JPH09112606A - ハイブリッドブレーキパッド - Google Patents

ハイブリッドブレーキパッド

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JPH09112606A
JPH09112606A JP26583095A JP26583095A JPH09112606A JP H09112606 A JPH09112606 A JP H09112606A JP 26583095 A JP26583095 A JP 26583095A JP 26583095 A JP26583095 A JP 26583095A JP H09112606 A JPH09112606 A JP H09112606A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】『鳴きの低減』に有利であり、従って『鳴きの
低減』と『効き』との両立を達成し易い構造のハイブリ
ッドブレーキパッドを提供すること。 【解決手段】異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせ
たハイブリッドブレーキパッドである。相対的に摩擦係
数が低い摩擦材3は、相対的に摩擦係数が高い摩擦材4
よりもΔL1突出している。摩擦材3は、摩擦材4より
も圧縮弾性率が小さいことが好ましい。摩擦材3は、摩
擦材4よりも摩耗率が小さいことが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイブリッドブレー
キパッドに関する。本発明は例えば車両のブレーキパッ
ドに利用できる。
【0002】
【従来の技術】ブレーキパッドでは、制動時におけるブ
レーキの『鳴き』の一層の低減が要望されている。更に
『鳴きの低減』の他に、ブレーキによる『効き』の一層
の向上も要望されている。ところで、複数の摩擦材を組
み合わせた構造のハイブリッドブレーキパッドとして、
外周側に耐摩耗性が高い摩擦材を配置し、内周側に耐摩
耗性が低い摩擦材を配置した構造のものが知られている
(実開昭56−113241号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記公報
に係るハイブリッドブレーキパッドは、径方向における
摩耗量の均一化を意図したものであり、『鳴きの低減』
を意図したものではない。更に『鳴きの低減』と『効
き』との両立を意図したものでもない。本発明は上記し
た実情に鑑みなされたものであり、請求項1の課題は、
『鳴きの低減』に有利であり、従って『鳴きの低減』と
『効き』との両立を達成し易い構造のハイブリッドブレ
ーキパッドを提供することにある。
【0004】更に請求項2、3の課題は、『鳴きの低
減』と『効きの向上』との両立を一層達成し易い構造の
ハイブリッドブレーキパッドを提供することにある。更
に請求項4の課題は、上記した課題に加えて、摩擦によ
る引きずりに起因する混在、ひいては摩擦特性の変動を
抑制するのに有利で、長期にわたり良好な摩擦特性を維
持するのに有利なハイブリッドブレーキパッドを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記した課題
を解決するために鋭意開発を進め、ブレーキの『効き』
が良好な高摩擦係数の摩擦材は『鳴きの低減』の面で不
利であり、一方、『鳴きの低減』の面で有利な低摩擦係
数の摩擦材は『効き』の面で不利である傾向があるこ
と、『鳴き』は、ブレーキの軽踏力時に生じ易いことに
着目した。そして、軽踏込時には、低摩擦係数の摩擦材
が他の部分よりも優先的に相手材に摩擦する構造とすれ
ば、『鳴きの低減』の面で有利であることを知見し、請
求項1に係るブレーキパッドを完成した。
【0006】更に本発明者は、他の部位よりも突出して
いる低摩擦係数の摩擦材の圧縮弾性率を高摩擦係数の摩
擦材の圧縮弾性率よりも小さくすれば、『鳴きの低減』
の面で有利であるものの『効き』の面では必ずしも充分
ではない低摩擦係数の摩擦材を、高踏込時に圧縮させ易
くなり、従って高踏込時には『効き』に有利な高摩擦係
数の摩擦材が相手材と摩擦し易くなることに着目し、請
求項2に係るブレーキパッドを完成した。
【0007】更に本発明者は、低摩擦係数の摩擦材の摩
