JP2012233527A - 車両のトルクリミッタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に備えられるトルクリミッタ装置の初期リミットトルクを下げることができるトルクリミッタ装置の構造を提供する。
【解決手段】皿バネ82の82aと板ばねプレート84の突部84aとの位相が一致すると、突部84aが皿バネ82の背面側に移動する。したがって、板ばねプレート84の厚み分だけ、皿バネ82のたわみ量が減少する。ここで、皿バネ82は、初期状態においてたわみ量sが減少するに従って皿バネ荷重Fが増加する状態で取り付けられているので、皿バネ82のたわみ量sが減少すると皿バネ荷重Fが増加する。これより、リミットトルクTlmの変化を抑制し、初期リミットトルクTlmを従来に比べて低い値に設定することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両のトルクリミッタ装置に係り、特に、初期リミットトルクを低下する技術に関するものである。
車両において、予め設定されているリミットトルクを越える過大トルクが入力されると、摩擦係合部において滑りを発生させてそのリミットトルクを越えるトルクの伝達を防止するトルクリミッタ装置を備えたものが知られている。このリミットトルクは、通常エンジンの最大トルクTemaxを越える値に設定される。ところで、トルクリミッタ装置において、経時的に摩擦係合部の微小な滑りが蓄積されると、摩擦係合部の摩擦材表面が徐々になじむため、結果として摩擦材の摩擦係数が低下することが知られている。したがって、摩擦係数の低下を考慮して、予め初期の摩擦係数を高めに設定する必要が生じる。これより、車両組付時の初期リミットトルクが高くなり、トランスミッションはその初期リミットトルクに基づいて設計されるため、トランスミッションの強度が高くなる問題があった。
上記問題について図13を用いてさらに詳しく説明する。図13は、リミットトルクTlmおよび摩擦材の摩擦係数μとリミッタ作動角θとの関係を示している。図13において、横軸はトルクリミッタ装置の摩擦係合部の滑り量に相当するリミッタ作動角θを示しており、摩擦係合部において微小な滑りが生じるに従って経時的に増加する。また、縦軸はリミットトルクTlmおよび摩擦係数μを示している。図13に示すように、初期なじみ前では、摩擦材の摩擦係数μが高いため、リミットトルクTlm(初期リミットトルク)もそれに比例して高い値となる。そして、摩擦係合部の微小な滑りによってリミッタ作動角θが増加すると、摩擦材に初期なじみが生じ、摩擦材の摩擦係数μが徐々に低下する。また、リミットトルクTlmも摩擦係数μに比例して低下する。そして、リミッタ作動角θが所定の角度まで到達すると、リミッタトルクTlmおよび摩擦係数μの低下が止まり、それぞれ略一定値で推移する。
なお、リミッタトルクTlmおよび摩擦係数μが同じ傾向を示すのは、リミッタトルクTlmと摩擦係数μとは、下式(1)に示す関係があるためである。なお、式(1)において、Fはトルクリミッタ装置を構成する皿バネの皿バネ荷重を示し、rは摩擦材の有効摩擦径を示し、nは摩擦面数を示している。式(1)より、リミッタトルクTlmと摩擦係数μとは、比例関係にあることがわかる。
Tlm=n×μ×F×r・・・(1)
ここで、摩擦材が十分になじんだ後であっても、リミットトルクTlmがエンジンの最大トルクTemax(図13において必要伝達トルク)以上の値となるように、その摩擦係数の低下を考慮して、予めなじみ前の摩擦係数を高い値に設定する必要がある。これより、初期リミットトルクが高い値となる。そして、トランスミッションはその初期リミットトルクを伝達可能に設計する必要があるため、それに応じてトランスミッションの強度を強くすると、部品を大型化する必要があった。
特開2006−283941号公報
これに対して、特許文献1のクラッチ装置およびトルクリミッタ装置においては、摩擦係合部の摩擦材が摩耗しても、付勢部材を追加して押し付け特性の変化を抑制する構造が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された構造であっても、トルクリミッタ装置の初期リミットトルクは高い値に設定されるので、この初期リミットトルクに基づいてトランスミッションの強度を強くすると、部品を大型化する必要があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、車両に備えられるトルクリミッタ装置の初期リミットトルクを下げることができるトルクリミッタ装置の構造を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)軸心まわりに回転可能な第1回転プレートと、その第1回転プレートに隣接した状態で軸心まわりに相対回転可能に設けられている第2回転プレートと、その第1回転プレートおよびその第2回転プレートの一方に固定されて他方の回転プレートと摺接する摩擦材と、その第1回転プレートをその第2回転プレートに向かって軸方向に押圧する皿バネとを、含む車両のトルクリミッタ装置であって、(b)前記皿バネはたわみが低下するに従って皿バネ荷重が増加する特性を有し、その皿バネ荷重が増加する前の高たわみ状態で取り付けられ、(c)内周部が前記第2回転プレートに接続され、外周端が前記皿バネの内周端よりも小径に形成され、且つ、その外周端から径方向に突き出す突部が形成されている弾性体から成る中間部材が設けられ、(d)その中間部材は、初期状態において前記突部が前記皿バネに当接した状態で、前記第1回転プレートとその皿バネとの間に介挿されており、(e)前記皿バネの内周部には、初期状態では前記突部と異なる位相に位置され、前記中間部材の前記突部と位相が一致すると、その突部を前記皿バネの背面側に移動させて前記皿バネのたわみを低下させるための切欠が形成されていることを特徴とする。
