JPH1112559A - 摩擦材 - Google Patents

摩擦材

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JPH1112559A
JPH1112559A JP17134397A JP17134397A JPH1112559A JP H1112559 A JPH1112559 A JP H1112559A JP 17134397 A JP17134397 A JP 17134397A JP 17134397 A JP17134397 A JP 17134397A JP H1112559 A JPH1112559 A JP H1112559A
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fiber
calcium silicate
fibers
friction
aspect ratio
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JP17134397A
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Norio Misawa
紀雄 三澤
Shinichi Hasegawa
真一 長谷川
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Aisin Chemical Co Ltd
Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐摩耗性を確保すると共に、相手材の
摩耗を少なく抑える。 【解決手段】 アラミド繊維とケイ酸カルシウム繊維と
を主材として含む非金属系繊維基材と、樹脂結合剤と、
充填剤とからなる摩擦材において、そのケイ酸カルシウ
ム繊維として、平均繊維径が1.5〜15μmであり、
かつ、アスペクト比が20〜30であるものを使用し、
摩擦材全体に対し5.0〜20体積%の割合で配合す
る。非金属系繊維基材の主材としてアラミド繊維と共に
ケイ酸カルシウム繊維を配合し、そのケイ酸カルシウム
繊維として、繊維径が十分に小さいが小さすぎることな
く、またアスペクト比が適度な範囲にある繊維を用いる
ため、優れた耐摩耗性を確保することができ、しかも、
相手材の摩耗を少なく抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等のディスク
ブレーキパッド、ドラムブレーキライニングまたはクラ
ッチフェーシング等として使用される摩擦材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車のディスクブレーキパッド、ドラ
ムブレーキシュー等に使用される摩擦材は、多くの材料
からなる複合材として形成されている。即ち、骨格を形
成する繊維状の成分である繊維基材と、この繊維基材を
結合保持する樹脂成分である樹脂結合剤と、これらの繊
維基材と樹脂結合剤とのマトリックス中に分散し充填さ
れる摩擦・摩耗特性等の改善のための粉末状の成分であ
る各種の充填剤とから構成されている。
【0003】ここで、基材として骨格を形成し、摩擦材
に適度な多孔性と共に強度と弾性を与える繊維基材は、
それの主要な特性を大きく左右する最も重要な成分であ
る。そして、この繊維基材としては、近年では石綿繊維
(アスベスト)以外の繊維材料が使用されている。
【0004】そのようなアスベスト代替繊維による摩擦
材の一つに、繊維基材としてケイ酸カルシウム繊維(カ
ルシウムメタシリケート繊維)を用いたものが知られて
いる。このケイ酸カルシウム繊維は、特に高い耐熱性を
有し、そのため、これを繊維基材として用いることによ
り、特に、高温下における耐摩耗性を有効に向上するこ
とができる。
【0005】例えば、特開昭56−16578号公報に
は、アスベスト系摩擦材の高温下での耐摩耗性を高める
ために、石綿繊維の実質的に全てをケイ酸カルシウム繊
維で代替した摩擦材が開示されている。なお、そのケイ
酸カルシウム繊維としては、繊維径0.5〜20μm、
繊維長0.05〜20mmの繊維が用いられている。
【0006】また、特開昭62−215678号公報で
は、繊維基材として、ケイ酸カルシウム繊維を、耐熱性
有機繊維(アラミド繊維)とガラス繊維と組合わせて用
い、それによって耐摩耗性を確保した摩擦材が開示され
ている。なお、そのケイ酸カルシウム繊維としては、ア
