JP2000205316A - ブレ―キ用ハイブリッド摩擦材 - Google Patents

ブレ―キ用ハイブリッド摩擦材

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JP2000205316A
JP2000205316A JP29840899A JP29840899A JP2000205316A JP 2000205316 A JP2000205316 A JP 2000205316A JP 29840899 A JP29840899 A JP 29840899A JP 29840899 A JP29840899 A JP 29840899A JP 2000205316 A JP2000205316 A JP 2000205316A
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friction
low
brake
hybrid
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Yukio Shimokawa
下川  行夫
Masataka Kaido
昌孝 海道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鳴きの低減に有利なブレーキ用ハイブリッド摩
擦材を提供する。 【解決手段】相対的に摩擦係数が低μ摩擦材3と、低μ
摩擦材3よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材4と
を備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材である。低μ摩
擦材3は高μ摩擦材4よりも相手材側に突出している。
摺動方向と交差する方向において、高μ摩擦材4の外側
及び内側に低μ摩擦材3が配置されている。摩擦摺動方
向における前方及び後方において、高μ摩擦材4よりも
低μ摩擦材3が摩擦摺動方向に突出していることが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はブレーキ用ハイブリ
ッド摩擦材に関する。本発明は例えば車両のブレーキ装
置に使用されるブレーキパッドに利用できる。
【0002】
【従来の技術】ブレーキパッド等の摩擦材では、制動時
におけるブレーキの『鳴き』の一層の低減が要望されて
いる。更に『鳴きの低減』の他に、ブレーキによる『効
き』の一層の向上も要望されている。
【0003】ところで、複数の摩擦材を組み合わせた構
造のハイブリッド摩擦材として、外周側に耐摩耗性が高
い摩擦材を配置し、内周側に耐摩耗性が低い摩擦材を配
置した構造のものが知られている(実開昭56−113
241号公報)。
【0004】しかしながら上記公報に係るハイブリッド
摩擦材は、径方向における摩耗量の均一化を意図したも
のであり、『ブレーキ鳴き』の低減を意図したものでは
ない。更に『鳴きの低減』と『効き』との両立を意図し
たものでもない。
【0005】そこで、近年、本発明者は、ブレーキの
『効き』が良好な高摩擦係数の摩擦材は『鳴きの低減』
の面で不利であり、一方、『鳴きの低減』の面で有利な
低摩擦係数の摩擦材は『効き』の面で不利である傾向が
あること、『鳴き』は、ブレーキの軽踏力時などの軽作
動時に生じ易いことを知見し、ブレーキにおける『鳴き
の低減』と『効き』との両立を達成するために、相対的
に摩擦係数が低μ摩擦材と相対的に摩擦係数が高い高μ
摩擦材とを併有した構造のブレーキ用ハイブリッド摩擦
材を開発した(特開平9−112606号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した低μ
摩擦材と高μ摩擦材とを併有した構造のブレーキ用ハイ
ブリッド摩擦材の開発の一環としてなされたものであ
り、『鳴きの低減』に一層有利なブレーキ用ハイブリッ
ド摩擦材を提供することを共通の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明に係るブレーキ
用ハイブリッド摩擦材は、相対的に摩擦係数が低い低μ
摩擦材と、低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高
μ摩擦材とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であ
って、低μ摩擦材は高μ摩擦材よりも相手材側に突出し
ており、摩擦摺動方向と交差する方向において、高μ摩
擦材の外側及び内側に低μ摩擦材が配置されていること
を特徴とするものである。
【0008】第2発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材は、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、低μ摩
擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材とを備え
たブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、低μ摩擦材
は高μ摩擦材よりも相手材側に突出しており、摩擦摺動
方向における前方及び後方において摩擦摺動方向に沿っ
て、高μ摩擦材よりも低μ摩擦材が突出していることを
特徴とするものである。
【0009】第3発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材は、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、低μ摩
擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材とを備え
たブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、低μ摩擦材
は高μ摩擦材よりも相手材側に突出しており、低μ摩擦
材は、摩擦摺動方向における前方及び後方の少なくとも
一方に、高μ摩擦材よりも摩擦摺動方向に沿って突出す
る突出部分をもち、且つ、摩擦摺動方向と交差する方向
において低μ摩擦材の突出部分が高μ摩擦材にオーバラ
ップしているオーバラップ領域と、摩擦摺動方向と交差
する方向において低μ摩擦材の突出部分が高μ摩擦材に
オーバラップしていない非オーバラップ領域とが設けら
れていることを特徴とするものである。
【0010】第4発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材は、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、低μ摩
擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材とを備え
たブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、低μ摩擦材
は高μ摩擦材よりも相手材側に突出しており、高μ摩擦
材の厚み方向に沿った断面において相手材から遠ざかる
につれて高μ摩擦材の面積が増加するように、高μ摩擦
材の輪郭線が傾斜していることを特徴とするものであ
る。
