JP2722349B2 - 自動車用ブレーキディスク材、ブレーキライニング材およびディスクブレーキ装置 - Google Patents
自動車用ブレーキディスク材、ブレーキライニング材およびディスクブレーキ装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、二輪車、四輪車などの自動車のディスク
ブレーキ装置ならびにこのブレーキ装置に用いられるブ
レーキディスク材およびブレーキライニング材に関する
ものである。
ブレーキ装置ならびにこのブレーキ装置に用いられるブ
レーキディスク材およびブレーキライニング材に関する
ものである。
(従来の技術) 二輪車、四輪車などの自動車の制動装置としては、デ
ィスクブレーキ装置が広く用いられており、この装置を
構成するブレーキディスク用の材料としては、耐摩耗性
や耐熱性が良好であり、さらに耐食性に優れた16Crステ
ンレスなどが使われている。
ィスクブレーキ装置が広く用いられており、この装置を
構成するブレーキディスク用の材料としては、耐摩耗性
や耐熱性が良好であり、さらに耐食性に優れた16Crステ
ンレスなどが使われている。
また、このブレーキディスクに押し当てるブレーキラ
イニング用の材料としては、アスベストなどの補強材や
有機、無機質材料、金属材料などから構成される摩擦摩
耗調整材をフェノール樹脂などの結合材で結着成形させ
たものが一般的である。
イニング用の材料としては、アスベストなどの補強材や
有機、無機質材料、金属材料などから構成される摩擦摩
耗調整材をフェノール樹脂などの結合材で結着成形させ
たものが一般的である。
ところで、近年二輪車などの自動車では、開発目的の
一つとして車体の軽量化が挙げられており、特に走行性
や燃費を改善するために、バネ下の重量を少なくするこ
とが有効な手段であると知られている。
一つとして車体の軽量化が挙げられており、特に走行性
や燃費を改善するために、バネ下の重量を少なくするこ
とが有効な手段であると知られている。
このような軽量化を達成するために、車体の部品を軽
合金であるアルミニウム合金で構成するアルミ化が進め
られており、二輪車でのアルミ化は相当程度進んでい
る。
合金であるアルミニウム合金で構成するアルミ化が進め
られており、二輪車でのアルミ化は相当程度進んでい
る。
ところが、バネ下重量で大きな要素を占めるブレーキ
装置においては、摩擦材でのアルミ化は未だ実現してお
らず、ブレーキディスク材にアルミニウム合金を用いる
ことが強く要望されている。
装置においては、摩擦材でのアルミ化は未だ実現してお
らず、ブレーキディスク材にアルミニウム合金を用いる
ことが強く要望されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、一般のアルミニウム合金を、ブレーキ
ディスク材として用いても、十分な耐摩耗を得ることは
困難である。また、従来用いられているブレーキライニ
ングも鉄系金属からなるブレーキディスクとの相性を考
慮して良好な摩擦特性を得るように構成されており、ア
ルミニウム合金製のブレーキディスクとの物理的、化学
的要因に基づく摩擦特性については全く考慮されていな
かった。
ディスク材として用いても、十分な耐摩耗を得ることは
困難である。また、従来用いられているブレーキライニ
ングも鉄系金属からなるブレーキディスクとの相性を考
慮して良好な摩擦特性を得るように構成されており、ア
ルミニウム合金製のブレーキディスクとの物理的、化学
的要因に基づく摩擦特性については全く考慮されていな
かった。
このため、ブレーキディスクをアルミニウム合金で構
成すると、ブレーキディスク自身の不十分な耐摩耗性に
よるのみならず、ブレーキライニングによる過度の攻撃
性により、ブレーキディスクが摩耗したり、損傷を受け
たりして良好な摩耗特性が得られない。また、ブレーキ
