JPH0912026A - 重量物梱包用合成樹脂製箱 - Google Patents

重量物梱包用合成樹脂製箱

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JPH0912026A
JPH0912026A JP18465395A JP18465395A JPH0912026A JP H0912026 A JPH0912026 A JP H0912026A JP 18465395 A JP18465395 A JP 18465395A JP 18465395 A JP18465395 A JP 18465395A JP H0912026 A JPH0912026 A JP H0912026A
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国宏 寺野
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正弘 鮫島
Fumio Otsuka
文夫 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 蓋の構造を着脱が容易である反面、閉じた状
態では特定の箇所に力を加えない限り強固に装着されて
いる重量物梱包用合成樹脂製箱を提供する。 【構成】 ヒンジを介して連設した4枚の側板の1つに
ヒンジを介して蓋板を連設し、前記蓋板は前記蓋板を連
設するヒンジと直交するスリットによって2つの蓋片に
分割してなり、閉じたとき内側面となる外周端縁に嵌合
溝を形成し、前記蓋板を連設してなる側板以外の側板の
先端面に前記嵌合溝に嵌合する嵌合突片を設け、さら
に、前記蓋板を連設してなる側板以外の側板の1つ以上
に、または前記蓋片に切欠部を設けるか、あるいは前記
蓋片に透孔を穿設したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、清涼飲料、ジュー
ス、ビール等の缶容器を梱包する合成樹脂製箱に係り、
詳しくは、4つの側板と蓋板を備えた重量物梱包用合成
樹脂製箱に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、清涼飲料、ジュース、ビール等の
缶容器を梱包する容器としては、一般にダンボール箱が
使用されている。ダンボール箱は、組み立てる前までは
水平状態に展開しておき、例えば、飲料会社の自動梱包
ラインにおいて梱包しながら箱に組み立てることができ
るために運搬、保管効率がよい。また、ダンボール箱は
ルートセールスにおいては缶を取り出した空箱状態で返
送するときにも、展開状態にすることができるので取り
扱い易いという利点がある。しかしながら、ダンボール
箱はワンウェーの使い捨てであって反復して使用するこ
とができない。一方、近年省資源や廃棄物削減が求めら
れており、この点からもダンボール箱は、見直されてい
る。また、取り扱いにおいては、全て糊付けされて組み
立てられているために、開封や使用後の折り畳みに手間
がかかるという問題がある。
【0003】一方、不使用時に折り畳んでかさ張らない
ようにした合成樹脂製箱として、例えば特開平6−13
5434号公報(以下公知例1という)記載の箱があ
り、特開平6−32346号公報(以下公知例2とい
う)記載の箱があり、また特開昭63−162458号
公報(以下公知例3という)記載の箱がある。公知例1
の箱は、側板により箱の胴を形成し、底面をなす4枚の
折り込み片のうち対角部における2枚を貼着し、他の対
角部では貼着せずフリーな状態で組み立てる。折り畳む
ときは、フリーな状態の対角部を周方向に押圧して菱形
状に変形させ、4枚の折り込み片を側板の内側に折り畳
むようにした折り畳み自在箱である。しかしながら、蓋
板は連設されていない。また、公知例2の箱は、公知例
1と同様の構造をした折り畳み自在箱であり蓋板が連設
されているが、蓋板は先端部の差し込み用フラップを単