【0011】第5発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材は、相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前記低
μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材とを
備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、前記低
μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出してお
り、摩擦摺動方向における前方及び後方において摩擦摺
動方向に沿って、前記高μ摩擦材よりも前記低μ摩擦材
が突出しており、且つ、前記高μ摩擦材よりも前記低μ
摩擦材が突出している部分には、厚肉部が形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係るハイブリッド摩擦材
においては、高μ摩擦材よりも低μ摩擦材が相手材側に
突出しているため、ブレーキの軽踏力時等の軽作動時に
は、低μ摩擦材が相手材と優先的に摩擦する。これによ
り軽踏力時等の軽作動時における『鳴き』を抑制し易
い。またブレーキの高踏力時等の高作動時には、高μ摩
擦材も相手材に摺動するため、制動性であるブレーキの
『効き』も確保される。なお、本発明は第1発明〜第5
発明を含む。
【0013】本発明に係るハイブリッド摩擦材の好まし
い形態によれば、低μ摩擦材は、高μ摩擦材よりも圧縮
弾性率が小さく、高μ摩擦材に比較して軟目であり、相
手材に圧縮されて、引っ込み易い。この場合には、低μ
摩擦材が通常の状態において突出していても、高踏力時
等の高作動時には、低μ摩擦材が相手材に圧縮されて効
率よく退避するため、高μ摩擦材の圧縮荷重の分担が大
きくなり、ブレーキの『効き』が確保される。更に低μ
摩擦材は相手材に圧縮されて、引っ込み易いため、圧縮
荷重分担が小さく、低μ摩擦材の摩耗が抑制されがちと
なる。故に、摩擦係数が低い低μ摩擦材の突出構造は、
長期にわたり維持され易くなる。
【0014】本発明に係るハイブリッド摩擦材の好まし
い形態によれば、低μ摩擦材は、高μ摩擦材よりも摩耗
率が小さい。この場合には、高μ摩擦材の摩耗量に比較
して、低μ摩擦材の摩耗量が少ない。従ってブレーキの
踏込みつまりブレーキ操作が解除されたときには、低μ
摩擦材は、高μ摩擦材よりも相手材側に突出し易くな
る。即ち、摩擦係数が低い低μ摩擦材が高μ摩擦材より
も相手材側に突出している構造は、維持され易くなる。
【0015】上記した特性をもつ低μ摩擦材、高μ摩擦
材は、基材、摩擦摩耗調整剤、結合剤の種類や配合割合
を適宜変えることによって、構成できる。基材として
は、有機繊維等からなる有機基材、無機繊維等からなる
無機基材を適宜選択できる。有機繊維としてはアラミド
繊維(パラ系)、レーヨン、ポリアミド繊維、アクリル
繊維等を採用でき、無機繊維としてはスチール繊維、銅
線等を採用できる。摩擦摩耗調整剤としてはゴム、カシ
ュ、バライタ、炭酸カルシウム、黒鉛、二硫化モリブデ
ン、アルミナやシリカ等を適宜選択できる。結合剤とし
てはフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等を
採用できる。
【0016】次に、本発明に係るブレーキ用ハイブリッ
ド摩擦材の要部について説明を加える。
【0017】第1発明に係るハイブリッド摩擦材におい
ては、低μ摩擦材は高μ摩擦材よりも相手材側に突出し
ており、摩擦摺動方向と交差する方向において、高μ摩
擦材の外側及び内側に低μ摩擦材が配置されている。そ
のため、取付誤差等の影響で、相手材、本発明に係るハ
イブリッド摩擦材が摩擦摺動方向と交差する方向におい
て相対的に傾いていたとしても、高μ摩擦材が相手材に
摩擦するよりも、低μ摩擦材を相手材に優先的に摩擦さ
せるのに有利となり、軽踏力時等の軽作動時における
『鳴き』低減効果の確保に有利となる。
【0018】ハイブリッド摩擦材において、その最外周
側、最内周側に低μ摩擦材を設けることが好ましい。
【0019】第2発明に係るハイブリッド摩擦材におい
ては、摩擦摺動方向における前方(リーディング側)及
び後方(トレーディング側)において高μ摩擦材より
も、低μ摩擦材が突出している。摩擦摺動方向に沿って
低μ摩擦材が高μ摩擦材よりも突出する突出量は、3m
m以上、5mm以上にできるが、これら限定されるもの
ではない。あるいは、摩擦摺動方向に沿って低μ摩擦材
の長さを高μ摩擦材の長さよりも5%以上,10%以上
長くすることができる。但しこれら限定されるものでは
ない。
【0020】そのため第2発明に係るハイブリッド摩擦
材においては、相手材や本発明に係るハイブリッド摩擦
材が摩擦摺動方向において相対的に傾いていたとして
も、低μ摩擦材を相手材に優先的に摩擦させるのに有利
となり、『鳴き』低減効果の確保に有利となる。
【0021】第3発明に係るハイブリッド摩擦材におい
ては、前記したように、摩擦摺動方向における前方及び
後方の少なくとも一方に、低μ摩擦材は高μ摩擦材より
も摩擦摺動方向に沿って突出する突出部分をもつ。この
場合には、摩擦摺動方向と交差する方向において、低μ
摩擦材の突出部分が高μ摩擦材にオーバラップしている
オーバラップ領域が設けられている。オーバラップ領域
によって、低μ摩擦材と高μ摩擦材との一体係合性が向
上しており、低μ摩擦材及び高μ摩擦材の耐離脱性を高
めることができる。
【0022】更に、摩擦摺動方向と交差する方向におい
て、低μ摩擦材の突出部分が高μ摩擦材にオーバラップ
していない非オーバラップ領域が設けられている。
【0023】低μ摩擦材が高μ摩擦材よりも相手材に向
けて突出している構造をもつ本発明においては、その突
出部分の影響で、高μ摩擦材の摩擦粉が堆積するおそれ
がある。この堆積に起因して『鳴き』が生じることがあ
る。
【0024】この点第3発明に係るハイブリッド摩擦材
においては、非オーバラップ領域が存在しており、非オ
ーバラップ領域においては突出構造の低μ摩擦材が存在
していない。よって非オーバラップ領域においては、高
μ摩擦材の摩擦粉の排出性が確保される。この結果、高
μ摩擦材の摩擦粉の蓄積が抑制され、この蓄積に起因す
る『鳴き』が生じることを抑制できる。
【0025】第3発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材の好ましい態様においては、オーバラップ領域は、
次の(1)(2)の少なくとも一方の条件を満足するよ
うに設定されている。これにより第3発明に係る摩擦材
のうち、非オーバラップ領域の摩擦面積が確保され、高
μ摩擦材の摩耗粉の排出性を高めることができ、この意
味においても『鳴き』低減効果の確保に有利である。
【0026】(1)ハイブリッド摩擦材の合計摩擦面積
をSWHOLE、オーバラップ領域の合計摩擦面積をSOVER
としたとき、(SOVER/SWHOLE)×100%≦20% ここで低μ摩擦材、高μ摩擦材の種類によっては、(S
OVER/SWHOLE)は16%以下、15%以下、14%以
下にできる。
【0027】(2)摩擦摺動方向と直交する方向におい
て、ハイブリッド摩擦材の合計幅をLWHOLE、オーバラ
ップ領域の合計幅をLOVERとしたとき、(LOVER/L
WHOLE)×100%≦20% ここで低μ摩擦材、高μ摩擦材の種類によっては、(L
OVER/LWHOLE)は16%以下、15%以下、14%以