請求項1にかかる発明の車両のトルクリミッタ装置によれば、前記第1回転プレートと前記第2回転プレートとの間の微小な滑りによって、皿バネと板ばねプレートとの相対回転位置が経時的に変化し、前記皿バネの前記切欠と前記中間部材の前記突部との位相が一致すると、中間部材の突部が切欠によって形成される空間を抜けることで、突部が皿バネの背面側に移動する。したがって、皿バネは、中間部材の厚み分だけたわみ量が減少する。ここで、皿バネは、初期状態においてたわみ量が減少するに従って皿バネ荷重が増加する状態で取り付けられているので、皿バネのたわみ量が減少すると皿バネ荷重が増加する。これより、摩擦材の初期なじみにより摩擦係数が減少してリミットトルクが減少するものの、皿バネ荷重が増加すると、再びリミットトルクが増加する。従って、リミットトルクの大きさを少なくとも二段階に変化させることができるので、リミットトルクの変化を抑制し、初期リミットトルクを従来に比べて低い値に設定することができる。このように、初期リミットトルクを低下することができるので、トランスミッションの強度を高くする必要がなくなり、トランスミッションを構成する部品の大型化を抑制することができる。
本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置を説明する概略構成図である。 図1のダンパ装置の構成を詳細に説明するための断面図である。 図2の皿バネおよび板ばねプレートを矢印D方向から見たD矢視図である。 図3において板ばねプレートの突部と皿バネの切欠との位相が一致したときの状態示す図である。 板ばねプレートの突部と皿バネの切欠との位相が一致したときのトルクリミッタ装置の状態を示す断面図である。 本実施例の皿バネのたわみ量と皿バネ荷重との関係を示す皿バネ特性図である。 リミッタ作動角とリミットトルクとの関係を示す図である。 本発明の他の実施例であるトルクリミッタ装置の構成を説明するための断面図であって、前述の実施例において図2に対応している。 本発明のさらに他の実施例であるトルクリミッタ装置の構成を説明するための断面図であって、前述の実施例の図2、図5等に対応している。 本発明のさらに他の実施例であるトルクリミッタ装置を構成する皿バネの形状および板ばねプレートの初期取付位置を示している。 図10の皿バネをE−E切断線で切断した断面図である。 図11の皿バネが用いられた場合のリミッタ作動角とリミットトルクとの関係を示しており、前述の実施例の図7に対応している。 従来のトルクリミッタ装置におけるリミットトルクおよび摩擦材の摩擦係数とリミッタ作動角との関係を示している。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用されたハイブリッド形式の車両用駆動装置10を説明する概略構成図である。図1において、この車両用駆動装置10では、車両において、主駆動源である第1駆動源12のトルクが出力部材として機能する車輪側出力軸14に伝達され、その車輪側出力軸14から差動歯車装置16を介して左右一対の駆動輪18にトルクが伝達されるようになっている。また、この車両用駆動装置10には、走行のための駆動力を出力する力行制御およびエネルギを回収するための回生制御を選択的に実行可能な第2電動機MG2が第2駆動源として設けられており、この第2電動機MG2は自動変速機22を介して上記車輪側出力軸に連結されている。したがって、第2電動機MG2から車輪側出力軸へ伝達される出力トルクがその自動変速機22で設定される変速比γs(=第2電動機MG2の回転速度Nmg2/車輪側出力軸の回転速度Nout)に応じて増減されるようになっている。
第2電動機MG2と駆動輪18との間の動力伝達経路に介装されている自動変速機22は、変速比γsが「1」より大きい複数段を成立させることができるように構成されており、第2電動機MG2からトルクを出力する力行時にはそのトルクを増大させて車輪側出力軸へ伝達することができるので、第2電動機MG2が一層低容量もしくは小型に構成される。これにより、例えば高車速に伴って車輪側出力軸の回転速度Noutが増大した場合には、第2電動機MG2の運転効率を良好な状態に維持するために、変速比γsを小さくして第2電動機MG2の回転速度(以下、第2電動機回転速度という)Nmg2を低下させたり、また車輪側出力軸の回転速度Noutが低下した場合には、変速比γsを大きくして第2電動機回転速度Nmg2を増大させる。
上記第1駆動源12は、主動力源としてのエンジン24と、第1電動機MG1と、これらエンジン24と第1電動機MG1との間でトルクを合成もしくは分配するための動力分配機構としての遊星歯車装置26とを主体として構成されている。上記エンジン24は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する公知の内燃機関であって、マイクロコンピュータを主体とする図示しないエンジン制御用の電子制御装置(E−ECU)によって、スロットル弁開度や吸入空気量、燃料供給量、点火時期などの運転状態が電気的に制御されるように構成されている。上記電子制御装置には、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサAS、ブレーキペダルの操作の有無を検出するためのブレーキセンサBS等からの検出信号が供給されている。
