JP2013050118A - 車両用トルクリミッタ - Google Patents
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Abstract
【課題】リミットトルクの経時的な変化を抑制することができる車両用トルクリミッタを提供することにある。
【解決手段】トルクリミッタ37の組付時では、皿バネ82の皿バネ荷重Fのうち、摩擦材88よりも厚みのある弾性部材84が受け持つ分担荷重F1が大きくなり、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が小さくなる。従って、初期状態では摩擦係数の高い摩擦材88に付与される分担荷重(F−F1)が相対的に減少するので、初期リミットトルクTlm'を低下させることができる。
【選択図】図2
【解決手段】トルクリミッタ37の組付時では、皿バネ82の皿バネ荷重Fのうち、摩擦材88よりも厚みのある弾性部材84が受け持つ分担荷重F1が大きくなり、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が小さくなる。従って、初期状態では摩擦係数の高い摩擦材88に付与される分担荷重(F−F1)が相対的に減少するので、初期リミットトルクTlm'を低下させることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、車両用トルクリミッタに係り、特に、リミットトルクの経時的な変化を抑制技術に関するものである。
例えば車両用ダンパ装置等において、予め設定されているリミットトルクを超えるトルクが伝達されると、滑りを生じさせることでそのトルク伝達を防止する車両用トルクリミッタが備えられている。具体的には、車両用トルクリミッタは、主に軸心まわりに回転可能な第1回転プレートと、その第1回転プレートに相対回転可能に設けられている第2回転プレートと、その第1回転プレートと第2回転プレートとの間に介挿されている摩擦材と、その第1回転プレートを第2回転プレートに向かって軸方向に押し付ける付勢部材とを、含んで構成されている。そして、摩擦材と第1回転プレートまたは第2回転プレートとの間の摩擦係数や付勢部材の付勢荷重等を調整することでリミットトルクが決定され、そのリミットトルクを越えるトルクが伝達された場合には、摩擦材と第1回転プレートまたは第2回転プレートとの間で滑りが生じることで、リミットトルクを越えるトルク伝達が防止される。例えば特許文献1のトルクリミッタ装置301がその一例である。トルクリミッタ装置301において、過大なトルクが入力されると、クラッチディスク333とプレッシャプレート342との間で滑りが生じるように構成されている。また、特許文献1には、クラッチディスク333の摩耗時に、ダイヤフラムスプリング343のレバー部343b内周端の軸方向位置を一定に保つようにダイヤフラムスプリング343を付勢するコーンスプリング350を設けることで、クラッチディスク333が摩耗しても押し付け特性の変化を抑制する技術が開示されている。
ところで、車両用トルクリミッタは、リミットトルクを越えるトルク伝達を防止するほか、下限についても必要伝達トルク以上のトルクを伝達する必要がある。ここで、従来の車両用トルクリミッタのリミットトルクは経時変化に伴って低下し、所定のリミットトルクまで低下すると、一定の値で推移することが知られている。これは、車両用トルクリミッタが作動(摺動)するに従って摩擦材になじみが生じ、摩擦係数が低下するためである。この低下した所定のリミットトルクが、少なくとも必要伝達トルク以上となる必要がある。そのため、リミットトルクの低下を考慮して、予め初期リミットトルクを高い値に設定しなければならなかった。そして、トランスミッションの強度は、この初期リミットトルクを伝達可能に設計する必要があるため、トランスミッションの強度が不要に高くなる問題があった。なお、特許文献1においても、押し付け特性の変化は抑制されるものの、クラッチディスク333が摩耗するに従って摩擦係数は経時的に低下するため、初期リミットトルクを高い値に設定する必要がある。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、リミットトルクの経時的な変化を抑制することができる車両用トルクリミッタを提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)一軸中心線まわりに回転可能な第1回転プレートと、その第1回転プレートに相対回転可能に設けられている第2回転プレートと、その第1回転プレートとその第2回転プレートとの間に介挿されている摩擦材と、その第1回転プレートをその第2回転プレートに向かって軸方向に押し付ける付勢部材とを、含んで構成される車両用トルクリミッタにおいて、(b)前記第1回転プレートと前記第2回転プレートとの間には、非圧縮時には前記摩擦材よりも大きな厚みを有し、その摩擦材よりも摺動による摩耗量が大きい中間部材が、その摩擦材と前記付勢部材の押圧力を分担するように介挿されていることを特徴とする。
