JPH09111119A - ポリイミド系複合材料 - Google Patents

ポリイミド系複合材料

Info

Publication number
JPH09111119A
JPH09111119A JP26317396A JP26317396A JPH09111119A JP H09111119 A JPH09111119 A JP H09111119A JP 26317396 A JP26317396 A JP 26317396A JP 26317396 A JP26317396 A JP 26317396A JP H09111119 A JPH09111119 A JP H09111119A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
polyimide
aromatic
bis
formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26317396A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomohito Koba
友人 木場
Toshiyuki Nakakura
敏行 中倉
Hideo Sakai
英男 坂井
Masahiro Ota
正博 太田
Misao Masuda
操 益田
Satoshi Kishi
智 岸
Chiaki Maruko
千明 丸子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP26317396A priority Critical patent/JPH09111119A/ja
Publication of JPH09111119A publication Critical patent/JPH09111119A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、耐薬品性、機械強度に優れ、かつ成
形加工性に優れたポリイミド系複合材料を提供すること
である。 【解決手段】 下記式(I) 【化1】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされる芳香族
ジアミン、下記式(II) 【化2】 (Rは4価の基を表わす。)で表わされるテトラカルボ
ン酸二無水物を、下記式(III) Z−NH2 (III) (式中、Zは1価の基を表わす。)で表わされる芳香族
モノアミンの存在下に反応させて得られるポリイミドと
繊維状補強材とからなるポリイミド系複合材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐薬品性、
機械強度に優れ、かつ成形加工性に優れたポリイミド系
複合材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からポリイミドと繊維状補強材より
なる複合材料を用いて成形した成形品は、その力学的強
度、特に高温時での強度保持率に優れ、かつ耐溶剤性、
寸法安定性に優れる為、宇宙航空機などの構造材料とし
て注目されている。然しながら、ポリイミドは一般的に
溶融粘度が高い為に、ポリイミドをマトリックスとする
複合材料は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタ
レートなどのエンジニアリングプラスチックをマトリッ
クスとする複合材料に比較して成形加工条件が厳しく、
問題があった。溶融粘度が低く加工性に優れている特殊
なポリイミドも知られているが、それらは熱変形温度が
低く、しかもハロゲン化炭化水素などの溶剤に可溶であ
る為、これらの樹脂をマトリックスとする複合材料で
は、耐熱性、耐薬品性に問題があった。
【0003】一方本発明者の一人は機械的性質、熱的性
質、電気的性質、耐溶剤性などに優れ、かつ耐熱性を有
するポリイミドとして下記式(IV)
【化4】 (式中、Xは直結、炭素数1乃至10の二価の炭化水素
基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル
基、チオ基またはスルホニル基から成る群より選ばれた
基を表わし、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に
水素、低級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素または
臭素からなる群より選ばれた基を表わし、またRは炭素
数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、単環式芳香族基、
縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接または架橋員によ
り相互に連結された非縮合多環式芳香族基から成る群よ
り選ばれた4価の基を表わす。)で表わされる繰り返し
単位を有するポリイミドを見出した。(特開昭61-14347
8 、62-68817、62-86021、特願昭61-076475 、61-27420
6 など) 。上記のポリイミドは、多くの良好な物性を有
する新規な耐熱性樹脂である。
【0004】しかしながら上記ポリイミドは優れた高温
流動性を示し、加工性の良好なポリイミドではあるけれ
ども、長時間高温に保たれると、徐々に溶融樹脂の流動
性が低下する。この為、このポリイミドと繊維状補強材
より複合材料を製造する場合、連続して長時間運転する
と時間の経過とともにポリイミドの流動性が低下し、場
合によっては運転の継続が不可能となるという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は前記ポ
リイミドが本来有する耐熱性、耐薬品性、寸法安定性な
どの諸特性を損うことなく、長時間にわたって安定して
運転することの可能なポリイミド系複合材料を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記問題点を
解決するために鋭意研究を行って本発明を完成した。す
なわち、本発明は、芳香族ジアミンとテトラカルボン酸
二無水物とを反応させて得られるポリアミド酸を熱的ま
たは化学的にイミド化させて製造されるポリイミドと、
繊維状補強材とからなるポリイミド系複合材料におい
て、該ポリイミドが、(イ)芳香族ジアミンとして下記
式(I)
【化5】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされる芳香族
ジアミンを用い、
【0007】(ロ)テトラカルボン酸二無水物として下
記式(II)
【化6】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
族基から成る群より選ばれた4価の基を表わす。)で表
わされるテトラカルボン酸二無水物を用い、