上記第1電動機MG1は、例えば同期電動機であって、駆動トルクを発生させる電動機としての機能と発電機としての機能とを選択的に生じるように構成され、インバータ30を介してバッテリー、コンデンサなどの蓄電装置32に接続されている。そして、マイクロコンピュータを主体とする図示しないモータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によってそのインバータ30が制御されることにより、第1電動機MG1の出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定されるようになっている。
遊星歯車装置26は、サンギヤS0と、そのサンギヤS0に対して同心円上に配置されたリングギヤR0と、これらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合うピニオンギヤP0を自転かつ公転自在に支持するキャリヤCA0とを三つの回転要素として備えて公知の差動作用を生じるシングルピニオン型の遊星歯車機構である。遊星歯車装置26はエンジン24および自動変速機22と同心に設けられている。遊星歯車装置26および自動変速機22は中心線に対して対称的に構成されているため、図1ではそれらの下半分が省略されている。
本実施例では、エンジン24のクランク軸36は、トルクリミッタ装置37を有するダンパ装置38および動力伝達軸39を介して遊星歯車装置26のキャリヤCA0に連結されている。これに対してサンギヤS0には第1電動機MG1が連結され、リングギヤR0には車輪側出力軸が連結されている。このキャリヤCA0は入力要素として機能し、サンギヤS0は反力要素として機能し、リングギヤR0は出力要素として機能している。
上記遊星歯車装置26において、キャリヤCA0に入力されるエンジン24の出力トルクに対して、第1電動機MG1による反力トルクがサンギヤS0に入力されると、出力要素となっているリングギヤR0には、直達トルクが現れるので、第1電動機MG1は発電機として機能する。また、リングギヤR0の回転速度すなわち車輪側出力軸14の回転速度(出力軸回転速度)Noutが一定であるとき、第1電動機MG1の回転速度Nmg1を上下に変化させることにより、エンジン24の回転速度(エンジン回転速度)Neを連続的に(無段階に)変化させることができる。
本実施例の前記自動変速機22は、一組のラビニョ型遊星歯車機構によって構成されている。すなわち自動変速機22では、第1サンギヤS1と第2サンギヤS2とが設けられており、その第1サンギヤS1にステップドピニオンP1の大径部が噛合するとともに、そのステップドピニオンP1の小径部がピニオンP2に噛合し、そのピニオンP2が前記各サンギヤS1、S2と同心に配置されたリングギヤR1(R2)に噛合している。上記各ピニオンP1、P2は、共通のキャリヤCA1(CA2)によって自転かつ公転自在にそれぞれ保持されている。また、第2サンギヤS2がピニオンP2に噛合している。
前記第2電動機MG2は、前記モータジェネレータ制御用の電子制御装置(MG−ECU)によりインバータ40を介して制御されることにより、電動機または発電機として機能させられ、アシスト用出力トルクあるいは回生トルクが調節或いは設定される。第2サンギヤS2にはその第2電動機MG2が連結され、上記キャリヤCA1が車輪側出力軸に連結されている。第1サンギヤS1とリングギヤR1とは、各ピニオンP1、P2と共にタプルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成し、また第2サンギヤS2とリングギヤR1とは、ピニオンP2と共にシングルピニオン型遊星歯車装置に相当する機構を構成している。
そして、自動変速機22には、第1サンギヤS1を選択的に固定するためにその第1サンギヤS1と非回転部材であるハウジング42との間に設けられた第1ブレーキB1と、リングギヤR1を選択的に固定するためにそのリングギヤR1とハウジング42との間に設けられた第2ブレーキB2とが設けられている。これらのブレーキB1、B2は摩擦力によって制動力を生じるいわゆる摩擦係合装置であり、多板形式の係合装置あるいはバンド形式の係合装置を採用することができる。そして、これらのブレーキB1、B2は、それぞれ油圧シリンダ等のブレーキB1用油圧アクチュエータ、ブレーキB2用油圧アクチュエータにより発生させられる係合圧に応じてそのトルク容量が連続的に変化するように構成されている。
以上のように構成された自動変速機22は、第2サンギヤS2が入力要素として機能し、またキャリヤCA1が出力要素として機能し、第1ブレーキB1が係合させられると「1」より大きい変速比γshの高速段Hが成立させられ、第1ブレーキB1に替えて第2ブレーキB2が係合させられるとその高速段Hの変速比γshより大きい変速比γslの低速段Lが成立させられるように構成されている。すなわち、自動変速機22は2段変速機で、これらの変速段HおよびLの間での変速は、車速Vや要求駆動力(もしくはアクセル操作量)などの走行状態に基づいて実行される。より具体的には、変速段領域を予めマップ(変速線図)として定めておき、検出された運転状態に応じていずれかの変速段を設定するように制御される。
図2は、図1に示すダンパ装置38の構成を詳細に説明するための断面図である。なお、図2のダンパ装置38は、軸心Cより下半分が省略されている。ダンパ装置38は、軸心Cを中心としてエンジン24と遊星歯車装置26との間に動力伝達可能に設けられており、図1に示す動力伝達軸39がダンパ装置38の内周部にスプライン嵌合される。
