JPH09115219A - 集合型光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ディスクカートリッジ８の投入、排出が可
能な集合型光ディスク装置において、カートリッジ投入
の向きを単装型ディスクドライブの場合と同じにしよう
とすると、アクセッサ３の動力装置部分が障害となっ
て、光ディスクカートリッジ８が挿入できないという点
を改善する。 【解決手段】 アクセッサ３が下方に待避した状態で、
カートリッジアクセスステーション２が光ディスクカー
トリッジ８を水平方向に移送し、受渡し位置９に達した
後、アクセッサ３が同一水平面に復帰して光ディスクカ
ートリッジ８の受渡しを行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、大容量の情報を保
存するために、光ディスクを内装するカートリッジを多
数装備することができるカートリッジ収納庫と、光ディ
スクのリードアンドライトを行なうディスクドライブと
を有し、且つ装置外部からカートリッジの挿入及び抜出
しを行なって、任意のカートリッジの補充及び交換等が
可能なカートリッジ搬送機構をも有する集合型光ディス
ク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】光ディスクカートリッジが交換可能な集
合型光ディスク装置では、装置外部に開口して設けられ
たカートリッジ投入口から装置内部に投入された光ディ
スクカートリッジを水平方向に移送して、装置内部の所
定の位置まで搬送するカートリッジアクセスステーショ
ンと呼ばれる第１の搬送機構と、前記所定の位置でカー
トリッジアクセスステーションから光ディスクカートリ
ッジを受け取り、これを垂直方向に移送して、多数のカ
ートリッジ収納棚を有するカートリッジ収納庫に保管す
るアクセッサと呼ばれる第２の搬送機構とを有し、この
２つの搬送機構で光ディスクカートリッジの追加及び交
換等を実現しているのが通常である。上記アクセッサ
は、カートリッジ収納庫とディスクドライブとの間を結
んで、一つの収納棚から光ディスクカートリッジを引抜
き、これを一旦収容して装置内を移動し、光ディスクカ
ートリッジをディスクドライブに受け渡すという装置内
部でのカートリッジ移送動作をも担当する。すなわち、
ディスクドライブでの情報の記録、読込みが終了する
と、アクセッサがカートリッジをディスクドライブから
取り出し、元のカートリッジ収納棚まで搬送してこれを
収納して保管する。

【０００３】図８は、従来のこの種の集合型光ディスク
装置８１の構成例を示す図である。図８（ａ）は、フロ
ントマスク８４側から投影した正面図であって、装置内
部を示すため一部切り欠きで表わされている。図８
（ｂ）は、装置内部を投影した右側面図である。これら
の図に示されるように、従来の集合型光ディスク装置８
１において、ディスクドライブ７及びカートリッジ収納
庫６は、カートリッジ投入口８５が設けられているフロ
ントマスク８４側に、いずれも開口部を装置背面側に向
けて配置されている。アクセッサ３は、これらカートリ
ッジ収納庫６等の背面側に、開口部を対向させて配置さ
れている。

【０００４】このような構成の集合型光ディスク装置８
１では、ディスクドライブ７及びカートリッジ収納庫６
が、いずれも背面向きに開口して配置されているため、
カートリッジ投入口８５から光ディスクカートリッジを
投入するに際しては、単装型のディスクドライブに光デ
ィスクカートリッジを直接装填する場合とは、逆向きに
挿入しなければならない。

【０００５】図９は、この集合型光ディスク装置８１に
装備されるカートリッジアクセスステーション８２の詳
細な構成図であり、図９（ａ）は平面図、図９（ｂ）
は、図８（ｂ）と同様に右側面から投影した図である。
なお、カートリッジアクセスステーション内部の構造を
示すため、コの字型ベースフレーム９１の手前側面を省
略してある。実際には、ベースフレーム９１は、上向き
に開放したコの字型形状のハーフパイプであり、両側面
にそれぞれ長穴９２（実際には図９（ｂ）において二点
鎖線で示す位置に存在する）が穿孔されている。ベース
フレーム９１内には、四角筒状のキャリア９３が、長穴
９２に内接して回転するベアリング９４（左右合計３
個）の軸に支持されて、水平方向に移動可能に設けられ
ている。移動の動力源は、ベースフレーム９１の上部に
張設された支持板９５に固定して設けられたモータ９７
である。