このようにすれば、トルクリミッタの組付時では、付勢部材の押圧荷重のうち、摩擦材よりも大きな厚みを有する中間部材が受け持つ分担荷重が大きくなり、摩擦材の分担荷重が小さくなる。従って、初期状態では摩擦係数の高い摩擦材に付与される分担荷重が相対的に減少するので、初期リミットトルクを低下させることができる。また、トルクリミッタが作動(摺動)するにつれて摩擦材のなじみが生じ、摩擦材の摩擦係数が低下するが、これと並行して中間部材が摩耗するため、この中間部材が受け持つ分担荷重が小さくなり、摩擦材側に付与される分担荷重が大きくなる。これより、摩擦材のなじみによって摩擦材の摩擦係数が低下することを考慮しても、摩擦材側に付与される分担荷重が大きくなるので、リミットトルクの必要以上の低下が防止される。このようにして、リミットトルクの経時的な変化を抑制することができる。
また、好適には、前記中間部材と前記第1回転プレートまたは前記第2回転プレートとの間の摩擦係数は、前記摩擦材と前記第1回転プレートまたは前記第2回転プレートとの間の摩擦係数よりも低い。このようにすれば、トルクリミッタの初期状態において、初期リミットトルクを低下することができる。
また、好適には、前記中間部材は、ガラス繊維(グラスファイバー)に熱硬化性樹脂(フェノール樹脂やエポキシ樹脂)を巻き付けて熱硬化させたものや加硫ゴム等の弾性部材で構成される。また、これらの摩擦面(摺動面)に、ボルト等に塗布されるμ安定剤(μ低下剤)が適宜塗布されても構わない。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、この車両用駆動装置10では、車両において、主駆動源である第1駆動源12のトルクが出力部材として機能する車輪側出力軸14に伝達され、その車輪側出力軸14から差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、この車両用駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2電動機MG2が第2駆動源として設けられており、この第2電動機MG2は自動変速機22を介して上記車輪側出力軸に連結されている。したがって、第2電動機MG2から車輪側出力軸へ伝達される出力トルクがその自動変速機22で設定される変速比γs(=第2電動機MG2の回転速度Nmg2/車輪側出力軸の回転速度Nout)に応じて増減されるようになっている。
第2電動機MG2と駆動輪18との間の動力伝達経路に介装されている自動変速機22は、変速比γsが「1」より大きい複数段を成立させることができるように構成されており、第2電動機MG2からトルクを出力する力行時にはそのトルクを増大させて車輪側出力軸へ伝達することができるので、第2電動機MG2が一層低容量もしくは小型に構成される。これにより、例えば高車速に伴って車輪側出力軸の回転速度Noutが増大した場合には、第2電動機MG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γsを小さくして第2電動機MG2の回転速度(以下、第2電動機回転速度という)Nmg2を低下させたり、また車輪側出力軸の回転速度Noutが低下した場合には、変速比γsを大きくして第2電動機回転速度Nmg2を増大させる。
上記第1駆動源12は、主動力源としてのエンジン24と、第1電動機MG1と、これらエンジン24と第1電動機MG1との間でトルクを合成もしくは分配するための動力分配機構としての遊星歯車装置26とを主体として構成されている。上記エンジン24は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とする図示しないエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置には、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダルの操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
上記第1電動機MG1は、例えば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に生じるように構成され、インバータ30を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置32に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする図示しないモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によってそのインバータ30が制御されることにより、第1電動機MG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。
