JPH09118823A - ポリイミド系複合材料 - Google Patents

ポリイミド系複合材料

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JPH09118823A
JPH09118823A JP26317496A JP26317496A JPH09118823A JP H09118823 A JPH09118823 A JP H09118823A JP 26317496 A JP26317496 A JP 26317496A JP 26317496 A JP26317496 A JP 26317496A JP H09118823 A JPH09118823 A JP H09118823A
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JP
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polyimide
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bis
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JP26317496A
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English (en)
Inventor
Tomohito Koba
友人 木場
Toshiyuki Nakakura
敏行 中倉
Hideo Sakai
英男 坂井
Masahiro Ota
正博 太田
Misao Masuda
操 益田
Satoshi Kishi
智 岸
Chiaki Maruko
千明 丸子
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、機械強度に優れ、かつ成
形加工性に優れたポリイミド系複合材料を提供すること
である。 【解決手段】 下記式(1) 【化1】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされるジアミ
ンを用い、下記式(II) 【化2】 (式中、Rは4価の基を表わす。)で表わされるテトラ
カルボン酸二無水物を、下記式(III) 【化3】 (式中、Zは2価の基を表わす。)で表わされるジカル
ボン酸無水物の存在下に反応させて得られるポリイミド
と繊維状補強材とからなるポリイミド系複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐薬品性、
機械強度に優れ、かつ成形加工性に優れたポリイミド系
複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリイミドと繊維状補強材より
なる複合材料を用いて成形した成形品は、その力学的強
度、特に高温時での強度保持率に優れ、かつ耐溶剤性、
寸法安定性に優れる為、宇宙航空機などの構造材料とし
て注目されている。然しながら、ポリイミドは一般的に
溶融粘度が高い為に、ポリイミドをマトリックスとする
複合材料は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レートなどのエンジニアリングプラスチックをマトリッ
クスとする複合材料に比較して成形加工条件が厳しく、
問題があった。溶融粘度が低く加工性に優れている特殊
なポリイミドも知られているが、それらは熱変形温度が
低く、しかもハロゲン化炭化水素などの溶剤に可溶であ
る為、これらの樹脂をマトリックスとする複合材料で
は、耐熱性、耐薬品性に問題があった。
【0003】一方本発明者の一人は機械的性質、熱的性
質、電気的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性を有
するポリイミドとして下記式(IV)
【化5】 (式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
基、チオ基またはスルホニル基から成る群より選ばれた
基を表わし、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に
水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素または
臭素からなる群より選ばれた基を表わし、またRは炭素
数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、
縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群よ
り選ばれた4価の基を表わす。)で表わされる繰り返し
単位を有するポリイミドを見出した。(特開昭61-14347
8 、62-68817、62-86021、特願昭61-076475 、61-27420
6 など) 。上記のポリイミドは、多くの良好な物性を有
する新規な耐熱性樹脂である。
【0004】しかしながら、上記ポリイミドは優れた高
温流動性を示し、加工性の良好なポリイミドではあるけ
れども、長時間高温に保たれると、徐々に溶融樹脂の流
動性が低下する。この為、このポリイミドと繊維状補強
材より複合材料を製造する場合、連続して長時間運転す
ると時間の経過とともにポリイミドの流動性が低下し、
場合によっては運転の継続が不可能となるという問題が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記ポ
リイミドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性な