スペクト比30以上のものが用いられている。
【0007】更に、特公平3−10815号公報では、
繊維基材として、ケイ酸カルシウム繊維を、耐炎繊維
(アクリル酸化繊維)と組合せて用い、耐摩耗性を確保
した摩擦材が開示されている。なお、ここでは、ケイ酸
カルシウム繊維は、繊維径3〜9μm、アスペクト比1
3〜15の比較的短い繊維が用いられている。
【0008】また、特公平7−23740号公報では、
繊維間のカラミをよくし、繊維の脱落を防止して、高温
下での耐摩耗性を更に高めるために、アスペクト比30
〜40のケイ酸カルシウム繊維を、耐熱性有機繊維(ア
ラミド繊維)とスチール系金属繊維と共に繊維基材とし
て用いた摩擦材が開示されている。
【0009】また、これに対して、特公平7−7465
7号公報では、相手材攻撃性が高いスチール系金属繊維
に代えて銅繊維等の非鉄金属繊維(非スチール系金属繊
維)を用い、アスペクト比30〜40のケイ酸カルシウ
ム繊維とアラミド繊維と非スチール系金属繊維とを繊維
基材とし、優れた耐摩耗性を確保しつつ、相手材の摩耗
を抑えた摩擦材が開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このケイ酸
カルシウム繊維の配合は、耐摩耗性を高める一方で、相
手材に対する攻撃性も同時に高め、その摩耗を増大させ
る傾向がある。この相手材の摩耗の増大は、その寿命を
縮めるだけでなく、偏摩耗となってノイズやブレーキ振
動等の原因ともなるものであり、したがって、なるべく
少なく抑えることが望ましいことは言うまでもない。特
に最近では、自動車の高速化、高出力化等によって制動
条件がますます過酷になっていることから、摩擦材は耐
摩耗性に優れると共に、相手材攻撃性が低く、過酷な条
件で制動が繰返されても、そのような相手材の摩耗の増
大を引き起こさないことが重要になってきている。
【0011】そこで、本発明は、優れた耐摩耗性を確保
すると共に、相手材の摩耗を少なく抑えることができる
摩擦材の提供を課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる摩擦材
は、アラミド繊維とケイ酸カルシウム繊維とを主材とし
て含む非金属系繊維基材と、樹脂結合剤と、充填剤とか
らなる摩擦材において、そのケイ酸カルシウム繊維は、
平均繊維径が1.5〜15μmであり、かつ、アスペク
ト比が20〜30であって、摩擦材全体に対し5.0〜
20体積%の割合で含まれることを特徴とするものであ
る。
【0013】このように、本発明の摩擦材においては、
繊維基材がアラミド繊維とケイ酸カルシウム繊維を主材
とする実質的に非金属系の繊維材料からなり、また、そ
のアラミド繊維と共に繊維基材の主材として使用される
ケイ酸カルシウム繊維が、繊維径が平均繊維径で1.5
〜15μmであり、またアスペクト比が20〜30の適
切な範囲であって、摩擦材全体に対し5.0〜20体積
%の割合で含まれるので、後述の試験結果からも明らか
なように、優れた耐摩耗性を確保すると共に、相手材の
摩耗を少なく抑えることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、この摩擦材について、更に
詳細に説明する。
【0015】上記のように、本発明の摩擦材において
は、繊維基材の主材として、非金属系繊維であるアラミ
ド繊維と共に、所定の繊維径及びアスペクト比を有する
ケイ酸カルシウム繊維を所定の割合で使用する。
【0016】このケイ酸カルシウム繊維は、化学組成
[CaSiO3 ]を有する繊維状のカルシムメタシリケ
ートであり、具体的には、例えば、ウォラストナイト
(珪灰石)と呼ばれる三斜晶系に属する天然鉱物からな
るものを挙げることができる。このウォラストナイトか
らなるケイ酸カルシウム繊維は、針状、或いは、柱状
(長柱状)の形状を有し、また、鉄FeやマンガンMn
がカルシウムCaを一部置換して固溶体として含まれて
いるため、そのFeやMnの量によっても異なるが、一
般に、モース硬度で4.5〜5程度の硬度を有する。ま
た、化学的に極めて安定であり、特に高い耐熱性を有す
る。
【0017】したがって、この耐熱性が特に優れたケイ
酸カルシウム繊維を繊維基材の主材として使用すること
によって、高温下においても摩擦材の摩耗を有効に抑え
ることができ、その耐摩耗性を高めることができる。
【0018】そして、このケイ酸カルシウム繊維の繊維
径は、それによる相手材の摩耗を抑えるためには小さい