ライニングも焼付きなどにより消耗してしまうという問
題点がある。
成すると、ブレーキディスク自身の不十分な耐摩耗性に
よるのみならず、ブレーキライニングによる過度の攻撃
性により、ブレーキディスクが摩耗したり、損傷を受け
たりして良好な摩耗特性が得られない。また、ブレーキ
ライニングも焼付きなどにより消耗してしまうという問
題点がある。
特に、二輪車用ブレーキ装置では、制動を行なうのに
適当な摩擦係数が必要であることは勿論のこと、ブレー
キディスクに傷が付いてしまうと、制動時に脈動の原因
となり、特に前ブレーキにおいては、ブレーキ装置の構
造のため、この脈動が手へと伝わり、運転操作性を著し
く損うという問題点がある。
適当な摩擦係数が必要であることは勿論のこと、ブレー
キディスクに傷が付いてしまうと、制動時に脈動の原因
となり、特に前ブレーキにおいては、ブレーキ装置の構
造のため、この脈動が手へと伝わり、運転操作性を著し
く損うという問題点がある。
これら問題点の解決のため、アルミニウム合金からな
るブレーキディスクの表面に、摩擦特性に優れた鉄系金
属等の被覆層を形成する方法も考えられるが、被覆層の
安定性が得られない上に、製造コストも大きく増してし
まうという問題点があり、実用化は困難である。
るブレーキディスクの表面に、摩擦特性に優れた鉄系金
属等の被覆層を形成する方法も考えられるが、被覆層の
安定性が得られない上に、製造コストも大きく増してし
まうという問題点があり、実用化は困難である。
(課題を解決するための手段) この発明は、上記問題点を解決することを基本的な目
的とし、耐摩耗性などに優れたアルミニウム合金基複合
材料からなるブレーキディスク材と、アルミニウム合金
に対し適正な摩擦特性を有するブレーキライニング材と
これら材料からなるブレーキディスクとブレーキライニ
ングとにより構成されるディスクブレーキ装置を提供す
るものである。
的とし、耐摩耗性などに優れたアルミニウム合金基複合
材料からなるブレーキディスク材と、アルミニウム合金
に対し適正な摩擦特性を有するブレーキライニング材と
これら材料からなるブレーキディスクとブレーキライニ
ングとにより構成されるディスクブレーキ装置を提供す
るものである。
即ち本願発明は、金属成分、潤滑材及び充填材を樹脂
で結合したブレーキライニング材であって、金属成分中
銅粉を10〜35重量%、錫粉を10〜30重量%、銅粉重量/
錫粉重量を0.6〜2.5、スチール繊維を5〜40重量%と
し、潤滑材中二硫化モリブデンを7〜20重量%、黒鉛を
0.8〜5重量%とし、前記金属成分および潤滑材の合計
が50重量%以上であることを特徴とした自動車用ブレー
キライニング材である。また装置の発明は、アルミニウ
ム金属に、平均粒径が5〜100μmの強化粒子を5〜15
重量%分散含有させたブレーキディスク材を少なくとも
摩擦面に配したブレーキディスクと、金属成分、潤滑材
及び充填材を樹脂で結合したブレーキライニング材であ
って、金属成分中銅粉を10〜35重量%、錫粉を10〜30重
量%、銅粉重量/錫粉重量を0.6〜2.5、スチール繊維を
5〜40重量%とし、潤滑材中二硫化モリブデンを7〜20
重量%、黒鉛を0.8〜5重量%とし、前記金属成分およ
び潤滑材の合計が50重量%以上としたブレーキライニン
グ材を少なくとも摩擦面に配したブレーキライニングと
からなる自動車用ディスクブレーキ装置である。
で結合したブレーキライニング材であって、金属成分中
銅粉を10〜35重量%、錫粉を10〜30重量%、銅粉重量/
錫粉重量を0.6〜2.5、スチール繊維を5〜40重量%と
し、潤滑材中二硫化モリブデンを7〜20重量%、黒鉛を
0.8〜5重量%とし、前記金属成分および潤滑材の合計
が50重量%以上であることを特徴とした自動車用ブレー
キライニング材である。また装置の発明は、アルミニウ
