JP3550934B2 - ハイブリッドブレーキ材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせたハイブリッドブレーキ材に関する。本発明は、例えば、車両のディスクブレーキ装置に使用されるブレーキパッド、ドラムブレーキ装置に使用されるブレーキライニングに利用できる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせた複合的摩擦特性をもつハイブリッドブレーキ材が提供されている。この種のハイブリッドブレーキ材として、実開昭56−113241号公報には、高耐摩耗性をもつ摩擦材を外周側に配置し、低耐摩耗性をもつ摩擦材を内周側に配置したものが開示されている。これによれば、摩擦材における外周側の偏摩耗を抑え、耐摩耗性の均一化に有利とされている。しかしこの公報技術は、耐摩耗性の均一化を意図したものであり、制動時における鳴き防止を意図したものではない。
【0003】
また特開平5−164158号公報には、相手攻撃性が異なる摩擦材を摺動方向に分離して配置し、両者の境界に溝を形成したブレーキパッドが開示されている。この公報技術では、溝により、摩擦材の変形の抑制、摩耗粉の排出性を確保できると記載されている。
【0004】
ところでブレーキ材では、制動時におけるブレーキの『鳴き』の一層の低減が要望されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材はブレーキの『鳴き防止』に有利であること、ブレーキ操作量が少ないときに『鳴き』が生じやすいことに着目し、相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材と相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材とを組み合わせた方式のハイブリッド特性を備えたハイブリッドブレーキ材を、近年、開発した(本出願時に未公知)。
【0006】
このハイブリッドブレーキ材では、ブレーキ操作量が少ないときに、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材が相手材と摩擦する度合が高いため、ブレーキの『鳴き』の抑制に有利である。更に、ブレーキ操作量が増すと、相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材が相手材に摩擦する度合が高まるため、ブレーキの『効き』が効果的に確保される。
【0007】
上記したハイブリッドブレーキ材では、ブレーキの『効き』を効果的に確保するには、高μ摩擦材と相手材との摩擦の度合を高めるべく、摩擦係数が低い低μ摩擦材は、ブレーキ操作が増加するにつれて、相手材によって圧縮されることが好ましい。
【0008】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、ブレーキ操作時における『鳴き』の低減に有利であり、しかもブレーキ操作の増加につれて圧縮されて退避するのに有利なハイブリッドブレーキ材を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記した課題のもとに鋭意開発を進め、摩擦係数が0.4以下であり、厚み方向における圧縮弾性率が5〜30kgf/mm2 である摩擦材とすれば、上記したハイブリッド特性を備えたハイブリッドブレーキ材のうち低μ摩擦材として適することを見出し、本発明に係る摩擦材(低μ摩擦材に相当)を完成した。
【0010】
更に体積比で、基材として有機繊維及び/または無機繊維が30〜50%、結合剤が10〜15%、有機充填剤が15〜40%、無機充填剤が2〜10%、固体潤滑剤が12〜20%を含む組成をもつ摩擦材とすれば、摩擦材の摩擦係数を低めにしつつ低μ摩擦材の圧縮弾性率を小さくでき、これにより上記したハイブリッドブレーキ材用として使用される相対的に摩擦係数が小さくかつ圧縮弾性率が小さい低μ摩擦材を製造するのに有利であることを知見し、本発明を完成した。
【0011】
即ち、請求項1に係るハイブリッドブレーキ材は、摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材とこの低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材とを組み合わせたハイブリッドブレーキ材であって、
摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材の圧縮弾性率は5〜30kgf/mm2 であり、低μ摩擦材の摩耗率は前記摩擦係数が高い高μ摩擦材の摩耗率よりも小さく設定されており、1.5×10-4mm3/kgf・m以下に設定されており、且つ、低面圧時に低μ摩擦材が相手材に接触し、高面圧時に低μ摩擦材が圧縮されて低μ摩擦材及び高μ摩擦材の双方が相手材に接触するように設定されていることを特徴とする。ここでμは摩擦係数を示す。
【0012】
請求項2に係るハイブリッドブレーキ材は、摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材とこの低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材とを組み合わせたハイブリッドブレーキ材であって、
摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材の圧縮弾性率は5〜30kgf/mm2 であり、低μ摩擦材の摩耗率は前記摩擦係数が高い高μ摩擦材の摩耗率よりも小さく設定されており、1.5×10-4mm3/kgf・m以下に設定されており、且つ、低面圧時に低μ摩擦材が相手材に接触し、高面圧時に低μ摩擦材が圧縮されて低μ摩擦材及び高μ摩擦材の双方が相手材に接触するように設定されており、更に、高μ摩擦材の表出面積は低μ摩擦材の表出面積よりも大きく設定されていることを特徴とする。ここでμは摩擦係数を示す。
【0013】
本発明に係るハイブリッドブレーキ材によれば、摩擦材(低μ摩擦材)は、体積比で、基材として有機繊維及び/または無機繊維が30〜50%、結合剤が10〜15%、有機充填剤が15〜40%、無機充填剤が2〜10%、固体潤滑剤が12〜20%含まれている組成をもつことを特徴とすることができる。
【0014】
本発明に係るハイブリッドブレーキ材によれば、摩擦材(低μ摩擦材)は、体積比で気孔率が15〜30%であることを特徴とすることができる。
【0015】
本発明に係るハイブリッドブレーキ材によれば、摩擦材(低μ摩擦材)は、基材はカーボン長繊維を含み、摩擦材に対して体積比でカーボン長繊維が10〜20%であることを特徴とすることができる。
【0016】
本発明に係るハイブリッドブレーキ材によれば、摩擦材(低μ摩擦材)において、無機充填剤はシリカガラス粒子を含み、摩擦材に対して体積比でシリカガラス粒子が2〜10%であることを特徴とすることができる。
【0017】
【実施の形態】
本発明に係るハイブリッドブレーキ材用摩擦材(低μ摩擦材)の代表的な形態について、説明する。
【0018】
本発明に係る摩擦材(低μ摩擦材)では、一般的には、基材として有機繊維及び/または無機繊維を用いる。基材としては具体的にはアラミド繊維(一般的にはパラ系)、カーボン繊維、チタン酸カリウム繊維、金属繊維等を採用できる。基材の割合が多くなると、基材と結合剤との濡れ性等の影響で、摩擦材における気孔率が増加し易い。
【0019】
カーボン繊維は、カーボン長繊維(繊維長:1mm以上)、カーボン短繊維(繊維長:1mm未満)を用いることができる。カーボン長繊維は、母材強度を確保しつつ、相手材の摩擦表面に生成した皮膜を適度に掻き落とす作用をもつ。そのため、相手材の摩擦表面、ひいては摩擦材の摩擦表面を安定化させ易く、摩擦材の摩擦係数を低めにかつ安定化させるに有利である。
【0020】
結合剤としては、従来より摩擦材において使用される公知の結合剤を用いることができ、具体的にはフェノール樹脂、エポキシ樹脂を採用できる。更にはポリイミド樹脂系、ポリアミドイミド樹脂系も期待できる。
【0021】
有機充填剤としては、カシューダスト、ラバーダスト等を採用できる。無機充填剤としては硫酸バリウム、シリカガラス粒子、アルミナ粒子等を採用できる。固体潤滑剤としてはグラファイト、三硫化アンチモン等を採用できる。上記した無機充填剤、有機充填剤、固体潤滑剤は摩擦摩耗調整剤として機能できる。
【0022】
請求項1に係る摩擦係数、圧縮弾性率をもつ摩擦材(低μ摩擦材)を製造するには、請求項3の組成にすることが好ましい。更に請求項3に規定された組成とすれば、摩擦係数、圧縮弾性率の他に、摩耗率も小さい摩擦材を製造するのに有利である。この場合には摩擦材の組成を体積比で次のようにできる。
【0023】
基材(アラミド繊維、カーボン繊維) 30〜50%
結合剤(フェノール樹脂等) 10〜15%
有機充填剤(カシューダスト、ラバーダスト等) 15〜40%
