JPH0749653Y2 - カセツトオ−トチエンジヤ− - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えばテレビジヨン放送局において長時間に
亘る連続ビデオ再生や録画を行うのに最適なカセツトオ
ートチエンジヤーに関するものである。

〔考案の概要〕

本考案は、それぞれにカセットが収納された多数のカセ
ット収納棚を有する棚装置と、上記カセットが挿入され
る記録及び／又は再生装置と、上記棚装置と上記記録及
び／又は再生装置との間で上記カセットの運搬及び受け
渡しを行うカセット移送機と、上記カセット収納棚に取
り付けられ、このカセット収納棚にカセットを収納して
保持する復動位置とこのカセットをこのカセット収納棚
から上記カセット移送機に向けて排出する往動位置との
間で移動可能な移動部材とを備えるカセットオートチェ
ンジャーにおいて、上記カセット収納棚に収納されてい
るカセットを上記カセット収納棚から上記カセット移送
機に排出するために上記カセットに当接される当接部を
上記移動部材に設け、この当接部を上記カセット収納棚
に収納されたカセットに当接させる当接位置と、当接が
解除される当接解除位置との間で上記移動部材の移動方
向に直交して回動可能に構成しかつ付勢部材によって上
記当接位置に向け付勢されるように構成することによ
り、カセツト収納棚に収納されているカセツトをカセツ
ト移送機側へ押出すものでありながら、そのカセツトを
カセツト移送機側とは反対のオペレータ側等へ自由に抜
取ることができる構成を、極めて簡単な構造で達成でき
るようにしたものである。

〔従来の技術〕

本考案の出願人は、ビデオカセツト等を用いるカセツト
オートチエンジヤーの先願例として、例えば特願昭61-8
3567号を先に出願している。

この先願例では、カセツト収納棚に収納されているカセ
ツトをカセツト移送機側とその反対のオペレータ側との
両方に選択的に押出すことができるカセツト挿入排出機
構を設けたものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、先願例のカセツト挿入排出機構は、カセ
ツトをカセツト移送機側とオペレータ側とに押出すため
の一対のカセツト押出部材と、これらをそれぞれ駆動す
るばねと、これらをそれぞれ復動位置でロツクする一対
のロツク機構と、そのロツク機構のロツクを解除する一
対のロツク解除手段等によつて構成されていて、部品点
数及び組立工数が多くて、構造が非常に複雑で、コスト
高につく欠点があつた。

本考案は、上記のような問題点を解決するためになされ
たものであつて、カセツト収納棚に収納されているカセ
ツトをカセツト移送機側とは反対のオペレータ側等へ自
由に抜取ることができる極めて簡単な構造を提供しよう
とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前述したカセツトオートチエンジヤーにおい
て、上記カセット収納棚に収納されているカセットを上
記カセット収納棚から上記カセット移送機に排出するた
めに上記カセットに当接される当接部を上記移動部材に
設け、この当接部を上記カセット収納棚に収納されたカ
セットに当接させる当接位置と、当接が解除される当接
解除位置との間で上記移動部材の移動方向に直交して回
動可能に構成しかつ付勢部材によって上記当接位置に付
勢されるように構成したものである。

〔作用〕

本考案におけるカセツトオートチエンジヤーによれば、
カセツト収納棚に収納されているカセツトをカセツト移
送機側へ押出すための部材に設けた当接部を解除位置へ
移動させるだけで、カセツト収納棚に収納されているカ
セツトをカセツト移送機側とは反対のオペレータ側等へ
自由に抜取ることができる。

〔実施例〕

以下、本考案をビデオカセット用のカセツトオートチエ
ンジヤーに適用した一実施例を図面に基づき説明する。

先ず、第５図及び第６図によつて、カセツトオートチエ
ンジヤー全体について説明する。

先ず、このカセツトオートチエンジヤーは数100個もの
多数のカセツト１を収納する大型機である。そして、そ
の多数のカセツト１を上下多数段（30〜50段）で横数列
（５〜10列）に収納する多数のカセツト収納棚２に設け
られた複数の棚ブロツク３が第５図で上下方向及び左右
方向に移動されるカセツト移送機４の移動経路５の前後
両側に沿つて２列状に並べられて配置されている。な
お、オペレータ側（前面側）６に配置されている２つの
棚ブロツク３は観音開き状に開閉可能に構成されてお
り、後面側に配置されている２つの棚ブロツク３は固定
されている。そして、移動経路５の一側部には上下多数
段の記録再生装置（カセツト式ビデオテープレコーダ）
８が配置されている。なお、各記録再生装置８は各種の
操作釦やインジケータ類等が設けられた操作面8aをオペ
レータ側６に配置させ、かつカセツト移送機４側の横側
面8bにカセツト挿入口９を設けたものである。そして、
各記録再生装置８のカセツト挿入口９に各々対向させた
状態で各記録再生装置８と棚ブロツク２との間に上下複
数段のカセツト回転装置10が配置されている。