遊星歯車装置26は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリヤCA0とを三つの回転要素として備えて公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置26はエンジン24および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置26および自動変速機22は中心線に対して対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
本実施例では、エンジン24のクランク軸36は、トルクリミッタ37を有するダンパ装置38および動力伝達軸39を介して遊星歯車装置26のキャリヤCA0に連結されている。これに対してサンギヤS0には第1電動機MG1が連結され、リングギヤR0には車輪側出力軸が連結されている。このキャリヤCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。
上記遊星歯車装置26において、キャリヤCA0に入力されるエンジン24の出力トルクに対して、第1電動機MG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、直達トルクが現れるので、第1電動機MG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度すなわち車輪側出力軸14の回転速度(出力軸回転速度)Noutが一定であるとき、第1電動機MG1の回転速度Nmg1を上下に変化させることにより、エンジン24の回転速度(エンジン回転速度)Neを連続的に(無段階に)変化させることができる。
本実施例の前記自動変速機22は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にステップドピニオンP1の大径部が噛合するとともに、そのステップドピニオンP1の小径部がピニオンP2に噛合し、そのピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心に配置されたリングギヤR1(R2)に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリヤCA1(CA2)によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がピニオンP2に噛合している。
前記第2電動機MG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によりインバータ40を介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、アシスト用出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定される。第2サンギヤS2にはその第2電動機MG2が連結され、上記キャリヤCA1が車輪側出力軸に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にタプルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と非回転部材であるハウジング42との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1とハウジング42との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって制動力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、それぞれ油圧シリンダ等のブレーキB1用油圧アクチュエータ、ブレーキB2用油圧アクチュエータにより発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリヤCA1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshの高速段Hが成立させられ、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられるとその高速段Hの変速比γshより大きい変速比γslの低速段Lが成立させられるように構成されている。すなわち、自動変速機22は2段変速機で、これらの変速段HおよびLの間での変速は、車速Vや要求駆動力(もしくはアクセル操作量)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。
図2は、図1に示すダンパ装置38の構成を詳細に説明するための断面図であって、図3に示すダンパ装置38の正面図のA−A断面図に対応している。なお、図2および図3のダンパ装置38は、一軸中心線C(軸心)より下半分が省略されおり、図3においてはプレート78bが取り外された状態を示している。ダンパ装置38は、一軸中心線Cを中心としてエンジン24と遊星歯車装置26との間に動力伝達可能に設けられており、図1に示す動力伝達軸39がダンパ装置38の内周部にスプライン嵌合される。