【０００６】支持板９５と対象の位置には、支持板９６
が設けられていて、プーリ９９が軸設されている。モー
タ９７の回転軸に設けられたプーリ９８と、このプーリ
９９を結んでタイミングベルト１００が張設されてい
る。タイミングベルト１００は、キャリア９３の平面に
突設したベルトクランプ１０１に把持され、モータを回
転させることにより、タイミングベルト１００を介して
キャリア９３が水平方向に稼働するように構成されてい
る。さらにキャリア９３の平面上には、軸１０３を中心
に回動可能に支持されたカセットフック１０２が設けら
れている。また、キャリア９３の底面からは、台形状の
ブロック１０４が突設されている。

【０００７】カートリッジ投入口８５から投入された光
ディスクカートリッジ８は、キャリア９３の筒内に挿入
され、カセットフック１０２の下端に当接してキャリア
９３内に保持される。カセットフック１０２は、キャリ
ア９３の稼働中には光ディスクカートリッジ８が脱落し
たりズレたりすることがないように、これを保持してい
る。キャリア９３が光ディスクカートリッジ８の受渡し
位置に達すると、カセットフック１０２の上端が、ベー
スフレーム９１側面から突設されたフックシャフト１０
５に当接して開放される（図９（ｂ）において一点鎖線
で示す位置）。同時に、ブロック１０４が、ベースフレ
ーム９１底面内側に、軸１０７を中心に回動可能に設け
られたカセットアーム１０６の一端のローラ１０８を押
し下げ、逆にアームの長端を持ち上げて、光ディスクカ
ートリッジ８の脱落を防止する。

【０００８】アクセッサ３の構成例を図３に掲げる。こ
のアクセッサ３は、トッププレート３２及びロアープレ
ート３３と２本のリニアシャフト３１によって構成され
る枠組みと、これに支持されて垂直方向に移動可能に設
けられたカートリッジ収容部分からなる。ロアープレー
ト３３上のモータ３４の回転軸にはプーリ３６が設けら
れ、トッププレート３２に設けられたプーリ３５との間
には、タイミングベルト３７が張設されている。２本の
リニアシャフト３１を垂直移動可能に把持して、スライ
ド３０が設けられている。このスライド３０は、一方の
リニアシャフト３１をホールドする筒体に設けられたベ
ルトクランプ３８でタイミングベルト３７を把持してい
る。スライド３０の中央部には動力機構が収められ、光
ディスクカートリッジを収容するケース４０の反転や、
カートリッジの溝８８を把持するハンド３９の前後移動
及び開閉の動作を行なう。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
集合型光ディスク装置では、光ディスクカートリッジを
投入するに際して、単装型のディスクドライブに光ディ
スクカートリッジを直接装填する場合とは、逆向きに
（カートリッジ把持用の溝８８が設けられている側か
ら）挿入しなければならなかった。これを避けるために
は、カートリッジ投入口を従来の装置における背面側
（図８（ｂ）における右側）に設ければよいが、それで
はアクセッサ３の動力装置部分が障害となって、カート
リッジアクセスステーション８２が稼働することができ
ない。

【００１０】また、この問題を回避することができたと
しても、従来のカートリッジアクセスステーション８２
は、アクセッサ３の両支柱３１の間隔内に収まりきらな
い。それは、従来のカートリッジアクセスステーション
８２が、２つのカートリッジ脱落防止機構であるカセッ
トフック１０２及びカセットアーム１０６を備え、同時
にこれらを収容するベースフレーム９１を要するためで
ある。この従来のカートリッジアクセスステーション
を、そのままアクセッサ３の両支柱３１の間隔内に収容
しようとすれば、両支柱３１の間隔を拡げなければなら
ない。それでは、従来のアクセッサ３をそのまま使用す
ることができず、ひいては集合型光ディスク装置自体の
幅の増大を招く。

【００１１】さらに、上記問題点をも回避して光ディス
クカートリッジ８の挿入方向を正逆改めたとしても、従
来の集合型光ディスク装置の取扱いに慣れたオペレータ
にとっては、今度は、従来通り逆向きに光ディスクカー
トリッジを投入してしまう可能性が生じる。

