JP2884745B2 - ディスクブレーキ用摩擦材 - Google Patents

ディスクブレーキ用摩擦材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は自動車などの車両又は産業用機械用のディ
スクブレーキの摩擦材、特に摩擦相手たるディスクロー
タに対する摩擦材の攻撃性の減少及び低周波のブレーキ
ノイズの発生を防止するための摩擦材(パッド)の構造
に関するものである。
[従来の技術] ディスクブレーキは回転するディスクロータの両側か
らパッドと称する摩擦材を押圧してディスクロータの回
転を制動(ブレーキ)する装置である。そのパッドは、
第1図等に外観を示すように金属製の裏金3の片面に摩
擦材1が接着された構造のものである。
従来の摩擦材(パッド)はアスベスト繊維を基材とす
るものであったが、アスベストは公害発生源とされるの
で、最近はアスベストを含まない(アスベストフリー)
のものが使用されるようになっている。それはアスベス
以外のスチールウール、アラミド繊維(商品名ケブラパ
ルプ)等の有機無機繊維を基材とし、カシューダスト、
硫酸バリウム、ゴム等の有機無機充填剤、摩擦係数調整
剤としての2硫化モリブデン、グラファイト等の潤滑
剤、さらに摩擦増加剤としてAl2O3,SiO2,ZrO2等の酸
化物やSiC,Mo2C等の非酸化物および鉄粉、鉄繊維などの
通常ディスクロータと同等もしくはそれ以上の硬度を持
つ研磨剤にフェノール樹脂等を結合剤(バインダー)と
して混合しプレス熱成形、硬化して製造されている。
車両用ディスクブレーキはジャダー(数〜数十Hzの振
動が原因の衝撃音)を発生しにくい事が特徴として上げ
られているが、実際には完全にジャダーを無くすことは
できない。この現象はディスクロータの厚みが不均一と
なった時に生ずるものである。ディスクロータの厚さが
不均一となるのは、使用中のディスクロータの発錆或い
はディスクロータの偏摩耗等に起因する。その偏摩耗
は、(a)回転に伴うディスクの振れ、(b)ブレーキ
のキャリパーの剛性不足、(c)制動しない時にも常時
摩擦材がディスクロータに接触する、いわゆる引きずり
現象が主因である。
この引きずり現象は、第3図に模式的に示すように、
非制動状態ではディスクロータ2が図面の矢印A方向に
回転する時にディスクロータ2に対して摩擦材1が傾斜
し、片側では摩擦材1のリーディング側の端部B、反対
側ではトレーリング側の端部Cにおいて接触する状態、
すなわち片当たりの状態になって生ずる。
この問題を解決するために、例えば特開昭63−259230
号、特開平1−307527号には摩擦材の両端部帯域を中央
部帯域に比し研磨剤量を減少した材質とすることが提案
されている。そうすると前記引きずり状態でのディスク
ロータの摩耗を減少することができ、ディスクロータの
偏摩耗、従ってジャダーの発生を減少することができる
というものである。
[発明が解決しようとする課題] 前述のように最近はアスベストフリーの摩擦材が開発
されているが、これらの摩擦材は従来のアスベスト系の
摩擦材に比し、ジャダーの発生以外に、1KHz以下の低周
波のブレーキノイズを発生し易く、場合によってはブレ
ーキ制動時に車体の振動を伴うことがあり運転者に多大
の不快感を与えるという新しい問題が生じている。
この発明は前記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、ブレーキ制動時にシャダーおよび低周波の
ブレーキノイズを発生しない摩擦材を提供することを目
的とするものである。
[課題を解決するための手段] この発明はディスクブレーキ用摩擦材において、アス
ベストを含まない繊維を基材とし、充填剤、潤滑剤、研
磨剤及び結合剤と裏金を熱硬化性樹脂接着剤によって熱
成形にて接着したものであり、摩擦材はディスクの回転
方向にそって両端部帯域と中央帯域に分けて構成し、端
部帯域における研磨剤の含有率が少なくともその摺動表
面層で中央部帯域の含有率に比較し少なくなっており、
且つ端部帯域はグラファイト,2硫化モリブデン以外のマ
イカ、タルク、バーミキュライト及びカオリンを代表と
する層状の結晶構造を持つ無機化合物のうち1種以上
と、アルミニウム、マグネシウム及び鉄の水酸化物のう
ち1種以上を含む配合としたものである。
この場合に端部帯域の研磨剤の含有率は中央部帯域と
同等でもよく、或いは回転方向のリーディング側(前端
側)端部帯域の含有率のみを少なくしてもよい。
通常ディスクブレーキではパッドの引きずりを完全に
は無くすることはできず、第3図に示すように、片当た
り状態となり両端部が非制動時でも相手のディスクロー
タに接触して攻撃する。それ故ディスクロータと同等あ
るいはそれ以外の硬度を有する研磨剤、例えばAl2O3,S
iO2,ZrO2等の酸化物やSiC,Mo2C等の非酸化物系および
鉄粉、鉄繊維などは相手ディスクロータを摩耗させる。
本発明のようにパッドの摩擦材の両端部帯域の研磨剤含
有率を低くすると、ディスクロータの偏摩耗を減少でき
る。
一方1KHz以下の低周波のブレーキノイズはディスクロ
ータと摩擦材が摺動する際のスティックスリップ現象が
原因である。一般にスティックスリップ現象は静止摩擦
係数が大きく、動摩擦係数が小さい摩擦材、即ち摩擦係
数の比R=静止摩擦係数μs/動摩擦係数μdが大きい程
起こり易いと考えられている。そこでこのRに着目して
