JPH09119985A - ソーラー時計用表示板構造 - Google Patents

ソーラー時計用表示板構造

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JPH09119985A
JPH09119985A JP5467296A JP5467296A JPH09119985A JP H09119985 A JPH09119985 A JP H09119985A JP 5467296 A JP5467296 A JP 5467296A JP 5467296 A JP5467296 A JP 5467296A JP H09119985 A JPH09119985 A JP H09119985A
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solar
phosphorescent phosphor
light
phosphor
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Noriyuki Totsuka
塚 則 行 戸
Mitsuo Oyama
山 光 雄 大
Yoshihiko Murayama
山 義 彦 村
Nobuyoshi Takeuchi
内 信 義 竹
Yasumitsu Aoki
木 康 充 青
Takashi Matsuzawa
沢 隆 嗣 松
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Citizen Watch Co Ltd
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Nemoto and Co Ltd
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 光が透過する表示板基板と、該表示板基
板に設けられた長残光型の蓄光性蛍光体層とを備え、ソ
ーラーセルの表側に設けられたソーラー時計用表示板構
造。ここで前記長残光型の蓄光性蛍光体層は、M1-xAl2O
4-x (式中MはCa、Sr、Baから選ばれる1種以上の金
属、かつxが−0.33≦x≦0.60)で表される化合物を母
結晶とする長残光型の蓄光性蛍光体よりなる。 【効果】 上記ソーラー時計用表示板構造によれば、茶
褐色または暗青色のソーラーセル及び絶縁帯の十字線が
透けて見えなくなり、色調を含めたデザインバリエーシ
ョンが大幅に拡大される。また、明るい環境下で励起さ
れた残光型の蛍光体層が、夜間にその残光特性によって
発光し続けてソーラー時計用表示板の表側を照明する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光をエネルギーとして
使用する太陽電池を時計用文字板に用いたソーラー時計
用表示板構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から時計、電卓、携帯ラジオなどの
電源として太陽電池が用いられている。この太陽電池
は、通常アモルファスシリコンなどから形成され、光エ
ネルギーを電気エネルギーに変換しており、その機能か
ら光があたる位置、すなわち外部から直接見える表面位
置に配設する必要がある。
【0003】そして、図12、図13に示すように腕時
計の文字板構造に前記太陽電池を用いた場合には、腕時
計のモジュール31の上面に平面視で扇形のソーラーセ
ル32を4枚、絶縁帯33を挟んで配置し、このソーラ
ーセル32の上に透明なポリカーボネートもしくはアク
リル樹脂の透明板34を介して半透明な樹脂薄膜層35
を積層した構成である。
【0004】しかしながら、上記にようなソーラー時計
表示板構造にあっては、ソーラーセル32が通常茶褐色
または暗青色であるため、文字板が前記色となり、ま
た、ソーラーセル32とソーラーセル32との間に絶縁
帯33があるために、この絶縁帯33が十字線として現
れ、色調を含めたデザインが大幅に限定されるばかり
か、外観に劣り商品性の悪いものになっていた。
【0005】これに対し、太陽電池の前面に干渉フィル
タなどを設けて、太陽電池が直接見えないようにした時
計などが提案されているが、太陽電池への光エネルギー
供給に支障を来すという問題があり、また時計用文字板
としての外観品質が悪いという問題があった。
【0006】このような問題を解決するために、例え
ば、特公平5−38464号公報には、太陽電池と、こ
の太陽電池の前面に設けられて太陽電池の発電に寄与す
る波長域の光を透過するカラーフィルタと、太陽電池と
カラーフィルタとの間に設けられてカラーフィルタによ
り透過した光の一部を透過し、残りを四方に散乱する散
乱層とから成るカラー拡散層とを有する色つき太陽電池
が開示されている。
【0007】そして、散乱層を白色拡散板とする場合に
は、アクリル製乳白色板、ハーフミラーに艶消しクリヤ
ラッカーを塗布したもの、片面を粗らしたガラスやプラ
スチックの反対側にアルミニウムなどでミラーを形成し
たものなどを用いることが示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術にあっては、アクリル製乳白色板は、加工時に
バリが発生し、バリ取り加工が必要なためコスト増にな
り、さらには長期間の直射日光の照射により熱変形する
という欠点がある。また、ハーフミラーに艶消しクリヤ
ラッカーを塗布したものや、片面を粗らしたガラスやプ
ラスチックの反対側にアルミニウムなどでミラーを形成
したものについては、膜厚が不均一となることにより透
過率がばらつき、色むらが発生するという欠点がある。
さらには、上記したいずれの材質も、時計の文字板とし
ての外観品質が劣るという欠点がある。
【0009】本発明は、上記の問題点に着目して成され
たものであって、その目的とするところは、色調を含め
たデザインバリエーションが大幅に拡大されるばかり
か、外観品質がよく商品性に優れ、また、その残光特性
による発光によって、夜間等の暗い環境での時刻を確認
することができるソーラー時計用表示板構造を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に係るソーラー時計用表示板構
造は、ソーラーセルの表側に設けられたソーラー時計用
表示板構造であって、光が透過する表示板基板と、この
表示板基板に設けられた長残光型の蓄光性蛍光体層とを
備え、この長残光型の蓄光性蛍光体層がM1-x Al2
4-x (式中、Mは、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウムから選ばれる1つ以上の金属元素であり、xが−
0.33≦x≦0.60の範囲にある)で表される化合
物を母結晶とする長残光型の蓄光性蛍光体よりなること
を特徴としている。
【0011】また、本発明の請求項2に係るソーラー時
計用表示板構造は、ソーラーセルの表側に設けられたソ
ーラー時計用表示板構造において、光が透過する表示板
基板の一面にプリズム層を設けると共に、この表示板基
板の他の面に前記残光型の蛍光体層を設けたことを特徴
としている。
【0012】また、本発明の請求項3に係るソーラー時
計用表示板構造は、請求項1または2のソーラー時計用
表示板構造において、残光型の蛍光体層の一部を厚くし
て、この厚肉部で表示部、マーク、模様の少なくとも一
つを形成したことを特徴としている。
【0013】また、本発明の請求項4に係るソーラー時
計用表示板構造は、請求項1〜3のいずれかに記載のソ
ーラー時計用表示板構造において、残光型の蛍光体層
が、その表面に樹脂薄膜層を有することを特徴としてい
る。
【0014】また、本発明の請求項5に係るソーラー時
計用表示板構造は、請求項1、2、3または4のソーラ
ー時計用表示板構造において、前記表示板基板が、残光
型の蛍光体層の色調と異なる色調を有することを特徴と
している。
【0015】また、本発明の請求項6に係るソーラー時
計用表示板構造は、請求項1〜5のいずれかに記載のソ
ーラー時計用表示板構造において、前記表示板基板が、
光拡散層、光透過型の反射層の少なくとも一つを有する
ことを特徴としている。
【0016】さらに本発明では、長残光型の蓄光性蛍光
体は、M1-x Al2 4-x (式中、Mは、カルシウム、
ストロンチウム、バリウムからなる群から選ばれる少な
くとも1つ以上の金属と、マグネシウムとの組合せであ
り、xが−0.33≦x≦0.60の範囲である)で表
される化合物を母結晶としていてもよく、また賦活剤と
してユウロピウム(Eu)を含んでいることが好まし
く、さらに共賦活剤としてランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビ
ウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリ
ウム、イッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、
ビスマスからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の
元素を含んでいることが好ましく、さらにまたAlの一
部または全部がBまたはGaで置換されていることが好
ましい。
【0017】
【作用】請求項1に係るソーラー時計用表示板構造にあ
っては、残光型の蛍光体層が表示板基板に形成されてい
るために、茶褐色または暗青色のソーラーセル及び絶縁
帯の十字線が透けて見えなくなり、色調を含めたデザイ
ンバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外観品
質がよくなり商品性の良いものになる。また、明るい環
境下でソーラー時計の発電に寄与した光は、残光型の蛍
光体層を励起させているため、夜間等の暗い環境下では
残光型の蛍光体層が、その残光特性によって発光し続け
てソーラー時計用表示板の表側を照明する。よって、夜
間等の暗い環境での時刻を確認することができる。
【0018】また、請求項2に係るソーラー時計用表示
板構造にあっては、残光型の蛍光体層が表示板基板に形
成されているために、茶褐色または暗青色のソーラーセ
ル及び絶縁帯の十字線が透けて見えなくなり、色調を含
めたデザインバリエーションが大幅に拡大されるばかり
か、外観品質がよくなり商品性の良いものになる。ま
た、残光型の蛍光体層が、わずかな光の励起スペクトル
により長時間、高輝度の残光特性を発揮し、また、残光
型の蛍光体層で発光した光はプリズム層で集光されて平
行した集光光になるために、輝度を高めることができ、
残光特性を発揮して、夜間等の暗い環境での時刻を確認
することができる。
【0019】また、請求項3に係るソーラー時計用表示
板構造にあっては、上記した請求項1または2に記載さ
れた作用を奏し得るばかりか、蛍光体層の表面に、時字
に代表される表示部、マーク、模様等の少なくとも1つ
を設けることができる。
【0020】また、請求項4に係るソーラー時計用表示
板構造にあっては、上記した請求項1〜3の発明の作用
を奏し得るばかりか、樹脂薄膜層があることにより、ソ
ーラー時計用表示板の表面に、時字に代表される表示
部、マーク、模様等の印刷を滲むことなく行なう(設け
る)ことができる。
【0021】また、請求項5に係るソーラー時計用表示
板構造にあっては、上記した請求項1〜4の発明の作用
を奏し得るばかりか、発光色に変化が起こり色調を含め
たデザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか
外観品質がよくなって商品性の良いものになる。
【0022】また、請求項6に係るソーラー時計用表示
板構造にあっては、上記した請求項1〜5の発明の作用
を奏し得るばかりか、残光型の蛍光体層及び表示板基板
を透過した光は、光拡散層で拡散され、もしくは、透過
した光の一部が反射層で反射されるために、茶褐色また
は暗青色のソーラーセル及び絶縁帯の十字線が透けて見
えにくくなる。
【0023】また請求項7〜10に係るソーラー時計用
表示板構造にあっては、より長時間の残光特性を有し、
かつ化学的にも安定であり、しかも耐光性に優れたソー