に差し込んで装着する構造のものである。また、公知例
3の箱は、発泡成形された方形状の底板、側板及び蓋板
をそれぞれヒンジを介して連設してなり、展開状態から
簡単に組み立てられ、また簡単に展開することができる
組み立て自在箱である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公知例1の折り畳
み自在箱は、紙で形成されており、また、蓋板が設けら
れていないから、箱のみによって梱包することはできな
い。また、公知例2の折り畳み自在箱は、先端部の差し
込み用フラップを単に差し込むだけであるから、わずか
な力で外れるという問題がある。また、缶飲料のような
重量物を梱包する大型の箱においては板厚の厚いもので
形成しなければならず、この場合にはいずれの箱も四周
の側板を水平に折り重ねることができないという問題が
ある。一方、公知例3の組み立て自在箱は、気密性を良
好に保ち保冷性、保温性を向上させるために発泡熱可塑
性樹脂によって形成されている。そして、蓋は蓋板の裏
面に設けた嵌合溝に各側板の先端部に設けた嵌合突片を
嵌合させて閉じられる。従って、缶飲料のような重量物
を梱包し、運搬の際に斜めにしたり横積みする箱として
は、確実に閉蓋状態を保持することはできない。また、
蓋は1枚板であるから完全に開かなければ収納物を取り
出すことができないという問題がある。
【0005】
【発明の目的】この発明はかかる問題点を解決すべくな
されたもので、蓋の構造を着脱が容易である反面、閉じ
た状態では特定の箇所に力を加えない限り強固に装着さ
れている重量物梱包用合成樹脂製箱を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために次のような構成とした。即ち、この発明の
請求項1に係る重量物梱包用合成樹脂製箱は、ヒンジを
介して連設した4枚の側板の1つにヒンジを介して蓋板
を連設し、前記蓋板は前記蓋板を連設するヒンジと直交
するスリットによって2つの蓋片に分割してなり、閉じ
たとき内側面となる外周端縁に嵌合溝を形成し、前記蓋
板を連設してなる側板以外の側板の先端面に前記嵌合溝
に嵌合する嵌合突片を設け、さらに、前記蓋板を連設し
てなる側板以外の側板の1つ以上に、または前記蓋片に
切欠部を設けるか、あるいは前記蓋片に透孔を穿設した
ことを特徴とする。
【0007】また、この発明の請求項2に係る重量物梱
包用合成樹脂製箱は、前記蓋板の外周端縁に設けた嵌合
溝を、外側内面に係合用突状部を形成し、内側面に角を
切り落とした傾斜面を形成してなり、前記嵌合突片は、
嵌合溝に嵌合される係合片と嵌入片からなり、箱に組み
立てたとき前記係合片は嵌入片の外側に位置し、側面に
前記係合用突状部を係合する水平な凹溝を形成したこと
を特徴とする。また、請求項3に係る重量物梱包用合成
樹脂製箱は、前記側板をヒンジを介して同一方向に連設
し、箱に組み立てたとき1組の対角部におけるヒンジを
ダブルヒンジとしたことを特徴とする。また、請求項4
に係る重量物梱包用合成樹脂製箱は、前記側板を底板の
4辺にヒンジを介して十字状に連設し、側板の1つに蓋
板をヒンジを介して連設したことを特徴とする。また、
請求項5に係る重量物梱包用合成樹脂製箱は、前記蓋板
を連設してなる側板と対向する側板の先端に切欠部を設
けたことを特徴とする。
【0008】
【作用】従って、この発明の請求項1にあっては、蓋板
を押圧するだけ嵌合溝に嵌合突片が嵌合し強固に装着さ
れるとともに、各側板が内方へあるいは外方へ倒れるの
を防止する。切欠部及び蓋板の透孔は蓋板を開くときの
手の差し入れ孔となる。また、蓋板は2つの蓋片に分割
してなるから、一方の蓋片のみの開閉が可能である。ま
た、請求項2にあっては、嵌合溝の外側内面に形成した
係合用突状部が嵌合突片を構成する係合片の側面に形成
した凹溝に係合することによって、確実に嵌合保持され
る。また、嵌合突片は係合片と嵌入片からなるので係合
片に弾力を持たせることができ、係合用突状部と凹溝と