どの諸特性を損うことなく、長時間にわたって安定して
運転することの可能なポリイミド系複合材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記問題点を
解決するために鋭意研究を行って本発明を完成した。す
なわち、本発明は、ジアミンとテトラカルボン酸二無水
物とを反応させて得られるポリアミド酸を熱的または化
学的にイミド化させて製造されるポリイミドと、繊維状
補強材とからなるポリイミド系複合材料において、該ポ
リイミドが、(イ)ジアミンとして下記式(I)
【化6】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされるジアミ
ンを用い、
【0007】(ロ)テトラカルボン酸二無水物として下
記式(II)
【化7】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基から成る群より選ばれた4価の基を表わす。)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物を用い、
【0008】(ハ)反応が下記式(III)
【化8】 (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
わす。)で表わされるジカルボン酸無水物の存在のもと
に行われ、
【0009】(ニ)かつテトラカルボン酸二無水物はジ
アミン1モル当り0.9 ないし1.0 モル比の量を、ジカル
ボン酸無水物はジアミン1モル当り0.001 ないし1.0 モ
ル比の量を用い、製造される下記式(IV)
【化9】 (式中、X、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 およびRは前記に
同じ。)で表わされる繰り返し単位を基本骨格として有
するポリイミドである、ポリイミド系複合材料である。
【0010】本発明で使用されるポリイミドの製造に用
いられる式(I)で表わされるジアミンとしては、ビス
〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕メタン、1,1-ビ
ス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕エタン、2,2-
ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕プロパン、
2-〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕-2- 〔4-(3-
アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル〕プロパン、2,2-
ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル〕プ
ロパン、2-〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕-2-
〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフェニル〕プ
ロパン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメ
チルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェ
ノキシ) フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフ
ェノキシ) フェニル〕-1,1,1,3,3,3- ヘキサフルオロプ
ロパン、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕ケ
トン、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕スル
フィド、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3-メトキシフ
ェニル〕スルフィド、〔4-(3- アミノフェノキシ) フェ
ニル〕〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメトキシフェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) -
3,5- ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3-
アミノフェノキシ) フェニル〕スルホンなどが挙げら
れ、これらは単独あるいは2種以上混合して用いられ
る。
【0011】なお、本発明で使用されるポリイミドの良
好な物性を損わない範囲で、上記ジアミンの1部を他の
ジアミンで代替して用いることは何ら差し支えない。一
部代替して用いることのできるジアミンとしては、例え
ばm−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、
p−アミノベンジルアミン、ビス(3-アミノフェニル)
エーテル、(3-アミノフェニル)(4-アミノフェニル)
エーテル、ビス(4-アミノフェニル)エーテル、ビス
(3-アミノフェニル)スルフィド、(3-アミノフェニ
ル)(4-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-アミノ
フェニル)スルフィド、ビス(3-アミノフェニル)スル
ホキシド、(3-アミノフェニル)(4-アミノフェニル)