スティックスリップ現象を抑制する材料を探した。その
結果マイカ、タルク、バーミキュライト、カオリン等の
層状の結晶構造を持つ無機化合物のうち1種以上と、ア
ルミニウム、マグネシウム、鉄の水酸化物の1種以上の
組合わせがスティックスリップ現象を減少し、異音の発
生防止に対し有効であることを見出したのである。また
実験によれば制動時においても摩擦材はディスクロータ
の回転方向の先端部から当たり始め、摩擦材のリーティ
ング側の摩擦材から生ずる摩耗粉がトレーリング側へ移
動する過程で摩擦熱により表面に融着層を形成するが、
その融着層に前記の層状の結晶構造を有する無機化合物
と、金属の水酸化物が存在すると摩擦材とディスクロー
タとの接着が防止されスティックスリップ現象が軽減す
る。
さらに実験の結果、端部帯域に含まれる層状結晶構造
の無機化合物およびアルミニウム、マグネシウム、鉄等
の水酸化物の含有量合計は2〜60容積%、好ましくは3
〜55容積%、より好ましくは4〜50容積%であることが
わかった。
これらの物質が2容積%以下では低周波ブレーキノイ
ズの抑制効果が薄く、60容積%以上となると熱成形が困
難になるからである。
[作用] 本発明のパッドでは摩擦材の両端部帯域で研磨材の含
有量を少なくすることによって引きずりによるディスク
ロータの偏摩耗を防止してジャダーが減少する。一方両
端部帯域に層状の結晶構造を持つ無機化合物の少なくと
も1種および金属の水酸化物の少なくとも1種を含有さ
せると摩擦材のRが小さくなるので制動時のスティック
スリップ現象を防止し、低周波のブレーキノイズの発生
をも防止できるものである。
[実施例] ディスクブレーキ用摩擦材の評価をするために第1図
に示すようなパッドを造った。その場合に第2図に示す
ように両端部帯域の幅Hを15mmとした。
第1表に示す配合の材料をアイリッヒミキサーで混合
し、その各種の材料を第2表のように組合わせて、中央
部帯域と端部帯域にそれぞれの材料を投入して熱成形し
た。熱成形は160℃、10分間で行った。圧力は成形した
摩擦材の中央部帯域が計算上10%の気孔率を有するよう
に適当な値を選んだ。成形後230℃で3時間加熱して硬
化して摩擦材を得た。
第2表に示す各試料を用いて車両の走行制動をシミュ
レーション可能なダイナモメーターにより、10分毎に一
回の制動を加え、延べ100時間後にディスクの厚みを測
定し最大摩耗点と最小摩耗点の差を測定した。次に前記
のテストに使用したディスクロータを実車に装着して通
常走行状態で制動を10回繰り返してジャダーのレベルの
大小を調査した。その結果は第3表に示す通りであっ
た。
以上の結果から、端部帯域にZrO2のような研磨材とス
チールウールを含まないパッド、実施例(1)、比較例
(1)の場合には摩耗差は小さく、実車ジャダーは生じ
ないことがわかる。
次に実際の車両に装着してブレーキノイズ試験を行っ
た。その際のブレーキの制動スケジュールを第4表に示
す。
その結果は第5表の通りであった。
以上の結果から本発明のように両端部帯域に層状結晶
構造の無機化合物とアルミニウムの水酸化物等を含ませ
た摩擦材を用いると低周波数のブレーキノイズの発生を
防止することができることが分かる。
[発明の効果] 以上に詳しく説明したように、本発明のディスクブレ
ーキ用摩擦材はアスベストを含まないので人体、環境へ
の影響が問題になることがないことは勿論、ジャダーは
抑えられ、さらにブレーキ制動時に発生する、低周波数
のブレーキノイズを防止できて運転者等への不快感を解
消する効果を有するものである。また従来の摩擦材と同
等の耐フェード性、耐摩耗性を有することは勿論であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の摩擦材(パッド)の正面図である。第
2図は実施例の摩擦材の正面図、第3図は引きずり状態
の摩擦材とディスクロータの状態を説明する模式図であ
る。 1……摩擦材、2……ディスクロータ、3……裏金、4,
7……中央部帯域、5,6……端部帯域、A……ディスクロ
ータ回転方向
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/14 F16D 69/00 - 69/02 WPI/L(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アスベストを含まない繊維を基材とし、充
    填剤、潤滑剤、研磨剤及び結合剤と裏金を熱硬化性樹脂
    接着剤によって熱成形にて接着されたディスクブレーキ
    用摩擦材において、摩擦材はディスクの回転方向にそっ
    て中央部帯域と両端部帯域に分けて構成され、少なくと
    もその摺動表面層での研磨剤の含有率が端部帯域におい
    て中央部帯域の含有率に比し同等或いは小さく、且つ端
    部帯域にはグラファイトおよび2硫化モリブデン以外の
    マイカ、タルク、バーミキュライト及びカオリンを代表
    とする層状の結晶構造を持つ無機化合物のうち1種以上
    と、アルミニウム、マグネシウム及び鉄の水酸化物のう
    ち1種以上をフィラーとして含んでおり、中央部帯域に
    は前記フィラーを含まないか或いはその1種を含むよう
    にしたことを特徴とするディスクブレーキ用摩擦材。
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