【００１２】そこで、本発明の第１の課題は、カートリ
ッジ投入口を従来の集合型光ディスク装置とは逆側に配
置したとしても、カートリッジアクセスステーションが
稼働する際の障害を排除して、円滑に光ディスクカート
リッジを搬送できるような集合型光ディスク装置を提供
することにある。また、本発明の第２の課題は、上記集
合型光ディスク装置においても使用可能なカートリッジ
アクセスステーションを、部品点数の少ない簡単な機構
で提供し、搬送装置の信頼性を高めることにある。さら
に、本発明の第３の課題は、上記集合型光ディスク装置
において光ディスクカートリッジを逆向きに挿入するこ
とを防止する技術を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記第１の課題を解決す
るため、本発明の集合型光ディスク装置は、その筐体に
開口して設けられたカートリッジ投入口と、前記装置内
部の所定の受渡し位置との間で、光ディスクカートリッ
ジを水平方向に移送して、光ディスクカートリッジの導
入、排出及び受渡しを行なう水平移送器を備える。ま
た、前記受渡し位置において、前記水平移送器との間で
光ディスクカートリッジの授受を行ない、前記受渡し位
置と、前記装置に内装されるカートリッジ収納庫及びデ
ィスクドライブのいずれかとの間で前記カートリッジを
垂直方向に移送するとともに前記ディスクドライブ又は
カートリッジ収納庫に対し、前記カートリッジの装填及
び抜き出しを行なう垂直移送器をも備える。上記水平移
送器及び垂直移送器の２つの搬送機構を備える集合型光
ディスク装置において、前記カートリッジ収納庫及びデ
ィスクドライブは、各々開口部を前記カートリッジ投入
口側に向けて配置されている。また、前記垂直移送器
は、前記カートリッジ収納庫及びディスクドライブより
も前記カートリッジ投入口側に、開口部を前記カートリ
ッジ収納庫及びディスクドライブに向けて、垂直方向に
移動可能に配置されている。さらに、前記垂直移送器
は、前記水平移送器が前記カートリッジの導入及び排出
を行なう際には、前記水平移送器とは異なる水平面上に
待避するとともに、前記水平移送器との間で前記カート
リッジの受渡しを行なう際には、前記水平移送器と同一
水平面上に復帰するよう構成されていることを特徴とす
る。

【００１４】上記構成を有する本発明の集合型光ディス
ク装置では、光ディスクカートリッジの導入及び排出を
行なうため、水平移送器が稼働している際中には、垂直
移送器が下方（もしくは上方）に待避しているため、障
害なく光ディスクカートリッジの導入及び排出を行なう
ことができる。水平移送器が所定の受渡し位置に達する
と、垂直移送器が水平移送器と同一の水平面上に復帰
し、両者の間で光ディスクカートリッジの授受を行な
い、さらにその後の光ディスクカートリッジ搬送作業を
続行する。

【００１５】また、上記第２の課題を解決するための、
本発明の集合型光ディスク装置は、上記集合型光ディス
ク装置において、前記水平移送器は、前記筐体内面の前
記カートリッジ投入口側から前記受渡し位置側にかけて
固定して設けられたガイドレールと、前記ガイドレール
に沿って水平方向に移動可能に設けられたキャリアと、
前記キャリアを移動させる動力手段とを有して構成され
ている。そして、前記キャリアは、前記光ディスクカー
トリッジの外装に形成された溝部に、付勢力によって係
合して光ディスクカートリッジを係止させるストッパを
有して、光ディスクカートリッジをキャリア内の所定位
置に保持し得るよう構成されていることを特徴とする。

【００１６】上記構成を有する本発明の集合型光ディス
ク装置では、小型化された水平移送器のキャリアが、垂
直移送器の支柱間を通り抜けて、光ディスクカートリッ
ジの導入及び排出を容易に行なう。キャリア内に挿入さ
れた光ディスクカートリッジは、その外装に形成された
溝部に係合するストッパによって保持されるため、キャ
リアから脱落することがない。