耗率を高摩擦材の摩耗率よりも小さくすれば、低摩擦係
数の摩擦材の摩耗量を低減でき、従って低摩擦係数の摩
擦材を突出させる構造を長期にわたり維持し易いことに
着目し、請求項3に係るブレーキパッドを完成した。即
ち、請求項1に係るハイブリッドブレーキパッドは、異
なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせたハイブリッド
ブレーキパッドであって、相対的に摩擦係数が低い摩擦
材が他の部位より突出していることを特徴とするもので
ある。
【0008】請求項2に係るハイブリッドブレーキパッ
ドは、請求項1において、相対的に摩擦係数が低い摩擦
材と、これよりも相対的に摩擦係数が高い摩擦材とを組
み合わせて構成され、相対的に摩擦係数が低い摩擦材
は、相対的に摩擦係数が高い摩擦材よりも圧縮弾性率が
小さいことを特徴とするものである。
【0009】請求項3に係るハイブリッドブレーキパッ
ドは、請求項1または2において、相対的に摩擦係数が
低い摩擦材は、相対的に摩擦係数が高い摩擦材よりも摩
耗率が小さいことを特徴とするものである。請求項4に
係るハイブリッドブレーキパッドは、請求項1〜3のい
ずれかにおいて、相対的に摩擦係数が低い摩擦材、相対
的に摩擦係数が高い摩擦材は、摩擦摺動方向に沿って配
設されていることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】 請求項1によれば、相対的に摩擦係数が低い摩擦材が
突出しているため、ブレーキの軽踏力時には、摩擦係数
が低い摩擦材が相手材と優先的に摩擦する。これにより
軽踏力時における『鳴き』を抑制し易い。またブレーキ
の高踏力時には、摩擦係数が高い摩擦材も相手材に摺動
するため、制動性である『効き』も確保される。
【0011】請求項2によれば、相対的に摩擦係数が
低い摩擦材は、相対的に摩擦係数が高い摩擦材よりも圧
縮弾性率が小さく、摩擦係数が高い摩擦材に比較して軟
目であり、相手材に圧縮されて、引っ込み易い。従って
摩擦係数が低い摩擦材が通常の状態において突出してい
ても、高踏力時には、摩擦係数の高い摩擦材の圧縮荷重
の分担が大きくなり、ブレーキの『効き』が確保され
る。
【0012】更に摩擦係数が低い摩擦材は相手材に圧縮
されて、引っ込み易いため、圧縮荷重分担が小さく、摩
擦擦係数が低い摩擦材の摩耗が抑制されがちとなる。故
に、摩擦係数が低い摩擦材の突出構造は維持され易くな
る。 更に請求項3によれば、相対的に摩擦係数が低い摩擦
材は、相対的に摩擦係数が高い摩擦材よりも摩耗率が小
さいため、摩擦係数が高い部材に比較して摩耗量も少な
い。ブレーキの踏込みが解除されたときには、摩擦係数
が低い摩擦材は、摩擦係数が高い摩擦材よりも突出し易
くなる。即ち、摩擦係数が低い摩擦材の突出構造は維持
され易くなる。
【0013】請求項4によれば、摩擦係数が低い摩擦
材、摩擦係数が高い摩擦材が摩擦摺動方向に沿って配設
されているため、ハイブリッドブレーキパッドと相手材
とが摩擦摺動した場合であっても、摩擦材の引きずりに
起因して、摩擦係数が低い摩擦材と摩擦係数が高い摩擦
材とが混在することは、抑制される。 上記した特性をもつ摩擦材は、基材、摩擦摩耗調整
剤、結合剤の種類や配合割合を適宜変えることによっ
て、構成できる。
【0014】基材としては、有機繊維等からなる有機基
材、無機繊維等からなる無機基材を適宜選択できる。有
機繊維としてはアラミド繊維(パラ系)、レーヨン、ポ
リアミド繊維、アクリル繊維等を採用でき、無機繊維と
してはスチール繊維、銅線等を採用できる。摩擦摩耗調
整剤としてはゴム、カシュ、バライタ、炭酸カルシウ
ム、黒鉛、二硫化モリブデン、アルミナやシリカ等を適
宜選択できる。結合剤としてはフェノール樹脂、メラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂等を採用できる。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例1を説明する。本実
施例は車両のディスクブレーキパッドに適用したもので
ある。図1はブレーキパッド1を裏金2に装着した状態
を示し、図2は図1のA−A線に沿う断面を示す。Bは
ディスクブレーキロータの回転中心を示す。
【0016】ブレーキパッド1は、摩擦係数が低い第1