下にできる。
【0028】第4発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材においては、高μ摩擦材の厚み方向に沿った断面に
おいて相手材から遠ざかるにつれて高μ摩擦材の面積が
増加するように、高μ摩擦材の輪郭線が傾斜している。
【0029】使用期間が長期化すると、相手材のうち、
高μ摩擦材と低μ摩擦材との境界と摺動する部分には大
きな段差が発生するおそれがある。
【0030】この点第4発明に係るブレーキ用ハイブリ
ッド摩擦材においては、前述したように、高μ摩擦材の
厚み方向に沿った断面において、相手材から遠ざかるに
つれて高μ摩擦材の面積が増加するように、高μ摩擦材
の輪郭線が傾斜しているため、使用期間が長期化したと
しても、相手材に大きな鋭い段差が生じることを抑制す
ることができる。
【0031】第5発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材においては、摩擦摺動方向における前方及び後方に
おいて摩擦摺動方向に沿って、高μ摩擦材よりも低μ摩
擦材が突出しており、且つ、高μ摩擦材よりも低μ摩擦
材が突出している部分には、厚肉部が形成されている。
このように、高μ摩擦材よりも低μ摩擦材が突出してい
る部分には厚肉部が形成されているため、低μ摩擦材の
うち厚肉部の弾性率は、低μ摩擦材のうちの厚肉部でな
い部分の弾性率に比較して低減する。
【0032】換言すれば、低μ摩擦材のうち厚肉部は、
厚肉部でない部分の弾性率に比較して軟質となる。故
に、低μ摩擦材のうち、摩擦摺動方向における前方及び
後方において高μ摩擦材よりも突出している部分が相手
材に優先的に摩擦する際に、弾性率が低い部分を相手材
に接触させるのに有利となり、ブレーキの『鳴き』の低
減効果の確保に一層有利となる。
【0033】
【実施例】(実施例1)以下、図1〜図3を参照して本
発明の実施例1を説明する。本実施例は車両のディスク
ブレーキ装置のブレーキパッドに適用したものである。
【0034】図1はブレーキパッド1を金属製の裏金2
に装着した状態を示し、図2は図1のA−A線に沿う断
面を示す。図1に示すBはディスクブレーキロータの回
転中心を示す。
【0035】ハイブリッド摩擦材であるブレーキパッド
1は、摩擦係数が低い低μ摩擦材3(3X,3Y)と、
摩擦係数が高い高μ摩擦材4とを組み合わせて構成され
ている。図1において、一方の低μ摩擦材3Xは曲率半
径R1,R2で摩擦摺動方向に沿って、つまりディスク
ブレーキロータの回転中心Bを中心として矢印B3方向
に円弧帯状に略同軸的に配設されている。同様に、他方
の低μ摩擦材3Yは、曲率半径R5,R6で摩擦摺動方
向に沿って、つまりディスクブレーキロータの回転中心
Bを中心として矢印B3方向に円弧帯状に略同軸的に配
設されている。。
【0036】ブレーキパッド1のうち、残りの領域は、
摩擦係数が高い高μ摩擦材4とされている。即ち、摩擦
摺動方向と交差する方向(つまりC方向)において、高
μ摩擦材4の外側及び内側に低μ摩擦材3が配置されて
おり、高μ摩擦材4が矢印C方向における中央域に形成
されている。換言すれば、高μ摩擦材4の最外側及び最
内側に低μ摩擦材3が配置されている。
【0037】更に図1に示すように、摩擦摺動方向つま
り矢印B3方向における前方及び後方に、高μ摩擦材4
よりも低μ摩擦材3(3X,3Y)が摩擦摺動方向に沿
って突出している。即ち、前方に突出部分3a,3bが
形成され、後方に突出部分3c,3dが形成されてい
る。突出部分3aの突出量はΔC1で示され、突出部分
3bの突出量はΔD1で示され、突出部分3cの突出量
はΔC2で示され、突出部分3dの突出量はΔD2で示
されている。本実施例においては、ΔC1は7mmであ
り、ΔC2は7mmであり、ΔD1は8mmであり、Δ
D2は8mmである。ただしこれに限定されるものでは
ない。本実施例においては周方向における高μ摩擦材4
の最大全長を100と相対表示したとき、低μ摩擦材3
の最大全長は103〜125、107〜120、殊に1
13として相対表示される。
【0038】なお高μ摩擦材4の表出面積は、ブレーキ
の『効き』を確保すべく、低μ摩擦材3の表出面積より
も大きくされている。
【0039】さて本実施例によれば、通常の状態つま
り、ブレーキ非操作時においては、図2(ブレーキパッ
ド1の厚み方向の断面)に示す様に、低μ摩擦材3(3
X,3Y)は、相手材6に向けて高μ摩擦材4よりもΔ
L1突出している。ΔL1はブレーキパッド1の種類、
使用条件、ブレーキフィーリングの要請等に応じて適宜
選択できるが、一般的には400μm以下、300μm
以下、100μm以下、50μm以下、30μm以下に
できるが、これらに限定されるものではなく、ハイブリ
ッド摩擦材の種類によっては場合によっては1mm程
度、0.7mm程度、0.5mm程度とすることもでき
る。なおΔL1が過剰になると、一般的にはブレーキフ
ィーリングが低下する傾向がある。
【0040】本実施例によれば、図2から理解できる様
に、ブレーキ非操作時においては、摩擦係数が低い低μ
摩擦材3が高μ摩擦材4よりも相手材6に向けて突出し
ている。そのため、ブレーキの軽踏力時には、摩擦係数
が小さく『鳴き』の低減に有効な低μ摩擦材3が、まず
優先的にディスクブレーキロータつまり相手材6に摩擦
する。これによりブレーキの軽踏力時における『鳴き』
の問題が軽減、回避される。
【0041】またブレーキの踏み込みを増加した高踏力
時には、図3から理解できる様に低μ摩擦材3(3X,
3Y)が厚み方向に圧縮するので、摩擦係数μH が高く
『効き』に強い高μ摩擦材4も、相手材6に摩擦する様
になる。そのため高踏力時において、ブレーキの『効
き』も確保される。
【0042】本実施例においては図1に示すように、摩
擦摺動方向と交差する方向(つまり矢印C方向)におい
て、高μ摩擦材4の外側及び内側に低μ摩擦材3がそれ
ぞれ配置されている。そのため、相手材6やブレーキパ
ッド1が矢印C方向において相対傾斜していたときであ
っても、低μ摩擦材3が相手材6に優先的に摩擦しやす
くなる。例えば、図2の矢印Nで示すように相手材6が
ブレーキパッド1に対して相対的に傾斜していたとき
は、低μ摩擦材3Yが相手材6に優先的に摩擦しやすく
なる。故に本実施例においては、軽踏力時における『鳴
き』の軽減、回避に一層有利となる。
【0043】なお、相手材6が逆の方向に相対傾斜して
いたときには、他方の低μ摩擦材3Xが相手材6に優先
的に摩擦しやすくなる。
【0044】更に本実施例においては、図1から理解で
きるように、摩擦摺動方向(矢印B3方向)における前
方及び後方において、高μ摩擦材4よりも低μ摩擦材3
が摩擦摺動方向に沿って突出して、突出部分3a〜3d
が形成されている。そのため、相手材6やブレーキパッ
ド1が矢印B3方向において相対傾斜していたときであ
っても、ブレーキパッド1の低μ摩擦材3の突出部分3
a〜3dのいずれかが相手材6に優先的に摩擦しやすく
なり、軽踏力時における『鳴き』の軽減、回避に一層有
利となる。
【0045】本実施例によれば、低μ摩擦材3の摩擦係
数μL は高μ摩擦材4の摩擦係数μ H よりも小さくされ
ている(μL <μH )。また低μ摩擦材3の圧縮弾性率
Lは高μ摩擦材4の圧縮弾性率EH よりも小さくされ
ており、低μ摩擦材3は高μ摩擦材4よりも軟らかいも