【0008】(ハ)反応が下記式(III) Z─NH2 (III) (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
合多環式芳香族基から成る群より選ばれた1価の基を表
わす。)で表わされる芳香族モノアミンの存在のもとに
行われ、
【0009】(ニ)かつ芳香族ジアミンはテトラカルボ
ン酸二無水物1モル当り0.9 ないし1.0 モル比の量を、
芳香族モノアミノはテトラカルボン酸二無水物1モル当
り0.001 ないし1.0 モル比の量を用い、製造される下記
式(IV)
【化7】 (式中、X、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 およびRは前記に
同じ。)で表わされる繰り返し単位を基本骨格として有
するポリイミドである、ポリイミド系複合材料である。
【0010】本発明で使用されるポリイミドの製造に用
いられる式(I)で表わされる芳香族ジアミンとして
は、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕メタ
ン、1,1-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕エ
タン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕
プロパン、2-〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕-2
-〔4-(3- アミノフェノキシ)-3-メチルフェニル〕プロ
パン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-3-メチルフ
ェニル〕プロパン、2-〔4-(3- アミノフェノキシ)フェ
ニル〕-2- 〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジメチルフ
ェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3- アミノフェノキ
シ)-3,5-ジメチルフェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(3
- アミノフェノキシ) フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-
(3- アミノフェノキシ) フェニル〕-1,1,1,3,3,3- ヘキ
サフルオロプロパン、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)
フェニル〕ケトン、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ) フ
ェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3- アミノフェノキシ)-
3-メトキシフェニル〕スルフィド、〔4-(3- アミノフェ
ノキシ) フェニル〕〔4-(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジ
メトキシフェニル〕スルフィド、ビス〔4-(3- アミノフ
ェノキシ) -3,5- ジメトキシフェニル〕スルフィド、ビ
ス〔4-(3- アミノフェノキシ) フェニル〕スルホンなど
が挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して用
いられる。
【0011】なお、本発明で使用されるポリイミドの良
好な物性を損わない範囲で、上記芳香族ジアミンの1部
を他の芳香族ジアミンで代替して用いることは何ら差し
支えない。一部代替して用いることのできる芳香族ジア
ミンとしては、例えばm-フェニレンジアミン、o-フェニ
レンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-アミノベンジ
ルアミン、p-アミノベンジルアミン、ビス(3-アミノフ
ェニル)エーテル、(3-アミノフェニル)(4-アミノフ
ェニル)エーテル、ビス(4-アミノフェニル)エーテ
ル、ビス(3-アミノフェニル)スルフィド、(3-アミノ
フェニル)(4-アミノフェニル)スルフィド、ビス(4-
アミノフェニル)スルフィド、ビス(3-アミノフェニ
ル)スルホキシド、(3-アミノフェニル)(4-アミノフ
ェニル)スルホキシド、ビス(4-アミノフェニル)スル
ホキシド、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、(3-ア
ミノフェニル)(4-アミノフェニル)スルホン、ビス
(4-アミノフェニル)スルホン、 3,3' −ジアミノベン
ゾフェノン、 3,4' −ジアミノベンゾフェノン、 4,4'
−ジアミノベンゾフェノン、ビス〔4-(4-アミノフェノ
キシ)フェニル〕メタン、1,1-ビス〔4-(4-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕エタン、1,2-ビス〔4-(4- アミノ
フェノキシ) フェニル〕エタン、2,2-ビス〔4-(4-アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2-ビス〔4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2-ビス〔4-
(4-アミノフェノキシ)フェニル〕−1,1,1,3,3,3-ヘキ
サフルオロプロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、
1,4-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、
【0012】1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、 4,4' −ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、
4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ) ビフェニル、 4,
4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-3-メチルビフェニ
ル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジメ
チルビフェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-
3,5-ジメチルビフェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェ
ノキシ)- 3,3' ,5,5' - テトラメチルビフェニル、 4,
4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジクロロビ
フェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)-3,5-ジ
クロロビフェニル、 4,4'- ビス(3- アミノフェノキシ)
- 3,3' ,5,5' - テトラクロロビフェニル、 4,4'- ビス
(3- アミノフェノキシ)- 3,3' - ジブロモビフェニル、
4,4' - ビス(3-アミノフェノキシ)-3,5-ジブロモビフ
ェニル、 4,4' - ビス(3- アミノフェノキシ)- 3,3' ,
5,5' - テトラブロモビフェニル、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4-(4-アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4-(4-アミノ
フェノキシ)フェニル〕スルホキシド、ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4-(3-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4-(4-ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4-ビス〔4-
(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼン、1,3-ビ
ス〔4-(3-アミノフェノキシ)ベンゾイル〕ベンゼンな
どが挙げられる。
【0013】また本発明で使用されるポリイミドの製造
に用いられる式(II)で表されるテトラカルボン酸二無
水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無
水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタ
ンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水
物、1,1-ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) エタン二無
水物、ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) メタン二無水
物、ビス(3,4- ジカルボキシフェニル) メタン二無水
物、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル) プロパン二
無水物、2,2-ビス(2,3- ジカルボキシフェニル) プロパ
ン二無水物、2,2-ビス(3,4- ジカルボキシフェニル)-1,
1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2-ビス
(2,3- ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフル
オロプロパン二無水物、 3,3' ,4,4' - ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物、 2,2' ,3,3' - ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、 3,3' ,4,4' - ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、 2,2' ,3,3' - ビフェ
ニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) エーテル二無水物、ビス(2,3- ジカルボキ
シフェニル) エーテル二無水物、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) スルホン二無水物、 4,4' -(p-フェニレン
ジオキシ) ジフタル酸二無水物、 4,4' -(m-フェニレン
ジオキシ) ジフタル酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10- ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7-アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,
8-フェナントレンテトラカルボン酸二無水物などであ
り、これらテトラカルボン酸二無水物は単独あるいは2
種以上混合して用いられる。
【0014】また本発明の方法で用いられる式(III)で
表される芳香族モノアミンとしては、例えば、アニリ
ン、o-トルイジン、m-トルイジン、p-トルイジン、2,3-
キシリジン、2,4-キシリジン、2,5-キシリジン、2,6-キ
シリジン、3,4-キシリジン、3,5-キシリジン、o-クロロ
アニリン、m-クロロアニリン、p-クロロアニリン、o-ブ
ロモアニリン、m-ブロモアニリン、p-ブロモアニリン、
o-ニトロアニリン、m-ニトロアニリン、p-ニトロアニリ
ン、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミ
ノフェノール、o-アニシジン、m-アニシジン、p-アニシ
ジン、o-フェネチジン、m-フェネチジン、p-フェネチジ
ン、o-アミノベンツアルデヒド、m-アミノベンツアルデ
ヒド、p-アミノベンツアルデヒド、o-アミノベンゾトリ
フルオリド、m-アミノベンゾトリフルオリド、p-アミノ
ベンゾトリフルオリド、o-アミノベンゾニトリル、m-ア
ミノベンゾニトリル、p-アミノベンゾニトリル、2-アミ
ノビフェニル、3-アミノビフェニル、4-アミノビフェニ
ル、2-アミノフェニル フェニル エーテル、3-アミノ
フェニル フェニル エーテル、4-アミノフェニルフェ
ニル エーテル、2-アミノベンゾフェノン、3-アミノベ
ンゾフェノン、4-アミノベンゾフェノン、2-アミノフェ
ニル フェニル スルフィド、3-アミノフェニル フェ
ニル スルフィド、4-アミノフェニル フェニル スル
フィド、2-アミノフェニル フェニル スルホン、3-ア
ミノフェニル フェニル スルホン、4-アミノフェニル
フェニル スルホン、α−ナフチルアミン、β−ナフ
チルアミン、1-アミノ-2- ナフトール、2-アミノ-1- ナ
フトール、4-アミノ-1- ナフトール、5-アミノ-1- ナフ
トール、5-アミノ-2- ナフトール、7-アミノ-2- ナフト
ール、8-アミノ-1- ナフトール、8-アミノ-2- ナフトー
ル、1-アミノアントラセン、2-アミノアントラセン、9-
アミノアントラセンなどが挙げられ、これらは単独ある
いは2種以上混合して用いられる。
【0015】本発明で使用されるポリイミドの製造にお
いて使用されるテトラカルボン酸二無水物、芳香族ジア
ミンおよび芳香族モノアミンのモル比は、テトラカルボ
ン酸二無水物1モル当り、芳香族ジアミンは0.9 乃至1.
