JP3799634B2 - セレン含有水の処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生物汚泥による嫌気処理および第1鉄塩による凝集処理により、セレン含有水中のセレンを不溶化させて除去するセレン含有水の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Se(VI)、Se(IV)等のセレン化合物を含有する排水を無害化する処理方法として、セレン含有水を生物汚泥と嫌気状態で接触させてセレン化合物を還元する生物処理方法がある。例えば、セレン化合物の生物反応として、水環境学会年会講演集、1995、P176には、(亜)セレン酸還元菌によりラクトースの存在下にSe(VI)およびSe(IV)が還元されることが報告されている。この方法はセレン化合物に汚染された場所から、(亜)セレン酸還元菌を分離してセレン化合物の還元に利用するものであるが、このほかに脱窒菌、硫酸塩還元菌、酸生成菌等を利用して嫌気性下にセレン化合物を還元することができる。
【0003】
このような嫌気処理ではセレン化合物は還元により不溶化して生物汚泥に吸着されるので、固液分離により汚泥を分離して排出することにより、セレン化合物が除去される。セレン化合物の還元には基質として有機物の存在が必要であり、過剰に加えられた有機物が嫌気処理工程後に残留するので、嫌気処理後の処理液を好気処理して過剰の有機物を分解する場合もある。
【0004】
上記処理では、嫌気処理工程で還元されて不溶化したセレン化合物は生物汚泥に吸着されて除去されるが、原水水量が少なくなって嫌気処理の滞留時間が長くなったり、セレン還元のための有機物が多すぎたり、その他原因不明の要因により、セレンの除去が不安定になる場合があり、処理水中に0.1〜0.5mg/l程度のセレンが流出し、廃水処理基準(0.1mgSe/l)以下の処理水が得られない場合があるという問題点がある。
【0005】
一方、酸性条件下でFe(II)とSe(VI)とが共存する場合、Fe(III)の生成に伴ってSe(VI)がSe(IV)に還元されることが知られている。また鉄塩を用いた凝集処理によりSe(IV)が共沈することが知られている。例えばFe(OH)3、Fe(OH)2のフロックはSe(IV)を吸着して共沈する。しかし、鉄塩を用いた凝集処理によりSe(IV)は除去できるが、Se(VI)を除去することは困難であるほか、被処理水中に共存物が多い場合にはSe(IV)の除去率も低下する。このため鉄塩を用いて凝集処理するだけでは、廃水処理基準以下の処理水は得られない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、セレン含有水からセレンを安定して効率よく、しかも低コストで除去し、セレンを高度に除去した処理水を得ることができるセレン含有水の処理方法を提案することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セレン含有水を生物汚泥と嫌気状態で接触させてセレンを還元し、次にこの生物処理水に第1鉄塩を添加して凝集処理することを特徴とするセレン含有水の処理方法である。
【0008】
本発明において、「(亜)セレン酸」は「セレン酸および/または亜セレン酸」を意味する。また「Se(VI)」、「Se(IV)」、「Se0」または「Se2-」は、それぞれの酸化数+6、+4、ゼロまたは−2のセレンを意味する。これらを単にSeと記述する場合がある。
また本発明において、「(亜)硝酸」は「硝酸および/または亜硝酸」を意味する。
【0009】
本発明において処理の対象となるセレン含有水は、Se(VI)および/またはSe(IV)のセレン化合物を含む排水その他の水である。Se(VI)またはSe(IV)のセレン化合物としては(亜)セレン酸などがあげられる。具体的なセレン含有水としては金属精錬工業排水、ガラス工業排水、化学工業排水、石炭または石油燃焼排ガス処理プロセスの排水などがあげられる。これらのセレン含有水中にはセレン化合物以外に有機物、窒素化合物、硫酸塩などが含まれていてもよい。またこれらのセレン含有水は凝集沈澱などの前処理を行った後、本発明の方法に供することができる。