スルホキシド、ビス(4-アミノフェニル)スルホキシ
ド、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、(3-アミノフ
ェニル)(4-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミ
ノフェニル)スルホン、 3,3' −ジアミノベンゾフェノ
ン、 3,4' −ジアミノベンゾフェノン、 4,4' −ジアミ
ノベンゾフェノン、ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)フ
ェニル〕メタン、1,1-ビス〔4-(4-アミノフェノキシ)
フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(4- アミノフェノ
キシ) フェニル〕エタン、2,2-ビス〔4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオ
ロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビ
ス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0012】1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 4,4' −ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ) ビフェニル、 4,
4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-3-メチルビフェニ
ル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジメ
チルビフェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-
3,5-ジメチルビフェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェ
ノキシ)- 3,3' ,5,5' - テトラメチルビフェニル、 4,
4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジクロロビ
フェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジ
クロロビフェニル、 4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)
- 3,3' ,5,5' - テトラクロロビフェニル、 4,4'- ビス
(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジブロモビフェニル、
4,4' - ビス(3-アミノフェノキシ)-3,5-ジブロモビフ
ェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' ,
5,5' - テトラブロモビフェニル、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス〔4-
(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3-ビ
ス〔4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼンな
どが挙げられる。
【0013】また本発明で使用されるポリイミドの製造
に用いられる式(II)で表されるテトラカルボン酸二無
水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無
水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、1,1-ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) エタン二無
水物、ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) メタン二無水
物、ビス(3,4- ジカルボキシフェニル) メタン二無水
物、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル) プロパン二
無水物、2,2-ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) プロパ
ン二無水物、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,
1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス
(2,3- ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフル
オロプロパン二無水物、 3,3' ,4,4' - ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、 2,2' ,3,3' - ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、 3,3' ,4,4' - ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、 2,2' ,3,3' - ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) エーテル二無水物、ビス(2,3- ジカルボキ