無機充填剤(硫酸バリウム、シリカガラス粒子等) 2〜10%
固体潤滑剤(グラファイト、三硫化アンチモン等) 12〜20%
上記した組成に規定すれば、次の(1)及び(2)の要求値、或いは、(1)〜(3)の要求値を満足させ得る。
【0024】
(1)……摩擦係数μ≦0.4、特に、摩擦係数μ≦0.35
(2)……圧縮弾性率E=(5〜30)〔kgf/mm2 〕、特に(8〜30)〔kgf/mm2 〕
(3)……摩耗率W≦1.5×10-4〔mm3 /kgf・m〕
このように上記した組成に規定すれば、摩擦係数、圧縮弾性率、摩耗率の三者が小さい摩擦材(低μ摩擦材)を製造することができる。なお摩擦係数、圧縮弾性率、摩耗率は、後述する試験法に基づいた。
【0025】
ちなみに、一般的なブレーキ用摩擦材では物性値は次の(1’)〜(3’)であり、特に圧縮弾性率が上記した(2)に比較してかなり高い。
【0026】
(1’)……摩擦係数μ=0.4〜0.5
(2’)……圧縮弾性率E=(50〜200)〔kgf/mm2 〕
(3’)……摩耗率W=(1〜4)×10-4〔mm3 /kgf・m〕
上記した組成によれば、基材、有機充填剤の割合が多く、結合剤の割合が少ない。このような摩擦材の組成では、(基材/結合剤)の体積比=(50%/10%)〜(30%/15%)=5〜2にできる。また〔(基材+有機充填剤)/結合剤)〕の体積比=7.5〜4.5にできる。
【0027】
上記した実施形態に係る組成の限定理由
請求項1に係る摩擦係数、圧縮弾性率をもつ摩擦材(低μ摩擦材)を得るには、組成は前述した割合に規定することが好ましい。
【0028】
以下、組成の限定理由について説明する。上記したように基材が占める体積割合を30〜50%と多くし、有機充填剤の割合を15〜40%と多くし、結合剤を10〜15%と少なくすれば、摩擦材における気孔が多くなり易い。基材と結合剤との濡れ性、有機充填剤と結合剤との濡れ性等に起因するものと推察される。このように摩擦材の気孔率が増大すれば、摩擦材の圧縮弾性率を小さくできる。
【0029】
摩擦材の気孔率は15〜30%、殊に20〜30%が好ましい。このようにすれば、摩擦材の圧縮弾性率がかなり低下する。よって摩擦係数、圧縮弾性率の双方が低い摩擦材を提供するのに有利となる。なお、気孔の形態としては、5μm以下の気孔が気孔のうちの80%を占めるようにできる。
【0030】
基材が30%未満では摩擦材の圧縮弾性率が30kgf/mm2 よりも増加し易い。基材が50%を越えると、摩擦材の強度が低下し易い。同様に結合剤が15%を越えると、圧縮弾性率が30kgf/mm2 よりも増加し易い。結合剤が10%未満では摩擦材の強度が低下し易い。
【0031】
また有機充填剤が15〜40%と多いため、有機充填剤と結合剤との濡れ性に起因して気孔が確保され易い。この意味からしても、摩擦材の圧縮弾性率の低減に有利である。有機充填剤は、一般的には、摩擦表面における潤滑皮膜の生成に寄与し易い。このような有機充填剤が15〜40%と多いため、摩擦材の耐摩耗性の向上、つまり摩擦材の摩耗率の低減に有利である。有機充填剤が15%未満では、摩擦材の圧縮弾性率が大きくなるとともに、耐摩耗性が悪化し、物性値が上記した要求値からはずれてしまう可能性がある。また有機充填剤が40%を越えると、摩擦面に生成する被膜が厚くなり易く、摩擦係数μが不安定になり易い。
【0032】
また無機充填剤を2〜10%とすることにより、摩擦材の耐摩耗性が向上する。2%未満では耐摩耗性が低下し、摩耗率Wが増加し、例えば1.5×10-4mm3 /kgf・mよりも増加し易い。無機充填剤が10%を越えると、摩擦係数μが上昇するとともに不安定になり易い。
【0033】
また固体潤滑剤を12〜20%とすることにより、固体潤滑剤による良好な潤滑被膜の生成を期待でき、摩擦係数μの低減および摩擦材の耐摩耗性の向上に有利となる。固体潤滑剤が12%未満では、摩擦係数μは0.4よりも増加し易く、しかも摩擦材の摩耗率は高くなり易く、上記した要求値を満たさなくなる可能性がある。固体潤滑剤が20%を越えると、摩擦材の潤滑被膜の厚さが摩擦条件により不安定となり易く、摩擦係数μが不安定となり易い。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例1〜3を従来例と共に説明する。
【0035】
表1に示す配合組成となるように各原料を調整し、実施例1〜3の摩擦材を従来材の摩擦材と共に製造した。
【0036】
【表1】
【0037】