のである(EL <EH )。また低μ摩擦材3の摩耗率W
L は高μ摩擦材4の摩耗率WH よりも小さくされており
(WL <WH )、低μ摩擦材3は高μ摩擦材4よりも摩
耗しにくいものである。この結果、低μ摩擦材3が高μ
摩擦材4よりも相手材6に突出している突出構造(図2
参照)を長期にわたり維持するに有利となる。
【0046】更に本実施例によれば、低μ摩擦材3の圧
縮弾性率EL は小さいので、高μ摩擦材4に比較して軟
目であり、相手材6に圧縮されて引っ込み易い特性をも
つ。故に、ブレーキの踏み込みを増加した高踏力時に
は、圧縮弾性率EL が小さい低μ摩擦材3の圧縮が進
み、退避し易くなり、従って、摩擦係数μH が高く『効
き』に強い高μ摩擦材4が、相手材6に一層摩擦し易く
なる。そのため高踏力時において、ブレーキの『効き』
の向上に有利となる。
【0047】更にまた本実施例によれば、低μ摩擦材3
の摩耗率WL は高μ摩擦材4の摩耗率WH よりも小さい
ため、低μ摩擦材3の摩耗は高μ摩擦材4に比較して相
対的に少ない。従って、ブレーキの踏込みが解除された
ときには、摩擦係数が低い低μ摩擦材3は、摩擦係数が
高い高μ摩擦材4よりも突出し易くなる。結果として、
図2に示す低μ摩擦材3の突出構造が維持され易い。
【0048】加えて本実施例によれば、図1から理解で
きる様に低μ摩擦材3、高μ摩擦材4が略同軸的に配置
され、両者が摩擦摺動方向つまり矢印B3方向に沿って
配設されている。そのため、ブレーキパッド1と相手材
6とが摩擦摺動する場合において、摩擦材の引きずり現
象に起因して低μ摩擦材3と高μ摩擦材4とが混在する
不具合は、抑制される。故に長期間にわたり使用したと
しても、ハイブリッドブレーキパッド1における摩擦特
性の変動を抑制できる。
【0049】(実施例2)本発明に係る実施例2を図4
及び図5に示す。この例は実施例1と基本的には同様の
構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。
【0050】低μ摩擦材3(3X,3Y,3Z)は、高
μ摩擦材4(4X,4Y)よりも相手材6に向けてΔL
1突出している。本実施例においては図3,図4に示す
ように、摩擦摺動方向と交差する方向(つまり矢印C方
向)において、内周側から外周側にかけて、低μ摩擦材
3Y、高μ摩擦材4Y、低μ摩擦材3Z、高μ摩擦材4
X、低μ摩擦材3Xの順に配置されている。この結果、
高μ摩擦材4の外側及び内側に低μ摩擦材3(3X,3
Y)がそれぞれ配置されている。
【0051】実施例1の場合と同様に、本実施例におい
ては、相手材6やブレーキパッド1が矢印C方向におい
て相対傾斜していたときであっても、ブレーキパッド1
の低μ摩擦材3が相手材6に優先的に摩擦しやすくな
り、軽踏力時における『『鳴き』の軽減、回避に一層有
利となる。
【0052】更に本実施例においては、摩擦摺動方向
(矢印B3方向)における前方及び後方において、高μ
摩擦材4よりも低μ摩擦材3が摩擦摺動方向に沿って突
出して、突出部分3a〜3d、突出部分3e,3fが形
成されている。そのため、相手材6やブレーキパッド1
が矢印B3方向において相対傾斜していたときであって
も、ブレーキパッド1の低μ摩擦材3の突出部分3a〜
3fのいずれかが相手材6に優先的に摩擦しやすくな
り、この意味においても軽踏力時における『鳴き』の軽
減、回避に有利となる。
【0053】(実施例3)本発明に係る実施例3を図6
及び図7に示す。この例は実施例1と基本的には同様の
構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。
【0054】本実施例においても低μ摩擦材3は高μ摩
擦材4よりも相手材6に向けて突出している(図2参
照)。
【0055】一方の低μ摩擦材3Xでは、その外周が回
転中心Bを基準とする曲率半径R10で規定され、その
内周が回転中心Bを基準とする曲率半径R20で規定さ
れているものの、摩擦摺動方向の前方及び後方における
低μ摩擦材3Xの突出部分3a,3cの内端径は曲率半
径R30(R30<R20)とされている。
【0056】他方の低μ摩擦材3Yでは、その外周が回
転中心Bを基準とする曲率半径R50で規定され,その
内周が回転中心Bを基準とする曲率半径R60で規定さ
れているものの、摩擦摺動方向の前方及び後方における
低μ摩擦材3Yの突出部分3b,3dの外端径は曲率半
径R40(R40>R50)とされている。
【0057】更に図7に示すように、摩擦摺動方向と交
差する方向(矢印C方向)において、低μ摩擦材3の突
出部分3a〜3dの一部が高μ摩擦材4にオーバラップ
しているオーバラップ領域80,81(図7においてハ
ッチングで示す領域)が設けられている。オーバラップ
領域80,81は、突出部分3a〜3dの一部が高μ摩
擦材4にオーバラップした部分を、摩擦摺動方向つまり
矢印B3方向に延長した領域を意味する。
【0058】このように本実施例では、低μ摩擦材3の
突出部分3a〜3dの一部が高μ摩擦材4にオーバラッ
プしているオーバラップ領域80,81が形成されてい
るため、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との一体係合性が
向上し、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との耐離脱性が確
保される。
【0059】ところでオーバラップ領域80,81が設
けられていると、図8に示すように、高μ摩擦材4より
も相手材6に向けて突出している低μ摩擦材3の影響
で、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との境界域に、高μ摩
擦材4の摩擦粉4Mが蓄積し易くなり、摩擦粉4Mの排
出性が制約されるおそれがある。このように高μ摩擦材
4の摩擦粉4Mの排出が制約されると、この摩擦粉4M
に起因して軽踏力時における『鳴き』が誘発され、本実
施例に係る『鳴き』防止効果が低減されるおそれがあ
る。殊に、本発明者による試験結果によれば、オーバラ
ップ領域80,81の合計摩擦面積がブレーキパッドの
合計摩擦面積の22%超えたあたりから、『鳴き』防止
効果が低減され易くなる。
【0060】この点本実施例においては、図7から理解
できるように、低μ摩擦材3の突出部分3a〜3dが高
μ摩擦材4にオーバラップしていない非オーバラップ領
域84が設けられているため、非オーバラップ領域84
により高μ摩擦材4の摩擦粉の排出が確保される。
【0061】本実施例においては、図3に示すように低
μ摩擦材3と高μ摩擦材4の双方が相手材6に接触して
いるとき、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4からなるブレー
キパッド1の合計摩擦面積をSWHOLEとし、オーバラッ
プ領域80,81の合計摩擦面積をSOVERとしたとき、
(SOVER/SWHOLE)×100%=約14%とされてい
る。SOVERは、図7に示すオーバラップ領域80,81
の摩擦面積の和に基づいた。
【0062】また、摩擦摺動方向と直交する方向(矢印
C方向)において、ブレーキパッド1の合計幅をL
WHOLEとし、オーバラップ領域80,81の合計幅をL
OVERとしたとき、(LOVER/LWHOLE)×100%=約1
3%とされている。LWHOLEとしては、LWHOLE =R10