0 モル、芳香族モノアミンは0.001 乃至1.0 モルであ
る。ポリイミドの製造に当たって、生成ポリイミドの分
子量を調節するために、テトラカルボン酸二無水物と芳
香族ジアミンの量比を調節することは通常行われてい
る。本発明の方法に於いては、溶融流動性の良好なポリ
イミドを得るためにはテトラカルボン酸二無水物に対す
る芳香族ジアミンのモル比は0.9 乃至1.0 を使用する。
また共存させる芳香族モノアミンはテトラカルボン酸二
無水物に対して0.001乃至1.0 モル比の量が使用され
る。もし0.001 モル比未満であれば、本発明の目的とす
る高温時の熱安定性が得られない。また1.0 モル比を越
えると機械的特性が低下する。好ましい使用量は0.01乃
至0.5 モル比である。
【0016】本発明の方法では反応は有機溶媒中で行わ
れる。この反応に用いる有機溶媒としては、例えばN,N-
ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,
N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルメトキシアセト
アミド、N-メチル−2-ピロリドン、1,3-ジメチル−2-イ
ミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、1,2-ジメト
キシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-
ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、ビス{2-(2-メト
キシエトキシ)エチル}エーテル、テトラヒドロフラ
ン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、ピリジン、ピコ
リン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、テト
ラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、フェノー
ル、m-クレゾール、p-クレゾール、p-クロロフェノー
ル、アニソールなどが挙げられる。また、これらの有機
溶剤は単独でも或いは2種以上混合して用いても差し支
えない。
【0017】本発明の方法で使用するポリイミドの製造
に於て、有機溶媒に、出発原料のテトラカルボン酸二無
水物、芳香族ジアミン、芳香族モノアミンを添加、反応
させる方法としては、(イ)テトラカルボン酸二無水物
と芳香族ジアミンを反応させた後に、芳香族モノアミン
を添加して反応を続ける方法、(ロ)テトラカルボン酸
二無水物に芳香族モノアミンを加えて反応させた後、芳
香族ジアミンを添加し、さらに反応を続ける方法、
(ハ)テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジアミン、芳
香族モノアミンを同時に添加、反応させる方法など、い
ずれの添加、反応をとっても差し支えない。反応温度は
0℃乃至250 ℃で行われる。通常は60℃以下の温度で行
われる。反応圧力は特に限定されず、常圧で十分実施で
きる。反応時間は、使用するテトラカルボン酸二無水
物、芳香族ジアミン、芳香族モノアミン、溶剤の種類お
よび反応温度により異なるが、通常4〜24時間で十分で
ある。
【0018】このような反応により、下記式(V)の繰
り返し単位を基本骨格として有するポリアミド酸が生成
される。
【化8】 (式中、X、Y1 、Y2 、Y3 、Y4 およびRは前記に
同じ) このポリアミド酸を100 〜400 ℃に加熱脱水するか、ま
たは通常用いられるイミド化剤、例えばトリエチルアミ
ンと無水酢酸などを用いて化学イミド化することにより
下記式(IV)の繰り返し単位を基本骨格として有する対
応するポリイミドが得られる。
【化9】 (式中、X,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 およびRは前記に
同じ。)
【0019】一般的には低い温度でポリアミド酸を生成
させた後に、さらにこれを熱的または化学的にイミド化
することが行われる。しかし60℃乃至250 ℃の温度で、
このポリアミド酸の生成と熱イミド化反応を同時に行っ
てポリイミドを得ることもできる。すなわち、テトラカ
ルボン酸二無水物、芳香族ジアミン、芳香族モノアミン
を有機溶媒中に懸濁または溶解させた後加熱下に反応を
行い、ポリアミド酸の生成と脱水イミド化とを同時に行
わせて上記式(IV)の繰り返し単位を基本骨格として有
するポリイミドを得ることもできる。
【0020】本発明のポリイミドを複合材料に供する場
合、本発明の目的を損なわない範囲で他の熱可塑性樹
脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリアリレート、ポリアミド、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
フェニレンスルフィド、ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、変性ポリフェニレンオキシドなどを目的に応
じて適当量を配合することも可能である。またさらに通
常の樹脂組成物に使用する次のような充填剤などを、発
明の目的を損なわない程度で用いてもよい。すなわちグ
ラファイト、カーボランダム、ケイ石粉、二硫化モリブ
デン、フッ素樹脂などの耐摩耗性向上材、三酸化アンチ
モン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどの難燃性