そして、このカセツトオートチエンジヤーは、上下方向
及び左右方向に移動されるカセツト移送機４によつて、
多数のカセツト収納棚２のカセツト移送機側11におい
て、指定された棚番地からカセツト１を順次取出す。そ
して、その取出したカセツト１をカセツト移送機４によ
つて自動移送して各カセツト回転装置10に選択的に順次
供給する。そして、その供給されたカセツト１の向きを
各カセツト回転装置10によつて90°回転した後、各記録
再生装置８のカセツト挿入口９内に各カセツト１をその
長手方向から順次選択的に供給する。そして、複数の記
録再生装置８を用いて長時間に亘る連続ビデオ再生や録
画等を行う。なおビデオ再生や録画等の終つた各カセツ
ト１は上記動作の逆動作でカセツト収納棚２の元の指定
された棚番地に返却するものである。

次に、第１図〜第４図によつて、カセツト収納棚２の詳
細を説明する。

カセツト収納棚２は合成樹脂にて成形されていて、その
水平な上面2aに平行な２つのほぼ直線状の凹部13、14
と、これらの間に配置されたほぼ円形状の凹部15とが設
けられている。そして、第１の部材16が凹部13内に配置
され、第２の部材17が凹部14内に配置され、第３の部材
18が凹部15内に配置されている。

第１の部材16は合成樹脂にて成形された水平板で構成さ
れていて、そのカセツト移送機側の外側端部上にはカセ
ツトロツク部19が垂直状に一体成形されており、かつそ
のカセツトロツク部19には斜面20が設けられている。ま
た、第１の部材16の凹部15側の内側面にはラツク21が一
体成形されている。そして、第１の部材16は一対の長孔
22、23によつてカセツト収納棚２の凹部13内に固着され
た一対のガイドピン24、25に遊嵌されており、一方の長
孔22の一端には円弧状部22aが設けられている。従つ
て、第１の部材16は長孔22、23及びガイドピン24、25に
よつて案内されて、凹部13内にて第1A図に実線で示す復
動位置と、第1B図に示す往動位置との間で移動自在に構
成されており、かつ復動付勢手段であるばね（引張ば
ね）26によつて第１の部材16は復動位置へ復動付勢され
ている。

第２の部材17は合成樹脂にて成形された水平板で構成さ
れていて、その凹部15側の内側面にはラツク27が一体成
形されている。そして、第２の部材17は長孔28によつて
カセツト収納棚２の凹部14内に固着されたガイドピン29
に遊嵌されており、凹部14の両側には一対のガイド部30
が設けられている。従つて、第２の部材17は長孔28、ガ
イドピン29及び両ガイド部30によつて案内されて、凹部
14内にて第1A図に示す復動位置と、第1B図に示す往動位
置との間で移動自在に構成されており、かつ、復動付勢
手段であるばね（引張ばね）31によつて第２の部材17は
復動位置へ復動付勢されている。

第３の部材18は合成樹脂にて成形されたギヤに構成され
ていて、この第３の部材18には両ラック21、27が噛合さ
れる上下一対の扇形ギヤ32、33が一体成形されている。

そして、第２の部材17のオペレータ側６の端部には当接
部34が取付けられている。第３図及び第４図に示すよう
に、この当接部34は第２の部材17に設けられた凹部35内
に支点ピン36を介して回動自在に取付けられていて、第
３図及び第４図に実線で示す当接位置（第２の部材17の
上方にほぼ垂直に起立した位置）と、第３図及び第４図
に１点鎖線で示す解除位置（第２の部材17とほぼ同一高
さ位置までほぼ水平に倒された位置）との間で移動自在
に構成されている。そして、当接部34は復動付勢手段で
あるばね（捩りコイルばね）37によつて当接位置へ復動
付勢されて、その当接部34に一体に設けられたストツパ
ー38を第２の部材17の上面上に当接させてほぼ垂直状に
保持されるように構成されている。なお、カセツト収納
棚２のオペレータ側６には手指挿入用の切欠き39が設け
られている。