ダンパ装置38は、左右一対の円盤状のプレートから成り、一軸中心線Cまわりに回転可能なディスクプレート56と、動力伝達軸39にスプライン嵌合されることで相対回転不能に連結され、ディスクプレート56と一軸中心線Cまわりに相対回転可能なハブ部材58と、ディスクプレート56とハブ部材58との間に介挿され、ディスクプレート56およびハブ部材58を、それらの部材間の相対回転量に応じて弾性変形しつつ作動的(弾性的)に連結するばね鋼から成るコイルスプリング62(トーションスプリング)と、ディスクプレート56とハブ部材58との間で摩擦力を発生させるヒステリシス機構64と、ディスクプレート56の外周側に設けられているトルクリミッタ37とを、含んで構成されている。
ディスクプレート56は、左右一対の円盤状の第1プレート70および第2プレート72から構成され、コイルスプリング62をそれらのプレート70、72で軸方向に挟み込んだ状態で、リベット66によって相対回転不能に締結されている。なお、リベット66は後述するトルクリミッタ37のライニングプレート76の締結部材としても機能している。第1プレート70には、コイルスプリング62を収容するための第1開口穴70aが周方向に複数個形成されている。また、第2プレート72にも、コイルスプリング62を収容するための第2開口穴72aが、前記第1開口穴70aと同じ位相で周方向に複数個形成されている。そして、第1開口穴70aおよび第2開口穴72aによって形成される空間にコイルスプリング62が複数個収容される。これより、ディスクプレート56が一軸中心線Cまわり回転すると、コイルスプリング62も同様に一軸中心線Cまわりに公転させられる。
ハブ部材58は、内周部に動力伝達軸39がスプライン嵌合される内周歯を備えた円筒部58aと、その円筒部58aの外周面から径方向外側に伸びるフランジ部58bとから形成されている。フランジ部58bには、径方向外側に突き出す突き出し部が等角度間隔で例えば4個形成されている。そして、回転方向において各突き出し部の間に形成される空間にコイルスプリング62が収容されている。これより、ハブ部材58が一軸中心線Cまわりに回転すると、コイルスプリング62も同様に一軸中心線Cまわりに公転させられる。このように構成されることで、コイルスプリング62は、ディスクプレート56およびハブ部材58をそれらの部材間の相対回転量に応じて弾性変形しつつ作動的に連結する。具体的には、例えばディスクプレート56が回転すると、コイルスプリング62の一端が押圧され、コイルスプリング62の他端がハブ部材58の突き出し部を押圧することで、ハブ部材58が回転させられる。このとき、コイルスプリング62は、弾性変形されつつ回転を伝達することで、トルク変動によるショックが吸収される。
ヒステリシス機構64は、ダンパ装置38の内周側であって、軸方向においてディスクプレート56とハブ部材58のフランジ部58bとの間に設けられている。そして、ヒステリシス機構64は、複数枚の摩擦材や皿バネ等から構成され、ディスクプレート56とハブ部材58の間で摩擦力を発生させる。この摩擦力が調整されることで最適なヒステリシストルクが設定される。
トルクリミッタ37(車両用トルクリミッタ)は、ディスクプレート56の外周側に設けられており、予め設定されているリミットトルクTlmを越えるトルク伝達を防止する機能を有している。トルクリミッタ37は、ディスクプレート56と共にリベット66で締結されることでディスクプレート56と共に一軸中心線Cまわりに回転する円板状のライニングプレート76と、トルクリミッタ37の外周縁に配置され、図示しないフライホイールを介してクランク軸36に接続される左右一対の円盤状のプレートから成るサポートプレート78と、サポートプレート78に収容されるようにライニングプレート76と軸方向に隣接して配置される円板環状のプレッシャプレート80と、軸方向においてプレッシャプレート80とサポートプレート78との間の間隙に介挿されているコーン状の皿バネ82とを、含んで構成されている。なお、プレッシャプレート80が本発明の第1回転プレートに対応しており、ライニングプレート76が本発明の第2回転プレートに対応し、皿バネ82が本発明の付勢部材に対応している。
サポートプレート78は、左右一対の円盤状のプレート78a、78bから構成され、それらの外周部がリベット86によって相対回転不能に締結されている。また、プレート78bの内周側は、軸方向においてプレート78aと乖離する方向に屈曲されている。従って、サポートプレート78の内周側には、トルクリミッタ37を構成する各要素を収容するための空間が形成されている。