向上剤、クレー、マイカなどの電気的特性向上材、シリ
カ、グラファイトなどの耐トラッキング向上剤、硫酸バ
リウム、シリカ、メタケイ酸カルシウムなどの耐酸性向
上剤、鉄粉、亜鉛粉、アルミニウム粉、銅粉などの熱伝
導度向上剤、その他ガラスビーズ、ガラス球、タルク、
ケイ藻土、アルミナ、シラスバルン、水和アルミナ、金
属酸化物、着色料などである。
【0021】本発明で用いる繊維状補強材とは、例えば
ガラス繊維のヤーン、ロービング、炭素繊維のトウとい
った一方向長繊維、及びそれらの織布、マット、フェル
トなどの多方向連続繊維などを意味する。これら繊維状
補強材としてはE-ガラス,S-ガラス,T-ガラス,C-ガラ
ス,AR-ガラスなどのガラス繊維、ポリアクリロニトリ
ル系,ピッチ系,レーヨン系などの炭素繊維、デュポン
社のケブラーに代表される芳香族ポリアミド繊維、日本
カーボン社のニカロンなどの炭化ケイ素繊維、ステンレ
ス繊維などの金属繊維、その他アルミナ繊維、ボロン繊
維などが挙げられる。これ等繊維状補強材は単独あるい
は組合せて用いられる。繊維状補強材の選択に当たって
は繊維の持つ強度、弾性率、破断伸度といった機械的特
性、電気的特性、比重などを基に、複合材料の要求特性
に合せて選択すべきである。例えば比強度、比弾性率へ
の要求値が高い場合は炭素繊維、ガラス繊維などを選択
すべきであり、又電磁波シールド特性が要求される場合
は炭素繊維、金属繊維などが好ましい。また電気絶縁特
性が要求される場合はガラス繊維などが好適である。
【0022】繊維状補強材の繊維径、収束本数について
は用いる繊維状補強材の種類によって異なるが、例えば
炭素繊維の場合、繊維径は4〜8μm、収束本数は 1,0
00〜12,000本が一般的である。繊維径は得られる複合材
料の機械特性の面からは細い方が好ましい。また繊維状
補強材を表面処理することはポリイミドとの密着性向上
の面から好ましく、例えばガラス繊維の場合シラン系、
チタネート系カップリング剤で処理することは特に好ま
しい。これらの繊維状補強材の使用量は複合材料中の容
積含有率として5〜85%、好ましくは30〜70%である。
繊維状補強材の容積含有率が低いと補強材の効果が期待
できず、逆に高いと得られる複合材料の層間強度が著し
く低下し好ましくない。
【0023】ポリイミドと繊維状補強材よりポリイミド
系複合材料を製造するには通常公知の方法は全て利用で
きる。例えばポリイミドを溶融状態で繊維状補強材に含
浸させる溶融含浸法、粉末状のポリイミドを空気中に浮
遊、または水などの液体中に懸濁させた状態で含浸させ
る流動床法が挙げられる。流動床法の場合含浸後必要に
より乾燥した後、繊維状補強材中のポリイミドを加熱溶
融することは一体化したポリイミド系複合材料を得る為
に特に有効である。また含浸時の粒径は細かい方が望ま
しく、使用する繊維フィラメント径以下が好ましい。さ
らにまた、ポリイミド粉または当該ポリイミドのフィル
ムを繊維状補強材の片面または両面に置き熱圧させる方
法も用いられる。この際繊維状補強材が織布の場合、所
望する成形品厚みに必要な枚数の織布とポリイミド粉ま
たはポリイミドフィルムを交互に積層し熱圧することに
より、含浸と成形とを同時に行い、樹脂分布の均一な成
形品を得ることができる。
【0024】また溶融含浸法として、特開昭61-229534,
229535,及び 229536 に代表的に示されているように、
溶融樹脂を表面に有する加熱ロールまたは加熱ベルトに
繊維状補強材を接触させて含浸させる方法なども挙げら
れる。即ち、この方法では複数のボビンより引き出した
一方向長繊維、例えばトウを引揃えた繊維シートまたは
多方向連続繊維を張力調整ロールにて引取方向に一定の
張力をかける。一方、ポリイミドは押出機で加熱溶融さ
せ、ダイから所定の温度に昇温した加熱ロール表面上の
下ベルトに塗布する。ついで前述の繊維シートまたは多
方向連続繊維を上下一対のベルトにはさまれた状態で1
本または複数の加熱ロール群の間を通過させて含浸させ
る。この連続溶融含浸法は特に好ましい方法である。以
上のようにして得た複合材料は積層し、加熱圧縮によ
り、所望する形状の成形物を製造することができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例により具
体的に説明する。
【0026】実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた反応
容器に、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物 322
g(1.0 モル)と、N,N-ジメチルアセトアミド4,050g
を装入し、室温で窒素雰囲気下に、ビス〔4-(3- アミノ
フェノキシ) フェニル〕スルフィド 392g(0.98モル)
を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、室温で
約20時間かきまぜた。このポリアミド酸溶液に、アニリ
ン7.44g(0.08 モル) を加え、さらに1時間かきまぜ
た。次いで、この溶液に 202g(2モル)のトリエチル
アミンおよび 306g(3モル)の無水酢酸を滴下した。
滴下終了後約20時間室温でかきまぜて淡黄色スラリーを
得た。このスラリーをろ別したのちメタノールで洗浄
し、 180℃で8時間減圧乾燥して、 660gの淡黄色ポリ
イミド粉を得た。このポリイミド粉のガラス転移温度は
205℃(DSC測定による。以下同じ。) 、対数粘度は0.62
dl/gであった。こゝに対数粘度はパラクロロフェノー