【0010】
本発明ではこのようなセレン含有水を、まず嫌気処理工程において嫌気性生物汚泥と嫌気状態で接触させて嫌気処理を行い、セレン化合物を還元する。嫌気処理工程で使用する生物汚泥はセレン含有水を嫌気状態に維持することにより生成する生物汚泥であり、活性汚泥処理法のような排水の好気性処理法における生物汚泥(活性汚泥)を採取し、これをセレン含有水に加えて嫌気状態に維持することにより自然発生的に生成させることもできる。このような生物汚泥には(亜)セレン酸を還元するような菌が優勢となり、このような菌によりセレン含有水中の(亜)セレン酸が還元される。
【0011】
嫌気処理工程における生物汚泥中に生成する生物相は、セレン含有水の組成および嫌気処理の条件等により異なる。例えば原水または反応液中に(亜)硝酸イオンが存在する系では硝酸呼吸を行う脱窒菌が優勢となる。また炭水化物等の有機物が存在する系では、酸発酵菌、水素生成菌等が出現し、硫酸塩が存在する系では硫酸塩還元菌が出現する。その他系に存在する物質により、その分解に適した菌が出現し、それらの分解に伴ってセレン化合物の還元が行われる。これらの中では脱窒菌が特に適している。
【0012】
嫌気処理工程で使用できる脱窒菌は硝酸呼吸により(亜)硝酸イオンの酸素を利用して有機物を分解する細菌であり、シュードモナス等の通性嫌気性菌の中に見られる。このような脱窒菌はアンモニア性窒素含有排水の生物反応を利用した硝化脱窒による脱窒方法における脱窒工程に利用されている。
上記の脱窒菌としては、このような生物脱窒法における脱窒菌をそのまま利用できるほか、活性汚泥処理法のような排水の好気性処理における好気性汚泥(活性汚泥)を採取し、これを有機物および(亜)硝酸イオンの存在下に嫌気状態に維持することにより、自然発生的に生成させることもできる。
【0013】
このような脱窒菌その他の(亜)セレン酸を還元する菌を含む生物汚泥は通常フロック状の生物汚泥となっており、本発明ではフロック状の生物汚泥をそのまま懸濁状態で用いることもできるが、粒状、繊維状、その他の空隙率の大きい担体に担持させて用いることもできる。担体としては生物汚泥を担持できるものであれば制限はないが、砂、活性炭、アルミナゲル、発泡プラスチックなどがあげられる。担体に生物汚泥を担持させるには、担体の存在下に馴養ないし処理を行うことにより、担持させることができる。またポリビニルアルコールやポリエチレングリコールなどのゲル中に(亜)セレン酸を還元する菌を固定してもよい。
【0014】
嫌気処理工程では、セレン含有水を上記のような生物汚泥と嫌気状態で接触させることにより、セレン含有水中の(亜)セレン酸すなわちSe(VI)および/またはSe(IV)は還元されて不溶化する。このときSe(VI)はSe(IV)を経てSe0および/またはSe2-に還元されるものと推定される。脱窒菌がNOx−NをN2に還元する反応がNOx-律速条件で進行する場合、セレン含有水中に含まれているSe(VI)、Se(IV)が電子受容体として利用され、その結果セレン含有水中のSe(VI)、Se(IV)が還元されてコロイド状のSe0やSe2-に還元されるものと推定される。嫌気処理工程における嫌気状態とは酸素を遮断する状態を意味するが、セレン化合物の還元を阻害しない程度の若干の酸素の混入は許容される。
【0015】
上記の嫌気処理工程では、生物汚泥の呼吸のための酸素源および栄養源が必要になる。酸素源としては嫌気状態であるため分子状酸素ではなく、(亜)硝酸、硫酸などの形で含まれる酸化剤となりうる酸素が利用される。栄養源としては反応液中に含まれる有機物や生物汚泥中に含まれる有機物などが基質として利用される。これらの酸素源や栄養源はセレン含有水に含まれていればそのまま利用できるが、含まれていないまたは不足する場合にはメタノール等が別途添加される。これにより生物汚泥は高い活性に維持され、これらの分解に伴って(亜)セレン酸が還元される。
【0016】