ライニングプレート76は、内周側が第1プレート70および第2プレート72と共にリベット66で固定された円板環状の部材である。このライニングプレート76の外周側両面には、摩擦材88a、88bが例えば図示しないリベットによって固定されている。摩擦材88aは、ライニングプレート76とプレッシャプレート80との間に配置され、プレッシャプレート80に対して摺動可能に摺接されている。すなわち、摩擦材88aのプレッシャプレート80と摺接する部位が摩擦材88aの摩擦面となる。また、摩擦材88bは、ライニングプレート76とプレート78aとの間に配置され、プレート78aに対して摺動可能に摺接されている。すなわち、摩擦材88bのプレート78aと摺接する部位が摩擦材88bの摩擦面となる。
また、軸方向においてプレッシャプレート80とライニングプレート76との間であって、摩擦材88aよりも内周側には、円環状の第1弾性部材84aが、摩擦材88aと皿バネ82の皿バネ荷重Fを分担するように介挿されている。この第1弾性部材84aは、ライニングプレート76側に接着されており、プレッシャプレート80とライニングプレート76との間に介挿されない非圧縮時では、摩擦材88aの軸方向の厚みよりも大きな厚みt1を有している。そして、第1弾性部材84aがプレッシャプレート80とライニングプレート76との間に介挿されると、皿バネ82の皿バネ荷重Fによって弾性変形(圧縮)させられた状態となる。なお、第1弾性部材84aが本発明の中間部材に対応している。
また、軸方向においてプレート78aとライニングプレート76との間であって、摩擦材88bよりも内周側には、円環状の第2弾性部材84bが、摩擦材88bと皿バネ82の皿バネ荷重Fを分担するように介挿されている。この第2弾性部材84bは、ライニングプレート76側に接着されており、プレート78aとライニングプレート76との間に介挿されない非圧縮時では、摩擦材88bの軸方向の厚みよりも大きな厚みt2を有している。そして、第2弾性部材84bがプレート78aとライニングプレート76との間に介挿されると、皿バネ82の皿バネ荷重Fによって弾性変形(圧縮)させられた状態となる。なお、第2弾性体84bが本発明の中間部材に対応している。
なお、弾性部材84a、84bは、例えばガラス繊維(グラスファイバー)に熱硬化性樹脂(フェノール樹脂やエポキシ樹脂)を巻き付けて熱硬化させたものや加硫ゴム等が使用される。また、これらの表面にボルト等に塗布されるμ安定剤(μ低下剤)が適宜塗布されても構わない。
プレッシャプレート80は、円板環状の部材で構成されており、このプレッシャプレート80とプレート78bとの間の間隙にコーン状の皿バネ82が所定のたわみが付与された状態、言い換えれば予荷重状態で介挿されている。皿バネ82は、その外周端部がプレート78bと当接すると共に、内周端部がプレッシャプレート80と当接し、予め設定されている所定のたわみ量で撓んだ状態で取り付けられている。
これより、皿バネ82において、そのたわみ量に応じた皿バネ荷重Fが発生し、皿バネ82がプレッシャプレート80をライニングプレート76側に向かって軸方向に押圧している。また、皿バネ82に対して軸方向の反対側では、プレート78aが押圧力(皿バネ荷重F)を受けている。従って、プレッシャプレート80と摩擦材88aおよび第1弾性部材84aとの間の摩擦面、およびプレート78aと摩擦材88bおよび第2弾性部材84bとの間の摩擦面には、摩擦力が発生する。
そして、本実施例では、トルクリミッタ37において下式(1)で算出されるリミットトルクTlmが設定される。式(1)において、μ1がプレッシャプレート80と摩擦材88aとの間の摩擦係数およびプレート78aと摩擦材88bとの間の摩擦係数を示している。Fが皿バネ82の皿バネ荷重を示している。F1が弾性部材84a、84bに付与される後述する弾性部材分担荷重を示している。r1が摩擦材88a、88b(以下、特に区別しない場合には、摩擦材88と記載する)の摩擦材径(一軸中心線Cからの有効径)を示している。μ2がプレッシャプレート80と第1弾性部材84aとの間の摩擦係数およびプレート78aと第2弾性部材84bとの間の摩擦係数を示している。r2が第1および第2弾性部材84a、84b(以下、特に区別しない場合には弾性部材84と記載する)の弾性部材径(一軸中心線Cからの有効径)を示している。なお、本実施例では、摩擦材88bおよび摩擦材88aは同じ材質のものが使用され、第1弾性体84aおよび第2弾性体84bは同じ材質のものが使用されているものとする。
Tlm=μ1×(F−F1)×r1+μ2×F1×r2・・・(1)
Tlm=μ1×(F−F1)×r1+μ2×F1×r2・・・(1)
式(1)より、リミットトルクTlmは、皿バネ82の皿バネ荷重F、摩擦材88aとプレッシャプレート80との間の摩擦面、および摩擦材88bとプレート78aとの間の摩擦面の摩擦係数μ1(以下、摩擦材88の摩擦係数μ1)、第1弾性部材84aとプレッシャプレート80との間の摩擦面、および第2弾性部材84bとプレート78aとの間の摩擦面の摩擦係数μ2(以下、弾性部材84の摩擦係数μ2)、摩擦材88の有効径r1、弾性部材84の有効径r2、および弾性部材分担荷重F1を適宜変更することで調整される。なお、リミットトルクTlmは、予め設定されている必要伝達トルクTn以上の値に設定される。なお、必要伝達トルクTnは、一般にエンジン24の最大トルクTemax以上の値に設定される。ここで、弾性部材84の摩擦係数μ2は、摩擦材88の摩擦係数μ1よりも低い値となっている。また、弾性部材84の摩耗量は、摩擦材88と比べても大きなものとなっている。