ダンパ装置38は、左右一対の円盤状のプレートから成り、軸心Cまわりに回転可能に構成されるディスクプレート56と、動力伝達軸39にスプライン嵌合されることで相対回転不能に連結され、ディスクプレート56と同軸心まわりに相対回転可能なハブ部材58と、ディスクプレート56とハブ部材58との間に介挿され、ディスクプレート56およびハブ部材58を、それらの部材間の相対回転量に応じて弾性変形しつつ作動的(弾性的)に連結するばね鋼から成るコイルスプリング62(トーションスプリング)と、ディスクプレート56とハブ部材58との間で摩擦力を発生させるヒステリシス機構64と、ディスクプレート56の外周側に設けられている前記トルクリミッタ装置37とを、含んで構成されている。
ディスクプレート56は、左右一対の円盤状の第1プレート70および第2プレート72から構成され、コイルスプリング62をそれらのプレート70、72で軸方向に挟み込んだ状態で、リベット66によって相対回転不能に締結されている。なお、リベット66は後述するトルクリミッタ装置37のライニングプレート76および板ばねプレート84の締結部材としても機能している。第1プレート70には、コイルスプリング62を収容するための第1開口穴70aが周方向に複数個形成されている。また、第2プレート72にも、コイルスプリング62を収容するための第2開口穴72aが、前記第1開口穴70aと同じ位相で周方向に複数個形成されている。そして、第1開口穴70aおよび第2開口穴72aによって形成される空間にコイルスプリング62が複数個収容される。これより、ディスクプレート56が軸心Cまわり回転すると、コイルスプリング62も同様に軸心Cまわりに公転させられる。
ハブ部材58は、内周部に動力伝達軸39がスプライン嵌合される内周歯を備えた円筒部58aと、その円筒部58aの外周面から径方向外側に伸びるフランジ部58bとから形成されている。フランジ部58bには、径方向外側に突き出す突き出し部が等角度間隔で例えば4個形成されている。そして、回転方向において各突き出し部の間に形成される空間にコイルスプリング62が収容されている。これより、ハブ部材58が軸心Cまわりに回転すると、コイルスプリング62も同様に軸心Cまわりに公転させられる。このように構成されることで、コイルスプリング62は、ディスクプレート56およびハブ部材58をそれらの部材間の相対回転量に応じて弾性変形しつつ作動的に連結する。例えば、ディスクプレート56が回転すると、コイルスプリング62の一端が押圧され、コイルスプリング62の他端がハブ部材58の突き出し部を押圧することで、ハブ部材58が回転させられる。このとき、コイルスプリング62は、弾性変形されつつ回転を伝達することで、トルク変動によるショックが吸収される。
ヒステリシス機構64は、ダンパ装置38の内周側であって、軸方向においてディスクプレート56とハブ部材58のフランジ部58bとの間に設けられている。そして、ヒステリシス機構64は、複数枚の摩擦材や皿バネ等から構成され、ディスクプレート56とハブ部材58の間で摩擦力を発生させる。この摩擦力が調整されることで最適なヒステリシストルクが設定される。
トルクリミッタ装置37は、ディスクプレート56の外周側に設けられており、予め設定されているリミットトルクTlmを越えるトルク伝達を防止する機能を有している。トルクリミッタ装置37は、ディスクプレート56と共にリベット66で締結されることでディスクプレート56と共に回転する円板状のライニングプレート76と、トルクリミッタ装置37の外周縁に配置され、図示しないフライホイールを介してクランク軸36に接続される左右一対の円盤状のプレートから成るサポートプレート78と、サポートプレート78に収容されるようにライニングプレート76と軸方向に隣接して配置される円板環状のプレッシャプレート80と、軸方向においてプレッシャプレート80とサポートプレート78との間の間隙に介挿されているコーン状の皿バネ82と、内周部がリベット66によってディスクプレート56およびライニングプレート76と共に一体回転可能に接続され、初期状態では外周部が皿バネ82の内周部およびプレッシャプレート80の間に介挿される板ばねプレート84とを、含んで構成されている。なお、ライニングプレート76が本発明の第2回転プレートに対応し、プレッシャプレート80が本発明の第1回転プレートに対応し、板ばねプレート84が本発明の中間部材に対応している。
サポートプレート78は、左右一対の円盤状のプレート78a、78bから構成され、それらの外周部がリベット86によって相対回転不能に締結されている。また、内周側は、軸方向においてプレート78a、78bがそれぞれ他方のプレートと乖離する方向に屈曲されている。従って、サポートプレート78の内周側には、トルクリミッタ装置37を構成する各要素を収容するための空間が形成される。
ライニングプレート76は、内周側が第1プレート70、第2プレート72、および板ばねプレート84と共にリベット66で固定された円板環状の部材である。このライニングプレート76の外周側両面には、摩擦材88、89がリベット90によって固定されている。そして摩擦材88は、ライニングプレート76とプレート78aとの間に配置され、その摩擦面においてプレート78aと摺動可能に摺接されている。また、摩擦材89は、ライニングプレート76とプレッシャプレート80との間に配置され、その摩擦面においてプレッシャプレート80と摺動可能に摺接されている。
プレッシャプレート80は、円板環状の部材で構成されており、このプレッシャプレート80とプレート78bとの間の間隙にコーン状の皿バネ82が後述する所定のたわみが付与された状態、言い換えれば予荷重状態で介挿されている。皿バネ82は、軸方向の一端がプレート78bに当接すると共に、他端が後述する板ばねプレート84に当接し、予め設定されているたわみ量sで撓んだ状態で取り付けられている。この状態が本発明の初期状態(車両組付状態)に対応する。なお、プレート78bには、皿バネ82との相対回転を防止するために図示しない廻り止めが設けられている。或いは、プレート78bと皿バネ82との相対回転を防止するため、これら接触面の摩擦係数が高い値に設定されている。従って、プレート78bと皿バネ82とは一体回転させられる。