脱窒菌を含む生物汚泥の場合について説明すると、反応系に(亜)硝酸イオンを存在させることにより、生物汚泥中に脱窒菌を出現させて活性を高く維持し、これにより(亜)セレン酸を還元させる。(亜)硝酸イオンがすでに反応系に存在するときはそのまま利用することができるが、存在しないまたは不足するときは(亜)硝酸塩等を添加することができる。(亜)硝酸イオンは脱窒菌の活性を維持する限度(NOxとして1〜75mg/l程度)で添加すればよい。
【0017】
上記の場合、(亜)硝酸イオンを還元する脱窒工程と、(亜)セレン酸を還元する嫌気処理工程を分けることもできる。この場合、脱窒工程で脱窒菌の増殖を行い、嫌気処理工程で嫌気性度を高めて(亜)セレン酸の還元を十分に行うことができるので、セレンの除去率を高くすることができる。(亜)硝酸塩は脱窒工程に添加し、また水素供与体を添加する。嫌気処理工程には特に添加物は必要なく、嫌気状態を維持し、脱窒工程からの残留水素供与体の存在で嫌気度を高める。水素供与体としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;ぶどう糖等の糖類;酢酸等の有機酸;生分解性樹脂等の有機物;炭酸水素塩と硫黄や炭酸塩と水素ガス等の無機物などが使用できる。水素供与体の添加量はNOx−Nとの反応に必要な量と同等またはそれ以上とする。
【0018】
原水が有機性またはアンモニア性窒素を含有する場合は、予め硝化工程において原水を硝化菌と接触させて好気性下に硝化を行って有機性またはアンモニア性窒素を(亜)硝酸性窒素に転換し、その硝化液を脱窒菌を含む生物汚泥と嫌気性下に接触させて脱窒を行うとともに、(亜)セレン酸を還元する。この場合、硝化工程ではセレン化合物は(亜)セレン酸となっているが、嫌気処理工程としての脱窒工程で還元される。
【0019】
上記の嫌気処理工程は嫌気処理槽に原水、有機物などを導入して行われる。セレン含有水と生物汚泥との接触には嫌気処理槽を用い、浮遊法、生物膜法など、任意の方法が採用できる。浮遊法は脱窒細菌を含むフロック状の生物汚泥を浮遊状態で攪拌して接触させる方法であり、生物脱窒法における脱窒工程と同様に行われる。
生物膜法は生物汚泥を担体に支持させて生物膜を形成し、これをセレン含有水と接触させる方法であり、固定床式、流動床式など、また上向流式、下向流式など脱窒工程で採用されているのと同様の方式が採用できる。
【0020】
嫌気処理槽における滞留時間は(亜)セレン酸イオンが還元されるのに必要な時間であるが、これは系内に存在する有機物の分解に必要な時間としてとらえることもでき、系内で脱窒等を行う場合は脱窒等に必要な時間の1.1倍以上とすることができる。通常、嫌気処理槽における滞留時間は8〜24時間である。
嫌気処理は上記の滞留時間となるように所定の汚泥濃度(500〜50000mg/l、好ましくは2000〜20000mg/l)に維持して反応を行う。
【0021】
上記の嫌気処理工程においてセレン化合物が還元されると、不溶性のセレン化合物が生成し、この不溶性化合物が生物汚泥に吸着される。生物汚泥に吸着されたセレン化合物は、固液分離により生物汚泥を分離して排出することにより系外に除去される。
【0022】
本発明では、上記のようにして嫌気処理した生物処理水(嫌気処理水)に第1鉄塩を添加して凝集処理する。第1鉄塩としては、硫酸第1鉄、塩化第1鉄などが使用できるが、硫酸第1鉄が好ましい。第1鉄塩の添加量はFeSO4として200〜2000mg/l、好ましくは200〜500mg/lとするのが望ましい。生物処理水に第1鉄塩を添加してセレンと反応させる反応時間は、滞留時間として15分間〜2時間とするのが好ましい。この反応槽は大気開放型のものを使用することもできるし、密閉型のものを使用することもできる。
【0023】
次に、鉄イオンを不溶化し、鉄フロックを形成させるため、第1鉄塩を添加して反応させた反応液にアルカリ剤を添加する。アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムなどが使用できる。アルカリ剤は、鉄フロックが生成しやすいpH8以上、好ましくはpH9〜10となるように添加するのが望ましい。アルカリ剤を添加してフロックを形成するための反応時間は、滞留時間として15分間〜2時間とするのが望ましい。
【0024】