ム金属に、平均粒径が5〜100μmの強化粒子を5〜15
重量%分散含有させたブレーキディスク材を少なくとも
摩擦面に配したブレーキディスクと、金属成分、潤滑材
及び充填材を樹脂で結合したブレーキライニング材であ
って、金属成分中銅粉を10〜35重量%、錫粉を10〜30重
量%、銅粉重量/錫粉重量を0.6〜2.5、スチール繊維を
5〜40重量%とし、潤滑材中二硫化モリブデンを7〜20
重量%、黒鉛を0.8〜5重量%とし、前記金属成分およ
び潤滑材の合計が50重量%以上としたブレーキライニン
グ材を少なくとも摩擦面に配したブレーキライニングと
からなる自動車用ディスクブレーキ装置である。
ここで、前記ブレーキディスク材におけるアルミニウ
ム金属としては、純アルミニウムはもとより、各種アル
ミニウム合金を用いることが可能であるが、摩擦熱によ
る強度低下が小さいAl−Mg系合金が望ましい。
ム金属としては、純アルミニウムはもとより、各種アル
ミニウム合金を用いることが可能であるが、摩擦熱によ
る強度低下が小さいAl−Mg系合金が望ましい。
このアルミニウム金属に分散させる強化粒子として
は、例えばAl2O3、SiCなどの硬質セラミック粒子を用い
る。この強化粒子は、一種類でもよいが、二種類以上を
用いることも可能である。
は、例えばAl2O3、SiCなどの硬質セラミック粒子を用い
る。この強化粒子は、一種類でもよいが、二種類以上を
用いることも可能である。
強化粒子は、5μm未満の粒径ではブレーキディスク
材としては十分な耐摩耗性が得られず、また100μmを
超える粒径では切削性や靱性が低下するので、その平均
粒径を5〜100μmの範囲内とする。
材としては十分な耐摩耗性が得られず、また100μmを
超える粒径では切削性や靱性が低下するので、その平均
粒径を5〜100μmの範囲内とする。
また、上記粒子の分散量は、5重量%未満では前記と
同様に自動車用ブレーキディスク材としての耐摩耗性が
十分に得られず、また15重量%を超えると切削性が低下
するので、分散量は5〜15重量%とする。
同様に自動車用ブレーキディスク材としての耐摩耗性が
十分に得られず、また15重量%を超えると切削性が低下
するので、分散量は5〜15重量%とする。
さらに、上記分散量は、同様の理由により7〜13重量
%とするのが好ましい。
%とするのが好ましい。
なお、強化粒子は、アルミニウム金属に均一に分散さ
せるのが望ましいが、所望により特定部位に偏在させる
ことも可能である。
せるのが望ましいが、所望により特定部位に偏在させる
ことも可能である。
次に、ブレーキライニング材においては、潤滑材とし
て分散させる二硫化モリブデン粉末は、7重量%未満の
含有量では潤滑性向上は十分ではなく、また20重量%を
超えると過度の潤滑性を与えるので、7〜20重量%の含
有量とする。
て分散させる二硫化モリブデン粉末は、7重量%未満の
含有量では潤滑性向上は十分ではなく、また20重量%を
超えると過度の潤滑性を与えるので、7〜20重量%の含
有量とする。
なお、上記二硫化モリブデン粉末の含有量は、同様の
理由により8〜15重量%とするのが好ましい。
理由により8〜15重量%とするのが好ましい。
さらに、このブレーキライニング材には、少量の黒鉛
粒子を含有させるのが望ましい。
粒子を含有させるのが望ましい。
黒鉛は、多量に含有させると、摩擦中にアルミニウム
との間に摩擦特性を損う皮膜を生成してしまい、摩擦係
数の低下、振動の増大など、ライニング材として不適当
な摩擦特性を与えるので、含有量は5重量%以下が好ま
しい。
との間に摩擦特性を損う皮膜を生成してしまい、摩擦係
数の低下、振動の増大など、ライニング材として不適当
な摩擦特性を与えるので、含有量は5重量%以下が好ま
しい。
適度な含有量の黒鉛粒子は、補潤滑材として、ライニ
ングの摩耗を減少させる効果がある。