シフェニル) エーテル二無水物、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) スルホン二無水物、 4,4' -(p-フェニレン
ジオキシ) ジフタル酸二無水物、 4,4' -(m-フェニレン
ジオキシ) ジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10- ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,
8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などであ
り、これらテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2
種以上混合して用いられる。
【0014】また本発明で使用されるポリイミドの製造
に用いられる式(III)で表されるジカルボン酸無水物と
しては、例えば、無水フタル酸、2,3-ベンゾフェノンジ
カルボン酸無水物、3,4-ベンゾフェノンジカルボン酸無
水物、2,3-ジカルボキシフェニル フェニル エーテル
無水物、3,4-ジカルボキシフェニル フェニル エーテ
ル無水物、2,3-ビフェニルジカルボン酸無水物、3,4-ビ
フェニルジカルボン酸無水物、2,3-ジカルボキシフェニ
ル フェニル スルホン無水物、3,4-ジカルボキシフェ
ニル フェニル スルホン無水物、2,3-ジカルボキシフ
ェニル フェニル スルフィド無水物、3,4-ジカルボキ
シフェニル フェニル スルフィド無水物、1,2-ナフタ
レンジカルボン酸無水物、2,3-ナフタレンジカルボン酸
無水物、1,8-ナフタレンジカルボン酸無水物、1,2-アン
トラセンジカルボン酸無水物、2,3-アントラセンジカル
ボン酸無水物、1,9-アントラセンジカルボン酸無水物な
どが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して
用いられる。
【0015】本発明で使用されるポリイミドの製造にお
いて使用されるジアミン、テトラカルボン酸二無水物お
よびジカルボン酸無水物のモル比は、ジアミン1モル当
り、テトラカルボン酸二無水物は0.9 乃至1.0 モル、ジ
カルボン酸無水物は0.001 乃至1.0 モルである。ポリイ
ミドの製造に当たって、生成ポリイミドの分子量を調節
するために、ジアミンとテトラカルボン酸二無水物の量
比を調節することは通常行われている。本発明の方法に
於いては、溶融流動性の良好なポリイミドを得るために
はジアミンに対するテトラカルボン酸二無水物のモル比
は0.9 乃至1.0 を使用する。また共存させるジカルボン
酸無水物はジアミンに対して0.001 乃至1.0 モル比の量
が使用される。もし0.001 モル比未満であれば、本発明
の目的とする高温時の熱安定性が得られない。また1.0
モル比を越えると機械的特性が低下する。好ましい使用
量は0.01乃至0.5 モル比である。
【0016】本発明の方法では反応は有機溶媒中で行わ
れる。この反応に用いる有機溶媒としては、例えばN,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,
N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセト
アミド、N-メチル−2-ピロリドン、1,3-ジメチル−2-イ
ミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、1,2-ジメト
キシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-
ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス{2-(2-メト
キシエトキシ)エチル}エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピリジン、ピコ
リン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テト
ラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノー
ル、m-クレゾール、p-クレゾール、p-クロロフェノー
ル、アニソールなどが挙げられる。また、これらの有機
溶剤は単独でも或いは2種以上混合して用いても差し支
えない。
【0017】本発明の方法で使用するポリイミドの製造
に於て、有機溶媒に、出発原料のジアミン、テトラカル
ボン酸二無水物、ジカルボン酸無水物を添加、反応させ
る方法としては、(イ)ジアミンとテトラカルボン酸二
無水物を反応させた後に、ジカルボン酸無水物を添加し
て反応を続ける方法、(ロ)ジアミンにジカルボン酸無
水物を加えて反応させた後、テトラカルボン酸二無水物
を添加し、さらに反応を続ける方法、(ハ)ジアミン、
テトラカルボン酸二無水物、ジカルボン酸無水物を同時
に添加、反応させる方法など、いずれの添加、反応をと
っても差し支えない。反応温度は0℃乃至250 ℃で行わ
れる。通常は60℃以下の温度で行われる。反応圧力は特
に限定されず、常圧で十分実施できる。反応時間は、使
用するジアミン、テトラカルボン酸二無水物、ジカルボ
ン酸無水物、溶剤の種類および反応温度により異なる
が、通常4〜24時間で十分である。
【0018】このような反応により、下記式(V)の繰
り返し単位を基本骨格として有するポリアミド酸が生成
される。
【化10】 (式中、X,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 およびRは前記に