摩擦材3と、摩擦係数が高い第2摩擦材4とを組み合わ
せて構成されている。図1において、摩擦係数が低い第
1摩擦材3の領域は斜線で示されており、所定幅Mを備
えた大きな曲率半径で摩擦摺動方向に沿って、つまりデ
ィスクブレーキロータの回転中心Bを中心として矢印B
3方向に円弧帯状に略同軸的に配設されている。ブレー
キパッド1のうち、残りの領域は、摩擦係数が高い第2
摩擦材4とされている。
【0017】なお第2摩擦材4の表出面積は、第1摩擦
材3の表出面積よりも大きくされている。本実施例によ
れば通常の状態においては、図2に示す様に、摩擦係数
が低い第1摩擦材3は、摩擦係数が高い第2摩擦材4よ
りもΔL1突出している。なおΔL1はブレーキパッド
1の種類、使用条件、ブレーキフィーリングの要請等に
応じて適宜選択できるが、一般的には0.5mm以下、
特に0.3mm以下にできるが、これに限定されるもの
ではなく、ブレーキパッドの種類によっては場合によっ
ては1mm程度とすることもできる。なおΔL1が過剰
になると、一般的にはブレーキフィーリングが低下す
る。
【0018】以下、本実施例で用いた摩擦係数が低い第
1摩擦材3と、摩擦係数が高い第2摩擦材4の特性を説
明する。 (A)摩擦係数が低い第1摩擦材3 摩擦係数μL :0.25 圧縮弾性率EL :10〔kg/mm2 〕(ブレーキ圧:
10〔kg/cm2 〕において) 摩耗率WL :0.9×10-4〔kgf・m・s2 〕 (B)摩擦係数が高い第2摩擦材4 摩擦係数μH :0.4 圧縮弾性率EH :110〔kg/mm2 〕(ブレーキ
圧:10〔kg/cm2 〕において) 摩耗率WH :2.4×10-4〜2.5×10-4〔kgf
・m・s2 〕 ここで、(第2摩擦材4の摩耗率WH /第1摩擦材3の
摩耗率WL )は約2.8とされている。また第1摩擦材
3の面積をAL とし、第2摩擦材4の面積をA H とする
と、AH /AL =2.8とされている。
【0019】なお摩擦係数はJASO C406(乗用
車ブレーキ装置タイナモメータ試験方法)に準じた試験
方法により求めた。圧縮弾性率は所定の圧力Fで摩擦材
(厚みt、面積A)を厚み方向に圧縮し、圧縮量δを測
定し、圧縮弾性率E=(F/A)/(δ/t)に基づい
て求めた。摩耗率は、車速50km/hからブレーキに
より減速度0.2Gで減速して停止させ、これを所定回
数繰り返し、摩擦材の厚みの減少量の平均値を摩耗量と
し、そこから摩耗率を測定した。
【0020】本実施例に係る摩擦係数が低い第1摩擦材
3、摩擦係数が高い第2摩擦材4の基本組成を表1に示
す。
【0021】
【表1】 なおゴムダストは、圧縮弾性率の減少に貢献できる。ス
チール繊維は摩擦係数の確保に貢献できる。
【0022】以上の説明から理解できる様に本実施例に
よれば、第1摩擦材3の摩擦係数μ L は第2摩擦材4の
摩擦係数μH よりも小さくされている(μL <μH )。
また第1摩擦材3の圧縮弾性率EL は第2摩擦材4の圧
縮弾性率EH よりも小さくされている(EL <EH )。
また第1摩擦材3の摩耗率WL は第2摩擦材4の摩耗率
H よりも小さくされており(WL <WH )、第1摩擦
材3は摩耗しにくいものである。
【0023】以上の構成とした本実施例によれば、図2
から理解できる様に、摩擦係数が低い第1摩擦材3が第
2摩擦材4よりも突出している。そのため、ブレーキの
軽踏力時には、摩擦係数が小さく『鳴きの低減』に有効
な第1摩擦材3が、まず優先的にディスクブレーキロー
タつまり相手材6に摩擦する。これによりブレーキの軽
踏力時における『鳴き』の問題が軽減、回避される。
【0024】またブレーキの踏み込みを増加した高踏力
時には、図3から理解できる様に第1摩擦材3が圧縮し
て、摩擦係数μH が高く『効き』に強い第2摩擦材4
も、相手材6に摩擦する様になる。そのため高踏力時に
おいて、ブレーキの『効き』も確保される。更に本実施
例によれば、第1摩擦材3の圧縮弾性率EL は小さいの
で、第2摩擦材4に比較して軟目であり、相手材6に圧
縮されて引っ込み易い特性をもつ。故に、ブレーキの踏
み込みを増加した高踏力時には、圧縮弾性率EL が小さ
い第1摩擦材3の圧縮が進む。従って摩擦係数μH が高
く『効き』に強い第2摩擦材4が、相手材6に一層摩擦