ラー時計用表示板構造が得られる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳述
する。
【0025】
【実施例1】図1は本発明に係るソーラー時計用表示板
構造(実施例1)を備えた腕時計の縦断面図、図2は本
発明に係るソーラー時計用表示板構造(実施例1)の構
成説明図である。
【0026】腕時計1は、図1に示すように外胴2の内
部に合成樹脂から成る支持枠3を介してモジュール4を
設け、このモジュール4の表側にソーラー時計用表示板
構造Aを構成し、モジュール4に設けられた二重軸構成
の針軸5を前記時計文字盤構造Aに中央の孔部A1を貫
通させて、この針軸5の外軸5aに時針6を内軸5bに
分針7をそれぞれ取り付け、前記外胴2の底側に防水パ
ッキン8を介して裏蓋9を装着し、外胴2の表側に風防
ガラス10を装着して大略構成されている。
【0027】そして、前記ソーラー時計用表示板構造A
は、図2に示すように前記モジュール4の表側に固着さ
れたソーラーセル11と、このソーラーセル11の表側
に設けられた表示板基板(文字板母材)12と、この表
示板基板12の表側に設けられた残光型の蛍光体層13
と、この蛍光体層13の表側に設けられた樹脂薄膜層1
4とから構成されている。本実施例では、残光型の蛍光
体層13は表示板基板12の表側にスクリーン印刷によ
って形成し、樹脂薄膜層14も蛍光体層13の表面に艶
消しスクリーン印刷によって形成した。また、樹脂薄膜
層14の表面には時字15を印刷して形成した。
【0028】前記ソーラーセル11は、従来例の図12
に示すものと同様に、平面視で扇形状をしており、この
ソーラーセル11を4枚絶縁帯を挟んで配置される。ま
た、前記表示板基板12は、透明なポリカーボネートも
しくはアクリル樹脂の透明板である。
【0029】残光型の蛍光体層13としては、蛍光塗料
や蓄光夜光塗料等を層状に形成すればよい。しかしなが
ら、ソーラー時計を用いるにあたっては、長残光型の蓄
光性蛍光体層13は、太陽電池の発電を妨げないように
するべく光の透過性が高いものが良い。さらには、高級
感のある色調を有し、暗い環境下でできる限り長時間に
わたって明るく発光するものが望まれる。このような長
残光型の蓄光性蛍光体層を構成する長残光型の蓄光性蛍
光体の詳細については、後述する。
【0030】次に、上記のように構成されたソーラー時
計用表示板構造Aの作用を説明する。従来の技術で述べ
たように、ソーラーセル11が通常茶褐色または暗青色
であるため、表示板が茶褐色または暗青色になり、ま
た、ソーラーセル11とソーラーセル11との間に絶縁
帯があるために、この絶縁帯が十字線として現れるが、
白色色調の残光型の蛍光体層13が表示板基板12の表
側にスクリーン印刷されて形成されているために、茶褐
色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯の十字線
が透けて見えず、色調を含めたデザインバリエーション
が大幅に拡大されるばかりか、外観品質がよくなり商品
価値が向上する。
【0031】長残光型の蓄光性蛍光体層13の存在によ
り、ソーラーセル11が見えなくなるのは、以下の理由
による。まず、外部からソーラー時計用表示板構造Aに
入射する光は、長残光型の蓄光性蛍光体層13により、
次のように分別される。すなわち、蓄光性蛍光体層13
に蓄積(吸収)される光と、蓄光性蛍光体層13によっ
てランダムに散乱される光である。蓄光性蛍光体層13
に蓄積(吸収)された光は、暗所における蓄光性蛍光体
層13の発光に寄与される。蓄光性蛍光体層13によっ
て散乱された光の一部は、上方に向かい、観察者の目に
達して、観察者に蓄光性蛍光体層13を視認させる。蓄
光性蛍光体層13によって散乱された光の他の一部は、
下方に向かい、蓄光性蛍光体層13を通過する。
【0032】蓄光性蛍光体層13は、長残光型の蓄光性
蛍光体の粉末を、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂など
の透明な樹脂より成るバインダーに練り混み、表示板基
板12の表側に塗布、塗装、あるいは印刷して形成され
る。蓄光性蛍光体の粉末が、光を蓄積(吸収)し、また
は散乱させる。
【0033】また、蓄光性蛍光体層13の色調は、ソー
ラー時計用表示板構造Aの外観に美感を付与する。同時
に、蓄光性蛍光体層13の色調と異なる系統の色の波長
の光は、蓄光性蛍光体層13に吸収され、蓄光性蛍光体
層13の色調と同じ系統の色の波長の光は、蓄光性蛍光
体層13によって散乱されるという作用も成す。
【0034】このように、ソーラー時計用表示板構造A
に入射した光の一部が、蓄光性蛍光体層13を通過し、
表示板基板12を通過する。そして入射した光は、ソー
ラーセル11に達し、その発電に寄与されるが、入射し
た光の一部はソーラーセル11によって反射される。ソ
ーラーセル11によって反射された光が、図2に反射光
aで示されている。この反射光aが、そのまま観察者の
目に達すると、観察者にソーラーセル11が視認されて
しまう。しかしながら、反射光aの一部は、長残光型の
蓄光性蛍光体層13に蓄積(吸収)されてしまう。さら
に、蓄積されなかった反射光aの残りは、蓄光性蛍光体
層13によってランダムに散乱される。散乱された光の
一部は、上方に向かい、観察者の目に達するが、その量
は、反射光a全体から見れば、ごく僅かに限られる。よ
って、観察者には、ソーラーセル11が視認されないの
である。
【0035】絶縁帯の十字線が、観察者に視認されない
のも同じ理由による。また、長残光型の蓄光性蛍光体層
13に蓄積(吸収)された反射光aは、暗所における長
残光型の蓄光性蛍光体層13の発光に寄与することは言
うまでもない。
【0036】また、表示板基板12の表側には、長残光
型の蓄光性蛍光体がスクリーン印刷されているために、
わずかな光の励起スペクトルにより長時間、高輝度の残
光特性を発揮して、夜間等の暗い環境での時刻を確認す
ることができる。
【0037】また、蓄光夜光塗料あるいは長残光型の蓄
光性蛍光体よりなる蛍光体層13の表面に直接時字等の
印刷をするのは、印刷インクが滲んでしまうため困難で
ある。これを解決するため樹脂薄膜層14を設けてい
る。前記樹脂薄膜層14としては透明、または半透明の
インク、あるいは塗料を層状に形成して構成されてい
る。この樹脂薄膜層14があることにより、ソーラー時
計用表示板の表面に、時字等の印刷を滲むことなく行な
う(設ける)ことができる。
【0038】
【実施例2】図3は本発明に係るソーラー時計用表示板
構造(実施例2)の縦断面図、図4は図3のイ部の拡大
図である。
【0039】この第2の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aにおいては、表示板基板12として、その
表面に微小なプリズム16Aを多数配置したプリズム層
16が形成され、その裏側に実施例1で用いた長残光型
の蓄光性蛍光体層13が形成された表示板基板を用いて
おり、前記モジュール4の表側には、ソーラーセル11
が載置され、さらにソーラーセル11の表面に、プリズ
ム層16を表側に向けて表示板基板12が載置されてい
る。プリズム層16にはその表側に実施例1と同様に、
樹脂薄膜層14と時字15が順次積層されている。
【0040】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13が表示板基板12の表面に形成されている
ために、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶
縁帯の十字線が透けて見えず、このために、色調を含め
たデザインバリエーションが大幅に拡大されるばかり
か、外観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0041】また、残光型の蛍光体層13は残光特性を
発揮して、夜間等の暗い環境での時刻を確認することが
できる。また、残光型の蛍光体層13で発光した光はラ
ンダムに拡散する光であるが、プリズム層16の微小な
プリズム16Aで集光されて平行した集光光ロになるた
めに、実施例1よりさらに輝度を高めることができ、残
光特性を発揮して、夜間等の暗い環境での時刻を確認す
ることができる。
【0042】また、ソーラーセル11(あるいは絶縁帯
の十字線)によって反射された反射光は、実施例1と同
様に、長残光型の蓄光性蛍光体層13によって蓄積(吸
収)、あるいは散乱される。この長残光型の蓄光性蛍光
体層13の存在が、ソーラーセル11(あるいは絶縁帯
の十字線)の視認を妨げていることは、実施例1に前述
した如くである。
【0043】しかしながら、ソーラーセル11(あるい
は絶縁帯の十字線)による反射光の一部は、ごく僅かで
はあるが、観察者の目に達してしまう。反射光の全て
が、完全に遮蔽されているわけではない。よって、注意
深い観察者には、ソーラーセル11が視認される可能性
もある。これを解決するため、本実施例2においては、
長残光型の蓄光性蛍光体層13によって散乱された光
が、さらにプリズム16Aによって屈折される。
【0044】長残光型の蓄光性蛍光体層13によって散
乱されて表側上方に向かった光が、図4に反射光bで示
されている。この反射光bの量は、ごく僅かな量であ
る。反射光bは、さらにプリズム16Aによって屈折さ
れ、集光光ロと同じく、垂直に表側上方に向かう。これ
は、ソーラー時計用表示板構造Aを斜め上方から見た時
は、ソーラーセル11が絶対に視認されないことを意味
する。なぜならば、ソーラー時計用表示板構造Aを真上
から望まない限り、垂直に表側上方に向かった反射光b
は、観察者の目に達しないからである。
【0045】もちろん、ソーラー時計用表示板構造Aを
真上から見た時は、ソーラーセル11が視認される可能
性が残る。しかしながら、真上以外の角度、すなわち斜
め上方から見た時は、ソーラーセル11が視認される可
能性は全く無い。このように、本実施例2は、プリズム
層16を設けることによって、ソーラーセル11が視認
される可能性を大幅に削減している。
【0046】
【実施例3】図5は本発明に係わるソーラー時計用表示
板構造(実施例3)の一部省略した縦断面図である。
【0047】この第3の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aは、表示板基板12として、その裏面に微
小なプリズム17Aを多数配置したプリズム層17にな
された表示板基板を用いており、前記モジュール4の表
側には、ソーラーセル11と、プリズム層17を形成し
た表示板基板12と、第1の実施例で使用した長残光型
の蓄光性蛍光体層13と同様な残光型の蛍光体層13と
がこの順序に積層されており、残光型の蛍光体層13に
はその表側に時字15を設けた樹脂薄膜層14が積層さ
れている。
【0048】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13がソーラーセル11に積層されているため
に、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯
の十字線が透けて見えず、このために、色調を含めたデ
ザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0049】また、長残光型の蓄光性蛍光体層13が存
在するために長期間にわたって残光特性を発揮して、夜
間等の暗い環境での時刻を確認することができる。樹脂
薄膜層14と長残光型の蓄光性蛍光体層13を透過した
光ハは、プリズム層17の微小なプリズム17Aで集光
されるように屈折され、ソーラーセル11(あるいは絶
縁帯の十字線)に達する。ここで反射された光は、プリ
ズム17Aにより屈折され、図5に示すように、垂直に
表側上方に向かう反射光cとなる。反射光cは、蓄光性
蛍光体層13によって蓄積(吸収)、あるいは散乱され
る。よって、ソーラーセル11(あるいは絶縁帯の十字
線)の視認が妨げられることは、実施例1に前述した如
くである。
【0050】ところが、長残光型の蓄光性蛍光体層13
が、部分的にでも極めて薄い場合、反射光cのうち、蓄
光性蛍光体層13によって蓄積(吸収)、あるいは散乱
されずに、蓄光性蛍光体層13を直進して透過する光も