ほど好ましく、平均繊維径で15μmより小さいことが
好ましい。ただし、平均繊維径が1.5μm未満では、
後述のようなアスペクト比を有する繊維の量産が比較的
困難であるだけでなく、耐摩耗性の向上効果を得難くな
る傾向がある。そのため、繊維径は平均繊維径で1.5
〜15μmであることが適当である。また、そのような
繊維径と共に、アスペクト比は20〜30であることが
適切であり、それによって特に高い耐摩耗性を得ると共
に相手材の摩耗を抑えることができる。即ち、耐摩耗性
の点では、アスペクト比は比較的大きいほうが好まし
く、20より大きいことが好ましい。ただし、アスペク
ト比が余り大きいと、相手材の摩耗が増大する傾向があ
り、試験的に確認した範囲では、アスペクト比は30よ
り小さいことが好ましく、27より小さいことがより好
ましい。
【0019】そして、このケイ酸カルシウム繊維は、摩
擦材全体に対して、一般に5〜20体積%の割合で配合
することができる。即ち、この配合が余り少なく、5体
積%よりも少ないと、耐摩耗性を実用上十分に向上する
ことが困難となる。他方、この配合を多くするほど耐摩
耗性はより向上されるが、余り多い配合は、相手材の摩
耗をやはり増大させる傾向がある。そのため、20体積
%を限度として、それ以下の割合で配合することが好ま
しい。
【0020】また、このケイ酸カルシウムと共に繊維基
材の主材として使用するアラミド繊維(芳香族ポリアミ
ド繊維)としては、石綿繊維を含まない非アスベスト系
摩擦材において、繊維基材の主材として一般に用いられ
ているものを使用することができ、パルプ状の、即ち、
フィブリル化された繊維を使用することが好ましい。こ
のアラミド繊維は、軽量で、有機繊維ではあるが特に強
度が高く、耐熱性にも比較的優れている。そして、これ
によれば、そのフィブリルが上記のケイ酸カルシウム繊
維に絡み付くため、それを良好に保持し、それの繊維の
特性を良好に発揮させることができる。
【0021】なお、繊維基材の主材としては、これらの
アラミド繊維及びケイ酸カルシウム繊維以外にも、その
他のセラミックス系の繊維を合せて使用することができ
る。具体的には、チタン酸カリウム繊維またはウィス
カ、或いは、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊
維、アルミナ−シリカ系繊維、アルミナ−シリカ−ジル
コニア系繊維、炭化ケイ素系繊維等のセラミック繊維、
ロックウール、スラグウール等が挙げられる。ただし、
シリカ系繊維等のセラミック繊維は相手材攻撃性が比較
的高く、相手材を摩耗させ易い傾向がある。したがっ
て、それらの中でも、繊維基材の主材としてアラミド繊
維とケイ酸カルシウム繊維と組合せて使用するその他の
セラミックス系の繊維材料としては、相手材攻撃性が低
いチタン酸カリウム繊維またはウィスカが好ましい。な
お、繊維基材の主材としては、金属系繊維は基本的には
使用されないが、添加物量程度の少量であれば、熱伝導
性を向上するために、比較的硬度の低い銅繊維等の非ス
チール系金属繊維を使用することもできる。
【0022】なお、本発明の摩擦材を形成するその他の
成分、即ち、樹脂結合剤と充填剤については、従来と基
本的に同様である。
【0023】即ち、繊維基材及び充填剤を結合保持する
樹脂結合剤としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
エポキシ樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂、或いはSBR等のゴム等を使用することができる。
ただし、これらの中でも、フェノール樹脂、またはその
各種変性物が最も一般的に使用されるものでもあり、特
に好ましい。そして、このフェノール樹脂としては、一
般にノボラック型の粉末を使用することができる。
【0024】更に、摩擦材の摩擦・摩耗特性を調整し改
善する充填剤としては、グラファイト(黒鉛)、二硫化
モリブデン、三硫化アンチモン等の固体潤滑剤、硫酸バ
リウム、炭酸カルシウム等の体質充填剤、カシューダス
トまたはその他の高分子粉末、アルミナ粉、シリカ粉、
ケイ酸ジルコニウム粉、酸化ジルコニウム粉等のアブレ
ッシブ剤、主に熱伝導性を向上するための銅粉、亜鉛
粉、真鍮粉等の金属粉、或いはその他の摩擦調整のため
の添加剤を使用することができる。
【0025】そして、以上の成分、即ち、アラミド繊維