ングの摩耗を減少させる効果がある。
さらに、上記に用いられる金属粉には、銅粉末を含有
させる。また、この銅粉末に加えて、錫粉末を用いるの
が望ましい。これら粉末は、摩擦向上材として作用する
ものであるが、いずれの粉末でも含有量が10重量%未満
であると、該作用は不十分である。
させる。また、この銅粉末に加えて、錫粉末を用いるの
が望ましい。これら粉末は、摩擦向上材として作用する
ものであるが、いずれの粉末でも含有量が10重量%未満
であると、該作用は不十分である。
また、錫粉末の含有量が35重量%を超えると、相手材
であるブレーキデイスクを傷付けたり、溶着現象が生ず
る。また、錫粉末の含有量が30重量%を超えると、ライ
ニングとしての摩擦係数を低下させてしまう。このため
銅粉末では10〜35重量%、錫粉末では10〜30重量%の含
有量とするのが望ましい。さらに、両粉末をいずれも使
用する場合には、銅粉末の含有量は、錫粉末の含有量の
0.6〜2.5倍とするのが望ましい。
であるブレーキデイスクを傷付けたり、溶着現象が生ず
る。また、錫粉末の含有量が30重量%を超えると、ライ
ニングとしての摩擦係数を低下させてしまう。このため
銅粉末では10〜35重量%、錫粉末では10〜30重量%の含
有量とするのが望ましい。さらに、両粉末をいずれも使
用する場合には、銅粉末の含有量は、錫粉末の含有量の
0.6〜2.5倍とするのが望ましい。
これは、0.6倍未満では錫の作用により摩擦係数が低
下してしまい、2.5倍を超えると銅の作用により溶着な
どの支障が生ずるので、上記範囲内がよい。
下してしまい、2.5倍を超えると銅の作用により溶着な
どの支障が生ずるので、上記範囲内がよい。
なお、上記ライニング材には、補強材としてスチール
繊維を5〜40重量%含有させるのが望ましい。
繊維を5〜40重量%含有させるのが望ましい。
このスチール繊維は5重量%未満では十分な強度向上
が得られず、また40重量%を超えると、ライニング材の
製造時に成形性が良くないため、上記範囲内とする。
が得られず、また40重量%を超えると、ライニング材の
製造時に成形性が良くないため、上記範囲内とする。
また、上記した二硫化モリブデン粉末、黒鉛粉末、銅
粉末、錫粉末およびスチール繊維の総量は、50重量%以
上であることが望ましい。
粉末、錫粉末およびスチール繊維の総量は、50重量%以
上であることが望ましい。
これは、50重量%未満であると、摩擦係数が十分に増
大しないのみならず、相手材であるブレーキディスクを
傷つけやすいという問題点があるためであり、したがっ
て、総量は50重量%以上が望ましい。
大しないのみならず、相手材であるブレーキディスクを
傷つけやすいという問題点があるためであり、したがっ
て、総量は50重量%以上が望ましい。
上記以外の残部には、有機、無機物、繊維などを使用
する。
する。
例えば、有機物には粉末状のゴムなどを用い、無機物
には、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化硅素など
を用いる。さらに、繊維を例示すれば、アラミド繊維、
鉱物繊維が挙げられる。
には、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化硅素など
を用いる。さらに、繊維を例示すれば、アラミド繊維、
鉱物繊維が挙げられる。
(作用) 二輪車などの自動車のブレーキディスク材の摩擦摩耗
特性の優劣は、基本的にはブレーキ時における摩擦係数
およびディスクとライニングの両者の耐摩耗性によって
評価される。一般にアルミニウム合金は摩耗に対する抵
抗性は低いものとされているが、硬質のセラミック粒子
を均一に添加分散させることによって極めて高い耐摩耗
性が得られる。この耐摩耗性はブレーキ後の摩耗減量に
よって評価されるが、この摩耗減量と摩擦係数には密接