ある。これが、図5に反射光dで示されている。反射光
dが存在したとしても、その量は極めて僅かであるが、
観察者の目に達すれば、ソーラーセル11(あるいは絶
縁帯の十字線)が視認されてしまう可能性がある。
【0051】しかしながら、反射光dは、プリズム17
Aにより屈折され、垂直に表側上方に向かう光のみであ
る。よって、実施例2と同じく、真上以外の角度、すな
わち斜め上方から見た時は、ソーラーセル11が視認さ
れる可能性は全く無い。このように、本実施例3は、蓄
光性蛍光体層13を直進して透過する光をも考慮に入れ
て、プリズム層17によりソーラーセル11が視認され
る可能性を大幅に削減している。
【0052】
【実施例4】図6は本発明に係わるソーラー時計用表示
板構造(実施例4)の一部省略した縦断面図である。
【0053】この第4の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aは、第1の実施例で使用した長残光型の蓄
光性蛍光体層13と同様な成分からなる長残光型の蓄光
性蛍光体層13であって、その一部を厚くした蓄光性蛍
光体層13を用いており、この蓄光性蛍光体層13の表
面に、表示部、マーク、模様等が厚肉部18で形成して
ある。そして、前記モジュール4の表側には、ソーラー
セル11と、第1の実施例で使用した表示板基板12と
同様な表示板基板12と、第1の実施例で使用した長残
光型の蓄光性蛍光体層13と同様な長残光型の蓄光性蛍
光体層13とがこの順序に積層されている。
【0054】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13がソーラーセル11に積層されているため
に、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯
の十字線が透けて見えず、このために、色調を含めたデ
ザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0055】また、長残光型の蓄光性蛍光体層13が存
在するため、長期間にわたって残光特性を発揮して、夜
間等の暗い環境での時刻を確認することができる。しか
も、蓄光性蛍光体層13における厚肉部18は、他の部
分に比べて、より多くの光を蓄積(吸収)するため、よ
り明るく、かつより長く発光し続ける。よって、案所に
おいて、時字、マーク、模様等の厚肉部18が、明確に
視認される。
【0056】また、上記した第1〜第4の実施例におけ
る前記表示板基板12は透明なポリカーボネートもしく
はアクリル樹脂の透明板であるが、アクリル樹脂に種々
の顔料、あるいは染料を混入させることにより、様々の
色調を表示板基板12に施すことができる。この表示板
基板12の色調を、長残光型の蓄光性蛍光体層13の色
調と異なるものにすることにより、長残光型の蓄光性蛍
光体層13と表示板基板12の色調が混ざりあって、異
なった色調となる。このように長残光型の蓄光性蛍光体
層13の種類や色調を変えずとも、表示板基板12の色
調を変化させることによって、ソーラー時計用表示板構
造Aに種々の色調を施すことができ、色調を含めたデザ
インバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外観
品質がよくなり商品価値が向上する。あるいは、前記表
示板基板12に部分的に長残光型の蓄光性蛍光体層13
を設けるのであれば、長残光型の蓄光性蛍光体層13の
設けられた部分と設けられていない部分とに色調の違い
が生じるので、表示板基板12の色調を変化させること
によって、デザインに種々の面白味を付与することがで
きる。
【0057】さらに、ソーラーセル11(あるいは絶縁
帯の十字線)によって反射された反射光は、蓄光性蛍光
体層13に達する前に、表示板基板12中の顔料、ある
いは染料によってランダムに散乱される。散乱された反
射光のうち、表側上方に向かった光のみが、長残光型の
蓄光性蛍光体層13に達する。蓄光性蛍光体層13に達
した光は、実施例1と同じく、さらに長残光型の蓄光性
蛍光体層13によって蓄積(吸収)、あるいは散乱され
る。このように、表示板基板12中の顔料、あるいは染
料が、ソーラーセル11(あるいは絶縁帯の十字線)に
よって反射された反射光を散乱し、よって蓄光性蛍光体
層13に達する反射光を削減するため、さらにソーラー
セル11が視認されにくくなる。
【0058】
【実施例5】図7は本発明に係わるソーラー時計用表示
板構造(実施例5)の一部省略した縦断面図である。
【0059】この第5の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aは、表示板基板として、その裏面に光拡散
層20を形成した表示板基板12を用いている。光拡散
層20は、極めて微細な凹凸を形成した曇りガラス状の
層である。そして、前記モジュール4の表側には、ソー
ラーセル11と、前記表示板基板12と、第1の実施例
で使用した残光型の蛍光体層13と同様な残光型の蛍光
体層13とがこの順序に積層されており、残光型の蛍光
体層13にはその表側に樹脂薄膜層14と時字15が順
次積層されている。
【0060】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13がソーラーセル11に積層されているため
に、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯
の十字線が透けて見えず、このために、色調を含めたデ
ザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0061】また、長残光型の蓄光性蛍光体層13が存
在するため、長期間にわたって残光特性を発揮して、夜
間等の暗い環境での時刻を確認することができる。しか
も、ソーラーセル11(あるいは絶縁帯の十字線)によ
って反射された反射光は、表示板基板12の裏面の光拡
散層20によって、ランダムに拡散(散乱)される。よ
って、実施例4における表示板基板12中の顔料、ある
いは染料による散乱の作用と同じく、さらにソーラーセ
ル11が視認されにくくなる。
【0062】
【実施例6】図8は本発明に係わるソーラー時計用表示
板構造(実施例6)の縦断面図である。
【0063】この第6の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aは、表示板基板として、その裏面に反射層
21を形成した表示板基板12を用いており、前記モジ
ュール4の表側には、ソーラーセル11と、前記表示板
基板12と、第1の実施例で使用した長残光型の蓄光性
蛍光体層13と同様な長残光型の蓄光性蛍光体層13と
がこの順序に積層されており、長残光型の蓄光性蛍光体
層13にはその表側に時字15を設けた樹脂薄膜層14
が積層されている。そして、前記反射層21は、Au、
Cr、Al、Pt、AgおよびRdなどの、光の反射率
の高い金属を蒸着して形成した、極めて薄い金属被膜と
して形成される。様々な種類の金属を蒸着することによ
って、種々の色調を有する薄膜が得られることは公知で
ある。反射層21も、公知の手段に従って、種々の色調
を有する金属薄膜として形成することができる。反射層
21は、1種の金属を蒸着した単層膜であっても、多種
の金属を蒸着した多層膜であっても良い。単層膜とする
か、あるいは多層膜とするかは、反射層21にどのよう
な色調を付与するかによって、適宜選択される。
【0064】あるいは、反射層21は、白色または銀色
などの印刷を施した極めて薄い印刷膜として形成しても
良い。反射層21は、光の一部を反射し、光の他の一部
を吸収し、残りを透過させる機能を有する薄膜である。
【0065】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13がソーラーセル11に積層されているため
に、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯
の十字線が透けて見えず、このために、色調を含めたデ
ザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0066】また、長残光型の蓄光性蛍光体層13が存
在するため、長期間にわたって残光特性を発揮して、夜
間等の暗い環境での時刻を確認することができる。長残
光型の蓄光性蛍光体層13及び表示板基板12を透過し
た光ニのうち、反射層21の色調と異なる系統の色の波
長の光は、反射層21に吸収され、反射層21の色調と
同じ系統の色の波長の光は、反射層21によって一部が
反射され、残りは反射層21を透過し、ソーラーセル1
1に達する。ソーラーセルに達した光の一部は、ソーラ
ーセル11の発電に寄与され、残りは表面に向かって反
射される。これは、反射層21が極めて薄い薄膜である
ため、一部の光を透過し、残りを反射する作用を成すた
めである。
【0067】反射層21によって反射された光は、長残
光型の蓄光性蛍光体層13によって、その一部が散乱さ
れ、観察者の目に達する。観察者には、蓄光性蛍光体層
13の色と反射層21の色とが混ざり合って視認され
る。よって、蓄光性蛍光体層13の種類や色調を変えず
とも、反射層21の色調を変化させることによって、ソ
ーラー時計用表示板構造Aに様々な色調を施すことがで
きる。
【0068】また、ソーラーセル11によって反射され
た光は、再び反射層21に達し、その一部は、反射され
てソーラーセル11に戻り、残りは、反射層21を透過
する。反射層21を透過した光が、そのまま観察者の目
に達すると、観察者にソーラーセル11が視認されてし
まう。しかしながら、反射層21を透過した光は、蓄光
性蛍光体層13に達し、実施例1と同じく、蓄光性蛍光
体層13によって蓄積(吸収)、あるいは散乱され、散
乱された光のごく一部が観察者の目に達するにすぎな
い。よって、観察者が、ソーラーセル11を視認するこ
とはない。
【0069】なお、上記した第5の実施例では前記表示
板基板12が光拡散層20を、第6の実施例では前記表
示板基板12が光透過型の反射層21をそれぞれ有する
が、前記表示板基板12が光拡散層20及び反射層21
の両方を有する構成とすることもできる。
【0070】
【実施例7】図9は本発明に係わるソーラー時計用表示
板構造(実施例7)の縦断面図、図10は図9のホ部を
拡大した斜視図、図11は本発明に係わるソーラー時計
用表示板構造(実施例7)を備えた腕時計の平面図であ
る。
【0071】この第7の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aは、第1の実施例におけるソーラー時計用
表示板構造Aに、その表面に微小なプリズム22Aを多
数配置した透明樹脂より成るプリズム板22を加えた構
成である。すなわち、前記モジュール4の表側には、ソ
ーラーセル11と、第1の実施例で使用した長残光型の
蓄光性蛍光体層13と同様な長残光型の蓄光性蛍光体層
13と、表示板基板12と、前記プリズム板22とがこ
の順序に積層されており、プリズム板22にはその表側
に設けた樹脂薄膜層14と時字15とが積層されてい
る。
【0072】したがって、白色色調の長残光型の蓄光性
蛍光体層13がソーラーセル11に積層されているため
に、茶褐色または暗青色のソーラーセル11及び絶縁帯
の十字線が透けて見えず、このために、色調を含めたデ
ザインバリエーションが大幅に拡大されるばかりか、外
観品質がよくなり商品価値が向上する。
【0073】また、残光型の蛍光体層13が存在するた
め、長期間にわたって残光特性を発揮して、夜間等の暗
い環境での時刻を確認することができる。なお、上記し
た第2、第3の実施例のプリズム層16、17及びプリ
ズム板22をソーラー時計用表示板構造Aに組み込むに
当たっては、図11に示すようにプリズムの方向を腕時
計の3時−9時方向に平行させる必要がある。また、プ
リズム層16、17及びプリズム板22をソーラー時計
用表示板構造Aに組み込むことにより、光透過率が2%
程度低下することが判明しているが、ソーラー時計用表
示板構造Aにおける光透過率は50%以上であればよい
ために、この程度のわずかな低下であれば、太陽電池の
発電には支障はない。
【0074】したがって、前記表示板基板12に、長残