上記した原料の条件は以下のようである。アラミド繊維(パラ系)は平均繊維長が2mmのものを用いた。チタン酸カリウム繊維は、針状繊維であり、繊維長が10〜20μm、繊維径が0.3〜0.6μmのものを用いた。カーボン短繊維は、ピッチ系であり、繊維長が0.1mm、繊維径が10μmのものを用いた。カーボン長繊維は、パン系であり、繊維長が3mm、繊維径が10μm、引張強度が300kgf/mm2 のものを用いた。カシューダストは、平均粒径が200μmのものを用いた。グラファイトは、天然黒鉛であり、平均粒径が6μmのものを用いた。シリカガラス粒子は、ガラス中空球であり、平均粒径が35μmのものを用いた。銅は、銅繊維であり、繊維長が1.5mm、繊維径が100μmのものを用いた。アルミナ粒子は、平均粒径が5μmのものを用いた。
【0038】
摩擦材の製造方法としては、混合工程→予備成形工程→熱成形工程→熱処理工程の順で実施した。混合工程では、アイリッヒミキサーを用いて、原料を5分間混合した。予備成形工程では、プレス機を用い、面圧が130kgf/cm2 、成形時間が5秒で圧縮成形した。熱成形工程では、プレス機を用い、温度が160°C、面圧が400kgf/cm2 、成形時間が5分で熱成形した。熱処理工程では、熱処理炉を用いて、温度が220°C、時間が3時間で熱処理した。
【0039】
摩擦材の気孔率を水銀圧入法で測定したところ、従来材の摩擦材では10〜12%と低かったが、実施例1の摩擦材では18〜20%であり、実施例2の摩擦材では22〜25%であり、実施例3の摩擦材では25〜28%といずれも高かった。
【0040】
上記したように製造した実施例1〜3、従来例に係る各摩擦材について、摩擦試験、圧縮試験、摩耗試験を行い、それぞれの摩擦材の摩擦係数、圧縮弾性率、摩耗量を測定した。
(A−1)摩擦係数μを測定する摩擦係数試験の条件は次のようである。
【0041】
試験機:フルサイズダイナモメータ、
試験条件:JASO C406に準じて実施、
制動開始速度:20km/h、50km/h、100km/hと3種類行った。
(A−2)圧縮弾性率を測定する弾性圧縮試験の条件は次のようである。
【0042】
試験機:機械式圧縮試験機
試験条件:500kgf、1000kgf
即ち、荷重500kgfを摩擦材に作用させたときの摩擦材の厚み方向の圧縮歪量と、荷重1000kgfを摩擦材に作用させたときの摩擦材の厚み方向の圧縮歪量との差をδとし、摩擦材の面積をA(44mm2 )とし、摩擦材の荷重をかける前の厚みをt(10mm)とし、荷重差をFとしたとき、圧縮弾性率Eは、E=(F/A)/(δ/t)から求めた。
(A−3)摩耗率Wを測定する摩耗試験の条件は次のようである。
【0043】
【0044】
即ち、車速50km/hからブレーキをかけ減速度0.15Gで車両を減速して停止させた。これを500回繰り返した。そして各温度における摩耗率WT を次の式に基づいて求めた。
【0045】
WT ={〔2×(A1×t1+A2×t2)×r2 〕 / 〔I×V2 ×n〕}
ここで、A1は第1摩擦材の摩擦面の面積、t1は第1摩擦材の摩擦面の摩耗厚さ、A2は第2摩擦材の摩擦面の面積、t2は第2摩擦材の摩擦面の摩耗厚さ、Iは回転部の慣性質量、Vは制動開始時の車速、rはタイヤの有効半径、nは制動回数を示す。相手材であるディスクロータを第1摩擦材と第2摩擦材とで挟持するため、上記式では、第1摩擦材と第2摩擦材の摩耗を考慮している。
【0046】
そして、その摩擦材の摩耗率Wは、100°Cにおける摩耗率W100 と200°Cにおける摩耗率W200 とに基づいて、下記の式により求めた。
【0047】
W=0.8×W100 +0.2×W200
各試験における試験結果は次のようである。
(B−1)摩擦試験の試験結果
図1は実施例1の摩擦材に対する摩擦係数の試験結果を示す。図2は実施例2の摩擦材に対する摩擦係数の試験結果を示す。図3は実施例3の摩擦材に対する摩擦係数の試験結果を示す。図4は従来材の摩擦材に対する摩擦係数の試験結果を示す。図1〜図4図において、横軸は制動の際の踏力を意味する油圧を示し、縦軸は摩擦係数μを示し、◆は制動開始時の速度が20km/h、■は50km/h、○は100km/hの場合を示す。
【0048】
従来材の摩擦材は、図4から理解できるように、摩擦係数μが0.35を越える高い値を示している。特に速度が20km/hの場合には、摩擦係数は0.45を越えている。これに対して図2〜図4から理解できるように、実施例1〜3の摩擦材では摩擦係数μのすべてのデータが0.4以下である。殊に、図1に示す20km/hのときの油圧10kgf/cm2 を除いて、0.35以下となっている。かなりのデータが0.3以下となっている。故に実施例1〜3の摩擦材は、摩擦係数の低減に対する要求値を満たしており、『鳴き』の低減に有利である。
