+:2.0mg/l、NO3−N:100mg
/l、SO4 2-:5000mg/lおよびメタノールを
500mg/lの濃度で含む合成排水を、容積2 li
terの脱窒槽1に2 liter/日の流量で導入
し、ここにFeSO4・7H2OをFeとして1mg/l
添加し、脱窒を行った。脱窒槽1内の混合液は容積1
literの嫌気処理槽2に導入して嫌気処理した後、
容積2.5 literの固液分離槽3に導入して固液
分離した。分離汚泥の一部は脱窒槽1に返送し、残部は
余剰汚泥として排出し、分離液を処理水とした。上記処
理を2か月間行った結果、処理水中の全Se濃度は処理
期間中0.10〜0.22mg/lと安定していた。
【0034】実施例2 実施例1において、鉄塩の添加量をFeとして3mg/
lに増加した以外は実施例1と同様にして行った。その
結果、処理水中の全Se濃度は0.07〜0.12mg
/lに低下し、かつ安定していた。
【0035】比較例1 実施例1において、鉄塩を添加しなかった以外は実施例
1と同様にして行った。その結果、処理水中の全Se濃
度は当初0.1〜0.2mg/l程度であったが除々に
上昇し、2か月経過後には0.2〜0.4mg/lにな
った。
【0036】
【発明の効果】本発明のセレン含有水の処理方法は、鉄
イオンの存在下にセレン含有水を嫌気性処理するように
したので、セレン化合物を安定して効率よく除去するこ
とができ、これにより処理水中のセレン濃度を低下させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による処理装置を示す系
統図である。
【符号の説明】
1 脱窒槽 2 嫌気処理槽 3 固液分離槽 4 鉄塩供給路 5 原水路 6 返送汚泥路 7 有機物供給路 8、11 攪拌機 10、12 移送路 13 処理水路 14 排泥路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン含有水を生物汚泥と嫌気状態で接
    触させてセレンを還元し、不溶化したセレン化合物を生
    物汚泥に吸着させて除去する方法において、鉄イオンの
    存在下にセレン含有水を生物汚泥と嫌気状態で接触させ
    ることを特徴とするセレン含有水の処理方法。
JP28383895A 1995-10-31 1995-10-31 セレン含有水の処理方法 Pending JPH09122687A (ja)

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