ところで、摩擦材88は、トルクリミッタ37が作動するとなじみが生じ、摩擦材88の摩擦面が摺動されるに従って摩擦係数μ1が低下することが知られている。そして、摩擦材88のなじみが終了すると、摩擦係数μ1の低下が止まり、一定の値で推移することが知られている。従来では、この摩擦係数μ1の低下を考慮して、トルクリミッタ組付時の初期リミットトルクTlm'が高い値に設定されていた。具体的には、摩擦材88の摩擦係数μ1が低下した時点での摩擦係数μ1を基準としたリミットトルクTlmが、必要伝達トルクTn(例えばエンジンの最大トルクTemax)以上となる必要がある。そのため、トルクリミッタ組付時では、摩擦材88の摩擦係数μ1の低下を考慮して、摩擦係数μ1を必要以上に高いものにするため、初期リミットトルクTlm'が高くなる。従って、車両用駆動装置10(トランスミッション)は、その初期リミットトルクTlm'を伝達可能な強度に設計する必要があるため、車両用駆動装置10の重量化や大型化が生じる可能性があった。
これに対して、本実施例のトルクリミッタ37は、上述した弾性部材84を追加した構成とすることで、初期リミットトルクTlm'を低減しつつ、経時変化後(なじみ後)であってもリミットトルクTlmを必要伝達トルクTn以上の値とすることができる。以下、初期リミットトルクTlm'を低減する作動について説明する。
トルクリミッタ37の組付時(初期状態、摩擦材なじみ前)においては、弾性部材84の摩耗が零であることから、弾性部材84が組み付けられた際に最も圧縮された状態となり、弾性部材84の弾性復帰力が最大となる。このとき、皿バネ荷重Fに対する弾性部材分担荷重F1が最大となる。ここで、弾性部材分担荷重F1とは、皿バネ荷重Fのうち、弾性部材84側に分担される荷重であり、弾性部材84の弾性復帰力に比例する。従って、トルクリミッタ組付時に弾性部材84が最も圧縮された状態となるので、弾性部材分担荷重F1が最大となる。また、皿バネ荷重Fのうちの残りの荷重(F−F1)は摩擦材88側に付与される摩擦材88の分担荷重となる。ここで、弾性部材84の摩擦係数μ2は、摩擦材88の摩擦係数μ1よりも低いので、式(1)に基づくと、初期状態での初期リミットトルクTlm'が従来よりも小さくなる。具体的には、従来では弾性部材84が存在しないため、初期リミットトルクTlm'がμ1×F×r1となり、本実施例の初期リミットトルクTlm'に比べて高い値となる。
そして、車両が駆動するに従って、トルクリミッタ37も作動(摺動)することとなり、摩擦材88のなじみが開始される。ここで、弾性部材84の摩耗量が摩擦材88の摩擦量よりも十分に大きくなるように設定されている。これより、弾性部材84が摩耗するに従って、弾性部材84の圧縮代(しめ代)が減少するため、弾性復帰力が小さくなって弾性部材分担荷重F1が減少する。一方、弾性部材分担荷重F1が減少すると、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が大きくなる。なお、摩擦材88のなじみが開始されると、摩擦材88においても摩擦係数μ1が低下するが、摩擦係数μ2と比べると高い値を有している。従って、なじみが開始されると、式(1)の右辺第2項(μ2×F1×r2)が低下するものの、右辺第1項(μ1×(F−F1)×r1)が増加するので、リミットトルクTlmの変化が抑制される。
そして、摩擦材88のなじみが終了する頃には、弾性部材84が十分に摩耗した状態となり、弾性部材84の圧縮しろ(しめ代)が略零となる。すなわち、弾性部材84の弾性復帰力が略零となり、弾性部材84の弾性部材分担荷重F1が略零となる。従って、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が皿バネ荷重Fと等しくなるので、リミットトルクTlmが下式(2)と略等しくなる。ここで、摩擦係数μ1は、摩擦材88のなじみが終わり、摩擦係数μ1が安定したときの値に対応している。この式(2)で求められる値が、少なくとも必要伝達トルクTn以上となるように、予めこれらの値(μ1、F、r1)が設定される。
Tlm=μ1×F×r1・・・(2)
Tlm=μ1×F×r1・・・(2)
図4は、トルクリミッタ37のリミッタ作動角θに対するリミッタトルクTlm、各分担荷重(弾性部材分担荷重、摩擦材の分担荷重)および摩擦係数μ1を示している。なお、横軸がリミッタ作動角θを示し、縦軸がリミットトルクTlm、各分担荷重(摩擦材の分担荷重F−F1、弾性部材分担荷重F1)、および摩擦係数μ1を示している。
図4において、リミッタ作動角θが零(θ=0)の状態が、なじみ開始時点(トルクリミッタ組付時、初期状態)に対応している。このとき、弾性部材分担荷重F1が最も大きくなる一方、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が相対的に小さくなるため、初期リミットトルクTlm'の値が破線で示す従来のリミットトルクよりも低い値となっている。