−R60で求めた。LOVERとしては、LOVER=(R20
−R30)+(R40−R50)で求めた。
【0063】(実施例4)本発明に係る実施例4を図9
及び図10に示す。この例は実施例3と基本的には同様
の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。以
下異なる部分を中心として説明する。
【0064】本実施例は実施例3の場合よりも、オーバ
ラップ領域80,81の面積が増加している。
【0065】すなわち、本実施例においては、摩擦摺動
方向と交差する方向(矢印C方向)において、低μ摩擦
材3の突出部分3a〜3dの一部が高μ摩擦材4にオー
バラップしているオーバラップ領域80,81(図10
においてハッチングで示す領域)が設けられている。
【0066】本実施例においては、低μ摩擦材3の突出
部分3a〜3dの一部が矢印C方向において高μ摩擦材
4にオーバラップしているオーバラップ領域80,81
が形成されているため、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4と
の一体係合性が向上し、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4と
の耐離脱性が確保される。
【0067】本実施例では、実施例3の場合よりもオー
バラップ領域80,81の摩擦面積が増加しているた
め、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との耐離脱性の向上に
一層貢献できる。
【0068】更に低μ摩擦材3の突出部分3a〜3dが
高μ摩擦材4にオーバラップしていない非オーバラップ
領域84が設けられているため、非オーバラップ領域8
4に存在により高μ摩擦材4の摩擦粉の排出性が確保さ
れる。
【0069】本実施例においては、低μ摩擦材3と高μ
摩擦材4からなるブレーキパッド1の合計摩擦面積をS
WHOLEとし、オーバラップ領域80,81の合計摩擦面
積をSOVERとしたとき、(SOVER/SWHOLE)×100
%=約20%とされている。
【0070】また、摩擦摺動方向と直交する方向(矢印
C方向)において、ブレーキパッド1の合計幅をL
WHOLEとし、オーバラップ領域80,81の合計幅をL
OVERとしたとき、(LOVER/LWHOLE)×100%=約1
9%とされている。LWHOLEとしては、LWHOLE =R10
−R60で求めた。LOVERとしては、LOVER=(R20
−R30)+(R40−R50)で求めた。
【0071】(実施例5)本発明に係る実施例5を図1
1に示す。この例は実施例1と基本的には同様の構成で
あり、同様の作用効果を奏する。但しこの例では低い摩
擦係数の低μ摩擦材3(3X,3Y)には、軟質なクッ
ション部7が設けられている。従って低μ摩擦材3の圧
縮弾性率EL を小さくするのに有利である。よってこの
例では相手材6により圧縮されると、低μ摩擦材3は引
き込み易い。なおクッション部7は、低μ摩擦材3と裏
金2との間に設けても良いし、或いは、低μ摩擦材3の
内部に埋設しても良い。
【0072】(実施例6)本発明に係る実施例6を図1
2〜図14に示す。この例は実施例1と基本的には同様
の構成であり、同様の作用効果を奏する。以下相違する
部分を中心として説明する。
【0073】低μ摩擦材3(3X,3Y)と高μ摩擦材
4とを一体に設けたハイブリッド摩擦材では、低μ摩擦
材3の相手攻撃性と高μ摩擦材4の相手攻撃性とがかな
り相違する場合には、使用期間が長期化すると、図15
に示すように、相手材6の摩擦面のうち、低μ摩擦材3
による摩耗部6sが発生、高μ摩擦材4による摩耗部6
tが発生し、この結果、相手材6の摩擦面のうち低μ摩
擦材3と高μ摩擦材4との境界に接触する部分に大きな
鋭い段差60が生じるおそれがある。本実施例はこの段
差60を軽減するためのものである。
【0074】本実施例においては、図13は、本実施例
に係るハイブリッド摩擦材において高μ摩擦材4及び低
μ摩擦材3の厚み方向に沿った断面を示す。図14はそ
の要部の拡大図を示す。図13に示す断面において、裏
金2の取付面2kに向かうにつれて拡開するように、高
μ摩擦材4と低μ摩擦材3との境界が傾斜している。つ
まり、高μ摩擦材4の内周側及び外周側の輪郭線には、
傾斜面4sがそれぞれ形成されている。この結果、図1
3に示す断面において、相手材6から遠ざかるにつれ
て、すなわち、裏金2の取付面2kに向かうにつれて、
高μ摩擦材4の面積が次第に増加するように、高μ摩擦
材4の輪郭線が傾斜している。この結果、高μ摩擦材4
の内縁4i及び外縁4kは、裏金2の取付面2kに向か
うにつれて拡開する方向に傾斜している。、本実施例に
よれば、実施例1と同様に、図13に示すように、ブレ
ーキ非操作時において摩擦係数が低い低μ摩擦材3が高
μ摩擦材4よりも相手材6に向けて突出している。その
ため、ブレーキの軽踏力時等には、摩擦係数が小さく
『鳴き』の低減に有効な低μ摩擦材3が、まず優先的に
ディスクブレーキロータつまり相手材6に摩擦する。こ
れによりブレーキの軽踏力時における『鳴き』の問題が
軽減、回避される。
【0075】またブレーキの踏み込みを増加した高踏力
時には、図13から理解できる様に、高μ摩擦材4より
も弾性率が低い低μ摩擦材3が厚み方向に圧縮するた
め、摩擦係数μH が高く『効き』に強い高μ摩擦材4
も、相手材6に摩擦する様になる。そのため高踏力時に
おいて、ブレーキの『効き』も効果的に確保される。
【0076】低μ摩擦材3の相手攻撃性9よりも高μ摩
擦材4の相手攻撃性が高い場合には、使用期間が長期に
わたると、図14に示すように、相手材6の摩擦面のう
ち、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との境界に接触する部
分に段差60Aが生じるおそれがある。
【0077】このような場合において、低μ摩擦材3よ
りも相手攻撃性が高い性質をもつ高μ摩擦材4が相手材
6に接触するときには、図14に示すように、高μ摩擦
材4の傾斜面4sが相手材6に接触するようになる。こ
のため高μ摩擦材4が接触する際の単位面積当たりの面
圧が低減し、高μ摩擦材4が相手材6に局部的に強く当
たることが抑制される。これにより相手材6の表面に形
成される段差が鋭いエッジ状になることが抑制される。
また、特定位置での大きな起振力の発生を抑制すること
ができる。
【0078】更に、使用期間が長期にわたったとして
も、高μ摩擦材4の摩耗が進行するにつれて、低μ摩擦
材3と高μ摩擦材4との境界が外径方向(図13に示す
矢印N1方向)、内径方向(図13に示す矢印N2方
向)に次第に移動していくため、相手材6の表面に形成
される段差が鋭いエッジ状になることが一層抑制され
る。なお、前記した外径方向及び内径方向は、摩擦摺動
方向と交差する方向である。
【0079】本実施例においては、使用期間が長期化す
ると、高μ摩擦材4の摩耗が進行する。このように摩耗
が進行するにつれて、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4との
境界が外径方向(図13に示す矢印N1方向)、内径方
向(図13に示す矢印N2方向)に次第に移動すると共
に、摩擦係数が高くてブレーキの『効き』に有効な高μ
摩擦材4の表面積は次第に増加していくため、ブレーキ