同じ) このポリアミド酸を100 〜400 ℃に加熱脱水するか、ま
たは通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチルアミ
ンと無水酢酸などを用いて化学イミド化することにより
下記式(IV)の繰り返し単位を基本骨格として有する対
応するポリイミドが得られる。
【化11】 (式中、X,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 およびRは前記に
同じ。)
【0019】一般的には低い温度でポリアミド酸を生成
させた後に、さらにこれを熱的または化学的にイミド化
することが行われる。しかし60℃乃至250 ℃の温度で、
このポリアミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行っ
てポリイミドを得ることもできる。すなわち、ジアミ
ン、テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジカルボン酸無
水物を有機溶媒中に懸濁または溶解させた後加熱下に反
応を行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時
に行わせて上記式(IV)の繰り返し単位を基本骨格とし
て有するポリイミドを得ることもできる。
【0020】本発明のポリイミドを複合材料に供する場
合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、変性ポリフェニレンオキシドなどを目的に応
じて適当量を配合することも可能である。またさらに通
常の樹脂組成物に使用する次のような充填剤などを、発
明の目的を損なわない程度で用いてもよい。すなわちグ
ラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブ
デン、フッ素樹脂などの耐摩耗性向上材、三酸化アンチ
モン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの難燃性
向上剤、クレー、マイカなどの電気的特性向上材、シリ
カ、グラファイトなどの耐トラッキング向上剤、硫酸バ
リウム、シリカ、メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向
上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱伝
導度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、
ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金
属酸化物、着色料などである。
【0021】本発明で用いる繊維状補強材とは、例えば
ガラス繊維のヤーン、ロービング、炭素繊維のトウとい
った一方向長繊維、及びそれらの織布、マット、フェル
トなどの多方向連続繊維などを意味する。これら繊維状
補強材としてはE−ガラス,S−ガラス,T−ガラス,
C−ガラス,AR−ガラスなどのガラス繊維、ポリアク
リロニトリル系,ピッチ系,レーヨン系などの炭素繊
維、デュポン社のケブラーに代表される芳香族ポリアミ
ド繊維、日本カーボン社のニカロンなどの炭化ケイ素繊
維、ステンレス繊維などの金属繊維、その他アルミナ繊
維、ボロン繊維などが挙げられる。これ等繊維状補強材
は単独あるいは組合せて用いられる。繊維状補強材の選
択に当たっては繊維の持つ強度、弾性率、破断伸度とい
った機械的特性、電気的特性、比重などを基に、複合材
料の要求特性に合せて選択すべきである。例えば比強
度、比弾性率への要求値が高い場合は炭素繊維、ガラス
繊維などを選択すべきであり、又電磁波シールド特性が
要求される場合は炭素繊維、金属繊維などが好ましい。
また電気絶縁特性が要求される場合はガラス繊維などが
好適である。
【0022】繊維状補強材の繊維径、収束本数について
は用いる繊維状補強材の種類によって異なるが、例えば
炭素繊維の場合、繊維径は4〜8μm、収束本数は 1,0
00〜12,000本が一般的である。繊維径は得られる複合材
料の機械特性の面からは細い方が好ましい。また繊維状
補強材を表面処理することはポリイミドとの密着性向上
の面から好ましく、例えばガラス繊維の場合シラン系、
チタネート系カップリング剤で処理することは特に好ま
しい。これらの繊維状補強材の使用量は複合材料中の容
積含有率として5〜85%、好ましくは30〜70%である。
繊維状補強材の容積含有率が低いと補強材の効果が期待
できず、逆に高いと得られる複合材料の層間強度が著し
く低下し好ましくない。
【0023】ポリイミドと繊維状補強材よりポリイミド
系複合材料を製造するには通常公知の方法は全て利用で
きる。例えばポリイミドを溶融状態で繊維状補強材に含
浸させる溶融含浸法、粉末状のポリイミドを空気中に浮
遊、または水などの液体中に懸濁させた状態で含浸させ
る流動床法が挙げられる。流動床法の場合含浸後必要に
より乾燥した後、繊維状補強材中のポリイミドを加熱溶
融することは一体化したポリイミド系複合材料を得る為
に特に有効である。また含浸時の粒径は細かい方が望ま
しく、使用する繊維フィラメント径以下が好ましい。さ
らにまた、ポリイミド粉または当該ポリイミドのフィル
ムを繊維状補強材の片面または両面に置き熱圧させる方
法も用いられる。この際繊維状補強材が織布の場合、所
望する成形品厚みに必要な枚数の織布とポリイミド粉ま
たはポリイミドフィルムを交互に積層し熱圧することに