の係合と相まって一層に強固に嵌合される。また、請求
項3にあっては、1組の対角部におけるダブルヒンジ
は、一定幅の折り代となるから、底部を形成する4枚の
折り込み片を側板の内側に折り畳むようにした折り畳み
自在箱においても、側板を水平に折り畳むことができ
る。
【0009】また、請求項4にあっては、1枚の板状体
に展開することができ、また、4枚の側板を起立させる
だけで簡単に堅牢な組立状態を保持することができる。
また、請求項5にあっては、蓋板を連設してなる側板と
対向する側板の先端に設けた切欠部は、蓋板を立ち上げ
るときの手の差入孔となる。
【0010】
【実施例】以下に、図示する実施例に基づいて詳細に説
明する。図1は組立前の展開された状態の折り畳み自在
箱の平面図である。折り畳み自在箱1は、長辺側の側板
3、5と短辺側の側板7、9と側板3に連設した貼着片
10と、また、側板3に連設した蓋板11と折り込み片
13、側板5に連設した折り込み片17、さらに短辺側
の側板7、9に連設した折り込み片19、20とからな
っている。そして、長辺側の側板3と短辺側の側板7と
の間、及び長辺側の側板5と短辺側の側板9とはそれぞ
れダブルヒンジ21を介して連設されており、長辺側の
側板5と短辺側の側板7、及び長辺側の側板3と貼着片
10はそれぞれヒンジ23を介して連設されている。そ
して、十分な強度を有し変形を防止するために、前記各
側板3,5,7,9、折り込み片13,17,19,2
0及び蓋板11はそれぞれの厚さが3〜6mm、好まし
くは約5mmの合成樹脂製板で形成されている。使用す
る樹脂としては、成型性、ヒンジ21、23等の耐疲労
性を考慮するとポリプロピレンが好ましいが、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニル等の樹脂であってもよい。
【0011】前記ヒンジ23は公知の形状であるが、ダ
ブルヒンジ21は板厚の厚い折り込み片であっても、折
り畳んだとき上下に位置する側板が平行となるように、
所定幅の薄肉部25の両側にヒンジ27、29を形成し
てなる(図2及び図3参照)。薄肉部25の幅寸法は折
り込み片13,17,19,20の厚さによって適宜決
定される。前記ヒンジ27、29はその肉厚と幅寸法を
異ならしめて形成され、例えば、短辺側の側板7に隣接
するヒンジ27の方が長辺側の側板3に隣接するヒンジ
29よりも肉厚が薄く、幅寸法が大きく形成されてい
る。従って、ヒンジ27の肉厚をtとし、ヒンジ29
の肉厚をtとするとt<tであり、ヒンジ27の
幅寸法をWとし、ヒンジ29の幅寸法をWとすると
>Wとなる。
【0012】上記形状のダブルヒンジ21とすることに
よって、箱に組み立てられたときはまずヒンジ27にお
いて折り曲げられて側板3と側板7は直角となり、折り
畳んだときはヒンジ29において折り曲げられて側板3
と側板7は平行に重なり合うことになる。この薄肉部2
5とヒンジ27、29の幅寸法によって折り代が調整さ
れる(図3参照)。尚、ダブルヒンジ21は、折り曲げ
方向に順次折り曲げられる構成であれば、ヒンジ27、
29の形状は上記実施例に限定されるものではない。
【0013】次に、前記側板3に連設される蓋板11に
ついて説明する。蓋板11はヒンジ32を介して連設さ
れており、略中央部においてヒンジ32と直交するスリ
ット(切り込み)33によって蓋片11aと蓋片11b
の2つに分割されている。従って、前記蓋片11aと蓋
片11bはそれぞれ独立して開閉することができる。前
記蓋片11aと蓋片11bを閉じたとき内側面となる2
辺の外周端縁に嵌合溝37が形成されている。前記嵌合
溝37は、図4及び図6に示すように、両端部が開口し
た連続した溝であって、外側面に係合用突状部39、内
側面に角を切り落とした傾斜面40がそれぞれ形成され
ている。
【0014】一方、側板5、7、9の先端面前記嵌合溝
37に嵌合する嵌合突片41が突設されている。前記嵌
合突片41は中央部に設けたスリット47により、係合