光型の蓄光性蛍光体、プリズム層16、17及びプリズ
ム板22を加えてもソーラーセル11の発電効率はあま
り低下せず、充分に発電できることが解る。
【0075】次に本発明で好ましく用いられる長残光型
の蓄光性蛍光体について、具体的に説明する。本発明で
用いられる長残光型の蓄光性蛍光体は、 M1-xAl24-x (式中、Mはカルシウム、ストロンチウム、バリウムか
らなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の金属元素で
あり、xは−0.33≦x≦0.60の範囲にある)で
表される化合物を母結晶としている。
【0076】このMは、上記のカルシウム、ストロンチ
ウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ
以上の金属と、マグネシウムとの組合せであってもよ
い。またこの長残光型の蓄光性蛍光体は、賦活剤として
ユウロピウムを含んでいることが好ましく、その量は、
Mで表される金属元素に対するモル%で0.002%以
上20%以下、好ましくは0.2〜10%、さらに好ま
しくは1〜4%であることが望ましい。
【0077】さらにこの長残光型の蓄光性蛍光体は、賦
活剤とともに共賦活剤を含んでいることが好ましく、こ
の共賦活剤としては、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、サマリウム、ガドリウム、テルビウム、
ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、
イッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマ
スからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の元素が
好ましく、その量は、Mで表される金属元素に対するモ
ル%で0.002%以上20%以下、好ましくは0.2
〜10%、さらに好ましくは1〜4%であることが望ま
しい。
【0078】さらにまたこの長残光型の蓄光性蛍光体
は、Alの一部または全部がBまたはGaで置換されて
いてもよい。このような長残光型の蓄光性蛍光体は、各
元素の原料となる化合物(たとえばストロンチウムの場
合には炭酸ストロンチウム)を精秤し、フラックスとし
て硼酸を適当量加え、ボールミルなどを用いて充分に混
合した後、この混合物を電気炉中などによって1200
〜1400℃、好ましくは1250〜1350℃程度の
温度において焼成することによって製造することができ
る。この際焼成雰囲気をやや還元雰囲気(たとえば窒素
−水素混合ガス)とすることが好ましい。次いで得られ
た焼成物を粉砕し、ふるいで分級することが望ましい。
【0079】ストロンチウム源としては、通常、炭酸ス
トロンチウム、あるいは酸化ストロンチウムが用いられ
るが、これら以外にも、例えば水酸化ストロンチウム、
硝酸ストロンチウム、およびストロンチウムのカルボン
酸塩(酢酸ストロンチウムなど)を用いても良い。スト
ロンチウム源としては、加熱により分解されて、酸化ス
トロンチウムが得られるものであれば、何であってもか
まわない。
【0080】カルシウム源としては、通常、炭酸カルシ
ウム、あるいは酸化カルシウムが用いられるが、これら
以外にも、例えば水酸化カルシウム、硝酸カルシウム、
およびカルシウムのカルボン酸塩(酢酸カルシウムな
ど)を用いても良い。カルシウム源としては、加熱によ
り分解されて、酸化カルシウムが得られるものであれ
ば、何であってもかまわない。
【0081】バリウム源としては、通常、炭酸バリウ
ム、あるいは酸化バリウムが用いられるが、これら以外
にも、例えば水酸化バリウム、硝酸バリウム、およびバ
リウムのカルボン酸塩(酢酸バリウムなど)を用いても
良い。バリウム源としては、加熱により分解されて、酸
化バリウムが得られるものであれば、何であってもかま
わない。
【0082】アルミニウム源としては、通常、炭酸アル
ミニウム、あるいは酸化アルミニウムが用いられるが、
これら以外にも、例えば水酸化アルミニウム、硝酸アル
ミニウム、およびアルミニウムのカルボン酸塩(酢酸ア
ルミニウムなど)を用いても良い。アルミニウム源とし
ては、加熱により分解されて、酸化アルミニウムが得ら
れるものであれば、何であってもかまわない。
【0083】賦活剤としてのユウロピウム源としては、
通常、酸化ユウロピウムが用いられるが、これ以外に
も、例えばユウロピウムの炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化
物およびカルボン酸塩(酢酸塩など)を用いても良い。
ユウロピウムを含むものであれば、何でも用いることが
可能であり、その化合物形は問わない。
【0084】共賦活剤の元素源としては、共賦活剤元素
を含む酸化物が用いられるが、これ以外にも、例えば共
賦活剤を含む炭酸塩、硝酸塩、ハロゲン化物およびカル
ボン酸塩(酢酸塩など)を用いても良い。共賦活剤を含
むものであれば、何でも用いることが可能であり、その
化合物形は問わない。
【0085】以下本発明で用いられるM1-x Al2
4-x で示される長残光型の蓄光性蛍光体の製造例などに
ついて具体的に示す。最初に金属元素(M)としてスト
ロンチウムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用いて
形成された蓄光性蛍光体、共賦活剤を用いないで形成さ
れた蓄光性蛍光体について、実施例8として説明する。 実施例8.SrAl24:Eu蛍光体の合成とその特性 試料1−(1) 試薬特級の炭酸ストロンチウム146.1g(0.99
モル)およびアルミナ102g(1モル)に、賦活剤と
してユウロピウムを酸化ユウロピウム(Eu23)で
1.76g(0.005モル)添加し、さらにフラック
スとして硼酸を5g(0.08モル)添加し、ボールミ
ルを用いて充分に混合した後、この試料を電気炉を用い
て窒素−水素混合ガス(97:3)気流中(流量:0.
1リットル毎分)で、1300℃、1時間焼成した。そ
の後室温まで約1時間かけて冷却し、得られた化合物粉
体をふるいで分級し100メッシュを通過したものを蛍
光体試料1−(1)とした。
【0086】図14には、合成された蛍光体の結晶構造
をXRD(X線回折)により解析した結果を示す。回折
ピークの特性から得られた蛍光体はSrAl2 4 のス
ピネル構造を有することが明らかとなった。
【0087】図15には、本蛍光体の励起スペクトル及
び刺激停止後の残光の発光スペクトルを示した。この図
15から、発光スペクトルのピーク波長が約520nm
の緑色の発光であることがわかる。
【0088】次にこのSrAl2 4 :Eu蛍光体の残
光特性を市販品で緑色に発光するZnS:Cu蓄光性蛍
光体(根本特殊化学(株)製:品名GSS,発光ピーク
波長:530nm)の残光特性と比較して測定した結果
を、図16および表2に示す。
【0089】残光特性の測定は、蛍光体粉末0.05g
を内径8mmのアルミ製試料皿に秤り取り(試料厚さ:
0.1g/cm2 )、約15時間暗中に保管して残光を
消去した後、D65標準光源により200ルックスの明る
さで10分間刺激し、その後の残光を光電子増倍管を用
いた輝度測定装置で計測したものである。
【0090】図16から明らかなように、本発明による
SrAl2 4 :Eu蛍光体の残光は極めて大きくその
減衰もゆるやかであり、経過時間とともにZnS:Cu
蓄光性蛍光体との残光強度差が大きくなることが分か
る。また図中に、肉眼で充分に認識可能な発光強度のレ
ベル(約0.3mCd/m2の輝度に相当)を破線で示
したが、このSrAl2 4 :Eu蛍光体の残光特性か
ら約24時間後でもその発光が認識可能であると推定さ
れる。実際に刺激後15時間経過したこのSrAl2
4 :Eu蛍光体を肉眼で観察したところその残光を充分
に確認することができた。
【0091】また表2中の試料1−(1)には、刺激停
止後10分、30分および100分後の残光強度をZn
S:Cu蓄光性蛍光体の強度に対する相対値で示した。
この表からこのSrAl2 4 :Eu蛍光体の残光輝度
は10分後でZnS:Cu蓄光性蛍光体の2.9倍であ
り100分後では17倍であることが分かる。
【0092】さらにこのSrAl2 4 :Eu蛍光体を
光刺激した際の室温から250℃までの熱発光特性(グ
ローカーブ)をTLDリーダー(KYOKKO TLD-2000 シス
テム)を用いて調査した結果を図17に示す。図から本
蛍光体の熱発光は約40℃、90℃、130℃の3つの
グローピークからなり約130℃のピークがメイングロ
ーピークであることが分かる。図中の破線で示したZn
S:Cu蓄光性蛍光体のメイングローピークが約40℃
であることに照らして、このSrAl2 4 :Eu蛍光
体の50℃以上の高温に相当する深い捕獲準位が残光の
時定数を大きくし、長時間にわたる蓄光特性に寄与して
いると考えられる。
【0093】試料1−(2)〜(7) 次に前述と同様の方法で、ユウロピウムの濃度を変化さ
せた表1で表した配合比のSrAl2 4 :Eu蛍光体
試料(試料1−(2)〜(7))を調製した。
【0094】
【表1】
【0095】この試料1−(2)〜(7)の残光特性を
調査した結果を、1−(1)の残光特性を調査した結果
と共に、表2中に示す。なお、表1中の酸化ユウロピウ
ムはEu23であることから、酸化ユウロピウムEu2
3 1モル当たり、ユウロピウムEuを2モル含む関
係を有する。従って以下に記載するEuのモル数は、表
1中の酸化ユウロピウムのモル数の2倍量となってい
る。この関係は表3、表5の酸化ユウロピウムに関して
も、同様である。
【0096】この表2から、Euの添加量が0.005
〜0.1モルの範囲(試料1−(4)〜(6))である
と、10分後の輝度を含めてZnS:Cu蓄光性蛍光体
よりも残光特性に優れていることがわかる。ただEuの
添加量が0.00002モルの場合、あるいは0.2モ
ルの場合であっても、刺激停止後30分以上経過するこ
とによって、ZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも大きい輝
度を有するようになることもわかる。
【0097】またEuが高価であることから、経済性お
よび濃度クエンチングによる残光特性の低下を考慮する
と、Euを0.2モル(20モル%)以上にすることに
余り意味がないこととなる。逆に、残光特性から判断す
ると、Euが0.00002モル(0.002モル%)
から0.0001モル(0.01モル%)の間では、1
0分後輝度でZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも輝度で劣
るものの、刺激停止後30分以上経過することによっ
て、ZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも大きい輝度が得ら
れることから、賦活剤として用いるEuの添加効果が明
らかである。
【0098】さらに、SrAl2 4 :Eu蛍光体は酸
化物系であることから、従来の硫化物系蓄光性蛍光体に
比べて化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れるもの
である(表24および25参照)。
【0099】
【表2】
【0100】次に、金属元素(M)としてストロンチウ
ムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共
賦活剤としてジスプロシウムを用いた場合の蓄光性蛍光
体について、実施例9として説明する。 実施例9.SrAl2 4 :Eu、Dy蛍光体の合成と
その特性 試料2−(1) 試薬特級の炭酸ストロンチウム144.6g(0.98
モル)およびアルミナ102g(1モル)に、賦活剤と
してユウロピウムを酸化ユウロピウム(Eu23)で
1.76g(0.005モル)、さらに共賦活剤として
ジスプロシウムを酸化ジスプロシウム(Dy2 3 )で
1.87g(0.005モル)添加し、さらにフラック
スとして硼酸を5g(0.08モル)添加し、ボールミ
ルを用いて充分に混合した後、この試料を電気炉を用い
て窒素−水素混合ガス(97:3)気流中(流量:0.