より、含浸と成形とを同時に行い、樹脂分布の均一な成
形品を得ることができる。
【0024】また溶融含浸法として、特開昭61-229534,
229535, 229536 及び特願昭62-216253 に代表的に示さ
れているように、溶融樹脂を表面に有する加熱ロールま
たは加熱ベルトに繊維状補強材を接触させて含浸させる
方法なども挙げられる。即ち、この方法では複数のボビ
ンより引き出した一方向長繊維、例えばトウを引揃えた
繊維シートまたは多方向連続繊維を張力調整ロールにて
引取方向に一定の張力をかける。一方、ポリイミドは押
出機で加熱溶融させ、ダイから所定の温度に昇温した加
熱ロール表面上の下ベルトに塗布する。ついで前述の繊
維シートまたは多方向連続繊維を上下一対のベルトには
さまれた状態で1本または複数の加熱ロール群の間を通
過させて含浸させる。この連続溶融含浸法は特に好まし
い方法である。以上のようにして得た複合材料は積層
し、加熱圧縮により、所望する形状の成形物を製造する
ことができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例および比較例
により具体的に説明する。
【0026】参考例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に、 4,4′−ビス(3-アミノフェノキシ) ビフェニ
ル368 g(1.0 モル)と、N,N-ジメチルアセトアミド5,
215 gを装入し、室温で窒素雰囲気下に、無水ピロメリ
ット酸211.46g(0.97 モル)を溶液温度の上昇に注意し
ながら分割して加え、室温で約20時間かきまぜた。この
ポリアミド酸溶液に、室温で窒素雰囲気下に無水フタル
酸22.2g(0.15 モル) を加え、さらに1時間かきまぜ
た。次いで、この溶液に404 g(4モル)のトリエチル
アミンおよび306 g(3モル)の無水酢酸を滴下した。
滴下終了後約1時間で黄色のポリイミド粉が析出し始め
た。さらに室温で10時間かきまぜて、ろ過した。さらに
メタノールに分散洗浄し、ろ別、180 ℃で2時間乾燥し
て、536 gのポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
ガラス転移温度は256 ℃、融点は378 ℃(DSCによる。以
下同じ。) であった。又、このポリイミド粉の対数粘度
は0.53dl/gであった。こゝに対数粘度はパラクロロフ
ェノール:フェノール(重量比90:10)の混合溶媒を用
い、濃度0.5 g/100ml溶媒で、35℃で測定した値であ
る。このポリイミドと炭素繊維から次のようにして複合
材料を製造した。製造に使用した装置の概略を図2に示
す。100 本のボビン1から引き出された炭素繊維(ベス
ファイト HTA-7-3K ; 東邦レーヨン社商標) のトウ2 1
00本を整列器3で一方向に整列させた後、張力調整ロー
ル4,5,6を通過させて 150mm幅の繊維シート7とし
た。一方押出機(図示せず)で 420℃に加熱溶融したポ
リイミドをダイ8を経由して、下ベルト用ロール9(こ
ゝでは3本)で 420℃に加熱された下ベルト10の表面に
70μmの厚みで塗布した。ついで前記シートを、下ベル
トと、上ベルト用ロール11(こゝでは3本)で 420℃に
加熱された上ベルト12にはさんだ状態で、420 ℃に加熱
された径240 mmの含浸ロール13(こゝでは3本)の間
を、150 kgの張力をかけながら20cm/分の速度で通過さ
せた。この様にしてポリイミドを含浸させたポリイミド
・炭素繊維複合材14は冷却した後引取用ロール15,16,
17を経て巻取軸18に巻き取った。上記運転を5時間連続
して行ったが樹脂の流動性に変化はなく、また繊維破断
もなく順調に引き取ることができた。得られた複合材料
は幅 150mm、厚み0.13mmのものであった。ついで上記ポ
リイミド系複合材料を20枚一方向に積層し、400 ℃、50
kg/cm2の条件で20分間熱プレスして 200×200 mm、厚
み 2.5mmの平板を得た。得られた平板の繊維状補強材容
積百分率(以下Vf と記す)、ボイド率、曲げ強度、曲
げ弾性率を測定した所、Vf 60%、ボイド率 1%以下、
曲げ強度 195kg/mm2 、曲げ弾性率 12,500 kg/mm2
良好な結果を得た。尚、Vf 、ボイド率は平板の比重及
び繊維状補強材重量百分率から求めた値であり、曲げ強
度および曲げ弾性率は JIS K 7203 に拠る値である。
【0027】比較参考例1 参考例1と同様にして、但し無水フタル酸を反応させる
という操作を行わずに529gのポリイミド粉を得た。得
られたポリイミド粉の対数粘度は0.52dl/g であった。
この様にして得たポリイミドを用い、参考例1と同様に
してポリイミド系複合材料を得ようと試みたが運転開始
後約30分でポリイミドがゲル化し、繊維の上下ベルトか
らの離脱が困難となり、ついには運転不能となった。
尚、一部得られた複合材料を参考例1と同様に成形し、
物性評価したが、Vf 60%、ボイド率 6.5%、曲げ強度
98kg/mm2 、曲げ弾性率 6,500kg/mm2 とポリイミドの
流動性が著しく低下し脱泡不十分な為、極端に低い強
度、弾性率となった。
【0028】参考例2 参考例1、比較参考例1で得られたポリイミド粉を用
い、高化式フローテスター(島津製作所製、CFT-500 )
で、直径 0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて溶融粘
度の繰り返し測定を行った。即ち予熱時間5分、 420
℃、 100kg/cm2 の圧力で押出したストランドを再度粉