これより、皿バネ82において、そのたわみ量sに応じた皿バネ荷重Fが発生し、プレッシャプレート80をライニングプレート76側に向かって軸方向に押圧している。また、皿バネ82に対して軸方向の反対側では、プレート78aによってその押圧力(皿バネ荷重)を受けている。従って、プレート78aと摩擦材88との間の摩擦面、およびプレッシャプレート80と摩擦材89との間の摩擦面には、摩擦力が発生している。
そして、上述した式(1)に基づくリミットトルクTlmが設定される。このリミットトルクTlmは、皿バネ82の皿バネ荷重Fや摩擦材88、89の摩擦係数μ、摩擦材88、89の有効径r等を変更することで調整可能であり、予め最適なリミットトルクTlmに設定される。具体的には、例えばエンジン24の最大トルクTemaxを伝達可能なリミットトルクTlmに設定される。なお、予め設定されているリミットトルクTlmを越えるトルクが入力されると、ライニングプレート76とプレート78aおよびプレッシャプレート80との間で滑り(相対回転)が生じることで、リミットトルクTlmを越えるトルク伝達が防止される。
ところで、車両組付直後においては、摩擦材88、89の摩擦係数μは高い値となるが、車両を走行させるに従って摩擦係数μが徐々に低下する所謂初期なじみが生じることが知られている。この初期なじみは、トルクリミッタ装置37に入力される入力トルクがリミットトルクTlmを越えた場合、或いはリミットトルクTlmを越えるトルクが入力されない場合であっても何らかの原因により、摩擦材88、89とプレッシャプレート80およびサポートプレート78aとの間で微小な滑りが生じたとき、摩擦材88、89の摩擦面が摩耗するために生じるとされている。
また、この初期なじみによって摩擦係数μが所定値まで低下すると、それ以降は略一定値で推移することが実験的に確認されている。そして、トルクリミッタ装置37においては、その摩擦係数μが低下した状態でのリミットトルクTlmが少なくともエンジン24の最大トルクTemax以上となるように設計される。
ここで、自動変速機22(トランスミッション)等の強度計算を実施する際、初期なじみ前の摩擦係数μを基準に計算する必要がある。すなわち、初期なじみによる摩擦係数低下前の摩擦係数(初期摩擦係数)から算出されるリミットトルクTlm(初期リミットトルク)を伝達可能な強度に設計する必要がある。従って、初期なじみ後にリミットトルクTlmが低下するにも拘わらず、自動変速機22の強度は初期なじみ前の初期リミットトルクTlmを基準に設計されるので、自動変速機22の強度を高くする必要が生じ、結果として自動変速機22の部品を大型化する必要があった。これに対して、本実施例では、板ばねプレート84を設けたことで、初期リミットトルクTlmを下げることを可能としている。以下、板ばねプレート84の構成および作用について説明する。
図2に戻り、板ばねプレート84は、円盤形状を有する弾性体であるバネ鋼から構成されている。なお、図2に示す板ばねプレート84は、車両組付時すなわち初期なじみ前の状態を示している。図2において、板ばねプレート84の内周部は、ディスクプレート56およびライニングプレート76と共に、リベット66によって一体的に固定されている。従って、ライニングプレート76と板ばねプレート84とは一体回転することとなる。
また、板ばねプレート84の外周部には、径方向に突き出す突部84aが周方向に等角度間隔で複数個形成されており、その突部84aが軸方向において皿バネ82とプレッシャプレート80との間に介挿されている。また、突部84aは、皿バネ82とプレッシャプレート80との間に介挿する際に、プレッシャプレート80と干渉しないように、板ばねプレート84の径方向の中間部位が湾曲されている。この突部84aが介挿されることにより、皿バネ84のたわみ量sが、突部84aが介挿されない場合に比較して増加している。なお、図2に示す板ばねプレート84において、弱い力であるものの、突部84aが軸方向においてプレート78b側すなわち皿バネ82の背面側に移動する弾性復帰力が発生している。
図3は、図2において皿バネ82および板ばねプレート84を矢印D方向から見たD矢視図である。板ばねプレート84には、周方向に等角度間隔で3個の突部84aが形成されている。この突部84aが皿バネ82の内周部と当接した状態となっている。また、板ばねプレート84には、リベット66締結用のリベット穴84bが複数個形成されている。皿バネ82には、後述する切欠82aが周方向に等角度間隔で3個形成されている。
図3の突部84aの位置は、車両組付時(初期なじみ前)の位置に対応しており、車両走行が開始されると、トルクリミッタ装置37の作動に従って、皿バネ82と板ばねプレート84との間で微小な滑りが生じ、皿バネ82と板ばねプレート84とが徐々に相対回転する。なお、板ばねプレート84はライニングプレート76と一体的に回転し、皿バネ82はプレート78bと一体的に回転する構成であるため、トルクリミッタ装置37の作動と共に、皿バネ82および板ばねプレート84も同様に徐々に相対回転する。
そして、皿バネ82の切欠82aと板ばねプレート84の突部84aとの位相が一致するまで相対回転すると、図4に示す状態となる。このとき、各突部84aが切欠82bによって形成される空間内に入ると、突部84aが皿バネ82から抜けるため、皿バネ82と板ばねプレート84の突部84aとの当接が解除され、皿バネ82のたわみ量が低下する。なお、切欠82aは、板ばねプレート84の突部84aと位相が一致した際に、突部84aが皿バネ82と接触しないように、底面が突部84aの外周端よりも外周側となる深さhであって、且つ、幅wが突部84aの周方向の幅よりも大きく形成されている。