とケイ酸カルシウム繊維を主材として含む非金属系の繊
維基材と、樹脂結合剤と、充填剤とからなる本発明の摩
擦材は、これらの材料成分を混合し、この混合物を圧縮
して予備成形した後、加熱加圧成形する通常の熱成形方
法によって製造することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を、実施例及び比較例により更
に具体的に説明する。
【0027】図1は本発明の実施例及び比較例の摩擦材
の配合組成(体積%)とその評価試験結果を示す表図で
ある。
【0028】〔摩擦材(パッド)の作製〕図1に示す配
合組成(体積%)で、本発明の実施例1乃至実施例4の
摩擦材を作製した。また、これらの実施例との対比のた
めに、比較例1及び比較例2の摩擦材も合わせて作製し
た。なお、これらの実施例及び比較例の摩擦材は、具体
的には、自動車のディスクブレーキ用パッドとして具体
化したものである。
【0029】図1のように、これらの実施例及び比較例
の摩擦材は、その骨格を形成する繊維状の成分である繊
維基材と、この繊維基材を結合保持する樹脂結合剤と、
これらの繊維基材と樹脂結合剤とのマトリックス中に分
散して充填される粉体状の成分である充填剤とから形成
され、その繊維基材の主材として、アラミド繊維とケイ
酸カルシウム繊維とを含むものである。そして、各実施
例及び比較例において、そのケイ酸カルシウム繊維の種
類及び配合割合が種々に変えられている。
【0030】具体的には、繊維基材は、アラミド繊維
と、ケイ酸カルシウム繊維と、主に耐熱強度を確保する
ためのチタン酸カリウム繊維とからなっている。そし
て、各実施例及び比較例において、アラミド繊維15体
積%、チタン酸カリウム繊維8体積%を固定条件とし、
ケイ酸カルシウム繊維の割合を5〜20体積%の範囲で
変えて配合した。
【0031】樹脂結合剤としては、フェノール樹脂(ノ
ボラック型)を使用し、硬化剤と共に、各実施例及び比
較例において20体積%の割合で配合した。
【0032】充填剤としては、摩擦係数を調整し、安定
化するためのカシューダストと、固体潤滑剤としてのグ
ラファイトと、主に熱伝導性を向上するための銅粉と、
体質充填剤としての硫酸バリウムとを使用した。そし
て、各実施例及び比較例において、カシューダスト16
体積%、グラファイト5体積%、銅粉3体積%の割合で
配合し、硫酸バリウムの配合割合を上記ケイ酸カルシウ
ム繊維の割合に応じて変え、全体で100体積%となる
ようにした。つまり、各実施例及び比較例において、ケ
イ酸カルシウム繊維以外の成分及び配合割合は実質的に
同じである。
【0033】ここで、ケイ酸カルシウム繊維として、繊
維径、アスペクト比が異なる次の6種類のケイ酸カルシ
ウム繊維A〜Fを用意した。
【0034】〈ケイ酸カルシウム繊維〉 ケイ酸カルシウム繊維A:平均繊維径1.5μm,アス
ペクト比20 ケイ酸カルシウム繊維B:平均繊維径8.0μm,アス
ペクト比25 ケイ酸カルシウム繊維C:平均繊維径12μm,アスペ
クト比27 ケイ酸カルシウム繊維D:平均繊維径15μm,アスペ
クト比30 ケイ酸カルシウム繊維E:平均繊維径1.0μm,アス
ペクト比15 ケイ酸カルシウム繊維F:平均繊維径30μm,アスペ
クト比33 そして、実施例1では、ケイ酸カルシウム繊維Aを、摩
擦材全体に対し20体積%の割合で配合した。また、実
施例2ではケイ酸カルシウム繊維Bを10体積%、実施
例3ではケイ酸カルシウム繊維Cを、実施例4ではケイ
酸カルシウム繊維Dを、それぞれ5体積%配合した。
【0035】これらの実施例に対して、比較例1ではケ
イ酸カルシウム繊維Eを、比較例2ではケイ酸カルシウ
ム繊維Fを、それぞれ10体積%配合した。
【0036】これらの実施例及び比較例の摩擦材の作製
は、通常の熱成形方法によって行った。即ち、各種のケ
イ酸カルシウム繊維を種々の割合で含む上記配合の摩擦
材原料をブレンダで十分均一に混合した後、この粉状混
合物を予備成形金型に投入し、常温下、圧力200kg
/cm2 で約1分間加圧し、略パッド形状の摩擦材の予
備成形物を形成した。次いで、この摩擦材の予備成形物
を、予め表面にフェノール樹脂系接着剤を塗布した裏金
と共に熱成形金型にセットし、加圧圧力300kg/c
2 、温度160℃で5分間熱成形した。これを更に1
90℃で180分間熱処理し、裏金と一体になった摩擦
材、即ち、ディスクブレーキパッドを得た。
【0037】〔評価試験〕次に、作製した実施例及び比