の『効き』を確保しつつ、高μ摩擦材4が相手材6に接
触する際の単位面積当たりの面圧が低減される。この意
味においても、高μ摩擦材4が相手材6に局部的に強く
当たることが抑制され、相手材6の表面に形成される段
差がエッジ状になることが抑制される。
【0080】(実施例7)本発明に係る実施例7を図1
6〜図18に示す。この例は実施例1と基本的には同様
の構成であり、同様の作用効果を奏する。以下相違する
部分を中心として説明する。
【0081】本実施例においても実施例1と同様に、ブ
レーキ非操作時において摩擦係数が低い低μ摩擦材3
(3X,3Y)が高μ摩擦材4よりも相手材6に向けて
突出している。そのため、ブレーキの軽踏力時等には、
摩擦係数が小さく『鳴き』の低減に有効な低μ摩擦材3
が、まず優先的にディスクブレーキロータつまり相手材
6に摩擦する。これによりブレーキの軽踏力時における
『鳴き』の問題が軽減、回避される。
【0082】またブレーキの踏み込みを増加した高踏力
時には、低μ摩擦材3が圧縮して、摩擦係数μH が高く
『効き』に強い高μ摩擦材4も、相手材6に摩擦する様
になる。そのため高踏力時において、ブレーキの『効
き』も確保される。
【0083】本実施例においては、図16に示すよう
に、摩擦摺動方向(矢印B3方向)における前方及び後
方において摩擦摺動方向に沿って、高μ摩擦材4よりも
低μ摩擦材3が突出している。この結果、低μ摩擦材3
Xの両端部には突出部分3a,3cが形成されていると
共に、低μ摩擦材3Yの両端部には突出部分3b,3d
が形成されている。
【0084】低μ摩擦材3(3X,3Y)のうち高μ摩
擦材4よりも摩擦摺動方向に突出している突出部分3
a,3bの裏面側には、厚肉部3mがそれぞれ形成され
ていると共に、突出部分3c,3dには、厚肉部3nが
それぞれ形成されている。厚肉部3m,3nは、裏金2
側に突出している円形の突起形状をなしている。高μ摩
擦材4のうち摩擦摺動方向の端部の裏面側には、厚肉部
4m,4nがそれぞれ形成されている。厚肉部4m,4
nは裏金2側に突出している円形の突起形状をなしてい
る。厚肉部4m,4nの径サイズは、厚肉部3m,3n
の径サイズよりもやや大きくされている。
【0085】図17において低μ摩擦材3のうち厚肉部
以外の部分の厚みt1を100とすると、低μ摩擦材3
の厚肉部3m,3nの厚みt2は140〜160程度と
されている。高μ摩擦材4の厚肉部4m,4nの厚みに
ついても同様である。
【0086】製造にあたっては次のようにしている。す
なわち、図18に示すように、低μ摩擦材3を構成する
ための複数の出発原料(例えば有機繊維、摩擦摩耗調整
剤、結合剤等、具体的にはアラミド繊維、黒鉛、銅、フ
ェノール樹脂、硫酸バリウム、ゴムダストなど)を秤量
する工程、秤量した複数の出発原料を均一に混合して第
1混合物を得る工程、第1混合物を予備成形して第1予
備成形体を形成する工程、第1予備成形体を第1成形型
により、所定の加熱温度(150℃+α1)、所定時間
(5分+β1)、所定の加圧力(40MPa+γ1)の
もとで加熱することにより、熱成形し、これにより低μ
摩擦材3を得る工程を順に実施する。α1,β1,γ1
は、低μ摩擦材3の目標摩擦特性を発揮するように選定
されている。
【0087】高μ摩擦材4を構成するための複数の出発
原料(例えば無機繊維、摩擦摩耗調整剤、結合剤等、具
体的にはスチール繊維、黒鉛、銅、アルミナ、フェノー
ル樹脂、硫酸バリウム、ゴムダストなど)を秤量する工
程、秤量した複数の出発原料を均一に混合して第2混合
物を得る工程、第2混合物を予備成形して第2予備成形
体を形成する工程、第2予備成形体を第2成形型によ
り、所定の加熱温度(150℃+α2)、所定時間(5
分+β2)、所定の加圧力(40MPa+γ2)のもと
で加熱することにより、熱成形し、これにより高μ摩擦
材4を得る工程を順に実施する。α2,β2,γ2は、
高μ摩擦材4の目標摩擦特性を発揮するように選定され
ている。
【0088】金属製の裏金2は、素材(材質:SPH4
5)を切断した後に、外形加工及び穴加工を行い、洗浄
した後に、プライマ加工を施し、その後、接着剤を裏金
2の取付面2kの必要部位に塗布している。
【0089】上記したように低μ摩擦材3及び高μ摩擦
材4をそれぞれ熱成形して形成した後に、低μ摩擦材3
の厚肉部3m,3nを裏金2の取付孔2pにそれぞれ嵌
めて接着剤により低μ摩擦材3を裏金2の取付面2kに
接合すると共に、高μ摩擦材4の厚肉部4m,4nを裏
金2の取付孔2rにそれぞれ嵌めて接着剤により高μ摩
擦材4を裏金2の取付面2kに接合する。
【0090】その後、低μ摩擦材3及び高μ摩擦材4を
裏金2の取付面2kに組み付けた状態で、一体的に熱処
理する。なお、前記接着工程は熱処理工程と同一炉で連
続的に行うこともできる。その後、仕上げを行う。これ
により本実施例に係るハイブリッド摩擦材が製造され
る。
【0091】低μ摩擦材3と高μ摩擦材4とは、それぞ
れの目標摩擦特性を得るように、出発原料が同一ではな
く相違する。従って、低μ摩擦材3と高μ摩擦材4とを
同時に熱成形すると、満足できるそれぞれの目標摩擦性
能が得られないおそれがある。
【0092】この点本実施例においては、これを考慮し
て低μ摩擦材3に係る上記条件α1,β1,γ1は、低
μ摩擦材3の目標摩擦特性が得られるように選定され、
高μ摩擦材4に係る上記条件α2,β2,γ2は、高μ
摩擦材4の目標摩擦特性が得られるように選定される。
故に、低μ摩擦材3及び高μ摩擦材4の双方を、それぞ
れの目標摩擦特性を発揮しやすいように製造することが
できる。よって低μ摩擦材3によりブレーキの『鳴き』
の低減を図り得、高μ摩擦材4によりブレーキの『効
き』を確保することができる。
【0093】更に本実施例においては、高μ摩擦材4よ
りも低μ摩擦材3が突出している突出部分3a〜3dに
は、厚肉部3m,3nが形成されているため、低μ摩擦
材3のうち厚肉部3m,3nの弾性率は、低μ摩擦材3
のうちの厚肉部でない部分の弾性率に比較して低減す
る。換言すれば、低μ摩擦材3のうち厚肉部3m,3n
は、低μ摩擦材3のうちの厚肉部でない部分に比較して
軟質となる。故に、低μ摩擦材3のうち、摩擦摺動方向
における前方及び後方において高μ摩擦材4よりも突出
している突出部分3a,3bまたは突出部分3c,3d
が相手材6に優先的に摩擦する際に、弾性率が低い部分
である厚肉部3m,3nを相手材6に摺動させるのに有
利となり、『鳴き』の低減効果の確保に一層有利とな
る。
【0094】高μ摩擦材4の両端部にも、弾性率を低減
させ得る厚肉部4m,4nが形成されており、同様のこ
とがいえる。
【0095】また本実施例においては、低μ摩擦材3と
高μ摩擦材4との境界が接着されていないが、低μ摩擦
材3の厚肉部3m,3nを裏金2の取付孔2pにそれぞ
れ嵌めていると共に、高μ摩擦材4の厚肉部4m,4n
を裏金2の取付孔2rにそれぞれ嵌めているため、低μ
摩擦材3及び高μ摩擦材4の接合強度を確保することが
できる。
【0096】またプレーキパッド1が相手材6に摩擦す
るときに、摩擦力が大きく作用するのは、低μ摩擦材3
の端部、高μ摩擦材4の端部である。この点本実施例に
おいては、低μ摩擦材3の端部に形成されている厚肉部
3m,3nを裏金2の取付孔2pにそれぞれ嵌めている
と共に、高μ摩擦材4の端部に形成されている厚肉部4
m,4nを裏金2の取付孔2rにそれぞれ嵌めており、