砕し、更に同一条件で押出すというテストを5回連続し
て行った。繰り返し回数と溶融粘度の関係を図1に示
す。参考例1で得られたポリイミドは繰り返し回数が増
えても溶融粘度が変化せず熱安定性が良好なのに対し、
比較参考例1で得られたポリイミドは繰り返し回数、す
なわち加熱時間とともに溶融粘度が大幅に増加し高温で
の流動性が失われることが分る。
【0029】参考例3〜6 繊維状補強材の種類およびベルトへのポリイミド塗布厚
を表に示す様に変えた以外は参考例1と全く同様に操作
してポリイミド系複合材料を得た。ついで得られた複合
材料を一方向に、表に示した枚数積層し、参考例1と同
様に操作して平板を得た。得られた平板の物性を表1に
示す。
【0030】参考例7〜8 繊維状補強材の種類、ベルトへのポリイミド塗布厚を表
1に示す様に、又張力を30kgに変えた以外は参考例1と
全く同様に操作してポリイミド系複合材料を得た。つい
で得られた複合材料を表に示す枚数積層後参考例1と同
様に操作して平板を得た。得られた平板の物性を表1に
示す。
【0031】参考例9 厚さ50μmの耐熱性離型フィルムの上に厚み1.0 mm、内
寸30cm×30cmのアルミ製額縁状枠を置き、参考例1で得
たポリイミド粉5gを上記フィルム上の枠内に均一に分
散させた。ついで枠を除去した後30cm×30cmの炭素繊維
織布(ベスファイトW-3101; 東邦レーヨン社商標)を前
記ポリイミド粉上に置き、さらにポリイミド粉5gを前
記織布上に均一に分散させた。ついで市販の耐熱性離型
フィルムを載せた後、400 ℃の下金型上に移し、金型を
閉じて 400℃、70kg/cm2 の条件で10分間加熱、圧縮し
た。ついで金型を加圧状態で 250℃まで冷却後金型を開
いて内容物を取り出し耐熱性フィルムを剥して複合材料
を得た。この様にして得た複合材料はついで6分割し積
層後参考例1と同様の条件で成形し、平板を得た。得ら
れた平板のVf 、曲げ強度、曲げ弾性率は各々 60 %、
83kg/mm2 、6,500kg/mm2 であった。
【0032】
【表1】
【0033】参考例10 参考例1におけるピロメリット酸二無水物 211.46gを
3,3' ,4,4' −ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物 315g(0.98モル) に、又 N,N- ジメチルアセトアミ
ド 5,215gを 6,210gに変えた以外は全て参考例1と同
様にしてポリイミド粉617gを得た。このポリイミドの対
数粘度は0.53dl/g であった。この様にして得たポリイ
ミドを用い、含浸温度を 400℃に変えた以外は参考例1
と同様に処理して複合材料を得た。運転は5時間連続し
て行ったが樹脂は何ら変化なく順調に運転できた。つい
で成形温度を 380℃に変えた以外は参考例1と同様に熱
プレスして平板を得た。得られた平板の曲げ強度、曲げ
弾性率は各々 190kg/mm2 、12,100kg/mm 2 であった。
【0034】比較参考例2 参考例10と同様にして、但し無水フタル酸を反応させ
るという操作を行わずに 608gのポリイミド粉を得た。
得られたポリイミド粉の対数粘度は0.53dl/gであっ
た。この様にして得たポリイミドを用い、参考例10と
同様にしてポリイミド系複合材料を得ようと試みたが運
転開始後約20分でポリイミドがゲル化し、繊維の上下ベ
ルトからの離脱が困難となり、ついには運転不能となっ
た。尚、一部得られた複合材料を参考例10と同様に成
形し、物性評価したが、Vf 59%、ボイド率6.8%、曲
げ強度95kg/mm2 、曲げ弾性率 5,800kg/mm2 とポリイ
ミドの流動性が著しく低下し脱泡不十分な為、極端に低
い強度、弾性率となった。
【0035】実施例1 参考例1と同様の装置に、ビス〔4-(3- アミノフェノキ
シ) フェニル〕スルフィド400 g(1.0 モル)とジメチ
ルアセトアミド5,580 gを装入し、室温で窒素雰囲気
下、8.88g(0.06モル)の無水フタル酸と、211 g(0.
97モル) のピロメリット酸二無水物を溶液温度の上昇に
注意しながら加え、室温で約20時間かきまぜた。次に、
この溶液に404 g(4モル)のトリエチルアミンおよび
306 g(3モル)の無水酢酸を滴下した。20時間かきま
ぜて淡黄色のスラリーを得た。このスラリーをろ過し、
メタノールで洗浄、180 ℃で8時間減圧乾燥して、580
gの淡黄色ポリイミド粉を得た。このポリイミド粉のガ
ラス転移温度は235 ℃、対数粘度は0.49dl/gであっ
た。この様にして得られたポリイミドを用い、含浸温度
を 340℃に変えた以外は参考例1と同様に操作して複合
材料を得た。運転は5時間連続して行ったが樹脂は何ら
変化なく順調に運転できた。ついで成形温度を 320℃に
変えた以外は参考例1と同様に熱プレスして平板を得
た。得られた平板の曲げ強度、曲げ弾性率は各々 182kg
/mm2 、11,300kg/mm2 であった。
【0036】比較例1 実施例1と同様にして、但し無水フタル酸を反応させる
という操作を行わずに571gのポリイミド粉を得た。得
られたポリイミド粉の対数粘度は0.49dl/g であった。
この様にして得たポリイミドを用い、実施例1と同様に
してポリイミド系複合材料を得ようと試みたが運転開始
後約35分でポリイミドがゲル化し、繊維の上下ベルトか
らの離脱が困難となり、ついには運転不能となった。
尚、一部得られた複合材料を実施例1と同様に成形し、
物性評価したが、Vf 60%、ボイド率 4.9%、曲げ強度
98kg/mm2 、曲げ弾性率 6,700kg/mm2 とポリイミドの