片43と嵌入片45に分割形成されている。前記係合片
43は組み立てたときの外面側に位置し、側面に凹溝4
9が形成されている。前記嵌入片45の外側面には蓋片
11a、蓋片11bの嵌合を容易にするために傾斜面5
0が形成されている。そして、蓋片11a、蓋片11b
を回動させながら開くときに、嵌合溝37と嵌合突片4
1の嵌合状態の解除を容易にして立ち上げ易くするため
に、後述する側板の切欠部との間で指掛け孔を形成する
蓋片11aと蓋片11bの合わせ部分の嵌合力を弱くし
ておくことが好ましい。嵌合力を弱くするには、嵌合溝
37内の係合用突状部39の突出量を小さくするか、係
合片43側面の凹溝49の凹み量を小さくし、あるいは
両者を小さくすればよい。このように、蓋片11aと蓋
片11bの合わせ側において嵌合力を弱めてもこれはわ
ずかな部分で足りるから、全体の嵌合力に影響するもの
ではない。
【0015】図6に示すように、蓋片11a、蓋片11
bを閉じたときは、嵌入片45の傾斜面50に嵌合溝3
7の傾斜面40が当接しながら嵌合溝37内に嵌合突片
41を案内する。嵌合突片41が嵌合溝37内に嵌合す
ると同時に、凹溝49に突状部39が係合して確実に装
着される。係合片43の背面にはスリット47が設けら
れているから係合片43はわずかに弾力を有し、嵌合溝
37への嵌合を容易にするとともに、嵌合後は係合状態
を確実に保持することができる。一方、側板の切欠部と
の間で指掛け孔を形成する蓋片11aと蓋片11bの合
わせ部分の嵌合力を弱くした場合には、わずかな力で嵌
合溝37から嵌合突片41を引き出すことができる。一
部が引き出されれば順次嵌合状態を解除し、蓋片11
a、蓋片11bを容易に開くことができる。さらに、係
合突片41が嵌合溝37に嵌合したときは、蓋板11の
外周面と側板5、7、9の外面とはほぼ同一面となるよ
うに構成されている。
【0016】図7は蓋板11を側板5、7、9に装着す
る他の実施例を示し、嵌合溝38と嵌合突片42が嵌合
した状態の断面図である。嵌合溝38は上記実施例の嵌
合溝37とほぼ同一形状であり、外側面に係合用突状部
44、内側面に角を切り落とした傾斜面46が形成され
ている。一方、嵌合突片42は、側板5、7、9の先端
面に突設された単独体であって、外側面に凹溝52が形
成されている。前記係合突片42の内側角部には蓋片1
1a、蓋片11bとの係合を容易にするために傾斜面5
4が形成されている。このように、嵌合突片42を単独
体とした場合には強固に嵌合させることができ不用意に
外れることがない。尚、この実施例においても、蓋片1
1aと蓋片11bとの合わせ側(スリット33側)にお
ける最初の立ち上げを容易にするために、嵌合溝38内
の係合用突状部44の突出量を小さくするか、係合突片
42の凹溝52の凹み量を小さくし、あるいは両者を小
さくすることによって嵌合力を弱めておくことが好まし
い。
【0017】次いで、蓋板11の先端外側角部(蓋片1
1a及び蓋片11bが箱の角部となる部分)には、図
8、図9及び図12に示すように、蓋板の衝突を防止す
るために上面角が切り落とされている。即ち、図8では
蓋片11aの上面角を斜めに切り落として三角形カット
面51を形成している。また、図9では上面を端縁に沿
って斜めに切り落としてL形カット面53を形成してい
る。このように、上面角を切り落とすことによって、衝
突し易い角部を無くすことができるから、衝突による角
部の損傷や不用意に蓋片11a、11bが明けられるの
を防止することができる。
【0018】また、長辺側の側板5の先端略中央部に
は、切欠部55が設けられている。前記切欠部55は蓋
片11a及び蓋片11bを閉じたとき、図11に示すよ
うに、前記蓋片との間で指を差し入れる指掛け孔56を
形成する。この指掛け孔56に指を差し入れることによ
り、蓋片11a及び蓋片11bを容易に立ち上げること
ができる。尚、前記切欠部55を設ける位置は側板5の
先端略中央部に限らず、側板5の両端部に設けてもよ