1リットル毎分)で、1300℃、1時間焼成した。そ
の後室温まで約1時間かけて冷却し、得られた化合物粉
体をふるいで分級し100メッシュを通過したものを蛍
光体試料2−(1)とした。
【0101】この蛍光体の残光特性を前述と同様の方法
で調査した結果を図18および表4の試料2−(1)に
示す。図18から明らかなように、このSrAl
2 4 :Eu,Dy蛍光体の残光輝度、特にその残光初
期時の輝度はZnS:Cu蓄光性蛍光体と比較して極め
て高く、またその減衰の時定数も大きいことから、画期
的な高輝度蓄光性蛍光体であることが分かる。図中に示
した視認可能な残光強度レベルとこのSrAl2 4
Eu,Dy蛍光体の残光特性から約16時間後でもその
発光を識別可能である。
【0102】表4には、刺激後10分、30分、100
分後の残光強度をZnS:Cu蓄光性蛍光体の強度に対
する相対値で示しているが、表からこのSrAl
2 4 :Eu,Dy蛍光体の残光輝度は10分後でZn
S:Cu蓄光性蛍光体の12.5倍であり100分後で
は37倍であることが分かる。
【0103】さらにこのSrAl2 4 :Eu,Dy蛍
光体を光刺激した際の室温から250℃までの熱発光特
性(グローカーブ)を調査した結果を図19に示す。図
19および図17から、共賦活剤として添加したDyの
作用により熱発光のメイングローピーク温度が130℃
から90℃に変化したことが分かる。この90℃の温度
に相当する捕獲準位からの大きな発光が、SrAl2
4 :Eu蛍光体と比較して、その残光初期時に高い輝度
を示す原因と考えられる。
【0104】試料2−(2)〜(7) 次に前述と同様の方法で、ジスプロシウムの濃度を変化
させた表3で表した配合比のSrAl2 4 :Eu,D
y蛍光体試料(試料2−(2)〜(7))を調製した。
【0105】
【表3】
【0106】この試料2−(2)〜(7)の残光特性を
調査した結果を、2−(1)の残光特性を調査した結果
と共に、表4に示す。なお、表3中の酸化ジスプロシウ
ムはDy23であることから、酸化ジスプロシウムDy
23 1モル当たり、ジスプロシウムDyを2モル含む
関係を有する。従って以下に記載するDyのモル数は表
3中の酸化ジスプロシウムのモル数の2倍量となってい
る。
【0107】この表4から、共賦活剤としてのDyの添
加量は、10分後輝度を含めてZnS:Cu蓄光性蛍光
体よりもはるかに優れていることを基準とすると、0.
005〜0.07モル(試料2−(4)〜(6))が最
適であることがわかる。ただDyの添加量が0.000
02モルの場合であっても、刺激停止後30分以上経過
することによって、ZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも大
きい輝度を有するようなることから、賦活剤および共賦
活剤として用いたEuおよびDyの添加効果が明らかで
ある。またDyが高価であることから、経済性および濃
度クエンチングによる残光特性の低下を考慮すると、D
yを0.2モル(20モル%)以上にすることに余り意
味がないこととなる。
【0108】なお、SrAl2 4 :Eu,Dy蛍光体
は酸化物系であることから、従来の硫化物系蓄光性蛍光
体に比べて化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れる
ものである(表24および25参照)。
【0109】
【表4】
【0110】次に、金属元素(M)としてストロンチウ
ムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共
賦活剤としてネオジムを用いた場合の蓄光性蛍光体につ
いて、実施例10として説明する。 実施例10.SrAl2 4 :Eu,Nd蛍光体の合成
とその特性 試料3−(1)〜(7) 前述と同様の方法で、ネオジムの濃度を変化させた表5
で示した配合比のSrAl2 4 :Eu,Nd系蛍光体
試料(試料3−(1)〜(7))を調製した。
【0111】
【表5】
【0112】これらの試料3−(1)〜(7)の残光特
性を調査した結果を、表6に示した。なお表5中の酸化
ネオジムはNd23であることから、酸化ネオジムNd
231モル当たり、ネオジムNdを2モル含む関係を有
する。従って以下に記載するNdのモル数は表5中の酸
化ネオジムのモル数の2倍量となっている。
【0113】
【表6】
【0114】この表6から、共賦活剤としてのNdの添
加量が0.005〜0.07モル(試料3−(3)〜
(6))の範囲であると、10分後の輝度を含めてZn
S:Cu蓄光性蛍光体よりも残光特性に優れていること
がわかる。ただNdの添加量が0.00002モルの場
合であっても、刺激停止後60分程度を経過することに
よって、ZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも大きい輝度を
有するようになることから、賦活剤および共賦活剤とし
て用いたEuおよびNdの添加効果が明らかである。ま
たNdが高価であることから、経済性および濃度クエン
チングによる残光特性の低下を考慮すると、Ndを0.
2モル(20モル%)以上にすることに余り意味がない
こととなる。
【0115】なお、SrAl2 4 :Eu,Nd蛍光体
は酸化物系であることから、従来の硫化物系蓄光性蛍光
体に比べて化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れる
ものである(表24および25参照)。
【0116】さらにこのSrAl2 4 :Eu,Nd蛍
光体を光刺激した際の室温から250℃までの熱発光特
性(グローカーブ)を、試料3−(4)について調査し
た結果を図20に示した。この図20から共賦活剤とし
てNdを添加した蛍光体の熱発光のメイングローピーク
温度は約50℃であることが分かる。
【0117】次に、金属元素(M)としてストロンチウ
ムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共
賦活剤として、ランタン、セリウム、プラセオジム、サ
マリウム、ガドリニウム、テルビウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、マ
ンガン、スズ、ビスマスの元素のいずれかを用いた場合
の蓄光性蛍光体について、実施例11として説明する。
【0118】またここで、賦活剤および各共賦活剤につ
いては、実施例8〜10でユウロピウムおよびネオジム
あるいはジスプロシウムを用いた場合に、金属元素
(M)に対して各々0.01モル程度添加した場合に高
い残光輝度が得られることを考慮して、賦活剤のEu濃
度1モル%(0.01モル)、共賦活剤の濃度1モル%
(0.01モル)の試料についてのみ例示する。 実施例11.SrAl2 4 :Eu系蛍光体におけるそ
の他の共賦活剤の効果 既述の方法で、共賦活剤としてランタン、セリウム、プ
ラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウム、
ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、
ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスを添加した蛍光
体試料についてその残光特性を調査した結果を表7に示
した。
【0119】この表7から明らかなように、標準として
用いた市販のZnS:Cu蛍光体の残光特性と比較し
て、いずれのSrAl2 4 :Eu系蛍光体試料も、刺
激停止後30分〜100分以上の長時間を経過すると残
光特性が向上するので、充分実用レベルにあることが分
かる。
【0120】なお、SrAl2 4 :Eu系蛍光体は酸
化物系であることから、従来の硫化物系蓄光性蛍光体に
比べて化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れるもの
である(表24および25参照)。
【0121】
【表7】
【0122】次に金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用いて形成された蓄光
性蛍光体、共賦活剤を用いないで形成された蓄光性蛍光
体、および金属元素としてカルシウムを用い、賦活剤と
してユウロピウムを用い、共賦活剤としてランタン、セ
リウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガドリ
ニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エ
ルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、マ
ンガン、スズ、ビスマスからなる群の少なくとも1つの
元素を用いて形成された蓄光性蛍光体を、実施例12と
して説明する。 実施例12.CaAl2 4 :Eu系蓄光性蛍光体の合
成とその特性 試薬特級の炭酸カルシウムおよびアルミナに、賦活剤と
してユウロピウムを酸化ユウロピウム(Eu2 3 )で
加えただけのもの、これに共賦活剤として、ランタン、
セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ガド
リニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、
エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、
マンガン、スズ、ビスマスの元素のいずれかをそれぞれ
その酸化物で添加したものに対して、さらにフラックス
として硼酸を5g(0.08モル)添加し、ボールミル
を用いて充分に混合した後、この試料を電気炉を用いて
窒素−水素混合ガス(97:3)気流中(流量:0.1
リットル毎分)で、1300℃、1時間焼成した。その
後室温まで約1時間かけて冷却し、得られた化合物粉体
をふるいで分級し100メッシュを通過したものを蛍光
体試料5−(1)〜(42)とした。
【0123】なおここで得られた試料5−(2)のXR
D解析の結果を図21に示した。図からこの蛍光体は、
単斜晶系のCaAl2 4 結晶からなることが明らかと
なった。
【0124】次に、代表例として共賦活剤にネオジム、
サマリウム、ジスプロシウム、ツリウムを用いた試料5
−(10)、5−(16)、5−(22)および5−
(28)について、その熱発光特性(グローカーブ)を
調査した結果を図22および図23に示す。いずれも5
0℃以上の高温域にグローピークがあることから、これ
らの蛍光体が長い残光特性を有することが示唆されてい
る。さらに試料についてその残光の発光スペクトルを測
定したところ、図24で示されるようにいずれの蛍光体
もその発光ピーク波長は約442nmの青色発光であっ
た。
【0125】そこで従来から市販されている青色発光の
蓄光性蛍光体のCaSrS:Bi(商品名BA−S:根
本特殊化学(株)製 発光波長454nm)を標準とし
てそれぞれの残光特性を相対的に比較調査した結果を表
8〜表13に示す。表8からCaAl2 4 :Eu蛍光
体については、Euが0.01モル(1モル%)である
場合、残光初期時の輝度は低いものの100分後で市販
標準品とほぼ同等に近い輝度が得られるものがあり、さ
らに表9〜表13に示すように、共賦活剤を添加するこ
とにより大きく増感され、いずれの共賦活剤を用いても
充分実用性の高い蛍光体を得ることができる。特にN
d、SmおよびTmについてはその添加効果が極めて大
きく市販品より一桁以上明るい超高輝度の青色発光の蓄
光性蛍光体が得られることが明らかであり画期的な蛍光
体といえる。図25にはこのNd、SmおよびTmを共
賦活することにより得られた高輝度蛍光体の長時間に亘
る残光特性を調査した結果を示した。
【0126】なお、詳細には金属元素(M)としてカル
シウムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用いるもの
の、共賦活剤を用いない場合の蓄光性蛍光体として、5
−(1)〜(6)に示した蓄光性蛍光体の残光特性につ
いて表8に示した。
【0127】
【表8】
【0128】また金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤として
ネオジムを用いて形成された蓄光性蛍光体として、5−
(7)〜(12)に示した蓄光性蛍光体の残光特性を表
9に示した。
【0129】
【表9】
【0130】さらに金属元素(M)としてカルシウムを
用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤とし
てサマリウムを用いた場合の蓄光性蛍光体として、5−
(13)〜(18)に示した蓄光性蛍光体の残光特性を
表10に示した。
【0131】
【表10】
【0132】また金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤として
ジスプロシウムを用いて形成された蓄光性蛍光体とし
て、5−(19)〜(24)に示した蓄光性蛍光体の残
光特性を表11に示した。
【0133】
【表11】
【0134】また金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤として
ツリウムを用いて形成された蓄光性蛍光体として、5−
(25)〜(30)に示した蓄光性蛍光体の残光特性を
表12に示す。
【0135】
【表12】
【0136】なお金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤として
ランタン、セリウム、プラセオジム、ガドリニウム、テ
ルビウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム、
ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスの元素のいずれ
かを用いて形成された蓄光性蛍光体として、5−(3
1)〜(42)に示した蓄光性蛍光体の残光特性をまと
めて表13に示す。
【0137】なおこの5−(31)〜(42)に示した
蓄光性蛍光体では、賦活剤としてのユーロピウムおよび
他の共賦活剤は共に、1モル%ずつ添加したものであ
る。
【0138】
【表13】
【0139】次に金属元素(M)としてカルシウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、共賦活剤として
ネオジムを用いて形成された蓄光性蛍光体、同時に他の
共賦活剤も添加して形成された蓄光性蛍光体を実施例1
3として説明する。 実施例13.CaAl2 4 :Eu,Nd系蓄光性蛍光
体の合成とその特性 試薬特級の炭酸カルシウムおよびアルミナに賦活剤とし
てユウロピウムを酸化ユウロピウム(Eu2 3 )で加
え、これに共賦活剤としてネオジムを加えたもの、およ
びさらに他の共賦活剤として、ネオジム以外のランタ
ン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウ
ム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビ
ウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、マンガ
ン、スズ、ビスマスの元素のいずれかをそれぞれその酸
化物で添加したものに、フラックスとして硼酸を5g
(0.08モル)添加し、ボールミルを用いて充分に混
合した後、この試料を電気炉を用いて窒素−水素混合ガ
ス(97:3)気流中(流量:0.1リットル毎分)
で、1300℃、1時間焼成した。その後室温まで約1
時間かけて冷却し、得られた化合物粉体をふるいで分級
し100メッシュを通過したものを蛍光体試料6−
(1)〜(43)とした。
【0140】ここでは、まず最初に、Eu:1モル%、
Nd:1モル%、他の共賦活剤:1モル%として、各種
蛍光体試料を調整して、10分後輝度、30分後輝度お
よび100分後輝度を測定した。その結果を、6−
(1)〜(15)として、表14に示す。
【0141】
【表14】
【0142】この測定結果から、ネオジムと共に添加す
る共賦活剤の中で、残光輝度が特に優れるものとして
は、ランタン、ジスプロシウム、ガドリニウム、ホルミ
ウム、エルビウム等であることが確認された。
【0143】そこで次に、Eu:1モル%、Nd:1モ
ル%とした上で、ランタンの濃度を、0.2モル%から
20モル%に変えて実験を行った。その結果を、6−
(16)〜(21)として、表15に示す。
【0144】
【表15】
【0145】Eu:1モル%、Nd:1モル%とした上
で、ジスプロシウムの濃度を、0.2モル%から20モ
ル%に変えて実験を行った。その結果を、6−(22)
〜(27)として、表16に示す。
【0146】
【表16】
【0147】Eu:1モル%、Nd:1モル%とした上
で、ガドリニウムの濃度を、0.2モル%から20モル
%に変えて実験を行った。その結果を、6−(28)〜
(32)として、表17に示す。
【0148】
【表17】
【0149】Eu:1モル%、Nd:1モル%とした上
で、ホルミウムの濃度を、0.2モル%から20モル%
に変えて実験を行った。その結果を、6−(33)〜
(37)として、表18に示す。
【0150】
【表18】
【0151】Eu:1モル%、Nd:1モル%とした上
で、エルビウムの濃度を、0.2モル%から10モル%
に変えて実験を行った。その結果を、6−(38)〜
(43)として、表19に示す。
【0152】
【表19】
【0153】このような測定結果から、共賦活剤を複数
種混合すると、残光輝度が向上するものがあることが確
認された。またさらに、その場合、Eu:1モル%、N
d:1モル%とした上で、他の共賦活剤も1モル%程度
添加した場合が、最も優れた残光特性を示すことも確認
された。
【0154】次に金属元素(M)としてバリウムを用
い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共賦活剤
としてネオジムあるいはサマリウムを用いて形成された
蓄光性蛍光体について、実施例14として説明する。 実施例14.BaAl2 4 :Eu系蛍光体 ここでは、Euを1モル%添加した上で、さらにNdあ
るいはSmを各々1モル%添加したものを、7−
(1),(2)として表20に示す。
【0155】また図26には本蛍光体のうち、共賦活剤
としてネオジムを用いて形成された蓄光性蛍光体、励起
スペクトルおよび刺激停止後30分を経過した後の残光
の発光スペクトルを示す。
【0156】さらに図27には、共賦活剤としてサマリ
ウムを用いて形成された蓄光性蛍光体、励起スペクトル
および刺激停止後30分を経過した後の残光の発光スペ
クトルを示す。
【0157】発光スペクトルのピーク波長はいずれも約
500nmで緑色の発光であることから、表20には、
その残光特性を市販品で緑色に発光するZnS:Cu蓄
光性蛍光体(根本特殊化学(株)製:品名GSS、発光
ピーク波長:530nm)と比較して、刺激停止後10
分、30分および100分後の残光強度を相対値で示
す。
【0158】
【表20】
【0159】この表20から、BaAl2 4 :Eu,
NdはZnS:Cu蓄光性蛍光体よりも刺激停止後30
分程度は残光輝度に優れていることがわかる。またBa
Al 2 4 :Eu,SmはZnS:Cu蓄光性蛍光体よ
りも若干残光輝度が劣る結果が得られた。しかしながら
Euあるいは他の共賦活剤を添加せず、BaAl2 4
結晶のみで実験した結果、蛍光および残光がまったく認
められないことが確認されているので、EuおよびNd
あるいはSm添加による賦活効果が得られることは明ら
かである。
【0160】なお、BaAl2 4 :Eu系蛍光体は酸
化物系であることから、従来の硫化物系蓄光性蛍光体に
比べて化学的にも安定であり、かつ耐光性に優れるもの
である(表24および25参照)。
【0161】次に金属元素(M)として、カルシウムと
ストロンチウムとの混合物を用いて、形成された蓄光性
蛍光体について、実施例15として説明する。 実施例15.Srx Ca1-x Al2 4 系蓄光性蛍光体
の合成とその特性 試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸カルシウムをそれ
ぞれ比率を変えて調合しその試料にアルミナを加え、さ
らに賦活剤としてユウロピウムを、共賦活剤としてラン
タン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
チウム、マンガン、スズ、ビスマスのいずれかの元素を
添加したものに、フラックスとして硼酸を5g(0.0
8モル)添加し、既述の方法によりSrx Ca1-x Al
2 4 系蛍光体試料を合成した。
【0162】得られた蛍光体の代表特性としてSr0.5
Ca0.5 Al2 4 :Eu,Dy蛍光体(Eu 1モル
%、Dy 1モル%添加)の残光の発光スペクトルを調
査した結果を図28に示す。この図28からSrの一部
がCaに置換されるとその発光スペクトルは短波長側に
シフトし、SrAl2 4 系蛍光体による発光とCaA
2 4 系蛍光体の発光の中間色の残光を得られること
がわかる。
【0163】次に賦活剤および共賦活剤としてEuおよ
びDyをそれぞれ1モル%添加したSrx Ca1-x Al
2 4 系蛍光体試料の残光特性を調査した結果を図29
に示した。
【0164】この図29からいずれの蛍光体についても
図中の破線で示した市販標準品と比較して同等以上の優
れた残光特性を有する実用性の高い蓄光性蛍光体が得ら
れることがわかる。
【0165】次に金属元素(M)として、ストロンチウ
ムとバリウムとの混合物を用いて形成された蓄光性蛍光
体について、実施例16として説明する。 実施例16.Srx Ba1-x Al2 4 系蓄光性蛍光体
の合成とその特性 試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸バリウムをそれぞ
れ比率を変えて調合しその試料にアルミナを加え、さら
に賦活剤としてユウロピウムを、共賦活剤としてランタ
ン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、
ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウ
ム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウ
ム、マンガン、スズ、ビスマスのいずれかの元素を添加
したものに、フラックスとして硼酸を5g(0.08モ
ル)添加し、既述の方法によりSrx Ba1-x Al2
4 系蛍光体試料を合成した。
【0166】得られた蛍光体の代表特性としてEuを1
モル%、Dyを1モル%添加して調整したSrx Ba
1-x Al2 4 系蛍光体試料の残光特性を調査した結果
を図30に示す。
【0167】この図30からいずれの蛍光体についても
図中の破線で示した市販標準品と比較して同等以上の優
れた残光特性を有する実用性の高い蓄光性蛍光体が得ら
れることが分かる。
【0168】次に金属元素(M)として、ストロンチウ
ムとマグネシウムとの混合物を用いた場合について、実
施例17として説明する。 実施例17.Srx Mg1-x Al2 4 系蓄光性蛍光体
の合成とその特性 試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸マグネシウムをそ
れぞれ比率を変えて調合しその試料にアルミナを加え、
さらに賦活剤としてユウロピウムを、共賦活剤としてラ
ンタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウ
ム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホル
ミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテ
チウム、マンガン、スズ、ビスマスのいずれかの元素を
添加したものに、フラックスとして硼酸を5g(0.0
8モル)添加し、既述の方法によりSrx Mg1-x Al
2 4 系蛍光体試料を合成した。
【0169】得られた蛍光体の代表特性としてEuを1
モル%、Dyを1モル%添加して調整したSrx Mg
1-x Al2 4 系蛍光体試料の残光特性を調査した結果
を図31に示す。
【0170】この図31から、ストロンチウム/マグネ
シウムが0.1/0.9の場合を除いて、いずれの蛍光
体についても図中の破線で示した市販標準品として比較
して同等以上の優れた残光特性を有する実用性の高い蓄
光性蛍光体が得られることが分かる。
【0171】次に金属元素(M)として、複数の金属元
素を用い、かつ賦活剤としてユウロピウムを用い、さら
には共賦活剤を2種類用いた場合について、実施例18
として説明する。 実施例18.Ca1-x Srx Al2 4 :Eu,Nd,
X蛍光体の合成とその特性 試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸カルシウムをそれ
ぞれ比率を変えて調合しその試料にアルミナを加え、さ
らに賦活剤としてユウロピウム1モル%を、共賦活剤と
してネオジム1モル%を加え、さらに他の共賦活剤とし
て、ランタン、ジスプロシウム、ホルミウムの元素のい
ずれかを1モル%添加したものに、フラックスとして例
えば硼酸を5g(0.08モル)添加し、既述の方法に
よりCa 1-x Srx Al2 4 :Eu,Nd,X系蛍光
体試料11−(1)〜(9)を合成し、その残光特性を
調査した。
【0172】まず、試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭
酸カルシウムをそれぞれ比率を変えて調合しその試料に
アルミナを加え、さらに賦活剤としてユウロピウム1モ
ル%を、共賦活剤としてネオジム1モル%を加え、さら
に他の共賦活剤として、ランタンを1モル%添加したも
のを11−(1)〜(3)として、表21に示す。
【0173】
【表21】
【0174】また試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸
カルシウムをそれぞれ比率を変えて調合しその試料にア
ルミナを加え、さらに賦活剤としてユウロピウム1モル
%を、共賦活剤としてネオジム1モル%を加え、さらに
他の共賦活剤として、ジスプロシウムを1モル%添加し
たものを11−(4)〜(6)として、表22に示す。
【0175】
【表22】
【0176】また試薬特級の炭酸ストロンチウムと炭酸
カルシウムをそれぞれ比率を変えて調合しその試料にア
ルミナを加え、さらに賦活剤としてユウロピウム1モル
%を、共賦活剤としてネオジム1モル%を加え、さらに
他の共賦活剤として、ホルミウムを1モル%添加して形
成された蓄光性蛍光体を11−(7)〜(9)として、
表23に示す。
【0177】
【表23】
【0178】これらの測定結果から、金属元素(M)
が、カルシウムおよびストロンチウムからなる複数の金
属元素(M)を用い、賦活剤としてユウロピウムを添加
し、かつ複数の共賦活剤を添加して形成された蓄光性蛍
光体であっても、10分後輝度を含めて、CaSrS:
Biに比べて優れていることがわかる。 実施例19.耐湿特性試験 本発明により得られた蓄光性蛍光体の耐湿特性を調査し