ここで、図4に示す状態となると、突部84aは、板ばねプレート84自身の弾性復帰力によって、切欠82aによって形成される空間を抜けてプレート78b側(皿バネ82の背面側)に移動する。具体的には図5に示す状態となる。なお、図5では、図2のトルクリミッタ装置37周辺のみ拡大して示している。図5に示すように、板ばねプレート84の突部84aおよび皿バネ82の切欠82aの位相が一致すると、弾性復帰力によって、突部84aが切欠82aによって形成される空間を抜けてプレート78b側に移動する。従って、皿バネ82が突部84aと当接した状態が解除される。なお、突部84aがプレート78b側に移動すると、突部84aが皿バネ82とプレッシャプレート80との間に介挿される状態には戻らない。
図6は、本実施例の皿バネ82の特性を示す皿バネ特性図である。図6において、横軸が皿バネ82のたわみ量sを示し、縦軸がたわみ量sに対応する皿バネ荷重F(取付荷重)を示している。図6に示すようにたわみ量sが増加するに従って皿バネ荷重Fが増加し、所定のたわみ量Bで皿バネ荷重Fが最大値Fbとなる。そして、さらにたわみ量sが増加すると、皿バネ荷重Fが徐々に減少し、たわみ量Aで皿バネ荷重Faとなる。
本実施例では、図2および図3に示す状態で、皿バネ82がたわみ量Aとなるように設定されている。すなわち、皿バネ荷重Fが増加する前である皿バネ荷重Faとなる高たわみ量Aで取り付けられていることから、リミットトルクTlmも同様に小さくなる。また、図4および図5に示す状態で皿バネ82がたわみ量Bとなるように設定されている。具体的には、突部84aが切欠82aの空間から抜け出ることにより、皿バネ82と突部84aとの当接が解除されると、その分だけ皿バネ82のたわみ量sが低下してたわみ量Bとなる。このとき、図6に示すように、皿バネ荷重Fbとなり、皿バネ荷重Faよりも大きくなる。
このようにトルクリミッタ装置37が構成されることによる作用および効果について説明する。図7は、リミッタ作動角θとリミットトルクTlmとの関係を示している。なお、リミッタ作動角θは、トルクリミッタ装置37の作動量すなわちプレッシャプレート80とライニングプレート76との相対回転角、言い換えれば、皿バネ82と板ばねプレート84との相対回転角に対応している。リミッタ作動角θが零(=θa)の状態は、図2および図3に対応する車両組付時(初期なじみ前)の状態であって、皿バネ82が図6に示すたわみ量Aに調節されている。ここで、図6に示すように、たわみ量Aにおいて皿バネ荷重Faと低いため、初期リミットトルクTlmがTlmaと比較的小さな値となる。そして、初期なじみが開始されると、リミッタ作動角θが増加するに従い摩擦係数μが徐々に低下するため、リミットトルクTlmが低下する。
そして、リミッタ作動角θがθbに到達すると、板ばねプレート84の突部84aと皿バネ82の切欠82aとの位相が一致する。このとき、皿バネ82のたわみ量sがたわみ量Bとなり、図6に示すように皿バネ荷重Fが荷重Fbとなり、皿バネ荷重Faよりも大きくなる。これより、リミットトルクTlmも皿バネ荷重Fの増加に従って大きくなる(リミットトルクTlmb)。これ以降、突部84aが皿バネ82には当接しないためにたわみ量Bで維持され、摩擦係数μの低下に従ってリミットトルクTlmがリミットトルクTlmbから徐々に低下する。そして、リミッタ作動角θがθcとなると、初期なじみが終了し、摩擦係数μが略一定値で推移する。従って、リミットトルクTlmも同様に略一定値(リミットトルクTlmc)となる。なお、リミッタ作動角θがθcとなる状態は、図4において突部84aが例えば破線で示す位置まで回転した状態に対応している。このリミットトルクTlmcが、エンジン24の最大トルクTemax(図7の必要伝達トルクに相当)よりも大きくなるように設定される。
また、図3および図7に示す車両組付時に設定される突部84aと切欠82aとの間の角度差θ1(=θb−θa)は、予め実験等によって求められた値に設定されている。例えば、リミッタ作動角θがθbに到達した際、リミットトルクTlmが図7に示す経時後のT/M保障必要トルク付近まで低下する角度に設定される。このT/M保障必要トルクは、経時後(初期なじみ終了後)に自動変速機22等(トランスミッション)において伝達可能とされるべきトルクである。
ここで、従来では、初期リミットトルクTlmが図7に示すTlm'となる。この従来の初期リミットトルクTlm'は、本実施例の初期リミットトルクTlmaに比べて大きな値である。従って、自動変速機22等(トランスミッション)の強度設計において、何れも初期リミットトルクTlmを基準とし、少なくともそのリミットトルクTlmを伝達可能な強度に設計されるが、本実施例の初期リミットトルクTlmaは、従来の初期リミットトルクTlm'よりも小さくなるので、自動変速機22等の強度が従来に比べて低くなる。具体的には、従来では自動変速機22等が図7に示す初期状態でのT/M保障必要トルクT1を伝達可能な強度に設計されていたが、本実施例では、そのトルクがトルクT1からΔTだけ低下した値T2(T/M保障必要トルクT2)を伝達可能な強度に設計することが可能となる。従って、自動変速機22の強度を従来に比べて高くする必要がなくなるので、その強度に応じて自動変速機22の部品を大型化する必要もなくなる。