このようにして凝集処理することにより、セレンが取込まれた鉄フロックが形成され、このフロックを任意の固液分離手段、例えば沈殿、ろ過、遠心分離、膜分離などにより処理水と分離することにより、セレンを除去することができる。凝集処理において鉄フロックに取込まれて除去されるセレンは、前工程の嫌気処理では除去されず生物処理水中に残留したセレンであるので、このようなセレンを後工程の凝集処理により除去することにより、セレンは高度に除去される。このため本発明では、セレン濃度が0.1mg/l以下の処理水が安定して得られる。また特別な装置および薬品を使用しないので、処理コストは低い。
【0025】
セレンが第1鉄塩の添加により凝集する理由は明確ではないが、還元作用を有する第1鉄塩が、嫌気処理により還元または還元されやすい状態となったセレンをさらに還元し、単体セレンや比較的凝集しやすいセレンを生成させるものと推測される。
【0026】
上記の凝集工程から取出される凝集処理水中には、過剰に添加された有機物その他の被酸化性物質が含まれているので、これらを酸化、分解するために、凝集処理工程の後に好気処理工程を設けることができる。このような好気処理工程としては、嫌気処理工程で基質として利用された余剰の有機物を分解するための活性汚泥処理工程等があげられる。
【0027】
このような好気処理工程で使用する生物汚泥は通常の活性汚泥が使用でき、被処理水を曝気することにより自然発生的に生成させることができるが、下水処理装置その他の活性汚泥処理装置において生成した活性汚泥を生物汚泥として使用することもできる。好気処理工程は、凝集処理水をこのような生物汚泥と好気状態で接触、すなわち曝気することにより、有機物その他の被酸化性物質が酸化される。処理条件は通常の活性汚泥処理と同様に行われる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面により説明する。
図1は本発明の実施例の一形態による処理装置を示す系統図である。図1において、1は脱窒槽、2は嫌気処理槽、3は固液分離槽、4は反応槽、5は中和凝集槽である。
【0029】
図1の処理方法では、原水路10から原水(セレン含有水)を返送汚泥路11からの返送汚泥とともに脱窒槽1に導入し、さらに(亜)硝酸塩供給路12から(亜)硝酸塩、有機物供給路13からメタノール等の有機物を導入し、攪拌機14により緩やかに攪拌して槽内の生物汚泥と混合し、嫌気性下に脱窒を行う。ここでは脱窒菌の作用により(亜)硝酸イオンが窒素に還元されて脱窒が行われ、メタノール等の有機物が消費される。
【0030】
脱窒槽1内の混合液は移送路16から嫌気処理槽2に移送し、攪拌機17により緩やかに攪拌しながら嫌気処理を行い、セレン化合物を還元する。通常の運転条件においては、セレン化合物を還元するとその大部分が不溶化する。嫌気処理槽2において不溶化したセレンは生物汚泥に吸着されて汚泥を形成する。
【0031】
嫌気処理槽2内の混合液は移送路18から固液分離槽3に抜出し、ここで固液分離する。分離液は移送路19から反応槽4に移送する。分離汚泥の一部は返送汚泥路11から脱窒槽1に返送し、残部は余剰汚泥として排泥路20から系外へ排出する。不溶化したセレンが吸着した汚泥を分離することにより、原水中のセレンの大部分が除去される。
【0032】
固液分離槽3で分離した分離液には鉄塩供給路22から第1鉄塩を添加して反応槽4に導入する。ここでは槽内液を攪拌機23により緩やかに攪拌し、残留セレンと第1鉄塩とを反応させる。
【0033】
反応槽4内の槽内液は移送路24から中和凝集槽5に抜出す。このときアルカリ供給路25からアルカリを添加して中和し、鉄フロックを形成させる。これによりセレンが鉄フロックに取込まれて除去される。中和凝集槽5では、アルカリの添加により生成した鉄フロックを固液分離する。分離液は処理水として処理水路26から排出する。凝集沈殿物は排出路27から排出する。これにより、前工程の脱窒処理および嫌気処理では除去されなかったセレンを除去することができ、セレンを高度に除去した処理水が得られる。
【0034】