た結果を表24に示した。
【0179】この調査では、複数の蛍光体試料を、40
℃、95%RHに調湿した恒温恒湿槽中に500時間放
置しその前後における輝度変化を測定した。表から、い
ずれの組成の蛍光体も湿度に対してほとんど影響を受け
ず安定であることが分かる。
【0180】
【表24】
【0181】実施例20.耐光性試験結果 本発明により得られた蓄光性蛍光体の耐光性試験を行っ
た結果を硫化亜鉛系蛍光体の結果と比較して表25に示
した。
【0182】この試験は、JIS規格に従い、試料を飽
和湿度に調湿した透明容器内に入れ300Wの水銀灯下
30cmの位置で3時間、6時間および12時間光照射
し、その後の輝度変化を測定した。
【0183】表25から従来の硫化亜鉛系蛍光体と比較
して極めて安定であることが分かる。
【0184】
【表25】
【0185】以下、M1-X Al2 4-x で表される組成
の蓄光性蛍光体(xは0でない場合)を、金属元素
(M)としてストロンチウムを用い、賦活剤としてユウ
ロピウムを用い、さらに共賦活剤としてジスプロシウム
を用いた蓄光性蛍光体であるSr 1-X Al2 4-x :E
u,Dyを例として説明する。
【0186】またここで、EuおよびDyは、ストロン
チウムに対して0.01モル(1モル%)ずつ添加して
いる。さらに、実験した時のストロンチウムとアルミニ
ウムとの比、Xの値、およびその時の蓄光性蛍光体とし
ては、下記のように、試料(1)〜(8)として示した
ものを使用した。 (1)Sr:Al=1:1.5 X=−0.33 Sr1.33Al24.33:Eu,Dy (2)Sr:Al=1:1.9 X=−0.05 Sr1.05Al24.05:Eu,Dy (3)Sr:Al=1:2.0 X= 0 Sr1.00Al24.00:Eu,Dy (4)Sr:Al=1:2.1 X= 0.05 Sr0.95Al23.95:Eu,Dy (5)Sr:Al=1:2.5 X= 0.20 Sr0.80Al23.80:Eu,Dy (6)Sr:Al=1:3.0 X= 0.33 Sr0.67Al23.67:Eu,Dy (7)Sr:Al=1:4.0 X= 0.50 Sr0.50Al23.50:Eu,Dy (8)Sr:Al=1:5.0 X= 0.60 Sr0.40Al23.40:Eu,Dy そしてこれらの試料(1)〜(8)を、一旦、残光がな
い状態とした後、室内に20分放置し、3分後の輝度を
目視にて確認した。その上で、X=0を100とした場
合との残光輝度を測定した。その値が表26である。
【0187】
【表26】
【0188】この表から、X=0であるSrAl
2 4 :Eu,Dyを示した試料(3)に比べて、試料
(1)、(2)は残光輝度が劣るものの、試料(4)〜
(6)は、試料(3)とほぼ同様かあるいは若干高い残
光特性を示しているものもある。
【0189】このことから、金属元素(M)としてスト
ロンチウムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、
さらに共賦活剤としてジスプロシウムを用いた蓄光性蛍
光体を、Sr1-x Al2 4-x :Eu,Dyの組成で表
すと、実用性のある残光輝度を示す範囲が、−0.33
≦X≦0.60の範囲であることが確認できた。さら
に、望ましくは0≦X≦0.33の範囲であることが確
認できた。
【0190】次に、M1-x Al2 4-x で表される組成
の蓄光性蛍光体を、金属元素(M)としてカルシウムを
用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共賦活
剤としてジスプロシウムを用いて形成された蓄光性蛍光
体であるCa1-x Al2 4- x :Eu,Dyを例として
説明する。
【0191】またここで、EuおよびDyは、カルシウ
ムに対して0.01モル(1モル%)ずつ添加してい
る。さらに、実験した時のカルシウムとアルミニウムと
の比、Xの値、およびその時の蓄光性蛍光体としては、
下記のように、試料(1)〜(8)として示したものを
使用した。 (1)Ca:Al=1:1.5 X=−0.33 Ca1.33Al24.33:Eu,Dy (2)Ca:Al=1:1.9 X=−0.05 Ca1.05Al24.05:Eu,Dy (3)Ca:Al=1:2.0 X= 0 Ca1.00Al24.00:Eu,Dy (4)Ca:Al=1:2.1 X= 0.05 Ca0.95Al23.95:Eu,Dy (5)Ca:Al=1:2.5 X= 0.20 Ca0.80Al23.80:Eu,Dy (6)Ca:Al=1:3.0 X= 0.33 Ca0.67Al23.67:Eu,Dy (7)Ca:Al=1:4.0 X= 0.50 Ca0.50Al23.50:Eu,Dy (8)Ca:Al=1:5.0 X= 0.60 Ca0.40Al23.40:Eu,Dy そしてこれらの試料(1)〜(8)を、一旦、残光がな
い状態とした後、室内に20分放置し、3分後の輝度を
目視にて確認した。その上で、X=0を100とした場
合との残光輝度を測定した。その値が表27である。
【0192】
【表27】
【0193】この表から、X=0であるCaAl
2 4 :Eu,Dyを示した試料(3)に比べて、試料
(1)、(2)、(4)〜(6)はいずれも残光輝度が
劣るものの、十分使用に耐えるものであった。
【0194】このことから、金属元素(M)としてカル
シウムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さら
に共賦活剤としてジスプロシウムを用いた蓄光性蛍光体
を、Ca1-x Al2 4-x :Eu,Dyの組成で表す
と、実用性のある残光輝度を示す範囲が、−0.33≦
X≦0.60の範囲であることが確認できた。さらに、
望ましくは−0.33≦X≦0.05の範囲であること
が確認できた。
【0195】さらに、M1-x Al2 4-x で表される組
成の蓄光性蛍光体を、金属元素(M)としてバリウムを
用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに共賦活
剤としてジスプロシウムを用いて形成された蓄光性蛍光
体であるBa1-x Al2 4- x :Eu,Dyを例として
説明する。
【0196】またここで、EuおよびDyは、バリウム
に対して0.01モル(1モル%)ずつ添加している。
さらに、実験した時のバリウムとアルミニウムとの比、
Xの値、およびその時の蓄光性蛍光体としては、下記の
ように、試料(1)〜(7)として示したものを使用し
た。 (1)Ba:Al=1:1.5 X=−0.33 Ba1.33Al24.33:Eu,Dy (2)Ba:Al=1:1.9 X=−0.05 Ba1.05Al24.05:Eu,Dy (3)Ba:Al=1:2.1 X= 0.05 Ba0.95Al23.95:Eu,Dy (4)Ba:Al=1:2.5 X= 0.20 Ba0.80Al23.80:Eu,Dy (5)Ba:Al=1:3.0 X= 0.33 Ba0.67Al23.67:Eu,Dy (6)Ba:Al=1:4.0 X= 0.50 Ba0.50Al23.50:Eu,Dy (7)Ba:Al=1:5.0 X= 0.60 Ba0.40Al23.40:Eu,Dy そしてこれらの試料(1)〜(7)を、一旦、残光がな
い状態とした後、室内に20分放置し、3分後の輝度を
目視にて確認した。その上で、X=0.05を100と
した場合との残光輝度を測定した。その値が表28であ
る。
【0197】
【表28】
【0198】この表から、X=0.05であるBa0.95
Al2 3.95:Eu,Dyを示した試料(3)に比べ
て、試料(1)、(2)は残光輝度が劣るものの、試料
(4)、(5)は、試料(3)より若干高い残光特性を
示している。また試料(6)、(7)に関しても、十分
使用に耐えるものであった。
【0199】このことから、金属元素(M)としてバリ
ウムを用い、賦活剤としてユウロピウムを用い、さらに
共賦活剤としてジスプロシウムを用いて形成された蓄光
性蛍光体を、Ba1-x Al2 4-x :Eu,Dyの組成
で表すと、実用性のある残光輝度を示す範囲が、−0.
33≦X≦0.60の範囲であることが確認できた。さ
らに、望ましくは0.05≦X≦0.50の範囲である
ことが確認できた。
【0200】なお、以上の各実施例において、賦活剤と
してのユウロピウム、共賦活剤としてのジスプロシウム
の比率を変化させても、同一の傾向にあることが出願人
によって確認されている。
【0201】またさらに、金属元素(M)としての、ス
トロンチウム、カルシウム、バリウムにマグネシウムを
添加した場合であっても、M1-x Al2 4-x で表され
る組成の化合物に関して、−0.33≦X≦0.60の
範囲でXを設定すると、十分実用的な残光輝度を示すこ
とが確認された。
【0202】さらに、共賦活剤として、前記したジスプ
ロシウムの他にも、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスからなる群
の少なくとも1つ以上の元素を、Mで表わす金属元素に
対するモル%で0.002%以上20%以下添加した場
合にあっては、M1-x Al 2 4-x で表される組成の化
合物に関して、−0.33≦X≦0.60の範囲でXを
設定すると、十分実用的な残光輝度を示すことが確認さ
れた。
【0203】次に、M1-x Al2 4-x で表される化合
物のAlの一部をBまたはGaのいずれか一方あるい
は、双方で置換した例を示す。金属元素(M)としてS
r、賦活剤としてEu、さらに共賦活剤としてDyを用
いて形成された蓄光性蛍光体であり、Sr1-x Al2-y
y 4-x :Eu,Dyで表される試料(1)、
(2)、およびSr1-x Al2-y Gay 4-x :Eu,
Dyで表される試料(3)、(4)を例として説明す
る。
【0204】ここでEuおよびDyは、Srに対して
0.01モル(1モル%)ずつ添加し、またX=0とし
た。さらに実験したときのAlとBおよびGaとの比に
ついては下記試料(1)〜(4)に示すものを使用し
た。 (1)x=0 y=0.2 Sr1.00Al1.80.24:Eu,Dy (2)x=0 y=0.6 Sr1.00Al1.40.64:Eu,Dy (3)x=0 y=0.2 Sr1.00Al1.8Ga0.24:Eu,Dy (4)x=0 y=0.6 Sr1.00Al1.4Ga0.64:Eu,Dy そしてこれらの試料(1)〜(4)を一旦残光がない状
態とした後に、D65、2001x、10minで照射
し、照射停止後5,10,20,30,60,120,
180,300分経過後のそれぞれの測定値を(cd/
2)で示したものが表29である。
【0205】
【表29】
【0206】この表から、Sr1.0 Al2.0 4.0 :E
u,Dyと比較して、Alに代えてB、Gaを置換する
ことによって、輝度の低下を招くものの、従来の硫化物
系蛍光体に比べれば輝度、残光特性の面で優れており、
これらのものを混合しても何ら差し支えないと考えられ
る。
【0207】なお、以上の実施例において、金属元素
(M)としての、カルシウム、バリウムを用いた場合、
賦活剤としてのユウロピウム、共賦活剤としてのジスプ
ロシウムの比率を変化させても、同一の傾向にあること
が出願人によって確認されている。
【0208】またさらに、金属元素(M)としての、ス
トロンチウム、カルシウム、バリウムにマグネシウムを
添加した場合であっても、M1-x Al2 4-x で表され
る組成の化合物に関して、−0.33<X≦0.60の
範囲でXを設定すると、十分実用的な残光輝度を示すこ
とが確認された。
【0209】さらに、共賦活剤として、前記したジスプ
ロシウムの他にも、ランタン、セリウム、プラセオジ
ム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビウ
ム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウ
ム、ルテチウム、マンガン、スズ、ビスマスからなる群
の少なくとも1つ以上の元素を、Mで表わす金属元素に
対するモル%で0.002%以上20%以下添加した場
合にあっては、M1-x Al 2 4-x で表される組成の化
合物に関して、−0.33<X≦0.60の範囲でXを
設定すると、十分実用的な残光輝度を示すことが確認さ
れた。
【0210】次に上記のように製造された長残光型の蓄
光性蛍光体を、太陽電池時計用文字板上に設けた場合の
光透過率について説明する。なお、光透過率は、一般に
太陽電池時計用文字板を透過した光により太陽電池が発
電した発電量により求められる。すなわち、外光が入ら
ないようにした装置内で、光源から一定の距離に置かれ
た太陽電池に光を当て、光エネルギーから電気エネルギ
ーに変換したときの電流値をAoとし、前記太陽電池の
上に太陽電池時計用文字板を載せ、上記と同様にして測
定した電流値をAlとしてAlをAoに対する百分率と
して表される。
【0211】ソーラー時計用表示板構造Aにおける光透
過率は、50%以上であれば、例えばソーラー時計用表
示板構造Aを腕時計に使用しようとも、ソーラーセル1
1の発電に何ら支障が無いことが確認されている。光透
過率が50%以上であるソーラー時計用表示板構造Aを
搭載した腕時計は、これを手首に装着して携帯している
間において、ソーラーセル11の発電がなくなることに
よって時計の機能が止まってしまうことはない。
【0212】前述の実施例9で得られた蓄光性蛍光体の
うち、試料2−(1)(SrAl24 :Eu、Dy)
を、前述の実施例1で示したソーラー時計用表示板構造
Aにおける残光型の蛍光体層13として使用し、光透過
率を測定した。すなわち、ポリカーボネイト、あるいは
アクリル樹脂より成る光透過性の表示板基板(厚さ4.