【0049】
また実施例1の摩擦材では、図1から理解できるように、各制動速度での油圧スプレッド(=摩擦係数μの変動量)がやや大きめである。これに対して、実施例2、3では図2、図3から理解できるように、油圧スプレッドは実施例1に比べ小さくなっている。これは実施例2、3の摩擦材では、カーボン短繊維に代えて、カーボン長繊維が配合されているため、母材強度が向上して相手材に移着しにくくなるとともに、相手材に生成した皮膜の掻き取りにより、摩擦係数μが安定化したものと推察される。つまり、カーボン長繊維には、母材強度向上及び相手材に生成した皮膜の掻き取りにより、摩擦材の摩擦表面および相手材表面に生成する被膜を安定化させる作用があると考えられる。
【0050】
図5の◆は、実施例2に類似した摩擦材つまり低μ摩擦材を用い、制動開始速度が50km/hのときにおける摩擦係数の変化を示す。図5の横軸は制動の際の油圧を示し、縦軸は摩擦係数μを示す。図5の■は高μ摩擦材における摩擦係数の変化を示す。後述する図8に示すように方式のハイブリッド特性をもつブレーキ用摩擦材に適用した場合には、制動初期である軽踏込み時には低μ摩擦材が相手材に接触し、制動つまり踏込みの進行につれて、高μ摩擦材が相手材に接触する度合が高まるため、図5の○に示すようなハイブリッドな摩擦特性が得られる。
(B−2)圧縮試験の試験結果
図6は上記した圧縮試験の試験結果を示す。図6から理解できるように、従来材の摩擦材では圧縮弾性率E=65〔kgf/mm2 〕と大きい。これに対して実施例1〜3の摩擦材では、どれも圧縮弾性率E≒10〔kgf/mm2 〕であり、圧縮弾性率に関する要求値を満足している。
(B−3)摩耗試験の試験結果
図7は摩耗試験の試験結果を示す。図7から理解できるように、従来材の摩擦材は摩耗率W=2.2×10-4〔mm3 /kgf・m〕と大きい。これに対して実施例1〜3の摩擦材では、摩耗率W≦1.5×10-4〔mm3 /kgf・m〕であり、摩耗率に関する要求値を満足する。
【0051】
図7から理解できるように、実施例3の摩擦材では、他の実施例1、実施例2よりも摩耗率が小さく、耐摩耗性が良好である。これは実施例3の摩擦材には、シリカガラス粒子が配合されているため推察される。即ち、シリカガラス粒子自体が耐摩耗性が大きいこと、シリカガラス粒子が脱落して摩擦境界に界在したとしても、シリカガラス粒子は球状であるため、摩擦材および相手材を攻撃しにくいためであると、推察される。
【0052】
(適用例)
図8〜図10は適用例を示す。本適用例は車両のディスクブレーキ装置のブレーキパッドとして使用されるハイブリッドブレーキ材に適用したものである。図8はハイブリッドブレーキ材1を裏金2に装着した状態を示す。Bはディスクブレーキ装置の相手材であるディスクロータの回転中心を示す。図9は図8のA1−A1線に沿う断面を示す。
【0053】
この適用例に係るハイブリッドブレーキ材1は、異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせたものであり、具体的には、摩擦係数が相対的に低い低μ摩擦材3と、摩擦係数が相対的に高い高μ摩擦材4とを組み合わせて構成されている。
【0054】
図8において、摩擦係数が低い低μ摩擦材3の領域は斜線で示されており、所定幅Mを備えた大きな曲率半径で摩擦摺動方向に沿って、つまりディスクブレーキロータの回転中心Bを中心として矢印B3方向に円弧帯状に略同軸的に配設されている。ハイブリッドブレーキ材1のうち、残りの領域は、摩擦係数が高い高μ摩擦材4とされている。なおブレーキの『効き』を確保すべく、高μ摩擦材4の表出面積は、低μ摩擦材3の表出面積よりも大きくされている。
【0055】
本実施例によれば通常の状態においては、図9に示す様に、摩擦係数が低い低μ摩擦材3は、摩擦係数が高い高μ摩擦材4よりも相手材側にΔL1突出している。
【0056】
なおΔL1はハイブリッドブレーキ材1の種類、使用条件、ブレーキフィーリングの要請等に応じて適宜選択できるが、一般的には0.5mm以下、特に0.3mm以下にできるが、これに限定されるものではなく、場合によっては1mm程度とすることもできる。
【0057】
以下、本適用例で用いた摩擦係数が低い低μ摩擦材3と、摩擦係数が高い高μ摩擦材4の特性を説明する。