次に、カセツト収納棚２に対するカセツト１の挿入及び
排出動作を説明する。

先ず、第1A図に１点鎖線で示すように、カセツト移送機
４からカセツト収納棚２上にカセツト１が矢印ａ方向か
ら挿入される際には、そのカセツト１の一方のコーナ1a
がカセツトロツク部19の斜面20に矢印ａ方向から当接さ
れる。その際、斜面20による案内作用によつて、カセツ
トロツク部19が矢印ａ方向に押されながら矢印ｂ方向に
逃げることになつて、第１の部材16が長孔22の円弧状部
22aで案内されて一度第1A図に１点鎖線で示す位置まで
ばね26に抗して逃げる。そして、第1A図に２点鎖線で示
すように、カセツト１がカセツト収納棚２上に完全に挿
入された時に、第１の部材16が第1A図に実線で示す復動
位置へばね26によつて復動される。そして、カセツト収
納棚２内に完全に挿入されたカセツト１の両端面1b、1c
が当接部34とカセツトロツク部19とに当接されるように
なつて、カセツト１がカセツト収納棚２上に安全に収納
される。

次に、第1B図に示す如く、カセツト収納棚２上に収納さ
れているカセツト１をカセツト移送機側11へ矢印ｃ方向
に押出す際には、カセツト移送機４に設けられた押圧手
段40が第１の部材16のカセツト移送機側の端面を矢印ｄ
方向に押す。すると、長孔22の円弧状部22aによる案内
作用によつて、第１の部材16が一度第1A図に１点鎖線で
示す位置まで移動されて、カセツトロツク部19がカセツ
ト１の一方の側面1dから矢印ｂ方向に逃がされた後、長
孔22、23及びガイドピン24、25によつて案内されて第１
の部材16が矢印ｅ方向に往動位置まで移動される。しか
してこの際、第１の部材16のラツク21が第３の部材18の
扇形ギヤ32に係合されて、その第３の部材18を矢印ｆ方
向に回転させ、その第３の部材18の扇形ギヤ33が第２の
部材17のラツク27を駆動して、第２の部材17が長孔28、
ガイドピン29及び両ガイド部30によつて案内されて矢印
ｃ方向に往動位置まで移動される。この結果、第２図に
示す如く、第２の部材17の当接部34がカセツト１の端面
1bを矢印ｃ方向に押して、カセツト１がカセツト収納棚
２上からカセツト移送機４側に矢印ｃ方向に押出され
て、カセツト１がカセツト移送機４のカセツト保持部4a
内に矢印ｃ方向から挿入されて保持される。なお、この
際、扇形ギヤ32の半径より扇形ギヤ33の半径が大きく構
成されているため、第１の部材16の矢印ｅ方向の移動ス
トロークより第２の部材17の矢印ｃ方向の移動ストロー
クの方が大きく、第２の部材17はカセツト１をカセツト
移送機４内へ確実に挿入する。

ところで、第1A図に実線で示すように、第１の部材16が
復動位置に復動されている状態では、ラツク21が第３の
部材18の扇形ギヤ32から外されている。従つて、第1A図
に２点鎖線で示すように、カセツト収納棚２上にカセツ
ト１が収納されている状態で、オペレータ側から当接部
34を矢印ｃ方向に不用意に押して、第２の部材17のラツ
ク27によつて扇形ギヤ33を介して第３の部材18を矢印ｆ
方向に回転させても、第１の部材16が矢印ｅ方向に移動
されることがない。従つて、カセツトロツク部19が矢印
ｂ方向に不用意に外されることがないので、当接部34を
矢印ｃ方向に不用意に押しても、カセツト１の端面1cが
カセツトロツク部19に当接されて、カセツト１がカセツ
ト移送機側11へ不用意に押出されることがない。

以上要するに、第1B図に示す如く、カセツト移送機４の
押圧手段40で第１の部材16を矢印ｄ方向に押さない限
り、その他の如何なる外力によつても、カセツト収納棚
２上に収納されているカセツト１をカセツト移送機側11
へ不測に押出すことはできない。