3mm)上に、試料2−(1)(SrAl2 4 :E
u、Dy)を、厚さ約100μm(70〜120μm)
となるように設け、この上に樹脂薄膜層(厚さ5〜10
μm)を設けてなるソーラー時計用表示板の光透過率
は、59.7%であった。
【0213】同様に、試料2−(1)(SrAl
2 4 :Eu、Dy)を、前述の実施例5、6および7
で示したソーラー時計用表示板構造Aに使用し、各々の
ソーラー時計用表示板構造Aの光透過率を測定した。そ
の結果を、表30に示す。
【0214】
【表30】
【0215】また、他の蛍光体として、前述の表26に
おける試料(6)(Sr0.67Al23.67:Eu、D
y)を前述の実施例5、6および7で示したソーラー時
計用表示板構造Aに使用し、各々のソーラー時計用表示
板構造Aの光透過率を測定した。その結果を、表31に
示す。
【0216】なお、試料(6)(Sr0.67Al
2 3.67:Eu、Dy)に代えて、前述の表26におけ
る試料(7)(Sr0.50Al2 3.50:Eu、Dy)を
用いても、ほぼ同様の光透過率が得られた。
【0217】
【表31】
【0218】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係るソー
ラー時計用表示板構造にあっては、茶褐色または暗青色
のソーラーセル及び絶縁帯の十字線が透けて見えなくな
り、色調を含めたデザインバリエーションが大幅に拡大
されるばかりか、外観品質がよくなり商品価値が向上す
る。また、明るい環境下でソーラー時計の発電に寄与し
た光は、残光型の蛍光体層を励起させているため、夜間
等の暗い環境下では残光型の蛍光体層が、その残光特性
によって発光し続けてソーラー時計用表示板の表側を照
明する。よって、夜間等の暗い環境での時刻を確認する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例1)を備えた腕時計の縦断面図である。
【図2】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例1)の構成説明図である。
【図3】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例2)の構成説明図である。
【図4】図3のイ部の拡大図である。
【図5】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例3)の一部の構成説明図である。
【図6】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例4)の構成説明図である。
【図7】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例5)の構成説明図である。
【図8】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例6)の構成説明図である。
【図9】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造(実
施例7)の構成説明図である。
【図10】図9のホ部を拡大し且つ一部省略した斜視図
である。
【図11】本発明に係わるソーラー時計用表示板構造
(実施例7)を備えた腕時計の平面図である。
【図12】従来のソーラー時計用表示板構造を備えた腕
時計の平面図である。
【図13】従来のソーラー時計用表示板構造の構成説明
図である。
【図14】SrAl24:Eu蛍光体の結晶構造をXR
Dにより解析した結果を示したグラフである。
【図15】SrAl24:Eu蛍光体の励起スペクトル
と刺激停止後30分を経過した後の発光スペクトルとを
示したグラフである。
【図16】SrAl24:Eu蛍光体の残光特性をZ
n:S蛍光体の残光特性と比較した結果を示したグラフ
である。
【図17】SrAl24:Eu蛍光体の熱発光特性を示
したグラフである。
【図18】SrAl24:Eu,Dy蛍光体の残光特性
をZn:S蛍光体の残光特性と比較した結果を示したグ
ラフである。
【図19】SrAl24:Eu,Dy蛍光体の熱発光特
性を示したグラフである。
【図20】SrAl24:Eu,Nd蛍光体の熱発光特
性を示したグラフである。
【図21】CaAl24:Eu系蛍光体の結晶構造をX
RDにより解析した結果を示したグラフである。
【図22】CaAl24:Eu系蛍光体のうち共賦活剤
としてネオジムあるいはサマリウムを用いた蛍光体の熱
発光特性を示したグラフである。
【図23】CaAl24:Eu系蛍光体のうち共賦活剤
としてジスプロシウムあるいはツリウムを用いた蛍光体
の熱発光特性を示したグラフである。
【図24】CaAl24:Eu系蛍光体の刺激停止後5
分を経過した後の発光スペクトルを示したグラフであ
る。
【図25】CaAl24:Eu,Sm蛍光体及びCaA
24:Eu,Nd蛍光体の残光特性をZn:S蛍光体
の残光特性と比較した結果を示したグラフである。
【図26】BaAl24:Eu,Nd蛍光体の励起スペ
クトルと刺激停止後30分を経過した後の発光スペクト
ルとを示したグラフである。
【図27】BaAl24:Eu,Sm蛍光体の励起スペ
クトルと刺激停止後30分を経過した後の発光スペクト
ルとを示したグラフである。
【図28】Sr0.5Ca0.5Al24:Eu,Dy蛍光体
の発光スペクトルを示したグラフである。
【図29】SrxCa1-xAl24:Eu,Dy蛍光体の
残光特性をZn:S蛍光体及びCaSrS:Bi蛍光体
の残光特性と比較したグラフである。
【図30】SrxBa1-xAl24:Eu,Dy蛍光体の
残光特性をZn:S蛍光体の残光特性と比較したグラフ
である。
【図31】SrxMg1-xAl24:Eu,Dy蛍光体の
残光特性をZn:S蛍光体の残光特性と比較したグラフ
である。
【符号の説明】
4 モジュール 11 ソーラーセル 12 表示板基板 13 残光型の蛍光体層 14 樹脂薄膜層 15 時字
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村 山 義 彦 東京都東村山市萩山町2−8−8 (72)発明者 竹 内 信 義 神奈川県平塚市四之宮400−3 (72)発明者 青 木 康 充 神奈川県平塚市新町4−1 (72)発明者 松 沢 隆 嗣 埼玉県川口市東川口6−13−27

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ソーラーセルの表側に設けられたソーラ
    ー時計用表示板構造であって、光が透過する表示板基板
    と、該表示板基板に設けられた長残光型の蓄光性蛍光体
    層とを備え、かつ前記長残光型の蓄光性蛍光体層が、M
    1-x Al2 4-x (式中Mは、カルシウム、ストロンチ
    ウム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ
    以上の金属元素であり、かつxが、−0.33≦x≦
    0.60の範囲にある)で表される化合物を母結晶とす
    る長残光型の蓄光性蛍光体よりなることを特徴とするソ
    ーラー時計用表示板構造。
  2. 【請求項2】 ソーラーセルの表側に設けられたソーラ
    ー時計用表示板構造であって、光が透過する表示板基板
    の一面にプリズム層を設けると共に、前記表示板基板の
    他の面に長残光型の蓄光性蛍光体層を設けたことを特徴
    とするソーラー時計用表示板構造。
  3. 【請求項3】 前記長残光型の蓄光性蛍光体層の一部を
    厚くした肉厚部によって、表示部、マーク、模様の少な
    くとも1つを形成したことを特徴とする請求項1または
    2記載のソーラー時計用表示板構造。
  4. 【請求項4】 前記長残光型の蓄光性蛍光体層が、その
    表面に樹脂薄膜層を有することを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のソーラー時計用表示板構造。
  5. 【請求項5】 前記表示板基板が、前記長残光型の蓄光
    性蛍光体層の色調と異なる色調を有することを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載のソーラー時計用表示
    板構造。
  6. 【請求項6】 前記表示板基板が、光拡散層、光透過型
    の反射層の少なくとも一つを有することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載のソーラー時計用表示板構
    造。
  7. 【請求項7】 前記長残光型の蓄光性蛍光体が、M1-x
    Al2 4-x (式中Mは、カルシウム、ストロンチウ
    ム、バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1つ以
    上の金属元素とマグネシウムとの組合せである)で表さ
    れる化合物を母結晶とし、かつxが、−0.33≦x≦
    0.60の範囲であることを特徴とする請求項1に記載
    のソーラー時計用表示板構造。
  8. 【請求項8】 前記長残光型の蓄光性蛍光体が、賦活剤
    としてユウロピウムを、Mで表される金属元素に対する
    モル%で0.002%以上20%以下の量で含んでいる
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のソー
    ラー時計用表示板構造。
  9. 【請求項9】 前記長残光型の蓄光性蛍光体が、賦活剤
    に加えて、共賦活剤としてランタン、セリウム、プラセ
    オジム、ネオジム、サマリウム、ガドリニウム、テルビ
    ウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリ
    ウム、イッテルビウム、ルテチウム、マンガン、スズ、
    ビスマスからなる群から選ばれる少なくとも1つ以上の
    元素を、Mで表される金属元素に対するモル%で0.0
    02%以上20%以下の量で含んでいることを特徴とす
    る請求項8に記載のソーラー時計用表示板構造。
  10. 【請求項10】 前記長残光型の蓄光性蛍光体が、Al
    の一部または全部をBまたはGaのいずれか一方または
    双方で置換されていることを特徴とする請求項7〜9の
    いずれかに記載のソーラー時計用表示板構造。
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CN105934022A (zh) * 2014-08-02 2016-09-07 浙江明辉发光科技有限公司 一种太阳能长余辉发光系统及其激发方法

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