上述のように、本実施例によれば、プレッシャプレート80とライニングプレート76との間の微小な滑りによって、皿バネ82と板ばねプレート84とのリミッタ作動角θが経時的に変化し、皿バネ82の82aと板ばねプレート84の突部84aとの位相が一致すると、板ばねプレート84の突部84aが切欠82aによって形成される空間を抜けることで、突部84aが皿バネ82の背面側に移動し、突部84aと皿バネ82との当接が解除される。したがって、板ばねプレート84の厚み分だけ、皿バネ82のたわみ量が減少する。ここで、皿バネ82は、初期状態においてたわみ量sが減少するに従って皿バネ荷重Fが増加する状態で取り付けられているので、皿バネ82のたわみ量sが減少すると皿バネ荷重Fが増加する。これより、摩擦材88、89の初期なじみにより摩擦係数μが減少してリミットトルクTlmが減少するものの、皿バネ荷重Fが増加すると、再びリミットトルクTlmbが増加する。従って、リミットトルクTlmの大きさを二段階に変化させることができるので、リミットトルクTlmの変化を抑制し、初期リミットトルクTlmを従来に比べて低い値に設定することができる。このように、初期リミットトルクTlmを低下することができるので、トランスミッションの強度を高くする必要もなくなり、トランスミッションを構成する部品の大型化を抑制することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本発明の他の実施例であるトルクリミッタ装置100の構成を説明するための断面図であって、前述の実施例において図2に対応している。図8のトルクリミッタ装置100を、図2のトルクリミッタ装置37と比較すると、図2の板ばねプレート84と第2プレート72とが一体化されている点で相違しており、他の構成は共通している。以下、この相違した構成についてのみ説明する。
図8において、第2プレート102は、第1プレート70と共に、コイルスプリング62を保持した状態で、リベット66によって第1プレート70およびライニングプレート76と一体的に締結されている。そして、第2プレート102の外周側には、前述した実施例の板ばねプレートとして機能する径方向に伸びる延設部104が形成されている。延設部104は、プレッシャプレート80と干渉しないように湾曲して形成されており、外周端部に形成される突部106が皿バネ82とプレッシャプレート80との間に介挿されている。なお、図8に示す状態が車両組付時すなわち初期なじみ前の状態に対応している。このように、第2プレート102の外周部に板ばねプレートとして機能する延設部104が一体化して設けられる構成であっても、前述の実施例と同様に初期リミットトルクTlmを低下させることができる。なお、具体的な作用および効果については、前述の実施例と同様であるため、その説明を省略する。
図9は、本発明のさらに他の実施例であるトルクリミッタ装置120の構成を説明するための断面図であって、前述の実施例の図2、図5等に対応している。なお、図9に示す状態は、板ばねプレート84の突部84aが皿バネ82の切欠82aを通って抜け出した状態、すなわち図5に示す状態に対応している。本実施例では、プレッシャプレート124には円還状の窪み126が形成されている。この窪み126が径方向において皿バネ82の内周部と重複する位置に形成されており、板ばねプレート84の突部84aと皿バネ82との当接が解除されると、図9に示すように、皿バネ82の内周部がその窪み126内に入り込む。これより、皿バネ82のたわみ量sを、突部84aの板厚分のたわみ量低減に加えて、窪み126の深さを調整することで大幅に低下させることも可能となる。従って、リミットトルクTlmの調整が容易となる。
このように、本実施例においても前述の実施例と同様に、初期リミットトルクTlmを低下させることができる。また、窪み126が形成されることにより、たわみ量sを大幅に小さくすることができるので、リミットトルクTlmのチューニングが容易となる。
図10は、本発明のさらに他の実施例であるトルクリミッタ装置150を構成する皿バネ152の形状および板ばねプレート160の初期取付位置を示している。また、図11は、図10の皿バネ152をE−E切断線で切断した断面図である。図10および図11に示すように、皿バネ152には、板ばねプレート84の突部160aと接触する部位に多段状の切欠156が形成されている。図11に示すように、各切欠156a〜156eが形成されることで、各切欠156に対応する切欠端面158が形成され、それらはそれぞれ異なる高さに形成されている。また、切欠156a〜切欠156dについては、突部160aとの位相が一致しても、各切欠156a〜切欠156dによって形成される空間から突部160aが抜け出さないように、各切欠156〜156dの外周端が、160aの外周端よりも内側に形成されている。一方、切欠156eのみ、その外周端が突部160aの外周端よりも径方向外側に形成されている。したがって、突部160aと切欠156eとの位相が一致した場合、その切欠156eから突部160aが抜け出ることとなる。
上記のように構成されるトルクリミッタ装置150の作用および効果について説明する。最初、図10および図11に示すように、突部160aが何れの切欠156とも接触しない状態で組み付けられる。そして、リミッタ作動角θが増加して、突部160aと切欠156aとの位相が一致すると、突部160aが図11に示す切欠156aによって形成される切欠端面158aと当接するので、皿バネ152のたわみ量sが低下する。さらにリミッタ作動角θが増加すると、突部160aが切欠端面156bと当接し、皿バネ152のたわみ量sがさらに低下する。このように、リミッタ作動角θが増加するに従って、突部160aと当接する切欠端面158が段階的に変化し、たわみ量sが段階的に低下する。ここで、皿バネ152は、図6に示したように、たわみ量sが低下するに従って、皿バネ荷重Fが増加するため、突部160aと切欠端面158との当接部位が変化したとき、たわみ量sが低下すると共に、リミットトルクTlmが増加する。そして、突部160aと切欠156eとの位相が一致すると、突部160aが切欠156eから抜け出すこととなる。このときの皿バネ荷重Fが例えば図6の皿バネ荷重Fbに設定される。