【００１７】さらに、上記第３の課題を解決するため
の、本発明の集合型光ディスク装置は、前記第２の手段
として記載した集合型光ディスク装置にあって、特定形
状の光ディスクカートリッジを取り扱うものであるとと
もに、前記キャリア内部にフックを有することを特徴と
する。前記光ディスクカートリッジは、外装が略長方形
板状の形状であって、前記集合型光ディスク装置への投
入時における前端側部を切り欠いて段差が形成されてい
る。また、前記フックは、前記光ディスクカートリッジ
が前記所定の位置にあるときに、前記キャリア内面にお
ける、前記段差に相当する切り欠かれた空間部分に突設
して存在する。さらに、このフックは、前記光ディスク
カートリッジを前記段差が形成されていない後端部側か
ら前記キャリア内に投入した場合に、前記後端部が当接
して前記光ディスクカートリッジの挿入を阻止するよう
構成されていることを特徴とする。

【００１８】上記構成を有する本発明の集合型光ディス
ク装置では、光ディスクカートリッジを正規の方向で
（段差の設けられている側から）前記装置に投入した場
合は、前記フックは光ディスクカートリッジに触れるこ
となく、前記キャリア内の所定位置まで挿入可能であ
る。一方、光ディスクカートリッジを逆向きに投入しよ
うとした場合は、前記フックが光ディスクカートリッジ
後端の角に当接して、それ以上光ディスクカートリッジ
が挿入されることを阻止する。

【００１９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の１実施形態につい
て図面を参照して説明する。図１は、本発明の集合型光
ディスク装置１の構成図である。図１（ａ）は、フロン
トマスク４側から投影した正面図であって、装置内部を
示すため一部切り欠きで表わされている。図１（ｂ）
は、装置内部を投影した左側面図である。これらの図に
示されるように、本発明の集合型光ディスク装置１にお
いて、ディスクドライブ７及びカートリッジ収納庫６
は、装置背面側に位置して、いずれも開口部をカートリ
ッジ投入口５が設けられているフロントマスク４側に向
けて配置されている。

【００２０】本発明における水平移送器であるアクセッ
サ３は、これらカートリッジ収納庫６等よりも正面寄り
に（図１（ｂ）における右寄りに）、開口部を対向させ
て配置されている。このアクセッサ３の機械的構成自体
は、図３に示される従来の集合型光ディスク装置に用い
られているものと変わりはない。本発明における水平移
送器であるカートリッジアクセスステーション２は、集
合型光ディスク装置１の筐体内部の天井面に、カートリ
ッジ投入口５から、光ディスクカートリッジの受渡し位
置９であるカートリッジ収納庫上部の空間（仮想線で示
す位置）にかけて設けられている。

【００２１】図２は、上記カートリッジアクセスステー
ション２の詳細構成図であり、図２（ａ）は平面図、図
２（ｂ）は、図１（ｂ）と同様に左側面から投影した図
である。図２（ｂ）に示されるベース２１は、カートリ
ッジアクセスステーション２の各構成部材を取り付け
て、これを筐体の天井面に固定するための板であるが、
図２（ａ）ではカートリッジアクセスステーション２の
内部構造を示すため、描画していない。

【００２２】ベース２１の底面には、ガイドレール２２
が投入口５側から装置内部の前記カートリッジの受渡し
位置側にかけて固定して設けられている。ガイドレール
２２にはランナー２４がスライド自在に取り付けられて
いる。ベース２１底面の投入口５側には、モータ２７が
固定されている。また、前記受渡し位置側にはプーリ２
９が回転自在に設けられている。モータ２７の回転軸に
取り付けられたプーリ２８と、前記プーリ２９を結んで
タイミングベルト１０が、ガイドレール２２と平行に張
設されている。

【００２３】このモータ２７、プーリ２８及び２９、タ
イミングベルト１０及びベルトクランプ１１で、キャリ
ア２３をガイドレール２２に沿って水平方向に移動させ
る本発明の動力手段を構成している。すなわち、キャリ
ア２３は、ランナー２４に固定して吊り下げられるとと
もに、タイミングベルト１０をベルトクランプ１１で把
持して、カートリッジ投入口５と水平の位置に設けられ
ている。なお、キャリア２３は、その底面の大部分を切
り開いて、下向きコの字の形状をしている（図６及び７
参照）。スイッチ１２は、光ディスクカートリッジ８の
投入を感知して、モータ２７の作動及び停止を行なわせ
るものである。