し易くなる。そのため高踏力時において、ブレーキの
『効き』の向上に有利である。
【0025】更にまた本実施例によれば、第1摩擦材3
の摩耗率WL は第2摩擦材4の摩耗率WH よりも小さい
ため、第1摩擦材3の摩耗は第2摩擦材4に比較して相
対的に少ない。従って、ブレーキの踏込みが解除された
ときには、摩擦係数が低い第1摩擦材3は、摩擦係数が
高い第2摩擦材4よりも突出し易くなる。結果として、
図2に示す第1摩擦材3の突出構造が維持され易い。
【0026】加えて本実施例によれば、図1から理解で
きる様に摩擦係数が低い第1摩擦材3、摩擦係数が高い
第2摩擦材4が略同軸的に配置され、両者が摩擦摺動方
向つまり矢印B3方向に沿って配設されている。そのた
め、ハイブリッドブレーキパッド1と相手材6とが摩擦
摺動する場合において、摩擦材の引きずり現象に起因し
て第1摩擦材3と第2摩擦材4とが混在する不具合は、
抑制される。故に長期間にわたり使用したとしても、ハ
イブリッドブレーキパッド1における摩擦特性の変動を
抑制できる。
【0027】加えて本実施例によれば、摩擦係数が低い
第1摩擦材3が相手材6に優先的に摩擦するので、第1
摩擦材3の摩擦係数μL を極めて小さくすれば、相手材
6の摩耗を極めて小さくでき、相手材6の偏摩耗の低
減、回避に有利である。よって、相手材6の偏摩耗に起
因する異常振動を低減、回避するのに有利である。なお
他の例として、摩擦係数の低い摩擦材3が通常の状態で
突出しておらず、摩擦係数の高い摩擦材4と同一面上で
ある様な構造のパッドとすることもできる。この場合に
は、圧縮弾性率の小さい部分である摩擦材3よりも、圧
縮弾性率が大きい部分である摩擦材4(摩擦係数が高
い)の圧縮荷重分担が大きくなり易く、従って摩擦係数
が高くなり、ブレーキの『効き』が確保される。
【0028】(実施例2)本発明に係る実施例2を図4
に示す。この例は実施例1と基本的には同様の構成であ
り、同様の作用効果を奏する。但しこの例では低い摩擦
係数の第1摩擦材3には、軟質なクッション部7が設け
られている。従って第1摩擦材3の圧縮弾性率EL を小
さくするのに有利である。よってこの例では相手材6に
より圧縮されると、第1摩擦材3は引き込み易い。なお
クッション部7は、第1摩擦材3と裏金2との間に設け
ても良いし、或いは、第1摩擦材3の内部に埋設しても
良い。図4に示す例ではクッション部7は塊状である
が、これに限らず粉粒状でも良い。
【0029】(実施例3)本発明に係る実施例3を図5
及び図6に示す。この例は実施例1と基本的には同様の
構成であり、同様の作用効果を奏する。この例ではブレ
ーキパッド1は、摩擦係数が低い第1摩擦材3と、摩擦
係数が高い第2摩擦材4と、第1摩擦材3と第2摩擦材
4との境界域に略同軸的に配置された円弧帯状の第3摩
擦材8とを組み合わせて構成されている。
【0030】本実施例においても実施例1と同様に、第
1摩擦材3の摩擦係数μL は第2摩擦材4の摩擦係数μ
H よりも小さくされている(μL <μH )。また第1摩
擦材3の圧縮弾性率EL は第2摩擦材4の圧縮弾性率E
H よりも小さくされている(EL <EH )。また第1摩
擦材3の摩耗率WL は第2摩擦材4の摩耗率WH よりも
小さくされている(WL <WH )。
【0031】更に前述した様に第3摩擦材8の摩擦係数
μM は、第1摩擦材3の摩擦係数μ L と第2摩擦材4の
摩擦係数μH との中間とされている。(μL <μM <μ
H )。また第3摩擦材8の圧縮弾性率EM は、第1摩擦
材3の圧縮弾性率EL と第2摩擦材4の圧縮弾性率EH
との間の中間とされている(EL <EM <EH )。また
第3摩擦材8の摩耗率WM は、第1摩擦材3の摩耗率W
L と第2摩擦材4の摩耗率WH との中間とされている。
(WL <WM <WH )。
【0032】本実施例によれば図6(A)に示す様に、
摩擦係数が低い第1摩擦材3は、摩擦係数が高い第2摩
擦材4や第3摩擦材8よりもΔL1突出している。更に
図6(B)に示す様に第3摩擦材8が第2摩擦材4より
もΔL2突出しており、第1摩擦材3が第2摩擦材4よ
りもΔL1突出している構造にすることもできる。この
場合にはΔL2はΔL1よりも小さい(ΔL2<ΔL
1)。
【0033】(試験例)試験例として、上記した実施例
1に係るハイブリッドブレーキパッドを用い、その摩擦