い。また、切欠部55は側板5に代えて側板7、9の先
端に設けることができ、側板7、9に設ける場合には側
板5の近傍に設けることが好ましい。さらに、上記のよ
うに、側板の先端に切欠部を設けて蓋片との間に指掛け
孔56を形成してもよいが、図1に一点鎖線で示すよう
に、蓋片11a及び蓋片11bのスリット33に近接し
て直接指掛け孔58を穿設してもよい。このように、蓋
片に直接指掛け孔58を穿設した場合にも、蓋片11a
と蓋片11bの合わせ側(スリット33側)部分の嵌合
力を弱くしておくことが好ましい。
【0019】次に、前記各側板3〜9に連設される折り
込み片13〜20について図1及び図10に基づいて説
明する。前記折り込み片13、17は同一形状であっ
て、先端に凹部57を有しており、ヒンジ59を介して
側板3、5に連設されている。前記凹部57の角部から
側板側の端部に向かってヒジジ60が形成されている。
そして、ヒンジ60から外側の三角形部61が折り込み
片19、20との貼着または熱溶着片となる。組み立て
たときは折り込み片13と折り込み片17は凹部57の
部分で交差し、三角形部61と反対側の突出部63が互
いに重なり合うことになる。また、折り込み片19、2
0は同一の台形状に形成され、ヒンジ65を介して側板
7、9に連設されている。そして、前記三角形部61よ
りも大きく形成し、組み立てたときヒンジ60からはみ
出す大きさに形成されている。組み立てるときは、前記
折り込み片19、20を前記三角形部61の内側に貼着
または熱溶着によって固着し、底部において前記三角形
部61が外側になるように組み立てる。折り込み片1
9、20をヒンジ60からはみ出す大きさに形成するこ
とにより、組み立てたときヒンジ60の上に載置される
状態となるから、ヒンジ60を保護するとともに、収納
物の荷重によってヒンジ60が折れるのを防止する。
【0020】さらに、折り込み片13〜20は、組み立
てたときの折り重ね厚さは折り込み片の板厚とほぼ同じ
くなり、折り畳んだときの全体の折り重ね厚さは2枚の
折り込み片の厚さとほぼ同じくなるように形成されてい
る。図10を参照して説明すると、組み立てたときは、
折り込み片13、17同士が交差して重なる重合部分
(斜線で示した部分)67、69は二重になるので約2
分の1の厚さに形成されている。一方、折り畳んだとき
は、折り込み片19、20とこれらと折り込み片13、
17の重なる重合部分(縦線で示した部分)70、71
では三重になるので約3分の1の厚さに形成されてい
る。このように、重なり合う部分の厚さを調整すること
によって、厚さが3〜6mmの合成樹脂製板であっても
組み立てたとき底面に段部が生じることがなく平滑な面
とすることができ、また、折り畳んだときにも全体を平
滑な板状体とすることができる。尚、貼着片10と貼着
片10が貼着される側板9の端部72も板厚のそれぞれ
約2分の1の厚さに形成されている。
【0021】次に、折り込み片13と折り込み片17
は、重合部分67の傾斜面73が部分的に当接し、この
当接点が回転するようにずれながら両折り込み片が互い
に倒れることによって組み立てられ、あるいはこの当接
点がずれながら両折り込み片が立ち上がることによって
折り畳まれる。そこで、板厚の厚い折り込み片が組み立
て、折り畳みをスムーズに行うためには傾斜面73にお
ける角部を除去することが望ましい。
【0022】次に、図1の展開状態から箱を組み立てる
場合について説明する。まず、ダブルヒンジ21から折
り曲げ、貼着片10を側板9の端部72に固着して胴部
を形成する。次いで、折り込み片19を折り込み片13
の三角形部61の内側に、折り込み片20を折り込み片
17の三角形部61の内側にそれぞれ貼着または熱溶着
によって固定させる。このとき、折り込み片13と折り
込み片17は凹部57にて交差させるとともに、貼着し
ないフリーな端部を箱の内側に、即ち折り込み片19、
20の上面に重なるように組み立てる。次いで、折り込