【００２４】図４は、光ディスクカートリッジ８をキャ
リア２３内に保持する手段と、光ディスクカートリッジ
８を逆向きに投入しようとした場合に、それを阻止する
手段の各実施形態の詳細を表わす図である。図４（ａ）
は、待ち受け状態カートリッジ２３に光ディスクカート
リッジ８が挿入されたときの状態を表わす平面図、図４
（ｂ）は、図４（ａ）に２点鎖線により描かれた円内の
詳細を表わす拡大図である。図４（ｃ）は、キャリア２
３内に光ディスクカートリッジ８を逆側から挿入した場
合の状態を表わす拡大図である。また、図５は、光ディ
スクカートリッジ８の導入の様子を表わすため、装置内
部を投影した左側面図である。

【００２５】本実施形態において、集合型光ディスク装
置１に投入される光ディスクカートリッジ８は、装置へ
の投入を容易にするためと、視覚的にカートリッジの投
入方向を認識させるため、多少丸みを帯びたテーパーが
設けられている。このテーパー部分の厚みの略半分を切
り欠いて、段差４４が設けられている。同時に、この段
差部分から、さらに、溝部４２が凹んで設けられてい
る。

【００２６】光ディスクカートリッジ８が正規方向でキ
ャリア２３内に挿入され、所定の位置に達すると、溝部
４２には、キャリア２３の外側面に貼り付けられたスプ
リング４３の付勢力によってストッパ４１が係合して、
光ディスクカートリッジ８を前記所定の位置に係止させ
る。同時に、この位置で光ディスクカートリッジ８の前
端面が、スイッチ１２に当接して、モータ２７を駆動さ
せ、キャリア２３は装置内部に向って移動し始める（図
５（ｂ）参照）。しかし、光ディスクカートリッジ８
は、ストッパ４１によって係止されているため、キャリ
ア２３内の前記所定位置に保持されたまま搬送される。
キャリア２３は、カートリッジ収納庫６の上部空間で、
保持している光ディスクカートリッジ８が収納庫６内の
各光ディスクカートリッジと垂直に並ぶ位置で停止する
（図５（ｃ））。本実施形態では、この位置が、アクセ
ッサ３との間で光ディスクカートリッジ８の受渡しを行
なうための所定の受渡し位置である。光ディスクカート
リッジ８を排出する場合は、モータ２７を反転して駆動
させ、上記とは逆方向にキャリア２３を移送する。

【００２７】キャリア２３の側面奥側は、切り開かれて
（図２（ｂ）、図５等参照）その先端部分を内側に折り
曲げられ、フック４５を形成している。このフック４５
は、段差４４に相当する切り欠かれた空間部分に突設し
て存在しているため、上記の様に、光ディスクカートリ
ッジ８を正規の向きで装置に投入した場合は、スムーズ
に前記所定の位置まで挿入し得る（図４（ｂ））。これ
に対し、光ディスクカートリッジ８を逆向きで装置に投
入した場合は、段差を施していない後端部側の外装の角
が、フック４５に当接して光ディスクカートリッジ８の
挿入を阻止する（図４（ｃ））。

【００２８】図６及び図７は、アクセッサ３の待避及び
復帰と、カートリッジアクセスステーション２との間で
の光ディスクカートリッジ８の受渡しの手順を表わす。
図６及び図７共に（ａ）及び（ｃ）は装置内部を底面か
ら投影した図、（ｂ）及び（ｄ）は側面から投影した図
である。

【００２９】まず、光ディスクカートリッジ８の導入
は、アクセッサ３の可動部分を、下に待避させた状態で
行なう（図６（ａ）及び（ｂ））。この状態でカートリ
ッジアクセスステーション２のキャリア２３は、アクセ
ッサ３の可動部の上を自由に通過して移動することがで
きる。キャリア２３は、光ディスクカートリッジ８より
も一回り大きいだけなので、アクセッサ３の両支柱であ
るリニアシャフト３１の間を通過して、カートリッジ投
入口５まで達することができる。

【００３０】キャリア２３が、カートリッジ収納庫６の
上部空間である受渡し位置にあるとき、アクセッサ３の
スライド３０及びケース４０を上昇させて、キャリア２
３と同一水平面状に復帰させる（図６（ｃ）及び
（ｄ））。この状態でスライド３０内の動力機構によ
り、ハンド３９を前進させて光ディスクカートリッジ８
の後端側部の把持溝８８を把持させる。そのままハンド
３９を後退させて、光ディスクカートリッジ８を把持し
たままケース４０内に引き込む（図７（ａ）及び
（ｂ））。次に、アクセッサ３のスライド３０及びケー
ス４０を再び下降させ、カートリッジ収納庫６の空いて
いる収納棚の前で停止させる。ハンド３９を前進させ
て、光ディスクカートリッジ８を前記収納棚に装填する
（図７（ｃ）及び（ｄ））。カートリッジ収納庫６やデ
ィスクドライブ７から、光ディスクカートリッジ８を排
出する際には、上記の手順とは逆に各機構を操作する。