流動性が著しく低下し脱泡不十分な為、極端に低い強
度、弾性率となった。
【0037】実施例2 参考例1と同様の装置に、ビス〔4-(3- アミノフェノキ
シ) フェニル〕ケトン396 g(1モル)、ビス(3,4- ジ
カルボキシフェニル) エーテル二無水物300.7g(0.97
モル)、無水フタル酸8.88g(0.06モル)および4,000
gのm-クレゾールを装入し、窒素雰囲気下に、かきまぜ
ながら加熱昇温した。120 ℃付近で褐色透明の均一溶液
となった。150 ℃まで加熱し、かきまぜを続けると、約
20分で黄色ポリイミド粉が析出し始めた。さらに加熱下
で2時間かきまぜを続けた後、ろ過してポリイミド粉を
得た。このポリイミド粉をメタノールおよびアセトンで
洗浄した後180 ℃で8時間減圧乾燥して、662 gのポリ
イミド粉を得た。このポリイミド粉の対数粘度は0.51dl
/g、ガラス転移温度は201 ℃であった。この様にして
得られたポリイミドを用い含浸温度を 320℃に変えた以
外は参考例1と同様に操作して複合材料を得た。運転は
5時間連続して行ったが、樹脂は何ら変化なく順調に運
転できた。ついで成形温度を 300℃に変えた以外は参考
例1と同様に熱プレスして平板を得た。得られた平板の
曲げ強度、曲げ弾性率は各々 179kg/mm2 、10,900kg/
mm2 であった。
【0038】
【発明の効果】本発明の方法によればポリイミドが本来
有する優れた特性に加え、著るしく成形加工性の良好な
新規なポリイミド系複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1および比較参考例1で得られたポリイ
ミドの熱安定性を示す図である。
【図2】ポリイミド系複合体を製造する装置の1例を示
す。
【符号の説明】
1・・・・・・・・ボビン 3・・・・・・・・整列器 7・・・・・・・・繊維シート 8・・・・・・・・ダイ 9・・・・・・・・下ベルト用ロール 10・・・・・・・・下ベルト 11・・・・・・・・上ベルト用ロール 12・・・・・・・・上ベルト 13・・・・・・・・含浸ロール 18・・・・・・・・巻取軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 操 神奈川県藤沢市高倉557 (72)発明者 岸 智 神奈川県横須賀市衣笠栄町1−54 (72)発明者 丸子 千明 神奈川県鎌倉市大船3−11−4

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジアミンとテトラカルボン酸二無水物と
    を反応させて得られるポリアミド酸を熱的または化学的
    にイミド化させて製造されるポリイミドと、繊維状補強
    材とからなるポリイミド系複合材料において、該ポリイ
    ミドが、(イ)ジアミンとして下記式(I) 【化1】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
    ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
    基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
    し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
    級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
    なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされるジアミ
    ンを用い、(ロ)テトラカルボン酸二無水物として下記
    式(II) 【化2】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
    単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
    または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
    族基から成る群より選ばれた4価の基を表わす。)で表
    わされるテトラカルボン酸二無水物を用い、(ハ)反応
    が下記式(III) 【化3】 (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた2価の基を表
    わす。)で表わされるジカルボン酸無水物の存在のもと
    に行われ、(ニ)かつテトラカルボン酸二無水物はジア
    ミン1モル当り0.9 ないし1.0 モル比の量を、ジカルボ
    ン酸無水物はジアミン1モル当り0.001 ないし1.0 モル
    比の量を用い、製造される下記式(IV) 【化4】 (式中、X,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 およびRは前記に
    同じ。)で表わされる繰り返し単位を基本骨格として有
    するポリイミドである、ポリイミド系複合材料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114213790A (zh) * 2021-12-31 2022-03-22 南京清研新材料研究院有限公司 一种光配向聚酰亚胺组合物及其制备工艺

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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