・低μ摩擦材3
摩擦係数μL :0.25〜0.35
圧縮弾性率EL :8〜30〔kgf/mm2 〕
摩耗率WL :(0.9〜1.0)×10-4〔mm3 /kgf・m〕
・高μ摩擦材4
摩擦係数μH :0.4を越える
圧縮弾性率EH :50〜110〔kgf/mm2 〕
摩耗率WH :(1.4〜2.5)×10-4〔mm3 /kgf・m〕
ここで本適用例では、(高μ摩擦材4の摩耗率WH /低μ摩擦材3の摩耗率WL )は約2.8とされている。また低μ摩擦材3の面積をAL とし、高μ摩擦材4の面積をAH とすると、AH /AL =2.8とされている。
【0058】
上記説明から理解できる様に本適用例によれば、低μ摩擦材3の摩擦係数μLは高μ摩擦材4の摩擦係数μH よりも小さくされている(μL <μH )。また低μ摩擦材3の圧縮弾性率EL は高μ摩擦材4の圧縮弾性率EH よりも小さくされている(EL <EH )。また低μ摩擦材3の摩耗率WL は高μ摩擦材4の摩耗率WH よりも小さくされており(WL <WH )、低μ摩擦材3は耐摩耗性が良好であり、摩耗しにくいものである。
【0059】
本適用例によれば、図9から理解できる様に、低μ摩擦材3が高μ摩擦材4よりも突出している。そのため、ブレーキの軽踏力時には、摩擦係数が小さく『鳴きの低減』に有効な低μ摩擦材3が、まず優先的にディスクブレーキロータつまり相手材6に摩擦する。これによりブレーキの軽踏力時における『鳴き』の問題が軽減、回避される。
【0060】
またブレーキの踏込みを増加した高踏力時には、図10から理解できる様に低μ摩擦材3が厚み方向に圧縮する。この結果、摩擦係数μH が高く表面積が大きな高μ摩擦材4が相手材6に摩擦する度合が高くなる。そのためブレーキの『効き』が良好に確保される。
【0061】
更に本適用例によれば、低μ摩擦材3の圧縮弾性率EL は小さいので、高μ摩擦材4に比較して軟目であり、相手材6に圧縮されて引っ込み易い特性をもつ。故に、ブレーキの踏み込み量が増加した高踏力時には、圧縮弾性率EL が小さい低μ摩擦材3の圧縮が進む。従って摩擦係数μH が高く『効き』に強い高μ摩擦材4が、相手材6に一層摩擦し易くなる。そのため高踏力時において、ブレーキの『効き』の向上に一層有利である。
【0062】
また本適用例によれば、低μ摩擦材3の摩耗率WL は高μ摩擦材4の摩耗率WH よりも小さいため、低μ摩擦材3の摩耗は高μ摩擦材4に比較して相対的に少ない。従って、ブレーキの踏込みが解除されたときには、低μ摩擦材3は高μ摩擦材4よりも突出し易くなる。結果として、図9に示す低μ摩擦材3の突出構造が維持され易い。
【0063】
加えて本適用例によれば、図8から理解できる様に低μ摩擦材3、高μ摩擦材4が略同軸的に配置され、両者が摩擦摺動方向つまり矢印B3方向に沿って配設されている。そのため、ハイブリッドブレーキ材1と相手材6とが摩擦摺動する場合において、摩擦材の引きずり現象に起因して低μ摩擦材3と高μ摩擦材4とが混在する不具合は、抑制される。故に長期間にわたり使用したとしても、ハイブリッドブレーキ材1における摩擦特性の変動を抑制できる。
【0065】
図11及び図12は他の適用例を示す。本適用例は車両のドラムブレーキ装置のライニングとして使用されるハイブリッドブレーキ材11に適用したものである。図11は、ハイブリッドブレーキ材11を裏金21に装着した状態を示す。図12は図8のA2−A2線に沿う断面を示す。
【0066】
この適用例に係るハイブリッドブレーキ材11は、前記した場合と同様に、異なる摩擦特性をもつ摩擦材を組み合わせたものであり、具体的には、摩擦係数が相対的に低い低μ摩擦材31と、摩擦係数が相対的に高い高μ摩擦材41とを組み合わせて構成されている。図11において、摩擦係数が低い低μ摩擦材31の領域は斜線で示されており、所定幅を備えた大きな曲率半径で摩擦摺動方向に沿って矢印B4方向に円弧帯状に略同軸的に配設されている。なお高μ摩擦材41の表出面積は、ブレーキ特性を確保すべく、低μ摩擦材31の表出面積よりも大きくされている。
【0067】
本実施例によれば通常の状態においては、図12に示す様に、摩擦係数が低い低μ摩擦材31は、摩擦係数が高い高μ摩擦材41よりも相手材61側にΔL2突出している。
【0068】
なおΔL2はハイブリッドブレーキ材11の種類、使用条件、ブレーキフィーリングの要請等に応じて適宜選択できるが、一般的には0.5mm以下、特に0.3mm以下にできるが、これに限定されるものではなく、場合によっては1mm程度とすることもできる。