この意味においても、低μ摩擦材3及び高μ摩擦材4の
接合強度を確保することができる。
【0097】(適用例)図19は適用例を示す。この適
用例では、ディスクブレーキロータ87に対面する裏金
2にはブレーキパッド1が取り付けられており、ディス
クブレーキ装置89が構成されている。
【0098】(物性値の例)以下、上記した各実施例で
用いた摩擦係数が低い低μ摩擦材3と、摩擦係数が高い
高μ摩擦材4の物性値は、例えば、次のようにできる。
ただし物性値はこれに限定されるものではない。 (A)摩擦係数が低い低μ摩擦材3 摩擦係数μL :0.25 圧縮弾性率EL :10〔kgf/mm2 〕≒98[MP
a](ブレーキ圧:10〔kgf/cm2 〕≒98×1
4[Pa]において) 摩耗率WL :0.9×10-4〔mm3/kgf・m〕 (B)摩擦係数が高い高μ摩擦材4 摩擦係数μH :0.4 圧縮弾性率EH :110〔kgf/mm2 〕≒1078
[MPa](ブレーキ圧:10〔kgf/cm2 〕≒9
8×104[Pa]において) 摩耗率WH :2.4×10-4〜2.5×10-4〔mm3
/kgf・m〕 ここで、(高μ摩擦材4の摩耗率WH /低μ摩擦材3の
摩耗率WL )は約2.8とされている。
【0099】なお1〔kgf/mm2 〕≒9.8[MP
a]とし、1〔kgf/cm2 〕≒9.8×104[P
a]とした。
【0100】上記した摩擦係数はJASO C406
(乗用車ブレーキ装置タイナモメータ試験方法)に準じ
た試験方法により求めた。圧縮弾性率は所定の圧力Fで
摩擦材(厚みt、面積A)を厚み方向に圧縮し、圧縮量
δを測定し、圧縮弾性率E=(F/A)/(δ/t)に
基づいて求めた。摩耗率は、車速50km/hからブレ
ーキにより減速度0.2Gで減速して停止させ、これを
所定回数繰り返し、摩擦材の厚みの減少量の平均値を摩
耗量とし、そこから摩耗率を測定した。
【0101】本実施例に係る摩擦係数が低い低μ摩擦材
3、摩擦係数が高い高μ摩擦材4の基本組成の1例を表
1に示す。
【0102】
【表1】
【0103】ゴムダストは、圧縮弾性率の減少に貢献で
きる。スチール繊維は摩擦係数の確保に貢献できる。低
μ摩擦材3,高μ摩擦材4は上記した例に限定されるも
のではない。
【0104】
【発明の効果】本発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、低μ摩擦材が高μ摩擦材よりも相手材に向けて突出
しているため、軽踏力時等のブレーキ軽作動時には、摩
擦係数が小さくて『鳴きの低減』に有利な低μ摩擦材が
優先的に相手材に摩擦し、ブレーキの『鳴きの低減』に
有利である。更にブレーキの踏み込みが増加した高踏力
時等のブレーキ高作動時には、摩擦係数が高い高μ摩擦
材が相手材に摩擦するようになるため、ブレーキの『効
き』が確保される。故に『鳴きの低減』と『効き』との
両立を達成し易い構造を提供できる。
【0105】第1発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、摩擦摺動方向と交差する方向において、高μ摩擦材
の外側及び内側に低μ摩擦材が配置されているため、摩
擦摺動方向と交差する方向において摩擦材や相手材が相
対的に傾いているときであっても、軽踏力時等のブレー
キ軽作動時には、摩擦係数が小さくて『鳴きの低減』に
有利な低μ摩擦材が優先的に相手材に摩擦し易くなり、
ブレーキの『鳴きの低減』に有利である。
【0106】第2発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、摩擦摺動方向における前方及び後方において、高μ
摩擦材よりも低μ摩擦材が摩擦摺動方向に沿って突出し
ているため、摩擦摺動方向において摩擦材や相手材が相
対的に傾いているときであっても、軽踏力時等のブレー
キ軽作動時には、摩擦係数が小さくて『鳴きの低減』に
有利な低μ摩擦材が優先的に相手材に摩擦し易くなり、
ブレーキの『鳴きの低減』に有利である。
【0107】第3発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、低μ摩擦材は、摩擦摺動方向における前方及び後方
の少なくとも一方に高μ摩擦材よりも突出する突出部分
をもち、且つ、摩擦摺動方向と交差する方向において低
μ摩擦材の突出部分が高μ摩擦材にオーバラップしてい
るオーバラップ領域が設けられているため、低μ摩擦材
及び高μ摩擦材の一体係合性の確保に有利であり、低μ
摩擦材及び高μ摩擦材の耐離脱性を高めることができ
る。
【0108】第3発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、低μ摩擦材と高μ摩擦材とがオーバラップしていな
い非オーバラップ領域とが設けられているため、高μ摩
擦材の摩擦粉の排出性が確保される。よって高μ摩擦材
の摩擦粉の堆積に起因する『鳴き』を抑制するのに有利
となる。
【0109】第4発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材においては、高μ摩擦材の厚み方向に沿った断面に
おいて相手材から遠ざかるにつれて高μ摩擦材の面積が
増加するように、高μ摩擦材の輪郭線が傾斜している。
このため、使用期間が長期化したとしても、相手材の摩
耗に起因して相手材に大きな鋭い段差が生じることを抑
制することができる。
【0110】第5発明に係るブレーキ用ハイブリッド摩
擦材においては、摩擦摺動方向における前方及び後方に
おいて摩擦摺動方向に沿って、高μ摩擦材よりも低μ摩
擦材が突出しており、且つ、高μ摩擦材よりも低μ摩擦
材が突出している部分には、厚肉部が形成されている。
このように高μ摩擦材よりも低μ摩擦材が突出している
部分には、厚肉部が形成されているため、低μ摩擦材の
うち厚肉部の弾性率は、厚肉部でない部分の弾性率に比
較して低減する。換言すれば、低μ摩擦材のうち厚肉部
は、低μ摩擦材の厚肉部でない部分の弾性率に比較して
軟質となる。故に、低μ摩擦材のうち、摩擦摺動方向に
おける前方及び後方において高μ摩擦材よりも突出して
いる部分が相手材に優先的に摩擦する際に、弾性率が低
い部分を相手材に摺動させるのに有利となり、『鳴き』
低減効果の確保に一層有利となる。
【0111】各本発明に係るハイブリッド摩擦材によれ
ば、低μ摩擦材が高μ摩擦材よりも圧縮弾性率が小さい
場合には、高踏力時等の高作動時に引き込み易い。故に
高踏力時等の高作動時には、高μ摩擦材が相手材に摩擦
し易い。従って、軽踏力時等の軽作動時における『鳴き
の低減』と、高踏力時等の高作動時における『効き』と
の両立を一層達成し易い構造を提供できる。更に、低μ
摩擦材が高μ摩擦材よりも摩耗率が小さい場合には、低
μ摩擦材が高μ摩擦材よりも相手材に突出する構造を長
期にわたり維持し易い。従って『鳴きの低減』と『効
き』との両立を一層達成し易い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドの正面図である。
【図2】ブレーキ非操作時に係り、裏金に取り付けたブ
レーキパッドの断面を示し、図1のA−A線に沿う断面
図である。
【図3】ブレーキパッドが相手材と摩擦している状態の
断面図である。
【図4】実施例2に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドの正面図である。