み片13と折り込み片17は、折り込み片13の重合部
分67と折り込み片17の重合部分69とが重なり、一
方、折り込み片13の重合部分69に折り込み片17の
重合部分67が重なるように組み立てる。従って、重合
部分では全体がほぼ板厚の厚さとなり、折り込み片13
と折り込み片17はほぼ水平な状態となる。
【0023】即ち、折り込み片13の重合部分70と折
り込み片17の重合部分70で折り込み片19を挟んで
おり、折り込み片13の重合部分69と折り込み片17
の重合部分67とが重なっている。従って、折り込み片
17の重合部分においてもほぼ水平な状態で重なり合っ
ている。このように、各折り込み片は重なり合う部分の
厚さを調節したから、底面を水平な状態で組み立てるこ
とができる。
【0024】蓋片11a及び蓋片11bを閉じるとき
は、ヒンジ32から折り曲げて回動させながら側板7、
9先端の嵌合突片41に押圧し、さらに側板5の嵌合突
片41に押圧して嵌合溝37に嵌合させればよい。蓋片
11a及び蓋片11bが倒れながら嵌合溝37に嵌合突
片41が押し込まれ、順次嵌合することになる。蓋片1
1a及び蓋片11bが完全に閉じられると、側板5の切
欠部55との間に指掛け孔56が形成される(図12参
照)。一方、蓋片11a及び蓋片11bを開くときは、
指掛け孔56に手を差し入れて引き上げれば、嵌合溝3
7と嵌合突片41はまず蓋片11aと蓋片11bの合わ
せ側(スリット33側)において嵌合状態が解除され、
順次嵌合突片41が解除される(図11参照)。蓋板1
1はスリット33によって蓋片11aと蓋片11bの2
つに分割されているから、開閉操作が容易であるととも
に、一方の蓋片だけ開閉することもできる。
【0025】次に、折り畳む場合について説明すると、
まず、蓋片11aと蓋片11bを開くと、底面をなす4
枚の折り込み片のうち対角部において重なり合う2枚を
固定し他の対角部では貼着せずフリーな状態となってい
るから、対角部の角部を周方向内側に押圧すれば菱形状
に変形し、同時にヒンジ60から折り曲げられて4枚の
折り込み片は次第に内側に立ち上がりながら折り畳まれ
る。そして、折り込み片13と折り込み片17は向かい
合って重なるとともに、折り込み片19、20が固着し
てなる角部では、前記折り込み片19、20と折り込み
片13、17及び三角形部61がそれぞれ折り重ねら
れ、稜線を直角とした偏平な板状態に折り畳むことがで
きる。従って、板状に折り畳まれるから、保管、運搬す
るときはかさ張らず場所を取らない。
【0026】上記実施例に係る合成樹脂製箱は、側板を
菱形状に折り畳むことができる箱に関するものである
が、図13は展開したとき1枚の板状体とすることがで
きる組み立て自在箱に関し、図1の折り畳み自在箱の応
用例である。従って、図1に示す実施例と同一の構成に
ついては同一の符号を付してその説明は省略し、異なる
構成についてのみ異なる符号を付して説明する。組立自
在箱99は、方形状の底板100の対向する2組の各辺
にそれぞれ側板101、103がヒンジ105、107
を介して連設されており、側板103にはさらに蓋板1
09がヒンジ110を介して連設されている。蓋板10
9は略中央部においてヒンジ110と直交するスリット
(切り込み)111によって蓋片109aと蓋片109
bの2つに分割されている。従って、前記蓋片109a
と蓋片109bはそれぞれ独立して開閉することができ
る。
【0027】前記蓋片109aと蓋片109bの閉じた
とき内側面となる2辺の外周端縁に嵌合溝37が形成さ
れている。また、側板103の側端縁には嵌合溝37が
形成されており、側板101の外周端面には嵌合突片4
1が突設されている。また、蓋板109とは底板100
を挟んで反対側の側板103の先端略中央部には、切欠
部113が設けられている。前記切欠部113は蓋片1
09a及び蓋片109bを閉じたとき、蓋片との間で指
を差し入れる指掛け孔を形成する。尚、前記切欠部11
3に代えて蓋片109a及び蓋片109bに一点鎖線で