【0069】
本適用例によれば、前記した適用例と同様に、低μ摩擦材31の摩擦係数μLは高μ摩擦材41の摩擦係数μH よりも小さくされている(μL <μH )。また低μ摩擦材31の圧縮弾性率EL は高μ摩擦材41の圧縮弾性率EH よりも小さくされている(EL <EH )。また低μ摩擦材31の摩耗率WL は高μ摩擦材41の摩耗率WH よりも小さくされている(WL <WH )。
【0070】
本適用例においても、図12に示すように、低μ摩擦材31が高μ摩擦材41よりも突出している。そのため、ブレーキの軽踏力時には、摩擦係数が小さく『鳴きの低減』に有効な低μ摩擦材31が、まず優先的にドラムつまり相手材61に摩擦する。これによりブレーキの軽踏力時における『鳴き』の問題が軽減、回避される。
【0071】
またブレーキの踏込みを増加した高踏力時には、圧縮弾性率が小さい低μ摩擦材31が厚み方向に圧縮する。この結果、摩擦係数μH が高く『効き』に強い高μ摩擦材41が相手材に摩擦する度合が高くなる。そのためブレーキの『効き』が良好に確保される。
【0072】
なお、本適用例で用いた低μ摩擦材31と高μ摩擦材41の物性値は、先の適用例の場合と基本的に同様にできる。
【0073】
【発明の効果】
請求項1, 2に係るハイブリッドブレーキ材用摩擦材(低μ摩擦材)によれば、摩擦係数が0.4以下と低く、圧縮弾性率が5〜30kgf/mm2 であり、摩擦係数、圧縮弾性率が共に低い。このような物性値をもつ摩擦材は、上記したように摩擦係数が相対的に高い高μ摩擦材と摩擦係数が相対的に低い低μ摩擦材とを組合わせ、高ブレーキ操作時に低μ摩擦材の圧縮による退避を期待する方式のハイブリッドブレーキ材のうち、低μ摩擦材として利用するのに適する。
【0074】
請求項3に係るハイブリッドブレーキ材用摩擦材(低μ摩擦材)によれば、体積比で、基材として有機繊維及び無機繊維が30〜50%、結合剤が10〜15%、有機充填剤が15〜40%、無機充填剤が2〜10%、固体潤滑剤が12〜20%を含む。このような組成に規定すれば、基材の割合が多く、結合剤の割合が少なく、有機充填剤の割合が多い。故に、摩擦材における気孔率が適切に確保され易く、圧縮弾性率が小さくなり易い。
【0075】
よって、摩擦係数が0.4以下、殊に0.35以下であり、圧縮弾性率が5〜30kgf/mm2 の物性値をもつ低μ摩擦材を提供するのに有利である。従って上記したハイブリッドブレーキ材のうち、低μ摩擦材として利用するのに適する。
【0076】
請求項4に係るハイブリッドブレーキ材用摩擦材(低μ摩擦材)によれば、気孔率が15〜30%であるため、一般的な摩擦材に比較して気孔率が高く、そのため摩擦材の圧縮弾性率の低減に有利である。従って5〜30kgf/mm2 の領域の圧縮弾性率をもつ柔目の摩擦材が得られ易い。故に、摩擦係数およぴ圧縮弾性率の双方が低い低μ摩擦材を提供するのに有利である。
【0077】
制動を効果的に行うには、制動の際に移着等に起因して相手材の摩擦表面に生成した皮膜を適度に掻き落とすことが好ましい。この点請求項5に係るハイブリッドブレーキ材用摩擦材(低μ摩擦材)によれば、体積比でカーボン長繊維が10〜20%である。カーボン長繊維は、相手材に生成した皮膜を適度に掻き落とす作用をもつため、相手材の摩擦表面、ひいては摩擦材の摩擦表面を安定化させ易い。故に摩擦材の摩擦係数を低目に安定化させるに有利である。
【0078】
請求項6に係るハイブリッドブレーキ用摩擦材(低μ摩擦材)によれば、シリカガラス粒子が体積比で2〜10%である。シリカガラス粒子はそれ自体が耐摩耗性をもつため、摩擦材の摩耗率を低減させる。またシリカガラス粒子はその形状が球状または球状に近いため、摩擦材から仮に脱落したとしても、相手材や摩擦材に対する攻撃性は低い。従って摩擦材の耐摩耗性の向上、摩擦材の摩耗率の低減に有利である。よって、摩擦係数、圧縮弾性率、摩耗率が共に低い低μ摩擦材を提供するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係る摩擦係数の試験結果を示すグラフである。
【図2】実施例2に係る摩擦係数の試験結果を示すグラフである。
【図3】実施例3に係る摩擦係数の試験結果を示すグラフである。
【図4】従来例に係る摩擦係数の試験結果を示すグラフである。
【図5】他の実施例に係る摩擦係数の試験結果を示すグラフである。
【図6】摩擦材の圧縮弾性率の試験結果を示すグラフである。
【図7】摩擦材の摩耗率の試験結果を示すグラフである。