な関係が見られ、それらの関係は用いたディスクとライ
ニングの組み合わせによって大きく左右される。
特性の優劣は、基本的にはブレーキ時における摩擦係数
およびディスクとライニングの両者の耐摩耗性によって
評価される。一般にアルミニウム合金は摩耗に対する抵
抗性は低いものとされているが、硬質のセラミック粒子
を均一に添加分散させることによって極めて高い耐摩耗
性が得られる。この耐摩耗性はブレーキ後の摩耗減量に
よって評価されるが、この摩耗減量と摩擦係数には密接
な関係が見られ、それらの関係は用いたディスクとライ
ニングの組み合わせによって大きく左右される。
すなわち、摩擦係数を大きくするようなディスク攻撃
性の強いライニングを用いると、通常のアルミニウム合
金では摩耗減量が大きくなってしまう。
性の強いライニングを用いると、通常のアルミニウム合
金では摩耗減量が大きくなってしまう。
逆に、摩耗を抑えるようなライニングを使用すると、
適正な摩擦係数が得られない。
適正な摩擦係数が得られない。
しかるに、本願発明のブレーキディスク材によれば、
切削性や靱性を低下させることなく耐摩耗性を向上させ
ることができ、アルミニウム金属を母材とする材料をブ
レーキディスク材として用いることが可能となる。すな
わち、アルミニウム基複合材料は比重が約2.9であり、
ステンレス(比重7.2〜7.3)に比べて1/3の軽さである
ので、軽量化を材料面で著しく改善することができる。
切削性や靱性を低下させることなく耐摩耗性を向上させ
ることができ、アルミニウム金属を母材とする材料をブ
レーキディスク材として用いることが可能となる。すな
わち、アルミニウム基複合材料は比重が約2.9であり、
ステンレス(比重7.2〜7.3)に比べて1/3の軽さである
ので、軽量化を材料面で著しく改善することができる。
さらに、本願発明のブレーキライニング材によれば、
アルミニウム合金との物理的、化学的要因による摩擦特
性が考慮されており、適度な摩擦係数を得ることがで
き、相手材であるブレーキディスクを傷付けるなどの支
障がない。
アルミニウム合金との物理的、化学的要因による摩擦特
性が考慮されており、適度な摩擦係数を得ることがで
き、相手材であるブレーキディスクを傷付けるなどの支
障がない。
また、上記したブレーキディスク材とブレーキライニ
ング材とを用いたディスクブレーキ装置によれば、互い
の組合わせにより、適切な摩擦特性を有するディスクブ
レーキ装置が得られ、ブレーキディスクならびにブレー
キライニングの耐久性も向上する。
ング材とを用いたディスクブレーキ装置によれば、互い
の組合わせにより、適切な摩擦特性を有するディスクブ
レーキ装置が得られ、ブレーキディスクならびにブレー
キライニングの耐久性も向上する。
(実施例1) 以下にこの発明の一実施例を説明する。
5083アルミニウム合金(JIS H4000)をマトリックス
として、平均粒径約10μmのSiC粒子を分散混合させ
て、アルミニウム基複合材料を得た。
として、平均粒径約10μmのSiC粒子を分散混合させ
て、アルミニウム基複合材料を得た。
なお、分散量を5重量%と、10重量%としたものをそ
れぞれ用意し、さらにSiC粒子を分散させていないアル
ミニウム合金と、SUS420J2ステンレス鋼を用意して、自
動車用(特に二輪車用)ブレーキディスクとした。
れぞれ用意し、さらにSiC粒子を分散させていないアル
ミニウム合金と、SUS420J2ステンレス鋼を用意して、自
動車用(特に二輪車用)ブレーキディスクとした。
具体的には、前記材料を供試材として、270mm径で厚
さ6mmのブレーキディスク(以下、単に「ディスク」と
いう)とした。
さ6mmのブレーキディスク(以下、単に「ディスク」と
いう)とした。
一方、摩擦相手材としては、第1表に示す成分からな
るA、B、Cのライニング材と市販のセミメタリック系
ライニング材Dを用意した。