【００３１】本実施形態は以上のとおりであるが、本発
明は、上記実施形態に限定されるものではない。例え
ば、本実施形態では、カートリッジ投入口５及びカート
リッジアクセスステーション２を装置の上部に設け、ア
クセッサ３を下側に待避させる構成を採ったが、各機構
の配置は必ずしもこれに限定されず、装置を横倒しにし
て使用するような場合も、上記実施形態と同様の作用、
効果が期待できるものである。

【００３２】また、光ディスクカートリッジ８に設けら
れている段差４４も本実施形態ではカートリッジの厚み
の一部を切り欠いて形成されているが、切り欠き部は特
にこの形状に限定されず、また、フック４５もキャリア
２３の側面から突設するものに限られない。さらに、ス
トッパ４１に係止される溝部４２も、必ずしもこの位置
に設けられている必要はない。また、本発明のカートリ
ッジアクセスステーション２の水平移動機構に、実開平
４−１２６３４８号公報に示されるように、カートリッ
ジ投入口５に備えるシャッターの開閉機構を連動させて
用いてもよい。

【００３３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の集合型光ディスク装置では、光ディスクカートリッジ
の導入及び排出を行なう水平移送器の稼働中にあって
は、ディスクドライブ又はカートリッジ収納庫に対し、
光ディスクカートリッジの装填及び抜き出しを行なう垂
直移送器が、前記水平移送器とは異なる水平面上に待避
するため、カートリッジ投入口を従来の集合型光ディス
ク装置とは逆側に配置したとしても、水平移送器が稼働
する際の障害を排除して、円滑に光ディスクカートリッ
ジの導入及び排出を行なうことができる。この結果、集
合型光ディスク装置においても、単装型ディスクドライ
ブに装填する場合と同じ向きで、光ディスクカートリッ
ジを装置に投入することができる。

【００３４】また、本発明の集合型光ディスク装置の水
平移送器は、筐体内面に固定して設けられたガイドレー
ルに沿って水平方向に移動可能に設けられたキャリアを
有し、このキャリアは、光ディスクカートリッジの外装
に形成された溝部に、付勢力によって係合して光ディス
クカートリッジを係止させるストッパを備えているた
め、従来の様な、複雑で大きなカートリッジ脱落防止機
構を要せず、部品点数を減少させ、装置の信頼性を高め
た上記集合型光ディスク装置を提供することができる。

【００３５】さらに、本発明の集合型光ディスク装置で
は、前端側部を切り欠いて段差が形成されている光ディ
スクカートリッジを用いて、これを正規の向きで装置に
投入したときは前記キャリア内の所定の位置まで挿入さ
れるが、逆向きで投入した場合には光ディスクカートリ
ッジの後端部が当接して挿入を阻止するように、キャリ
ア内部にフックが設けられているため、オペレータが光
ディスクカートリッジ投入の向きを間違えたとしても、
装置が誤って動作することがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は、本発明の集合型光ディスク装置をフ
ロントマスク側から投影した正面切欠図、（ｂ）は、装
置内部を投影した左側面図。

【図２】（ａ）は水平移送器であるカートリッジアクセ
スステーションの平面図、（ｂ）は、このカートリッジ
アクセスステーションを左側面から投影した図。

【図３】垂直移送器であるアクセッサの構成を表わす斜
視図。

【図４】（ａ）は、本実施形態の装置で用いる待ち受け
状態カートリッジに光ディスクカートリッジが挿入され
たときの状態を表わす平面図、（ｂ）は（ａ）に２点鎖
線により描かれた円内の詳細を表わす拡大図、（ｃ）
は、キャリア内に光ディスクカートリッジを逆側から挿
入した場合の状態を表わす拡大図。