図12は、本実施例の皿バネ152が用いられた場合のリミッタ作動角θとリミットトルクTlmとの関係を示しており、前述の実施例の図7に対応している。図12において、θaは突部160aと切欠156aとの位相が一致したときのリミッタ作動角θを示し、θbは突部160aと切欠156bとの位相が一致したときのリミッタ作動角θを示し、θcは突部160aと切欠156cとの位相が一致したときのリミッタ作動角θを示し、θdは突部160aと切欠156dとの位相が一致したときのリミッタ作動角θを示し、θeは突部160aと切欠156eとの位相が一致したときのリミッタ作動角θを示している。また、リミッタ作動角θが零である状態が車両組付時の状態に対応している。
図12に示すように、リミッタ作動角θが増加して初期なじみが開始されると、摩擦係数μが低下するためにリミットトルクTlmが徐々に低下する。そして、リミッタ作動角θが作動角θaに到達すると、突部160aとが切欠156aとの位相が一致し、突部160aが皿バネ152の切欠156aによって形成される切欠端面158aと当接するために皿バネ152のたわみ量sが減少する。このとき、皿バネ荷重Fが増加するので、リミットトルクTlmが増加する。さらに、リミッタ作動角θが増加すると、摩擦係数μの低下に従ってリミットトルクTlmが徐々に低下する。そして、リミッタ作動角θが作動角θbに到達すると、突部160aと切欠156bとの位相が一致し、突部160aが切欠156bの切欠端面158bと当接する。このとき、皿バネ152のたわみ量sがさらに減少するので、皿バネ荷重Fが増加し、リミットトルクTlmが増加する。このように、リミッタ作動角θが増加し、突部160aと切欠156との位相が一致するに従い、突部160aと当接する切欠端面158が切り替わることで、皿バネ152のたわみ量が段階的に減少する。これに対応して、図6より皿バネ荷重Fが段階的に増加することから、多段階にリミットトルクTlmを変化させて、リミットトルクTlmの変化を大幅に抑制することができる。従って、初期リミットトルクTlmが大幅に低下し、トランスミッションへの負荷トルク低減代が大きくなる。
このように、本実施例においても前述の実施例と同様に、初期リミットトルクTlmを低下させることができる。また、皿バネ152と突部160aとの当接部位を段階的に変化させることができるので、皿バネ152のたわみ量sも同様に段階的に変化させてリミットトルクTlmを多段階に変化させることができる。これより、初期リミットトルクTlmを大幅に低下させることができるため、トランスミッションの強度を低下させることができ、結果としてトランスミッションを構成する部品の大型化を抑制することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の各実施例は、必ずしもそれぞれ独立して実施することはなく、各実施例を適宜組み合わせて実施しても構わない。
また、前述の実施例の板ばねプレート84に形成されている突部84a、160aは、必ずしも周方向に2または3個形成する必要はなく、矛盾の生じない範囲で自由に変更しても構わない。
また、前述の実施例のトルクリミッタ装置150において、リミットトルクTlmが6段階に変化するように構成されているが、必ずしも6段階に限定するものではなく、適宜変更しても構わない。
また、前述の実施例においてプレート78bには、皿バネ82との相対回転を防止するために図示しない廻り止めが設けられているとしたが、必ずしもその廻り止めを必要としない。この廻り止めが設けられなくとも、トルクリミッタ装置37が作動する際、通常プレート78bと皿バネ82とは相対回転しないためである。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
37、100、120、150:トルクリミッタ装置
76:ライニングプレート(第2回転プレート)
80、124:プレッシャプレート(第1回転プレート)
82、152:皿バネ
82a、156:切欠
84:板ばねプレート(中間部材)
84a、160a:突部
104:延設部(中間部材)

Claims (1)

  1. 軸心まわりに回転可能な第1回転プレートと、該第1回転プレートに隣接した状態で軸心まわりに相対回転可能に設けられている第2回転プレートと、該第1回転プレートおよび該第2回転プレートの一方に固定されて他方の回転プレートと摺接する摩擦材と、該第1回転プレートを該第2回転プレートに向かって軸方向に押圧する皿バネとを、含む車両のトルクリミッタ装置であって、
    前記皿バネはたわみが低下するに従って皿バネ荷重が増加する特性を有し、該皿バネ荷重が増加する前の高たわみ状態で取り付けられ、
    内周部が前記第2回転プレートに接続され、外周端が前記皿バネの内周端よりも小径に形成され、且つ、該外周端から径方向に突き出す突部が形成されている弾性体から成る中間部材が設けられ、
    該中間部材は、初期状態において前記突部が前記皿バネに当接した状態で、前記第1回転プレートと該皿バネとの間に介挿されており、
    前記皿バネの内周部には、初期状態では前記突部と異なる位相に位置され、前記中間部材の前記突部と位相が一致すると、該突部を前記皿バネの背面側に移動させて前記皿バネのたわみを低下させるための切欠が形成されていることを特徴とする車両のトルクリミッタ装置。
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