るA、B、Cのライニング材と市販のセミメタリック系
ライニング材Dを用意した。
具体的には、第1表の配合物を均一に混合した後、金
型中において熱圧成形し、二輪車用ディスクブレーキパ
ッドの芯板に熱圧接着した後、無加圧の状態で一定時間
硬化を行なった。これを250〜1500ccの二輪車に使用さ
れるキャリバーに装着した。
型中において熱圧成形し、二輪車用ディスクブレーキパ
ッドの芯板に熱圧接着した後、無加圧の状態で一定時間
硬化を行なった。これを250〜1500ccの二輪車に使用さ
れるキャリバーに装着した。
このライニング材の摩擦面は、15×15mmとした。
なお、表中の数値は重量%を示すものであり、充填材
及び繊維の欄では、Aの場合にCaCO3が12.3%、SiO2が
7.8%となり、Bの場合にはSiO2が5.8%、Cの場合には
SiO2が5.7%となる。
及び繊維の欄では、Aの場合にCaCO3が12.3%、SiO2が
7.8%となり、Bの場合にはSiO2が5.8%、Cの場合には
SiO2が5.7%となる。
前記したブレーキディスクとライニングとにより慣性
型摩耗試験を実施して、摩擦摩耗特性を測定した。
型摩耗試験を実施して、摩擦摩耗特性を測定した。
試験条件は、前記ディスクを414〜995rpmで回転さ
せ、ブレーキライニングの制動圧力10〜60Kg/cm2、慣性
1.75Kgms2の条件で、ダイナモメーターにより摩擦試験
を行なった。
せ、ブレーキライニングの制動圧力10〜60Kg/cm2、慣性
1.75Kgms2の条件で、ダイナモメーターにより摩擦試験
を行なった。
この試験での測定項目は、摩擦係数、ディスクおよび
ライニングの摩耗量、摩耗後のディスク表面粗さとし
た。
ライニングの摩耗量、摩耗後のディスク表面粗さとし
た。
上記試験結果は第2表に示すとおりである。
表から明らかなように、5083アルミニウム合金からな
るディスクと従来材のライニングの組合せ(試験)で
は、十分な摩擦係数が得られず、ディスク、ライニング
ともに摩耗量が多く、使用に耐え得ないものであった。
次に、本発明ディスクと従来材のライニングとの組合せ
(試験)では、摩擦係数が顕著に増大し、ディスク摩
耗量も減少した。但し、ライニングの摩耗量は増大し、
ディスクは表面粗さも大きく、損傷を受けているのが認
められる。
るディスクと従来材のライニングの組合せ(試験)で
は、十分な摩擦係数が得られず、ディスク、ライニング
ともに摩耗量が多く、使用に耐え得ないものであった。
次に、本発明ディスクと従来材のライニングとの組合せ
(試験)では、摩擦係数が顕著に増大し、ディスク摩
耗量も減少した。但し、ライニングの摩耗量は増大し、
ディスクは表面粗さも大きく、損傷を受けているのが認
められる。
さらに、5083アルミニウム合金からなるディスクと本
発明のライニングとの組合せ(試験、)では、試験
に比べ摩擦係数が増大し、ディスク摩耗量が減少して
いる。但し、ライニング摩耗量は増大し、ディスク表面
粗さが大きい。
発明のライニングとの組合せ(試験、)では、試験
に比べ摩擦係数が増大し、ディスク摩耗量が減少して
いる。但し、ライニング摩耗量は増大し、ディスク表面
粗さが大きい。
次に、本発明のディスクと、本発明のライニングとの
組合せ(試験〜)では、十分な摩擦係数を有し、デ
ィスクおよびライニングの摩耗量、ディスクの表面粗さ
が小さくて、鉄系(SUS420J2)のブレーキディスクを用
いた場合(試験)と同等の性能が得られた。
組合せ(試験〜)では、十分な摩擦係数を有し、デ
ィスクおよびライニングの摩耗量、ディスクの表面粗さ
が小さくて、鉄系(SUS420J2)のブレーキディスクを用
いた場合(試験)と同等の性能が得られた。
したがって、ブレーキ特性を損うことなくブレーキデ
ィスクの軽量化が達成された。
ィスクの軽量化が達成された。