次に、第２図に示すように、当接部34を支点ピン36を中
心にばね37に抗して第３図及び第４図に実線で示す当接
位置から１点鎖線で示す解除位置へ矢印ｇ方向へ倒せ
ば、カセツト収納棚２の切欠き39内に手指を挿入してカ
セツト１をつまみ、そのカセツト１をカセツト収納棚２
上からオペレータ側６へ矢印ｈ方向に自由に抜取ること
ができる。またその逆に、抜取つたカセツト１をオペレ
ータ側６からカセツト収納棚２上に矢印ｃ方向から自由
に挿入することができる。なお、矢印ｇ方向に倒した当
接部34から手指を離せば、その当接部34はばね37によつ
て矢印ｉ方向に回動されて、当接位置へ自動復帰され
る。

以上、本考案の実施例に付き述べたが、本考案は実施例
に限定されることなく、本考案の技術的思想に基づいて
各種の有効な変更が可能である。

また、本考案は、ビデオカセツトを用いるカセツトオー
トチエンジヤーに限定されることなく、磁気テープや光
デイスク等の各種の記録媒体を収納した各種カセツトや
カートリツジのオートチエンジヤーに適用可能である。

〔考案の効果〕

本考案のカセットオートチェンジャーは上述のような移
動部材を備えているから、カセツトをカセツト移送機側
とオペレータ側とに押出すための一対のカセツト押出部
材と、これらをそれぞれ駆動するばねと、これらをそれ
ぞれ復動位置でロツクする一対のロツク機構と、そのロ
ツク機構のロツクを解除する一対のロツク解除手段等か
ら成るカセット挿入排出機構を備えた前記先願の装置と
較べると、カセットをカセット移送機側のみに押出すよ
うにした本考案のカセットオートチェンジャーは、に比
べて、部品点数及び組立工数が非常に少なく、構造が非
常に簡単で、低コストにつく効果がある。

またカセットを、上記オペレータ側等から挿入、排出さ
せたい場合には、手で当接部を当接解除位置へと回動
し、カセットを手で挿入あるいは排出させればよいか
ら、移動部材の機能を先願例のものより上述のごとく制
限しても、特に支障は考えられない。なお上記当接部は
上記挿入、排出操作が終了すると、付勢部材により上記
当接位置に戻されているから、不注意が原因でカセット
の移動部材による排出に支障を与えるようなおそれが全
くない。

さらに上記当接部は、移動部材の移動方向に直交して回
動させられる構成であるから、カセットが排出される際
にカセットからの反力で倒伏するのを防ぐロック手段は
特に必要としない。したがって装置の構造簡略化に寄与
するところが大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示したものであつて、第1A図及
び第1B図はカセツト収納棚の平面図、第２図はカセツト
収納棚の縦断面図、第３図はカセツト収納棚のオペレー
タ側の側面図、第４図は当接部の斜視図、第５図はカセ
ツトオートチエンジヤー全体の正面図、第６図はカセツ
トオートチエンジヤー全体の側面図である。 また、図面に用いられた符号において、 １……カセツト ２……カセツト収納棚 ３……棚ブロック（棚装置） ４……カセツト移送機 ６……オペレータ側 ８……記録再生装置 16……第１の部材（移動部材） 17……第２の部材（移動部材） 34……当接部 37……ばね（付勢部材） である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれにカセットが収納された多数のカ
   セット収納棚を有する棚装置と、 上記カセットが挿入される記録及び／又は再生装置と、 上記棚装置と上記記録及び／又は再生装置との間で上記
   カセットの運搬及び受け渡しを行うカセット移送機と、 上記カセット収納棚に取り付けられ、このカセット収納
   棚にカセットを収納して保持する復動位置とこのカセッ
   トをこのカセット収納棚から上記カセット移送機に向け
   て排出する往動位置との間で移動可能な移動部材とを備
   えるカセットオートチェンジャーにおいて、 上記カセット収納棚に収納されているカセットを上記カ
   セット収納棚から上記カセット移送機に排出するために
   上記カセットに当接される当接部を上記移動部材に設
   け、この当接部を上記カセット収納棚に収納されたカセ
   ットに当接させる当接位置と、当接が解除される当接解
   除位置との間で上記移動部材の移動方向に直交して回動
   可能に構成しかつ付勢部材によって上記当接位置に向け
   付勢されるように構成したことを特徴とするカセットオ
   ートチェンジャー。