較例の各摩擦材(ディスクブレーキパッド)について、
それらの耐摩耗性及び相手材攻撃性に関する評価試験を
行った。
【0038】耐摩耗性については、JASO−C427
−83に準じて一般性能試験を行い、試験終了後の各摩
擦材の摩耗量を測定した。試験条件は次のとおりであ
る。 使用キャリパブレーキ型式:PD51−18V イナーシャ:4.0kg・m2 初速度:50km/h。
【0039】また、相手材(厚さ18mmベンチレーテ
ッド型ディスクロータ)に対する攻撃性に関しては、J
ASO試験終了後のその相手材の摩耗量を測定した。
【0040】実施例及び比較例の各摩擦材について、そ
の摩耗量(mm)と、相手材の摩耗量(μm)とを図1
に合わせて示す。
【0041】〔試験結果〕図1のように、ケイ酸カルシ
ウム繊維として、平均繊維径が1.5〜15μmの範囲
にあり、かつ、アスペクト比が20〜30であるケイ酸
カルシウム繊維A〜Dを、摩擦材全体に対し5.0〜2
0体積%の割合で使用した実施例1乃至実施例4の摩擦
材においては、優れた耐摩耗性が得られ、しかも、相手
材(ディスクロータ)の摩耗量は十分に少ないレベルに
抑えられている。そして、この効果は、比較例との対比
からより明らかである。
【0042】即ち、比較例1は、平均繊維径がより小さ
い1.0μmであり、また、アスペクト比も小さい15
であるケイ酸カルシウム繊維Eを用いたものであるが、
これによれば、相手材の摩耗量はより少なくなるが、同
時に、耐摩耗性が大幅に低下している。逆に、平均繊維
径がより大きな30μmであり、アスペクト比も33と
大きいケイ酸カルシウム繊維Fを用いた比較例2では、
耐摩耗性はより高められているが、それ以上に相手材の
摩耗が増大している。
【0043】そこで、この評価試験の結果からも、優れ
た耐摩耗性を確保すると共に、相手材の摩耗を十分に少
ないレベルに抑制するためには、非金属系の繊維基材の
主材としてアラミド繊維と共に使用するケイ酸カルシウ
ム繊維としては、十分に小さいが小さすぎない繊維径
(平均繊維径1.5〜15μm)と適当なアスペクト比
(20〜30)とを有するものを使用することが好まし
いことが分かる。
【0044】ところで、本発明の摩擦材については、特
に、ディスクブレーキ用のパッドを例として主に説明し
たが、本発明を実施する場合には、これに限定されるも
のではなく、ドラムブレーキのライニング、或いはクラ
ッチフェーシング等、乾式摩擦係合装置に使用されるそ
の他の摩擦材にも同様に適用することができる。また、
繊維基材等の種類と配合等についても、上記の実施例に
限定されることなく、種々に変更することができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1にかかる摩擦材
は、アラミド繊維とケイ酸カルシウム繊維とを主材とし
て含む非金属系繊維基材と、樹脂結合剤と、充填剤とか
らなる摩擦材において、そのケイ酸カルシウム繊維は、
平均繊維径が1.5〜15μmであり、かつ、アスペク
ト比が20〜30であって、摩擦材全体に対し5.0〜
20体積%の割合で含まれることを特徴とするものであ
る。
【0046】したがって、この摩擦材によれば、非金属
系繊維基材の主材としてアラミド繊維と共にケイ酸カル
シウム繊維を配合し、そのケイ酸カルシウム繊維として
十分に小さいが小さすぎない繊維径と適当なアスペクト
比とを有するものを使用しているので、耐摩耗性を有効
に高め、しかも、相手材の摩耗の増大を少なく抑えるこ
とができる。即ち、本発明の摩擦材によれば、優れた耐
摩耗性を確保すると共に、相手材の摩耗を少なく抑制す
ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例及び比較例の摩擦材
(ディスクブレーキパット)の配合組成とその評価試験
結果を示す表図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラミド繊維とケイ酸カルシウム繊維と
    を主材として含む非金属系繊維基材と、樹脂結合剤と、
    充填剤とからなる摩擦材において、 前記ケイ酸カルシウム繊維は、平均繊維径が1.5〜1
    5μmであり、かつ、アスペクト比が20〜30であっ
    て、摩擦材全体に対し5.0〜20体積%の割合で含ま
    れることを特徴とする摩擦材。
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