(発明の効果) 以上説明したように、本願発明のブレーキディスク材
によれば、アルミニウム金属に、平均粒径が5〜100μ
mの強化粒子を5〜15重量%分散含有させたので、切削
性や靱性を損うことなく耐摩耗性を向上させることがで
き、車体の軽量化が達成されるという効果がある。
によれば、アルミニウム金属に、平均粒径が5〜100μ
mの強化粒子を5〜15重量%分散含有させたので、切削
性や靱性を損うことなく耐摩耗性を向上させることがで
き、車体の軽量化が達成されるという効果がある。
また、本願発明の自動車用ブレーキライニング材によ
れば、金属粉および充填材を樹脂で結合したセミメタリ
ック系ライニング材であって、二硫化モリブデンを7〜
20重量%含有させたので、適度な摩擦係数を得ることが
でき、また相手材のブレーキディスクへの損傷を防止す
るという効果がある。
れば、金属粉および充填材を樹脂で結合したセミメタリ
ック系ライニング材であって、二硫化モリブデンを7〜
20重量%含有させたので、適度な摩擦係数を得ることが
でき、また相手材のブレーキディスクへの損傷を防止す
るという効果がある。
この発明のブレーキライニング材には、銅粉及び錫粉
を混入したので熱伝導性が良好で、ブレーキ時の熱の発
散が円滑に行われる効果がある。またスチール繊維を混
入したので、ブレーキライニング材の強度が増強される
効果がある。
を混入したので熱伝導性が良好で、ブレーキ時の熱の発
散が円滑に行われる効果がある。またスチール繊維を混
入したので、ブレーキライニング材の強度が増強される
効果がある。
さらに、本願発明のディスクブレーキ装置は、上記し
たブレーキディスク材と、ブレーキライニング材とによ
り構成したので、ブレーキ装置の軽量化が達成されると
ともに、両材の相乗的な作用により適正な制動力を得る
ことができ、また、ブレーキディスクおよびブレーキラ
イニングの耐久性を向上させるという効果がある。
たブレーキディスク材と、ブレーキライニング材とによ
り構成したので、ブレーキ装置の軽量化が達成されると
ともに、両材の相乗的な作用により適正な制動力を得る
ことができ、また、ブレーキディスクおよびブレーキラ
イニングの耐久性を向上させるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−173234(JP,A) 特開 昭57−73065(JP,A) 特開 昭61−105316(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】金属成分、潤滑材及び充填材を樹脂で結合
したブレーキライニング材であって、金属成分中銅粉を
10〜35重量%、錫粉を10〜30重量%、銅粉重量/錫粉重
量を0.6〜2.5、スチール繊維を5〜40重量%とし、潤滑
材中二硫化モリブデンを7〜20重量%、黒鉛を0.8〜5
重量%とし、前記金属成分および潤滑材の合計が50重量
%以上であることを特徴とした自動車用ブレーキライニ
ング材。 - 【請求項2】アルミニウム金属に、平均粒径が5〜100
μmの強化粒子を5〜15重量%分散含有させたブレーキ
ディスク材を少なくとも摩擦面に配したブレーキディス
クと、請求項1記載のブレーキライニング材を少なくと
も摩擦面に配したブレーキライニングとからなる自動車
用ディスクブレーキ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63297273A JP2722349B2 (ja) | 1988-11-25 | 1988-11-25 | 自動車用ブレーキディスク材、ブレーキライニング材およびディスクブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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