係数μの特性を試験した。この試験例では制動速度を2
0km/h、50km/h、100km/hとした。試
験はJASO C406(ダイナモメータ試験法)に準
じて行った。この試験は、実車と同じブレーキ装置を用
いて、実際の使用状態をダイナモメータでシミュレート
することにより、常用ブレーキ性能を評価する試験であ
る。
【0034】試験結果を図7に示す。図7の特性線から
理解できる様に、軽踏力時つまり軽負荷時(30kgf
/cm2 未満)には、低い摩擦係数とされている。高踏
力時つまり高負荷時には、高い摩擦係数とされている。
この特性線から、軽踏力時には、摩擦係数が低い第1摩
擦材3が主として機能し、高踏力時には、摩擦係数が高
い第2摩擦材4が主として機能していることが明らかで
ある。
【0035】(他の例)上記した各実施例によれば、第
1摩擦材3、第2摩擦材4、更に及び第3摩擦材を区分
けしているが、これに限らず傾斜組成的に連続的に変化
される形態とすることも可能である。
【0036】
【発明の効果】請求項1のブレーキパッドによれば、軽
踏力時には、摩擦係数が小さくて『鳴きの低減』に有利
な摩擦材が優先的に相手材に摩擦するため、ブレーキの
『鳴きの低減』に有利である。更にブレーキの踏み込み
が増加した高踏力時には、摩擦係数が高い摩擦材が相手
材に摩擦する様になるため、ブレーキの『効き』が確保
される。故に、『鳴きの低減』と『効き』との両立を達
成し易い構造を提供できる。
【0037】更に請求項2のブレーキパッドによれば、
摩擦係数が小さい摩擦材は圧縮弾性率が小さくて高踏力
時に引き込み易い。故に高踏力時には、摩擦係数が高い
摩擦材が相手材に摩擦し易い。従って、軽踏力時におけ
る『鳴きの低減』と高踏力時における『効き』との両立
を一層達成し易い構造を提供できる。更に請求項3のブ
レーキパッドによれば、摩擦係数が低い摩擦材は摩耗率
が小さいので、摩擦係数が低い摩擦材が突出する構造に
維持し易い。従って『鳴きの低減』と『効き』との両立
を一層達成し易い。
【0038】更に請求項4のブレーキパッドによれば、
摩擦による引きずりに起因する摩擦材の混在を軽減、回
避するのに有利である。従って摩擦特性の変動を抑制す
るのに有利で、長期にわたり良好な摩擦特性を維持する
のに貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレーキパッドの構成図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】相手材と摩擦している状態の断面図である。
【図4】実施例2に係る断面図である。
【図5】実施例3に係るブレーキパッドの構成図であ
る。
【図6】実施例3に係るブレーキパッドの断面図であ
る。
【図7】摩擦係数を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1はブレーキパッド、2は裏金、3は第1摩擦
材、4は第2摩擦材を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせ
    たハイブリッドブレーキパッドであって、 相対的に摩擦係数が低い摩擦材が他の部位より突出して
    いることを特徴とするハイブリッドブレーキパッド。
  2. 【請求項2】相対的に摩擦係数が低い摩擦材と、これよ
    りも相対的に摩擦係数が高い摩擦材とを組み合わせて構
    成され、 相対的に摩擦係数が低い摩擦材は、相対的に摩擦係数が
    高い摩擦材よりも圧縮弾性率が小さいことを特徴とする
    請求項1に記載のハイブリッドブレーキパッド。
  3. 【請求項3】相対的に摩擦係数が低い摩擦材は、相対的
    に摩擦係数が高い摩擦材よりも摩耗率が小さいことを特
    徴とする請求項1または2に記載のハイブリッドブレー
    キパッド。
  4. 【請求項4】相対的に摩擦係数が低い摩擦材、相対的に
    摩擦係数が高い摩擦材は、摩擦摺動方向に沿って配設さ
    れていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のハイブリッドブレーキパッド。
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