リミッタ作動角θが0〜θ1の間は、トルクリミッタ37の作動と共に、摩擦材88のなじみが進行している状態を示している。なお、トルクリミッタ37が作動すると、リミッタ作動角θが徐々に増加する。リミッタ作動角θが0の状態から摩擦材88のなじみが開始されると、摩擦係数μ1が徐々に低下している。また、弾性部材84においても摩耗が進行するに従い、弾性部材84の圧縮代(しめ代)が減少するため、弾性部材分担荷重F1も低下する。これより、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が増加することとなり、摩擦係数μ1が低下しても、式(1)において右辺第1項が増加する一方、右辺第2項が減少するため、リミットトルクTlmの変化が抑制される。例えば、図4においては、弾性部材分担荷重F1、摩擦係数μ1、弾性部材84の圧縮代等を調整することによって、なじみが進行する間もリミットトルクTlmが一定の値とされている。なお、従来では、リミッタ作動角が0〜θ1の間では、破線で示すように初期リミットトルクTlm'を最大値として徐々にその値が低下している。この破線で示す従来のリミットトルクTlmと比較すると、本実施例では斜線で示す分だけリミットトルクが低減されている。
そして、リミッタ作動角θ1において摩擦材88のなじみが終了すると、摩擦材88の摩擦係数μ1の低下が止まり、一定の値で推移する。また、弾性部材84が十分に摩耗し、弾性部材84の圧縮代(しめ代)が零となり、弾性部材分担荷重F1も零となっている。従って、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が皿バネ荷重Fと等しくなる。このとき、トルクリミッタTlmが式(2)に基づいて設定されるが、摩擦材なじみ後の摩擦係数μ1を最適に設定することで、なじみ後においてもリミットトルクTlmを必要伝達トルクTnよりも高い値に設定することが可能となる。
ここで、リミットトルクTlmを調整するに際して、例えばなじみ後のリミットトルクTlmが必要伝達トルクTn以上となるように、摩擦係数μ1、皿バネ荷重F、摩擦材88の有効径r1が設定される。そして、摩擦材88のなじみが開始されても例えば初期リミットトルクTlmからの変化が少なくなるように、弾性部材84の摩擦係数μ2、弾性部材84の摩耗量、弾性部材84の弾性係数、弾性部材84の組付時の厚み等が調整される。なお、弾性部材分担荷重F1は、上記弾性部材84の摩耗量(摩耗速度)、弾性部材84の弾性係数、弾性部材84の組付時の厚み等を調整することで調整することができる。例えば、弾性部材84の厚みおよび弾性係数を大きくすると、弾性部材分担荷重F1が大きくなり、摩耗量(摩耗速度)を大きくすると、弾性部材分担荷重F1の低下勾配が大きくなる。
上述のように、本実施例によれば、トルクリミッタ37の組付時では、皿バネ82の皿バネ荷重Fのうち、摩擦材88よりも厚みのある弾性部材84が受け持つ分担荷重F1が大きくなり、摩擦材88の分担荷重(F−F1)が小さくなる。従って、初期状態では摩擦係数の高い摩擦材88に付与される分担荷重(F−F1)が相対的に減少するので、初期リミットトルクTlm'を低下させることができる。また、トルクリミッタ37が作動(摺動)するにつれて摩擦材88のなじみが生じ、摩擦材88の摩擦係数μ1が低下するが、これと並行して弾性部材84が摩耗するため、この弾性部材84が受け持つ分担荷重F1が小さくなり、摩擦材88側に付与される分担荷重(F−F1)が大きくなる。これより、摩擦材88のなじみによって摩擦材88の摩擦係数μが低下することを考慮しても、摩擦材88側に付与される分担荷重(F−F1)が大きくなるので、リミットトルクTlmの必要以上の低下が防止される。このようにして、リミットトルクTlmの経時的な変化を抑制して初期リミットトルクTlm'を低下させることができる。
また、本実施例によれば、弾性部材84の摩擦係数μ2は、摩擦材88の摩擦係数μ1よりも低い。このようにすれば、トルクリミッタ37の初期状態において、初期リミットトルクTlm'を低下することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付してその説明を省略する。
図5は、本発明の他の実施例であるトルクリミッタ100の拡大図である。トルクリミッタ100を前述したトルクリミッタ37と比較すると、摩擦材102および弾性部材104の形状が異なっている。以下、その相違する点について説明する。
本実施例の摩擦材102(102a、102b)は、何れも径方向において中央部に空間が形成されており、その空間に第1および第2弾性部材104a、104bが介挿されている。すなわち、弾性部材104(104a、104)が、前述した実施例の弾性部材84に比べてさらに外周側に配置されている。このように構成される場合、例えば摩擦材102の有効径r1が弾性部材104の有効径r2と略等しくなるが、弾性部材104の摩擦係数μ2が摩擦材102の摩擦係数μ1よりも低く設定されることで、リミットトルクTlmを低下させることができる。