図1では原水に(亜)硝酸塩および有機物を添加しているが、これらが原水中に含まれている場合は添加を省略することができる。また第1鉄塩は移送路19を通して移送している移送液中に添加しているが、反応槽4に添加することもできる。同様にアルカリも中和凝集槽5に添加することもできる。また嫌気処理槽2は省略することができる。また中和凝集槽5の後に好気処理槽を設けて、残留する有機物を酸化分解することもできる。
【0035】
【実施例】
実施例1
図1のフローに従って、Seを約3mg/lおよびNO3−Nを10mg/l含む火力発電所脱硫排水(原水)を処理した。脱窒槽1には脱窒能のある活性汚泥2 liter、嫌気処理槽2には脱窒能のある活性汚泥1 literを予め導入した。各槽のMLSSは約3000mg/lであった。
【0036】
上記排水を1日2 literの割合で脱窒槽1に連続通水するとともに、NaNO3をNとして100mg/l、メタノールを1000mg/l、KH2PO4を10mg/lを添加し、室温(25〜30℃)で脱窒を行った。脱窒槽1内の混合液は嫌気処理槽2に導入して嫌気処理した後、1 literの固液分離槽3に導入して固液分離した。分離汚泥の全量を返送汚泥として脱窒槽1に返送した。
【0037】
固液分離槽3の分離液にFeSO4・7H2OをFeSO4として500mg/l添加し、200mlの反応槽4で混合した(滞留時間30分)。この鉄塩添加処理水にNaOHを添加してpHを9.5に調整し、200mlの中和凝集槽5で固液分離した(滞留時間30分)。原水、固液分離槽3の分離液(嫌気処理水)および中和凝集槽5の分離液(凝集共沈処理水)の全セレン濃度(T−Se)などの分析結果を表1に示す。凝集共沈処理水の分析結果については図2にも示す。
【0038】
実施例2、3
実施例1において、FeSO4・7H2Oの添加量をFeSO4として1000mg/lまたは2000mg/lに変更した以外は実施例1と同様にして行った。結果を図2に示す。
【0039】
比較例1
実施例1で用いた火力発電所脱硫排水にFeSO4・7H2OをFeSO4として2000mg/l添加し、30分間攪拌した。次にNaOHを添加してpHを9.5に調整し、沈殿分離した。分離液中の全セレン濃度を表1に示す。
【0040】
比較例2
実施例1の固液分離槽3の分離液に塩化第2鉄をFeCl3として500mg/l添加し、30分間攪拌した。次にNaOHを添加してpHを9.5に調整し、沈殿分離した。分離液中の全セレン濃度を表1に示す。
【0041】
【表1】
Figure 0003799634
*1 +100は原水にNaNO3をNとして100mg/l添加したことを示す。
【0042】
表1に結果から、第1鉄塩を用いて凝集処理することにより、嫌気処理では除去されず残留するセレンを除去することができ、セレン濃度が0.1mg/l未満の処理水を得ることができることがわかる(実施例1)。一方原水を嫌気処理することなく、単に第1鉄塩を添加して凝集処理することだけでは、セレンの除去率は低いことがわかる(比較例1)。また塩化第2鉄を添加して凝集処理した場合もセレンの除去率は低いことがわかる(比較例2)。
【0043】
【発明の効果】
本発明の方法は、セレン含有水を嫌気処理した後、第1鉄塩を用いて凝集処理するようにしたので、セレン含有水からセレンを安定して効率よく、しかも低コストで除去することができ、これによりセレンが高度に除去された処理水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による処理装置を示す系統図である。
【図2】実施例1〜3の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 脱窒槽
2 嫌気処理槽
3 固液分離槽
4 反応槽
5 中和凝集槽
10 原水路
11 返送汚泥路
12 (亜)硝酸塩供給路
13 有機物供給路
14、17、23 攪拌機
16、18、19、24 移送路
20 排泥路
22 鉄塩供給路
25 アルカリ供給路
26 処理水路
27 排出路

Claims (1)

  1. セレン含有水を生物汚泥と嫌気状態で接触させてセレンを還元し、次にこの生物処理水に第1鉄塩を添加して凝集処理することを特徴とするセレン含有水の処理方法。
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