ル:フェノール(重量比90:10)の混合溶媒を用い、濃
度 0.5g/100ml 溶媒で、35℃で測定した値である。こ
のポリイミドと炭素繊維から次のようにして複合材料を
製造した。製造に使用した装置の概略を図2に示す。10
0本のボビン1から引き出された炭素繊維(ベスファイ
ト HTA-7-3K ; 東邦レーヨン社商標) のトウ2 100本を
整列器3で一方向に整列させた後、張力調整ロール4、
5、6を通過させて 150mm幅の繊維シート7とした。一
方押出機(図示せず)で加熱溶融したポリイミドをダイ
8を経由して、下ベルト用ロール9(こゝでは3本)で
350℃に加熱された下ベルト10の表面に70μmの厚みで
塗布した。ついで前記シートを、下ベルトと、上ベルト
用ロール11(こゝでは3本)で 350℃に加熱された上ベ
ルト12にはさんだ状態で、 350℃に加熱された径240 mm
の含浸ロール13(こゝでは3本)の間を、150 kgの張力
をかけながら20cm/分の速度で通過させた。この様にし
てポリイミドを含浸させたポリイミド・炭素繊維複合材
14は冷却した後引取用ロール15、16、17を経て巻取軸18
に巻き取った。上記運転を5時間連続して行ったが樹脂
の流動性に変化はなく、また繊維破断もなく順調に引き
取ることができた。得られた複合材料は幅 150mm、厚み
0.13mmのものであった。ついで上記ポリイミド系複合材
料を20枚一方向に積層し、 340℃、50kg/cm2の条件で2
0分間熱プレスして 200×200 mm、厚み 2.5mmの平板を
得た。得られた平板の繊維状補強材容積百分率(以下V
f と記す)、ボイド率、曲げ強度、曲げ弾性率を測定し
た所、Vf 60%、ボイド率 1%以下、曲げ強度 198kg/
mm2 、曲げ弾性率 12,100 kg/mm2 と良好な結果を得
た。尚、Vf 、ボイド率は平板の比重及び繊維状補強材
重量百分率から求めた値であり、曲げ強度および曲げ弾
性率は JIS K 7203 に拠る値である。
【0027】比較例1 実施例1と同様にして、但しアニリンを反応させるとい
う操作を行わずに 652gのポリイミド粉を得た。得られ
たポリイミド粉の対数粘度は0.62dl/g であった。この
様にして得たポリイミドを用い、実施例1と同様にして
ポリイミド系複合材料を得ようと試みたが運転開始後約
30分でポリイミドがゲル化し、繊維の上下ベルトからの
離脱が困難となり、ついには運転不能となった。尚、一
部得られた複合材料を実施例1と同様に成形し、物性評
価したが、Vf 60%、ボイド率 7.2%、曲げ強度90kg/
mm2 、曲げ弾性率 6,100kg/mm2 とポリイミドの流動性
が著しく低下し脱泡不十分な為、極端に低い強度、弾性
率となった。
【0028】参考例1 実施例1、比較例1で得られたポリイミド粉を用い、高
化式フローテスター(島津製作所製、CFT-500 )で、直
径 0.1cm、長さ1cmのオリフィスを用いて溶融粘度の繰
り返し測定を行った。即ち予熱時間5分、 320℃、 100
kg/cm2 の圧力で押出したストランドを再度粉砕し、更
に同一条件で押出すというテストを5回連続して行っ
た。繰り返し回数と溶融粘度の関係を図1に示す。実施
例1で得られたポリイミドは繰り返し回数が増えても溶
融粘度が変化せず熱安定性が良好なのに対し、比較例1
で得られたポリイミドは繰り返し回数、すなわち加熱時
間とともに溶融粘度が大幅に増加し高温での流動性が失
われることが分る。
【0029】実施例2 実施例1と同様の装置にピロメリット酸二無水物 218g
(1.0 モル) 、2,2-ビス{4-(3- アミノフェノキシ) フ
ェニル}プロパン 393.6g(0.96モル) 、アニリン7.44
g(0.08モル) および 3,460gのm-クレゾールを装入
し、窒素雰囲気下にかきまぜながら徐々に加熱昇温し
た。 150℃で3時間かきまぜを続けた後、ろ過してポリ
イミド粉を得た。このポリイミド粉をメタノールおよび
アセトンで各一回洗浄した後、 180℃で8時間減圧乾燥
して 558gのポリイミド粉を得た。このポリイミド粉の
対数粘度は0.56dl/g、ガラス転移温度は 231℃であっ
た。この様にして得たポリイミドを用い、含浸温度を 3
50℃に変えた以外は実施例1と同様に処理して複合材料
を得た。運転は5時間連続して行ったが樹脂は何ら変化
なく順調に運転できた。ついで成形温度を 330℃に変え
た以外は実施例1と同様に熱プレスして平板を得た。得
られた平板の曲げ強度、曲げ弾性率は各々 181kg/m
m2 、11,100kg/mm 2 であった。
【0030】参考例2 実施例1と同様の装置にピロメリット酸二無水物218g
(1.0モル)およびN,N-ジメチルアセトアミド3,830gを
装入し、アニリン5.58g(0.06モル)を添加し、約20分
間かきまぜた。次に、4,4-ビス(3-アミノフェノキシ)
ビフェニル357g(0.97モル)を溶液温度の上声に注意
しながら加え、室温で約10時間かきまぜた。この溶液に
202g(2モル)のトリエチルアミンおよび255g(2.5
モル)の無水酢酸を滴下し、室温で10時間かきまぜて、
淡黄色スラリーを得た。このスラリーを濾別した後、メ
タノールで洗浄し、180℃で8時間減圧乾燥して523gの
淡黄色ポリイミドを得た。このポリイミド粉のガラス転
移温度は255℃、融点は378℃、対数粘度は0.52dl/gであ
った。この様にして得られたポリイミドを用い、含浸温
度を420℃に変えた以外は実施例1と同様に処理して複
合材料を得た。運転は5時間連続して行ったが、樹脂は