【図8】ディスクブレーキ装置のブレーキパッドに摩擦材を適用した例を示す正面図である。
【図9】相手材が摩擦材に接触する前の状態を示す断面図である。
【図10】相手材が摩擦材に接触した後の状態を示す断面図である。
【図11】ドラムブレーキ装置のブレーキライニングに摩擦材を適用した例を示す斜視図である。
【図12】相手材が摩擦材に接触する前の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1はハイブリッドブレーキ材、2及び21は裏金、3及び31は低μ摩擦材、4及び41は高μ摩擦材を示す。
Claims (8)
- 摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材とこの低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材とを組み合わせたハイブリッドブレーキ材であって、
摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材の圧縮弾性率は5〜30kgf/mm2 であり、低μ摩擦材の摩耗率は前記摩擦係数が高い高μ摩擦材の摩耗率よりも小さく設定されており、1.5×10 -4 mm 3 /kgf・m以下に設定されており、且つ、
低面圧時に低μ摩擦材が相手材に接触し、高面圧時に低μ摩擦材が圧縮されて低μ摩擦材及び高μ摩擦材の双方が相手材に接触するように設定されていることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。ここでμは摩擦係数を示す。 - 摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材とこの低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材とを組み合わせたハイブリッドブレーキ材であって、
摩擦係数が0.4以下の低μ摩擦材の圧縮弾性率は5〜30kgf/mm2 であり、低μ摩擦材の摩耗率は前記摩擦係数が高い高μ摩擦材の摩耗率よりも小さく設定されており、1.5×10-4mm3/kgf・m以下に設定されており、且つ、
低面圧時に低μ摩擦材が相手材に接触し、高面圧時に低μ摩擦材が圧縮されて低μ摩擦材及び高μ摩擦材の双方が相手材に接触するように設定されており、更に、
高μ摩擦材の表出面積は低μ摩擦材の表出面積よりも大きく設定されていることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。ここでμは摩擦係数を示す。 - 請求項1または2において、低μ摩擦材は、体積比で、基材として有機繊維及び/または無機繊維が30〜50%、結合剤が10〜15%、有機充填剤が15〜40%、無機充填剤が2〜10%、固体潤滑剤が12〜20%含まれている組成をもつことを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
- 請求項1〜3のうちのいずれか一項において、低μ摩擦材は、体積比で気孔率が15〜30%であることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
- 請求項1〜4のうちのいずれか一項において、低μ摩擦材において、基材はカーボン長繊維を含み、摩擦材に対して体積比でカーボン長繊維が10〜20%であることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
- 請求項1〜5のうちのいずれか一項において、低μ摩擦材において、無機充填剤はシリカガラス粒子を含み、摩擦材に対して体積比でシリカガラス粒子が2〜10%であることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
- 請求項1〜請求項5のいずれか一項において、低μ摩擦材は、この低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材よりも圧縮弾性率が小さいことを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項において、低μ摩擦材は、この低μ摩擦材よりも摩擦係数が高い高μ摩擦材よりも相手材側に突出していることを特徴とするハイブリッドブレーキ材。
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