このように、本実施例においても、弾性部材104の摩擦係数μ2、摩耗量、厚み、弾性係数等を適宜調整することにより、前述の実施例と同様の効果が得られる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、弾性部材84がライニングプレート76に接着されているとしたが、プレッシャプレート80およびプレート78a側に接着される構成であっても構わない。
また、前述の実施例では、弾性部材84が円環状に形成されているとしたが、必ずしも円環状でなくとも構わない。例えば弾性部材は矩形状に形成され、周方向に等角度間隔で配置されていても構わない。
また、前述の実施例では、摩擦材88のなじみが終了すると弾性部材84の分担荷重F1が零とされたが、なじみが終了した際に、必ずしも弾性部材84の分担荷重F1が零にならなくとも構わない。
また、前述の実施例では、摩擦材88のなじみ開始からなじみが終了するまでの間、リミットトルクTlmが変化しないように調整されていたが、必ずしもこのような調整に限定されない。リミットトルクTlmが従来に比べて低くなる範囲において、リミットトルクTlmが変化しても構わない。
また、前述の実施例では、弾性部材84の摩擦係数μ2が摩擦材88の摩擦係数μ1よりも低く設定されているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば摩擦係数が等しいものであっても構わない。このように構成される場合であっても、弾性部材84の有効径r2が摩擦材88の有効径r1よりも小さい構成であれば、式(1)より、リミットトルクTlmが従来に比べて小さくなる。
また、前述の実施例では、何れも弾性体が摩擦材と共に介挿されている構造であったが、必ずしもこれに限定されない。例えば、摩擦材において、その摩擦材の一部の厚みが大きくなる程度にμ低下剤が塗布されている構成であっても構わない。このように構成されると、トルクリミッタのなじみ初期では、そのμ低下剤が塗布された部位に係る分担荷重が大きくなり、また、摩擦係数μについてもμ低下剤が塗布されることで摩擦材に比べて低くなるので、初期リミットトルクTlm'が低下する。そして、トルクリミッタが作動するに従って、μ低下剤が徐々に剥がれ落ちるので、μ低下剤が塗布された部位に係る分担荷重が低下し、摩擦材に係る分担荷重が増加する。従って、リミットトルクTlmの変化も抑制される。そして、摩擦材のなじみが終了する時点と略同時期に、μ低下剤が殆ど剥がれ落ちると、皿バネ荷重は全て摩擦材が受け持つこととなるので、リミットトルクの低下も防止される。なお、上記構成では、摩擦材のμ低下剤が塗布された部位が、本発明の中間部材に対応する。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
37、100:トルクリミッタ(車両用トルクリミッタ)
76:ライニングプレート(第2回転プレート)
80:プレッシャプレート(第1回転プレート)
82:皿バネ(付勢部材)
84a、104a:第1弾性部材(中間部材)
84b、104b:第2弾性部材(中間部材)
88a、88b、102a、102b:摩擦材
76:ライニングプレート(第2回転プレート)
80:プレッシャプレート(第1回転プレート)
82:皿バネ(付勢部材)
84a、104a:第1弾性部材(中間部材)
84b、104b:第2弾性部材(中間部材)
88a、88b、102a、102b:摩擦材
Claims (2)
- 一軸中心線まわりに回転可能な第1回転プレートと、該第1回転プレートに相対回転可能に設けられている第2回転プレートと、該第1回転プレートと該第2回転プレートとの間に介挿されている摩擦材と、該第1回転プレートを該第2回転プレートに向かって軸方向に押し付ける付勢部材とを、含んで構成される車両用トルクリミッタにおいて、
前記第1回転プレートと前記第2回転プレートとの間には、非圧縮時には前記摩擦材よりも大きな厚みを有し、該摩擦材よりも摺動による摩耗量が大きい中間部材が、該摩擦材と前記付勢部材の押圧力を分担するように介挿されていることを特徴とする車両用トルクリミッタ。 - 前記中間部材と前記第1回転プレートまたは前記第2回転プレートとの間の摩擦係数は、前記摩擦材と前記第1回転プレートまたは前記第2回転プレートとの間の摩擦係数よりも低いことを特徴とする請求項1の車両用トルクリミッタ。
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JP2011117595A (ja) * | 2009-10-27 | 2011-06-16 | Aisin Seiki Co Ltd | トルク変動吸収装置 |
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