何ら変化なく順調に運転できた。ついで成形温度を400
℃に変えた以外は実施例1と同様に熱プレスして平板を
得た。得られた平板の曲げ強度、曲げ弾性率は、各187k
g/mm2、11,800kg/mm2であった。
【0031】比較参考例1 参考例2と同様にして、但しアニリンを反応させるとい
う操作を行わずに608gのポリイミド粉を得た。得られ
たポリイミド粉の対数粘度は0.53dl/gであった。この様
にして得たポリイミドを用い、参考例2と同様にしてポ
リイミド系複合材料を得ようと試みたが、運転開始後約
20分でポリイミドがゲル化し、繊維の上下ベルトからの
離脱が困難となり、ついには運転不能となった。尚、一
部得られた複合材料を実施例2と同様に成形し、ぶっせ
い評価したが、Vf60%、ポイド率6.5%、曲げ強度95k
g/mm2、曲げ弾性率6,500kg/mm2とポリイミドの流動性が
著しく低下し脱泡不十分な為、極端に低い強度、弾性率
となった。
【0032】参考例3〜6 繊維状補強材の種類およびベルトへのポリイミド塗布厚
を表に示す様に変えた以外は参考例2と全く同様に操作
してポリイミド系複合材料を得た。ついで得られた複合
材料を一方向に、表1に示した枚数積層し、参考例2と
同様に操作して平板を得た。得られた平板の物性を表1
に示す。
【0033】参考例7〜8 繊維状補強材の種類、ベルトへのポリイミド塗布厚を表
1に示す様に、又張力を30kgに変えた以外は参考例2と
全く同様に操作してポリイミド系複合材料を得た。つい
で得られた複合材料を表に示す枚数積層後参考例2と同
様に操作して平板を得た。得られた平板の物性を表1に
示す。
【0034】参考例9 厚さ50μmの耐熱性離脱フィルムの上に厚み1.0mm、内
寸30cm×30cmのアルミ製額縁状枠を置き、参考例2で得
たポリイミド粉5gを上記フィルム上の枠内に均一に分
散させた。ついで枠を除去した後30cm×30cmの炭素繊維
織布(ベスファイトW-3101; 東邦レーヨン社商標)を前
記ポリイミド粉上に置き、さらにポリイミド粉5gを前
記織布上に均一に分散させた。ついで市販の耐熱性離脱
フィルムを載せた後、400℃の下金型上に移し、金型を閉
じて400℃、70kg/cm2の条件で10分間加熱、圧縮した。
ついで金型を加圧状態で250℃まで冷却後金型を開いて
内容物を取り出し耐熱性フィルムを剥して複合材料を得
た。この様にして得た複合材料はついで6分割し積層後
参考例2と同様の条件で成形し、平板を得た。得られた
平板のVf、曲げ強度、曲げ弾性率は各々60%、87kg/m
m2、6,900kg/mm2であった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によればポリイミドが本来
有する優れた特性に加え、著るしく成形加工性の良好な
新規なポリイミド系複合材料が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1および比較例1で得られたポリイミド
の熱安定性を示す。
【図2】ポリイミド系複合体を製造する装置の1例を示
す。
【符号の説明】
a・・・・・・・・実施例1 b・・・・・・・・比較例1 1・・・・・・・・ボビン 3・・・・・・・・整列器 7・・・・・・・・繊維シート 8・・・・・・・・ダイ 9・・・・・・・・下ベルト用ロール 10・・・・・・・・下ベルト 11・・・・・・・・上ベルト用ロール 12・・・・・・・・上ベルト 13・・・・・・・・含浸ロール 18・・・・・・・・巻取軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益田 操 神奈川県藤沢市高倉557 (72)発明者 岸 智 神奈川県横須賀市衣笠栄町1−54 (72)発明者 丸子 千明 神奈川県鎌倉市大船3−11−4

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジアミンとテトラカルボン酸二無
    水物とを反応させて得られるポリアミド酸を熱的または
    化学的にイミド化させて製造されるポリイミドと、繊維
    状補強材とからなるポリイミド系複合材料において、該
    ポリイミドが、(イ)芳香族ジアミンとして下記式
    (I) 【化1】 (式中、Xは炭素数1乃至10の二価の炭化水素基、六フ
    ッ素化されたイソプロピリデン基、カルボニル基、チオ
    基およびスルホニル基から成る群より選ばれた基を表わ
    し、Y1 、Y2 、Y3 およびY4 は夫々独立に水素、低
    級アルキル基、低級アルコキシ基、塩素および臭素から
    なる群より選ばれた基を表わす。)で表わされる芳香族
    ジアミンを用い、(ロ)テトラカルボン酸二無水物とし
    て下記式(II) 【化2】 (式中、Rは炭素数2以上の脂肪族基、環式脂肪族基、
    単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳香族基が直接
    または架橋員により相互に連結された非縮合多環式芳香
    族基から成る群より選ばれた4価の基を表わす。)で表
    わされるテトラカルボン酸二無水物を用い、(ハ)反応
    が下記式(III) Z─NH2 (III) (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接または架橋員により相互に連結された非縮
    合多環式芳香族基から成る群より選ばれた1価の基を表
    わす。)で表わされる芳香族モノアミンの存在のもとに
    行われ、(ニ)かつ芳香族ジアミンはテトラカルボン酸