【図5】実施例2に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドの断面図である。
【図6】実施例3に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドの正面図である。
【図7】実施例3に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドにおけるオーバラップ領域を示す正面図である。
【図8】実施例3に係り、高μ摩擦材の摩耗粉の堆積状
況を示す構成図である。
【図9】実施例4に係り、裏金に取り付けたブレーキパ
ッドの正面図である。
【図10】実施例4に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッドにおけるオーバラップ領域を示す正面図である。
【図11】実施例5に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッドの断面図である。
【図12】実施例6に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッドの正面図である。
【図13】実施例6に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッド及び相手材の断面図である。
【図14】実施例6に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッドが作動する際の要部の拡大図である。
【図15】高μ摩擦材の相手攻撃性が低μ摩擦材よりも
大きいとき、長期間にわたりブレーキパッドを使用した
後の状態を示すブレーキパッド及び相手材の断面図であ
る。
【図16】実施例7に係り、裏金に取り付けたブレーキ
パッドの正面図である。
【図17】実施例7に係り、図16におけるA2−A2
線に沿った断面図である。
【図18】実施例7に係り、低μ摩擦材及び高μ摩擦材
の製造過程を示す工程図である。
【図19】適用例に係り、ディスクブレーキ装置の斜視
図である。
【符号の説明】
図中、1はブレーキパッド、2は裏金、3は低μ摩擦
材、4は高μ摩擦材、80,81はオーバラップ領域、
84は非オーバラップ領域を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前
    記低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材
    とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、 前記低μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出
    しており、 摩擦摺動方向と交差する方向において、前記高μ摩擦材
    の外側及び内側に前記低μ摩擦材が配置されていること
    を特徴とするブレーキ用ハイブリッド摩擦材。
  2. 【請求項2】相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前
    記低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材
    とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、 前記低μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出
    しており、 摩擦摺動方向における前方及び後方において摩擦摺動方
    向に沿って、前記高μ摩擦材よりも前記低μ摩擦材が突
    出していることを特徴とするブレーキ用ハイブリッド摩
    擦材。
  3. 【請求項3】相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前
    記低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材
    とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、 前記低μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出
    しており、 前記低μ摩擦材は、摩擦摺動方向における前方及び後方
    の少なくとも一方に前記高μ摩擦材よりも摩擦摺動方向
    に沿って突出する突出部分をもち、且つ、 摩擦摺動方向と交差する方向において前記低μ摩擦材の
    突出部分が前記高μ摩擦材にオーバラップしているオー
    バラップ領域と、摩擦摺動方向と交差する方向において
    前記低μ摩擦材の突出部分が前記高μ摩擦材にオーバラ
    ップしていない非オーバラップ領域とが設けられている
    ことを特徴とするブレーキ用ハイブリッド摩擦材。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記オーバラップ領域
    は、次の(1)(2)の少なくとも一方の条件を満足す
    るように設定されており、前記高μ摩擦材の摩耗粉の排
    出性を高めたことを特徴とするブレーキ用ハイブリッド
    摩擦材。 (1)ハイブリッド摩擦材の合計摩擦面積をSWHOLE
    前記オーバラップ領域の合計摩擦面積をSOVERとしたと
    き、(SOVER/SWHOLE)×100%≦20% (2)摩擦摺動方向と直交する方向において、ハイブリ
    ッド摩擦材の合計幅をLWHOLE、前記オーバラップ領域
    の合計幅をLOVERとしたとき、(LOVER/LWHO LE)×
    100%≦20%
  5. 【請求項5】相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前
    記低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材
    とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、 前記低μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出
    しており、前記高μ摩擦材の厚み方向に沿った断面にお
    いて相手材から遠ざかるにつれて前記高μ摩擦材の面積
    が増加するように、前記高μ摩擦材の輪郭線が傾斜して
    いることを特徴とするブレーキ用ハイブリッド摩擦材。
  6. 【請求項6】相対的に摩擦係数が低い低μ摩擦材と、前
    記低μ摩擦材よりも相対的に摩擦係数が高い高μ摩擦材
    とを備えたブレーキ用ハイブリッド摩擦材であって、 前記低μ摩擦材は前記高μ摩擦材よりも相手材側に突出
    しており、 摩擦摺動方向における前方及び後方において摩擦摺動方
    向に沿って、前記高μ摩擦材よりも前記低μ摩擦材が突
    出しており、且つ、 前記高μ摩擦材よりも前記低μ摩擦材が突出している部
    分には、厚肉部が形成されていることを特徴とするブレ
    ーキ用ハイブリッド摩擦材。
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