【図５】光ディスクカートリッジの導入の様子を表わす
ため、装置内部を投影した左側面図。

【図６】アクセッサの待避及び復帰と、カートリッジア
クセスステーションとの間での光ディスクカートリッジ
の受渡しの手順を表わす図で、（ａ）及び（ｃ）は装置
内部を底面から投影した図、（ｂ）及び（ｄ）は側面か
ら投影した図である。

【図７】アクセッサと、カートリッジアクセスステーシ
ョンとの間での光ディスクカートリッジの受渡しと、カ
ートリッジ収納庫への装填の手順を表わす図で、（ａ）
及び（ｃ）は装置内部を底面から投影した図、（ｂ）及
び（ｄ）は側面から投影した図である。

【図８】従来の集合型光ディスク装置構成例を示す図
で、（ａ）は、フロントマスク側から投影した正面切欠
図、（ｂ）は、装置内部を投影した右側面図。

【図９】（ａ）は従来の集合型光ディスク装置に装備さ
れるカートリッジアクセスステーションの平面図、
（ｂ）は、右側面から投影した図。

【符号の説明】

１，８１ 集合型光ディスク装置 ２，８２ カートリッジアクセスステーション ３ アクセッサ ５，８５ カートリッジ投入口 ６ カートリッジ収納庫 ７ ディスクドライブ ８ 光ディスクカートリッジ ９ 受渡し位置 ２２ ガイドレール ２３，９３ キャリア ４１ ストッパ ４２ 溝部 ４４ 段差 ４５ フック

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集合型光ディスク装置の筐体に開口して
   設けられたカートリッジ投入口と、前記装置内部の所定
   の受渡し位置との間で、光ディスクカートリッジを水平
   方向に移送して、光ディスクカートリッジの導入及び排
   出を行なう水平移送器と、 前記受渡し位置において前記水平移送器との間で光ディ
   スクカートリッジの授受を行ない、前記受渡し位置と前
   記装置に内装されるカートリッジ収納庫及びディスクド
   ライブのいずれかとの間で、前記光ディスクカートリッ
   ジを垂直方向に移送するとともに、前記ディスクドライ
   ブ又はカートリッジ収納庫に対して、前記光ディスクカ
   ートリッジの装填及び抜き出しを行なう垂直移送器とを
   有する集合型光ディスク装置において、 前記カートリッジ収納庫及びディスクドライブは、各々
   開口部を前記カートリッジ投入口側に向けて配置され、 前記垂直移送器は、前記カートリッジ収納庫及びディス
   クドライブよりも前記カートリッジ投入口側に開口部が
   前記カートリッジ収納庫及びディスクドライブに向けて
   垂直方向に移動可能に配置されており、前記水平移送器
   が前記カートリッジの導入及び排出を行なう際には前記
   水平移送器とは異なる水平面上に待避するとともに、前
   記水平移送器との間で前記光ディスクカートリッジの受
   渡しを行なう際には前記水平移送器と同一水平面上に復
   帰するように構成されていることを特徴とする集合型光
   ディスク装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載の集合型光ディスク装置に
   おいて、 前記水平移送器は、 前記筐体内面の前記カートリッジ投入口側から前記受渡
   し位置側にかけて固定して設けられたガイドレールと、 前記ガイドレールに沿って水平方向に移動可能に設けら
   れたキャリアと、 前記キャリアを移動させる動力手段とを有し、 前記キャリアは、前記光ディスクカートリッジの外装に
   形成された溝部に、付勢力により係合して光ディスクカ
   ートリッジを係止させるストッパを有して、光ディスク
   カートリッジをキャリア内の所定位置に保持するように
   構成されていることを特徴とする集合型光ディスク装
   置。
3. 【請求項３】 請求項２記載の集合型光ディスク装置に
   おいて、 前記光ディスクカートリッジの外装が略長方形板状に形
   成され、前記集合型光ディスク装置への投入時における
   前端側部を切り欠いて段差が形成されており、前記キャ
   リアは、前記光ディスクカートリッジが前記所定位置に
   あるときに前記キャリア内面における前記段差に相当す
   る切り欠かれた空間部分に突設してフックを有し、該フ
   ックは、前記光ディスクカートリッジを前記段差が形成
   されていない後端部側から前記キャリア内に投入した場
   合に前記後端部が当接して前記光ディスクカートリッジ
   の挿入を阻止するよう構成されていることを特徴とする
   集合型光ディスク装置。