    二無水物1モル当り0.9 ないし1.0 モル比の量を、芳香
    族モノアミンはテトラカルボン酸二無水物1モル当り0.
    001 ないし1.0 モル比の量を用い、製造される下記式
    (IV) 【化3】 (式中、X,Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 およびRは前記に
    同じ。)で表わされる繰り返し単位を基本骨格として有
    するポリイミドである、ポリイミド系複合材料。
JP26317396A 1996-10-03 1996-10-03 ポリイミド系複合材料 Pending JPH09111119A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26317396A JPH09111119A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 ポリイミド系複合材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26317396A JPH09111119A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 ポリイミド系複合材料

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62278193A Division JP2610905B2 (ja) 1987-11-05 1987-11-05 ポリイミド系複合材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09111119A true JPH09111119A (ja) 1997-04-28

Family

ID=17385794

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26317396A Pending JPH09111119A (ja) 1996-10-03 1996-10-03 ポリイミド系複合材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09111119A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114134716A (zh) * 2021-06-03 2022-03-04 台湾塑胶工业股份有限公司 上浆剂组成物、碳纤维材料与复合材料

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114134716A (zh) * 2021-06-03 2022-03-04 台湾塑胶工业股份有限公司 上浆剂组成物、碳纤维材料与复合材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR910008327B1 (ko) 폴리이미드의 제조방법 및 그것으로 이루어진 복합재료
AU609898B2 (en) Process for preparing polyimide and composite material thereof
US5708128A (en) Linear polyamic acid, linear polyimide and thermoset polyimide
US5710334A (en) Aromatic dinitro and diamino intermediates
JP2000063518A (ja) 架橋基を含有する低誘電性ポリイミド及びその製造方法
JP2596566B2 (ja) 熱安定性の良好なポリイミドおよびその製造方法
JP3544788B2 (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド
JP2610905B2 (ja) ポリイミド系複合材料
JP2886918B2 (ja) ポリイミド系複合材料
JPH09111119A (ja) ポリイミド系複合材料
JP2605060B2 (ja) ポリイミド系複合材料
JPH09118823A (ja) ポリイミド系複合材料
JPH01138266A (ja) ポリイミド系複合材料
JP2000044684A (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド
JPH11292966A (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド
JPH05320339A (ja) 熱安定性良好なポリイミドおよびその製造方法
JP3031822B2 (ja) ポリイミド系樹脂組成物
JP3642632B2 (ja) 樹脂組成物
JP2000044685A (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド
JPH05170905A (ja) 成形加工性良好なポリイミドおよびその製造方法
JPH01138265A (ja) ポリイミド系複合材料
JPH11292967A (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド
EP0639621A2 (en) Polyimide-based resin composition
JPH02178325A (ja) 熱安定性の良好なポリイミドの製造方法
JPH11269268A (ja) 線状ポリアミド酸、線状ポリイミド及び熱硬化性ポリイミド