示すように合わせ側(スリット33側)に切欠部115
を設けてもよい。また、図1の指掛け孔58のように、
蓋片109a及び蓋片109bに直接透孔を穿設しても
よい。
【0028】前記組立自在箱を組み立てるには、まず、
側板101を底板100に対して直角に起立させ、続い
て側板103を起立させる。側板103を起立させなが
ら嵌合溝37に側板101の両側の嵌合突片41を嵌合
させて組み立てればよい。このように、この実施例の場
合には、側板を起立させるだけで相隣る2つの側板を組
み立て状態にワンタッチで結合することができる。続い
て、収納物を収納した後、ヒンジ110から折り曲げて
回動させながら蓋片109a、109bを側板101と
側板103の先端の嵌合突片41に押圧すればよい。蓋
片109a、109bが内側に倒れながら嵌合溝37に
嵌合突片41が押し込まれ、順次嵌合することになる。
蓋片109a、109bが完全に閉じられると、六面体
の箱に組み立てられる。一方、蓋片109a、109b
を開くときは、切欠部113によって形成された透孔に
手を差し入れて引き上げればよい。
【0029】この実施例の組立箱においても、外周面や
角部に突起がなく平滑な面とすることができ、組み立て
状態を解除し展開したときには平滑な板状体とすること
ができる。従って、保管、輸送の際には場所を取らず効
率よく行うことができる。また、蓋板109の先端の外
側角部に、衝突を防止するために、三角形カット面5
1、L形カット面53を設けることができるのは勿論で
ある。
【0030】
【発明の効果】この発明の請求項1に係る合成樹脂製箱
では、蓋板はヒンジを中心にして回動し押圧するだけで
閉じることができ、明けるときは先端部を立ち上げるだ
けでよいから蓋板の開閉が簡単である。前記蓋板は蓋板
を連設するヒンジと直交するスリットによって2つの蓋
片に分割してなるから、同一方向において開閉すること
ができ、一方の蓋片のみの開閉も可能である。また、蓋
板の嵌合溝と側板先端面の嵌合突片とを嵌合させるから
ワンタッチで嵌合するとともに、構造が簡単で耐久性に
優れている。また、蓋板の嵌合溝を内側面に形成し、嵌
合突片は他の対向する側板の先端面に形成することによ
って、蓋板と側板の外周面はほぼ同一面となり凹凸がな
いから、蓋板の衝突を防止することができる。また、側
板や蓋片に設けた切欠部、あるいは蓋片に穿設した透孔
に手を差し入れて容易に明けることができる。
【0031】請求項2に係る重量物梱包用合成樹脂製箱
では、蓋板の外周端縁に設けた嵌合溝の外側内面に係合
用突状部を形成し、側板先端面の嵌合突片は係合片と嵌
入片からなり、前記係合片の外側面に前記係合用突状部
を係合する水平な凹溝を形成したから、容易に嵌合装着
させることができる反面、閉じた状態では特定の箇所に
力を加えない限り強固に嵌合しており容易に取り外すこ
とができない。また、請求項3に係る重量物梱包用合成
樹脂製箱では、1組の対角部におけるヒンジをダブルヒ
ンジとしたから、底部を形成する折り込み片を側板の内
側に折り畳む折り畳み自在箱においても、側板を水平に
折り畳むことができる。また、請求項4に係る重量物梱
包用合成樹脂製箱では、側板は底板の4辺にヒンジを介
して十字状に連設し、側板の1つに蓋板をヒンジを介し
て連設したから、側板を起立させるだけで展開状態から
組み立てることができ、また、展開した場合には1枚の
板状体とすることができる。また、請求項5に係る重量
物梱包用合成樹脂製箱では、蓋板を連設してなる側板と
対向する側板の先端に切欠部を設けたから、嵌合溝と嵌
合突片の嵌合状態を解除して容易に明けることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】折り畳み自在箱の展開状態を示す平面図であ
る。
【図2】ダブルヒンジの一例を示す断面図である。
【図3】ダブルヒンジの折り曲げ状態を示す説明用断面
図である。
【図4】蓋板に設けた嵌合溝の断面図である。
【図5】側板に設けた嵌合突片の断面図である。
【図6】嵌合溝に嵌合突片が嵌合した状態の断面図であ
る。
【図7】他の実施例における嵌合溝と嵌合突片の嵌合状
態の断面図である。
【図8】蓋板の上面角部のカット状態を示す要部斜視図
である。
【図9】蓋板の上面角部の他のカット状態を示す要部斜
視図である。
【図10】折り込み片の板厚の形状を示す説明用部分斜
視図である。
【図11】蓋板を開いた状態の要図を示す上面斜視図で
ある。
【図12】蓋板を閉じた状態の上面斜視図である。
【図13】他の実施例における組み立て箱の展開状態を
示す平面図である。
【符号の説明】
1 箱 3 長辺側の側板 5 長辺側の側板 7 短辺側の側板 9 短辺側の側板 10 貼着片 11 蓋板 11a 蓋片 11b 蓋片 13 折り込み片 17 折り込み片 19 折り込み片 20 折り込み片 21 ダブルヒンジ 23 ヒンジ 25 薄肉部 27 ヒンジ 29 ヒンジ 30 透孔用切欠部 32 ヒンジ 33 スリット 37 嵌合溝 38 嵌合溝 39 係合用突状部 40 傾斜面 41 嵌合突片 42 嵌合突片 43 係合片 44 係合用突状部 45 嵌入片 46 傾斜面 47 スリット 48 係合片 49 凹溝 50 傾斜面 51 三角形カット面 52 凹溝 53 三角形カット面 54 傾斜面 55 係合突部 56 指掛け孔 58 指掛け用透孔 100 底板 101 側板 103 側板 105 ヒンジ 107 ヒンジ 108 蓋板 109 蓋板 110 ヒンジ 111 スリット 113 切欠部 115 切欠部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 牛尾 淳 神奈川県足柄上郡開成町延沢1番地 株式 会社明治ゴム化成神奈川工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒンジを介して連設した4枚の側板の1
    つにヒンジを介して蓋板を連設し、前記蓋板は前記蓋板
    を連設するヒンジと直交するスリットによって2つの蓋
    片に分割してなり、閉じたとき内側面となる外周端縁に
    嵌合溝を形成し、前記蓋板を連設してなる側板以外の側
    板の先端面に前記嵌合溝に嵌合する嵌合突片を設け、さ
    らに、前記蓋板を連設してなる側板以外の側板の1つ以
    上に、または前記蓋片に切欠部を設けるか、あるいは前
    記蓋片に透孔を穿設したことを特徴とする重量物梱包用
    合成樹脂製箱。
  2. 【請求項2】 前記蓋板の外周端縁に設けた嵌合溝は、
    外側内面に係合用突状部を形成し、内側面に角を切り落
    とした傾斜面を形成してなり、前記嵌合突片は、嵌合溝
    に嵌合される係合片と嵌入片からなり、箱に組み立てた
    とき前記係合片は嵌入片の外側に位置し、側面に前記係
    合用突状部を係合する水平な凹溝を形成したことを特徴
    とする請求項1記載の合成樹脂製箱。
  3. 【請求項3】 前記側板はヒンジを介して同一方向に連
    設し、箱に組み立てたとき1組の対角部におけるヒンジ
    をダブルヒンジとしたことを特徴とする請求項1または
    請求項2記載の重量物梱包用合成樹脂製箱。
  4. 【請求項4】 前記側板は底板の4辺にヒンジを介して
    十字状に連設し、側板の1つに蓋板をヒンジを介して連
    設したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    重量物梱包用合成樹脂製箱。
  5. 【請求項5】 前記蓋板を連設してなる側板と対向する
    側板の先端に切欠部を設けたことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項記載の重量物梱包用合成樹脂製箱。
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